特開2020-143424(P2020-143424A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オーティスの特許一覧

<>
  • 特開2020143424-吊り下げフック部材 図000003
  • 特開2020143424-吊り下げフック部材 図000004
  • 特開2020143424-吊り下げフック部材 図000005
  • 特開2020143424-吊り下げフック部材 図000006
  • 特開2020143424-吊り下げフック部材 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-143424(P2020-143424A)
(43)【公開日】2020年9月10日
(54)【発明の名称】吊り下げフック部材
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/072 20060101AFI20200814BHJP
【FI】
   E04D13/072 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-38195(P2019-38195)
(22)【出願日】2019年3月4日
(71)【出願人】
【識別番号】593178409
【氏名又は名称】株式会社オーティス
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北村 昌司
(57)【要約】
【課題】様々な軒樋支持具に容易に取り付けることができ、また、軒樋支持具に後付でも取り付けることができる吊り下げフック部材を提供する。
【解決手段】軒樋4を支持する軒樋支持具5に吊り下げ支持される吊り下げフック部材1において、該吊り下げフック部材は、本体部10と、該本体部の下方に位置するフック部11とを有しており、前記本体部は、幅方向の端面10aの少なくとも一方から内方側に凹状に開口する開口部12が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒樋を支持する軒樋支持具に吊り下げ支持される吊り下げフック部材において、
該吊り下げフック部材は、本体部と、該本体部の下方に位置するフック部とを有しており、
前記本体部は、幅方向の端面の少なくとも一方から内方側に凹状に開口する開口部が形成されていることを特徴とする吊り下げフック部材。
【請求項2】
請求項1において
前記フック部は、竿状体を前記軒樋に沿って保持し得ることを特徴とする吊り下げフック部材。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記本体部は、前記開口部から連通して上方向に凹状に開口し、前記軒樋支持具の一部と係合する係合凹部がさらに形成されていることを特徴とする吊り下げフック部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記開口部は、前記本体部の内方側から外方側に近づくにつれて開口幅が大きくなることを特徴とする吊り下げフック部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記本体部の上部は、前後方向に折曲されていることを特徴とする吊り下げフック部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軒樋を支持する軒樋支持具に吊り下げ支持される吊り下げフック部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軒先に固定される軒樋支持具に簾や物干し竿等を取り付けるためのフック部を有する吊り下げフック部材が提案されている(たとえば、特許文献1)。これにより、軒樋支持具の下方の空間を有効に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5351831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、吊り下げフック部材を吊り下げるための凹状の穴が加工形成されている軒樋支持具が必要である。ようするに、特許文献1の吊り下げフック部材は、特許文献1の軒樋支持具と組み合わせることでしか使用できず、上記の凹状の穴等のない軒樋支持具には、組み合わせて使用することができない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、様々な軒樋支持具に容易に取り付けることができ、また、軒樋支持具に後付でも取り付けることができる吊り下げフック部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の吊り下げフック部材は、軒樋を支持する軒樋支持具に吊り下げ支持される吊り下げフック部材において、該吊り下げフック部材は、本体部と、該本体部の下方に位置するフック部とを有しており、前記本体部は、幅方向の端面の少なくとも一方から内方側に凹状に開口する開口部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の吊り下げフック部材は、前記フック部は、竿状体を前記軒樋に沿って保持し得ることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の吊り下げフック部材は、前記本体部は、前記開口部から連通して上方向に凹状に開口し、前記軒樋支持具の一部と係合する係合凹部がさらに形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の吊り下げフック部材は、前記開口部は、前記本体部の内方側から外方側に近づくにつれて開口幅が大きくなることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の吊り下げフック部材は、前記本体部の上部は、前後方向に折曲されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の吊り下げフック部材は、上述した構成とされているため、開口部に軒樋支持具の一部を挿し込むことによって吊り下げ支持されることができる。