【解決手段】操作つまみ4の内側部材5、及び外側部材6の少なくともいずれかには、外側部材6に係合して、外側部材6を、操作つまみ4の突出量T1を基準値T0以上に保持する弾性変形部5Eが設けられ、弾性変形部5Eは、外側部材6に作用する押し込む方向への荷重が所定値を超えた場合に、前記係合を解除する側に弾性変形して、外側部材6を操作つまみ4の突出量を基準値T0未満に移動させ、外側部材6には、内側部材5からの脱落を防止する脱落防止部として機能する正面側部材7が設けられている。
前記弾性変形部は、前記内側部材から前記外側部材側に突出して前記外側部材に係合する係合凸部を有し、前記係合凸部の前記係合が解除される側に弾性変形可能であることを特徴とする請求項1に記載のつまみ装置。
前記脱落防止部は、前記外側部材と別体であり、前記外側部材の外表面の少なくとも一部を覆って当該つまみ装置の外表面を装飾する装飾部を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のつまみ装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るつまみ装置の側断面図である。
つまみ装置1は、車両に搭載される車載装置2に設けられ、ユーザーの操作を入力するための入力装置として機能する。このつまみ装置1を使用する車載装置は、例えば、カーナビゲーション装置、カーオーディオ装置である。
図1に示すように、つまみ装置1は、車載装置2のつまみ取付部3に取り付けられ、車載装置2の取付面2Aから突出する操作つまみ4を備えている。
【0015】
図1中、符号T1は、操作つまみ4の取付面2Aからの突出量を示している。車両等の場合、操作つまみ4等が取付面2Aから一定高さ以上突出しないことが法規等で定められている。本実施形態では、外部から操作つまみ4に荷重が作用していない場合、操作つまみ4の突出量T1を、法規等で定められる基準値T0(法規等で定められる範囲の上限値に相当)を超えた値に設定することで、操作性等を向上させている。この場合、外部から過大な荷重が作用した際に、操作つまみ4の突出量T1を基準値T0未満にする必要がある。例えば、突出量T1は12mm程度に設定され、基準値T0は9.5mm程度に設定される。
【0016】
つまみ装置1の各部について説明する。
つまみ取付部3は、操作つまみ4を操作可能に支持する支持機能と、操作つまみ4の操作を検出する検出機能とを一体に備え、いわゆるエンコーダ、又は検出スイッチ等と称する部品である。本実施形態のつまみ取付部3は、操作つまみ4を取付可能な金属製のシャフト3Aを有するスイッチ部品であり、
図1に矢印で操作方向を示すように、操作つまみ4を回転操作自在、かつ、押下操作自在に支持する。例えば、車載装置2は、操作つまみ4の回転操作を、音量調整操作として受け付け、操作つまみ4の押下操作を、車載装置2のオン/オフの切替指示として受け付ける。
【0017】
つまみ取付部3は、上記構成に限定されず、車載装置2の仕様に応じて適宜に変更可能である。例えば、つまみ取付部3は、操作つまみ4の回転操作だけを受け付けるエンコーダ、又は、操作つまみ4の押下操作だけを受け付ける押下式スイッチ等でもよく、公知のスイッチ部品を広く適用可能である。
また、つまみ取付部3とは別の部品によって操作つまみ4の操作を検出する構成にした場合、つまみ取付部3は操作つまみ4を支持する支持機能だけを有するようにすればよい。
このつまみ装置1は、車載装置2に取り付ける場合に限定されず、車両に直接取り付ける場合も考えられる。車両に直接取り付ける場合、例えば、取付面2Aは車両に設けられたパネル面となる。
【0018】
図1の右側はつまみ装置1の正面側(車載装置2の正面側と一致)であり、
図1の左側はつまみ装置1の背面側である。
図1中、符号Zは、操作つまみ4の押下方向(押し込む方向)を示している。以下の説明では、必要に応じて、つまみ装置1の正面側、背面側、押下方向Z等を使用して各部材の各方向を説明する。
