(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-142828(P2020-142828A)
(43)【公開日】2020年9月10日
(54)【発明の名称】ボトル設置装置
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20200814BHJP
【FI】
B67D3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-40259(P2019-40259)
(22)【出願日】2019年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】597048779
【氏名又は名称】ユニケミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】717005707
【氏名又は名称】永島 保智
(72)【発明者】
【氏名】永島 保智
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082FF09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】宅配水ミネラルウォーターでは、ボトルを持ち上げ、注ぎ口を下側にして、サーバーの上部にセットする必要があるが、手軽に、かつ、安全にセットすることを可能とする装置を提供する。
【解決手段】ウォーターサーバー100の上部にボトル200を上下反転して設置するボトル設置装置であり、基台、前記基台より上方に向けて設置した縦方向支持部材、前記縦方向支持部材の上部より横方向に延びる横方向支持部材、前記縦方向支持部材、および、前記横方向支持部材に設置された複数の車輪、前記車輪により動かされる可撓性を有する移動部材、前記可撓性部材に取り付けた取り外し可能なボトル保持部材を備えてボトル設置装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台、前記基台より略上方に向けて設置した縦方向支持部材、前記縦方向支持部材の上部より略横方向に延びる横方向支持部材、前記縦方向支持部材、および、前記横方向支持部材に設置された複数の車輪、前記車輪により動かされる可撓性を有する移動部材、前記可撓性部材に取り付けた取り外し可能なボトル保持部材を備えるウォーターサーバーの上部にボトルを設置するボトル設置装置。
【請求項2】
前記縦方向支持部材と、前記横方向支持部材が単一の部材である請求項1に記載のボトル設置装置
【請求項3】
前記可撓性を有する移動部材はチェーンであり、前記車輪は前記チェーンに勘合する歯車型である請求項1または2に記載のボトル設置装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配ミネラルウオォターサーバーへボトルを設置する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明者は、ミネラルウォーターサーバー(以後、サーバーと記す。)の草分け頭初より、サーバーの生産に携わってきた。このたび、その経験を基に宅配水ミネラルウォーター供給上の問題点を指摘し、その解決策として今回の発明を行った。サーバーには、サーバーの本体の上部にタンクは配置するタイプと、サーバー本体の下部(内部)に配置するタイプの2つの形式がある。今回の発明は、
図1に示すようなサーバーの上部にボトルを運び、設置する装置に関する。この問題の解決策の一つとして、特開2009−12821号公報に開示された技術があるが、実用性の上からは課題も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−12821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今回の発明は、サーバーの上部にボトルを運び、設置する装置に関する。宅配水ミネラルウォーターでは、現在、普及しているボトルの大きさは7〜12リットルが主である。一方、欧米では、その2倍の大きさの16リットルのボトルが用いられている。水は1リットルが1kgであり、12リットルのボトルは12kgにもなる。このボトルを持ち上げ、注ぎ口を下側にして、サーバーの上部にセットする必要があるが、非力な人、特に高齢者にとっては困難な作業であり、腰痛などの原因にもなる危険性がある。また、セットをする時に転倒するなどの事故も危惧される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決する第1の発明は、ウォーターサーバーの上部にボトルを設置するボトル設置装置であり、基台、前記基台より上方に向けて設置した縦方向支持部材、前記縦方向支持部材の上部より横方向に延びる横方向支持部材、前記縦方向支持部材、および、前記横方向支持部材に設置された複数の車輪、前記車輪により動かされる可撓性を有する移動部材(以後可撓性部材と記す。)、前記可撓性部材に取り付けた取り外し可能なボトル保持部材を備えたボトル設置装置。
