【解決手段】ひずみを感知するひずみ受感材が、厚さ方向に対向する2個の面部の少なくとも一方に配設されている板状部材と、面部の面方向に交差する方向の力が印加されたときに力に応じて板状部材が面方向に交差する方向にひずみ変位をすることができる状態で板状部材を保持するために板状部材と接合される保持部材とを備える。保持部材は、板状部材の個の面部の一方の面部の周縁部の少なくとも一部において板状部材と厚さ方向に重なる板状の接合用部を備えると共に、板状部材と接合された状態では板状部材の面部の周縁部より外部に突出しない形状を備える。保持部材の接合用部と、この接合用部と厚さ方向に重なる板状部材の周縁部の少なくとも一部との間で、板状部材と保持部材とが接合されて固着される。
前記板状部材の面部の面方向に直交する方向において、前記保持部材の前記板状部材との接合側とは離間した部位において接合されていると共に、前記板状部材とは非接触の状態で、前記板状部材の前記周縁部の外側を囲うように形成されている外乱遮蔽部材を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力検出部材。
前記ひずみ受感材は、前記板状部材の前記2個の面部の一方の面部に配設されていると共に、前記保持部材の前記接合用部は、前記板状部材の前記2個の面部の他方の面部の周縁部と厚さ方向に重なっている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力検出部材。
前記板状部材の前記保持部材が接合されている前記面部とは反対側の前記面部に、前記板状部材の前記面部の面方向に直交する方向を軸芯方向とする棒状の力受付部が取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力検出部材。
前記板状部材と前記保持部材との接合は点的な接合であり、前記点的な接合位置は、前記板状部材の中心位置を中心とした円周方向において、互いに等角間隔離れた位置とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力検出部材。
前記板状部材に配設されている前記ひずみ受感材と、外部の回路との接続のために、前記ひずみ受感材が配設されている前記面部に対して、フレキシブル基板が溶着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力検出部材。
前記ひずみ受感材は、前記板状部材の前記2個の面部の一方の面部に配設されていると共に、前記保持部材の前記接合用部は、前記板状部材の前記2個の面部の他方の面部の周縁部と厚さ方向に重なっている
ことを特徴とする請求項11に記載のスタイラス。
前記圧力検出部材の前記板状部材と前記保持部材との接合は点的な接合であり、前記点的な接合位置は、前記板状部材の中心位置を中心とした円周方向において、互いに等角間隔離れた位置とされている
ことを特徴とする請求項15に記載のスタイラス。
ひずみを感知するひずみ受感材が、厚さ方向に対向する2個の面部の少なくとも一方に配設されている板状部材と、前記面部の面方向に交差する方向の力が印加されたときに前記力に応じて前記板状部材が前記面方向に交差する方向にひずみ変位をすることができる状態で前記板状部材を保持するために前記板状部材と接合される保持部材と、を備える圧力検出部材の製造方法であって、
前記保持部材は、前記板状部材の前記2個の面部の一方の面部の周縁部の少なくとも一部において前記板状部材と厚さ方向に重なる板状の接合用部を備えると共に、前記板状部材と接合された状態では前記板状部材の面部の周縁部より外部に突出しない形状を備え、
前記保持部材の前記接合用部と、当該接合用部と厚さ方向に重なる前記板状部材の周縁部の少なくとも一部とを、厚さ方向に重ね、前記保持部材の前記接合用部に対して、前記板状部材の面部の面方向に交差する方向から熱を加えることに基づいて、前記板状部材と前記保持部材とを接合して固着する
ことを特徴とする圧力検出部材の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明による圧力検出部材の実施形態を搭載したスタイラスの実施形態を、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態のスタイラスは電磁誘導方式のもので、位置検出装置の位置検出用センサとの間で電磁誘導方式で信号の授受を行なうことで、位置検出装置はスタイラスによる指示位置を検出する。
【0022】
図1は、この発明による圧力検出部材の実施形態を筆圧検出や傾き検出用等として備える実施形態のスタイラス2の構造例を示す図である。
図1(A)は、スタイラス2の外観を示す図、
図1(B)は、スタイラス2のペン先側の部分の断面図である。
【0023】
図1(A)に示すように、この実施形態のスタイラス2は、細長形状の筒状の筐体201の軸心方向の一方の開口側がペン先側とされ、他方の開口側が後端側とされる。この例では、筐体201は、ペン先側ケース2011と後端側ケース2012とに、軸心方向に2分されており、例えばペン先側ケース2011と後端側ケース2012とが螺合することで、筐体201が構成されている。ペン先側ケース2011と後端側ケース2012とは一方の端部が他方の端部に圧入されることで結合されるように構成してもよい。後端側ケース2012の軸心方向の後端側は、後端キャップ部材202により閉塞されている。筐体201は、この例では、SUSで構成されている。筐体201は、樹脂で構成されてもよい。
