【解決手段】回生ブレーキシステムは、回転中の負荷の運動エネルギーを回収して制動力を生じさせる発電機と、発電機の回生電力を蓄えるバッテリと、発電機に生じる電圧と電流との位相差を制御することにより、発電機からバッテリに供給される回生電力の大きさを可変にして制御する電力変換器と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSの構成の一例を示す図である。本実施形態では、回生ブレーキシステムBSが、一例として、水素燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle:FCV)HV(不図示)に適用される場合について説明する。
回生ブレーキシステムBSは、水素ボンベ1と、燃料電池2と、駆動用バッテリ3と、電力合成・分配器4と、発電モーター5と、ブレーキ60(不図示)と、駆動輪6と、制御装置7とを備える。
【0014】
水素ボンベ1は、燃料電池2に水素を供給する。水素ボンベ1は、水素燃料電池自動車HVの航続可能距離をできる限り長くするため、水素燃料電池自動車HVに搭載可能である限り大容量のボンベであることが好ましい。
燃料電池2は、水素ボンベ1から供給される水素を燃料とし、空気中の酸素と化学反応させることにより電力を発生させる。
【0015】
駆動用バッテリ3は、電力合成・分配器4を介して発電モーター5に電力を供給する。また、駆動用バッテリ3は、発電モーター5の回生動作により発電された回生電力により充電される。つまり、駆動用バッテリ3は、発電モーター5の回生電力を蓄える。
なお、駆動用バッテリ3は、外部電源から電力が供給されることによっても充電される。
【0016】
駆動用バッテリ3は、燃料電池2において水素と酸素との反応時間の遅れが発生した場合に、数秒程度、発電モーター5に電力を供給することにより、燃料電池2から発電モーター5に供給される電力を補完する。
また、駆動用バッテリ3は、水素燃料電池自動車HVが減速停止をする場合に運動エネルギーを回生電力として回収し充電される。駆動用バッテリ3は、水素燃料電池自動車HVが再発進する場合に充電した回生電力を発電モーター5に供給することにより、回生電力を再利用する。
【0017】
上述したように、駆動用バッテリ3は電力補完、減速停止時の運動エネルギーの回収、及び再発進時の運動エネルギーの再利用のために備えられるため、駆動用バッテリ3の容量は極めて小容量である。ここで容量が極めて小容量であるとは、例えば、一般的な100パーセント電気自動車の10分の1以下程度であることである。
【0018】
電力合成・分配器4は、インバータ回路Cを備え、燃料電池2または駆動用バッテリ3から供給される電力をそれぞれ交流に変換する。電力合成・分配器4は、交流に変換した電力を発電モーター5に供給する。また、電力合成・分配器4は、発電モーター5から供給される回生電力を直流に変換する。電力合成・分配器4は、変換した回生電力を駆動用バッテリ3に供給することにより、駆動用バッテリ3の充電を行う。
【0019】
発電モーター5は、トラクション電動発電機であり、回転駆動力を発生させることにより駆動輪6を駆動する。ここで発電モーター5は、燃料電池2から電力合成・分配器4を介して供給される電力により回転駆動力を発生させる。発電モーター5は、一例として、三相モーターである。
また、発電モーター5は、水素燃料電池自動車HVの減速停止時に回生電力を発生させ、水素燃料電池自動車HVに回生ブレーキをかける。つまり、発電モーター5は、回転中の負荷の運動エネルギーを回収して制動力を生じさせる。発電モーター5は、発生させた回生電力を、電力合成・分配器4を介して駆動用バッテリ3に供給する。
【0020】
駆動輪6は、不図示の駆動機構やブレーキ60を備える。駆動機構は、発電モーター5から供給される回転駆動力を駆動輪6に伝え、駆動輪6を回転駆動させる。ブレーキ60は、ブレーキペダルの操作により駆動輪6に摩擦制動力を加える。
【0021】
なお、本実施形態では、一例として、駆動輪6が発電モーター5により駆動される場合について説明するが、これに限らない。回生ブレーキシステムBSは、駆動輪6の代わりに従動輪を備えてもよい。回生ブレーキシステムBSが、駆動輪6の代わりに従動輪を備える場合、駆動輪を駆動するモーターが発電モーター5とは別に備えられ、発電モーター5は、駆動輪を駆動しなくてよい。
