【解決手段】弁箱10内に配設されるベース板110と、そのベース板110の一面側に配設され、傘Kの柄K1が係合可能に形成される第1円柱体120及び第2円柱体130と、を備え、第2円柱体130は、第1円柱体120よりも水平方向で弁箱10の奥側に位置し、且つ、第1円柱体120よりも鉛直方向で下方に位置するので、傘Kの柄K1を第1円柱体120の上側と第2円柱体130の下側とにそれぞれ係合させることで、自重を利用して、傘Kを傾斜状態で自立させる(保持する)ことができる。その結果、作業者や弁箱10内を雨から防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、タンクローリ車1の概略構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるタンクローリ車1の側面図である。
【0016】
なお、
図1中の矢印F−B,矢印U−D及び矢印L−Rは、タンクローリ車1の前後方向、上下方向および左右方向をそれぞれ表している。
図2以降においても同様であるので、その説明は省略する。なお、タンクローリ車1の上下方向は、鉛直方向を、左右方向および前後方向は、水平方向を、それぞれ表している。
【0017】
図1に示すように、タンクローリ車1は、液化ガス等の運搬物を運搬するための車両であり、複数の車輪2と、それら複数の車輪2に支持される車台3と、その車台3に載置されるタンク4及び運転室7と、そのタンク4の左方(
図1紙面手前側)で車台3に支持されるホース箱5と、そのホース箱5の下方(矢印D方向)で車台3に支持される弁箱10と、を主に備えて構成されている。なお、タンク4は、断面円形状に形成されている。
【0018】
ホース箱5は、ホースh(
図2参照)を収納するための収納箱であり、タンク4の左方端部(
図1紙面手前側の端部)の高さ位置よりも下方であって、後輪2Rのタイヤカバー6よりも上方の空間に配設される。
【0019】
弁箱10は、荷役作業に使用されるバルブv、管p、メータm(
図2参照)を収容するためのものであり、後輪2Rのタイヤカバー6よりも前方(矢印F方向側)であって、ホース箱5の下面に当接して設けられている。
【0020】
弁箱10の蓋11は、タンクローリ車1の左方(
図1紙面手前側)に配設される。蓋11は、ヒンジ12(開閉軸)により軸支された両開きの扉として形成される。両開きの扉のそれぞれは独立して開閉可能とされる。
【0021】
次いで、
図2を参照して、弁箱10の構成について説明する。
図2は、
図1のII部におけるタンクローリ車1の部分拡大側面図である。なお、
図2は、弁箱10の蓋11の図示を省略する。
【0022】
図2に示すように、弁箱10は、その外殻を形成する枠部材20と、枠部材20の内側に配設されるバルブv、管p、メータmと、枠部材20に配設される傘立て100と、を備える。
【0023】
枠部材20は、前枠21、後枠22、下枠23及び上枠24からなる直方体状に構成され、下枠23と上枠24とを連結する支柱25と、上枠24に固定されるブラケット26と、を備える。枠部材20の各部21〜26は、板状体を折り曲げて形成される。
【0024】
上枠24は、前枠21とは非連結に形成され、弁箱10の上枠24と前枠21との間には空間が形成される。この空間に対応するホース箱5の下面には挿通孔が形成され、これらの空間および挿通孔を通過することで、管pに連結されたホースhがホース箱5の内部へ案内される。
【0025】
支柱25は、前後方向において、枠部材20の略中央に配設される。ブラケット26は、締結、溶接等により上枠24の下面に固定される。
【0026】
バルブvは、タンク4内の運搬物(液化ガスや粉粒体など)の払い出し量や、タンク4内の圧力等を調整するためのものである。管pは、タンク4とホースhとを連結するためのものである。メータmは、タンク4内の圧力や、温度を表示するためのものである。作業者は、各メータmを視認し、バルブvを操作することで、タンク4内の運搬物の払い出しを行う。
【0027】
なお、バルブv、管p、メータmは複数の種類がそれぞれ配設されるが、本実施形態においては、それぞれ同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0028】
次いで、
