【解決手段】日除けシェード1は、軒先2に吊り下げる、日除け用のシート材15を有したシェード本体10と、シェード本体10を吊り下げた状態でシェード本体10を壁面3側より支持する支持棒20とを備えており、シェード本体10は、シート材15の枠材として基部枠11と側枠12とをすくなくとも備え、基部枠11が軸支されるように軒先2に取り付けられ、かつ、側枠が支持棒20の一端に連結されており、支持棒20の他端が壁面3に当接することで、シェード本体10が支持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、枠材に固定されたシート材が突っ張り棒だけで支持される構造であるため、突っ張り棒自体が外れれば、その他の部材も当然に外れる。突っ張り棒が倒れれば、シート材が落下し損傷するおそれもある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、軒先に簡易に取り付けでき、かつ外れにくい日除けシェードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の日除けシェードは、軒先に吊り下げる、日除け用のシート材を有したシェード本体と、該シェード本体を吊り下げた状態で前記シェード本体を壁面側より支持する支持棒とを備えており、前記シェード本体は、前記シート材の枠材として基部枠と側枠とをすくなくとも備え、該基部枠が軸支されるように前記軒先に取り付けられ、かつ、前記側枠が前記支持棒の一端に連結されており、前記支持棒の他端が壁面に当接することで、前記シェード本体が支持されるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の日除けシェードは、前記側枠に取り付けられ、前記側枠に対して前記支持棒を所望の角度で固定する連結部材をさらに備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の日よけシェードは、前記連結部材と前記支持棒とは、前記支持棒を回動自在としたアンロック状態と、段階的な角度で固定するロック状態とに切り替え可能な連結構造とされることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の日よけシェードは、前記軒先に取り付けられ、前記シェード本体を吊り下げるフック部材をさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の日よけシェードは、前記フック部材は、軒先に固定されている軒樋支持具の基端部に引っ掛け可能な吊り下げ部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の日除けシェードは上述した構成とされているため、簡易に取り付けでき、かつ外れにくい。
【0012】
請求項2に記載の日除けシェードは上述した構成とされているため、シェード本体を所望の角度に取り付けることができる。また、支持棒を安定した状態に維持でき、その結果、シェード本体を安定した状態に維持することができる。
【0013】
請求項3に記載の日除けシェードは上述した構成とされているため、ロック状態とすることで、シェード本体の安定した状態の維持を図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の日除けシェードは上述した構成とされているため、フック部材を用いることで、施工業者に依頼することなく日除けシェードを簡単に取り付けることができる。
【0015】
請求項5に記載の日よけシェードは上述した構成とされているため、フック部材を軒先に簡単に取り付けでき、その結果、日除けシェードをさらに簡単に取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
まず、日除けシェード1の概略基本構成について記述する。なお、以下の説明においては、軒樋支持具の取付状態を基準として、前後等の方向を規定している。
【0018】
本実施形態に係る日除けシェード1は、
図1および
図2に示すように、軒先2に吊り下げる、日除け用のシート材15を有したシェード本体10と、シェード本体10を吊り下げた状態でシェード本体10を壁面3側より支持する支持棒20とを備えた構成とされる。
【0019】
シェード本体10は、
