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特開2020-145402強化絶縁トランスおよびその設計方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-145402(P2020-145402A)
(43)【公開日】2020年9月10日
(54)【発明の名称】強化絶縁トランスおよびその設計方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/10 20060101AFI20200814BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20200814BHJP
   H01F 41/12 20060101ALI20200814BHJP
   H01F 5/06 20060101ALI20200814BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20200814BHJP
【FI】
   H01F30/10 H
   H01F30/10 M
   H01F30/10 F
   H01F27/32 130
   H01F41/12 G
   H01F41/12 E
   H01F5/06 H
   H01F27/28 123
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-172148(P2019-172148)
(22)【出願日】2019年9月20日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0026117
(32)【優先日】2019年3月7日
(33)【優先権主張国】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】イム、ドクヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チュンソク
【テーマコード(参考)】
5E043
5E044
【Fターム(参考)】
5E043AB01
5E043EA01
5E044BA01
5E044BB05
5E044CA08
5E044CB01
5E044CB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一次電源および2次電源の間の強化絶縁構造を最小限の体積で具現できる、トランスおよびその設計方法を提供する。
【解決手段】強化絶縁トランスは、1次巻線310上に2次巻線320が巻き取られることによって、1次巻線310および2次巻線320が積層構造をなすものの強化絶縁(reinforced insulation)基準を満足するトランスであって、1次巻線310および2次巻線320は導線310a、320aおよびその導線を包み込む絶縁表皮層310b、320bを含むものの、2次巻線320の絶縁表皮層320bが1次巻線310の絶縁表皮層310bよりもその数が多いかその厚さが厚いことを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次巻線上に2次巻線が巻き取られることによって、前記1次巻線および前記2次巻線が積層構造をなすものの強化絶縁(reinforced insulation)基準を満足するトランスであって、
前記1次巻線および前記2次巻線は導線およびその導線を包み込む絶縁表皮層を含むものの、2次巻線の絶縁表皮層が1次巻線の絶縁表皮層よりもその数が多いかその厚さが厚いことを特徴とする、強化絶縁トランス。
【請求項2】
前記2次巻線はその絶縁表皮層が複数の層で形成されて基本絶縁(basic insulation)基準の耐電圧を満足することを特徴とする、請求項1に記載の強化絶縁トランス。
【請求項3】
前記2次巻線の絶縁表皮層は3重層であることを特徴とする、請求項2に記載の強化絶縁トランス。
【請求項4】
前記1次巻線および前記2次巻線は、
ピンに隣接した各引き出し部がそれぞれ絶縁チューブで包み込まれたことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の強化絶縁トランス。
【請求項5】
前記絶縁チューブはテフロン(Teflon)チューブであることを特徴とする、請求項4に記載の強化絶縁トランス。
【請求項6】
前記1次巻線および前記2次巻線のバリアー合計距離は強化絶縁基準の離隔距離よりも短いことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の強化絶縁トランス。
【請求項7】
前記1次巻線および前記2次巻線のバリアー合計距離は基本絶縁(basic insulation)基準を満足する離隔距離の範囲に含まれることを特徴とする、請求項6に記載の強化絶縁トランス。
【請求項8】
インバータ用電源供給装置の構成として含まれることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の強化絶縁トランス。
【請求項9】
前記2次巻線の絶縁表皮層は前記1次巻線の絶縁表皮層よりもその数が多いことを特徴とする、請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の強化絶縁トランス。
【請求項10】