図2に加え、
図3を参照して、傘立て100の構成について説明する。
図3(a)は、
図2の矢印IIIa方向視における弁箱10の部分拡大背面図であり、
図3(b)は、
図3(a)のIIIb−IIIb線における傘立て100の断面図である。
【0029】
なお、
図3では、枠部材20及び傘立て100のみを図示する。また、
図3では、傘立て100に傘Kが装着された状態が図示される。
【0030】
本実施形態では、傘Kとして金属材料を用いて形成されるシャフトK2に樹脂材料を用いてJ字状に湾曲して形成される柄K1が固着されたものを例に説明する。
【0031】
傘立て100は、傘Kを保持するためのものであり、支柱25に締結固定されるベース板110と、ベース板110に締結固定される第1円柱体120及び第2円柱体130と、ベース板110に着脱可能に支持されるゴムバンド140と、ベース板110及びブラケット26に締結固定されるブラケット150と、を備える。
【0032】
ベース板110は、金属材料を用いて板状体から形成される。ベース板110は、右方側(矢印R方向側)の端部には後方側(矢印B方向側)に立設する当接部111が形成される。また、ベース板110の上下方向(矢印U−D方向)両端であって、左右方向(矢印L−R方向)において第1円柱体120と第2円柱体130との間には、一対のL字状の支持部112がそれぞれ形成される。
【0033】
なお、当接部111は、ベース板110の右方側を折り曲げることで形成され、一対の支持部112は、ベース板110の上端および下端から突出する部位の先端側を折り曲げることで形成される。即ち、ベース板110は、当接部111及び一対の支持部112と一体に形成される。これにより、ベース板110と当接部111または支持部112とが別体の部品として形成される場合と比較して、構造を簡素化でき、製品コストを低減できる。
【0034】
ベース板110は、その左方側(矢印L方向側)において複数箇所(本実施形態では3箇所)により支柱25に締結固定される。これにより、ベース板110は、支柱25に片持ち状に固定される。
【0035】
また、ベース板110は、弁箱10の蓋11(
図1参照)よりも弁箱10の奥側(矢印R方向)となる位置で支柱25に締結固定される。これにより、蓋11を閉じた場合に、傘立て100と蓋11とが干渉することを回避でき、傘立て100を取り付けた状態で蓋11を閉じることができる。即ち、天候に応じて傘立て100を取り外す(取り付ける)作業を省略できるので、ホースの連結等の作業効率の低下を抑制できる。
【0036】
第1円柱体120及び第2円柱体130は、傘Kを保持するためのものであり、金属材料、樹脂材料、ゴム材料等を用いて円柱状の棒状体から形成される。第1円柱体120及び第2円柱体130は、後方へ突出した態様でベース板110に締結固定される。
【0037】
第2円柱体130は、左右方向(矢印L−R方向)において第1円柱体120からタンクローリ車1の車体中央側(矢印R方向側)、即ち、弁箱10の奥側に所定の距離を隔てて配設される。また、第2円柱体130は、第1円柱体120よりも上下方向(矢印U−D方向)において下方側(矢印D方向側)に所定の距離を隔てて配設される。
【0038】
なお、本実施形態においては、第1円柱体120は、左右方向(矢印L−R方向)において支柱25と重なる位置に配設される。これにより、第1円柱体120をベース板110に締結固定するボルトBTを支柱25とベース板110との締結固定に兼用することができ、部品点数を削減できる。その結果、製品コストを低減できる。
【0039】
ゴムバンド140は、傘K(柄K1)をベース板110の後方側(矢印B方向側)の面に押し付けるためのものであり、ゴム状弾性体から無端状に形成される。
【0040】
ゴムバンド140は、上下方向(矢印U−D方向)に沿って配設され、その一側および他側がベース板110の一対の支持部112の一方および他方に係止され、ゴムバンド140の一側および他側の間の部位がベース板110の後方側の面に当接した状態で配設される。ゴムバンド140の復元力により、ゴムバンド140の一側および他側の間の部位は、ベース板110の後方側の面に当接した状態を維持できる。
【0041】