【0022】
制御装置7は、電力合成・分配器4の制御を行う。ここで制御装置7は、駆動輪6に加えられるブレーキ圧BP、及び駆動用バッテリ3の状態に応じて電力合成・分配器4の制御を行う。ここで制御装置7は、駆動用バッテリ3から電力合成・分配器4に供給される電流の値であるバッテリ電流値BIと、バッテリ電圧値BVとに基づいて、駆動用バッテリ3の状態を検出する。
【0023】
ここで
図2を参照し、制御装置7の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る制御装置7の構成の一例を示す図である。制御装置7は、ブレーキ圧取得部70と、バッテリ状態取得部71と、位相制御部72と、バッテリ充電割合算出部73とを備える。
【0024】
ブレーキ圧取得部70は、ブレーキ60からブレーキ圧BPを取得する。ブレーキ圧取得部70は、取得したブレーキ圧BPを位相制御部72に供給する。
【0025】
バッテリ状態取得部71は、電流センサ30により検出されたバッテリ電流値BIと、電圧センサ31により検出されたバッテリ電圧値BVとを取得する。ここで電流センサ30、及び電圧センサ31は、駆動用バッテリ3に備えられる。バッテリ状態取得部71は、取得したバッテリ電流値BIと、バッテリ電圧値BVとを、バッテリ充電割合算出部73に供給する。
【0026】
バッテリ充電割合算出部73は、バッテリ状態取得部71により取得されたバッテリ電流値BI、及びバッテリ電圧値BVに基づいて、駆動用バッテリ3の充電割合CRを算出する。ここで駆動用バッテリ3の充電割合CRとは、例えば、駆動用バッテリ3が充電可能な電力量に対する、充電されている回生電力の量の割合である。
バッテリ充電割合算出部73は、算出した駆動用バッテリ3の充電割合CRを位相制御部72に供給する。
【0027】
位相制御部72は、ブレーキ圧取得部70により取得されたブレーキ圧BPと、バッテリ充電割合算出部73により算出された充電割合CRとに基づいて、発電モーター5に生じる電圧と電流との位相差PDを電力合成・分配器4に制御させる。
ここで位相制御部72は、ブレーキ圧BPと、充電割合CRとに基づいて位相差PDを示す制御信号を生成する。位相制御部72は、生成した制御信号を電力合成・分配器4に供給することにより、電力合成・分配器4に位相差PDを制御させる。
【0028】
つまり、電力合成・分配器4は、駆動用バッテリ3の充電の程度に応じて、位相差PDを制御してもよい。ここで駆動用バッテリ3の充電の程度は、バッテリ充電割合算出部73によって算出される。駆動用バッテリ3の充電の程度とは、例えば、充電割合CRである。
【0029】
なお、駆動用バッテリ3の充電の程度は、駆動用バッテリ3に充電されている回生電力の量であってもよい。駆動用バッテリ3の充電の程度は、ある期間において駆動用バッテリ3に充電された回生電力の量であってもよい。ここである期間とは、水素燃料電池自動車HVのある1回の減速動作において、回生ブレーキが使用された期間である。また、駆動用バッテリ3の充電の程度は、駆動用バッテリ3が充電可能な電力量に対する、ある期間において駆動用バッテリ3に充電された回生電力の量の割合であってもよい。
【0030】
発電モーター5から駆動用バッテリ3に供給される回生電力の大きさは、位相差PDに応じて異なる。
つまり、電力合成・分配器4は、位相差PDを制御することにより、発電モーター5から駆動用バッテリ3に供給される回生電力の大きさを可変にして制御する。
【0031】
なお、本実施形態では、一例として、位相制御部72がブレーキ圧取得部70により取得されたブレーキ圧BPに基づいて制御を行う場合について説明したが、これに限らない。ブレーキ圧取得部70は、ブレーキ60の状態を示す量を取得して、位相制御部72は、ブレーキ圧BPの代わりに、ブレーキ圧取得部70が取得したブレーキ60の状態を示す量に基づいて制御を行ってもよい。
【0032】
また、本実施形態では、一例として、バッテリ状態取得部71が、電流センサ30により検出されたバッテリ電流値BIと、電圧センサ31により検出されたバッテリ電圧値BVとを取得する場合について説明したが、これに限らない。バッテリ状態取得部71は、バッテリ充電割合算出部73が、駆動用バッテリ3の充電割合を算出するための他の量を取得してもよい。