【0019】
図2はつまみ装置1を正面斜め側から見た分解斜視図を示し、
図3はつまみ装置1を背面斜め側から見た分解斜視図を示している。
操作つまみ4は、つまみ取付部3に固定される内側部材5と、内側部材5に、つまみ取付部3の反対側から外挿される外側部材6と、外側部材6に装着される正面側部材7とからなる三部品で構成されている。本実施形態では、いずれの部材5,6,7も樹脂成型品であるが、樹脂以外の材料で形成してもよい。
図2及び
図3に示すように、内側部材5は、つまみ取付部3のシャフト3Aが固定される筒状の固定部5Aと、固定部5Aよりも大径かつ円筒状の筒部5Bと、固定部5A及び筒部5Bにおける背面側を覆う覆い部5Cとを一体に備えている。
【0020】
図4は内側部材5を背面側から見た平面図である。
図3及び
図4に示すように、固定部5Aは、シャフト3Aと同じ非円形断面(本実施形態では略半円断面)を有する孔形状に形成される。この固定部5Aは、シャフト3Aの一部に、周方向に沿って形成された凹溝3B(
図3参照)に嵌まる段差部5S(
図3参照)を有している。これらの構成により、固定部5Aは、シャフト3Aと一体に回転し、シャフト3Aからの脱落も防止される。
【0021】
筒部5Bには、周方向に間隔を空けて、押下方向Zに沿って延びる複数の切り欠き部5Dが設けられる。隣接する切り欠き部5Dの間の領域5Eは、切り欠き部5Dによって他の領域と区画されているので、他の領域と比べて、筒部5Bの内周側及び外周側に容易に弾性変形する弾性変形部として機能する。以下、領域5Eを「弾性変形部5E」と表記する。
弾性変形部5Eは、等角度間隔で複数(3つ)設けられている。弾性変形部5Eにおける最も背面側の端部には、筒部5Bから径方向外周側に突出する係合凸部5Fが設けられている。
【0022】
筒部5Bの外周面には、周方向に間隔を空けて、外側部材6の内周面に沿って形成された嵌合凹部6G(
図3参照)にそれぞれ嵌合する嵌合凸部5G(
図3参照)が設けられている。覆い部5Cには、周方向に間隔を空けて、正面側部材7から延びる複数(3本)の係合爪部7B(
図2,
図3参照)がそれぞれ貫通する複数(3個)の孔部5H(
図2,
図4参照)と、これら孔部5Hから径方向外側に延びる嵌合孔部5J(
図2参照)とが設けられている。
図4に示すように、孔部5Hは、内側部材5の周方向に沿って延びる孔形状に形成され、各孔部5Hの周方向に沿った長さの中央位置から嵌合孔部5Jが径方向外側に直線状に延びている。
図2に示すように、内側部材5の正面側には、孔部5Hと嵌合孔部5JとによってT字形状の貫通孔が形成される。
【0023】
図2及び
図3に示すように、外側部材6は、内側部材5の筒部5Bにスライド自在に外挿される筒部6Bと、筒部6Bにおける背面側を覆う覆い部6Cとを一体に備え、内側部材5に対し、押下方向Zへ移動自在である。
図5は外側部材6を背面側から見た平面図である。
図3及び
図5に示すように、筒部6Bの内周面には、径方向外側に向けて凹む係合凹部6Fが、周方向に間隔を空けて設けられている。これら係合凹部6Fは、筒部6Bにおける最も背面側の端部に設けられ、外側部材6を内側部材5に外挿した際に、これら係合凹部6Fに、内側部材5の係合凸部5Fがそれぞれ係合する。
【0024】
図2に示すように、筒部6Bの内周面には、周方向に間隔を空けて外周側に凹む嵌合凹部6Gが形成されている。外側部材6を内側部材5に外挿する際に、嵌合凹部6Gに、内側部材5に設けられた嵌合凸部5Gがそれぞれ嵌合することで、外側部材6の係合凹部6Fと、内側部材5の係合凸部5Fとがそれぞれ係合するように、外側部材6が内側部材5に外挿される。
【0025】
さらに、覆い部6Cには、周方向に間隔を空けて、正面側部材7から延びる複数(3本)の係合爪部7B(
図2,
図3参照)がそれぞれ貫通する複数(3個)の孔部6H(
図2,