1次巻線および2次巻線が積層構造をなすもののその間が強化絶縁(reinforced insulation)基準を満足するトランスの設計方法であって、
前記1次巻線を巻き取り形成する段階;および
前記1次巻線上に前記2次巻線を巻き取り形成する段階;を含み、
前記1次巻線および前記2次巻線は導線およびその導線を包み込む絶縁表皮層を含むものの、前記2次巻線の絶縁表皮層が前記1次巻線の絶縁表皮層よりもその数が多いかその厚さが厚いことを特徴とする、強化絶縁トランスの設計方法。
【請求項11】
ピンに隣接した前記1次巻線および前記2次巻線の各引き出し部を絶縁チューブで包み込む段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の強化絶縁トランスの設計方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は強化絶縁トランスおよびその設計方法に関し、さらに詳細には最小限の体積で一次電源および2次電源間の強化絶縁構造を具現できる、トランスおよびその設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器および装置には多様な種類の電源が必要である。これに伴い、各電子機器および装置には、外部から供給される交流電源を該当電子機器および装置で必要とする電源に変換させる電源供給装置が備えられる。
【0003】
このような電源供給装置の種類としては、線形制御(series regulator)方式とスイッチングモード(switching mode)方式がある。
【0004】
線形制御方式はトランス(transformer)を使って交流電源を変換する方式であって、テレビ受像機やCRTモニターなどに主に使用される。このような線形制御方式は周辺回路が簡単で安価であるが、熱の発生が多く、電源の効率が低く、体積が大きいという短所がある。
【0005】
スイッチングモード方式はスイッチング素子を利用して交流電源を変換する方式であって、線形制御方式と比べて熱の発生が殆どなく、電力効率が高く、体積が小さい利点を有する。このようなスイッチングモード方式の電源供給装置を通常的にSMPS(switching mode power supply)と指し示す。特に、SMPSは効率が高く、耐久性が強く、小型および軽量化に有利であるため、通信用、産業用、PC用、OA機器用、家電機器用など、多くの電子機器、装備およびシステムの電源供給装置に使われる。
【0006】
SMPSは基本としてトランス(transformer)を具備する。この時、SMPS用トランスは磁性体であるコア(Core)と、絶縁および巻線のためのフレームであるボビン(bobbin)、ボビンに巻き取られて1次および2次電源を伝達する1次および2次巻線をそれぞれ含む。これにより、SMPSは1次および2次巻線で発生する電磁誘導現象を利用して電源を変換させることができる。
【0007】
一方、インバータは直流を交流に変換する装置であって、PWM(Pulse Width Modulation)信号によりオン/オフ(on/off)されるスイッチング素子を通じて直流電圧をスイッチングさせて交流電圧を生成し、生成した交流電圧を負荷に出力させる。このようなインバータの制御器およびその他周辺機器への電源の供給のためにSMPSが備えられる。すなわち、インバータで、SMPSが生成した低電圧電源は運転、保護、制御などの目的に合うように加工されて使われる。
【0008】
インバータのSMPSで、各電源(または各巻線)は互いに電気的に絶縁(以下、「絶縁」という。)される。この時、各電源の間(例えば、一次電源の間、2次電源の間、または一次電源と2次電源の間)は各電源の使用位置によりその絶縁階級が決定される。この時、絶縁階級は安全のための絶縁基準であって、機能絶縁(functional insulation)、基本絶縁(basic insulation)および強化絶縁(reinforced insulation)の三つに区分され得る。
【0009】
特に、2次電源がユーザーと直接接触され得る外部に位置する電源(例えば、I/O電源など)である場合、必ず強化絶縁が具現されなければならない。しかし、強化絶縁の具現のための従来方法は、単に一次電源と2次電源の間の絶縁距離を増加させることを提案しているだけである。したがって、従来方法を適用する場合、該当絶縁距離の増加によるインバータSMPS用トランスの体積が大きくなる問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記したような従来技術の問題点を解決するために、本発明は一次電源および2次電源の間の強化絶縁構造を最小限の体積で具現できる、トランスおよびその設計方法を提供することにその目的がある。
【0011】
ただし、本発明が解決しようとする課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような課題を解決するための本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスは、1次巻線上に2次巻線が巻き取られることによって、前記1次巻線および前記2次巻線が積層構造をなすものの強化絶縁(reinforced insulation)基準を満足するトランスであって、前記1次巻線および前記2次巻線は導線およびその導線を包み込む絶縁表皮層を含むものの、前記2次巻線の絶縁表皮層が前記1次巻線の絶縁表皮層よりもその数が多いかその厚さが厚い。