【0033】
ここで
図3を参照し、電力合成・分配器4による発電モーター5に生じる電圧と電流との位相差PDの制御について説明する。
図3は、本実施形態に係る位相制御の一例を示す図である。
図3の(A)、及び(B)はそれぞれ、発電モーター5に生じる電圧と電流とを、複素平面上において表した図である。この複素平面は、実軸RXと、虚軸IXとにより表される。この複素平面においては、実軸RXは電流ベクトルと平行である。
【0034】
回生ブレーキがかけられた場合に、駆動輪6の運動エネルギーのうち回生電力に変換される量の割合は、電流ベクトルの位相と電圧ベクトルの位相との差に応じている。駆動輪6の運動エネルギーのうち回生電力に変換されなかった残りは、発電モーター5自身の損失(ロス)として熱に変換される。
【0035】
電流ベクトルと電圧ベクトルとの内積の値は、発電モーター5が機械軸に発生させるブレーキ動力(ブレーキトルク)に相当する。一方、電流ベクトルと電圧ベクトルとの外積の値は、無効電力に相当する。ここで無効電力とは、電力合成・分配器4に備えられるインバータ回路Cと発電モーター5との間を循環している電力(循環電力という)であり、駆動用バッテリ3の充電には寄与しない。
【0036】
外積の値はゼロに近いほど、駆動輪6の運動エネルギーはより高い割合において回生電力に変換され高効率である。換言すれば、外積の値はゼロに近いほど、循環電力はより少なくなりより高効率である。ここで高効率とは、運動エネルギーを回生エネルギーとして回収できる割合としてのエネルギー変換効率が高いことである。
【0037】
(A)では、電流ベクトルD1の位相と、電圧ベクトルD2の位相との差は、位相差PD1である。位相差PD1は、0度に近い。ここで0度に近いとは、0度から、例えば45度の範囲に値をもつことである。
(A)により示される位相制御では、発電モーター5の内部において電流が流れやすい方向と、略平行な方向に電圧がかけられる。(A)により示される位相制御では、回生ブレーキがかけられた場合に、駆動輪6の運動エネルギーは、位相差PD1に応じて高い割合において回生電力に変換される。(A)により示される位相制御を、高効率な位相制御という。
【0038】
(B)では、電流ベクトルD1の位相と、電圧ベクトルD3の位相との差は、位相差PD2である。位相差PD2は、90度に近い。ここで90度に近いとは、例えば45度から90度の範囲に値をもつことである。
【0039】
ここで(B)における電圧ベクトルD3の実軸RX方向の成分の値と、(A)における電圧ベクトルD2の実軸RX方向の成分の値とは、ともに実軸成分x1であり等しい。つまり、電圧ベクトルD3と電流ベクトルD1との内積の値と、電圧ベクトルD2と電流ベクトルD1との内積の値とは等しい。したがって、(A)により示される位相制御において発電モーター5が発生させるブレーキ動力と、(B)により示される位相制御において発電モーター5が発生させるブレーキ動力とは等しい。
【0040】
一方、(B)における電流ベクトルD1と電圧ベクトルD3との外積の値は、(A)における電流ベクトルD1と電圧ベクトルD2との外積の値よりも大きい。上述したように外積の値はゼロに近いほどより高効率であるから、(B)により示される位相制御は、(A)により示される位相制御よりも低効率である。つまり、(B)により示される位相制御において発生する回生電力は、(A)により示される位相制御において発生する回生電力よりも小さい。(B)により示される位相制御を、低効率な位相制御という。
【0041】
(B)により示される位相制御では、発電モーター5の内部において電流が流れにくい方向と、ほぼ直交する方向に電圧がかけられる。(B)により示される位相制御では、回生ブレーキがかけられた場合に、駆動輪6の運動エネルギーは、位相差PD2に応じて低い割合において回生電力に変換される。
【0042】
