特開2020-143568(P2020-143568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-143568収納リフォームユニット及びその施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-143568(P2020-143568A)
(43)【公開日】2020年9月10日
(54)【発明の名称】収納リフォームユニット及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20200814BHJP
【FI】
   E04F19/08 102L
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-219606(P2019-219606)
(22)【出願日】2019年12月4日
(31)【優先権主張番号】特願2019-38415(P2019-38415)
(32)【優先日】2019年3月4日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】320002898
【氏名又は名称】株式会社パックシステム
(71)【出願人】
【識別番号】518462569
【氏名又は名称】株式会社リフォームキュー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 航
(72)【発明者】
【氏名】小曽根 翔士
(72)【発明者】
【氏名】龍岡 実
(72)【発明者】
【氏名】内原 健介
(57)【要約】
【課題】収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工する。
【解決手段】床板パネル、一対の側板パネル20a、背板パネル30a、天板パネル及び収納枠50は、既存箱状ユニット100の内部寸法よりも小さく設計され、一対の側板パネル20a及び背板パネル30aは、床板パネルに接合され、天板パネルは、一対の側板パネル20aに接合され、収納枠50は、既存箱状ユニット100の前面枠150の枠内で前面枠150に接合され、一対の側板パネル20aは、収納枠50及び前面枠150の少なくとも一方に接合されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の床板パネルと、
上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、
上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、
上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、
前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、
上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、
建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットであって、
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計され、
上記一対の側板パネル及び背板パネルは、上記床板パネルに接合され、
上記天板パネルは、上記一対の側板パネルに接合され、
上記収納枠は、上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内で該前面枠に接合され、
上記一対の側板パネルは、上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合されていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項2】
請求項1に記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面には、表面化粧板が設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項3】
請求項2に記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記既存箱状ユニットの内部には、後面側の壁及び天井の間に梁が設けられ、
上記梁の前面には、上記天板パネルに接合された梁前面パネルが設けられ、
上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面には、上記表面化粧板を介して桟材が設けられ、
上記桟材上には、収納棚が載置され、
上記梁前面パネルは、上記収納棚に到達するように設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1つに記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記床板パネルは、レベル調整可能に設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1つに記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記前面枠の前面及び収納枠の前面には、該前面枠の前面を覆うように表面材が設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1つに記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記一対の側板パネルは、上記収納枠に接合され、該収納枠の後面側に配置されていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項7】
矩形状の床板パネルと、
上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、
上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、
上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、
前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、
上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、
建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットを施工する方法であって、
上記既存箱状ユニットの内部の造作物を解体する解体工程と、
上記既存箱状ユニットの内部寸法を上記解体工程後の実測定、又は該既存箱状ユニットの設計図面に基づいて設定する寸法設定工程と、
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さくなるように準備する構成部材準備工程と、
上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内に上記収納枠を設置し、該前面枠に該収納枠を接合する枠接合工程と、
上記既存箱状ユニットの内部に上記床板パネルを仮置きする仮置工程と、
上記仮置工程の後に、上記床板パネルに上記一対の側板パネル及び背板パネルを接合する第1パネル接合工程と、
上記第1パネル接合工程の後に、上記床板パネルのレベル調整を行うレベル調整工程と、
上記レベル調整工程の後に、上記一対の側板パネルを上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合するパネル枠接合工程と、
上記パネル枠接合工程の後に、上記一対の側板パネルに上記天板パネルを接合する第2パネル接合工程と、
上記第2パネル接合工程の後に、上記収納枠に上記収納扉を取り付ける扉取付工程とを備えることを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【請求項8】
請求項7に記載された収納リフォームユニットの施工方法において、
上記第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板を取り付ける化粧板取付工程を備えることを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【請求項9】
請求項8に記載された収納リフォームユニットの施工方法において、
上記化粧板取付工程及び扉取付工程の間に、上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面の表面化粧板に桟材を取り付け、該桟材に収納棚を載置する棚設置工程を備えることを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【請求項10】
請求項7〜9の何れか1つに記載された収納リフォームユニットの施工方法において、
上記扉取付工程の後に、上記前面枠の前面及び収納枠の前面に該前面枠の前面を覆うように表面材を取り付ける表面材取付工程を備えることを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【請求項11】
請求項7〜10の何れか1つに記載された収納リフォームユニットの施工方法において、
上記パネル枠接合工程では、上記一対の側板パネルを上記収納枠に接合し、該一対の側板パネルを上記収納枠の後面側に配置することを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納リフォームユニット及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、押し入れやクローゼット等の箱状ユニットを構成する部材を現場で組み立てることにより、物流時や施工時等の作業性を向上させた箱状ユニット及びその施工方法は、広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、矧ぎ手を用いて接合される分割背板として背板を構成すると共に、棚枠材により左右の分割背板を連結することを基本とし、施工性に優れると共に補強されて安定した強度を備えた箱状ユニット及びその施工方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−154454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、中古マンションをリノベーションするためのマンションのリフォームでは、施工する現場以外において日常生活が続けられているので、施工する工期を短くしたり、現場での作業を減らしたりすることが要望されている。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る収納リフォームユニットは、矩形状の床板パネルと、上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットであって、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計され、上記一対の側板パネル及び背板パネルは、上記床板パネルに接合され、上記天板パネルは、上記一対の側板パネルに接合され、上記収納枠は、上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内で該前面枠に接合され、上記一対の側板パネルは、上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、一対の側板パネル及び背板パネルが床板パネルに接合されているので、一対の側板パネル及び背板パネルが床板パネルの両側端部及び後端部に立った状態にそれぞれ固定されている。また、天板パネルが一対の側板パネルに接合されているので、天板パネルが一対の側板パネルの間に架け渡した状態で固定されている。さらに、一対の側板パネルが既存箱状ユニットの前面枠、及びその前面枠に接合された収納枠の少なくとも一方に接合されているので、既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットの強度を確保することができる。ここで、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を施工現場で切断加工することなく、予め工場で切断加工して準備することができる。これにより、施工現場での切断作業が省略され、施工現場での作業が主に組立作業になるので、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができる。
