特開2020-14738(P2020-14738A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-14738(P2020-14738A)
(43)【公開日】2020年1月30日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/043 20060101AFI20191227BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20191227BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20191227BHJP
【FI】
   A61G7/043
   G06T7/00 660B
   A61B5/00 102E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-140724(P2018-140724)
(22)【出願日】2018年7月26日
(71)【出願人】
【識別番号】517146563
【氏名又は名称】エイアイビューライフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】安川 徹
【テーマコード(参考)】
4C040
4C117
5L096
【Fターム(参考)】
4C040AA18
4C117XB04
4C117XC02
4C117XE33
4C117XE43
4C117XF13
4C117XF15
4C117XH12
4C117XL01
5L096BA02
5L096CA04
5L096DA03
5L096FA66
(57)【要約】
【課題】介護者が被介護者の種々の状態を迅速かつ的確に認識して対応することができないこと。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、複数の所定領域毎に、当該所定領域を撮影した距離画像に基づいて当該距離画像内の人物の状態を検出する検出手段と、所定領域毎に、人物の状態の検出結果に基づいて所定領域の予め設定された複数の検出状態のうちのいずれかの検出状態であることを特定する特定手段と、所定領域毎に、特定した検出状態に対応した領域情報を表示装置に表示出力すると共に、複数の所定領域にそれぞれ対応する領域情報をまとめて表示出力する表示出力手段と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の所定領域毎に、当該所定領域を撮影した距離画像に基づいて当該距離画像内の人物の状態を検出する検出手段と、
前記所定領域毎に、前記人物の状態の検出結果に基づいて前記所定領域の予め設定された複数の検出状態のうちのいずれかの検出状態であることを特定する特定手段と、
前記所定領域毎に、特定した前記検出状態に対応した領域情報を表示装置に表示出力すると共に、複数の前記所定領域にそれぞれ対応する前記領域情報をまとめて表示出力する表示出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記検出手段は、前記距離画像に基づいて当該距離画像内の前記人物の予め設定された複数の状態を検出し、
前記特定手段は、前記人物の状態に応じた複数の前記検出状態のうちのいずれかの前記検出状態であることを特定する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記特定手段は、前記人物の状態に応じた複数の前記検出状態と、前記人物の状態を検出するための機器の状態に応じた複数の前記検出状態と、のうちのいずれかの前記検出状態であることを特定する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記検出手段は、前記機器からの信号に基づいて当該機器の状態を検出し、
前記特定手段は、前記機器の状態が予め設定された特定の状態である場合に、当該特定の状態に対応する前記検出状態であることを特定する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記検出手段は、前記距離画像に基づいて当該距離画像内の前記人物の状態として当該人物の姿勢を検出し、
前記特定手段は、前記人物の姿勢が予め設定された特定の姿勢である場合に、当該特定の姿勢に対応する前記検出状態であることを特定する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記検出手段は、前記距離画像に基づいて当該距離画像内の前記人物の状態として当該人物の位置を検出し、
前記特定手段は、前記人物の位置が予め設定された特定の位置である場合に、当該特定の位置に対応する前記検出状態であることを特定する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記表示出力手段は、異なる前記領域情報を異なる色で表示出力する、
情報処理装置。
【請求項8】
