【解決手段】所定エリア内に分散する複数の駐車場に設置され、ユーザが乗車する電動車両が備えるバッテリへの非接触給電を行う非接触給電装置と、電動車両が備えるバッテリが非接触給電装置によって充電された場合、充電量に係る情報と、ユーザを特定するユーザIDとを取得して、充電量に係る情報及びユーザIDを関連付けて記憶する記憶装置とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の適用例の1つとして、特定の観光エリアにおいて観光客に電動車両を貸与し、観光客毎に電動車両の充電量及び充電料金を管理する構成について、図面を用いて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る充電管理システムの全体構成を示す模式図である。実施の形態1に係る充電管理システムは、観光エリア内に存在する複数の駐車場(
図1の例ではP001〜P005)に設置される非接触給電装置1と、非接触給電装置1から送電される電力によって充電されるバッテリ222を有し、バッテリ222からの電力により走行可能な電動車両2と、電動車両2を管理する管理サーバ3(
図6を参照)とを備える。
【0017】
電動車両2は、エンジンを備えずに電動モータで駆動する電気自動車、電動モータ及びエンジンを併用して駆動するプラグインハイブリッド自動車等の車両である。電動車両2は、当該電動車両2を貸与する事業者によって用意され、ID(Identification)が記録されたIC(Integrated Circuit)カード230(
図5を参照)と共に観光客に貸与される。ICカード230に記録されたIDは、電動車両2の正当な利用者を識別するための識別子として使用される。本実施の形態において、電動車両2の正当な利用者は、事業者と電動車両2の貸与契約を結んだ観光客である。本実施の形態では、ICカード230に記録されたIDは観光客を識別するための観光客IDとしても利用される。観光客IDは、ユーザIDの一例である。
【0018】
観光エリア内には複数の観光スポット(
図1の例ではS1〜S5)が存在し、観光スポットの近傍に駐車場(P001〜P005)が設けられる。駐車場の駐車スペースには非接触給電装置1がそれぞれ設置される。観光客は、貸与された電動車両2に乗車して、ある観光スポットから別の観光スポットへ移動することが可能である。また、観光客は、非接触給電装置1が設置された駐車スペースに電動車両2を駐車させている間、非接触給電装置1から供給される電力によって、電動車両2のバッテリ222を充電することができる。
【0019】
電動車両2は、電動車両2に搭載される各種装備品の動作を制御する車載ユニット21、バッテリ222に対する充電動作を制御する受電ユニット22等を備える(
図5を参照)。本実施の形態では、非接触給電装置1から供給される電力によりバッテリ222への充電が行われた場合、車載ユニット21は、ICカード230から読み取ったID(観光客ID)と共に、充電量に係る情報を管理サーバ3へ送信する。本実施の形態において、充電量は非接触給電装置1からの充電によって増加したバッテリ222の残容量の増加分を表す。車載ユニット21から管理サーバ3へ送信する充電量に係る情報は、充電量の値を含んでもよく、充電量から換算される充電料金の情報を含んでもよい。
【0020】
管理サーバ3は、観光客ID及び充電量に係る情報を受信した場合、両者を関連付けて記憶装置に記憶させる。記憶装置の一例は、管理サーバ3内の記憶部32(
図6を参照)である。記憶装置は、管理サーバ3の外部に通信可能に接続されてもよい。観光客からICカード230及び電動車両2が返却された場合、管理サーバ3は、観光客IDに関連付けて記憶されている充電量に係る情報を読み出し、貸与期間中の充電量に応じた充電料金を出力する。事業者は、管理サーバ3からの出力を参照することによって、電動車両2の貸与料金と共に、充電料金を観光客から徴収することができる。
【0021】
なお、実施の形態1〜4では、非接触給電装置1が観光エリア内に分散する複数の駐車場に設置される形態について説明するが、非接触給電装置1の設置場所は観光エリアに限定されるものではなく、任意のエリア(所定エリア)であってもよい。また、実施の形態1〜4では、観光客に電動車両2を貸与する構成として説明を行うが、観光客以外の一般ユーザに貸与してもよい。
【0022】
図2は非接触給電装置1を示す模式的外観図であり、
図3は給電状態を説明する説明図である。非接触給電装置1は、送電ユニット11、送電制御ユニット12、及びガイドユニット13を備える。非接触給電装置1は、駐車スペースに設置される。
【0023】
送電ユニット11は、電動車両2が備えるバッテリ222を充電するために、非接触で電力を送電する送電コイルLt(