【0024】
この実施形態のスタイラス2の筒状の筐体201のペン先側ケース2011のペン先側には、
図1(B)に示すように、位置検出センサと電磁誘導結合するための共振回路を構成するコイル21が巻回される磁性体コア、この例ではフェライトコア22が配設されると共に、圧力センシングデバイス1を備える圧力検出部材3が、このペン先側ケース2011の中空部2011a内に固定されて配設される。
【0025】
フェライトコア22には、棒状の芯体31が挿通される軸心方向の貫通孔22aが、その中心位置に形成されている。
【0026】
芯体31は、硬質材料、この例では、SUSで構成されており、その軸心方向の一端31a側が、ペン先側ケース2011の開口2011bから突出するようにされ、その突出する一端31aには、この例では、樹脂で構成されるペン先部材203が圧入嵌合されて取り付けられている。
【0027】
芯体31のペン先部材203が取り付けられた一端31a側とは反対側の他端31b側は、後述するようにして圧力センシングデバイス1と結合されている。したがって、この例では、芯体31は、ペン先部材203に印加される力を受け付ける力受付部を構成し、受け付けた力を圧力センシングデバイス1に伝達する機能を備える。
【0028】
なお、芯体31は、この例では、SUSで構成したが、これに限られるものではなく、硬質材料であれば、例えば樹脂であってもよい。
【0029】
この実施形態の圧力センシングデバイス1は、後述する
図3に示すように、円板状の板状部材10の一方の面部10aに、複数個のひずみ受感材11が配設されると共に、それら複数個のひずみ受感材11と導電パターン(図示は省略)とからなる回路(ブリッジ回路)が配設されたものである。圧力検出部材3は、圧力センシングデバイス1を、その板状部材10が、その面部に直交する方向及びその面部に沿う方向に弾性的にひずみ変位(撓み変位)可能に保持するように構成される。
【0030】
そして、圧力検出部材3は、
図1(B)に示すように、圧力センシングデバイス1の板状部材10の一方の面部10aの面方向が筐体201の軸心方向に直交する方向に向く状態で、ペン先側ケース2011の中空部2011a内に取り付けられて、ペン先側ケース2011に対して軸心方向に移動不可及び圧力検出部材3の周方向に移動不可の状態で固定配置される。
【0031】
図2は、圧力検出部材3を構成する部品の分解斜視図である。すなわち、この実施形態のスタイラス2の圧力検出部材3は、
図2に示すように、圧力センシングデバイス1と、芯体31と、保持部材32と、保護ケース33と、結合用ピン34と、圧力センシングデバイス1と外部の回路との接続のためのフレキシブル基板35とで構成される。
【0032】
<圧力センシングデバイス1の構成例の説明>
図3は、この発明の実施形態のスタイラス2で用いられる圧力検出部材3の圧力センシングデバイス1の構成例を説明するための図である。
【0033】
この例の圧力センシングデバイス1は、弾性を有する絶縁性部材の円板からなる板状部材10の一方の面部10aに、複数個のひずみ受感材11が配設されて形成されている。
図3は、この実施形態の圧力センシングデバイス1の板状部材10の一方の面部10aに配設される複数のひずみ受感材11の配設位置と、印加された力に応じて板状部材10に発生するひずみとの関係を示している。
【0034】
図3(A)は、圧力センシングデバイス1を、その板状部材10の一方の面部10aに対して直交する方向であって、当該一方の面部10a側から見た図を示している。なお、板状部材10を構成する円板は、この例では、
図2(A)及び
図3(A)に示すように、周縁部10Eの一部が、直線状に切り欠かれた切欠き部10sを備える。この切欠き部10sは、後述するように、圧力センシングデバイス1の板状部材10の面部10aに配設されてひずみ受感材11で構成されるブリッジ回路との電気的な接続をするフレキシブル基板35を折り曲げて、板状部材10の面部10aとは反対側に延伸させるためものである。
【0035】
この実施形態の圧力センシングデバイス1では、板状部材10は、弾性を有する材料の例としての金属板、この例では、SUSで構成されている。この例では、板状部材10の一方の面部10a側に絶縁層(図示は省略)が設けられて絶縁性部材とされる。そして、板状部材10の一方の面部10a側の絶縁層上に、ひずみ受感材11及び導電パターン(
図3では省略)が成膜されて形成されることで、この実施形態ではブリッジ回路が形成されて、圧力センシングデバイス1が形成される。
【0036】
この例では、
図1に示すように、圧力センシングデバイス1の板状部材10中心部には、力受付部の例としての芯体31が結合用ピン34により取り付けられて結合される。また、板状部材10は、その周縁部10E(
図3において、外周縁と点線で示す円との間の領域)において保持部材32と接合されて、当該周縁部10Eが保持部材32に対して軸心方向及び周方向に移動不可の状態で固定される。
【0037】