【0009】
さらに、施工現場での切断作業が省略されるので、施工現場で発生する廃材や騒音を減らすことができる。
【0010】
また、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、その歪み等を吸収することができ、施工現場の日程計画に影響を及ぼし難くすることができる。
【0011】
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面には、表面化粧板が設けられていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板が設けられているので、収納リフォームユニットの内部の見映えを確保することができる。
【0013】
上記既存箱状ユニットの内部には、後面側の壁及び天井の間に梁が設けられ、上記梁の前面には、上記天板パネルに接合された梁前面パネルが設けられ、上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面には、上記表面化粧板を介して桟材が設けられ、上記桟材上には、収納棚が載置され、上記梁前面パネルは、上記収納棚に到達するように設けられていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、梁前面パネルが収納棚に到達するように設けられているので、梁前面パネルの後面側に配置するパネル(梁底面パネル等)を省略することができ、省施工化及び低コスト化を図ることができる。
【0015】
上記床板パネルは、レベル調整可能に設けられていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、床板パネルがレベル調整可能に設けられているので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、収納リフォームユニットの床板パネルの水平状態、並びに床板パネルの両側端部及び後端部にそれぞれ接合された一対の側板パネル及び背板パネルの直立状態を保持することができる。
【0017】
上記前面枠の前面及び収納枠の前面には、該前面枠の前面を覆うように表面材が設けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、前面枠の前面及び収納枠の前面に前面枠の前面を覆うように表面材が設けられているので、既存箱状ユニットの前面枠を隠すことができ、収納リフォームユニットの見映えを向上させることができる。
【0019】
上記一対の側板パネルは、上記収納枠に接合され、該収納枠の後面側に配置されていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、仮に、既存箱状ユニットの前面枠に経年劣化による歪み等があっても、前面枠の枠内で収納枠が鉛直に直立状態で接合されていれば、一対の側板パネルを鉛直に直立させることができる。また、一対の側板パネルが収納枠の後面側に配置されているので、収納リフォームユニット内の収納スペースを確保することができる。
【0021】
また、本発明に係る収納リフォームユニットの施工方法は、矩形状の床板パネルと、上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットを施工する方法であって、上記既存箱状ユニットの内部の造作物を解体する解体工程と、上記既存箱状ユニットの内部寸法を上記解体工程後の実測定、又は該既存箱状ユニットの設計図面に基づいて設定する寸法設定工程と、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さくなるように準備する構成部材準備工程と、上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内に上記収納枠を設置し、該前面枠に該収納枠を接合する枠接合工程と、上記既存箱状ユニットの内部に上記床板パネルを仮置きする仮置工程と、上記仮置工程の後に、上記床板パネルに上記一対の側板パネル及び背板パネルを接合する第1パネル接合工程と、上記第1パネル接合工程の後に、上記床板パネルのレベル調整を行うレベル調整工程と、上記レベル調整工程の後に、上記一対の側板パネルを上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合するパネル枠接合工程と、上記パネル枠接合工程の後に、上記一対の側板パネルに上記天板パネルを接合する第2パネル接合工程と、上記第2パネル接合工程の後に、上記収納枠に上記収納扉を取り付ける扉取付工程とを備えることを特徴とする。
【0022】
上記の方法によれば、第1パネル接合工程において、一対の側板パネル及び背板パネルを床板パネルに接合するので、一対の側板パネル及び背板パネルが床板パネルの両側端部及び後端部に立った状態にそれぞれ固定される。また、第2パネル接合工程において、天板パネルを一対の側板パネルに接合するので、天板パネルが一対の側板パネルの間に架け渡した状態で固定される。さらに、枠接合工程において、既存箱状ユニットの前面枠に収納枠を接合し、その後、パネル枠接合工程において、一対の側板パネルを既存箱状ユニットの前面枠、及び収納枠の少なくとも一方に接合するので、既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットの強度を確保することができる。ここで、寸法設定工程では、既存箱状ユニットの内部寸法を解体工程後の実測定、又は既存箱状ユニットの設計図面に基づいて設定し、構成部材準備工程では、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さくなるように準備する。そのため、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を施工現場で切断加工することなく、予め工場で切断加工して準備することができる。これにより、施工現場での切断作業が省略され、施工現場での作業が主に組立作業になるので、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができる。
【0023】
さらに、施工現場での切断作業が省略されるので、施工現場で発生する廃材や騒音を減らすことができる。
【0024】
また、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、その歪み等を吸収することができ、施工現場の日程計画に影響を及ぼし難くすることができる。
【0025】
また、仮置工程において、既存箱状ユニットの内部に床板パネルを仮置きし、第1パネル接合工程の後のレベル調整工程において、床板パネルのレベル調整を行うので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、収納リフォームユニットの床板パネルの水平状態、並びに床板パネルの両側端部及び後端部にそれぞれ接合された一対の側板パネル及び背板パネルの直立状態を保持することができる。
【0026】
上記第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板を取り付ける化粧板取付工程を備えてもよい。
【0027】
上記の方法によれば、第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に行う化粧板取付工程において、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板を取り付けるので、収納リフォームユニットの内部の見映えを確保することができる。
【0028】
上記化粧板取付工程及び扉取付工程の間に、上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面の表面化粧板に桟材を取り付け、該桟材に収納棚を載置する棚設置工程を備えてもよい。
【0029】
上記の方法によれば、化粧板取付工程及び扉取付工程の間に行う棚設置工程において、一対の側板パネル及び背板パネルの表面の表面化粧板に桟材を取り付け、桟材に収納棚を載置するので、収納リフォームユニットの内部空間を効果的に区分けすることができる。
【0030】
上記扉取付工程の後に、上記前面枠の前面及び収納枠の前面に該前面枠の前面を覆うように表面材を取り付ける表面材取付工程を備えてもよい。
【0031】
上記の方法によれば、収納枠に収納扉を取り付ける扉取付工程の後に行う表面材取付工程において、既存箱状ユニットの前面枠の前面及び収納枠の前面に前面枠の前面を覆うように表面材を取り付けるので、既存箱状ユニットの前面枠を隠すことができ、収納リフォームユニットの見映えを向上させることができる。
【0032】
上記パネル枠接合工程では、上記一対の側板パネルを上記収納枠に接合し、該一対の側板パネルを上記収納枠の後面側に配置してもよい。
【0033】
上記の方法によれば、仮に、既存箱状ユニットの前面枠に経年劣化による歪み等があっても、パネル枠接合工程において、前面枠の枠内で収納枠を鉛直に直立状態で接合すれば、一対の側板パネルを鉛直に直立させることができる。また、一対の側板パネルが収納枠の後面側に配置するので、収納リフォームユニット内の収納スペースを確保することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠が既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの高さ方向に沿った下側部分の断面図である。
図3図2中のIII−III線に沿った収納リフォームユニットの断面図である。
図4図2中のIV−IV線に沿った収納リフォームユニットの断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットを構成する床板パネルを示す平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットを構成する側面パネルを示す平面図である。
図7】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットを構成する背板パネル及び梁前面パネルを示す平面図である。
図8】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの変形例の断面図であり、図4に相当する図である。