また、フック部に物を引掛けることができるので、フック部によって軒樋支持具の下方側の空間を有効に利用することができる。
【0012】
請求項2に記載の吊り下げフック部材は、上述した構成とされているため、フック部に竿状体を軒樋に沿って保持させることができる。
【0013】
請求項3に記載の吊り下げフック部材は、上述した構成とされているため、係合凹部に軒樋支持具が係合されることによって、吊り下げフック部材が軒樋支持具から脱落しにくくなる。
【0014】
請求項4に記載の吊り下げフック部材は、上述した構成とされているため、開口部に軒樋支持具の一部を挿し込みし易くなる。
【0015】
請求項5に記載の吊り下げフック部材は、上述した構成とされているため、折り曲げられた本体部の上部によって、より広い面で吊り下げフック部材が軒樋支持具に吊り下げ支持される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、吊り下げフック部材の斜視図、(b)は折曲部が形成された吊り下げフック部材の斜視図である。
図2】(a)は、吊り下げフック部材が軒樋支持具に吊り支持される前の状態の平面図、(b)は、(a)のX−X線矢視断面図である。
図3】(a)は、吊り下げフック部材が軒樋支持具に吊り支持されている状態の平面図、(b)は、(a)のY−Y線矢視断面図である。
図4】は、軒先に設置された軒樋支持具に吊り支持されている吊り下げフック部材が日除けシェードを保持している状態の側面図である。
図5】(a)は、第1変形例の正面図、(b)は、第2変形例の正面図、(c)は、第3変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。まず、吊り下げフック部材1の基本構成について説明する。なお、吊り下げフック部材が吊り下げ支持されている軒樋支持具が軒先に固定されている状態を基準にして、前後方向(軒先から離れる方向を前方向、軒先に近づく方向を後ろ方向)、幅方向(軒先に対する見付の方向と一致する方向)、上下方向等を規定する。また、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
【0018】
吊り下げフック部材1は、軒樋4を支持する軒樋支持具5に吊り下げ支持される。吊り下げフック部材1は、本体部10と、本体部10の下方に位置するフック部11とを有している。本体部10は、幅方向の端面10aの少なくとも一方から内方側に凹状に開口する開口部12が形成されている。以下、詳しく説明する。
【0019】
吊り下げフック部材1は、ステンレス等の金属製の板材から形成されている。図1(a)に示すように、吊り下げフック部材1は、上方側に幅広の本体部10を有している。本体部10は、開口部12の下方から下方向に向けて幅方向の寸法が小さくなるように形成され、本体部10の下端部10bから長板状の接続部15を介してフック部11が形成されている。フック部11は、吊り下げフック部材1の下端を前後方向の後ろ側に半円状に湾曲して形成されている。これにより、フック部11は、竿状体2を軒樋4に沿って保持することができる。また、接続部15は、吊り下げフック部材1が軒樋支持具5に吊り下げ支持されているときに、フック部11が軒樋4の下方に位置する寸法で形成されている。また、本体部10とフック部11とは、幅方向の中心の位置が略同じになるように形成されている。また、同様に前後方向の中心の位置が略同じになるように形成されている。これにより、フック部11で竿状体2を保持した状態であっても、軒樋支持具5に安定した状態で吊り下げフック部材1は吊り下げ支持される。
【0020】
本体部10は、幅方向の一方の端面10aから内方側に凹状に開口して開口部12が形成されている。開口部12は、本体部10の内方側から外方側に近づくにつれて開口幅が大きくなる。そして、開口部12から連通して上方向に凹状に開口し、軒樋支持具5の一部と係合する係合凹部13が形成されている。係合凹部13の幅方向の寸法b1は、後述する軒樋支持具5の取付杆52の幅方向の寸法b2よりも若干大きく形成されている。
【0021】
開口部12は、内方側の開口幅a1より外方側の開口幅a2が大きくなっているので、軒樋支持具5の一部に吊り下げフック部材1を吊り下げ支持させる作業がしやすくなっている。また、係合凹部13は開口部12から連通して上方向に凹状に開口しているので、軒樋支持具5に吊り下げフック部材1が吊り下げ支持された後、吊り下げフック部材1の自重により、係合凹部13と軒樋支持具5の一部と係合されるので、脱落しにくくなる。
【0022】