したがって、板状部材10は、その周縁部10Eの内側の領域が、力受付部としての芯体31を通じて印加される力に応じて弾性的なひずみ変位が可能な領域とされる。ひずみ受感材11は、この周縁部10Eの内側の領域に配設される。
【0038】
ここで、ひずみ受感材11としては、この実施形態では、ひずみ変形に応じて抵抗値を変える導電性材であって、ひずみの発生方向である半径方向(力の印加点から見た放射方向)の長さが所定の線状の導電部材を、円周方向に複数折り返してジグザグ状パターンとしたものを用いる。ひずみ受感材11を構成する導電部材としては、例えばCu−Ni合金とされている。
【0039】
なお、この例の圧力センシングデバイス1に適用可能なひずみ受感材11としては、この例のようなジグザク状パターンの導電性材に限られるものではなく、例えば特許第6084393号公報に開示されたようなストリップ状の導電性材であっても良い。
【0040】
この例においては、圧力センシングデバイス1は、
図3に示すように、円板形状の板状部材10の一方の面部10a上に、複数個のひずみ受感材11として、
図3の例ではひずみ受感材X1,X2,Y1,Y2,Z1〜Z4が、例えば成膜されて配設されたものからなる。ひずみ受感材X1,X2,Y1,Y2,Z1〜Z4の板状部材10の面部10aへの配設方法としては、成膜に限らず、蒸着や印刷などであってもよい。
【0041】
ここで、ひずみ受感材X1及びX2は、X軸方向(Z軸方向に直交する方向)のひずみを検出するためのものであり、ひずみ受感素子Y1及びY2は、Y軸方向(Z軸方向及びX軸方向に直交する方向)のひずみを検出するためのものであり、ひずみ受感素子Z1〜Z4は、Z軸方向のひずみを検出するためのものである。
【0042】
この例の圧力検出部材3において、Z軸方向の力(筆圧)が力受付部の例としての芯体31を介して圧力センシングデバイス1の板状部材10に印加された場合には、板状部材10には、引張・圧縮応力が加わり、
図4(A)に示すように、力受付部の例としての芯体31のZ軸方向の変位に応じて下側に凸となるようにひずみ変位をして湾曲し、外周と内周とに引張・圧縮ひずみが生じる。板状部材10の面部10aのひずみ受感材11においても、板状部材10の湾曲(ひずみ変位)に応じて変位して、
図4(A)の矢印で示すように、伸長変位する。このため、板状部材10の面部10aに配設されているひずみ受感材Z1〜Z4にも同様にして伸長する変位が生じ、当該ひずみ受感材Z1〜Z4の抵抗値が変化するので、その変化を検出することでZ軸方向の力(筆圧)を検出することができる。
【0043】
また、この例の3軸力検出センサにおいて、X軸方向あるいはY軸方向の力が板状部材10に印加された場合には、板状部材10には、曲げ応力及びせん断応力が加わり、
図4(B)に示すように、X軸方向あるいはY軸方向の力の印加方向において、力受付部の例としての芯体31よりも手前側では、板状部材10が伸長するように変位し、芯体31よりも後ろ側では、板状部材10が収縮するように変位する。
【0044】
このため、板状部材10の面部10a上に配設されているひずみ受感材X1及びX2、あるいはひずみ受感材Y1及びY2にも同様にして伸長及び収縮の変位が生じ、当該ひずみ受感材X1及びX2、あるいはひずみ受感材Y1及びY2の抵抗値の変化を検出することでX軸方向あるいがY軸方向の力を検出することができる。そして、その検出した力から、スタイラス2の傾きが検出できる。
【0045】
この実施形態の圧力センシングデバイス1は、板状部材10の一方の面部10aに、予め、上述したようにひずみ受感材11のそれぞれが形成されると共に、導電パターン(図示は省略)が形成されることで、所定の回路、この例ではブリッジ回路が形成される。そして、板状部材10の一方の面部10aには、形成されたブリッジ回路と、圧力センシングデバイス1とは別個に、スタイラス2のケース201内に設けられるプリント基板204(
図1(A)参照)に形成されている回路部分との接続用電極が形成される。
【0046】
この実施形態の圧力センシングデバイス1においては、前述したように配設された複数個のひずみ受感材11により、ひずみ検出回路を構成するブリッジ回路が構成される。
【0047】
図5は、形成されるブリッジ回路30の回路例を示す図である。
図5の例のブリッジ回路30は、X軸方向の力成分を検出するブリッジ回路30Xと、Y軸方向の力成分を検出するブリッジ回路30Yと、Z軸方向の力成分を検出するブリッジ回路30Zとからなる。
【0048】
X軸方向の力成分を検出するブリッジ回路30Xは、ひずみ受感材X1及びX2と、リファレンス抵抗器RX3及びRX4とからなる。リファレンス抵抗器RX3及びRX4は、ひずみ受感材X1及びX2においてひずみ変位が生じていないときの抵抗値と等しい抵抗値を有するもので、この例では、板状部材10の面部10a上ではなく、例えば外部のプリント基板204(
図1(A)参照)に配設されている。そして、ひずみ受感材X1とX2との接続中点から第1の出力端子tXaが導出され、また、リファレンス抵抗器RX3及びRX4の接続中点から第2の出力端子tXbが導出される。X軸方向の力成分に応じた検出電圧は、第1の出力端子tXaと第2の出力端子tXbとの電位差として検出される。
【0049】