図4を参照)と、送電コイルLtを収容するケース110とを備える。ケース110は、扁平な直方体形状をなしている。
【0024】
送電制御ユニット12は、例えば直方体形状の筐体120を有する。筐体120の内部には、送電ユニット11に電力を供給する高周波電源部125、送電動作を制御するための制御部121等を備える(
図4を参照)。送電制御ユニット12は、配線部14を介して送電ユニット11に接続される。
【0025】
ガイドユニット13は、電動車両2を送電ユニット11の位置へ案内する2つのガイド131,131を備える。2つのガイド131,131は、それぞれ地表に対して垂直に配した帯状の板材により構成されており、筐体の一側面から同じ方向に突出し、地表に沿って延びている。2つのガイド131,131の突出端部は、相互間距離が漸次長くなるように、外向きに屈曲している。前述の送電ユニット11は2つのガイド131,131の間に設けられる。
【0026】
送電ユニット11と送電制御ユニット12の筐体との間であって、2つのガイド131,131の間のスペースには、車止め15が配置される。2つのガイド131,131の対向間距離は、電動車両2の横幅に対応している。電動車両2が2つのガイド131,131の突出端部の間から進入し、送電制御ユニット12に向けて前進する場合、電動車両2は、タイヤの側面がガイド131,131の内側の面に接触しながら給電位置へ案内される。電動車両2のタイヤが車止め15に接触した状態にて停止した場合、送電ユニット11と電動車両2の受電ユニット22とが対向するように各ユニットの配置が調整されている。
【0027】
図4は非接触給電装置1の制御系の構成を示すブロック図である。非接触給電装置1の送電制御ユニット12は、制御部121、記憶部122、狭域無線通信部123、広域無線通信部124、及び高周波電源部125を備える。
【0028】
制御部121は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部121が備えるROMには、上記ハードウェア各部の動作を制御するための制御プログラム等が記憶される。制御部121内のCPUは、ROMに記憶された制御プログラムや記憶部122に記憶された各種プログラムを実行し、上記ハードウェア各部の動作を制御する。なお、制御部121が備えるRAMには、各種プログラムの実行中に一時的に利用されるデータが記憶される。
【0029】
なお、制御部121は、上記の構成に限定されるものではなく、シングルコアCPU、マルチコアCPU、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を含む1又は複数の処理回路であればよい。また、制御部121は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0030】
記憶部122は、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどを用いた記憶装置を備える。記憶部122には、各種データ及びCPUによって実行される各種コンピュータプログラム等が記憶される。記憶部122に記憶されるデータには、例えば、非接触給電装置1が設置されている駐車場を識別する駐車場ID、非接触給電装置1を識別する装置ID等が含まれていてもよい。
【0031】
狭域無線通信部123は、車載ユニット21と無線通信を行うための通信インタフェースを備える。狭域無線通信部123では、Bluetooth(登録商標) 、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、その他の無線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準じた無線伝送方式を用いて、車載ユニット21と無線通信を行う。なお、狭域無線通信部123では、無線到達距離又は伝送帯域等を考慮して適切な無線伝送方式を使用すればよく、状況に応じて複数の無線伝送方式を使い分けてもよい。
【0032】
広域無線通信部124は、公衆電話回線網やインターネット網などの広域通信網に接続するための通信インタフェースを備える。広域無線通信部124は、管理サーバ3を含む外部装置へ通知すべき各種情報を送信すると共に、外部装置から送信される各種情報を受信する。
【0033】