複数の所定領域毎に、当該所定領域を撮影した距離画像に基づいて当該距離画像内の人物の状態を検出し、
前記所定領域毎に、前記人物の状態の検出結果に基づいて前記所定領域の予め設定された複数の検出状態のうちのいずれかの検出状態であることを特定し、
前記所定領域毎に、特定した前記検出状態に対応した領域情報を表示装置に表示出力すると共に、複数の前記所定領域にそれぞれ対応する前記領域情報をまとめて表示出力する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の人口が増加し、介護の需要が高まっている。一方で、介護には、多くの介護者が必要となり、介護者の作業負担や人件費の増加という問題が生じる。そこで、特許文献1に記載のような、距離画像センサで撮影した画像を用いて、被介護者といった人物を監視する監視システムが多く開発されている。
【0003】
特許文献1に開示の監視システムでは、距離画像からベッドの位置を抽出し、また、人の領域を検出し、人の動作を判別している。具体的に、ベッドの位置は、ベッドの長手方向及び短手方向における高さの度数分布から求めている。また、人の動作は、所定の高さ位置に対する物体の位置を検出することで、臥床の状態、上半身を起こした状態、起立の状態、といった人の動作を判別している。そして、この監視システムでは、判別した動作が被介護者毎に予め設定された特定の状態である場合に、介護者の待機所に対して報知することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−030042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、被介護者の特定の動作の場合に介護者に報知するだけであるため、介護者は被介護者の種々の状態を把握することができない、という問題が生じる。また、介護者の待機所では多くの被介護者に対する報知がなされる可能性があるが、上述した技術では、介護者は迅速かつ的確に被介護者に関する報知を認識して対応することができない、という問題も生じる。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、介護者が被介護者の種々の状態を迅速かつ的確に認識して対応することができない、ということを解決することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態である情報処理装置は、
複数の所定領域毎に、当該所定領域を撮影した距離画像に基づいて当該距離画像内の人物の状態を検出する検出手段と、
前記所定領域毎に、前記人物の状態の検出結果に基づいて前記所定領域の予め設定された複数の検出状態のうちのいずれかの検出状態であることを特定する特定手段と、
前記所定領域毎に、特定した前記検出状態に対応した領域情報を表示装置に表示出力すると共に、複数の前記所定領域にそれぞれ対応する前記領域情報をまとめて表示出力する表示出力手段と、
を備えた、
という構成をとる。
【0008】
また、上記情報処理装置では、
前記検出手段は、前記距離画像に基づいて当該距離画像内の前記人物の予め設定された複数の状態を検出し、
前記特定手段は、前記人物の状態に応じた複数の前記検出状態のうちのいずれかの前記検出状態であることを特定する、
という構成をとる。
【0009】
また、上記情報処理装置では、
前記特定手段は、前記人物の状態に応じた複数の前記検出状態と、前記人物の状態を検出するための機器の状態に応じた複数の前記検出状態と、のうちのいずれかの前記検出状態であることを特定する、
という構成をとる。
【0010】
また、上記情報処理装置では、
前記検出手段は、前記機器からの信号に基づいて当該機器の状態を検出し、
前記特定手段は、前記機器の状態が予め設定された特定の状態である場合に、当該特定の状態に対応する前記検出状態であることを特定する、
という構成をとる。
【0011】
また、上記情報処理装置では、
前記検出手段は、前記距離画像に基づいて当該距離画像内の前記人物の状態として当該人物の姿勢を検出し、
前記特定手段は、前記人物の姿勢が予め設定された特定の姿勢である場合に、当該特定の姿勢に対応する前記検出状態であることを特定する、
という構成をとる。
【0012】
また、上記情報処理装置では、
前記検出手段は、前記距離画像に基づいて当該距離画像内の前記人物の状態として当該人物の位置を検出し、
前記特定手段は、前記人物の位置が予め設定された特定の位置である場合に、当該特定の位置に対応する前記検出状態であることを特定する、
という構成をとる。
【0013】
また、上記情報処理装置では、
前記表示出力手段は、異なる前記領域情報を異なる色で表示出力する、
という構成をとる。
【0014】
また、本発明の他の形態である情報処理方法は、
複数の所定領域毎に、当該所定領域を撮影した距離画像に基づいて当該距離画像内の人物の状態を検出し、
前記所定領域毎に、前記人物の状態の検出結果に基づいて前記所定領域の予め設定された複数の検出状態のうちのいずれかの検出状態であることを特定し、