また、Y軸方向の力成分を検出するブリッジ回路30Yは、ひずみ受感材Y1及びY2と、リファレンス抵抗器RY3及びRY4とからなる。リファレンス抵抗器RY3及びRY4は、ひずみ受感材Y1及びY2においてひずみ変位が生じていないときの抵抗値と等しい抵抗値を有するもので、この例では、板状部材10の面部10a上ではなく、例えば外部のプリント基板204に配設されている。そして、ひずみ受感材Y1とY2との接続中点から第1の出力端子tYaが導出され、また、リファレンス抵抗器RX3及びRX4の接続中点から第2の出力端子tYbが導出される。Y軸方向の力成分に応じた検出電圧は、第1の出力端子tYaと第2の出力端子tYbとの電位差として検出される。
【0050】
さらに、Z軸方向の力成分を検出するブリッジ回路30Zは、ひずみ受感材Z1〜Z4からなる。そして、ひずみ受感材Z1とZ2との接続中点から第1の出力端子tZaが導出され、また、ひずみ受感材Z3及びZ4の接続中点から第2の出力端子tZbが導出される。Z軸方向の力成分に応じた検出電圧は、第1の出力端子tZaと第2の出力端子tZbとの電位差として検出される。
【0051】
なお、
図5において、端子tVは電源電圧Vccが供給される端子、端子tGは接地される端子である。電源電圧Vccは、スタイラス2のケース201内に収納されているバッテリーから供給される。この例では、バッテリーは、
図1(B)に示すバッテリーケース41内に収納されている。
【0052】
なお、この例の圧力センシングデバイス1は量産が容易である。例えば、この例ではSUSからなる金属板上に、この実施形態の圧力センシングデバイス1の板状部材10を構成するための円板領域を形成し、その各円板領域に、
図3(A)に示すように配設される複数個のひずみ受感材11を、例えば成膜したり、蒸着したり、印刷したりすることで配設したのち、それら円板領域をSUSからなる金属板から切り抜くことで、上述した板状部材10を大量に量産することができる。
【0053】
<圧力検出部材3を構成するその他の部材の構成例>
保持部材32は、圧力センシングデバイス1を構成する板状部材10を、芯体31により伝達される圧力に応じて弾性変位(撓み変位)をすることができるように保持するための部材であり、圧力検出部材3で検出する力の範囲内では、弾性的な変位をしないような部材で構成される。この例では、板状部材10よりも硬質のSUSで構成されている。
【0054】
この保持部材32は、
図2(A)の分解斜視図に示すように、ほぼ四角形(ほぼ正方形)の底板321と、当該底板321の4辺の部分から当該底板321に対して直交し、互いに高さが同一の4枚の壁板322,323,324,325とを備える。そして、この例では、4枚の壁板322,323,324,325のそれぞれは、底板321に対して直交する方向の端縁において、それぞれの壁板322,323,324,325に対して直交する方向であって、かつ外方に折り曲げられて形成された接合用板部322a,323a,324a,325aを備える。
【0055】
図2(B)は、保持部材32をその底板321に直交する方向であって、壁板322,323,324,325側と反対側から見た図である。
図2(B)で点線で示したのは、保持部材32を板状部材10と接合したときの板状部材10の外周端縁の位置である。この
図2(B)に示すように、保持部材32は、板状部材10と接合したときには、板状部材10の外周端縁から外部に突出しないように形成されている。このため、この例では、保持部材32の接合用板部322a,323a,324a,325aの外周端縁は、板状部材10の径と同径、あるいは、板状部材10の径より若干小さい径の円弧状に形成されている。
【0056】
そして、保持部材32の接合用板部322a,323a,324a,325aの壁板322,323,324,325から突き出している長さの最大値(壁板322,323,324,325から接合用板部322a,323a,324a,325aの外周端縁までの長さの最大値)wは、
図2(B)に示すように、板状部材10に対して接合したときに、接合用板部322a,323a,324a,325aが、板状部材10の周縁部10E内に収まっているような長さとされている。つまり、保持部材32の接合用板部322a,323a,324a,325aは、板状部材10に対して接合したときに、芯体31に印加された力により板状部材10にひずみ変形が生じる領域外である板状部材10の周縁部10Eで重なるように構成されている。
【0057】
そして、保持部材32の底板321には、この例では、板状部材10と接合した後に、結合用ピン34を挿入することができるようにするための開口321aが設けられている。また、
図2(B)に示すように、保持部材32の底板321の外表面には、後述する保護ケース33と結合する際に、芯体31の軸心方向を中心とした回転方向の位置決めをするための突起321b及び321cが設けられている。
【0058】
保護ケース33は、この例では、
図2(A)に示すように、一方の開口側が底板331により閉塞された筒状体からなり、圧力センシングデバイス1に対する外乱遮蔽部材の役割をする。保護ケース33は、圧力検出部材3で検出する力の範囲内では、弾性的な変位をしないような部材で構成され、この例では、板状部材10よりも硬質のSUSで構成されている。
【0059】
保護ケース33は、
図1(B)に示すように、板状部材10と保持部材32とが接合されたものを、その円柱状の空間内に収納するもので、保護ケース33の円柱状の空間の径は、
