(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-145399(P2020-145399A)
(43)【公開日】2020年9月10日
(54)【発明の名称】コイル電子部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20200814BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20200814BHJP
H01F 27/02 20060101ALI20200814BHJP
H01F 41/04 20060101ALN20200814BHJP
H01F 41/10 20060101ALN20200814BHJP
【FI】
H01F17/00 B
H01F27/29 123
H01F27/02 120
H01F41/04 C
H01F41/10 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-140870(P2019-140870)
(22)【出願日】2019年7月31日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0025755
(32)【優先日】2019年3月6日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジュ フワン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ビョン ス
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ユン ミ
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ビョン チョル
【テーマコード(参考)】
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E062DD01
5E062FF01
5E062FF02
5E062FG11
5E070AA01
5E070AB01
5E070AB04
5E070AB06
5E070BB03
5E070CB06
5E070CB12
5E070CB17
5E070DA13
5E070DA20
5E070EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高容量を実現することができるコイル電子部品を提供する。
【解決手段】コイル電子部品10は、互いに向かい合う第1面101及び第2面102、及び第3面103及び第4面104を含む本体50、本体の内部に配置された絶縁基板23、絶縁基板において互いに向かい合う両面にそれぞれ配置された第1及び第2コイル部42、44、第1コイル部の一端と連結され、本体の第1面及び第3面に露出した第1引き出し部62、第2コイル部の一端と連結され、本体の第2面及び第3面に露出した第2引き出し部64及び第1及び第2引き出し部をそれぞれカバーする第1及び第2外部電極851、852を含む。絶縁基板は、第1及び第2コイル部を支持する支持部24、第1引き出し部を支持し、本体の第1面及び第3面に露出した第1末端部231及び第2引き出し部を支持し、本体の第2面及び第3面に露出した第2末端部232を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合う第1面及び第2面、及び前記第1面及び前記第2面を連結し、且つ互いに向かい合う第3面及び第4面を含む本体と、
前記本体の内部に配置された絶縁基板と、
前記絶縁基板において互いに向かい合う両面にそれぞれ配置された第1及び第2コイル部と、
前記第1コイル部の一端と連結され、前記本体の前記第1面及び前記第3面に露出した第1引き出し部と、
前記第2コイル部の一端と連結され、前記本体の前記第2面及び前記第3面に露出した第2引き出し部と、
前記第1及び第2引き出し部をそれぞれカバーする第1及び第2外部電極と、を含み、
前記絶縁基板は、前記第1及び第2コイル部を支持する支持部、前記第1引き出し部を支持し、前記本体の前記第1面及び前記第3面に露出した第1末端部、及び前記第2引き出し部を支持し、前記本体の前記第2面及び前記第3面に露出した第2末端部を含む、コイル電子部品。
【請求項2】
前記絶縁基板の厚さは、10μm以上30μm以下である、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項3】
前記第1及び第2引き出し部の幅は、前記本体の幅よりも狭い、請求項1または2に記載のコイル電子部品。
【請求項4】
前記第1及び第2引き出し部はそれぞれ、前記本体の前記第1面及び前記第2面から延長されて前記本体の前記第3面に引き出される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項5】
前記第1及び第2引き出し部は、前記本体の前記第4面に配置されない、請求項1から4のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項6】
前記絶縁基板において前記第1引き出し部と向かい合う面に配置された第1ダミー引き出し部、及び前記第2引き出し部と向かい合う面に配置された第2ダミー引き出し部をさらに含み、
前記第1及び第2ダミー引き出し部はそれぞれ、前記第1及び第2引き出し部と互いに対応するように配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項7】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、
前記第1及び第2引き出し部をカバーする第1層、及び前記第1層をカバーする第2層を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項8】
前記第1層の表面には凹部が配置される、請求項7に記載のコイル電子部品。
【請求項9】
前記凹部は、前記第1層において前記絶縁基板をカバーする領域に配置される、請求項8に記載のコイル電子部品。
【請求項10】
前記第1層はニッケル(Ni)を含み、
前記第2層は錫(Sn)を含む、請求項7から9のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項11】