前記所定領域毎に、特定した前記検出状態に対応した領域情報を表示装置に表示出力すると共に、複数の前記所定領域にそれぞれ対応する前記領域情報をまとめて表示出力する、
という構成をとる。
【0015】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
複数の所定領域毎に、当該所定領域を撮影した距離画像に基づいて当該距離画像内の人物の状態を検出する検出手段と、
前記所定領域毎に、前記人物の状態の検出結果に基づいて前記所定領域の予め設定された複数の検出状態のうちのいずれかの検出状態であることを特定する特定手段と、
前記所定領域毎に、特定した前記検出状態に対応した領域情報を表示装置に表示出力すると共に、複数の前記所定領域にそれぞれ対応する前記領域情報をまとめて表示出力する表示出力手段と、
を実現させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のように構成されることにより、介護者が被介護者の種々の状態を迅速かつ的確に認識して対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態1における情報処理システムの構成を示す概略図である。
図2図1に開示した監視サーバの構成を示すブロック図である。
図3図1に開示した監視サーバによる画像処理の様子を示す図である。
図4図1に開示した監視サーバによる部屋情報表示の様子を示す図である。
図5図1に開示した監視サーバの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図2は、情報処理システムの構成を示す図である。図3乃至図5は、情報処理システムの処理動作を説明するための図である。以下、各図を参照して、情報処理システムの構成及び動作を説明する。
【0019】
本発明における情報処理システムは、被介護者や被監視者といった監視対象となる人物Pの行動を監視するための情報処理システムである。そして、情報処理システムは、監視サーバ10と、距離画像カメラCと、監視端末30と、を備えて構成されている。
【0020】
上記距離画像カメラC(撮影装置)は、監視対象となる人物Pが横たわるベッドBが配置された領域である部屋R内の距離画像を撮影可能な位置に配置されている。例えば、距離画像カメラCは、医療施設や介護施設、宅内の部屋Rの天井に設けられ、部屋Rの大部分が画像内に収まる位置に配置されている。なお、距離画像カメラCは、必ずしも天井に設置されていることに限定されず、壁やスタンドなど、いかなる場所に設置されていてもよい。また、部屋Rに設置されるベッドBは、布団などのいかなる寝床であってもよい。
【0021】
距離画像カメラCは、画素値を距離値とした距離画像を撮影するものである。例えば、距離画像カメラCは、赤外線レーザをターゲットに投射した際の往復の時間から距離を計測する形式のものであってもよく、いかなる方式の撮影装置であってもよい。そして、距離画像カメラCは、一定の時間間隔で、あるいは、撮影指示を受けたタイミングで、距離画像を撮影し、かかる距離画像を後述する監視サーバ10に送信する機能を有する。なお、上記監視サーバ10の機能については、上記距離画像カメラCに搭載することもできる。つまり、距離画像カメラCに搭載された情報処理装置にて監視サーバ10の機能を実現してもよい。
【0022】
ここで、本実施形態では、監視対象となる人物Pがそれぞれ利用する部屋Rが複数あり、各部屋Rにそれぞれ距離画像カメラCが設置されている。そして、各距離画像カメラCは、撮影した距離画像の情報をはじめとする監視サーバ10に送信する情報に、設置されている部屋Rに対応する識別情報を付して監視サーバ10に送信する。
【0023】
上記監視端末30は、被介護者である人物の介護を行ったり監視する監視者であるユーザUが操作する情報処理端末である。監視端末30は、監視者などのユーザUが在籍する監視ルームなどの場所に設置されており、複数のユーザUによって操作可能である。そして、監視端末30は、後述する図4に示すように、監視サーバ10から送信される各部屋Rの状況を表す部屋情報の一覧を表示装置に表示する。このとき、部屋情報には、人物の状態を通知する情報や、機器の状態を通知する情報が含まれており、かかる内容をユーザUに報知することとなる。なお、監視端末30は、表示装置に距離画像カメラCで撮影された距離画像を表示することもできる。
【0024】
上記監視サーバ10は、演算装置及び記憶装置を有するサーバ装置(情報処理装置)である。そして、監視サーバ10は、図2に示すように、演算装置がプログラムを実行することで構築された、機器検出部11、距離画像取得部12、検出部13、特定部14、出力部15、を備えている。また、監視サーバ10は、記憶装置に形成された、基準情報記憶部16を備えている。以下、各構成について詳述するが、併せて監視サーバ10の動作も、図5のフローチャートを参照して併せて説明する。
【0025】
