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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-149204(P2020-149204A)
(43)【公開日】2020年9月17日
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20200821BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20200821BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20200821BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20200821BHJP
   G09B 29/10 20060101ALN20200821BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   B60W50/14
   B60W40/06
   B60W40/04
   G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-44747(P2019-44747)
(22)【出願日】2019年3月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】造田 優貴
(72)【発明者】
【氏名】三苫 寛人
(72)【発明者】
【氏名】久保田 整
(72)【発明者】
【氏名】秋田 晃
【テーマコード(参考)】
2C032
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2C032HD11
3D241BA31
3D241BA49
3D241BA51
3D241BA60
3D241BB40
3D241CD10
3D241CD12
3D241DA13Z
3D241DA23Z
3D241DA42Z
3D241DA52Z
3D241DB02Z
3D241DC26Z
3D241DC33Z
3D241DC35Z
3D241DC42Z
3D241DD13Z
5H181AA01
5H181CC01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181CC24
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
5H181LL11
(57)【要約】
【課題】本当に必要なシーンでのみすれ違い運転を支援する運転支援装置を得ること。
【解決手段】自車両情報と対向車両情報と道路情報とに基づいて狭路で自車両が対向車両とすれ違うことが予測される狭路すれ違い状態であるか否かを判定する狭路すれ違い状態判定部と、狭路すれ違い状態であると判定された場合に対向車の速度の情報に基づいて自車両のすれ違い運転の支援を許可するか否かを判定する支援許可判定部と、すれ違い運転の支援を許可すると判定された場合に側面カメラで撮像した撮像映像をディスプレイに表示させるすれ違い支援実施部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の横幅と速度の情報を含む自車両情報を取得する自車両情報取得部と、
前方カメラで撮像した撮像画像に基づいて対向車両の横幅と位置と速度の情報を含む対向車両情報を取得する対向車両情報取得部と、
前記自車両の速度変化と、前記対向車両の速度変化と、前記自車両と前記対向車両の相対位置とから、前記自車両と前記対向車両がすれ違う際の前記対向車両の速度を推定する、すれ違い速度推定部と、
前記前方カメラで撮像した撮像画像に基づいて前記自車両が走行中の道路の情報であって少なくとも路側物の位置の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得部と、
前記自車両情報と前記対向車両情報と前記道路情報とに基づいて狭路で前記自車両が前記対向車両とすれ違うことが予測される狭路すれ違い状態であるか否かを判定する狭路すれ違い状態判定部と、
該狭路すれ違い状態であると判定された場合に前記自車両と前記対向車両がすれ違う際の前記対向車両の速度に基づいて前記自車両のすれ違い運転の支援を許可するか否かを判定する支援許可判定部と、