高周波電源部125は、直流電源装置、インバータ回路等を備える。直流電源装置は、商用電源から入力される交流電圧を整流回路により整流し、平滑コンデンサにより平滑することによって、直流電圧を生成する。そして、直流電源装置は、生成した直流電圧を、DC−DCコンバータ回路により目標電圧の直流電圧に変換してインバータ回路へ出力する。インバータ回路は、直流電力を高周波電力に変換する回路であり、変換して得られる高周波電圧を送電ユニット11へ出力する。インバータ回路は、例えば、単相フルブリッジ型のインバータ回路であり、4個のスイッチング素子を備える。スイッチング素子として、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用することができる。また、スイッチング素子として、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などを使用してもよい。
【0034】
高周波電源部125には、配線部14を介して送電ユニット11が接続されている。送電ユニット11は、送電コイルLt、共振コンデンサCtなどにより構成される。送電コイルLtは、高周波電源部125から供給される高周波電力を、給電対象である電動車両2へ送電する。共振コンデンサCtは、送電コイルLtに直列(又は並列)に接続されて、直列共振回路(又は並列共振回路)を構成する。送電コイルLt及び共振コンデンサCtは、共振周波数が高周波電源部125より供給される高周波電力の周波数と一致するように設計される。
【0035】
なお、送電制御ユニット12が狭域無線通信部123を備えるものとして説明したが、車載ユニット21と無線通信を行わない形態では、狭域無線通信部123を備えていなくてもよい。また、送電制御ユニット12が広域無線通信部124を備えるものとして説明したが、管理サーバ3を含む外部装置と無線通信を行わない形態では、広域無線通信部124を備えていなくてもよい。
【0036】
図5は電動車両2の制御系の構成を示すブロック図である。電動車両2は、例えば、車載ユニット21、受電ユニット22、ICカードリーダ23、及び表示ユニット24を備える。
【0037】
車載ユニット21は、例えばECU(Electronic Control Unit)であり、制御部211、記憶部212、接続部213、狭域無線通信部214、広域無線通信部215、GPS受信部216等を備える。
【0038】
制御部211は、CPU、ROM、RAMなどを備える。制御部211内のCPUは、ROM又は記憶部212に記憶されたプログラムを実行することにより、車載ユニット21が備える上記ハードウェアの動作を制御する。制御部211内のRAMには、プログラムの実行中に生成される各種データが一時的に記憶される。
【0039】
制御部211は、上記の構成に限定されるものではなく、シングルコアCPU、マルチコアCPU、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を含む1又は複数の処理回路であればよい。また、制御部211は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0040】
記憶部212は、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリを備える。記憶部212には、制御部211により実行されるプログラム及び当該プログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。
【0041】
接続部213は、受電ユニット22、ICカードリーダ23、表示ユニット24等を接続する接続インタフェースを備える。接続部213は、受電ユニット22及びICカードリーダ23から出力される情報を取得し、取得した情報を制御部211へ出力する。また、接続部213は、電動車両2のユーザ(観光客)に報知すべき情報を制御部211から取得した場合、取得した情報を表示ユニット24へ出力する。
【0042】
狭域無線通信部214は、観光客等が携帯する携帯端末と無線通信を行うための通信インタフェースを備える。狭域無線通信部214では、Bluetooth(登録商標) 、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、その他の無線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準じた無線伝送方式を用いて、観光客等が携帯する携帯端末と無線通信を行う。なお、狭域無線通信部214では、無線到達距離又は伝送帯域等を考慮して適切な無線伝送方式を使用すればよく、状況に応じて複数の無線伝送方式を使い分けてもよい。
【0043】
広域無線通信部215は、公衆電話回線網やインターネット網などの広域通信網に接続するための通信インタフェースを備る。広域無線通信部215は、管理サーバ3を含む外部装置へ通知すべき各種情報を送信すると共に、外部装置から送信される各種情報を受信する。
【0044】
GPS受信部216は、GPS衛星(不図示)から送信されるGPS信号を受信する受信アンテナ、受信したGPS信号に基づき電動車両2の現在位置を測位する演算回路等を備える。GPS受信部216は、測位した電動車両2の現在位置に係る位置情報を制御部211へ出力する。