図5参照)が設けられる。これら孔部6Hは、内側部材5の各孔部5Hと連通する孔である。
図3及び
図5に示すように、筒部6Bの内周側には、覆い部6Cから背面側に延びて、内側部材5の嵌合孔部5J(
図2〜
図4参照)に嵌合する嵌合受け部6Jが、周方向に間隔を空けて設けられている。
外側部材6の係合凹部6Fと、内側部材5の係合凸部5Fとがそれぞれ係合するように、外側部材6が内側部材5に外挿されると、これら嵌合受け部6Jが、内側部材5の嵌合孔部5Jにそれぞれ嵌合する。
【0026】
図6は外側部材6を内側部材5に外挿した状態を背面側から見た図であり、
図7は
図6のX−X断面図である。
外側部材6が内側部材5に外挿された場合、
図6及び
図7に示すように、内側部材5の孔部5Hと外側部材6の孔部6Hとが連通すると共に、内側部材5の嵌合孔部5J(
図7参照)に、外側部材6の嵌合受け部6Jが進入する。
外側部材6が内側部材5に外挿された場合に、
図7に示すように、外側部材6の係合凹部6Fと、内側部材5の係合凸部5Fとが係合することによって、外側部材6のそれ以上の押し込みが規制される。
【0027】
ここで、
図7に示すように、外側部材6の係合凹部6Fにおける内側部材5の係合凸部5Fが当接する面6Mは、背面側にいくに従って外周側に拡がる傾斜面に形成されている。このため、内側部材5に対して外側部材6を押し込み側へ移動させようとした場合に、上記傾斜面6Mは、係合凹部6Fに当接する係合凸部5Fを、外側部材6の反対側(
図7中、矢印Y)へガイドするガイド面として機能する。
なお、内側部材5の係合凸部5Fについても、上記傾斜面6Mと当接する面は、上記傾斜面6Mと同傾斜の面とされており、上記傾斜面6Mに沿って円滑に矢印Yの方向にガイドされ易くなる。
外側部材6の係合凹部6Fと、内側部材5の係合凸部5Fとが係合した位置では、内側部材5の覆い部5Cと、外側部材6の覆い部6Cとの間には、所定の隙間SA(
図7参照)が形成される。この隙間SAについては後述する。
【0028】
図2及び
図3に示すように、正面側部材7は、外側部材6の覆い部6Cを覆う板状の装飾部7Aと、装飾部7Aから背面側に延びる複数(3本)の係合爪部7Bとを一体に備えている。
装飾部7Aは、覆い部6Cの外表面の少なくとも一部(正面側の外表面に相当)を覆って外表面を装飾する装飾部材として機能する。例えば、装飾部7Aには、装飾用の塗装又は加工が適宜に施され、操作つまみ4の外観性が向上する。
なお、外側部材6の筒部6Bの外表面にも、装飾用の塗装又は加工が適宜に施され、操作つまみ4の外観性が向上する。
【0029】
係合爪部7Bは、周方向に等間隔で設けられており、背面側に延びてその先端に外周側に屈曲する屈曲部を備えた形状を有し、外側部材6の孔部6H、及び内側部材5の孔部5Hに挿入可能である。
図8は外側部材6を内側部材5に外挿した状態で正面側部材7を装着した状態を示す側断面図である。
図8に示すように、正面側部材7の係合爪部7Bは、外側部材6の孔部6Hと内側部材5の孔部5Hとを貫通することで、外側部材6に設けられた嵌合受け部6Jに係止するようになっている。
【0030】
ここで、
図9は係合爪部7Bを周辺構成と共に示す断面図であり、
図10は係合爪部7Bを
図9とは異なる方向から見た断面図である。
図9及び
図10に示すように、内側部材5は、係合爪部7Bが外側部材6に係合する面(嵌合受け部6Jの面)を延長させた面上で係合爪部7Bが係合する被係合部5Xを有している。
これにより、係合爪部7Bが外側部材6と内側部材5との両方に係合し、正面側部材7が、外側部材6及び内側部材5の両方に固定される。従って、正面側部材7によって、内側部材5から外側部材6が脱落することが防止される。
【0031】
図11の符号Aはつまみ装置1の組立状態を示し、符号Bはつまみ装置1の押し込み側に荷重F1が作用した場合を示し、符号Cはつまみ装置1の押し込み側に荷重F2が作用した場合を示している。荷重F1は、車載装置2のユーザーがつまみ装置1を押下操作する場合の操作力の範囲であり、荷重F2は、荷重F1を超える所定の荷重である。