図2(a)に示すように、シート材15の枠材として基部枠11と側枠12とをすくなくとも備え、基部枠11が軸支されるように軒先2に取り付けられ、かつ、側枠12が支持棒20の一端に連結されるものとされる。この支持棒20の他端が壁面3に当接することで、シェード本体10が支持されるようになっている。
【0020】
ついで、
図1〜
図6に示した具体例をもとに、本実施形態に係る日除けシェード1について詳細に説明する。
【0021】
この日除けシェード1は、
図1に示すように、軒先2に取り付けられるもので、例えば、軒樋5を支持する軒樋支持具50の取付足52に吊り下げたフック部材40を介して取り付けられる構成とされている。したがって、シェード本体10はフック部材40を介して、軒先2に固定された軒樋支持具50に吊り下げ支持されるとともに、支持棒20を介して壁面3にも支持されるようになっている。
【0022】
シェード本体10は、金属あるいは硬質樹脂で製された枠材(四周枠)に日除け用のシート材15を取り付けて構成されている。四周枠は、後ろ側に配する基部枠11と、前側に配する前方枠13と、幅方向の両側に配する側枠12とを備えている。本実施形態では、これらの枠材は円柱状または円筒状とされている。特に、それらのうちすくなくとも基部枠11は、回動自在な軸となるように、円柱状または円筒状とされることが望ましい。
【0023】
シート材15は、四周枠内に張設されればよく、例えば各枠に複数のリング状の固定具16で固定、張設されればよい。なお、図例では、シート材15は四周枠に固定されているが、これには限らない。すくなくとも、シート材15の張設状態が維持できれば、どのような固定方法であってもよい。
【0024】
このシェード本体10は、
図2(a)に示すように、基部枠11が複数のフック部材40のフック部42に引っ掛けられ、支持棒20による支持がされていない場合には、基部枠11がフック部42に引っ掛けられた状態で回転自在に保持されて、シェード本体10自体の回動が自在とされている。
【0025】
支持棒20は、その一端が側枠12に連結部材30を介して連結されている。また
図2(b)に示すように、支持棒20は側枠12の下方(略真下)に配され、側枠12に対する支持棒20のなす角度θは連結部材30により調節が可能とされている。なお、この連結部材30による連結構造については、
図3の説明とともに後述する。
【0026】
また、角度調節された側枠12と支持棒20とは、その角度θが変動しないようにしたロック状態と、角度θが変動することを許容されたアンロック状態とに切り替えができるようになっている。具体的には、側枠12に取り付けられた連結部材30により、支持棒20を回動自在としたアンロック状態にもでき、任意の角度θで固定したロック状態にもでき、さらにそれらの間での切り替えが、支持棒20を回動させることでできるようになっている。
【0027】
また、支持棒20は、一端に連結部材30に連結するための連結部21を備え、他端に壁面3に当接する当接部22を備えている。支持棒20は金属あるいは合成樹脂などで製されており、当接部22として円錐台状のゴムが装着されている。なお、当接部22の底面には微小な凹凸などによる滑り止めが形成されていることが望ましい。
【0028】
また、支持棒20の連結部21については、連結部材30の構成および連結部材30に対する側枠12および支持棒20の装着構造とともに、
図3にもとづいて以下に説明する。
【0029】
連結部材30は、
図3(a)に示すように、側枠12を抱持する、側面視略円形で開口33を有した抱持部31と、抱持部31の開口33側の両方の端部より円から遠ざかるように相互に略平行に延びた挟着部32とを備えている。この挟着部32は、
図3(b)に示すように、正面視で略三角形状をなしており、支持棒20の軸支用の丸孔32aと、ボルト34、蝶ナット35止め用のボルト挿通孔32bとを有している。また、挟着部32同士の相対する内面の丸孔32aの周囲には、放射状に延びる複数の凹部32cが形成されている。
【0030】
一方、支持棒20は、その本体が例えば円柱状、円筒状とされ、端部の連結部21が、
図3(c)に示すように扁平状に形成されている。
図3(d)に示すように、連結部21はその両面側に突出する軸部21aを備えており、軸部21aの周囲に放射状に延びる複数の凸部21bが形成されている。
【0031】