該すれ違い運転の支援を許可すると判定された場合に側面カメラで撮像した撮像画像をディスプレイに表示させるすれ違い支援実施部と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記道路情報取得部は、自車両前方の道路上に存在する路側物の位置を取得し、該取得した路側物の位置と前記対向車両情報取得部で取得した前記対向車両の位置に基づいて、前記自車両がすれ違うために通行する道路幅である通行可能幅を算出する、通行可能幅算出部を有することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記道路情報取得部は、自車両前方の道路上に存在する路側物の位置を取得し、該取得した路側物の位置と前記対向車両情報取得部で取得した前記対向車両の位置に基づいて、すれ違う際に前記対向車両が幅寄せするために必要な道路上の余裕幅を対向車両幅寄せ余裕幅として算出する、対向車両幅寄せ余裕幅算出部を有することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記自車両情報と前記道路情報に基づき、前記対向車両とのすれ違いに関して、前記すれ違い運転の支援が不要であるか否かを判定する支援不要判定部を有することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記支援不要判定部は、前記道路情報取得部で取得した白線の情報に基づいて、前記自車両が白線を逸脱しているか否かを判定し、前記自車両が前記白線を逸脱していない場合に前記すれ違い運転の支援は不要と判定することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記支援不要判定部は、前記自車両情報取得部で取得した前記自車両のウインカ点灯状態の情報に基づき、前記自車両のウインカが点灯しているか否かを判定し、前記自車両のウインカが点灯している場合に前記すれ違い運転の支援は不要と判定することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記支援不要判定部は、前記自車両情報取得部で取得した前記自車両の横幅と、前記道路情報取得部で取得した前記路側物の位置情報に基づいて、前記自車両が前記路側物に対して幅寄せできているか否かを判定し、前記自車両が幅寄せできていると判定された場合に前記すれ違い運転の支援は不要と判定することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項8】
前記支援不要判定部は、前記自車両情報取得部で取得した前記自車両の操舵角の情報に基づいて、前記自車両が直進しているか否かを判定し、前記自車両が直進していない場合に前記すれ違い運転の支援は不要と判定することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項9】
前記支援不要判定部は、前記前方カメラで撮像された撮像画像に基づいて、前記自車両の前方を前記自車両と同一方向に走行する先行車両の少なくとも横幅に関する情報を取得し、該先行車両の横幅が前記自車両情報取得部で取得した前記自車両の横幅よりも広いか否かを判定し、前記自車両の横幅より前記先行車両の横幅の方が広い場合に前記すれ違い運転の支援は不要と判定することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項10】
前記すれ違い支援実施部から取得した支援実施状態に基づいて、前記自車両が前記対向車両とのすれ違いが完了した場合に、前記すれ違い運転の支援を終了するか否かの判定を行う支援終了判定部を有することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項11】
前記支援終了判定部は、前記自車両情報取得部で取得した速度とアクセル開度と走行距離とギア状態とサイドブレーキ状態とウインカ点灯状態の少なくとも一つの情報に基づいて、前記自車両が前記対向車両とのすれ違いが完了したか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の運転支援装置。
【請求項12】
前記すれ違い支援実施部は、前記支援終了判定部で取得した判定結果に基づき、前記すれ違い運転の支援を継続もしくは終了することを特徴とする請求項10に記載の運転支援装置。
【請求項13】
前記すれ違い支援実施部から取得した支援実施状態に基づいて、前記自車両と前記対向車両とのすれ違いが発生しなくなった場合に、前記すれ違い運転の支援の必要の有無を判定する支援強制終了判定部を有することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項14】
前記支援強制終了判定部は、前記対向車両情報取得部で取得した位置情報に基づいて、前記対向車両が右折もしくは左折することにより前記自車両の前方の走行中の道路からいなくなった場合に、前記すれ違い運転の支援を終了することを特徴とする請求項13に記載の運転支援装置。
【請求項15】
前記すれ違い支援実施部は、前記支援強制終了判定部で取得した判定結果に基づき、前記すれ違い運転の支援を継続もしくは終了することを特徴とする請求項13に記載の運転支援装置。
【請求項16】