図1(B)から分かるように、板状部材10の径よりも大きく、また、円柱状の空間の深さは、板状部材10と保持部材32とを接合したときの軸心方向の長さよりも大きいものとされている。
【0060】
そして、保持部材32の底板321が、保護ケース33の底板331と接触した状態で、保持部材32が保護ケース33に対して接合される。保護ケース33の底板331の内側底面には、この接合の際に、保持部材32の底板321の外表面の突起321b,321cと嵌合して位置決めするようにするための凹孔331a及び331bが形成されている。この位置決めにより、保護ケース33に、板状部材10と保持部材32とが接合されたものを収納して保持部材32と接合したときに、板状部材10の外周端縁と保護ケース33とは接触せずに離間するようにされる。
【0061】
また、保護ケース33の底板331には、板状部材10に被着されて電気的な接続がなされるフレキシブル基板35の延伸部34bを挿通させて、スタイラス2のケース201内において、バッテリーケース41よりも後端側に配設されるプリント基板204(
図1(A)参照)にまで到達させるようにするためのスリット331sが形成されている。前述した保持部材32の底板321の外表面の突起321b,321cと、保護ケース33の底板321の凹孔331a及び331bとによる位置決めにより、板状部材10の切欠き部10sの位置と、保護ケース33の底板331のスリット331sとの位置合わせもなされる。
【0062】
なお、保護ケース33の底板331と保持部材32の底板321との接合は、この例では、レーザー溶接によりなされるもので、
図2(C)に示す点的な位置331c及び331dにおいて、保護ケース33の底板32の外側からレーザー光が照射されることで溶接されて、保護ケース33の底板331と保持部材32の底板321とが接合されるものである。
【0063】
また、
図2(C)に示すように、保護ケース33の底板331には、当該底板331の中心位置を中心とした同一の円上において、互いに90度角間隔はなされた位置に、この例では4個の孔33e,33f,33g,33hが形成されている。これら4個の孔33e,33f,33g,33hは、
図1(B)に示すように、圧力検出部材3を、保護ケース33の底板331と、スタイラス内固定部材42に取り付けたときに、スタイラス内固定部材42に設けられている4個の突起42aが嵌合して、圧力検出部材3が軸心方向を中心とした回転方向に回転しないように係止させるための係止用孔である。この係止用孔は、4個である必要はなく、1個でも、また、2個以上の複数個であってもよい。
【0064】
フレキシブル基板35は、
図1(B)に示すように、芯体31と板状部材10とを結合する際に、芯体31の端部31bと板状部材10の面部10aとの間に挟持されるようにされる。このため、フレキシブル基板35は、
図2(A)に示すように、板状部材10の面部10aに被着される円形部35aと、この円形部35aから延出され、板状部材10の切欠き部10sのところで折り曲げられてスタイラス2の筐体201の軸心方向に延伸する延伸部35bとを備える。
【0065】
フレキシブル基板35の円形部35aの中心位置には、結合用ピン34が挿通される貫通孔35cが形成されている。
【0066】
<圧力検出部材3の組み立て手順の例>
先ず、
図6(A)、(B)及び(C)に示すように、圧力センシングデバイス1に対して保持部材32が接合される。すなわち、圧力センシングデバイス1の板状部材10の面部10aとは反対側の面部の周縁部10Eに、保持部材32の接合用板部322a,323a,324a,325aが重ねられる。このとき、板状部材10の切欠き部10sが位置決め用とされて、保持部材32の接合用板部322a,323a,324a,325aの、板状部材10に対する円周方向位置が定められる。
【0067】
この例では、保持部材32の接合用板部322aと324aとを結ぶ方向が、例えばひずみ受感材X1、X2が並ぶ半径方向に対して45度異なり、保持部材32の接合用板部323aと325aとを結ぶ方向が、例えばひずみ受感材Y1、Y2が並ぶ半径方向に対して45度異なるような状態とされる。
【0068】
次に、このようにして、圧力センシングデバイス1の板状部材10の周縁部10Eの部分と保持部材の接合用板部322a,323a,324a,325aを重ね合わせ状態で、
図6(B)において、破線の矢印Lzで示すように、保持部材の接合用板部322a,323a,324a,325a側から、レーザー光を照射して、圧力センシングデバイス1の板状部材10の周縁部10Eに、保持部材の接合用板部322a,323a,324a,325aをレーザー溶接する。このときにレーザー溶接されるのは、
図6(C)において、位置P1,P2,P3,P4で示すように、保持部材の接合用板部322a,323a,324a,325aの中心位置である点的な位置である。ここで、点的な溶接位置とは、レーザー光が特定の位置に対して照射されたときに、溶接によって接合される位置を指す。
【0069】