上記したように、符号Aで示す状態の場合、つまみ装置1の取付面2Aからの突出量は値T1である。この突出量T1は、法規等で定められる基準値T0を超えた値である。操作つまみ4の突出量T1は基準値T0を超えるので、ユーザーから操作つまみ4の視認性が高く、かつ、ユーザーが操作つまみ4に手が届き易くなる、といったメリットがある。
【0032】
図11中、値T2は、符号Bで示す状態の場合のつまみ装置1の突出量であり、符号Sは、操作つまみ4の押下時のストローク量であり、換言すると、つまみ取付部3のプッシュストローク量である。本実施形態では、突出量T2についても、基準値T0を超えた値となっている。このように、操作つまみ4が押下操作されても、操作つまみ4の突出量T2は基準値T0を超えるので、ユーザーの手が届きやすく、操作つまみ4の操作性向上に有利である。
なお、符号Bで示す状態の場合、つまみ装置1に荷重F1が作用するので、弾性変形部5Eを内周側に弾性変形させる方向の分力Yが作用する。この分力Yは、外側部材6の係合凹部6Fと内側部材5の係合凸部5Fとの係合を解除させる力よりは小さく、操作つまみ4の突出量T2が基準値T0未満となることはない。
【0033】
図11中、値T3は、符号Cで示す状態の場合のつまみ装置1の突出量である。符号Cに示すように、相対的に大きい荷重F2が作用すると、この荷重F2に対応する分力Yによって、弾性変形部5Eが内周側に弾性変形し、外側部材6の係合凹部6Fと内側部材5の係合凸部5Fとの係合が解除される。このため、外側部材6は、内側部材5と外側部材6との間の隙間SAが零になるまで押下方向Zに移動し、隙間SAが零になった位置、つまり、外側部材6の覆い部6Cが内側部材5の覆い部5Cに当接する位置で停止する。この場合、符号Cに示すように、外側部材6と正面側部材7とは一体的に押下方向Zに移動する。
【0034】
これにより、突出量T3は、上記突出量T2から隙間SAを差し引いた値となる。本実施形態では、突出量T3が基準値T0未満となるように隙間SAの値が設定される。例えば、突出量T1を12mm、ストローク量Sを1.5mm、基準値T0を9.5mmにした場合、値SAを1.0mm+αにすることで、突出量T3が9.5mm未満となる。このようにして、外部から過大な荷重F2が作用した際に操作つまみ4が陥没し、操作つまみ4の突出量T3を基準値T0未満にすることができる。
【0035】
操作つまみ4が陥没した場合、正面側部材7の係合爪部7Bによって、内側部材5から外側部材6が脱落することがない。しかも、符号A〜Cに示すように、係合爪部7Bと外側部材6の嵌合受け部6Jとの位置関係は変化しないので、陥没後も正面側部材7と外側部材6とはがたつきなく固定される。
従って、操作つまみ4の意匠部品を、外側部材6と正面側部材7とからなる二部品で構成することが可能で、かつ、陥没後に、これら二部品が容易に脱落しない構成が可能になる。
【0036】
また、本構成では、
図3に示すように、内側部材5に切り欠き部5Dを設けており、この切り欠き部5Dの形状や長さを調整することによって、内側部材5の係合凸部5Fに衝撃荷重が集中した際に降伏点を超えないように、弾性変形部5E等に適切なばね性を持たせ易くなると共に、陥没する荷重F2を容易に制御することが可能である。
この荷重F2は、操作つまみ4の通常操作(押下操作)、及びユーザーの不意による荷重よりも大きい荷重に設定され、具体的な数値を挙げると、少なくとも39.5kgf(約38.7daN)以下の値、例えば、25kgf〜35kgfの範囲が好ましい。
【0037】