上記機器検出部11(検出手段)は、人物Pの状態を検出するために利用される機器である、距離画像カメラC、監視サーバ10自体、さらには監視サーバ10に接続された他の機器、の状態を検出する(図5のステップS1)。例えば、機器検出部11は、距離画像カメラCや監視サーバ10自体から正常に作動していないことを表す故障信号を受信する状態(あるいは正常信号を受信しない状態)、距離画像カメラCと接続しているにも関わらず距離画像を正常に取得できない状態、距離画像カメラCと接続しておらず信号を受信していない状態、などの状態を検出する。このとき、機器検出部11は、距離画像カメラCからの信号に含まれる識別情報を検知することで、かかる信号を受信した距離画像カメラCが設置されている部屋Rを判別することができる。なお、機器検出部11は、ベッドBに設置された人物Pの心拍や呼吸などの生体情報を検出する生体センサ(図示せず)といった人物Pの状態を検出するための他の機器の状態を検出してもよい。そして、機器検出部11は、検出した機器の状態を、人物Pの状態の検出結果として特定部14に通知する。
【0026】
上記距離画像取得部12は、上述したように各距離画像カメラCにて各部屋R内を撮影した距離画像を、定期的に距離画像カメラCから取得する(図5のステップS3)。そして、取得した距離画像を検出部13に渡すことで、当該距離画像は後述する検出処理に用いられる。
【0027】
上記検出部13(検出手段)は、距離画像を用いて、当該距離画像内の人物Pを検出して、当該人物Pの状態を検出する(図5のステップS4)。このとき、検出部13は、距離画像に含まれる距離画像カメラCの識別情報から、いずれの部屋Rの距離画像であるかを判別して、かかる距離画像を処理する。
【0028】
具体的に、検出部13は、まず、距離画像内における人物Pを検出する処理を行う。このとき、検出部13は、距離画像内に存在する物体を検出し、かかる物体から人物の最頂点と重心位置を検出する。そして、検出部13は、例えば、距離画像内における個々の塊からなる物体を検出し、検出した物体の質量や、物体間の位置関係や体積比(面積比)などから、人物Pを検出する。
【0029】
続いて、検出部13は、検出された人物の最頂点と重心位置の追従を行い、距離画像内における人物Pの位置や姿勢を検出して、人物Pの状態を検出する(図5のステップS4)。例えば、検出部13は、部屋R内における人物Pの位置を検出する。ここで、図3上図に、部屋Rの距離画像の一例を示す。この例では、部屋R内に、ベッドBとトイレTとドアDが設置されており、これら設置物と人物Pとの位置関係に応じて当該人物Pの位置を検出する。例えば、予め距離画像上におけるベッドBやトイレTの位置を設定して基準情報記憶部16に登録しておき、これらの位置と検出した人物Pの位置とに応じて、人物Pが「在室してベッド上に位置する」、「在室してトイレに位置する(トイレに入った)」、「在室して居室にいる(ベッドとトイレ以外の位置にいる)」、といった状態を検出する。そして、検出部13は、かかる検出結果を特定部14に通知する。
【0030】
また、検出部13は、人物Pの姿勢も検出する。特に、検出部13は、人物Pの姿勢が検知対象状態として設定された姿勢であることを検出する。検知対象状態とは、例えば、人物PがベッドBに立つ状態、人物PがベッドBから離れてうずくまっている状態、人物PがベッドBから離れて横たわっている状態、などであるが、いかなる人物Pの姿勢を検知対象状態として検出してもよい。なお、検出部13は、上記のような人物Pの姿勢を、例えば図3下図に示すように、ベッドBの高さ位置に対する人物Pの最頂点や重心位置に基づいて検出する。そして、検出部13は、検知対象状態を検出すると、特定部14に通知する。
【0031】
なお、検出部13は、上述した人物Pの状態の検出を部屋Rごとに行う。このため、検出部13は、各部屋Rの識別情報に、検出した人物Pの状態を関連付けて特定部14に通知する。
【0032】
上記特定部14(特定手段)は、上述したように部屋Rごとにおける人物Pの状態の検出結果、つまり、機器の状態と人物Pの状態の通知を受けると、かかる通知に基づいて部屋Rごとの検出状態を特定する。このとき、特定する部屋Rの検出状態としては、予め複数の検出状態が設定されており、このうちのいずれかの検出状態であるかを特定部14が特定する。例えば、予め設定された検出状態は、以下のように、人物Pの状態に応じた検出状態と、機器の状態に応じた検出状態と、がある。
「人物の状態に応じた検出状態」
・アラート状態(検知)
・在室(ベッド)
・在室(居室)
・在室(トイレ)
・不在
「機器の状態に応じた検出状態」
・機器故障(エラー)
・機器が接続されていない(未接続(正常系))
・機器と接続されているが信号異常(未接続(異常系))
【0033】