前記第1及び第2外部電極の幅は、前記本体の幅よりも狭い、請求項1から10のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項12】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、前記本体の前記第1面及び前記第2面から延長されて前記本体の前記第3面に配置される、請求項1から11のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項13】
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の前記第4面に配置されない、請求項1から12のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項14】
前記本体の表面に配置された絶縁層をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項15】
前記絶縁層は、前記第1及び第2外部電極が配置された領域を除いた領域に配置される、請求項14に記載のコイル電子部品。
【請求項16】
前記絶縁層は、Fe、Nb、Si、Crまたはこれらの合金からなる群から選択された少なくとも一つを含む酸化層で構成される、請求項14または15に記載のコイル電子部品。
【請求項17】
前記本体は金属磁性粉末を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項18】
前記金属磁性粉末は、Fe、Nb、Si、Cr、及びこれらの合金の少なくとも一つを含む、請求項17に記載のコイル電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種通信デバイスまたはディスプレイデバイスなどITデバイスの小型化及び薄膜化が加速化しており、かかるITデバイスに採用されるインダクタ、キャパシタ、トランジスタなどの各種素子も小型化及び薄型化するための研究が継続的に行われている。よって、インダクタも小型でありながら高密度の自動表面実装が可能なチップへの転換が急速に進んでおり、絶縁基板の上下面にめっきでコイルパターンを形成し、コイルパターンの上部及び下部に磁性粉末及び樹脂を混合させた磁性体シートを積層、圧着及び硬化して製造する薄膜型インダクタの開発が続いている。
【0003】
しかし、薄膜型インダクタも、チップサイズが益々小型化されるにつれて本体の体積が小さくなるため、本体の内部にコイルを形成することができる空間も減少し、形成されるコイルのターン数が少なくなった。
【0004】
このようにコイルが形成される面積が減少すると、高容量を確保するのが困難になり、コイルの幅が小さくなって直流及び交流抵抗が増加し、品質係数(Quality factor、Q)の低下を招く。
【0005】
したがって、チップサイズが減少しても、高容量及び品質係数の向上を実現するためには、小型化された本体の内部でコイルができる限り大きい面積を占めるように形成する必要がある。また、内部コイルの面積を増加させるとともに、磁束の流れを円滑にしてインダクタンス(L)及び品質係数(Q)などのインダクタの性能を向上させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2015−0114924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、チップサイズが小型化されても同一のチップサイズ内でコイル部が形成される面積を増加させることで高容量を実現することができるコイル電子部品を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、磁束の流れを妨げる実装基板及び外部電極の影響を最小限に抑え、インダクタンス(L)及び品質係数(Q)などの性能を向上させるコイル電子部品を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、チップサイズの減少によって制約を受けるコイル部の内部のコア部の面積、コイル部の最外側部と本体の外側とのマージン(margin)部などの設計自由度を増大させて高い性能を実現するコイル電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によると、互いに向かい合う第1面及び第2面、及び上記第1面及び第2面を連結し、且つ互いに向かい合う第3面及び第4面を含む本体、上記本体の内部に配置された絶縁基板、上記絶縁基板において互いに向かい合う両面にそれぞれ配置された第1及び第2コイル部、上記第1コイル部の一端と連結され、上記本体の第1面及び第3面に露出した第1引き出し部、上記第2コイル部の一端と連結され、上記本体の第2面及び第3面に露出した第2引き出し部、及び上記第1及び第2引き出し部をそれぞれカバーする第1及び第2外部電極を含み、上記絶縁基板は、上記第1及び第2コイル部を支持する支持部、上記第1引き出し部を支持し、上記本体の第1面及び第3面に露出した第1末端部、及び上記第2引き出し部を支持し、上記本体の第2面及び第3面に露出した第2末端部を含む、コイル電子部品が適用される。
【0011】
上記本体は、1608以下のサイズを有することができる。
【0012】
上記コイル部は、上記本体の第1面及び第2面に対して平行に形成されることができる。
【0013】
上記コイル部は、上記本体の第3面または第4面に対して80〜100°に直立して形成されることができる。
【0014】
上記第1及び第2引き出し部をそれぞれカバーする第1及び第2外部電極は、上記本体の第1面、第2面及び第3面に延長されて形成されることができるが、本体の第4面には形成されない。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によると、チップサイズが小型化されても同一のチップサイズ内でコイル部が形成される面積を増加させることで、コイル電子部品の品質を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の実施形態によると、磁束の流れを妨げる実装基板及び外部電極の影響を最小限に抑え、インダクタンス(L)及び品質係数(Q)などの性能を向上させることができる。