図9】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの施工方法における解体工程後の既存箱状ユニットの内部の状態を示す正面図である。
図10】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの他の変形例の断面図であり、図2中の領域Aを拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0037】
図1図10は、本発明に係る収納リフォームユニット及びその施工方法の実施形態を示している。ここで、図1は、本実施形態の収納リフォームユニット90の正面図である。また、図2は、収納リフォームユニット90の高さ方向に沿った下側部分の断面図である。また、図3及び図4は、図2中のIII−III線に沿った収納リフォームユニット90の断面図である。また、図5は、収納リフォームユニット90を構成する床板パネル10を示す平面図である。また、図6は、収納リフォームユニット90を構成する側面パネル20を示す平面図である。また、図7は、収納リフォームユニット90を構成する背板パネル30及び梁前面パネル47を示す平面図である。また、図8は、収納リフォームユニット90の変形例である収納リフォームユニット90aの断面図であり、図4に相当する図である。
【0038】
収納リフォームユニット90は、図1図7に示すように、例えば、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47、収納枠50、収納扉60及び収納棚70を備え、中古マンション等の建築物内の押し入れ等の既存箱状ユニット100の内部に収容されるように構成されている。ここで、既存箱状ユニット100の内部には、図3及び図4に示すように、後面側の壁W及び天井Cの間に梁Bが配置されている。また、既存箱状ユニット100の前面には、図2及び図4に示すように、前面枠として木製の押入枠150が矩形の枠状に残っている。
【0039】
床板パネル10は、図5に示すように、例えば、6本の縦枠材と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、床板パネル10の表面には、図3及び図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板11が貼り付けられている。また、床板パネル10の裏面において、縦枠材と横枠材とが交差する部分には、図5に示すように、高さ調整金具Lが取り付けられている。なお、高さ調整金具Lは、例えば、ドライバー等で高さ調整ボルトを回動させることにより、その高さ調整ボルトの突出長さを調整するように構成されている。そのため、床板パネル10は、8つの高さ調整金具Lにおいて、床面Fからの高さを調整することにより、レベル調整レベル調整可能に設けられている。
【0040】
側板パネル20は、図6に示すように、下側側板パネル20aと、下側側板パネル20aに連結された上側側板パネル20bとを備えている。ここで、側板パネル20は、図3に示すように、床板パネル10の両側端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、床板パネル10の両側端部に直立した状態に配置されている。また、側板パネル20は、収納枠50及び押入枠150の少なくとも一方に接合固定されている。
【0041】
下側側板パネル20aは、図6に示すように、例えば、3本の縦枠材と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、下側側板パネル20aの表面には、図2及び図3に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板21aが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0042】
上側側板パネル20bは、図6に示すように、例えば、5本の縦枠材と、4本の横枠材とを枠組みすることにより、既存箱状ユニット100内の梁Bを外すように、外郭がL字形の枠状に設けられている。ここで、上側板パネル20bの表面には、図3に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板21bが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0043】
背板パネル30は、図7に示すように、例えば、ねじ止め等により、互いに連結された一対の下側背板パネル30aと、各下側背板パネル30aに連結された上側背板パネル30bとを備えている。ここで、背板パネル30は、図4に示すように、床板パネル10の後端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、床板パネル10の後端部に直立した状態に配置されている。
【0044】
下側背板パネル30aは、図7に示すように、例えば、4本の縦枠材と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、下側背板パネル30aの表面には、図2及び図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板31aが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0045】
上側背板パネル30bは、図7に示すように、例えば、4本の縦枠材と、3本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、上側背板パネル30bの表面には、図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板31bが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0046】
天板パネル40は、図3及び4に示すように、例えば、2本の縦枠材と、3本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、天板パネル40は、図3に示すように、一対の側板パネル20の前上端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、一対の側板パネル20の間に架け渡した状態に配置されている。また、天板パネル40の表面には、図3及び図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板41が枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0047】
梁底面パネル45は、図4に示すように、例えば、2本の縦枠材(不図示)と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、梁底面パネル45は、一対の側板パネル20の後上端部及び背板パネル30の上端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、一対の側板パネル20の間に架け渡した状態に配置されている。また、梁底面パネル45の表面には、図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板46が枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0048】
梁前面パネル47は、図4に示すように、例えば、2本の縦枠材(不図示)と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、梁前面パネル47は、一対の側板パネル20の前上端部及び後上端部の間の部分、天板パネル40、並びに梁底面パネル45に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、一対の側板パネル20の間に架け渡した状態に配置されている。また、梁前面パネル47の表面には、図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板48が枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0049】
ここで、床板パネル10、側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47を構成する縦枠材及び横枠材、並びに後述する枠状部材72としては、LVL(平行合板)、合板、集成材、無垢材等の木質材が用いられている。
【0050】
また、表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48、並びに後述する表面化粧板71としては、合板、中密度繊維板、高密度繊維板等の木質材、又はその木質材の表面に合成樹脂化粧シート、化粧紙、突板等を貼り付けたものが用いられている。
【0051】
収納枠50は、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材等の木質材により形成され、図2及び図4に示すように、押入枠150の枠内に矩形の枠状に設けられている。また、収納枠50は、例えば、ねじ止め等により、押入枠150に接合固定され、収納リフォームユニット90の前面に立った状態に配置されている。ここで、収納枠50の枠内には、収納扉60の上端部及び下端部を案内するための上レール(不図示)及び下レール(不図示)が取り付けられている。また、収納枠50は、図2に示すように、L字状の横断面を有している。また、収納枠50の下辺部の後面側には、図7に示すように、例えば、ねじ止め等により、下段框5が接合固定されている。また、収納枠50の前面及び押入枠150の前面には、図1及び図2に示すように、押入枠150の前面を覆うようにケーシング材61が表面材として設けられている。なお、ケーシング材61は、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材等の木質材により形成されている。
【0052】
収納扉60は、図1に示すように、左右2枚ずつの折戸形式で収納枠50の開口部を開閉するように構成されている。
【0053】
収納棚70は、図3及び図4に示すように、枠状に設けられた枠状部材72と、例えば、ピン状のタッカー等により、枠状部材72の表面に枠内空間を覆うように貼り付けられた表面化粧板71とを備えている。ここで、収納棚70は、図3及び図4に示すように、一対の表面化粧材21a及び31aの表面に取り付けられた桟材75上に載置されている。また、収納棚70は、表面化粧材21a及び21bの継ぎ目、並びに表面化粧材31a及び31bの継ぎ目を隠すように設けられている。また、収納棚70の前面には、図4に示すように、例えば、ねじ止め等により、前框53が接合固定されている。なお、本実施形態では、収納リフォームユニット90の内部の造作物として、収納棚70を例示したが、例えば、収納棚70の下側にハンガーパイプ等を造作物として設けてもよい。
【0054】
上記構成の収納リフォームユニット90において、床板パネル10、側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50は、既存箱状ユニット10の内部寸法よりも(例えば、数cm〜数10cm程度)小さく設計されている。
【0055】