【0013】
前記2次巻線はその絶縁表皮層が複数の層で形成されて基本絶縁(basic insulation)基準の耐電圧を満足することができる。
【0014】
前記2次巻線の絶縁表皮層は3重層であり得る。
【0015】
前記1次巻線および前記2次巻線はピンに隣接した各引き出し部がそれぞれ絶縁チューブで包み込まれ得る。
【0016】
前記絶縁チューブはテフロン(Teflon)チューブであり得る。
【0017】
前記1次巻線および前記2次巻線のバリアー合計距離は強化絶縁基準の離隔距離より短くてもよい。
【0018】
前記1次巻線および前記2次巻線のバリアー合計距離は基本絶縁(basic insulation)基準を満足する離隔距離の範囲に含まれ得る。
【0019】
本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスはインバータ用電源供給装置の構成として含まれ得る。
【0020】
本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの設計方法は、1次巻線および2次巻線が積層構造をなすもののその間が強化絶縁(reinforced insulation)基準を満足するトランスの設計方法であって、(1)前記1次巻線を巻き取り形成する段階、(2)前記1次巻線上に前記2次巻線を巻き取り形成する段階を含み、前記1次巻線および2次巻線は導線およびその導線を包み込む絶縁表皮層を含むものの、前記2次巻線の絶縁表皮層が前記1次巻線の絶縁表皮層よりもその数が多いかその厚さが厚い。
【0021】
本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの設計方法は、ピンに隣接した前記1次巻線および前記2次巻線の各引き出し部を絶縁チューブで包み込む段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
前記のように構成される本発明は、一次電源および2次電源の間の強化絶縁構造を最小限の体積で具現できる利点がある。
【0023】
特に、本発明は二重の基本絶縁基準の満足を通じての強化絶縁を具現することによって、従来強化絶縁の具現時に増加していた一次電源と2次電源の間の絶縁距離を減少させることができるため、バリアーの大きさを減らすことができ、その結果、1次巻線および2次巻線の巻き取り部位、すなわち巻線窓面積を増やすことができる利点がある。
【0024】
ただし、本発明が解決しようとする効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は下記の記載から当業者に明確に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一般的なSMPSのブロック構成図を示す図面。
図2】本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの正面写真。
図3図2で絶縁層を除去した場合の写真。
図4】本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの正面写真および斜視面の写真。
図5図4を参照して図示された本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの構成を示した図面。
図6】コア(core)100、1次巻線310、2次巻線320および絶縁層400の一例を示した図面。
図7図5の断面の一部を示した図面。
図8】従来のトランスにおいて引き出し部311、321がピン500に連結された様子を示した図面。
図9】本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスにおいて引き出し部311、321がピン500に連結された様子を示した図面。
図10】本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの設計方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の前記目的と手段およびそれによる効果は、添付された図面と関連した以下の詳細な説明を通じてより明確となるはずであり、それに伴い、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できるはずである。また、本発明の説明において本発明と関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせる恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0027】
本明細書で使われた用語は実施例を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は特に言及しない限り、複数型も含む。本明細書で、「含む」、「具備する」、「設ける」または「有する」等の用語は、言及された構成要素以外の一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0028】
本明細書で、「または」、「少なくとも一つ」等の用語は、共に羅列された単語のうち一つを示すか、または2以上の組み合わせを示し得る。例えば、「またはB」「およびBのうち少なくとも一つ」は、AまたはBのうち一つのみを含むことができ、AとBをすべて含むこともできる。