【0017】
また、チップサイズの減少によって制約を受けるコイル部の内部のコア部の面積、コイル部の最外側部と本体の外側とのマージン(margin)部などの設計自由度が増大して高い性能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態によるコイル電子部品のコイル部を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に示されたコイル電子部品のI−I'線に沿った断面図である。
【
図3】
図1に示された本発明の一実施形態によるコイル電子部品のII−II'線に沿った断面図である。
【
図4】
図1に示された本発明の他の実施形態によるコイル電子部品のII−II'線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願で用いられた用語は、ただ特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなくてはならない。また、明細書の全般にわたって、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0020】
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素が物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、該他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0021】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示したものであり、本発明が必ずしもそれらに限定されない。
【0022】
図面において、X方向は第1方向または長さ方向、Y方向は第2方向または幅方向、Z方向は第3方向または厚さ方向と定義することができる。
【0023】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素は、同一の図面番号を付与し、これに対して重複する説明は省略する。
【0024】
電子機器には、様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間には、ノイズ除去などのために、様々な種類のコイル部品が適切に用いられることができる。
【0025】
即ち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0026】
一方、以下では、本発明の実施形態によるコイル電子部品10、100が、電源供給回路の電源ラインに用いられる薄膜型インダクタであることを前提に説明する。但し、本発明の一実施形態によるコイル電子部品は、薄膜インダクタの他にも、チップビーズ(chip bead)、チップフィルタ(chip filter)などに適切に応用されることができる。
【0027】
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態によるコイル電子部品のコイル部を概略的に示す斜視図である。
図2は
図1に示されたコイル電子部品のI−I'線に沿った断面図である。
図3は
図1に示された本発明の一実施形態によるコイル電子部品のII−II'線に沿った断面図である。
【0028】
図1〜
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル電子部品10は、本体50、絶縁基板23、コイル部42、44、引き出し部62、64及び外部電極851、852を含み、ダミー引き出し部63、65及び絶縁層72をさらに含むことができる。
【0029】
本体50は、本実施形態によるコイル電子部品10の外観をなし、内部に絶縁基板23が配置されている。
【0030】
本体50は、全体的に六面体状に形成されることができる。
【0031】
本体50は、
図1を基準に、X方向に互いに向かい合う第1面101及び第2面102、Z方向に向かい合う第3面103及び第4面104、Y方向に互いに向かい合う第5面105及び第6面106を含む。本体50の互いに向かい合う第3面103及び第4面104はそれぞれ、本体50の互いに向かい合う第1面101及び第2面102を連結する。
【0032】
本体50は、例示的に、後述する外部電極851、852が形成された本実施形態によるコイル電子部品10が0.2±0.1mmの長さ、0.25±0.1mmの幅及び最大0.4mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0033】
本体50は、磁性材料及び絶縁樹脂を含むことができる。具体的には、本体50は、絶縁樹脂及び絶縁樹脂に分散された磁性材料を含む磁性体シートを一層以上積層して形成されることができる。但し、本体50は、磁性材料が絶縁樹脂に分散された構造のほかに、他の構造を有することもできる。例えば、本体50は、フェライトのような磁性材料からなることもできる。
【0034】
磁性材料は、フェライトまたは金属磁性粉末であることができる。
【0035】
フェライト粉末は、例えば、Mg−Zn系、Mn−Zn系、Mn−Mg系、Cu−Zn系、Mg−Mn−Sr系、Ni−Zn系などのスピネル型フェライト、Ba−Zn系、Ba−Mg系、Ba−Ni系、Ba−Co系、Ba−Ni−Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトの少なくとも一つ以上であることができる。
【0036】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)、及びこれらの合金の少なくとも一つを含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Ni−Mo系合金粉末、Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni−Co系合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Si系合金粉末、Fe−Si−Cu−Nb系合金粉末、Fe−Ni−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Al系合金粉末の少なくとも一つ以上であることができる。