なお、本実施形態では、梁Bの底面に沿って梁底面パネル45が設けられた収納リフォームユニット90を例示したが、図8に示すような収納リフォームユニット90aであってもよい。ここで、収納リフォームユニット90aでは、図8に示すように、梁前面パネル47に対応する梁前面パネル47aが収納棚70に到達するように設けられている。なお、梁前面パネル47aの表面には、図8に示すように、表面化粧板48に対応する表面化粧板48aが枠内空間を覆うように貼り付けられている。また、収納リフォームユニット90aでは、図4及び図8を比較すると分かるように、収納リフォームユニット90を構成する梁底面パネル45、上側背板パネル30b、並びに表面化粧材46及び31bが省略されているので、収納リフォームユニット90よりも省施工化及び低コスト化を図ることができる。さらに、収納リフォームユニット90aでは、各側板パネル20の上側板パネル20bの後面側の枠材(図6中の部分R参照)も省略されている。
【0056】
次に、本実施形態の収納リフォームユニット90の施工方法について説明する。ここで、図9は、収納リフォームユニット90の施工方法における解体工程後の既存箱状ユニット100の内部の状態を示す正面図である。なお、収納リフォームユニット90の施工方法では、解体工程、寸法設定工程、構成部材準備工程、枠接合工程、仮置工程、第1パネル接合工程、レベル調整工程、パネル枠接合工程、第2パネル接合工程、化粧板取付工程、棚設置工程、扉取付工程及び表面材取付工程を順に行う。
【0057】
<解体工程>
例えば、中古マンション内の押し入れ等の既存箱状ユニット100の内部の押入棚等の造作物を解体することにより、図9に示すように、既存箱状ユニット100内部の床面F、壁W、天井C及び梁Bを露出させる。
【0058】
<寸法設定工程>
既存箱状ユニット100の内部寸法を上記解体工程後の実測定、又は建築時の既存箱状ユニット100の設計図面に基づいて設定する。
【0059】
<構成部材準備工程>
床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47、表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48、収納枠50、収納扉60、並びに収納棚70等の構成部材を上記寸法設定工程で設定した既存箱状ユニット100の内部寸法よりも小さくなるように工場等で準備する。
【0060】
<枠接合工程>
まず、既存箱状ユニット100の押入枠150の枠内に収納枠50を設置した後に、例えば、ねじ止め等により、押入枠150に収納枠50を接合する。
【0061】
続いて、収納枠50の上辺部及び下辺部の枠内に、例えば、ねじ止め等により、上レール及び下レールを接合する。
【0062】
さらに、収納枠50の下辺部の後面側に、例えば、ねじ止め等により、下段框5を接合する。
【0063】
<仮置工程>
上記枠接合工程で収納枠50が接合された既存箱状ユニット100の内部の床面Fに床板パネル10を仮置きする。
【0064】
<第1パネル接合工程>
まず、上記仮置工程で仮置きされた床板パネル10に、例えば、ねじ止め等により、一対の下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aを接合した後に、隣り合う下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aを接合する。
【0065】
続いて、一対の下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aに、例えば、ねじ止め等により、一対の上側板パネル20b及び上側背板パネル30bを接合する。
【0066】
<レベル調整工程>
上記第1パネル接合工程で一対の側板パネル20(20a、20b)及び背板パネル30(30a、30b)が接合された床板パネル10の各高さ調整金具Lの高さ調整ボルトを、例えば、ドライバー等により、適宜回動させることにより、その高さ調整ボルトの突出長さを調整して、床板パネル10のレベル調整を行う。
【0067】
<パネル枠接合工程>
押入枠150に、例えば、ねじ止め等により、上記レベル調整工程でレベル調整を行った床板パネル10に接合された一対の側板パネル20を接合する。なお、本実施形態では、一対の側板パネル20を押入枠150に接合する施工方法を例示したが、本発明は、一対の側板パネル20を収納枠50、又は押入枠150及び収納枠50の双方に接合してもよい。ここで、図10は、収納リフォームユニット90の他の変形例の断面図であり、図2中の領域Aを拡大した図である。
【0068】
この変形例では、側板パネル20(下側側板パネル20a)に対応する下側側板パネル20aaを例えば厚さ15mm程度にスリム化して、図10に示すように、下側側板パネル20aaを収納枠50に接合し、収納枠50の後面側に配置している。なお、下側側板パネル20aaの表面には、図10に示すように、表面化粧板21aに対応する表面化粧板21aaが枠内空間を覆うように貼り付けられている。この変形例によれば、仮に、既存箱状ユニット100の押入枠150に経年劣化による歪み等があっても、押入枠150の枠内で収納枠50のレベル調整を行って、押入枠150に収納枠50を鉛直に直立状態で接合することにより、下側側板パネル20aaを鉛直に直立させることができる。また、下側側板パネル20aaが収納枠50の後面側に配置されているので、収納リフォームユニット90内の収納スペースを確保することができる。
【0069】
<第2パネル接合工程>
上記パネル枠接合工程で押入枠150に接合された一対の側板パネル20(一対の上側板パネル20b)に、例えば、ねじ止め等により、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47を接合した後に、隣り合う天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47を接合する。
【0070】
<化粧板取付工程>
上記第2パネル接合工程で天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47が接合されたパネル構造体の床板パネル10、一対の下側側板パネル20a、一対の上側側板パネル20b、下側背板パネル30a、上側背板パネル30b、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47の表面に、例えば、タッカー等により、表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48を取り付ける。
【0071】
<棚設置工程>
上記化粧板取付工程で取り付けた一対の表面化粧板21a及び31aに桟材75を取り付けた後に、桟材75上に予め作製した収納棚70を載置することにより、収納棚70を設置する。
【0072】
<扉取付工程>
上記棚設置工程で収納棚70を設置した後に、収納枠50の上レール及び下レールに収納扉60を取り付ける。
【0073】
<表面材取付工程>
上記扉取付工程で収納扉60を取り付けた収納枠50の前面及び押入枠150の前面に押入枠150の前面を覆うように、例えば、タッカー等により、ケーシング材61を取り付ける。
【0074】
以上のようにして、既存箱状ユニット100の内部に本実施形態の収納リフォームユニット90を施工することができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、第1パネル接合工程において、一対の側板パネル20及び背板パネル30を床板パネル10に接合するので、一対の側板パネル20及び背板パネル30が床板パネル10の両側端部及び後端部に立った状態にそれぞれ固定される。また、第2パネル接合工程において、天板パネル40を一対の側板パネル20に接合するので、天板パネル40が一対の側板パネル20の間に架け渡した状態で固定される。さらに、枠接合工程において、既存箱状ユニット100の押入枠150に収納枠50を接合し、その後、パネル枠接合工程において、一対の側板パネル20を既存箱状ユニットの押入枠150、及び収納枠50の少なくとも一方に接合するので、既存箱状ユニット100の内部に収容される収納リフォームユニット90の強度を確保することができる。ここで、寸法設定工程では、既存箱状ユニット100の内部寸法を解体工程後の実測定、又は既存箱状ユニット100の設計図面に基づいて設定し、構成部材準備工程では、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50を既存箱状ユニット100の内部寸法よりも小さくなるように準備する。そのため、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル40、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50を施工現場で切断加工することなく、予め工場で切断加工して準備することができる。これにより、施工現場での切断作業が省略され、施工現場での作業が主に組立作業になるので、収納リフォームユニット90を短工期且つ省作業で施工することができる。
【0076】
さらに、施工現場での切断作業が省略されるので、施工現場で発生する廃材や騒音を減らすことができる。
【0077】
また、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50は、既存箱状ユニット100の内部寸法よりも小さく設計されているので、仮に、既存箱状ユニット100の躯体の経年劣化による歪み等があっても、その歪み等を吸収することができ、施工現場の日程計画に影響を及ぼし難くすることができる。
【0078】
また、仮置工程において、既存箱状ユニット100の内部に床板パネル10を仮置きし、第1パネル接合工程の後のレベル調整工程において、床板パネル10のレベル調整を行うので、仮に、既存箱状ユニット100の躯体の経年劣化による歪み等があっても、収納リフォームユニット90の床板パネル10の水平状態、並びに床板パネル10の両側端部及び後端部にそれぞれ接合された一対の側板パネル20及び背板パネル30の直立状態を保持することができる。
【0079】
また、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に行う化粧板取付工程において、床板パネル10、下側側板パネル20a、上側側板パネル20b、下側背板パネル30a、上側背板パネル30b、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47の表面に表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48を取り付けるので、収納リフォームユニット90の内部の見映えを確保することができる。
【0080】
また、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、化粧板取付工程及び扉取付工程の間に行う棚設置工程において、一対の下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aの表面の表面化粧板21a及び31aに桟材75を取り付け、桟材75に収納棚70を載置するので、収納リフォームユニット90の内部空間を効果的に区分けすることができる。
【0081】