【0045】
なお、本実施の形態では、接続部213に受電ユニット22及びICカードリーダ23を接続する構成としたが、これらに加えて、電動車両2が備える他のECU、各種センサ及び装置等を接続する構成であってもよい。また、車載ネットワークで用いられる通信回線を介して、車載ユニット21、受電ユニット22及びICカードリーダ23を互いに通信可能に接続する構成としてもよい。車載ネットワークで用いられる通信回線としては、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、MOST(Media Oriented Systems Transport)、Ethernet(登録商標)等の通信規格に準じた通信回線を用いることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、車載ユニット21、受電ユニット22、及びICカードリーダ23をそれぞれ個別の装置として記載したが、これらの装置の何れか2つ、若しくは全てを一体型の装置として構成してもよい。
【0047】
受電ユニット22は、受電部220、充電制御部221、バッテリ222、及び出力部223を備える。
【0048】
受電部220は、図に示していない受電コイル及び共振コンデンサを備える。受電コイルは、送電側の送電コイルLtと磁気結合して、送電ユニット11から送電される高周波電力を非接触で受電する。受電部220の共振コンデンサは、受電コイルに直列(又は並列)に接続されて、直列共振回路(又は並列共振回路)を構成する。受電コイル及び共振コンデンサは、共振周波数が送電ユニット11から供給される高周波電力の周波数と一致するように設計される。受電部220にて受電した電力は、充電制御部221へ出力される。
【0049】
充電制御部221は、受電部220から入力される高周波電力を直流電力に変換する整流平滑回路を備え、整流平滑回路によって変換された直流電力をバッテリ222へ供給して、バッテリ222を充電する。また、充電制御部221は、バッテリ222への充電量、バッテリ222からの放電量、バッテリ222の残容量、バッテリ222の充電状態(SOC : State Of Charge)などを計測し、計測結果を出力する計測回路、計測回路からの計測結果に基づき、充電動作を制御する制御回路、制御回路からの制御信号に基づき、バッテリ222への電力供給経路を接続又は遮断するスイッチ等を備える。
【0050】
バッテリ222は、例えば鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の充放電が可能な電池である。本実施の形態では、観光エリア内での走行を想定しているので、バッテリ222は、観光エリア内に存在する複数の観光スポットを行き来することが可能な容量を有していればよい。
【0051】
出力部223は、充電制御部221の計測回路から出力される計測結果を外部へ出力する。本実施の形態では、出力部223は、車載ユニット21の接続部213に接続されており、計測回路から出力される計測結果を車載ユニット21へ出力する。
【0052】
ICカードリーダ23は、例えばNFC(Near Field Communication)リーダライタであり、ICタグ(パッシブタグ)搭載のICカード230と近距離無線通信を行う機能を有する。ICカードリーダ23は、ICカード230に記録されたIDを読み取り、読み取ったIDを車載ユニット21へ出力する。
【0053】
表示ユニット24は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を備え、接続部213を通じて出力される制御部211からの情報を表示する。なお、表示ユニット24は、音声を出力するスピーカ、乗員の操作を受付ける操作ボタン、タッチパネル等を備えるものであってもよい。
【0054】
図6は管理サーバ3の内部構成を示すブロック図である。管理サーバ3は、例えば、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、及び表示部35を備える。
【0055】
制御部31は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備える。制御部31のCPUは、ROM又は記憶部32に予め記憶された各種プログラムをRAMに展開して実行することにより、上述した各種ハードウェアの動作を制御し、装置全体を本願の充電管理装置として機能させる。
【0056】
なお、制御部31は、上記の構成に限定されるものではなく、1又は複数のCPU、マルチコアCPU、マイコン等を含む任意の処理回路であればよい。また、制御部31は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0057】