前記すれ違い支援実施部は、前記自車両の横幅と前記道路情報取得部で取得した路側物の位置情報に基づき、前記自車両の幅寄せ状態を推定し、前記自車両の幅寄せが不十分もしくは過度の場合は操舵支援を行うことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項17】
自車両の横幅と速度の情報を含む自車両情報を取得する自車両情報取得部と、
前方カメラで撮像した撮像画像に基づいて対向車両の横幅と位置と速度の情報を含む対向車両情報を取得する対向車両情報取得部と、
前記前方カメラで撮像した撮像画像に基づいて前記自車両が走行中の道路の情報であって少なくとも路側物の位置の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得部と、
前記自車両情報と前記対向車両情報と前記道路情報とに基づいて狭路で前記自車両が前記対向車両とすれ違うことが予測される狭路すれ違い状態であるか否かを判定する狭路すれ違い状態判定部と、
該狭路すれ違い状態であると判定された場合に前記自車両と前記対向車両がすれ違う際の前記対向車両の速度に基づいて前記自車両のすれ違い運転の支援を許可するか否かを判定する支援許可判定部と、
前記対向車両の位置と前記路側物の位置の情報に基づいて、前記自車両が前記対向車両とすれ違いを行う際に前記対向車両が道路端に幅寄せする道路上の余裕幅を対向車両幅寄せ余裕幅として算出する対向車両幅寄せ余裕幅算出部と、
前記対向車両幅寄せ余裕幅が閾値よりも大きい場合に、前記すれ違い運転の支援を不要と判定する支援不要判定部と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路幅が狭い道路を走行中に運転手の支援を行う運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、道路幅が狭い道路(狭路)を走行中に対向車両とすれ違う状況が発生した場合に、運転手の運転を支援することを目的としたナビゲーション装置の技術が開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−106945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、主に道路幅と自車両の車幅と対向車の車幅とに基づいて道路幅が狭い道路でのすれ違い(狭路すれ違い)であるかを判定し、狭路すれ違いであると判定した場合に、自車両のすれ違い運転を支援するための運転支援制御を実行している。しかしながら、狭路すれ違いであっても、例えば対向車が速い速度のままですれ違う場合には、すれ違いに余裕があると考えられ、すれ違い運転の支援を運転者が必要としていない可能性が高い。このように実際には必要がないシーンでもすれ違い運転を支援するための運転支援制御が実行されてしまうと、運転の快適性が損なわれる可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、本当に必要なシーンでのみすれ違い運転を支援する運転支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の運転支援装置は、自車両の横幅と速度の情報を含む自車両情報を取得する自車両情報取得部と、前方カメラで撮像した撮像画像に基づいて対向車両の横幅と位置と速度の情報を含む対向車両情報を取得する対向車両情報取得部と、前記自車両の速度変化と、前記対向車両の速度変化と、前記自車両と前記対向車両の相対位置とから、前記自車両と前記対向車両がすれ違う際の前記対向車両の速度を推定する、すれ違い速度推定部と、前記前方カメラで撮像した撮像画像に基づいて前記自車両が走行中の道路の情報であって少なくとも路側物の位置の情報を含む道路情報を取得する道路情報取得部と、前記自車両情報と前記対向車両情報と前記道路情報とに基づいて狭路で前記自車両が前記対向車両とすれ違うことが予測される狭路すれ違い状態であるか否かを判定する狭路すれ違い状態判定部と、該狭路すれ違い状態であると判定された場合に前記自車両と前記対向車両がすれ違う際の前記対向車両の速度に基づいて前記自車両のすれ違い運転の支援を許可するか否かを判定する支援許可判定部と、該すれ違い運転の支援を許可すると判定された場合に側面カメラで撮像した撮像画像をディスプレイに表示させるすれ違い支援実施部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、狭路で自車両が対向車両とすれ違うことが予測される狭路すれ違い状態において、対向車両の速度を考慮して、すれ違い運転を支援する運転支援制御を実施するか否かが判定される。これにより、例えば狭路すれ違い状態において対向車両の車速が高い場合にはすれ違い運転の支援は行わず、車速が低い場合のみすれ違い運転の支援を行うことができる。したがって、対向車両が車速を低くする必要があるような、運転者にとってすれ違い運転の支援が本当に必要なシーンでのみ運転支援制御を実施することができ、対向車両が高い車速のまますれ違うような、運転者にとってすれ違い運転の支援が不要なシーンで運転支援制御が実施されてしまうのを未然に防ぐことができる。したがって、不必要なシーンで運転支援制御が実施されることにより運転の快適性が損なわれてしまうのを防ぐことができる。