第2の発明は、第1の発明において、前記縦方向支持部材と前記横方向支持部材が単一の部材であるボトル設置装置。
第3の発明は、第1、または、第2の発明において、前記可撓性部材はチェーンであり、前記車輪は前記チェーンに勘合する歯車型であるボトル設置装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明の装置を用いることにより、手軽に、かつ、安全に、注ぎ口を下側にして、ボトルをサーバーの上部にセットすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の対象となるサーバーの概略図である。
【
図2】本発明の対象となるボトルを保管する保管庫の概略図である。
【
図4】本発明の実施例1の他の態様を示す概略図である
【
図5】本発明の実施例1にボトルをセットした図である。
【
図6】本発明の実施例1にボトルをセットし、サーバーの上にボトルをセットする直前の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に現在、一般的に使用されているサーバー100の概略図を示す。この図に示すように、サーバー100の上部に、ボトル200を注ぎ口を下向きにして置く形が一般的である。ボトル200は
図2に示すように、注ぎ口を上にして保管されているため、使用者は1m以上の高さのあるサーバー100の上部に、ボトル200を持ち上げ、上下を反転させて、サーバー100の上部にセットする必要がある。なお、現在、日本には、ハードボトル(再使用をする)と、ソフトボトル(ワンウェー)があるが、本発明はいずれのボトルも対象としている。
【0009】
図2はボトル保管庫300の一例である。ボトル200は、図示するように注ぎ口を上向きむきにして保管される。なお、2本のボトルを保管するもの(2本のボトルを縦置き、または、横置きする。)、および、3本のボトルを縦置きにして保管するタイプも普及している。
【実施例1】
【0010】
図3に本発明のボトル設置装置1の第1の実施例を示す。基台2、前記基台2より上方向に向かって設置された縦方向支持部材3、前記縦方向支持部材3の頂部より横方向(やや斜め上方に向かっている場合も含む)に延びる横方向支持部材4、前記縦方向支持部材3の基台近傍に設置した第1車輪5、前記横方向支持部材4と前期縦方向支持部材3との境目近傍の外側に設置した第2車輪6、前記横方向支持部材4の先端部近傍に設置した第3車輪7、第2車輪6に近接し、前記横方向支持部材4と前期縦方向支持部材3との境目近傍の内側に設置した第4車輪8、前記第1車輪5〜前記第4車輪8にかけた可撓性部材9、前記可撓性部材9に取り付けるボトル保持部材10よりなる。なお、前記縦方向支持部材3と前期横方向支持部材4は別々の部材とすること、または、一体の部材(L字型を180°回転させた形)としても良い。
【0011】
前期ボトル保持部材10は、可撓性部材9に設置した固定部材11に固定する。前期固定部材11は可撓性部材9が湾曲する場合にも、前記可撓性部材9と前期ボトル保持部材10を無理なく固定できる形式(例えばバネ構造を有する構造)とする。また、前記固定部材11は前記可撓性部材9より前記ボトル保持部材10を容易に脱着できる機能を有する構造とする。また、前記ボトル保持部材10には、必要に応じて、ボトル200を前記ボトル保持部材10に固定する固定具12を備える。前期可撓性部材9には、チェーン、鎖状部材、ベルト状部材13、鎖状部材、ワイヤー、鋼索等が使用できる。可撓性部材9は電動、または手動(モーター、手動用ハンドル等は、図示していない。)により前記第1車輪5〜前記第4車輪8により動かす。前記第1車輪5〜前記第4車輪8は、チェーン等を介して動力を伝達する形式であってもよい。14は移動用の車輪である。
【0012】
前記可撓性部材9の素材、形状、幅、太さは、強度を考慮して決定する。並列に複数配置しても良い。特に前記チェーンを使用する場合は、2本のチェーンを使用し、その2本のチェーンの間に横部材をわたし、前記横部材に前記固定部材11、または/および前記ボトル保持部材10をつける方法が実用的であり、前記固定部材11、または/および前記ボトル保持部材10、前記横部材より取り外しが自由にできる形式とする。