【0037】
金属磁性粉末は、非晶質または結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe−Si−B−Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0038】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm〜30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0039】
本体50は、絶縁樹脂に分散された2種類以上の磁性材料を含むことができる。ここで、磁性材料が異なる種類とは、絶縁樹脂に分散された磁性材料が平均直径、組成、結晶性及び形状のいずれか一つによって互いに区別されることを意味する。
【0040】
絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独または混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0041】
絶縁基板23は、本体50の内部に配置され、絶縁基板23の両面にそれぞれ第1及び第2コイル部42、44が配置される。絶縁基板23は、コイル部42、44を支持する支持部24、及び引き出し部62、64を支持する末端部231、232を含み、これらについては後述する。
【0042】
絶縁基板23の厚さは、10μm以上60μm以下であることができ、好ましくは10μm以上30μm以下であることができる。絶縁基板23の厚さが10μmよりも小さいと、コイル部42、44間に電気的ショートが発生することがあり、絶縁基板23の厚さが60μmよりも大きいと、コイル電子部品の厚さが増加して薄型化に不利になる。絶縁基板23の厚さが30μmである場合は、厚さが60μmである場合に比べてLs(μH)が7.2%、Isat(A)が8.9%増加し、絶縁基板23の厚さが20μmである場合は、厚さが30μmである場合に比べてLs(μH)が2.5%、Isat(A)が2.2%増加する。
【0043】
絶縁基板23は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂または感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、またはかかる絶縁樹脂にガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例えば、絶縁基板23は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)フィルム、PID(Photo Imagable Dielectric)フィルムなどの絶縁材料で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0044】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO
4)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(AlOH
3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO
3)からなる群から選択された少なくとも一つ以上が用いられることができる。
【0045】
絶縁基板23が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、絶縁基板23はより優れた剛性を提供することができる。絶縁基板23がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、絶縁基板23はコイル部42、44の全厚を薄型化するのに有利である。絶縁基板23が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル部42、44を形成するための工程数が減少して生産費の節減に有利であり、微細なビアを形成することができる。
【0046】
支持部24は、絶縁基板23のうち、第1及び第2コイル部42、44の間に配置されてコイル部42、44を支持する一領域である。
【0047】
末端部231、232は、支持部24から延長されて絶縁基板23のうち引き出し部62、64とダミー引き出し部63、65を支持する。具体的には、第1末端部231は、第1引き出し部62と第1ダミー引き出し部63との間に配置され、第1引き出し部62と第1ダミー引き出し部63を支持する。第2末端部232は、第2引き出し部64と第2ダミー引き出し部65との間に配置され、第2引き出し部64と第2ダミー引き出し部65を支持する。
【0048】
末端部231、232は、本体50の第1面101及び第2面102に配置された引き出し部62、64から本体50の第3面103に配置された引き出し部62、64に該当する領域まで延長された一領域を意味する。
【0049】
コイル部42、44は、絶縁基板23において互いに向かい合う両面にそれぞれ配置され、コイル電子部品の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル電子部品10がパワーインダクタとして活用される場合、コイル部42、44は、電場を磁場として貯蔵して出力電圧を維持することにより、電子機器の電源を安定化させる役割を果たすことができる。
【0050】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2コイル部42、44は、上記本体50の第3面103または第4面104に対して直立して形成されることができる。
【0051】
本体50の第3面103または第4面104に対して直立して形成されるということは、
図1のようにコイル部42、44と絶縁基板23とが接する面が、本体50の第3面103または第4面104に対して垂直またはほぼ垂直に形成されることを意味する。例えば、コイル部42、44と本体50の第3面103または第4面104は、80°〜100°に直立して形成されることができる。
【0052】