また、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、収納枠50に収納扉60を取り付ける扉取付工程の後に行う表面材取付工程において、既存箱状ユニットの押入枠150の前面及び収納枠50の前面に押入枠150の前面を覆うようにケーシング材61を取り付けるので、既存箱状ユニット100の押入枠150を隠すことができ、収納リフォームユニット90の見映えを向上させることができる。
【0082】
《その他の実施形態》
上記実施形態では、建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットを例示したが、本発明は、押し入れやクローゼット等の収納ユニットのリフォームだけでなく、例えば、トイレ等のリフォームにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明は、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができるので、極めて有用である。
【符号の説明】
【0084】
B 梁
C 天井
W 壁
10 床板パネル
11,21a,21aa,21b,31a,31b,41 表面化粧板
20 側板パネル
20aa 下側側板パネル
30 背板パネル
40 天板パネル
47a 梁前面パネル
50 収納枠
60 収納扉
61 ケーシング材(表面材)
70 収納棚
75 桟材
90,90a 収納リフォームユニット
100 既存箱状ユニット
150 押入枠(前面枠)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2020年7月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納リフォームユニット及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、押し入れやクローゼット等の箱状ユニットを構成する部材を現場で組み立てることにより、物流時や施工時等の作業性を向上させた箱状ユニット及びその施工方法は、広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、矧ぎ手を用いて接合される分割背板として背板を構成すると共に、棚枠材により左右の分割背板を連結することを基本とし、施工性に優れると共に補強されて安定した強度を備えた箱状ユニット及びその施工方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−154454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、中古マンションをリノベーションするためのマンションのリフォームでは、施工する現場以外において日常生活が続けられているので、施工する工期を短くしたり、現場での作業を減らしたりすることが要望されている。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る収納リフォームユニットは、矩形状の床板パネルと、上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットであって、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計され、上記一対の側板パネル及び背板パネルは、上記床板パネルに接合され、上記天板パネルは、上記一対の側板パネルに接合され、上記収納枠は、上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内で該前面枠に接合され、上記一対の側板パネルは、上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合され、上記床板パネルは、上記既存箱状ユニットの床面に接する複数の高さ調整金具によって、該床面からの高さを調整することによりレベル調整可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、一対の側板パネル及び背板パネルが床板パネルに接合されているので、一対の側板パネル及び背板パネルが床板パネルの両側端部及び後端部に立った状態にそれぞれ固定されている。また、天板パネルが一対の側板パネルに接合されているので、天板パネルが一対の側板パネルの間に架け渡した状態で固定されている。さらに、一対の側板パネルが既存箱状ユニットの前面枠、及びその前面枠に接合された収納枠の少なくとも一方に接合されているので、既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットの強度を確保することができる。ここで、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を施工現場で切断加工することなく、予め工場で切断加工して準備することができる。これにより、施工現場での切断作業が省略され、施工現場での作業が主に組立作業になるので、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができる。
【0009】
さらに、施工現場での切断作業が省略されるので、施工現場で発生する廃材や騒音を減らすことができる。
【0010】
また、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、その歪み等を吸収することができ、施工現場の日程計画に影響を及ぼし難くすることができる。
【0011】
また、床板パネルがレベル調整可能に設けられているので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、収納リフォームユニットの床板パネルの水平状態、並びに床板パネルの両側端部及び後端部にそれぞれ接合された一対の側板パネル及び背板パネルの直立状態を保持することができる。
【0012】
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面には、表面化粧板が設けられ、上記既存箱状ユニットの内部には、後面側の壁及び天井の間に梁が設けられ、上記梁の前面には、上記天板パネルに接合された梁前面パネルが設けられ、上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面には、上記表面化粧板を介して桟材が設けられ、上記桟材上には、収納棚が載置され、上記梁前面パネルは、上記収納棚に到達するように設けられていてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板が設けられているので、収納リフォームユニットの内部の見映えを確保することができる
【0014】
また、梁前面パネルが収納棚に到達するように設けられているので、梁前面パネルの後面側に配置するパネル(梁底面パネル等)を省略することができ、省施工化及び低コスト化を図ることができる。
【0015】
上記収納棚は、上記表面化粧板の継ぎ目を隠すように設けられていてもよい。
【0016】
上記前面枠の前面及び収納枠の前面には、該前面枠の前面を覆うように表面材が設けられていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、前面枠の前面及び収納枠の前面に前面枠の前面を覆うように表面材が設けられているので、既存箱状ユニットの前面枠を隠すことができ、収納リフォームユニットの見映えを向上させることができる。
【0018】
上記一対の側板パネルは、上記収納枠に接合され、該収納枠の後面側に配置されていてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、仮に、既存箱状ユニットの前面枠に経年劣化による歪み等があっても、前面枠の枠内で収納枠が鉛直に直立状態で接合されていれば、一対の側板パネルを鉛直に直立させることができる。また、一対の側板パネルが収納枠の後面側に配置されているので、収納リフォームユニット内の収納スペースを確保することができる。
【0020】
上記一対の側板パネルは、上記前面枠の後面側に配置されていてもよい。
【0021】
また、本発明に係る収納リフォームユニットの施工方法は、矩形状の床板パネルと、上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットを施工する方法であって、上記既存箱状ユニットの内部の造作物を解体する解体工程と、上記既存箱状ユニットの内部寸法を上記解体工程後の実測定、又は該既存箱状ユニットの設計図面に基づいて設定する寸法設定工程と、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さくなるように準備する構成部材準備工程と、上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内に上記収納枠を設置し、該前面枠に該収納枠を接合する枠接合工程と、上記既存箱状ユニットの内部に上記床板パネルを仮置きする仮置工程と、上記仮置工程の後に、上記床板パネルに上記一対の側板パネル及び背板パネルを接合する第1パネル接合工程と、上記第1パネル接合工程の後に、上記既存箱状ユニットの床面に接する複数の高さ調整金具によって、該床面からの高さを調整することにより上記床板パネルのレベル調整を行うレベル調整工程と、上記レベル調整工程の後に、上記一対の側板パネルを上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合するパネル枠接合工程と、上記パネル枠接合工程の後に、上記一対の側板パネルに上記天板パネルを接合する第2パネル接合工程と、上記第2パネル接合工程の後に、上記収納枠に上記収納扉を取り付ける扉取付工程とを備えることを特徴とする。
【0022】
上記の方法によれば、第1パネル接合工程において、一対の側板パネル及び背板パネルを床板パネルに接合するので、一対の側板パネル及び背板パネルが床板パネルの両側端部及び後端部に立った状態にそれぞれ固定される。また、第2パネル接合工程において、天板パネルを一対の側板パネルに接合するので、天板パネルが一対の側板パネルの間に架け渡した状態で固定される。さらに、枠接合工程において、既存箱状ユニットの前面枠に収納枠を接合し、その後、パネル枠接合工程において、一対の側板パネルを既存箱状ユニットの前面枠、及び収納枠の少なくとも一方に接合するので、既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットの強度を確保することができる。ここで、寸法設定工程では、既存箱状ユニットの内部寸法を解体工程後の実測定、又は既存箱状ユニットの設計図面に基づいて設定し、構成部材準備工程では、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さくなるように準備する。そのため、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を施工現場で切断加工することなく、予め工場で切断加工して準備することができる。これにより、施工現場での切断作業が省略され、施工現場での作業が主に組立作業になるので、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができる。
【0023】
さらに、施工現場での切断作業が省略されるので、施工現場で発生する廃材や騒音を減らすことができる。
【0024】
また、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、その歪み等を吸収することができ、施工現場の日程計画に影響を及ぼし難くすることができる。
【0025】