このとき、レーザー光の照射により、保持部材32及び板状部材10は加熱されるが、保持部材の接合用板部322a,323a,324a,325a側からレーザー光を照射すると共に、板状部材10の面部10aとは反対側の面部に対してレーザー光が照射されるので、ひずみ受感材11が配設されている板状部材10の面部10a側の温度上昇が抑えられることが確かめられた。
【0070】
板状部材10の面部10aの温度が高温になると、この面部10aに配設されているひずみ受感材11に悪影響を及ぼすが、この実施形態では、板状部材10の面部10a側の温度上昇が抑えられるので、面部10aに配設されているひずみ受感材11に対する悪影響を軽減することができる。
【0071】
図7は、圧力センシングデバイス1の板状部材10を、当該板状部材10の周縁部よりも外部に突出させずに、ひずみ変形可能に保持する保持部材の他の例を示すもので、上述した実施形態の保持部材32で保持する場合との比較例である。
【0072】
図7の例の保持部材50は、
図7(A)及び(B)に示すように、外径が板状部材10の径とほぼ等しい、あるいは若干小さい筒状部材である。この保持部材50の開口50a側の端面50eと、圧力センシングデバイス1の板状部材10の周縁部10Eとを、
図7(B)に示すように衝合させて、矢印Lz1に示すようにレーザー光を、板状部材10の面部10a側から照射することで、レーザー溶接する。この場合、板状部材10の面部10aと反対側の周縁部10Eは、筒状部材である保持部材50の壁部となっているので、板状部材10の面部10aと反対側からレーザー光を照射することはできない。
【0073】
このように、矢印Lz1で示すようにレーザー光を、板状部材10の面部10a側から照射すると、板状部材10の面部10aの温度が高温になって、当該面部10aに配設されているひずみ受感材が剥がれたり、収縮したりするなど悪影響が発生して、ひずみ受感材が正しく働かなくなる恐れがある。
【0074】
図7(B)において、矢印Lz2で示すように、保持部材50の開口50a側の端面50eと、圧力センシングデバイス1の板状部材10の周縁部10Eとの接合部に対して、横方向からレーザー光を照射して、レーザー溶接することもできるが、板状部材10の面部10aの温度が高温になってしまうのは、矢印Lz1で示すレーザー照射の場合と同様であり、ひずみ受感材が正しく働かなくなる恐れがある。
【0075】
上述した、この実施形態の圧力検出部材3の場合には、前述したように、保持部材の接合用板部322a,323a,324a,325a側からレーザー光を照射すると共に、板状部材10の面部10aとは反対側の面部に対してレーザー光が照射されるので、ひずみ受感材11が配設されている板状部材10の面部10a側の温度上昇が抑えられ、ひずみ受感材11に対する悪影響を抑えることができる。点的な溶接位置であることも、温度上昇を抑えることに寄与する。
【0076】
また、板状部材10の周縁部10Eと、保持部材の接合用板部322a,323a,324a,325aとの板状部分同士を接合部分としているので、筒状の保持部材50の端面50aと板状部材の周縁部10Eとの接合では、端面50aの幅が保持部材50の壁板の厚さに限定されてしまうのに比べて、接合部分である接合用板部322a,323a,324a,325aの面積を大きくすることが容易であるという利点もある。
【0077】
次に、以上のようにして圧力センシングデバイス1の板状部材10と保持部材32とを接合したら、
図8に示すように、フレキシブル基板35の円板部35aを、圧力センシングデバイス1の板状部材10の面部10aに対して圧着することで、フレキシブル基板35と、板状部材10の面部10aの接続用端子部との電気的接続を行う。
【0078】
なお、圧力センシングデバイス1の板状部材10の面部10a側には、ひずみ受感材11及び導電パターンとからなる回路が形成されていると共に、フレキシブル基板35の円板部35aに形成されている導体パターンとの接続用端子部も形成されている。
【0079】
次に、この例では、
図9に示すように、圧力センシングデバイス1の板状部材10に対して、結合用ピン34を用いることで、芯体31を結合する。すなわち、結合用ピン34を、保持部材32の開口321aを通じて挿入して、圧力センシングデバイス1の板状部材10の中心孔10c及びフレキシブル基板35の円板部35aの貫通孔35cに差し込む。そして、結合用ピン34の板状部材10の面部10a側に突出した部分を、芯体31の端部31bに形成されている嵌合孔31cに挿入する。
【0080】
ぞして、芯体31と結合用ピン34とにより、板状部材10及びフレキシブル基板35をしっかりと挟持させた状態において、
図9において点線矢印Lzで示すように、レーザー光を、芯体31の軸心方向に直交する方向から照射して、芯体31と結合用ピン34とをレーザー溶接する。この場合にも、レーザー溶接は、点的な溶接位置において行う。そして、その場合におけるレーザー光の照射位置は、
図9の例においては、芯体31の周囲の互いに180度角間隔、離れた2点の位置とする。しかし、レーザー光の照射位置は、1点であってもよいし、また、芯体31の周囲の互いに等角間隔、離れた3点以上の位置としてもよい。
【0081】
板状部材10に対する芯体31の結合方法としては、結合用ピン34をネジにより構成して、板状部材10及びフレキシブル基板35を間に挟持させた状態で、結合用ピン34を芯体31の端部31bにねじ込むようにすることもできる。しかし、結合用ピン34をネジにより構成して、芯体31に対して結合用ピン34をねじ込む構造の場合には、経年変化によりネジによる結合が緩む恐れがある。これに対して、