【0008】
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】自車両に搭載された狭路すれ違い支援装置の概略構成を示すブロック図。
図2】対向車両とすれ違う状況の一例を示す俯瞰図。
図3】狭路すれ違い支援装置のプログラムの処理の流れを示す図。
図4】支援許可判定部のプログラムの処理の流れを示す図。
図5】支援不要判定部のプログラムの処理の流れを示す図。
図6】支援終了判定部のプログラムの処理の流れを示す図。
図7】対向車両が左折することによりすれ違いが発生しなくなった状況の一例を示す俯瞰図。
図8】すれ違い支援実施部のプログラムの処理の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、車両が道路の左側を通行することが義務づけられている地域に適用した場合を例に説明するが、これに限定されるものではなく、車両が道路の右側を通行することが義務づけられている地域にも同様に適用することができる。
【0011】
図1は、自車両に搭載された狭路すれ違い支援装置の概略構成を示す図である。本実施形態における狭路すれ違い支援装置1は、自車両の運転を支援する運転支援装置の一つであり、狭路で自車両が対向車両とすれ違うときに自車両のすれ違い運転を支援する運転支援制御を行うものである。
【0012】
狭路すれ違い支援装置1は、自車両に搭載され、図1に示すように、前方カメラ2、自車両情報3、側面カメラ10、ディスプレイ11、及び車両制御系13に接続されており、情報の入力及び出力をする機能を備えている。側面カメラ10、ディスプレイ11、及び車両制御系13は、狭路すれ違い支援装置1の支援機器を構成する。
【0013】
狭路すれ違い支援装置1は、大きく分けて狭路すれ違い支援判定部4と、すれ違い支援実施部9の2つで構成されている。
【0014】
狭路すれ違い支援判定部4は、狭路において自車両が対向車両とすれ違うことが予測される状況である場合に、すれ違い運転を支援する運転支援制御を実施するか否かを判定し、判定結果をすれ違い支援実施部9に送信する。
【0015】
すれ違い支援実施部9は、狭路すれ違い支援判定部4の判定結果に基づいて、自車両が直面したシーンについて必要な支援の内容を選択し、選択した内容の支援信号を狭路すれ違い支援判定部4および支援機器10と13に送信する。
【0016】
前方カメラ2は、自車両の前方を撮像するために車両に装着されたカメラであり、撮像した撮像画像を狭路すれ違い支援装置1に送信する。前方カメラ2は、撮像画像に基づいて、対向車両の横幅と位置と速度の情報を含む対向車両情報と、自車両が走行中の道路の情報であって路側物や白線の位置などの情報を含む道路情報を取得することができるものであればよく、ステレオカメラ或いは単眼カメラのいずれでもよい。また、前方カメラ2の代わりに、レーザーレーダやLidarなどの車両前方の物体を検出可能なセンサを用いてもよい。
【0017】
自車両情報3は、支援判定および支援実施のために必要な自車両の情報を、狭路すれ違い支援装置1に送信する。自車両情報3には、自車両の速度、アクセル開度、横幅、操舵角、ギアポジション、サイドブレーキ状態、及びウインカ点灯状態の少なくとも一つが含まれている。
【0018】
側面カメラ10は、自車両の側面に装着されたカメラであり、狭路すれ違い支援装置1においてすれ違い運転の支援が必要と判定された場合に自動で起動して、運転手にとって死角となる助手席側のタイヤ付近を撮像する。側面カメラ10は、本実施形態では、助手席側の前輪の周辺を撮像するように構成されている。側面カメラ10は、撮像した画像をディスプレイ11に送信する。ディスプレイ11は、撮像された画像を表示する。ディスプレイ11は、自車両の車室内に取り付けられており、運転者が運転しながら表示内容を確認できる位置に設置されている。側面カメラ10の撮像画像は、脱輪予防や路側物との接触防止などに用いられ、運転者や自車両によるすれ違い運転を支援することができる。
【0019】
車両制御系13は、自車両のステアリング、アクセル、及びブレーキを操作するアクチュエータを備えており、すれ違い支援実施部9から受信した支援信号に基づいて、すれ違い運転の支援が必要な場合に、自車両の脱輪および対向車両や路側物との接触が発生しないように車両制御を行う。また、自車両の側面から路側物や道路の側端まで余裕がある場合に、ステアリングを自動制御して幅寄せをする車両制御を行うこともできる。
【0020】
また、図2に、本実施形態が適用される場面の一例として、狭路で自車両が対向車両とすれ違う場面の俯瞰図を示す。
【0021】