また、仮置工程において、既存箱状ユニットの内部に床板パネルを仮置きし、第1パネル接合工程の後のレベル調整工程において、床板パネルのレベル調整を行うので、仮に、既存箱状ユニットの躯体の経年劣化による歪み等があっても、収納リフォームユニットの床板パネルの水平状態、並びに床板パネルの両側端部及び後端部にそれぞれ接合された一対の側板パネル及び背板パネルの直立状態を保持することができる。
【0026】
上記第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板を取り付ける化粧板取付工程を備え、上記化粧板取付工程及び扉取付工程の間に、上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面の表面化粧板に桟材を取り付け、該桟材に収納棚を載置する棚設置工程を備えてもよい。
【0027】
上記の方法によれば、第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に行う化粧板取付工程において、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板を取り付けるので、収納リフォームユニットの内部の見映えを確保することができる
【0028】
また、化粧板取付工程及び扉取付工程の間に行う棚設置工程において、一対の側板パネル及び背板パネルの表面の表面化粧板に桟材を取り付け、桟材に収納棚を載置するので、収納リフォームユニットの内部空間を効果的に区分けすることができる。
【0029】
上記扉取付工程の後に、上記前面枠の前面及び収納枠の前面に該前面枠の前面を覆うように表面材を取り付ける表面材取付工程を備えてもよい。
【0030】
上記の方法によれば、収納枠に収納扉を取り付ける扉取付工程の後に行う表面材取付工程において、既存箱状ユニットの前面枠の前面及び収納枠の前面に前面枠の前面を覆うように表面材を取り付けるので、既存箱状ユニットの前面枠を隠すことができ、収納リフォームユニットの見映えを向上させることができる。
【0031】
上記パネル枠接合工程では、上記一対の側板パネルを上記収納枠に接合し、該一対の側板パネルを上記収納枠の後面側に配置してもよい。
【0032】
上記の方法によれば、仮に、既存箱状ユニットの前面枠に経年劣化による歪み等があっても、パネル枠接合工程において、前面枠の枠内で収納枠を鉛直に直立状態で接合すれば、一対の側板パネルを鉛直に直立させることができる。また、一対の側板パネルが収納枠の後面側に配置するので、収納リフォームユニット内の収納スペースを確保することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠が既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計されているので、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの高さ方向に沿った下側部分の断面図である。
図3図2中のIII−III線に沿った収納リフォームユニットの断面図である。
図4図2中のIV−IV線に沿った収納リフォームユニットの断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットを構成する床板パネルを示す平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットを構成する側面パネルを示す平面図である。
図7】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットを構成する背板パネル及び梁前面パネルを示す平面図である。
図8】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの変形例の断面図であり、図4に相当する図である。
図9】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの施工方法における解体工程後の既存箱状ユニットの内部の状態を示す正面図である。
図10】本発明の実施形態に係る収納リフォームユニットの他の変形例の断面図であり、図2中の領域Aを拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0036】
図1図10は、本発明に係る収納リフォームユニット及びその施工方法の実施形態を示している。ここで、図1は、本実施形態の収納リフォームユニット90の正面図である。また、図2は、収納リフォームユニット90の高さ方向に沿った下側部分の断面図である。また、図3及び図4は、図2中のIII−III線に沿った収納リフォームユニット90の断面図である。また、図5は、収納リフォームユニット90を構成する床板パネル10を示す平面図である。また、図6は、収納リフォームユニット90を構成する側面パネル20を示す平面図である。また、図7は、収納リフォームユニット90を構成する背板パネル30及び梁前面パネル47を示す平面図である。また、図8は、収納リフォームユニット90の変形例である収納リフォームユニット90aの断面図であり、図4に相当する図である。
【0037】
収納リフォームユニット90は、図1図7に示すように、例えば、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47、収納枠50、収納扉60及び収納棚70を備え、中古マンション等の建築物内の押し入れ等の既存箱状ユニット100の内部に収容されるように構成されている。ここで、既存箱状ユニット100の内部には、図3及び図4に示すように、後面側の壁W及び天井Cの間に梁Bが配置されている。また、既存箱状ユニット100の前面には、図2及び図4に示すように、前面枠として木製の押入枠150が矩形の枠状に残っている。
【0038】
床板パネル10は、図5に示すように、例えば、6本の縦枠材と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、床板パネル10の表面には、図3及び図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板11が貼り付けられている。また、床板パネル10の裏面において、縦枠材と横枠材とが交差する部分には、図5に示すように、高さ調整金具Lが取り付けられている。なお、高さ調整金具Lは、例えば、ドライバー等で高さ調整ボルトを回動させることにより、その高さ調整ボルトの突出長さを調整するように構成されている。そのため、床板パネル10は、8つの高さ調整金具Lにおいて、床面Fからの高さを調整することにより、レベル調整レベル調整可能に設けられている。
【0039】
側板パネル20は、図6に示すように、下側側板パネル20aと、下側側板パネル20aに連結された上側側板パネル20bとを備えている。ここで、側板パネル20は、図3に示すように、床板パネル10の両側端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、床板パネル10の両側端部に直立した状態に配置されている。また、側板パネル20は、収納枠50及び押入枠150の少なくとも一方に接合固定されている。
【0040】
下側側板パネル20aは、図6に示すように、例えば、3本の縦枠材と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、下側側板パネル20aの表面には、図2及び図3に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板21aが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0041】
上側側板パネル20bは、図6に示すように、例えば、5本の縦枠材と、4本の横枠材とを枠組みすることにより、既存箱状ユニット100内の梁Bを外すように、外郭がL字形の枠状に設けられている。ここで、上側板パネル20bの表面には、図3に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板21bが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0042】
背板パネル30は、図7に示すように、例えば、ねじ止め等により、互いに連結された一対の下側背板パネル30aと、各下側背板パネル30aに連結された上側背板パネル30bとを備えている。ここで、背板パネル30は、図4に示すように、床板パネル10の後端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、床板パネル10の後端部に直立した状態に配置されている。
【0043】
下側背板パネル30aは、図7に示すように、例えば、4本の縦枠材と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、下側背板パネル30aの表面には、図2及び図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板31aが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0044】
上側背板パネル30bは、図7に示すように、例えば、4本の縦枠材と、3本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、上側背板パネル30bの表面には、図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板31bが枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0045】
天板パネル40は、図3及び4に示すように、例えば、2本の縦枠材と、3本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、天板パネル40は、図3に示すように、一対の側板パネル20の前上端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、一対の側板パネル20の間に架け渡した状態に配置されている。また、天板パネル40の表面には、図3及び図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板41が枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0046】
梁底面パネル45は、図4に示すように、例えば、2本の縦枠材(不図示)と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、梁底面パネル45は、一対の側板パネル20の後上端部及び背板パネル30の上端部に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、一対の側板パネル20の間に架け渡した状態に配置されている。また、梁底面パネル45の表面には、図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板46が枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0047】