【0029】
本明細書で、「例えば」等による説明は引用された特性、変数、または値とともに提示した情報が正確に一致しないこともあり、許容誤差、測定誤差、測定正確度の限界と通常的に知られているその他の要因をはじめとする変形のような効果で本発明の多様な実施例に係る発明の実施形態を限定してはならない。
【0030】
本明細書で、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると記載された場合、その他の構成要素に直接的に連結されていてもよくまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0031】
本明細書で、ある構成要素が他の構成要素の「上に」あるとか「接して」いると記載された場合、他の構成要素の上に直接触れ合っているかまたは連結されていてもよいが、中間にさらに他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、ある構成要素が他の構成要素の「真上に」あるとか「直接接して」いると記載された場合には、中間にさらに他の構成要素が存在しないものと理解され得る。構成要素間の関係を説明する他の表現、例えば、「〜間に」と「直接〜間に」等も同様に解釈され得る。
【0032】
本明細書で、「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、該当構成要素は前記用語によって限定されてはならない。また、前記用語は各構成要素の順序を限定するためのものと解釈されてはならず、一つの構成要素と他の構成要素を区別する目的で使われ得る。例えば、「第1構成要素」は「第2構成要素」と命名され得、同様に「第2構成要素」も「第1構成要素」と命名され得る。
【0033】
特に定義されない限り、本明細書で使われるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使われ得る。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明に係る望ましい一実施例を詳細に説明する。
【0035】
図1は、一般的なSMPSのブロック構成図である。
【0036】
SMPSはスイッチング素子を利用して交流電源を変換する装置であって、図1に図示された通り、ノイズフィルター10、入力整流平滑回路20、コンバータ30、制御回路40および出力整流平滑回路50を含むことができる。ただし、図1はSMPS構成についての一例示であって、インバータ用SMPSを限定するものではない。
【0037】
ノイズフィルター10は入力段を通じて入力される交流電源P1のノイズを除去する構成である。すなわち、ノイズフィルター10は入力段のノイズが内部の回路素子を損傷させることを防止することができ、電流が不安定となる現象を最小化することができる。ただし、ノイズフィルター10はSMPSで発生した電源ノイズが入力系統に流入しないように防止する補助機能のための構成であるので、インバータ用SMPSの必須構成要素ではなくてもよい。
【0038】
入力整流平滑回路20は入力電源に対する整流および平滑機能を遂行する構成であって、入力用整流回路および入力用平滑回路を含むことができる。この時、入力用整流回路はノイズフィルター10等を通過した交流電源を変換して整流化された電源P2を生成することができる。例えば、入力用整流回路はブリッジダイオード回路などを含むことができるが、これに限定されるものではない。また、入力用平滑回路は入力用整流回路を通過した脈流の整流電源P2を変換して平滑化された電源P3を生成することができる。すなわち、入力用平滑回路は高い電源を低くし低い電圧を高くして、ある程度一定の電圧が出力されるようにすることができる。例えば、入力用平滑回路はコンデンサまたはインダクタを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0039】
コンバータ30は平滑化された電源P3を望む大きさの電源P4に変換させる構成である。すなわち、コンバータ30はスイッチング素子のオン/オフ(on/off)時間により最終出力の直流電源の大きさを調節することができる。例えば、スイッチング素子はGTO、BJT、IGBT、MOSFETなどのトランジスターからなり得るが、これに限定されるものではない。
【0040】
特に、コンバータ30は電力の変換を担当する主な部分であって、入出力の変化比の大きさおよび回路構成により多様な種類のコンバータに分類され得る。例えば、コンバータ30は高周波トランスの有無により、非絶縁型と絶縁型に大別され得る。この時、非絶縁型にはBuck方式、Boost方式、Buck−boost方式、C’uk方式などが含まれ得、絶縁型にはFlyback方式、Forward方式、Full−bridge方式、Half−bridge方式などが含まれ得るが、これに限定されるものではない。
【0041】
制御回路40はコンバータ30を制御する構成である。すなわち、制御回路40はスイッチング素子のオン/オフ(on/off)時間を制御することができる。例えば、制御方式としては普通、パルス幅変調(Pulse Wide Modulation;PWM)またはパルス周波数変調(Pulse Frequency Modulation;PFM)方式などが使われ得るが、これに限定されるものではない。また、制御回路40は最終に出力される直流電圧を安定化させるためのフィードバック制御回路であるかこれをさらに含むことができる。