道路Rが狭路であるか否かは、例えば道路Rの幅w10に基づいて判断され、幅w10が基準値よりも小さい場合に狭路であると判断される。狭路か否かの判断では、道路Rの幅w10に加えて、路側物M1、M2の有無や対向車両の横幅などを考慮してもよい。道路Rは、図2に示すように、左右両側に白線L1、L2が描かれており、さらにその両側には、例えば壁やガードレールや側溝のような路側物M1、M2が配置されている。この道路Rを走行する自車両50と対向車両60は、互いに接近する方向に向かって、それぞれ矢印v50とv60の示す向きに走行している。したがって、後にこの2台の車両50と60はすれ違うことになる。つまり、図2に示す状況は、狭路において自車両50が対向車両60とすれ違うことが予測される状況である。
【0022】
狭路すれ違い支援装置1は、この例に示すような、ある道路を互いに接近する方向に走行しており、道路幅が狭く2台の車両50と60がすれ違う際にほとんど余裕がないような狭路である場合に、すれ違い運転の支援が必要であるかを判定する。そして、すれ違い運転の支援が必要であるとの判定結果に基づいて運転手の死角となる助手席側のタイヤ付近を側面カメラ10で撮像してその撮像画像をディスプレイ11に表示させる制御を行う。
【0023】
狭路で自車両50が後に対向車両60とすれ違うことが予測される状態で、すれ違い運転の支援を実現するために、狭路すれ違い支援装置1では、まず、狭路すれ違い支援判定部4にて上記状態であるか否かを判定する。そして、狭路すれ違い支援判定部4で判定された判定結果は、すれ違い支援実施部9に送信され、状況に応じた支援が実施される。
【0024】
狭路すれ違い支援判定部4は、前方カメラ2で撮像された画像と自車両情報3に基づいて判定処理を行う。狭路すれ違い支援判定部4では、画像1枚につき1回の判定が行われる。すなわち、例えば、前方カメラ2で撮像された画像の送信周期が50msの場合、50msに1回、狭路すれ違い支援判定が行われる。狭路すれ違い支援判定部4は、支援許可判定部5と支援不要判定部6と支援終了判定部7と支援強制終了判定部8を有する。
【0025】
次に、狭路すれ違い支援判定部4の処理動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
まず、ステップS100で、すれ違い支援実施部9から受信した支援信号に基づいて、既に狭路すれ違い支援が実施されているかを判定する。ステップS100で、すれ違い支援が実施されていない(NO)と判定された場合は、支援許可判定部5により支援許可判定処理S101を実施し、次いで支援不要判定部6により支援不要判定処理S102を実施し、その判定結果を支援実施許可フラグF1として出力する。
【0027】
支援許可判定処理S101では、狭路で自車両が対向車両とすれ違うことが予測される狭路すれ違い状態であるか否かを判定する処理と(狭路すれ違い状態判定部)、狭路すれ違い状態であると判定された場合に対向車の速度に基づいて自車両のすれ違い運転を支援する運転支援制御の実施を許可するか否かを判定する処理が行われる。そして、支援不要判定処理S102では、自車両の状態に基づいて、すれ違い運転の支援が不要であるか否かを判定する処理が行われる。
【0028】
ステップS103では、出力された支援実施許可フラグF1がONであるか否かが判断される。支援実施許可フラグF1がONの場合は(YES)、支援が必要と判定され、OFFの場合は(NO)、支援が不必要と判定される。ステップS103において、以下の信号をすれ違い支援実施部9に送信し、すれ違い支援実施部9によりすれ違い支援実施処理か、すれ違い支援不実施処理が行われる。
(1)支援が必要と判定された場合:F1=ON
(2)支援が不必要と判定された場合:F1=OFF
F1=ONの場合、S109に進み、すれ違い支援実施部9にすれ違い支援を実施する信号を送信する。F1=OFFの場合、S108に進み、すれ違い支援実施部9にすれ違い支援を実施しない信号を送信する。
【0029】
また、ステップS100で既にすれ違い支援が実施されている(支援実施中;YES)と判定された場合は、ステップS104ですれ違いが完了したか否かを判定する。すれ違いが完了したか否かは、例えば自車両50の速度とアクセル開度と走行距離とギア状態とサイドブレーキ状態とウインカ点灯状態の少なくとも一つの情報に基づいて判定される。
【0030】
ステップS104で、すれ違いが完了した(YES)と判定された場合に、支援終了判定部7による支援終了判定処理S105を実施し、その判定結果を支援終了許可フラグF2として出力する。支援終了判定処理S105では、支援を終了するか否かの判定がなされる。支援終了判定部7は、すれ違い支援実施部9から取得した支援実施状態に基づいて、自車両50が対向車両60とのすれ違いが完了した場合に、すれ違い運転の支援を終了するか否かの判定を行う。支援終了判定処理S105では、複数の条件のうち1つでも条件が成立すれば支援を終了する。支援終了判定処理S105の詳細な内容については、後で図6を用いて説明する。