梁前面パネル47は、図4に示すように、例えば、2本の縦枠材(不図示)と、2本の横枠材とを枠組みすることにより、外郭が矩形の枠状に設けられている。ここで、梁前面パネル47は、一対の側板パネル20の前上端部及び後上端部の間の部分、天板パネル40、並びに梁底面パネル45に、例えば、ねじ止め等により、接合固定されて、一対の側板パネル20の間に架け渡した状態に配置されている。また、梁前面パネル47の表面には、図4に示すように、例えば、ピン状のタッカー等により、矩形状の表面化粧板48が枠内空間を覆うように貼り付けられている。
【0048】
ここで、床板パネル10、側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47を構成する縦枠材及び横枠材、並びに後述する枠状部材72としては、LVL(平行合板)、合板、集成材、無垢材等の木質材が用いられている。
【0049】
また、表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48、並びに後述する表面化粧板71としては、合板、中密度繊維板、高密度繊維板等の木質材、又はその木質材の表面に合成樹脂化粧シート、化粧紙、突板等を貼り付けたものが用いられている。
【0050】
収納枠50は、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材等の木質材により形成され、図2及び図4に示すように、押入枠150の枠内に矩形の枠状に設けられている。また、収納枠50は、例えば、ねじ止め等により、押入枠150に接合固定され、収納リフォームユニット90の前面に立った状態に配置されている。ここで、収納枠50の枠内には、収納扉60の上端部及び下端部を案内するための上レール(不図示)及び下レール(不図示)が取り付けられている。また、収納枠50は、図2に示すように、L字状の横断面を有している。また、収納枠50の下辺部の後面側には、図7に示すように、例えば、ねじ止め等により、下段框5が接合固定されている。また、収納枠50の前面及び押入枠150の前面には、図1及び図2に示すように、押入枠150の前面を覆うようにケーシング材61が表面材として設けられている。なお、ケーシング材61は、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材等の木質材により形成されている。
【0051】
収納扉60は、図1に示すように、左右2枚ずつの折戸形式で収納枠50の開口部を開閉するように構成されている。
【0052】
収納棚70は、図3及び図4に示すように、枠状に設けられた枠状部材72と、例えば、ピン状のタッカー等により、枠状部材72の表面に枠内空間を覆うように貼り付けられた表面化粧板71とを備えている。ここで、収納棚70は、図3及び図4に示すように、一対の表面化粧材21a及び31aの表面に取り付けられた桟材75上に載置されている。また、収納棚70は、表面化粧材21a及び21bの継ぎ目、並びに表面化粧材31a及び31bの継ぎ目を隠すように設けられている。また、収納棚70の前面には、図4に示すように、例えば、ねじ止め等により、前框53が接合固定されている。なお、本実施形態では、収納リフォームユニット90の内部の造作物として、収納棚70を例示したが、例えば、収納棚70の下側にハンガーパイプ等を造作物として設けてもよい。
【0053】
上記構成の収納リフォームユニット90において、床板パネル10、側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50は、既存箱状ユニット10の内部寸法よりも(例えば、数cm〜数10cm程度)小さく設計されている。
【0054】
なお、本実施形態では、梁Bの底面に沿って梁底面パネル45が設けられた収納リフォームユニット90を例示したが、図8に示すような収納リフォームユニット90aであってもよい。ここで、収納リフォームユニット90aでは、図8に示すように、梁前面パネル47に対応する梁前面パネル47aが収納棚70に到達するように設けられている。なお、梁前面パネル47aの表面には、図8に示すように、表面化粧板48に対応する表面化粧板48aが枠内空間を覆うように貼り付けられている。また、収納リフォームユニット90aでは、図4及び図8を比較すると分かるように、収納リフォームユニット90を構成する梁底面パネル45、上側背板パネル30b、並びに表面化粧材46及び31bが省略されているので、収納リフォームユニット90よりも省施工化及び低コスト化を図ることができる。さらに、収納リフォームユニット90aでは、各側板パネル20の上側板パネル20bの後面側の枠材(図6中の部分R参照)も省略されている。
【0055】
次に、本実施形態の収納リフォームユニット90の施工方法について説明する。ここで、図9は、収納リフォームユニット90の施工方法における解体工程後の既存箱状ユニット100の内部の状態を示す正面図である。なお、収納リフォームユニット90の施工方法では、解体工程、寸法設定工程、構成部材準備工程、枠接合工程、仮置工程、第1パネル接合工程、レベル調整工程、パネル枠接合工程、第2パネル接合工程、化粧板取付工程、棚設置工程、扉取付工程及び表面材取付工程を順に行う。
【0056】
<解体工程>
例えば、中古マンション内の押し入れ等の既存箱状ユニット100の内部の押入棚等の造作物を解体することにより、図9に示すように、既存箱状ユニット100内部の床面F、壁W、天井C及び梁Bを露出させる。
【0057】
<寸法設定工程>
既存箱状ユニット100の内部寸法を上記解体工程後の実測定、又は建築時の既存箱状ユニット100の設計図面に基づいて設定する。
【0058】
<構成部材準備工程>
床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47、表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48、収納枠50、収納扉60、並びに収納棚70等の構成部材を上記寸法設定工程で設定した既存箱状ユニット100の内部寸法よりも小さくなるように工場等で準備する。
【0059】
<枠接合工程>
まず、既存箱状ユニット100の押入枠150の枠内に収納枠50を設置した後に、例えば、ねじ止め等により、押入枠150に収納枠50を接合する。
【0060】
続いて、収納枠50の上辺部及び下辺部の枠内に、例えば、ねじ止め等により、上レール及び下レールを接合する。
【0061】
さらに、収納枠50の下辺部の後面側に、例えば、ねじ止め等により、下段框5を接合する。
【0062】
<仮置工程>
上記枠接合工程で収納枠50が接合された既存箱状ユニット100の内部の床面Fに床板パネル10を仮置きする。
【0063】
<第1パネル接合工程>
まず、上記仮置工程で仮置きされた床板パネル10に、例えば、ねじ止め等により、一対の下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aを接合した後に、隣り合う下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aを接合する。
【0064】
続いて、一対の下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aに、例えば、ねじ止め等により、一対の上側板パネル20b及び上側背板パネル30bを接合する。
【0065】
<レベル調整工程>
上記第1パネル接合工程で一対の側板パネル20(20a、20b)及び背板パネル30(30a、30b)が接合された床板パネル10の各高さ調整金具Lの高さ調整ボルトを、例えば、ドライバー等により、適宜回動させることにより、その高さ調整ボルトの突出長さを調整して、床板パネル10のレベル調整を行う。
【0066】
<パネル枠接合工程>
押入枠150に、例えば、ねじ止め等により、上記レベル調整工程でレベル調整を行った床板パネル10に接合された一対の側板パネル20を接合する。なお、本実施形態では、一対の側板パネル20を押入枠150に接合する施工方法を例示したが、本発明は、一対の側板パネル20を収納枠50、又は押入枠150及び収納枠50の双方に接合してもよい。ここで、図10は、収納リフォームユニット90の他の変形例の断面図であり、図2中の領域Aを拡大した図である。
【0067】
この変形例では、側板パネル20(下側側板パネル20a)に対応する下側側板パネル20aaを例えば厚さ15mm程度にスリム化して、図10に示すように、下側側板パネル20aaを収納枠50に接合し、収納枠50の後面側に配置している。なお、下側側板パネル20aaの表面には、図10に示すように、表面化粧板21aに対応する表面化粧板21aaが枠内空間を覆うように貼り付けられている。この変形例によれば、仮に、既存箱状ユニット100の押入枠150に経年劣化による歪み等があっても、押入枠150の枠内で収納枠50のレベル調整を行って、押入枠150に収納枠50を鉛直に直立状態で接合することにより、下側側板パネル20aaを鉛直に直立させることができる。また、下側側板パネル20aaが収納枠50の後面側に配置されているので、収納リフォームユニット90内の収納スペースを確保することができる。
【0068】
<第2パネル接合工程>
上記パネル枠接合工程で押入枠150に接合された一対の側板パネル20(一対の上側板パネル20b)に、例えば、ねじ止め等により、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47を接合した後に、隣り合う天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47を接合する。
【0069】
<化粧板取付工程>
上記第2パネル接合工程で天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47が接合されたパネル構造体の床板パネル10、一対の下側側板パネル20a、一対の上側側板パネル20b、下側背板パネル30a、上側背板パネル30b、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47の表面に、例えば、タッカー等により、表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48を取り付ける。
【0070】
<棚設置工程>
上記化粧板取付工程で取り付けた一対の表面化粧板21a及び31aに桟材75を取り付けた後に、桟材75上に予め作製した収納棚70を載置することにより、収納棚70を設置する。
【0071】
<扉取付工程>
上記棚設置工程で収納棚70を設置した後に、収納枠50の上レール及び下レールに収納扉60を取り付ける。
【0072】
<表面材取付工程>
上記扉取付工程で収納扉60を取り付けた収納枠50の前面及び押入枠150の前面に押入枠150の前面を覆うように、例えば、タッカー等により、ケーシング材61を取り付ける。
【0073】