ゴムバンド140の一側あるいは他側を引っ張り、一対の支持部112の一方あるいは他方との係止を解除することで、ゴムバンド140は、ベース板110から着脱可能に支持される。
【0042】
ゴムバンド140は無端状に形成されるので、一対の支持部112に引っ掛けることによりゴムバンド140をベース板110(一対の支持部112)に係止でき、一対の支持部112の構造を簡素化できる。また、ゴムバンド140を一対の支持部112に引っ掛ける(取り外す)作業を容易に行えることができ、作業性を向上できる。また、市販のゴムバンドを利用でき、汎用性を向上できる。
【0043】
ブラケット150は、傘立て100(ベース板110)とブラケット26とを連結するためのものであり、金属材料を用いて板状体を折り曲げて形成される。ブラケット150により、支柱25に片持ち状態で支持されるベース板110の過度の変位(支柱25との固定部を起点としたたわみ)が抑制される。
【0044】
ブラケット150は、ベース板110の上方側(矢印U方向側)であって、ゴムバンド140(一対の支持部112)よりも弁箱10の奥側(矢印R方向側)においてベース板110に固定される。これにより、ベース板110の傘Kが配設される領域を変位させ(たわませ)難くできる。即ち、強風等で傘Kが前後方向(矢印F−B方向)に揺動することを抑制できる。
【0045】
次いで、傘立て100への傘Kの装着方法について説明する。まず、ベース板110からゴムバンド140を取り外した状態において、傘Kを後方(矢印B方向)から前方(矢印F方向)へ変位させて、ベース板110の後方側(矢印B方向側)の面に傘Kの柄K1を当接させる。
【0046】
傘Kが第1円柱体120、第2円柱体130及び当接部111に係合された状態で、ゴムバンド140の一側をベース板110の一対の支持部112の一方に係止し、ゴムバンド140の一側および他側の間を柄K1に当接させると共に、ゴムバンド140の他側を一対の支持部112の他方に係止する。これにより、傘Kが傘立て100に保持(支持)される。
【0047】
上述したように、第1円柱体120及び第2円柱体130は、ベース板110の後方側の面から後方へ突出して配設されるため、ベース板110の後方側の面において、第1円柱体120及び第2円柱体130を除く領域を開放された領域とできる。これにより、第1円柱体120と第2円柱体130との間へ柄K1を容易に配置でき、傘Kを装着する作業性を向上できる。
【0048】
また、ベース板110の柄K1が配設される領域およびその周辺の領域には、第1円柱体120及び第2円柱体130以外は非配設とされるため、ベース板110と柄K1との当接領域を大きくできる。
【0049】
特に、第2円柱体130よりも後方(矢印B方向)の領域(第2円柱体130と当接部111との間の領域)および第2円柱体130よりも上方(矢印U方向)の領域(第2円柱体130とブラケット150との間の領域)においては、ベース板110に何も配設されていないため、J字状に湾曲して形成される柄K1をベース板110に配置できる。
【0050】
また、ベース板110の後方側の面において、第1円柱体120及び第2円柱体130を除く領域が開放された領域とされるため、第2円柱体130を取り囲む位置に柄K1を配置できる。これにより、例えば、突風などを受け傘KがシャフトK2の軸方向先端側へ引き抜かれるように変位しても、柄K1のJ字状の内周側を第2円柱体130に係合させることで、傘Kの保持を維持できる。
【0051】
傘Kは、その重心が柄K1よりもシャフトK2の先端側(柄K1とは反対側)に位置するため、作業者が傘Kから手を離すと、傘Kは、その自重により車台3の外側(矢印L方向側)へ向けて回転し、柄K1のシャフトK2側が第1円柱体120の上方側(矢印U方向側)に係合(当接)し、シャフトK2とは反対側における柄K1が第2円柱体130の下方側(矢印D方向側)に係合(当接)する。これにより、傘Kの回転が規制され、傘Kが傘立て100に保持される。
【0052】
このように、柄K1を第1円柱体120及び第2円柱体130の2点で係合(当接)させることで、柄K1の外形(太さ、表面形状)に関わらず傘Kを自立させる(保持する)ことができる。また、傘Kの自立を柄K1により達成できる(シャフトK2を傘Kの自立に利用しない)ため、シャフトK2の形状に関わらず傘Kを自立させることができる。