一方、コイル部42、44は、本体50の第5面105及び第6面106に対しては平行に形成されることができる。即ち、コイル部42、44と絶縁基板23とが接する面は、本体50の第5面105及び第6面106に平行であることができる。
【0053】
本体50のサイズが1608または1006以下と小型化されることによって厚さが幅よりも大きく形成され、本体50のXZ方向の断面積は、XY方向の断面積よりも大きくなるため、コイル部42、44が本体50の第3面103または第4面104に対して直立して形成されることによって、コイル部42、44が形成される面積が増加する。
【0054】
例えば、本体50の長さが1.6±0.2mm、幅が0.8±0.05mmであるときに、厚さが1.0±0.05mmの範囲を満たすことができ(1608サイズ)、本体50の長さが0.2±0.1mm、幅が0.25±0.1mmであるときに、厚さが最大0.4mm(1006サイズ)の範囲を満たすことができるが、幅に比べて厚さが大きいため、コイル部42、44が本体50の第3面103または第4面104に対して水平に形成される場合に比べて垂直に形成される場合により広い面積を確保することができる。コイル部42、44が形成される面積が広ければ広いほどインダクタンス(L)及び品質係数(Q)が向上することができる。
【0055】
第1コイル部42と第2コイル部44はそれぞれ、コア部71を軸として少なくとも一つのターン(turn)を形成した平面螺旋状であることができる。例えば、第1コイル部42は、絶縁基板23の一面でコア部71を軸として少なくとも一つのターン(turn)を形成することができる。
【0056】
コイル部42、44は、平面螺旋状のコイルパターンを含むことができ、絶縁基板23において互いに向かい合う両面に形成されるコイル部42、44は、絶縁基板23に形成されるビア電極46を介して電気的に接続されることができる。
【0057】
コイル部42、44及びビア電極46は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成されることができ、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはこれらの合金などで形成されることができる。
【0058】
引き出し部62、64はそれぞれ、本体50の第1面101及び第2面102に露出する。具体的には、第1引き出し部62及び第1ダミー引き出し部63はそれぞれ、本体50の第1面101に露出し、第2引き出し部64及び第2ダミー引き出し部65はそれぞれ、本体50の第2面102に露出する。
【0059】
図1及び
図2を参照すると、絶縁基板23の一面に形成される第1コイル部42の一端が延長されて第1引き出し部62を形成し、上記第1引き出し部62は、本体50の第1面101及び第3面103に露出することができる。また、絶縁基板23の向かい合う面に形成される第2コイル部44の一端が延長されて第2引き出し部64を形成し、第2引き出し部64は、本体50の第2面102及び第3面103に露出することができる。即ち、本発明の引き出し部62、64は、上記本体50の幅よりも狭く形成され、引き出し部62、64はそれぞれ、本体50の第1面101及び第2面102から延長されて第3面103に引き出され、本体50の第4面104、第5面105、第6面106には配置されない。
【0060】
図1〜
図3を参照すると、本体50の外部に配置された引き出し部62、64を介して第1及び第2外部電極851、852とコイル部42、44が直接接続されるよりは、本体50内に配置された引き出し部62、64を介して第1及び第2外部電極851、852とコイル部42、44が連結される。本体50内に引き出し部62、64が配置された構造を形成するために、コイル部42、44のめっき工程後に絶縁基板23をトリミングする段階が含まれる。かかるトリミング工程によって、絶縁基板23は、コイル部42、44を支持する支持部24、第1引き出し部62を支持し、本体50の第1面101及び第3面103に露出した第1末端部231、及び第2引き出し部62を支持し、本体50の第2面102及び第3面103に露出した第2末端部232を含む構造で形成されることができる。
【0061】
第1及び第2引き出し部62、64は、銅(Cu)のような導電性金属を含むことができ、第1及び第2引き出し部62、64が本体50の内部に形成されるため、トリミングされた絶縁基板23の上にめっき層を形成して本体50の外部に引き出し部62、64を配置する従来技術に比べて、めっき厚さの減少によるディンプル(dimple)の発生を低減することができる。
【0062】
ダミー引き出し部63、65は、絶縁基板23の一面と他面に引き出し部62、64と互いに対応するように配置される。本発明の一実施形態によると、絶縁基板23において第1引き出し部62と向かい合う面に配置された第1ダミー引き出し部63、及び第2引き出し部64と向かい合う面に配置された第2ダミー引き出し部65をさらに含むことができる。
【0063】
コイル部42、44、ビア電極46、引き出し部62、64及びダミー引き出し部63、65の少なくとも一つは、少なくとも一つ以上の導電層を含むことができる。
【0064】
例えば、コイル部42、44、ダミー引き出し部63、65及びビア電極46を絶縁基板23の一面または他面にめっきで形成する場合、コイル部42、44、ダミー引き出し部63、65及びビア電極46はそれぞれ、無電解めっき層などのシード層と電解めっき層を含むことができる。ここで、電解めっき層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一つの電解めっき層を他の一つの電解めっき層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されることもでき、いずれか一つの電解めっき層の一面のみに他の一つの電解めっき層が積層された形状に形成されることもできる。コイル部42、44のシード層、ダミー引き出し部63、65のシード層及びビア電極46のシード層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないが、これに制限されるものではない。コイル部42、44の電解めっき層、ダミー引き出し部63、65の電解めっき層及びビア電極46の電解めっき層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないが、これに制限されるものではない。