【実施例2】
【0013】
可撓性部材9としては、ベルト状部材13、鎖状部材、ワイヤー、鋼索等が使用可能である。ベルト状部材13を使用した1例を
図4に示す。この例では、片面(内側)に凹凸を付けたベルト状部材13を用いており、一例とした車輪7にはベルト状部材13の凹凸に対応する凹凸をつけ、両者が互いに滑らないようにしている。もちろん、他の車輪もこのような構造にしてもよい。ベルト状部材13は、このような特殊なベルトに限定するものではなく、摩擦力が十分であれば、平な表面であってもよく、粗面加工がされていても良い。
【0014】
第1車輪5〜第4車輪8の回転方向は可逆である。
図5においては、ボトル200は、保管庫(
図2)から出され、または、配達されてから、サーバー100に載せるために、ボトル設置装置1のボトル保持部材10に載せられた状態である。この図においては、第1車輪5〜第3車輪7は、反時計回りに回転し(第4車輪は時計周り)、ボトル保持部材10に保持されたボトル200は、可撓性部材9の移動により、上方向に運ばれる。なお、必要に応じて、ボトル200は、ベルト等の固定手段により、ボトル200を固定具12により、ボトル保持部材10に固定する。
【0015】
図6は、
図5の次の状態を示している。ボトル100は、ボトル保持部材10に保持され、可撓性部材9の動きにより上方向に持ち上げられ、縦方向支持部材3の頂部に達し、第2車輪6の位置でこの図における右方向(斜め右方向も含む)に移動方向を変えられ、さらに、横方向支持部材4の右端に設置してある第3車輪7の位置において、下向きに方向転換され、サーバー100の上部に位置する状態になり、動きを止める。動きを止めるタイミングは可撓性部材9の動きが電動、手動のいずれ場合においても、自動(センサーによる)停止、または手動停止が可能である。
【0016】
その後、ボトル200をボトル保持部材10からの固定状態を解除して、サーバー100上にボトル200を供給口に下向きにして置く。その後、第1車輪5〜第4車輪8を逆転させ、ボトル保持部材10を
図5の位置にまで戻す。なお、第1車輪5〜第4車輪8の回転方向を図示した方向(この図においては、反時計回りに回り、可撓性部材9を周回させる)の一方向回転のみにすることも可能である。一方向回転とする場合は、サーバー100の上部に位置する状態になり、動きを止めた状態でボトル200をサーバー100に置いた後に、ボトル保持部材10を可撓性部材9から取り外し、
図5に示した位置に着た後に再度セットする。
【実施例3】
【0017】
図7は、実施例3である。横方向支持部材4の先端部に第3車輪7に加えて、さらに第31車輪71を備えた例である。このようにすることで、横方向支持部材4の先端部で、ボトル保持部材10、およびボトル200の直線的な下方向への移送が容易になり、ボトル200のサーバー100への設置が容易になる。
【実施例4】
【0018】
図8は、実施例4である。可撓性部材9をエンドレス形状(リング状)とせず、1本状態とした例である。可撓性部材9は第1車輪5から第3車輪7の間にあり、ボトル200をサーバー100の上にセットする場合は、第1車輪5で巻きほぐし、第3車輪7の巻き取りを行い可撓性部材9を上方に動かし、ボトル保持部材10に保持されたボトル200は、縦方向支持部材にそって、上方向に運ばれる。さらに、第2車輪6の位置で(この図における右方向に)移動方向を変えられ、さらに、横方向支持部材4の右端に設置してある第3車輪7の位置において下向きに方向転換され、サーバー100の上部に位置する状態になり、動きを止める。その後、ボトル200をボトル保持部材10からの固定状態を解除して、ウォーターサーバー100の上にボトル200を供給口に下向きに置き、その後、第1車輪5〜第3車輪7を逆転(時計回り)させ、第1車輪5で可撓性部材9により巻き取りと、第3車輪7による可撓性部材9の巻きほぐしを行い、ボトル保持部材10を
図3に示す位置(基台近傍)にまで戻す。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は新たなミネラルウオーター関連産業の拡大に有効である。
【符号の説明】
【0020】
1 ボトル設置装置
2 ボトル設置装置の基台
3 ボトル設置装置の縦方向支持部材
4 ボトル設置装置の横方向支持部材
5 第1車輪
6 第2車輪
7 第3車輪
71 第31車輪
8 第4車輪
9 可撓性部材
10 ボトル保持部材
11 固定部材
12 固定具
13 ベルト状部材
14 移動用の車輪
100 ウォーターサーバー(サーバー)
200 ボトル
300 保管庫