記憶部32は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などを用いた記憶装置を備える。記憶部32には、制御部31によって実行される各種コンピュータプログラム、及びコンピュータプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。記憶部32に記憶されるコンピュータプログラムには、管理サーバ3の動作全体を制御するためのプログラムであるオペレーティングシステム、観光客が使用した電動車両2の充電量を管理するための管理プログラム等が含まれる。また、記憶部32に記憶されるデータには、観光客に付与される観光客IDに関連付けて、充電量を記憶する充電管理テーブル32Aが含まれる。
【0058】
更に、記憶部32には、駐車場を識別する識別ID、及び非接触給電装置1を識別する装置IDが記憶されていてもよい。また、記憶部32には、非接触給電装置1が設置された観光エリア内の駐車場の場所の情報が記憶されていてもよい。駐車場の場所の情報は、駐車場の位置を示す緯度及び経度の情報であってもよく、観光エリア内の駐車場の位置を示す地図情報であってもよい。
【0059】
なお、記憶部32に記憶されるプログラムは、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体により提供されてもよい。記録媒体は、例えば、CD−ROM、USBメモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。この場合、制御部31は、不図示の読取装置を用いて記録媒体から各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部32にインストールする。また、記憶部32に記憶されるプログラムは、通信部33を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部31は、通信部33を通じて各種プログラムを取得し、取得した各種プログラムを記憶部32にインストールする。
【0060】
通信部33は、広域通信網に接続するための接続インタフェースを備える。通信部33は、車載ユニット21から送信される情報を広域通信網を通じて受信した場合、受信した情報を制御部31へ出力する。また、通信部33は、車載ユニット21へ送信すべき情報を制御部31から取得した場合、広域通信網を通じて車載ユニット21へ送信する。
【0061】
操作部34は、キーボード、マウスなどの入力インタフェースを備えており、ユーザによる操作を受付ける。表示部35は、液晶ディスプレイ装置などを備えており、ユーザに対して報知すべき情報を表示する。なお、本実施の形態では、管理サーバ3が操作部34及び表示部35を備える構成としたが、操作部34及び表示部35は必須ではなく、外部に接続されたコンピュータを通じて操作を受付け、通知すべき情報を外部のコンピュータへ出力する構成であってもよい。
【0062】
以下、充電管理システムの動作について説明する。
図7は実施の形態1に係る充電管理システムの動作手順を説明するフローチャートである。車載ユニット21の制御部211は、電動車両2が観光客に貸与され、観光客により電動車両2の走行が開始されるのに先立ち、ICカード230に記録されているIDをICカードリーダ23に読み取らせることによって、観光客IDを取得する(ステップS101)。制御部211は、取得した観光客IDを記憶部212に記憶させる。また、正当な利用者のIDが事前に記憶部212に記憶されている場合、制御部211は、記憶部212に記憶されているIDと、取得した観光客IDとを照合し、両者が一致する場合にのみ電動車両2の走行を許可してもよい。
【0063】
なお、本実施の形態では、貸与期間中、1台の電動車両2を特定の観光客に貸与する構成について説明するが、ある観光客の貸与期間中に別の観光客と共用する構成としてもよい。
【0064】
電動車両2は、バッテリ222に蓄電されている電力を走行用の駆動源に供給することによって走行する。充電制御部221は、走行中の適宜のタイミング(例えば定期的なタイミング)にてバッテリ222の残容量を計測し、計測結果を出力部223より車載ユニット21へ出力する。
【0065】
制御部211は、充電制御部221からの計測結果に基づき、バッテリ222を充電すべきタイミングであるか否かを判断する(ステップS102)。制御部211は、充電制御部221から取得した計測結果に基づき、バッテリ222の残容量が設定値未満であると判断した場合、充電制御部221は、バッテリ222を充電すべきタイミングであると判断する。
【0066】