【0065】
コイル部42、44、引き出し部62、64、ダミー引き出し部63、65及びビア電極46はそれぞれ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性材料で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0066】
一方、
図3を参照すると、ダミー引き出し部63、65がコイル部42、44、第1引き出し部62及び第2引き出し部64が形成された磁性体シートと隣接して積層されることにより、本体50の第1面101、第2面102及び第3面103に配置される第1及び第2外部電極851、852とより多くの金属結合が起こる。したがって、コイル部42、44と外部電極851、852間の結合及び電子部品と印刷回路基板間の結合力を向上させることができる。
【0067】
ダミー引き出し部63、65と引き出し部62、64が絶縁基板23を挟んで互いに対応するように配置されることによって、後述するように、金属を含む第1層85aの表面に凹部A構造が発生する。即ち、第1層85aは、絶縁材料を含む絶縁基板23よりも引き出し部62、64及びダミー引き出し部63、65をより多くカバーするため、相対的に絶縁基板23をカバーする領域には凹部A構造が配置される。
【0068】
外部電極851、852は、本体50の第1面101、第2面102、第3面103に配置される。
【0069】
本発明の一実施形態によると、本体50の第1面101、第2面102及び第3面103に露出する第1引き出し部62及び第2引き出し部64と接続するように、第1面101、第2面102及び第3面103に外部電極851、852が形成されることができる。外部電極851、852は、本体50の幅よりも狭く配置されることができる。第1外部電極851は、第1引き出し部62をカバーし、本体50の第1面101から延長されて第3面103に配置される構造であることができるが、本体50の第4面104、第5面105及び第6面106には配置されない。第2外部電極852は、第2引き出し部64をカバーし、本体50の第2面102から延長されて第3面103に配置される構造であることができるが、本体50の第4面104、第5面105及び第6面106には配置されない。
【0070】
外部電極851、852が本体50の第1面101、第2面102及び第3面103の一部に配置され、本体50の幅よりも狭く形成されることによって、磁束の流れを妨げる外部電極851、852の影響を低減させてインダクタンス(L)及び品質係数(Q)などのインダクタ性能を向上させることができる。
【0071】
外部電極851、852は、単層または複数層の構造で形成されることができる。本発明の一実施形態によると、外部電極851、852は、引き出し部62、64をカバーする第1層85aと、第1層85aをカバーする第2層85bと、を含むことができる。具体的には、第1層85aはニッケル(Ni)を含み、第2層85bは錫(Sn)を含むコイル電子部品を提供する。
【0072】
凹部Aは、第1層85aの表面に配置されることができる。凹部Aは、第1層85aにおいて絶縁基板23をカバーする領域に配置されることができる。絶縁基板23と引き出し部62、64間の電気的連結性が互いに異なるため、金属からなる第1層は、主に引き出し部62、64及びダミー引き出し部63、65の表面上にめっきされる。これにより、第1引き出し部62と第1ダミー引き出し部63上に配置された第1層85aには、絶縁基板23の第1末端部231に該当する領域に、
図3のように凹部Aが配置されることができる。一方、図示してはいないが、第2引き出し部64と第2ダミー引き出し部65上に配置された第1層85aには、絶縁基板23の第2末端部232に該当する領域に、同様に凹部Aが配置されることができる。
【0073】
絶縁層72は、本体50の表面に配置される。絶縁層72は通常、外部電極851、852を電解めっきで形成する前に本体50の表面に選択的に形成され、本体の表面のうち外部電極851、852が形成された領域を除いた領域にめっきがなされることを防止する。また、めっき工程後には、本発明のコイル電子部品と他の電子部品間の電気的ショートを防止する機能を有することができる。
【0074】
一方、本発明の一実施形態によると、絶縁層72は、本体50の表面に露出した金属磁性粉末(例えば、Fe系磁性粉末)を酸処理して形成するという点で、従来の絶縁層と異なる。即ち、鉄(Fe)と選択的に反応するエッチング液などを用いることによって、本体50の表面のうち引き出し部62、64及びダミー引き出し部63、65が露出した領域を除いた領域に選択的に絶縁層(Fe酸化層)が形成されることができる。
【0075】
即ち、絶縁層72は、Fe、Nb、Si、Crまたはこれらの合金からなる群から選択された化合物を含む酸化層で構成されることができる。上述のように、絶縁層72は酸処理によって形成されたため、本体の表面に非常に薄い厚さで形成されることができ、従来のコイル電子部品に比べて薄型化を図ることができる。
【0076】
第2実施形態
図4は
図1に示された本発明の他の実施形態によるコイル電子部品のII−II'線に沿った断面図である。
【0077】
本実施形態によるコイル電子部品100は、本発明の第1実施形態によるコイル電子部品10と比較して、第1層85aの形状が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、第1実施形態と異なる第1層85aについてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0078】
図4を参照すると、外部電極851、852は、引き出し部62、64をカバーする第1層85aと、第1層85aをカバーする第2層85bと、を含むことができる。一方、めっき液の濃度、めっき電流の強度、めっき速度などの変数を調整することでニッケルめっき層で形成されることができる第1層85aは、絶縁基板23の末端部231、232に該当する領域を中心に、