(A)により示される位相制御と、(B)により示される位相制御とでは、発電モーター5が発生させるブレーキ動力が等しいため、見かけの発電量は同じである。(B)により示される位相制御では、見かけの発電量のうち大部分が発電モーター5自身の損失として熱に変換されるため、駆動用バッテリ3に充電される回生電力は少なくなる。見かけの発電量が発電モーター5自身の損失に等しい場合、駆動用バッテリ3に充電される回生電力はゼロとなる。
【0043】
電力合成・分配器4は、駆動用バッテリ3の充電の程度が所定の値以上である場合に、位相差PDを所定の角度以上かつ90度以下の範囲にして制御してもよい。例えば、電力合成・分配器4は、駆動用バッテリ3が満充電の付近である場合に、位相差PDを90度にして制御してもよい。ここで駆動用バッテリ3が満充電の付近である場合とは、例えば、充電割合CRが9割以上である場合である。
【0044】
ここで
図4を参照し、電力合成・分配器4に備えられるインバータ回路C、及び発電モーター5において、低効率な位相制御が行われる場合に流れる電流の流れ方について説明する。
図4は、本実施形態に係るインバータ回路C及び発電モーター5に流れる電流の流れ方の一例を示す図である。インバータ回路Cは、三相モーターである発電モーター5のU相コイルUC、V相コイルVC、及びW相コイルWCのそれぞれに流れる電流を制御する。
【0045】
インバータ回路Cは、U相レグと、V相レグと、W相レグとを備える。
U相レグは、U相上アームトランジスタUUと、U相上アームダイオードUUDと、U相下アームトランジスタULと、U相下アームダイオードULDとを備える。V相レグは、V相上アームトランジスタVUと、V相上アームダイオードVUDと、V相下アームトランジスタVLと、V相下アームダイオードVLDとを備える。W相レグは、W相上アームトランジスタWUと、W相上アームダイオードWUDと、W相下アームトランジスタWLと、W相下アームダイオードWLDとを備える。
【0046】
図4に示す例では、W相下アームトランジスタWLがオンであり、U相上アームトランジスタUU、U相下アームトランジスタUL、V相上アームトランジスタVU、V相下アームトランジスタVL、及びW相上アームトランジスタWUがオフである。
図4に示す例では、還流電流Lが、V相コイルVC、W相コイルWC、W相端子TW、W相下アームトランジスタWL、及びV相下アームダイオードVLD、及びV相端子TVを経由して、再びV相コイルVCに戻って流れる。
図4に示す例では、インバータ回路Cを還流電流Lが流れるため、駆動用バッテリ3に回生電力が供給されない。
【0047】
還流電流Lが流れることにより、駆動輪6の駆動に使われていた運動エネルギーのうちの一部が、回生電力として駆動用バッテリ3に供給されずに、発電モーター5において熱に変換される。ここで発電モーター5における熱への変換過程には、銅損、及び鉄損が含まれる。
【0048】
以上に説明したように、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSは、発電機(発電モーター5)と、バッテリ(駆動用バッテリ3)と、電力変換器(電力合成・分配器4)とを備える。
発電機(発電モーター5)は、回転中の負荷の運動エネルギーを回収して制動力を生じさせる。
バッテリ(駆動用バッテリ3)は、発電機(発電モーター5)の回生電力を蓄える。
電力変換器(電力合成・分配器4)は、発電機(発電モーター5)に生じる電圧と電流との位相差PDを制御することにより、発電機(発電モーター5)からバッテリ(駆動用バッテリ3)に供給される回生電力の大きさを可変にして制御する。
【0049】
この構成により、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、回転中の負荷の運動エネルギーのうち回生電力として回収されないぶんを熱に変換することができるため、回生ブレーキをかける際に発生する回生電力の量を少なくできる。本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、回生電力の量をゼロにすることもできる。回生電力の量がゼロにされる場合、発電モーター5が発電する発電量と、発電モーター5自身の内部損失とは等しくなる。
【0050】
また、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、電力変換器(電力合成・分配器4)は、バッテリ(駆動用バッテリ3)の充電の程度に応じて、位相差PDを制御する。