【0053】
上述したように、第2円柱体130は、左右方向(矢印L−R方向)において第1円柱体120から弁箱10の奥側に所定の距離(本実施形態では、略105mm)を隔てて配設される。また、第2円柱体130は、第1円柱体120よりも上下方向(矢印U−D方向)において下方(矢印D方向)に所定の距離(本実施形態では、略25mm)を隔てて配設される。これにより、傘Kを傾斜させた(例えば、柄K1の外径が略22mmの円柱状の場合、鉛直方向から水平方向へ向けて略45度傾けた)状態で傘Kを保持でき、傘Kの傘布や骨(図示せず)がタンク4(
図1参照)の外面に干渉することを抑制できる。その結果、傘立て100に傘Kを装着でき、作業者や弁箱10の内部を雨から防ぐことができる。
【0054】
ここで、傘立て100を弁箱10の蓋11(
図1参照)に配設した場合、蓋11を開いた状態に保持するための機構が必要となり、その分、部品点数の増加および構造の複雑化を招く。これに対し、枠部材20(支柱25)に傘立て100を配設することで、蓋11を開いた状態に保持する機構を不要とできるので、部品点数の低減および構造の簡素化を図り、製品コストを低減できる。
【0055】
また、傘立て100を弁箱10の蓋11(
図1参照)に配設した場合、蓋11は前後方向(矢印F−B方向)に両開きの扉として形成されるため、傘立て100が弁箱10の前方(矢印F方向)あるいは後方(矢印B方向)に偏って配置される。これに対し、支柱25は、前後方向において枠部材20の略中央に配設されるので、傘Kを弁箱10の略中央に配置できる。その結果、作業者や弁箱10の内部を雨から防ぎ易くすることができる。
【0056】
上述したように、ベース板110には当接部111が形成されるので、傘Kを傾斜させた状態で、柄K1の先端側(シャフトK2とは反対側)を当接部111に当接(係合)させることで、当接部111は柄K1を支持できる。これにより、傘Kの下降位置(配設位置)を規定して、その高さ位置を安定化できる。
【0057】
その結果、例えば、突風などを受けた場合、傘Kが車台3の内側(矢印R方向側)へ向けて回転し、柄K1と第1円柱体120又は第2円柱体130との係合が解除され、シャフトK2の延設方向に沿って傘Kが滑り落ちることを抑制できる。
【0058】
また、例えば、第1円柱体120又は第2円柱体130に雨が付着し、柄K1に作用する摩擦力が小さい場合においても、傘Kが滑り落ちることを抑制できる。
【0059】
また、ここで、ベース板110へのゴムバンド140の支持において、ゴムバンド140の一側および他側の両方がベース板110に固定され、ゴムバンド140がベース板110から着脱不可能とされる場合、ベース板110に柄K1を当接させるために煩雑な作業が必要となる。詳細には、ゴムバンド140を後方へ引っ張り、ベース板110の後方側の面とゴムバンド140との間に隙間を形成し、その隙間へ柄K1を挿入させるといった煩雑な作業が必要となる。これに対し、ゴムバンド140がベース板110から着脱可能とされることで、傘Kの傘立て100への取付け(係合)、傘Kの傘立て100からの取り外し(脱着)を容易に行える。これにより、傘Kの着脱作業の作業性を向上できる。
【0060】
また、柄K1を第1円柱体120及び第2円柱体130に係合させる作業と、ゴムバンド140を一対の支持部112に係止させる作業とをベース板110の後方側から行うことができ、作業者の移動を最小限とできる。なお、傘Kを傘立て100からの取り外す作業についても同様である。
【0061】
ここで、例えば、ゴムバンド140に代えて金属板等により傘Kと第1円柱体120及び第2円柱体130との係合を維持する構造では、ベース板110に金属板を係合するためにボルト(ねじ)による締結、あるいは、ベース板110と金属板との係合構造が必要となり、その分、部品点数の増加および構造の複雑化を招く。また、突風などを受けた際、柄K1、ベース板110又は金属板に過大な負荷が掛かり、破損する虞がある。
【0062】
これに対し、ゴムバンド140により傘Kと第1円柱体120及び第2円柱体130との係合を維持することで、部品点数の低減および構造の簡素化を図り、製品コストを低減できる。また、ゴムバンド140がゴム状弾性体から形成されることで傘K(柄K1)の変位を許容でき、柄K1、ベース板110又はゴムバンド140の破損を抑制できる。