図4のように離隔部が配置されることができる。これにより、第2層85bは、末端部231、232の露出領域と接触することができる。
【0079】
本発明は、上述の実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲によって限定される。
【0080】
したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0081】
50 本体
23 絶縁基板
24 支持部
231、232 第1及び第2末端部
42、44 第1及び第2コイル部
46 ビア電極
62、64 第1及び第2引き出し部
63、65 第1及び第2ダミー引き出し部
851、852 第1及び第2外部電極
85a、85b 第1層、第2層
71 コア部
72 絶縁層
A 凹部
10、100 コイル電子部品
【手続補正書】
【提出日】2020年5月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合う第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面を連結し且つ互いに向かい合う第3面及び第4面、並びに前記第3面に直交する第5面及び第6面を含む本体と、
前記本体の内部に配置された絶縁基板と、
前記絶縁基板において互いに向かい合う両面における一面および他面にそれぞれ配置された第1及び第2コイル部と、
前記第1コイル部の一端と連結され、前記本体の前記第1面及び前記第3面に露出し、前記絶縁基板の前記一面に形成された第1引き出し部と、
前記第2コイル部の一端と連結され、前記本体の前記第2面及び前記第3面に露出し、前記絶縁基板の前記他面に形成された第2引き出し部と、
前記絶縁基板の前記他面に配置され、前記第5面から前記第6面への方向に前記第1引き出し部と向かい合う面に配置された第1ダミー引き出し部と、
前記絶縁基板の前記一面に配置され、前記第5面から前記第6面への方向に前記第2引き出し部と向かい合う面に配置された第2ダミー引き出し部と、
前記第1及び第2引き出し部をそれぞれカバーする第1及び第2外部電極と、を含み、
前記絶縁基板は、前記第1及び第2コイル部を支持する支持部、前記第1引き出し部を支持し、前記本体の前記第1面及び前記第3面に露出した第1末端部、及び前記第2引き出し部を支持し、前記本体の前記第2面及び前記第3面に露出した第2末端部を含む、コイル電子部品。
【請求項2】
前記第5面から前記第6面への方向において、前記第1引き出し部の幅および前記第2ダミー引き出し部の幅は前記第1コイル部の幅と等しく、前記第2引き出し部の幅および前記第1ダミー引き出し部の幅は前記第2コイル部の幅と等しい、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項3】
前記第1外部電極は、前記第1ダミー引き出し部と前記絶縁基板とをさらにカバーし、
前記第2外部電極は、前記第2ダミー引き出し部と前記絶縁基板とをさらにカバーする、
請求項1または2に記載のコイル電子部品。
【請求項4】
前記第5面から前記第6面への方向において、前記第1外部電極の幅は、前記第1引き出し部の幅と前記絶縁基板の幅と前記第1ダミー引き出し部との幅との和に等しく、前記第2外部電極の幅は、前記第2引き出し部の幅と前記絶縁基板の幅と前記第2ダミー引き出し部の幅との和に等しい、請求項3に記載のコイル電子部品。
【請求項5】
前記絶縁基板の厚さは、10μm以上30μm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項6】
前記第1及び第2引き出し部の幅は、前記本体の幅よりも狭い、請求項1から5のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項7】
前記第1及び第2引き出し部はそれぞれ、前記本体の前記第1面及び前記第2面から延長されて前記本体の前記第3面に引き出され、
前記第1及び第2ダミー引き出し部はそれぞれ、前記本体の前記第1面及び前記第2面から延長されて前記本体の前記第3面に引き出され、
前記第1末端部における前記一面に、前記第3面に引き出された前記第1引き出し部が配置され、前記第1末端部における前記他面に、前記第3面に引き出された前記第1ダミー引き出し部が配置され、
前記第2末端部における前記一面に、前記第3面に引き出された前記第2ダミー引き出し部が配置され、前記第2末端部における前記他面に、前記第3面に引き出された前記第2引き出し部が配置される、
請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項8】
前記第1及び第2引き出し部は、前記本体の前記第4面に配置されない、請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項9】
前記第1外部電極は、
前記第1引き出し部と第1ダミー引き出し部とをカバーする第1層、及び前記第1層をカバーする第2層を含み、
前記第1層において前記絶縁基板をカバーする領域には、前記第3面から前記第4面への方向に窪んだ凹部が配置される、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項10】
前記第2外部電極は、
前記第2引き出し部と第2ダミー引き出し部とをカバーする第1層、及び前記第1層をカバーする第2層を含み、
前記第1層において前記絶縁基板をカバーする領域には、前記第3面から前記第4面への方向に窪んだ凹部が配置される、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項11】
前記第5面から前記第6面への方向における前記凹部の幅であって、前記第3面から前記第4面への方向において前記絶縁基板と接する位置における前記凹部の幅は、前記絶縁基板の幅と等しい、請求項9または10に記載のコイル電子部品。
【請求項12】
前記第1層はニッケル(Ni)を含み、
前記第2層は錫(Sn)を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項13】