この支持棒20は、連結部21の軸部21aが丸孔32aに挟着部32間より外側へと挿通し突出した状態に、連結部21が挟着部32に挟み込まれることで、回動自在な状態となる。そして、連結部21の凸部21bと、挟着部32の凹部32cとが嵌合し、かつ、両挟着部32をボルト34、蝶ナット35止めすることで支持棒20は連結部材30に固定され、回動がロックされる。
【0032】
このように、この日除けシェード1は、連結部材30と支持棒20とが、支持棒20を回動自在としたアンロック状態と、段階的な角度で固定するロック状態とに切り替え可能な構成とされている。
【0033】
この角度調節機構により、側枠12と支持棒20とのなす角度θを所望の角度に調節できる。その結果、壁面3に支持棒20の当接部22の外面を斜めにならないように面接触させ、つまり支持棒20を略水平に維持できるようにできる。
【0034】
図3の例では、凸部21bおよび凹部32cは30度ずつの段階的な角度調節を可能としているが、さらに刻み角度を小さくしてもよい。また凸部21bの数は凹部32cよりも少なくてもよい。また、連結部21、挟着部32間で凹凸を逆にしたものであってもよい。
【0035】
なお、側枠12と支持棒20とのなす角度θの調節は段階的な調節に限られず、例えば連結部21と挟着部32との接触面に梨地凹凸を形成することで、連続的な角度調節をできるようにしてもよい。
【0036】
また、ボルト34、蝶ナット35により、連結部材30は側枠12に対してもしっかりと固定されることとなる。また、ボルト34、蝶ナット35を弛めることで、支持棒20の側枠12に対する連結位置を調整することができる。なお、ボルト34、蝶ナット35の配設位置(挿通孔32bの位置)は、挟着部32の下部位置(例えば、
図2(b)のX位置)とすることが操作しやすく、また支持棒20の回動ストッパともなり得るため、望ましい。
【0037】
このようにして、この日除けシェードを、シェード本体10の側枠12と支持棒20とを固定させた(回動がロックされた)安定した状態で、壁面3より支持することができる。なお、固定しない(回動がアンロックの)状態であっても、支持棒20の当接部22が壁面3に当接していれば、日除けシェード1を、
図1の状態のように維持することができる。
【0038】
ついで、日除けシェード1を吊り支持するための構造について、
図4を参照しながら説明する。
【0039】
図4(a)は、軒樋支持具50による軒樋5の支持構造を示す軒樋支持具50の取付状態の側面図である。この軒樋支持具50は軒樋5を吊り支持するもので、金属あるいは硬質樹脂などで形成されており、軒先2の鼻隠2aに固定するための固定部51と、固定部51の上端より前方に延びた取付足52と、取付足52の前端の連結板部52aに連結された支持具本体53とを備えている。
【0040】
支持具本体53は、本体板状部53cと、軒樋5の前耳5aを保持する前耳保持部53aと、後ろ耳5bを保持すえる後ろ耳保持部53bとを備えている。本体板状部53cには前後方向に沿って長孔(不図示)が開設されており、その長孔の長手方向の適宜な位置に取付足52の連結板部52aに設けた固定具挿通孔(不図示)を合わせて、ボルト55と蝶ナット56で固定できる固定構造とされている。つまり、支持具本体53は前後方向の位置調節が可能とされ、それにより軒樋5の出具合を調節できるようになっている。
【0041】
本実施形態では、この軒樋支持具50の取付足52に、上述したシェード本体10を吊り下げるためのフック部材40が取り付けられている。このフック部材40は、軒樋支持具50に対し着脱自在とされ、日除けシェード1の取り付けが必要な場合に、軒樋5の長手方向に対する適宜な位置に合った軒樋支持具50に取り付ければよい。
【0042】
フック部材40は、金属あるいは硬質樹脂などで板状に製されており、
図4(a)(b)に示すように、本体41の下部には湾曲してなるフック部42が形成され、本体41の上部には、軒樋支持具50の取付足52に引っ掛け保持されるようにするための吊り下げ部43を有している。この吊り下げ部43は、本体41の中央上部に形成された係合凹部43aを有し、この係合凹部43aに取付足52を配することでフック部材40が吊り下げられた状態となる。
【0043】