【0063】
傘Kが傘立て100(第1円柱体120、第2円柱体130及びゴムバンド140)に係合された状態で傘Kに外力(例えば、突風)が前後方向(矢印F−B方向)に作用した場合、上述したように、ベース板110は、支柱25に片持ち状に固定されるため、支柱25との固定部を起点として変位する(たわむ)ことができる。これにより、傘K又はベース板110に過大な負荷が掛かり、破損することを抑制できる。
【0064】
ここで、第2円柱体130は、ベース板110と支柱25との固定位置よりも弁箱10の奥側(矢印R方向側)であって、ブラケット150よりも下方側(矢印D方向側)においてベース板110に固定されるため、第2円柱体130はベース板110の変位し易い領域に配設される。これにより、第2円柱体130を傘Kの変位に追従させ易くすることができ、第2円柱体130と傘Kとの係合が解除されることを抑制し易くできる。
【0065】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0066】
上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0067】
上記実施形態では、柄K1がJ字状に湾曲して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、柄K1がシャフトK2に沿って直線状に形成されても良い。第1円柱体120及び第2円柱体130の2点で柄K1(シャフトK2)を係合(当接)させることで、様々な形状の柄K1(シャフトK2)を備える傘Kを保持できる。
【0068】
上記実施形態では、当接部111及び支持部112がベース板110と一体に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、当接部111又は支持部112がベース板110とは別部材から形成されても良い。
【0069】
上記実施形態では、第1円柱体120及び第2円柱体130が円柱状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その外周面が突出方向(矢印B方向)へ向かうにつれて径方向外側へ張り出すテーパ状に形成されても良い。また、第1円柱体120及び第2円柱体130の突出先端に径方向外側へ突出する拡径部が形成されても良い。これにより、傘Kの柄K1が第1円柱体120(第2円柱体130)の突出方向へ変位し、柄K1と第1円柱体120又は第2円柱体130との係合が解除されることを抑制できる。なお、拡径部としては、ボルトの頭部やワッシャなどが例示される。
【0070】
上記実施形態では、ゴムバンド140が上下方向(矢印U−D方向)に沿って配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、左右方向(矢印L−R方向)に沿って配設されても良い。これにより、J字状に湾曲して形成される柄K1とゴムバンド140との当接箇所を増やすことができる。詳細には、柄K1のシャフトK2側および柄K1の先端側の2箇所において柄K1とゴムバンド140とが当接でき、傘Kと第1円柱体120及び第2円柱体130との係合が解除されることを抑制できる。
【0071】
上記実施形態では、説明を省略したが、第1円柱体120の上方側(矢印U方向側)に所定の間隔を隔てて第3円柱体を設けても良い。第1円柱体120と第3円柱体との間に柄K1或いはシャフトK2を配設することで、傘Kが車台3の内側(矢印R方向側)へ向けて回転した場合、第3円柱体に柄K1或いはシャフトK2を当接させることができる。これにより、第3円柱体は、傘Kの回転を規制できる。なお、第3円柱体をベース板110に締結固定するボルトを支柱25とベース板110との締結固定に兼用することが好ましい。
【0072】
上記実施形態において、ベース板110を折り曲げることで形成される当接部111の立設先端が弁箱10の手前側(矢印L方向側)に更に折り曲げられて、折り曲げ部が形成されても良い。折り曲げ部に傘Kの柄K1が当接することで、柄K1が第1円柱体120(第2円柱体130)の突出方向へ変位し、柄K1と第1円柱体120又は第2円柱体130との係合が解除されることを抑制できる。