【0042】
出力整流平滑回路50はコンバータ30により変換された電源P4に対する整流および平滑機能を遂行して最終電源を生成する構成であって、出力用整流回路および出力用平滑回路を含むことができる。すなわち、出力用整流回路はコンバータ30により変換された電源に対して追加的に整流機能を遂行することができる。例えば、出力用整流回路はダイオードなどを含むことができるが、これに限定されるものではない。また、出力用平滑回路は出力用整流回路を通過した電源を変換して平滑化された最終電源P5を生成することができる。すなわち、出力用平滑回路は高い電源を低くし低い電圧を高くしてある程度一定の電圧が出力されるようにすることができる。例えば、出力用平滑回路はコンデンサまたはインダクタを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0043】
図2および図4は本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの正面写真および斜視面の写真を示し、図3図2で絶縁層を除去した場合の写真を示す。
【0044】
本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスは、電磁誘導現象を利用して1次電源の大きさを低くした2次電源を出力させる。例えば、本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスはSMPS、特にインバータ用SMPSに含まれる構成であって、入力整流平滑回路20とコンバータ30の間や、コンバータ30と出力整流平滑回路50の間に備えられ得る。
【0045】
すなわち、本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスは、平滑化された電源P3を1次電源として入力を受け、電磁誘導現象により1次電源の大きさを低くした2次電源を出力させてコンバータ30に伝達することができる。また、本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスは、コンバータ30により変換された電源P4を1次電源として入力を受け、電磁誘導現象により1次電源の大きさを低くした2次電源を出力させて出力整流平滑回路50に伝達することができる。ただし、本発明は前述したようにSMPSの電源の変換構成としてのみ使われるものとは限定されず、その他の多様な電子機器および装置の電源の変換構成としても使われ得る。
【0046】
図5図4を参照して図示された本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの構成を示し、図6はコア(core)100、1次巻線310、2次巻線320および絶縁層400の一例を示す。また、図7は、図5の断面の一部を示す。すなわち、図7は、図5でAとA’間の切断面をB方向から見た一部を示す。
【0047】
図5図7を参照すると、本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスは、コア(core)100、ボビン(bobbin)200、巻線300、絶縁層400、ピン(pin)500およびバリアー(barrier)600を含むことができる。
【0048】
コア100は磁性体からなる構成であって、巻線300が巻き取られる時にその中心となり得る。すなわち、コア100は1次側から2次側へのエネルギーの伝達を向上させるための構成であり得る。
【0049】
ボビン200はコア100、巻線300、絶縁層400およびピン500等のような本発明の残りの構成を支持したりハウジング(husing)する構成である。この時、ボビン200はピン部位210、中心部位220およびトップ(top)部位230をそれぞれ有することができる。すなわち、ピン部位210はピン500を支持する部分である。中心部位220はコア100、巻線300、絶縁層400およびバリアー600等を支持する部分であって、これらの構成が載置される中空部の部分に該当する。また、トップ部位230は中心部位220を基準としてピン部位210の反対側に備えられる部分である。
【0050】
巻線300は巻き取られて電磁誘導現象が発生する構成である。この時、巻線300は一次電源が伝達される1次巻線310と、2次電源が伝達される2次巻線320を含むことができる。すなわち、一次電源は200V、400Vなどのような高電圧電源であり得る。また、2次電源は12Vなどのような低電圧電源であって、ユーザーが直接接触可能な電源であり得る。
【0051】
1次巻線310および2次巻線320による電源の変換原理は次の通りである。すなわち、1次巻線310に交流電源が印加されると該当電源の電流によって磁束が発生する。この時、2次巻線320には発生したその磁束の変化を妨害しようとする方向に起電力が誘起され得る。
【0052】
1次巻線310および2次巻線320は導電物質からなる導線310a、320aと、その導線310a、320aを包み込む被覆部分である。すなわち、1次巻線310および2次巻線320はエナメル(enamel)等の絶縁物質からなる絶縁表皮層310b、320bをそれぞれ含むことができる。
【0053】