また、本体部10は、図1(a)の一点鎖線Aに沿って(係合凹部13の上側のふちに沿って)、本体部10の上部を前後方向の前側に折曲状に形成された折曲部14を備えている(図1(b)参照)。図1(a)の折曲部14を備えない吊り下げフック部材1であっても軒樋支持具5に問題なく吊り下げ支持されるが、図1(b)の吊り下げフック部材1では、折曲部14による係合凹部13よりも広い面を備えることにより、吊り下げフック部材1と軒樋支持具5とが接触する面積が大きくなるので、軒樋支持具5により安定して吊り下げ支持される。なお、折曲部14は、前後方向のいずれの方向に形成されてもよく、前後方向の両方向に形成されてもよい。
【0023】
次に図2図3図4を参照して、吊り下げフック部材1を軒樋支持具5に吊り下げ支持させる方法の一例について説明する。なお、吊り下げフック部材1は、図1(b)の折曲部14を備えているものを例として説明する。
【0024】
本実施形態で吊り下げフック部材1が吊り下げられる軒樋支持具5は、軒樋4を吊り支持する吊具である。軒先6に固定される板状の取付板部51と、取付板部51から前方に延びる取付杆52と、取付杆52に前後方向にスライド可能に連結され、長孔53を有し軒樋4を吊り支持する樋支持具本体54とを有する。樋支持具本体54は、軒樋4の前耳4aを保持する前耳保持部55と、後耳4bを保持する後耳保持部56とを有する。樋支持具本体54の下方には、樋支持具本体54の前後方向のスライドのロック状態/アンロック状態を回転操作により自在に切り替えるロックレバー57を有する。取付杆52、樋支持具本体54、ロックレバー57を重ねて上下に貫通する固定具58でこれらは連結されている。
【0025】
軒樋支持具5は、軒先6に固定されており、軒樋4の前耳4a、後耳4bを前耳保持部55と後耳保持部56とにより保持して、軒樋4を吊り支持している。
吊り下げフック部材1は、本体部10が軒樋支持具5の取付板部51の先端面51aと樋支持具本体54の後端部54aとの間の隙間sに、図2(a)(b)に示す太矢印の方向に挿し込まれる。本体部10は、樋支持具本体54が、取付板部51と最も接近した位置に固定されていても、取付板部51と樋支持具本体54との間の隙間sに挿入可能な厚みに形成されている。
【0026】
図3(a)(b)は、吊り下げフック部材1が、軒樋支持具5に吊り下げ支持されている状態を示している。係合凹部13の上下方向の寸法t1は、取付杆52の厚みt2よりも大きく形成されているので、係合凹部13は、取付杆52に深く挿し込まれる。また、係合凹部13の幅方向の寸法b1は、取付杆52の幅方向の寸法b2よりも若干大きく形成されているので、係合凹部13は、取付杆52を幅方向から挟み込むような態様となる。
【0027】
次に図4を参照して、軒先6に固定された軒樋支持具5に吊り下げ支持されている吊り下げフック部材1に、竿状体2を支持させて日除けシェード3を設置する方法について説明する。
竿状体2は、断面形状が円形に形成された棒状のものである。竿状体2は、軒樋4の長手方向に沿って取り付けられた複数の吊り下げフック部材1のフック部11に保持される。フック部11は、半円状に形成されているので、軒樋4に沿って竿状体2を受けて保持することができる。図1(b)に示すように、布状の日除けシェード3の上方側に開設された孔部31に通した紐状体32を竿状体2に結びとめることで、軒樋支持具5の下方の空間に日除けシェード3を設置することができる。さらに、図4に示すように、日除けシェード3の下方側に固定されている紐状体32を、地面8aに打ち込まれているペグ8bに結びとめる。ペグ8bは吊り下げフック部材1よりも前方に位置するので、日除けシェード3は傾斜した状態で固定される。このとき、吊り下げフック部材1の本体部10の前面10cが樋支持具本体54の後端部54aに当接した状態で、日除けシェード3の下方側に連結されている紐状体32は、ペグ8bに結びとめられる。これにより、吊り下げフック部材1は、本体部10の前面10cが樋支持具本体54の後端部54aに当接しているので、前方への移動が規制され、また、ペグ8bに日除けシェード3の下端が固定されているので、後方への移動が規制される。そのため、風等に煽られても、吊り下げフック部材1の前後方向の位置がずれにくくなっている。なお、日除けシェード3の上方側に固定された紐状体32を、竿状体2を介さずにフック部11に直接結びとめてもよい。また、日除けシェード3の下方側に固定されている紐状体32が結びとめられるのはペグ8bに限定されることはない。さらに、日除けシェード3は、下方側が位置を固定されず吊り下げフック部材1や竿状体2に吊られている状態であってもよい。そして、吊り下げフック部材1は日除けシェード3を設置するのに用いられることに限定されず、例えば物干し竿である竿状体2を設置するのに用いられてもよい。
【0028】
本実施形態では、ステンレス等の金属製の板材から吊り下げフック部材1は形成されているが、これに限定されることはなく、アルミ等の他の金属材料であってもよく、金属材料以外の樹脂材料等であってもよい。また、吊り下げフック部材1は板材で形成されることに限定されることはなく、例えば後述する第2変形例の吊り下げフック部材1のように、線材で形成されてもよい。フック部11は、竿状体2を保持するために半円状に湾曲して形成されているが、フック部11の形状はこれに限定されることはない。本実施形態では、フック部11は、前後方向の後ろ側に湾曲して形成されているが、前側に湾曲して形成されてもよい。また、フック部11は、吊り下げフック部材1に対して複数形成されてもよい。本実施形態では本体部10が、接続部15、フック部11よりも幅広に形成されているが、本体部10、接続部15、フック部11が同じ幅寸法で形成されてもよい。