充電すべきタイミングでないと判断した場合(S102:NO)、制御部211は、処理をステップS104へ移行させる。
【0067】
充電すべきタイミングであると判断した場合(S102:YES)、制御部211は、接続部213を通じて、充電すべきタイミングである旨の情報を表示ユニット24へ出力し、表示ユニット24に表示させる(ステップS103)。電動車両2を運転している観光客は、表示ユニット24に表示される情報に基づき、電動車両2に搭載されているバッテリ222の残容量が少ないことを把握することができる。観光客は、非接触給電装置1が設置されている駐車スペースまで電動車両2を走行させ、非接触給電装置1のガイドユニット13により案内される給電位置まで電動車両2を移動させて駐車させることにより、バッテリ222の充電を開始させることができる。
【0068】
次いで、車載ユニット21の制御部211は、非接触給電装置1により充電が開始されたか否かを判断する(ステップS104)。制御部211は、充電制御部221の計測回路から出力される計測結果に基づき、充電が開始されたか否かを判断することができる。このとき、制御部211は、狭域無線通信部214を通じて、送電制御ユニット12と通信を行い、非接触給電装置1が設置されている駐車場の駐車場ID、及び非接触給電装置1の装置IDを取得してもよい。
【0069】
充電が開始されていないと判断した場合(S104:NO)、制御部211は、処理をステップS102へ戻す。
【0070】
充電が開始されたと判断した場合(S104:YES)、制御部211は、充電制御部221の計測回路から出力される計測結果に基づき、充電が完了したか否かを判断する(ステップS105)。充電が完了していないと判断した場合(S105:NO)、制御部211は、充電が完了するまで待機する。
【0071】
充電が完了したと判断した場合(S105:YES)、制御部211は、ステップS101で取得した観光客IDと共に、充電量に係る情報を広域無線通信部215より管理サーバ3へ送信する(ステップS106)。
【0072】
ここで、管理サーバ3へ送信する充電量に係る情報には、例えば充電量の値が含まれる。制御部211は、充電開始前に計測回路から取得した残容量を保持しておき、充電完了後に計測回路から取得した残容量から差し引くことにより、充電量の値を算出することができる。また、充電量の算出は、充電制御部221にて行ってもよい。また、管理サーバ3へ送信する充電量に係る情報には、充電料金の情報が含まれてもよい。制御部211は、充電量の値と、予め設定されている充電料金の単価(単位充電量あたりの価格)とを乗算することにより、充電料金を算出することができる。
【0073】
制御部211は、観光客ID及び充電量に係る情報を送信する際、送電開始日時を含む送電日時の情報、送電制御ユニット12から取得した駐車場ID及び装置IDを併せて送信してもよい。
【0074】
管理サーバ3の制御部31は、通信部33を通じて、車載ユニット21から送信される観光客ID及び充電量に係る情報を受信する(ステップS107)。制御部31は、受信した充電量に係る情報を観光客IDに関連付けて充電管理テーブル32Aに登録する(ステップS108)。
【0075】
図8は充電管理テーブル32Aの登録内容を説明する概念図である。充電管理テーブル32Aは、電動車両2が貸与された観光客毎にレコードが用意される。各レコードには、例えば、観光客ID、観光客の氏名、貸与期間、総充電量、充電料金(合計)、充電日時、駐車場ID、装置ID、単価(単位充電あたりの価格)、充電量、及び充電料金が記録される。充電日時は、例えば充電開始日時であるが、充電開始日時及び充電終了日時の双方を含んでもよい。
図8の例では、駐車場に依らず一定の単価としたが、駐車場毎に単価を異ならせてもよい。
【0076】
次いで、管理サーバ3の制御部31は、精算処理を実行するか否かを判断する(ステップS109)。観光客に貸与した電動車両2が返却され、事業者による精算指示を操作部34にて受付けた場合、制御部31は、精算処理を実行すると判断する。精算処理を実行しないと判断した場合(S109:NO)、制御部31は、処理をステップS107へ戻す。
【0077】
精算処理を実行すると判断した場合(S109:YES)、制御部31は、充電管理テーブル32Aから該当する観光客のレコードを読み出し、読み出したレコードに基づき、充電料金を出力する(ステップS110)。出力した充電料金は、表示部35に表示される。
【0078】
以上のように、本実施の形態では、電動車両2を貸与した観光客毎に、充電量及び充電料金が管理されるので、事業者は、充電管理テーブル32Aのレコードを参照することにより、貸与期間中の充電料金を観光客にまとめて請求することができる。観光客は、電動車両2の返却時にまとめて充電料金を支払うことができるので、煩わしさを感じることが少なくなる。