前記第1及び第2外部電極の幅は、前記本体の幅よりも狭い、請求項1から12のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項14】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、前記本体の前記第1面及び前記第2面から延長されて前記本体の前記第3面に配置される、請求項1から13のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項15】
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の前記第4面に配置されない、請求項1から14のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項16】
前記本体の表面に配置された絶縁層をさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項17】
前記絶縁層は、前記第1及び第2外部電極が配置された領域を除いた領域に配置される、請求項16に記載のコイル電子部品。
【請求項18】
前記絶縁層は、Fe、Nb、Si、Crまたはこれらの合金からなる群から選択された少なくとも一つを含む酸化層で構成される、請求項16または17に記載のコイル電子部品。
【請求項19】
前記本体は金属磁性粉末を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
【請求項20】
前記金属磁性粉末は、Fe、Nb、Si、Cr、及びこれらの合金の少なくとも一つを含む、請求項19に記載のコイル電子部品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
[項目1]
互いに向かい合う第1面及び第2面、及び前記第1面及び前記第2面を連結し、且つ互いに向かい合う第3面及び第4面を含む本体と、
前記本体の内部に配置された絶縁基板と、
前記絶縁基板において互いに向かい合う両面にそれぞれ配置された第1及び第2コイル部と、
前記第1コイル部の一端と連結され、前記本体の前記第1面及び前記第3面に露出した第1引き出し部と、
前記第2コイル部の一端と連結され、前記本体の前記第2面及び前記第3面に露出した第2引き出し部と、
前記第1及び第2引き出し部をそれぞれカバーする第1及び第2外部電極と、を含み、
前記絶縁基板は、前記第1及び第2コイル部を支持する支持部、前記第1引き出し部を支持し、前記本体の前記第1面及び前記第3面に露出した第1末端部、及び前記第2引き出し部を支持し、前記本体の前記第2面及び前記第3面に露出した第2末端部を含む、
コイル電子部品。
[項目2]
前記絶縁基板の厚さは、10μm以上30μm以下である、項目1に記載のコイル電子部品。
[項目3]
前記第1及び第2引き出し部の幅は、前記本体の幅よりも狭い、項目1または2に記載のコイル電子部品。
[項目4]
前記第1及び第2引き出し部はそれぞれ、前記本体の前記第1面及び前記第2面から延長されて前記本体の前記第3面に引き出される、項目1から3のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目5]
前記第1及び第2引き出し部は、前記本体の前記第4面に配置されない、項目1から4のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目6]
前記絶縁基板において前記第1引き出し部と向かい合う面に配置された第1ダミー引き出し部、及び前記第2引き出し部と向かい合う面に配置された第2ダミー引き出し部をさらに含み、
前記第1及び第2ダミー引き出し部はそれぞれ、前記第1及び第2引き出し部と互いに対応するように配置される、項目1から5のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目7]
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、
前記第1及び第2引き出し部をカバーする第1層、及び前記第1層をカバーする第2層を含む、項目1から6のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目8]
前記第1層の表面には凹部が配置される、項目7に記載のコイル電子部品。
[項目9]
前記凹部は、前記第1層において前記絶縁基板をカバーする領域に配置される、項目8に記載のコイル電子部品。
[項目10]
前記第1層はニッケル(Ni)を含み、
前記第2層は錫(Sn)を含む、項目7から9のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目11]
前記第1及び第2外部電極の幅は、前記本体の幅よりも狭い、項目1から10のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目12]
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ、前記本体の前記第1面及び前記第2面から延長されて前記本体の前記第3面に配置される、項目1から11のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目13]
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の前記第4面に配置されない、項目1から12のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目14]
前記本体の表面に配置された絶縁層をさらに含む、項目1から13のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目15]
前記絶縁層は、前記第1及び第2外部電極が配置された領域を除いた領域に配置される、項目14に記載のコイル電子部品。
[項目16]
前記絶縁層は、Fe、Nb、Si、Crまたはこれらの合金からなる群から選択された少なくとも一つを含む酸化層で構成される、項目14または15に記載のコイル電子部品。
[項目17]
前記本体は金属磁性粉末を含む、項目1から16のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
[項目18]
前記金属磁性粉末は、Fe、Nb、Si、Cr、及びこれらの合金の少なくとも一つを含む、項目17に記載のコイル電子部品。