図9の例のように、結合用ピン34と芯体31とをレーザー溶接した場合には、ネジの場合のような経年変化によるネジによる結合のゆるみが生じないというメリットがある。
【0082】
次に、以上のようにして芯体31を板状部材10の面部10a側にフレキシブル基板35を介して結合したものを、
図9に示すように、保持部材31の底板321側から保護ケース33の円柱状空間内に収納する。この場合に、フレキシブル基板35の延伸部35bは保護ケース33の底板331に形成されているスリット331s(
図2(C)参照)を通して、保護ケース33よりも後ろ側に導出される。
【0083】
そして、保持部材32の底板321に形成されている突起321及び321cを、保護ケース33の底板331に形成されている凹孔331a及び331bに嵌合させることで、位置合わせをしながら、保持部材32の底板321と保護ケース33の底板331とを衝合させる。そして、この衝合状態を維持しながら、保護ケース33の底板331に直交する方向において、当該保護ケース33の底板331の外側からレーザー光を照射して、保護ケース33を保持部材32に対してレーザー溶接する。この場合のレーザー溶接も、点的な位置において行い、そのレーザー溶接位置は、
図2(C)で示した保護ケース33の底板331の位置331c及び331dの2点とされる。この場合のレーザー溶接位置も、2点ではなく、1点でも、また、3点以上であってもよい。
【0084】
以上のようにして、この実施形態の圧力検出部材3が完成となる。この圧力検出部材3は、
図1(B)のようにして、スタイラス2の筐体201のペン先側ケース2011内に収納される。この場合に、
図1(B)に示すように、この例のスタイラス2においては、圧力検出部材3は、保護ケース33の底板331が、台座部材42の上板に取り付けられる。
【0085】
台座部材42の上板には、
図1(B)に示すように、保護ケース33の底板331に形成されている4個の孔33e,33f,33g,33hに嵌合する突起42a,42b,42c,42dが形成されている。そして、保護ケース33の底板331に形成されている4個の孔33e,33f,33g,33hに、台座部材42の突起42a,42b,42c,42dが嵌合することで、保護ケース33は、台座部材42に対して軸心方向を中心とした回転をすることなく結合される。したがって、台座部材42がスタイラス2の筐体201内で、軸心方向を中心とした回転をしないように固定保持されることで、圧力検出部材3は、軸心方向を中心とした回転をしないように固定保持される。
【0086】
そして、この台座部材42が、台座固定用部材43を介してバッテリーケース41の軸心方向の端部に突き当てられることにより、圧力検出部材3は、スタイラス2の筐体201内において軸心方向に移動不可となるように係止されて収納される。なお、バッテリーケース41は、筐体201の後端側が後端キャップ部材202で閉塞されていることにより、筐体201内において、軸心方向に移動不可の状態とされている。
【0087】
以上のようにして、
図1(B)に示すように、圧力検出部材3が、スタイラス2の筐体201内に収納された状態においては、芯体31の一端31aが圧入嵌合されているペン先部材203に圧力が印加されると、その圧力は芯体31を通じて圧力センシングデバイス1に伝達される。そして、圧力センシングデバイス1では、板状部材10は保持部材32により保持されているので、当該板状部材10が、その伝達された圧力に応じた変位をすることが可能な状態となっている。
【0088】
そして、
図1(B)に示すように、この実施形態の圧力検出部材3は、保護ケース33により形成されている円柱状空間に、圧力センシングデバイス1が配されていて、且つ、板状部材10は、保護ケース33とは非接触であって、空間に存在するようにされている。したがって、スタイラス2の筐体201に外部からの力(外乱)が加わったとしても、その力は、保護ケース33により圧力センシングデバイス1には、伝達されないように遮蔽される。このため、圧力センシングデバイス1は、先端部203に印加される圧力を、精度良く検出することが可能となる。
【0089】
なお、圧力検出部材3をスタイラス2の筐体201内に収納するときに、台座部材42を用いることは必須ではなく、保護ケース33を、筺体201内で、軸心方向に移動不可及び回転不可の状態で固定することができればよい。
【0090】
なお、
図1(B)では図示を省略したが、フェライトコア22に巻回されているコイル21の両端のリード線は、圧力検出部材3及びバッテリーケース41を跨いで後端側に導出され、プリント基板204に接続されている。このコイル21の両端のリード線は、プリント基板204上に設けられているキャパシタの両端に電気的に接続されるようにプリント基板204に対して接続される。このコイル21とキャパシタとにより、位置検出センサと電磁誘導結合するための共振回路が構成されている。
【0091】
この実施形態のスタイラス2は、以上のように構成されているので、位置検出装置の位置検出センサの入力面に対してペン先部材203が接触して、当該ペン先部材203を通じて芯体31に印加される力に応じて、圧力検出部材3の圧力センシングデバイス1の板状部材10がひずみ変形をする。