図6を参照すると、1次巻線310および2次巻線320は互いに積層された構造を有するものの、その間が離隔(以下、このような離隔距離を「上下離隔距離」という。)され、その間に絶縁層400が備えられ得る。すなわち、コア100上に1次巻線310が巻き取られた後、その1次巻線310上に絶縁層400が覆われる。その後、絶縁層400上に2次巻線320がさらに巻き取られ、その2次巻線320上に絶縁層400がさらに覆われ得る。ただし、前述とは異なり、1次巻線310および2次巻線320の上下離隔距離の空間に設けられる絶縁層400は省略されてもよい。
【0054】
一方、図6および図7では1次巻線310および2次巻線320が一つずつ備えられるものとして図示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、1次巻線310および2次巻線320は複数個がさらに積層され得る。特に、複数個の1次巻線310の間または複数個の2次巻線320の間が互いに連結されてもよく、この場合、該当1次巻線310または2次巻線320の巻き数を増やす効果が発生し得る。
【0055】
1次巻線310および2次巻線320が積層されることによって、1次巻線310および2次巻線320では電磁誘導現象が発生する。その結果、1次巻線310に伝達された高電圧の一次電源がその電磁誘導現象によって低電圧の2次電源として2次巻線320に誘導され得る。この時、2次巻線320に誘導された2次電源の大きさは1次電源の大きさ、各巻線310、320の巻き数、各巻線310、320間の離隔距離などに影響を受け得る。
【0056】
特に、1次巻線310および2次巻線320はそれぞれ2個の端部を有するが、1次巻線310および2次巻線320の各端部はピン500に連結され得る。この時、ピン500は各巻線310、320に連結されて電源の入/出力を伝達する構成であって、他の端子、素子または装置に連結され得る。
【0057】
1次巻線310および2次巻線320のうち特定部位はボビン200の外部に露出され得るが、この特定部位を「引き出し部311、321」と指し示す。すなわち、引き出し部311、321は巻線310、320の中でピン500に隣接した部位であって、巻線310、320の中でその端部およびその巻き取り部位の間の部位に該当し得、ボビン200のピン部位210上に露出され得る。
【0058】
一方、1次巻線310および2次巻線320の巻き取り部位と、これらを覆う絶縁層400はボビン200の中心部位220に位置することができる。この時、1次巻線310および2次巻線320はバリアー600の間空間内で巻き取られ得る。
【0059】
バリアー600は各巻線310、320の巻き取り部位の両側に形成される壁であって、1次巻線310と2次巻線320の間の離隔距離(すなわち、絶縁距離)を確保してくれる。すなわち、1次巻線310はその層の両側に備えられたバリアー600(以下、「第1バリアー」という。)の間空間内に巻き取り部位を有し、2次巻線320はその層の両側に備えられたバリアー600(以下、「第2バリアー」という。)の間空間内に巻き取り部位を有する。これに伴い、1次巻線310の巻き取り部位の端部と2次巻線320の巻き取り部位の端部は、第1バリアーおよび第2バリアーが占める空間だけ互いに離隔する効果を有する。特に、バリアー600は各巻線310、320の巻き取り部位の領域より高さが高い。すなわち、1次巻線310または2次巻線320の巻き取り部位の両側に設けられた2個のバリアー600は、それより低い高さであるその間空間(以下、「巻き取り空間」という。)でのみ各巻線310、320が巻き取られるようにする。これに伴い、バリアー600が占める空間(図7で「600」符号の矢印の長さ)(以下、「バリアー距離」という。)が大きいほど各巻線310、320に対する巻き取り空間は狭くなる。ただし、各バリアー600で、そのバリアーの長さは互いに同じでなくてもよい。
【0060】
以下、絶縁階級のうち、強化絶縁(reinforced insulation)を満足するための本発明に係る設計方法について説明する。
【0061】
各電源(または各巻線)は互いに絶縁されるが、この時、各電源の間(例えば、一次電源の間、2次電源の間、または一次電源と2次電源の間)は、各電源の使用位置(内部用または外部用)により安全のための絶縁基準、すなわち「絶縁階級」が決定される。
【0062】
この時、内部用および外部用は該当電源の使用位置であって、ユーザーとの直接接触の有無と関連がある。すなわち、内部用電源はユーザーと直接接触しない一次電源または2次電源であって、該当機器または装置の内部でのみ使われる電源を意味する。その反対に、外部用はユーザーと直接接触可能な2次電源であって、該当機器または装置の外部に露出され得る電源を意味する。
【0063】
【表1】
【0064】
表1を参照すると、絶縁階級は機能絶縁(functional insulation)、基本絶縁(basic insulation)および強化絶縁(reinforced insulation)の三つに区分され得、強化絶縁はこれらのうち最も高い絶縁基準と言える。すなわち、機能絶縁から強化絶縁に行くほどその絶縁基準の程度がさらに高くなると見ることができる。
【0065】
機能絶縁は一次電源の間や、内部用2次電源の間や、外部用2次電源の間についての基準である。例えば、インバータ用であって、一次電源が200Vである場合、機能絶縁を満足するためには、該当電源の間が少なくとも1.5mm以上離隔しなければならない。また、インバータ用であって、一次電源が400Vである場合、機能絶縁を満足するためには、該当電源の間が少なくとも3mm以上離隔しなければならない。