この構成により、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、バッテリ(駆動用バッテリ3)の充電の程度に応じて、発電機(発電モーター5)からバッテリ(駆動用バッテリ3)に供給される回生電力の大きさを可変にして制御する必要がない場合にまで、回生電力の大きさを可変にして制御することを防ぐことができるため、バッテリ(駆動用バッテリ3)の充電の程度に応じて位相差PDを制御しない場合に比べて高効率において制御ができる。
【0051】
また、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、電力変換器(電力合成・分配器4)は、バッテリ(駆動用バッテリ3)の充電の程度が所定の値以上である場合に、位相差PDを所定の角度以上かつ90度以下の範囲にして制御する。
この構成により、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、バッテリ(駆動用バッテリ3)が満充電の付近である場合に、回転中の負荷の運動エネルギーのうち回生電力として回収されないぶんを熱に変換することができるため、バッテリ(駆動用バッテリ3)が満充電の付近である場合に回生電力を発生させずに電気ブレーキをかけることができる。
【0052】
本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、駆動輪6の運動エネルギーは駆動用バッテリ3へ戻されることはないため、従来小容量の駆動用バッテリが満充電の状況において必要であった、別途並列に接続される大容量の電力抵抗器は不要となる。従来は駆動モーターのベクトル制御において、電圧と電流の向きが0度に極力近く、エネルギー変換効率が高かかった。従来はエネルギー変換効率が高い分だけ、受け取りすぎた電気を大容量の電力抵抗器に消費させていた。
従来は大容量の電力抵抗器が発熱するため別途追加冷却が必要であったが、本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、通常冷却している駆動モーターが発熱するため、高価かつ大型の電力抵抗器などの追加設備が不要である。
【0053】
本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、電力抵抗器の冷却が不要となるため、冷却系統が単純化できる。本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、電力抵抗器が不要なため、水素ボンベや駆動モーターなどの配置設計自由度が増加する。本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、電池を今以上にさらに小容量にすることが可能となる。本実施形態に係る回生ブレーキシステムBSでは、水素燃料電池自動車HVが、例えばトラックなどの貨物車両である場合、より多くの積載スペースが確保できる。
【0054】
なお、本実施形態では、発電モーター5が、三相モーターでありトラクション電動発電機である場合について説明したが、これに限らない。発電モーター5は、三相モーター以外のモーターであってもよい。また、発電モーター5は、トラクション電動発電機以外のモーターであってもよい。
【0055】
なお、本実施形態では、回生ブレーキシステムBSがFCVに適用される場合について説明したが、これに限らない。回生ブレーキシステムBSは、燃料電池を用いた航空機に適用されてもよい。
【0056】
また、回生ブレーキシステムBSは、例えば、洗濯機の脱水高速回転後の停止に適用されてもよい。回生ブレーキシステムBSが洗濯機の脱水高速回転後の停止に適用される場合、当該洗濯機は、脱水高速回転後に即停止する。当該洗濯機では、脱水高速回転後に即停止するため、洗濯時間を短縮することができる。
一方、従来の洗濯機では、軸受の摩擦のみを用いて停止動作を行っていたため、停止するまでに数分の時間を要していた。
【0057】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。