以上説明したように、操作つまみ4の内側部材5には、外側部材6に係合して、外側部材6を、操作つまみ4の突出量を基準値T0を超えた値に保持する弾性変形部5Eが設けられる。この弾性変形部5Eは、外側部材6に作用する押し込む方向への荷重が上記荷重F1を超える荷重F2の場合に、上記係合を解除する側に弾性変形して、外側部材6を、操作つまみ4の突出量T3を基準値T0未満にする位置に移動させる。しかも、外側部材6には、内側部材5からの脱落を防止する脱落防止部として機能する正面側部材7が設けられている。
これらにより、所定の荷重F2が加わったときに、操作つまみ4を押し込み可能で、かつ外側部材6等の部品の脱落を防止可能になる。
【0038】
また、弾性変形部5Eは、内側部材5から外側部材6側に突出して外側部材6に係合する係合凸部5Fを有し、係合凸部5Fの上記係合が解除される側に弾性変形するので、内側部材5側の係合構造を容易に実現できる。
また、外側部材6は、係合凸部5Fが係合可能に凹んだ係合凹部6Fを有し、この係合凹部6Fは、内側部材5に対して外側部材6を押し込み側へ移動させた場合に、この係合凹部6Fに当接する係合凸部5Fを、外側部材6の反対側へガイドするガイド面となる傾斜面6M(
図6参照)を有しているので、係合をスムーズに解除させ易くなる。
【0039】
また、内側部材5の覆い部5Cは、
図11に示すように、外側部材6が押し込み側へ移動した際に当接する当接部として機能し、弾性変形部5Eは、覆い部5Cと外側部材6との間の隙間SAを、予め設定した値にする位置に外側部材6を保持する。これにより、上記隙間SAが外側部材6の押し込み量となり、操作つまみ4の陥没量を適正値に容易に調整できる。
また、内側部材5は、押し込み側に相当する方向に延びる筒部5Bを有し、この筒部5Bに、周方向に間隔を空けて、前記方向に沿って延びる切り欠き部5Dが設けられ、これら切り欠き部5Dの間のいずれかの領域が弾性変形部5Eとして機能するので、弾性変形部5Eを容易に設けることができる。そして、この切り欠き部5Dの形状や長さを調整することによって、弾性変形部5Eの一部(例えば係合凸部5F)に衝撃荷重が集中した際に降伏点を超えないように適切なばね性を設けたり、陥没する荷重F2を容易に制御したりし易くなる。
【0040】
なお、本実施形態では、内側部材5に弾性変形部5Eを設ける場合を説明したが、これに限定されず、外側部材6の係合凸部5Fを含む部分を、外周側に弾性変形可能な弾性変形部に形成してもよいし、内側部材5と外側部材6の両方に、上記弾性変形部を設けるようにしてもよい。
要するに、内側部材5、及び外側部材6の少なくともいずれかに、外側部材6、及び内側部材5のいずれかに係合して、外側部材6を、操作つまみ4の突出量を基準値T0を超えた値に保持すると共に弾性変形可能な弾性変形部を設けるようにすればよい。例えば、外側部材6に弾性変形部を設ける場合、外側部材6の筒部6Bに、周方向に間隔を空けて、押下方向Zに沿って延びる複数の切り欠き部を設けるようにすればよい。
【0041】
また、正面側部材7は、外側部材6と別体であり、外側部材6を貫通して外側部材6における押し込み側の面(嵌合受け部6Jの面に相当)に係合する係合爪部7Bを有している。そして、内側部材5は、係合爪部7Bが外側部材6に係合する面を延長させた面上で、係合爪部7Bが係合する被係合部5Xを有している。この構成によれば、正面側部材7の係合爪部7Bを、外側部材6と内側部材5の双方に簡易に係合させることができる。
さらに、正面側部材7は、外側部材6の外表面の少なくとも一部を覆って当該つまみ装置の外表面を装飾する装飾部7Aを有しているので、正面側部材7によって操作つまみ4を装飾できる。
【0042】
上記実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、正面側部材7を外側部材6と別体にする場合を例示したが、正面側部材7を外側部材6と一体に形成してもよい。
また、本実施形態では、車両に使用されるつまみ装置1に本発明を適用する場合を説明したが、車両の種類は特に限定されず、また、航空機等の他の移動体でもよい。また、移動体以外に使用されるつまみ装置に本発明を適用してもよい。