【0066】
基本絶縁は一次電源と内部用2次電源の間についての基準である。例えば、インバータ用であって、一次電源が200Vである場合、基本絶縁を満足するためには、該当電源の間が少なくとも3mm以上離隔しなければならない。また、インバータ用であって、一次電源が400Vである場合、基本絶縁を満足するためには、該当電源の間が少なくとも5.5mm以上離隔しなければならない。
【0067】
強化絶縁は一次電源と外部用2次電源の間や、内部用2次電源と外部用2次電源の間についての基準である。例えば、インバータ用であって、一次電源が200Vである場合、強化絶縁を満足するためには、該当電源の間が少なくとも5.5mm以上離隔しなければならない。また、インバータ用であって、一次電源が400Vである場合、強化絶縁を満足するためには、該当電源の間が少なくとも8mm以上離隔しなければならない。
【0068】
本発明は強化絶縁を満足するトランスの設計方法を提案する。すなわち、本発明の一実施例に係るトランスは、一次電源と2次電源の間または2次電源の間(すなわち、1次巻線310が2次巻線320の間または2次巻線320の間)についての絶縁階級が強化絶縁の基準を満足できるトランスを提供する。
【0069】
一方、トランスで、1次巻線310と2次巻線320はその離隔距離が該当絶縁基準で提示する最小離隔距離を満足しなければならない。このために、1次巻線310と2次巻線320の積層部分での上下離隔距離は該当最小離隔距離を満足するように設計される。また、1次巻線310と2次巻線320のバリアー合計距離も該当最小離隔距離基準を満足するように設計される。
【0070】
この時、バリアー合計距離は、1次巻線310の巻き取り部位の一側に設けられた第1バリアーのバリアー距離と、該当1次巻線310のとなりの2次巻線320の巻き取り部位の一側に設けられた第2バリアーのバリアー距離間の合計を意味する。すなわち、バリアー合計距離は下側に位置した第1バリアーとその上側に位置した第2バリアー間のバリアー距離の和である。
【0071】
しかし、従来トランスでは強化絶縁基準を満足させるために前述した離隔距離を増やさなければならないので、トランスの大きさが大きくならざるを得ない問題点が発生する。
【0072】
一方、最小離隔距離についての基準を満足しなくても、該当電源を伝達する電源線(第1巻線または第2巻線)が耐電圧についての基準を満足する場合にも該当絶縁階級が割り当てられ得る。この時、耐電圧は巻線の絶縁表皮層の重なりの程度や絶縁表皮層の厚さに影響を受ける。すなわち、絶縁表皮層が複数の層からなるものの、その重なり数が増えるほどまたは絶縁表皮層の厚さが厚くなるほど、耐電圧が増加しつつその絶縁階級も高くなり得る。
【0073】
ただし、この場合にもトランスの体積が最小化されなければならないので、1次巻線310よりは2次巻線320の絶縁表皮層320bが前述した条件を満足するのがより望ましい。これは2次巻線320が1次巻線310よりもその巻き数が少ないので、前述した条件を採用してもそれにともなう体積の増加が小さくなり得るためである。これに伴い、本発明は第2巻線320の絶縁表皮層320bを1次巻線310の絶縁表皮層310aよりも重なり数が多いか厚さが厚いように設計することによって、耐電圧の増加による絶縁階級の向上を提案(以下、「第1提案」という。)する。
【0074】
第1提案により、2次巻線320が一定以上の絶縁階級の耐電圧を満足する電源線で設計される場合、該当絶縁階級に対する最小離隔距離を満足しなくても良い。その結果、1次巻線310および2次巻線320に対する各バリアー合計距離は従来より減少され得る。
【0075】
図8は従来のトランスにおいて引き出し部311、321がピン500に連結された様子を示し、図9は本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスにおいて引き出し部311、321がピン500に連結された様子を示す。
【0076】
一方、引き出し部311、321は1次巻線310および2次巻線320のうち外部に露出する部分である。この時、引き出し部311、321の周辺を追加的な絶縁チューブ700で包み込むと、該当領域の耐電圧やその最小離隔距離を増加させることができ、その結果、その絶縁階級が高くなり得る。これに伴い、本発明は追加的な絶縁チューブ700で引き出し部311、321を包み込むように設計することによって、その絶縁階級を向上させることを追加に提案(以下、「第2提案」という。)する。
【0077】
この時、絶縁チューブ700は絶縁物質からなるチューブである。例えば、絶縁チューブ700は加熱によって引き出し部311、321の周辺に容易にくっつくテフロン(Teflon)チューブであり得が、これに限定されるものではない。
【0078】
図8を参照すると、従来のトランスは引き出し部311、321を別途の絶縁チューブ700で包み込んでいない。ただし、従来のトランスで、1次巻線310の引き出し部311は絶縁チューブ700で包み込まれる場合もあり得るが、2次巻線320の引き出し部321については該当加工が行われていない。
【0079】