この係合凹部43aは本体41の一方の側端に設けた開口部44より通じており、開口部44より挿入された取付足52と係合させればよい。また、フック部材40の上端部には折曲部45が形成されている。なお、フック部材40の上端からフック部42までの長さ寸法は、軒樋支持具50に軒樋5を取り付けた状態でフック部42が軒樋5の後ろ側に隠れず、かつ、フック部42に吊り下げたシェード本体10の回動がスムーズになされるような寸法とすることが望ましい。
【0044】
フック部材40は、
図4(a)に示すように、フック部42の開口42aを後ろ側に向けた状態で、開口部44を取付足52の位置に合わせ横方向にスライドするようにして装着されればよい。フック部材40の係合凹部43aの幅寸法を取付足52の幅寸法と略同じにして、
図4(b)に示すように、係合凹部43aの両側の挟持部43bで取付足52を挟持できるようにすれば、フック部材40は安定して保持され得る。また
図4(a)に示すように、フック部材40の折曲部45を取付足52の上面に面接触させておけば、フック部材40はさらに安定して保持される。
【0045】
このようにして、フック部材40は、軒樋支持具50の基端部(取付足52の基端部52b)に引っ掛けられる。こうして取り付けたフック部材40のフック部42に、シェード本体10の基部枠11を装着すれば、シェード本体10は回動自在となるように吊り下げ支持される。
【0046】
以上のようにシェード本体10が吊り下げ支持された状態で、側枠12に対し所望の角度θに調節された支持棒20を、その当接部22を壁面3に当接させた状態とすることで、シェード本体10は、
図1(a)に示したような安定した状態に保持される。
【0047】
以上に示したように、日除けシェード1は簡易な構造であり、簡易に軒先2に取り付けできる。また、この日除けシェード1はフック部材40を有した構成であるため、フック部材40を用いれば、施工業者などによらず住居者でも簡易に取り付けることができ、簡易な日除け具として使用することができる。また、フック部材40は軒樋支持具50の基端部52bに吊り下げできるため、軒樋5の施工後でも、日除けシェード1を簡易に取り付けることができる。
【0048】
また、シェード本体10は、支持棒20(壁面3)とフック部材40(軒先に固定された軒樋支持具50)とにより支持されているため、安定な状態を維持することができ、そのため、日除けシェード1の上方から風が吹きつけた場合でも、ぐらついたり、外れたりすることがない。
【0049】
また、シェード本体10の下方より風が吹き込んだ場合には、
図5(a)に示すように、シェード本体10が回動し、上方に舞い上がることがある。しかし、連結部材30により側枠12と支持棒20とが一定の角度を保った状態にロックされているため、風が止めば、
図5(b)のような元の状態に戻り、壁による支持が継続される。ようするに、風が吹いても外れたり、落下したりするおそれはほとんどなく、一時的にぐらついても取り付け状態を維持することができる。
【0050】
また、シェード本体10の側枠12と支持棒20とがアンロック状態で
図1(a)のように保持されていた場合、風がシェード本体10の下方より吹き込んだ場合、回動により支持棒20は当接部22が壁面3から離れて重力により前方へ回動し、その後、シェード本体10も重力で後方に回動して、
図6(b)に示すように、側枠12に連結された状態で支持棒20はシェード本体10とともに垂れ下がる。
【0051】
このように、日除けシェード1が、シェード本体10と支持棒20とがアンロック状態に連結されて設置されている場合でも、風が吹いて落下したり、外れたりするおそれはほとんどない。
【0052】
本実施形態では、日除けシェード1が、シェード本体10と、支持棒20と、連結部材30と、フック部材40とを有する構成としているが、シェード本体の基部枠が建築部材の適所に軸支されるのであれば、フック部材40を含まない構成であってもよい。
【0053】
日除けシェード1を軒樋5と同時に施工する場合には、フック部材40を軒樋支持具50の固定部51と鼻隠2aとの間に挟み込み固定するようにしてもよい。そのようにすれば、フック部材40を強固に固定することができ、日除けシェード1をより安定した状態に設置することができる。
【0054】
また、フック部材40は上述した構成のものには限られず、他のものであってもよい。例えば上部にネジ部を有し、そのネジ部で軒天2bに固定できる構成のものであってもよい。