そして、折曲部14は、前後方向の前側に折曲して形成されているが、後ろ側に折曲して形成されてもよい。折曲部14の下面に滑り止め加工や、ゴム材等で形成した滑り止めを設けてもよい。係合凹部13の幅方向の寸法b1は、上述したものに限定されることはなく、例えば、樋支持具本体54の後耳保持部56よりも若干大きい寸法に形成されてもよい。これにより、吊り下げフック部材1は、取付杆52ではなく、後耳保持部56に吊り下げ支持させることができる。これに限らず、係合凹部13の幅方向の寸法b1は、吊り下げフック部材1が吊り下げられる箇所の大きさに合わせて形成されればよい。また、吊り下げフック部材1が吊り下げられる軒樋支持具5は吊具に限定されることはなく、軒樋4を受け支持する受け具であってもよく、様々な種類の軒樋支持具5に吊り下げフック部材1は吊り下げ可能である。
【0029】
次に図5(a)〜(c)に示す各変形例について説明する。なお、第1実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は省略する。
【0030】
図5(a)に示す第1変形例は、本体部10の幅方向の一方側の端面10aと、幅方向の他方側の端面10a’とに、それぞれ幅方向に凹状に開口する開口部12,12’と、開口部12,12’の突き当りから上方向に凹状に開口して、係合凹部13,13’とが形成されている。開口部12,12’は、連通しないように上下方向の位置が異なるように形成されている。また、他方側の端面10a’の開口部12’から連通している下方側の係合凹部13’は、上方に位置する開口部12と連通しないように形成されている。開口部12,12’は、第1実施形態の開口部12と同様に、本体部10の内方側から外方側に近づくにつれて開口幅が大きくなっている。フック部11、接続部15の構成は、第1実施形態の吊り下げフック部材1と同様である。
開口部12,12’により、軒樋支持具5の幅方向のいずれの方向からも吊り下げフック部材1を挿し込むことができる。
【0031】
図5(b)に示す第2変形例は、吊り下げフック部材1が板材ではなく、一本の金属製の線材を折曲して形成されている。開口部12は本体部10の幅方向外側から幅方向内方側に凹状に開口するように折曲され、開口部12の突き当りから上方に凹状に開口するように折曲されている。フック部11は、吊り下げフック部材1の下端を前後方向に半円状に湾曲して形成されている。
線材で吊り下げフック部材1が形成されることにより、吊り下げフック部材1に使用される材料が軽減される。また、線材で形成された吊り下げフック部材1は、風に対して受ける面積が小さくなるので、風で煽られにくくなっている。
【0032】
図5(c)に示す第3変形例は、吊り下げフック部材1のフック部11が上下方向に位置調整可能に構成されている。本体部10と一体に形成されている接続部15Aの下端側には、丸孔(不図示)が開設され、本体部10と別体に形成されたフック部11の上方には、接続部15Bが一体に形成されている。フック部11側の接続部15Bには、上下方向に延びる長孔15aが開設されている。接続部15Aの丸孔と接続部15Bの長孔15aが重なった状態で丸孔と長孔15aにボルト7aを通し、蝶ナット7bを締結させることで、接続部15Aと接続部15Bが連結される。フック部11を上下方向に位置調整させる場合は、蝶ナット7bを緩め、フック部11を所望の位置にスライドさせて調整し、再び蝶ナット7bを締結させる。
吊り下げフック部材1のフック部11は、上下方向に位置調整可能に構成されているので、フック部11に保持される物や、引っ掛けられる物の上下方向の位置が調整可能となる。
【0033】
図5(a)の第1変形例は、開口部12が複数形成されている例を、図5(b)の第2変形例は、吊り下げフック部材1が板材以外で形成されている例を、図5(c)の第3変形例は、フック部11が上下方向の位置調整手段を有する例をそれぞれ示している。そのため、各変形例の形状は上述したものや図面で示されているものに限定されることはない。例えば、図5(a)〜(c)の各変形例は、折曲部14が形成されていないが、図1(b)の吊り下げフック部材1のように、折曲部14が形成されていてもよい。
【0034】
第1変形例では、開口部12,12’は、連通しないように上下方向の位置が異なるように形成されているが、連通しないのであれば開口部12,12’は上下方向の位置が同じであってもよい。
【0035】
第2変形例では、第1実施形態と略同様の形状に形成されているが、例えば第1変形例のように、開口部12が複数形成されていてもよい。
【0036】
第3変形例のフック部11の上下方向の位置調整手段は、図5(c)に示す構成に限定されることはなく、例えば、ボルト7a、蝶ナット7bに代わり軒樋支持具5のロックレバー57のようなフック部11の上下方向の移動のロック状態/アンロック状態を回転操作で自在に切り替えるレバー部であってもよい。また、フック部11側の接続部15に長孔15aが開設する代わりに、複数の丸孔が上下方向に間隔を空けて連続して形成され、本体部10側の丸孔とフック部11側の所望の位置の丸孔とが重なり合う位置にボルト7aを通して蝶ナット7bを締結させる態様であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 吊り下げフック部材
2 竿状体
4 軒樋
5 軒樋支持具
6 軒先
10 本体部
10a 端面
11 フック部
12 開口部
13 係合凹部
図1
図2
図3
図4
図5