一方、トランスで、基本絶縁を満足する場合が2回以上発生すると(以下、「追加強化絶縁条件」という。)、絶縁階級の規格により、該当電源の間は強化絶縁を満足するものと認められ得る。すなわち、追加強化絶縁条件のために、第1提案および第2提案のそれぞれが基本絶縁基準に満足する場合、該当トランスの電源は強化絶縁を満足できることになる。
【0080】
これに伴い、第1提案により2次巻線320が基本絶縁以上の耐電圧を満足する電源線で設計され、第2提案により1次巻線310の引き出し部311の他に2次巻線320の引き出し部321までも絶縁チューブ700で包み込まれて基本絶縁以上に設計される場合、該当トランスは2回以上基本絶縁基準を満足することになる。その結果、該当トランスに対する強化絶縁の具現が可能となる。この場合、該当トランスで、1次巻線310および2次巻線320に対する各バリアー合計距離は、強化絶縁のための最小離隔距離よりも減少され得るようになる。
【0081】
すなわち、このような二重の基本絶縁基準の満足を通じての強化絶縁を具現することによって、本発明は従来強化絶縁の具現時に増加していた一次電源と2次電源の間の絶縁距離(すなわち、バリアー合計距離)を減少させることができるので、バリアー600の大きさも減少させることができる。その結果、本発明は1次巻線310および2次巻線320の巻き取り部位、すなわち巻線窓面積を増やすことができる。
【0082】
1次巻線310および2次巻線320の各バリアー合計距離は、基本絶縁基準の最小離隔距離(例えば、一次電源が200Vである場合に3mm、一次電源が400Vである場合に5.5mm)さえ満足すれば良い。これに伴い、各バリアー合計距離は強化絶縁基準の最小離隔距離(例えば、一次電源が200Vである場合に5.5mm、一次電源が400Vである場合に8mm)よりも減少され得る。その結果、本発明は従来に発生していた体積の増加、すなわち強化絶縁のバリアー合計距離を満足するための体積の増加を最小化することができる
【0083】
ただし、第1提案と関連して、トランスの設計時に特定の絶縁階級の満足のために、電源線の耐電圧の変更のための直接設計および製作することは、製造費用の上昇などが発生し得るため、製造条件上困難であり得る。一方、各絶縁階級に対する耐電圧は電源線自らの仕様で提供され得る。これに伴い、本発明は既設計および製作されて提供される市販される多様な電源線のうち、基本絶縁の耐電圧を満足する特定の種類の電源線を第2巻線320として使用するように提案する。
【0084】
すなわち、このような特定の種類の電源線はその絶縁表皮層の重なり数が複数個からなることによって基本絶縁基準の耐電圧を満足することができる。特に、特定の種類の電源線は、図7に図示された通り、その絶縁表皮層が3重層であるのが望ましい。これはその絶縁表皮層の重なり数が3より少ない場合に基本絶縁基準の耐電圧を満足できないこともあり、それより多い場合に2次巻線320が過度に厚くなって2次巻線320の巻き取り部位が占める大きさが大きくなり得るためである。
【0085】
図10は、本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの設計方法のフローチャートである。
【0086】
前述した内容を整理すると、本発明の一実施例に係る強化絶縁トランスの設計方法は、図10に図示された通り、1次巻線形成段階S100、2次巻線形成段階S200および引き出し部加工段階S300を含むことができる。
【0087】
S100で、1次巻線310が巻き取り形成される。この時、1次巻線310はコア100周辺に巻き取られ得るが、これに限定されるものではない。
【0088】
S200で、1次巻線310上に上下離隔距離をおいて2次巻線320が巻き取り形成される。この時、1次巻線310と2次巻線320の上下離隔距離領域に絶縁層400が形成され得るが、これに限定されるものではない。特に、S200で、1次巻線310および2次巻線320は第1提案および追加強化絶縁条件などの内容を満足することができる。
【0089】
S300で、1次巻線310および2次巻線320を1次巻線310および2次巻線の引き出し部311、321のそれぞれに対して絶縁チューブ700で包み込む。すなわち、S300で、1次巻線310および2次巻線320は第2提案および追加強化絶縁条件などの内容を満足することができる。
【0090】
ただし、S100〜S300で、トランスの各構成、特に1次巻線310および2次巻線320は図1図9により前述した内容を含むことができる。
【0091】
本発明の詳細な説明では具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内で多様に変形できることは言うまでもない。したがって、本発明の範囲は説明された実施例に限定されず、後述される特許請求の範囲およびこの特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0092】
10:ノイズフィルター
20:入力整流平滑回路
30:コンバータ
40:制御回路
50:出力整流平滑回路
100:コア
200:ボビン
210:ピン部位
220:中心部位
230:トップ部位
300:巻線
310:1次巻線
310a、320a:導線
310b、320b:絶縁表皮層
311、321:引き出し部
320:2次巻線
400:絶縁層
500:ピン
600:バリアー
700:絶縁チューブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10