以上のようにして、既存箱状ユニット100の内部に本実施形態の収納リフォームユニット90を施工することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、第1パネル接合工程において、一対の側板パネル20及び背板パネル30を床板パネル10に接合するので、一対の側板パネル20及び背板パネル30が床板パネル10の両側端部及び後端部に立った状態にそれぞれ固定される。また、第2パネル接合工程において、天板パネル40を一対の側板パネル20に接合するので、天板パネル40が一対の側板パネル20の間に架け渡した状態で固定される。さらに、枠接合工程において、既存箱状ユニット100の押入枠150に収納枠50を接合し、その後、パネル枠接合工程において、一対の側板パネル20を既存箱状ユニットの押入枠150、及び収納枠50の少なくとも一方に接合するので、既存箱状ユニット100の内部に収容される収納リフォームユニット90の強度を確保することができる。ここで、寸法設定工程では、既存箱状ユニット100の内部寸法を解体工程後の実測定、又は既存箱状ユニット100の設計図面に基づいて設定し、構成部材準備工程では、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50を既存箱状ユニット100の内部寸法よりも小さくなるように準備する。そのため、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル40、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50を施工現場で切断加工することなく、予め工場で切断加工して準備することができる。これにより、施工現場での切断作業が省略され、施工現場での作業が主に組立作業になるので、収納リフォームユニット90を短工期且つ省作業で施工することができる。
【0075】
さらに、施工現場での切断作業が省略されるので、施工現場で発生する廃材や騒音を減らすことができる。
【0076】
また、床板パネル10、一対の側板パネル20、背板パネル30、天板パネル40、梁底面パネル45、梁前面パネル47及び収納枠50は、既存箱状ユニット100の内部寸法よりも小さく設計されているので、仮に、既存箱状ユニット100の躯体の経年劣化による歪み等があっても、その歪み等を吸収することができ、施工現場の日程計画に影響を及ぼし難くすることができる。
【0077】
また、仮置工程において、既存箱状ユニット100の内部に床板パネル10を仮置きし、第1パネル接合工程の後のレベル調整工程において、床板パネル10のレベル調整を行うので、仮に、既存箱状ユニット100の躯体の経年劣化による歪み等があっても、収納リフォームユニット90の床板パネル10の水平状態、並びに床板パネル10の両側端部及び後端部にそれぞれ接合された一対の側板パネル20及び背板パネル30の直立状態を保持することができる。
【0078】
また、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に行う化粧板取付工程において、床板パネル10、下側側板パネル20a、上側側板パネル20b、下側背板パネル30a、上側背板パネル30b、天板パネル40、梁底面パネル45及び梁前面パネル47の表面に表面化粧板11、21a、21b、31a、31b、41、46及び48を取り付けるので、収納リフォームユニット90の内部の見映えを確保することができる。
【0079】
また、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、化粧板取付工程及び扉取付工程の間に行う棚設置工程において、一対の下側側板パネル20a及び下側背板パネル30aの表面の表面化粧板21a及び31aに桟材75を取り付け、桟材75に収納棚70を載置するので、収納リフォームユニット90の内部空間を効果的に区分けすることができる。
【0080】
また、本実施形態の収納リフォームユニット90及びその施工方法によれば、収納枠50に収納扉60を取り付ける扉取付工程の後に行う表面材取付工程において、既存箱状ユニットの押入枠150の前面及び収納枠50の前面に押入枠150の前面を覆うようにケーシング材61を取り付けるので、既存箱状ユニット100の押入枠150を隠すことができ、収納リフォームユニット90の見映えを向上させることができる。
【0081】
《その他の実施形態》
上記実施形態では、建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットを例示したが、本発明は、押し入れやクローゼット等の収納ユニットのリフォームだけでなく、例えば、トイレ等のリフォームにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明は、収納リフォームユニットを短工期且つ省作業で施工することができるので、極めて有用である。
【符号の説明】
【0083】
B 梁
C 天井
W 壁
10 床板パネル
11,21a,21aa,21b,31a,31b,41 表面化粧板
20 側板パネル
20aa 下側側板パネル
30 背板パネル
40 天板パネル
47a 梁前面パネル
50 収納枠
60 収納扉
61 ケーシング材(表面材)
70 収納棚
75 桟材
90,90a 収納リフォームユニット
100 既存箱状ユニット
150 押入枠(前面枠)
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の床板パネルと、
上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、
上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、
上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、
前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、
上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、
建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットであって、
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠は、上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さく設計され、
上記一対の側板パネル及び背板パネルは、上記床板パネルに接合され、
上記天板パネルは、上記一対の側板パネルに接合され、
上記収納枠は、上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内で該前面枠に接合され、
上記一対の側板パネルは、上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合され
上記床板パネルは、上記既存箱状ユニットの床面に接する複数の高さ調整金具によって、該床面からの高さを調整することによりレベル調整可能に設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項2】
請求項1に記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面には、表面化粧板が設けられ
上記既存箱状ユニットの内部には、後面側の壁及び天井の間に梁が設けられ、
上記梁の前面には、上記天板パネルに接合された梁前面パネルが設けられ、
上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面には、上記表面化粧板を介して桟材が設けられ、
上記桟材上には、収納棚が載置され、
上記梁前面パネルは、上記収納棚に到達するように設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項3】
請求項2に記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記収納棚は、上記表面化粧板の継ぎ目を隠すように設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項4】
請求項1〜の何れか1つに記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記前面枠の前面及び収納枠の前面には、該前面枠の前面を覆うように表面材が設けられていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項5】
請求項1〜の何れか1つに記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記一対の側板パネルは、上記収納枠に接合され、該収納枠の後面側に配置されていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか1つに記載された収納リフォームユニットにおいて、
上記一対の側板パネルは、上記前面枠の後面側に配置されていることを特徴とする収納リフォームユニット。
【請求項7】
矩形状の床板パネルと、
上記床板パネルの両側端部に立った状態に配置される一対の側板パネルと、
上記床板パネルの後端部に立った状態に配置される背板パネルと、
上記一対の側板パネルの間に架け渡して配置される天板パネルと、
前面に立った状態に配置される枠状の収納枠と、
上記収納枠の開口部を開閉する収納扉とを備え、
建築物の既存箱状ユニットの内部に収容される収納リフォームユニットを施工する方法であって、
上記既存箱状ユニットの内部の造作物を解体する解体工程と、
上記既存箱状ユニットの内部寸法を上記解体工程後の実測定、又は該既存箱状ユニットの設計図面に基づいて設定する寸法設定工程と、
上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル、天板パネル及び収納枠を上記既存箱状ユニットの内部寸法よりも小さくなるように準備する構成部材準備工程と、
上記既存箱状ユニットの前面枠の枠内に上記収納枠を設置し、該前面枠に該収納枠を接合する枠接合工程と、
上記既存箱状ユニットの内部に上記床板パネルを仮置きする仮置工程と、
上記仮置工程の後に、上記床板パネルに上記一対の側板パネル及び背板パネルを接合する第1パネル接合工程と、
上記第1パネル接合工程の後に、上記既存箱状ユニットの床面に接する複数の高さ調整金具によって、該床面からの高さを調整することにより上記床板パネルのレベル調整を行うレベル調整工程と、
上記レベル調整工程の後に、上記一対の側板パネルを上記収納枠、及び上記前面枠の少なくとも一方に接合するパネル枠接合工程と、
上記パネル枠接合工程の後に、上記一対の側板パネルに上記天板パネルを接合する第2パネル接合工程と、
上記第2パネル接合工程の後に、上記収納枠に上記収納扉を取り付ける扉取付工程とを備えることを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【請求項8】
請求項7に記載された収納リフォームユニットの施工方法において、
上記第2パネル接合工程及び扉取付工程の間に、上記床板パネル、一対の側板パネル、背板パネル及び天板パネルの表面に表面化粧板を取り付ける化粧板取付工程を備え
上記化粧板取付工程及び扉取付工程の間に、上記一対の側板パネル及び背板パネルの表面の表面化粧板に桟材を取り付け、該桟材に収納棚を載置する棚設置工程を備えることを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載された収納リフォームユニットの施工方法において、
上記扉取付工程の後に、上記前面枠の前面及び収納枠の前面に該前面枠の前面を覆うように表面材を取り付ける表面材取付工程を備えることを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。
【請求項10】
請求項7〜の何れか1つに記載された収納リフォームユニットの施工方法において、
上記パネル枠接合工程では、上記一対の側板パネルを上記収納枠に接合し、該一対の側板パネルを上記収納枠の後面側に配置することを特徴とする収納リフォームユニットの施工方法。