【0092】
圧力センシングデバイス1の一方の面部10aに配設されたひずみ受感材11では、そのひずみ変形に応じて抵抗値変化を生じるので、当該面部10aに形成されている回路部(ブリッジ回路)の端子には、印加された力に応じた出力電圧が得られる。
【0093】
プリント基板204には、この実施形態では、芯体31の軸心方向(Z軸方向)に印加される力成分を、ペン先部材203に印加される筆圧として検出すると共に、芯体31の軸心方向に直交する方向に印加される力成分から、位置検出センサの入力面に対するスタイラス2の傾き角を検出するペン状態検出回路が設けられている。ペン状態検出回路は、フレキシブル基板35を通じて送られてくる圧力センシングデバイス1の出力電圧に基づいて、前記筆圧及び前記傾きを検出する。ペン状態検出回路は、圧力センシングデバイス1の出力電圧に基づいて、スタイラス2のペン先部材203と、位置検出センサの入力面との間の摩擦力をも検出するように構成することもできる。
【0094】
そして、検出した筆圧や傾きの情報は、この実施形態では、プリント基板204に設けられる制御IC(Integrated Circuit;集積回路)により、共振回路がオンオフされることで、AFK信号として位置検出センサに送信される。なお、プリント基板204に位置検出装置と電波による無線通信を行う無線通信部を設けて、その無線通信部を通じて、検出した筆圧や傾きの情報を、位置検出装置に送信するように構成してもよい。
【0095】
[その他の実施形態または変形例]
上述の実施形態では、圧力センシングデバイス1の板状部材10は、円板形状としたが、円板形状に限られるものではなく、横断面が多角形形状であってもよい。
【0096】
また、圧力センシングデバイス1の板状部材10は、一定の厚さとしたが、力の印加部を中心とした放射方向において厚さが変化しているものであってもよい。例えば、板状部材10の周縁部10Eよりも内側の領域において、ひずみ受感材を配設する部分近傍は、ひずみ変形がし易いように厚さを他の部分よりも薄く構成してもよい。
【0097】
また、上述の実施形態の圧力検出部材3では、芯体31を力受付部として構成したが、芯体を力受付部とするのではなく、力受付部と芯体とを別部材として形成し、芯体を、板状部材10に固定された力受付部に嵌合するように構成してもよい。
【0098】
また、保持部材32は、圧力センシングデバイス1の板状部材10の周縁部10Eの互いに90度角間隔離れた4個の位置で、板状部材10と接合するようにしたが、周縁部10Eの1個の位置で接合するようにしてもよいし、また、4個に限らす、2個以上の複数個の位置で接合するようにしても勿論よい。
【0099】
また、圧力センシングデバイス1の板状部材10と保持部材32との接合は、レーザー溶接としたが、溶接の方法は、レーザー溶接に限られるものではない。また、接合は、溶接に限らず、接着材を用いた接着などであってもよい。
【0100】
また、上述の実施形態では、板状部材10に対して、力受付部の例としての芯体31とは別個として、結合用ピン34を用いて結合するようにしたが、板状部材10と芯体31とを、例えばSUSにより一体に形成するようにしてもよい。
【0101】
また、上述の実施形態では、圧力センシングデバイス1では、板状部材10の一方の面部10aにのみひずみ受感材を配設するようにしたが、一方の面部と他方の面部との両方にひずみ受感材を配設するようにしてもよい。その場合に、例えば、一方の面部には、Z軸方向のひずみを検出するためのひずみ受感材を配設し、他方の面部には、X軸方向及びY軸方向のひずみを検出するためのひずみ受感材を配設するようにしてもよい。
【0102】
また、
図3に示した板状部材10の面部10aにおけるひずみ受感材の配設例は、一例であり、この
図3の例に限られるものではないことは言うまでもない。
【0103】
また、上述の実施形態では、圧力センシングデバイス1は、印加される力のZ軸方向の力成分、X軸方向の力成分及びY軸方向の力成分の3軸方向の力成分に応じたひずみ検出出力を得るようにしたが、Z軸方向、X軸方向、Y軸方向の内の一つの軸方向の力成分のみを検出する場合や、Z軸方向、X軸方向、Y軸方向の内の2つの軸方向の組の力成分を検出する場合にも、この発明は適用可能である。
【0104】
また、上述の実施形態では、スタイラスの筐体201を、ペン先側ケース2011と後端側ケース2012とに2分するようにしたが、筐体201は、この例のように2分するのではなく、1個の筒状のケースで構成されていても勿論よい。
【0105】
なお、上述の実施形態のスタイラスは、電磁誘導方式のものとしたが、この発明によるスタイラスは、ペン先部に印加される力を、圧力検出部材の圧力センシングデバイスのひずみ受感材を用いて検出するものであれば、静電結合方式の他、いずれの方式のものであってもよい。
【0106】
また、上述の実施形態では、圧力センシングデバイスは、板状部材に直接的にひずみ受感材及び導電パターンを形成するようにしたが、板状部材の形状に合わせたフレキシブル基板に、上述のようにして、ひずみ受感材と導電パターンを形成して、そのフレキシブル基板を、板状体の面部に接着するようにしてもよいことは言うまでもない。