具体的に、特定部14は、機器検出部11と検出部13から通知された機器の状態と人物Pの状態に応じて、各部屋Rの検出状態を特定する。例えば、特定部14は、部屋R内の人物PがベッドBに立っているといった「検知対象状態」の通知を受けた場合には、かかる部屋Rの状態を上記「アラート状態(検知)」として特定する。また、特定部14は、部屋R内の人物PがベッドBに横たわっているといった状態の通知を受けた場合には、かかる部屋Rの状態を上記「在室(ベッド)」として特定する。また、特定部14は、部屋R内の人物PがベッドBとトイレT以外にいるといった状態の通知を受けた場合には、かかる部屋Rの状態を上記「在室(居室)」として特定する。また、特定部14は、部屋R内の人物PがトイレTに入っているといった状態の通知を受けた場合には、かかる部屋Rの状態を上記「在室(トイレ)」として特定する。また、特定部14は、部屋R内の人物Pの状態の通知を受けとっていない場合には、かかる部屋Rの状態を上記「不在」として特定する。
【0034】
また、特定部14は、機器の故障信号を受信したといった機器の状態の通知を受けた場合には、かかる部屋Rの状態を上記「機器故障(エラー)」として特定する。また、特定部14は、距離画像カメラCと接続しているにも関わらず距離画像を正常に取得できなかったといった機器の状態の通知を受けた場合には、かかる部屋Rの状態を上記「機器と接続されているが信号異常(未接続(異常系))」として特定する。また、特定部14は、距離画像カメラCと接続しておらず信号を受信していないといった機器の状態の通知を受けた場合には、かかる部屋Rの状態を上記「機器が接続されていない(未接続(正常系))」として特定する。
【0035】
そして、特定部14は、上述したように特定した各部屋Rの検出状態を、出力部15に通知する。例えば、特定部14は、部屋Rの識別情報に関連付けて、特定した検出状態の情報を出力部に通知する。なお、上述した特定部14による部屋Rの検出状態の特定処理は一例であって、上述した検出状態を特定することに限定されない。また、特定部14は、他の方法で部屋Rの検出状態を特定してもよい。
【0036】
上記出力部15(表示出力手段)は、特定部14から通知された各部屋Rの検出状態に対応した部屋情報(領域情報)を、監視端末30の表示装置に表示するよう出力する。このとき、出力部15は、図4に示すような表示画面を監視端末30に表示し、かかる表示画面に複数の部屋Rの部屋情報をまとめて表示する。具体的に、出力部15は、部屋情報として、部屋Rの識別情報に対応する部屋番号の表示と共に、当該部屋番号の周囲を、部屋Rの検出状態に対応して予め設定された色で表示する。本実施形態では、上述した各検出状態である「エラー」、「検知」、「在室(ベッド)」、「在室(居室)」、「在室(トイレ)」、「不在」、「未接続(正常系)」、「未接続(異常系)」にそれぞれ対応する異なる色で、部屋情報を表示する。
【0037】
図5の例では、部屋番号「101」の部屋Pは、検出状態が「在室(居室)」であるため、かかる検出状態に対応する色で部屋情報を表示している。また、部屋番号「106」の部屋Pは、検出状態が「在室(ベッド)」であるため、かかる検出状態に対応する色で部屋情報を表示している(図5のステップS5でNo,ステップS6)。また、部屋番号「203」は、部屋Pの検出状態が「検知」であるため、かかる検出状態に対応する色で部屋情報を表示している(図5のステップS5でYes,ステップS7)。また、部屋番号「301」は、部屋Pの検出状態が「エラー」であるため、かかる検出状態に対応する色で部屋情報を表示している(図5のステップS2でYes,ステップS8)。なお、図5では、図示する都合上、各部屋Pの部屋情報を塗りつぶしパターンで表示しているが、異なる色の塗りつぶしで表示してもよく、それぞれが異なる他の表示形態で表示してもよい。
【0038】
以上のように、本発明によると、監視端末30の表示画面には、複数の部屋Pの状態がまとめて表示されることとなる。つまり、部屋Pごとに、監視に用いる機器の状態(エラー、未接続(正常系)、未接続(異常系))や、人物Pの状態(検知、在室(ベッド)、在室(居室)、在室(トイレ)、不在)が、各状態に応じて区別されて表示される。このため、監視者や介護者は、複数の部屋における複数の状況を、一目で把握することができる。例えば、部屋Rの人物PがベッドBに立つなどの検知対象状態が検出された場合には、かかる状態に対応する「検知」の色で部屋情報が表示されるため、監視者や介護者は迅速にかかる状況を把握して、かかる部屋Rに介護に向かうなど迅速かつ適切な対応を取ることができる。また、部屋Rに設置された機器が故障している状態が検出された場合には、かかる状態に対応する「エラー」の色で部屋情報が表示されるため、監視者や介護者は迅速にかかる状況を把握して、修理を依頼するなど迅速かつ適切な対応を取ることができる。
【0039】
なお、上述したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0040】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0041】
10 監視サーバ
11 機器検出部
12 距離画像取得部
13 検出部
14 特定部
15 出力部
16 基準情報記憶部
30 監視端末
B ベッド
C 距離画像カメラ
P 人物
U ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5