【0079】
(実施の形態2)
実施の形態2では、非接触給電装置1が設置された観光エリア内の駐車場の場所を案内する形態について説明する。
なお、充電管理システムの全体構成、並びに、非接触給電装置1、電動車両2及び管理サーバ3の各構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
【0080】
図9は実施の形態2に係る充電管理システムの動作手順を説明するフローチャートである。管理サーバ3の制御部31は、非接触給電装置1が設置されている駐車場の場所の情報を記憶部32から読み出し、読み出した情報を通信部33から送信する(ステップS201)。このとき、制御部31は、特定の電動車両2が備える車載ユニット21宛に情報を送信してもよく、ブロードキャストにより複数の車載ユニット21へ同時的に情報を送信してもよい。
【0081】
また、電動車両2にナビゲーション装置が搭載されており、ナビゲーション装置に入力された目的地の情報を通信により取得した場合には、管理サーバ3の制御部31は、目的地に最も近い駐車場の場所を特定し、特定した駐車場の場所の情報を前記電動車両2へ送信してもよい。更に、制御部31は、観光案内を含む広告情報を記憶部32に記憶させておき、適宜のタイミングで広告情報を車載ユニット21へ送信してもよい。
【0082】
電動車両2が備える車載ユニット21は、管理サーバ3から送信される情報を広域無線通信部215にて受信する(ステップS202)。制御部211は、広域無線通信部215にて受信した情報を接続部213から表示ユニット24へ出力し、出力した情報を表示ユニット24にて表示させる(ステップS203)。
【0083】
以上のように、実施の形態2では、管理サーバ3から電動車両2に対して、非接触給電装置1が設置されている駐車場の場所の情報を送信するので、バッテリ222の残容量が少なくなった場合、電動車両2を運転している観光客は、管理サーバ3から案内される情報を参照して最寄りの駐車場まで移動させ、バッテリ222を充電させることができる。
【0084】
(実施の形態3)
実施の形態3では、バッテリ222の残容量が少なくなった場合、管理サーバ3から電動車両2に対し、非接触給電装置1が設置されている最寄りの駐車場の場所を案内する構成について説明する。
なお、充電管理システムの全体構成、並びに、非接触給電装置1、電動車両2及び管理サーバ3の各構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
【0085】
図10は実施の形態3に係る充電管理システムの動作手順を説明するフローチャートである。電動車両2が備える受電ユニット22は、例えば定期的なタイミングにてバッテリ222の残容量を計測し(ステップS301)、計測した残容量の値を車載ユニット21へ出力する。
【0086】
また、電動車両2が備えるGPS受信部216は、GPS衛星(不図示)から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づき、電動車両2の現在位置を測位する(ステップS302)。GPS受信部216は、電動車両2の現在位置を制御部211へ出力する。
【0087】
制御部211は、受電ユニット22から出力されるバッテリ222の残容量の値が予め設定された設定値以下であるか否かを判断する(ステップS303)。設定値以下でないと判断した場合(S303:NO)、制御部211は、処理をステップS301へ戻す。
【0088】
バッテリ222の残容量の値が設定値以下であると判断した場合(S303:YES)、制御部211は、電動車両2の現在位置を示す位置情報を広域無線通信部215から管理サーバ3へ送信する(ステップS304)。
【0089】
管理サーバ3の制御部31は、通信部33を通じて、車載ユニット21から送信される電動車両2の位置情報を受信する(ステップS305)。制御部31は、受信した位置情報に基づき、電動車両2に最も近い駐車場の場所を特定する(ステップS306)。駐車場の場所の情報は、記憶部32に記憶されており、駐車場の位置を示す緯度及び経度の情報、又は観光エリア内の駐車場の位置を示す地図情報を含むものとする。
【0090】
制御部31は、特定した駐車場の場所の情報を記憶部32から読み出し、読み出した駐車場の場所の情報を通信部33から車載ユニット21へ送信する(ステップS307)。
【0091】
車載ユニット21の制御部211は、広域無線通信部215を通じて、管理サーバ3から送信される駐車場の場所の情報を受信する(ステップS308)。制御部211は、駐車場の場所の情報を表示ユニット24へ出力し、表示ユニット24にて駐車場の場所の情報を表示させる(ステップS309)。
【0092】
以上のように、実施の形態3では、管理サーバ3から電動車両2に対して、非接触給電装置1が設置されている最寄りの駐車場の場所の情報を送信するので、バッテリ222の残容量が少なくなった場合、電動車両2を運転している観光客は、管理サーバ3から案内される情報を参照して、最寄りの駐車場まで移動させ、バッテリ222を充電させることができる。
【0093】
(実施の形態4)
実施の形態4では、電動車両2の駐車時間を管理サーバ3において管理する構成について説明する。
なお、充電管理システムの全体構成、並びに、非接触給電装置1、電動車両2及び管理サーバ3の各構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
【0094】
図11は実施の形態4に係る管理サーバ3が備える充電管理テーブル32Bの登録内容を説明する概念図である。このような充電管理テーブル32Bは、例えば、管理サーバ3の記憶部32に用意される。充電管理テーブル32Bは、電動車両2が貸与された観光客毎にレコードが用意される。各レコードには、例えば、観光客ID、観光客の氏名、貸与期間、総充電量、充電料金(合計)、充電日時、駐車場ID、装置ID、単価(単位充電あたりの価格)、充電量、充電料金、駐車時間、及び駐車料金が記録される。
【0095】
管理サーバ3は、送電制御ユニット12又は車載ユニット21と通信を行うことにより、観光客ID、充電日時、駐車場ID、装置ID、充電量、駐車時間等の情報を取得することが可能である。なお、送電制御ユニット12には、電動車両2の駐車を検出するために、赤外線センサなどの公知のセンサが搭載されていてもよい。また、送電制御ユニット12(車載ユニット21)は、車載ユニット21(送電制御ユニット12)との間の通信に基づき、電動車両2の駐車を検出してもよい。
【0096】
管理サーバ3の制御部31は、取得した情報に基づき充電料金及び駐車料金を算出し、算出した充電料金及び駐車料金を含む各情報を充電管理テーブル32Bに登録する。充電料金の算出手法は、実施の形態1と同様であり、制御部31は、例えば充電量と単価(単位充電量当たりの料金)とを乗算することによって、充電料金を算出することができる。また、制御部31は、駐車時間と単価(単位時間当たりの駐車料金)とを乗算することによって、駐車料金を算出することができる。
【0097】
なお、駐車料金は適宜設定することが可能であり、時間帯毎に料金を異ならせてもよく、時間に依らず定額であってもよい。また、駐車時間を充電管理テーブル32Bに登録する構成に代えて、駐車開始時刻及び駐車終了時刻を充電管理テーブル32Bに登録する構成としてもよい。更に、充電量及び充電料金に関する情報と、駐車時間及び駐車料金に関する情報とを、それぞれ別のテーブルに記録してもよい。
【0098】
管理サーバ3の制御部31は、観光客に貸与した電動車両2が返却され、事業者による精算指示を操作部34にて受付けた場合、精算処理を実行する。このとき、制御部31は、充電管理テーブル32Bから該当する観光客のレコードを読み出し、読み出したレコードに基づき、充電料金及び駐車料金を出力することによって精算処理を行えばよい。
【0099】
以上のように、本実施の形態では、電動車両2を貸与した観光客毎に、充電量及び駐車時間が管理されるので、事業者は、充電管理テーブル32Bのレコードを参照することにより、貸与期間中の充電料金及び駐車料金を観光客にまとめて請求することができる。観光客は、電動車両2の返却時にまとめて充電料金及び駐車料金を支払うことができるので、煩わしさを感じることが少なくなる。
【0100】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0101】
例えば、実施の形態1〜4では、観光客に貸与した電動車両2について充電量や駐車時間を管理サーバ3において管理する構成としたが、観光客に貸与した電動車両2に限らず、一般のユーザが乗車する電動車両について充電量や駐車時間を管理サーバ3において管理する構成としてもよい。この場合、管理サーバ3は、個々のユーザを識別するユーザIDに関連付けて、充電量に係る情報や駐車時間に係る情報を記憶部32に記憶させればよい。なお、一般のユーザに割り当てるユーザIDは、車載ユニット21の記憶部212に事前に登録されていてもよい。また、車載ユニット21は、実施の形態1〜4と同様にICカード230に記録されたユーザIDをICカードリーダ23により読み込む構成であってもよく、ユーザが携帯する携帯端末(不図示)と通信を行うことによりユーザIDを取得する構成であってもよい。車載ユニット21は、充電完了時または駐車終了時に、ユーザIDと共に、充電量や駐車時間の情報を管理サーバ3へ送信し、管理サーバ3の記憶部32に記憶させることが可能である。