【0031】
ステップS104においてすれ違いが完了していない(NO)と判定された場合は、支援強制終了判定処理S106に移行する。支援強制終了判定処理S106では、例えば対向車両が右折もしくは左折することにより今後すれ違いが発生しなくなる可能性を考慮して、すれ違い前に支援を強制終了するか否かの判定がなされる。支援強制終了判定処理S106は、支援強制終了判定部8で実施され、支援終了許可フラグF2が出力される。
【0032】
支援終了判定処理S105もしくは支援強制終了判定処理S106を実施後、支援終了許可フラグF2に基づき、ステップS107で支援を終了するか否かを判定する。ステップS107において、以下の信号をすれ違い支援実施部9に送信する。
(3)支援を終了せず、継続する場合:F2=ON
(4)支援を終了する場合:F2=OFF
F2=ONの場合、S109に進み、すれ違い支援実施部9にすれ違い支援を継続して実施する信号を送信する。F2=OFFの場合、S108に進み、すれ違い支援実施部9にすれ違い支援を継続して実施しない信号を送信する。
【0033】
次に、支援許可判定部5の支援許可判定処理S101について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
ステップS200からステップS205では、狭路で自車両が対向車両とすれ違うことが予測される狭路すれ違い状態であるか否かを判断するための情報を取得する処理が行われ、主として、自車両情報と対向車両情報と道路情報の取得が行われる。
【0035】
まず、ステップS200では、自車両50の自車両情報を取得する(自車両情報取得部)。ここでは、少なくとも横幅を含む自車両50の情報を取得する。具体的には、自車両の横幅w50、自車速v50、アクセル開度、操舵角、ギア状態、サイドブレーキ状態、及びウインカ点灯状態の各情報を取得する。さらに、過去の自車速v50の変化に基づいて自車両50の減速度を算出しておく。
【0036】
ステップS201では、対向車両60の対向車両情報を取得する(対向車両情報取得部)。ここでは、少なくとも対向車両の横幅w60、車速v60、及び自車両50に対する位置の情報を取得する。そして、自車両50と対向車両60の位置の情報に基づいて自車両50から対向車両60までの距離(車両前後方向の距離)d100を算出する。さらに、過去の対向車両の速度v60の変化に基づいて対向車両60の減速度を算出する。
【0037】
そして、自車両50の横幅w50と対向車両60の横幅w60と対向車両60の位置の情報に基づいてオーバーラップ量w90(mm)を算出し、オーバーラップ量w90からオーバーラップ率L(%)を算出しておく。オーバーラップ率L(%)は、以下の式(1)、(2)によって算出する。
対向車両が自車両とラップしている場合
L=(w90/w50)×100・・・式(1)
対向車両が自車両とラップしていない場合
L=−(w90/w50)×100・・・式(2)
【0038】
なお、オーバーラップ率とは、自車両と対向車両との横幅方向の位置関係を示す率であり、ラップしている場合、つまり、自車両と対向車両とが互いに対向した状態で横幅方向において重なる位置関係にある場合にはプラスの率となり、ラップしていない場合、つまり、自車両と対向車両とが互いに対向した状態で横幅方向において離れている位置関係にある場合には、マイナスの率となる。
【0039】
ステップS202では、ステップS200で算出した自車両50の減速度(速度変化)と、ステップS201で算出した対向車両60の減速度(速度変化)と、自車両50から対向車両60までの距離d100(自車両50と対向車両60との相対位置)の情報に基づいて、自車両50と対向車両60がすれ違うすれ違い位置における対向車両60の速度v70を算出し、すれ違い速度として推定する(すれ違い速度推定部)。
【0040】
ステップS203では、自車両50前方の走行中の道路Rの情報を取得する(道路情報取得部)。道路Rの情報には、例えば、道路Rの形状、道路幅w10、勾配、自車両50に対する路側物M1、M2の位置、及び自車両50に対する白線L1、L2の位置等の情報の少なくとも一つが含まれている。道路Rの情報は、前方カメラ2で撮像された撮像画像から取得し、また、カーナビなどの地図情報から取得してもよく、さらに、他車間通信や路車間通信により取得してもよい。
【0041】
ステップS204では、ステップS201で取得した対向車両60の位置とステップS203で取得した路側物M1の位置の情報に基づいて、自車両50が対向車両60とすれ違うために通行する道路幅である通行可能幅w70を算出する(通行可能幅算出部)。ここでは、対向車両60から路側物M1までの間の道路幅を通行可能幅w70として算出する。
【0042】
ステップS205では、ステップS201で取得した対向車両60の位置とステップS203で取得した路側物M1の位置の情報に基づいて、すれ違いを行う際に対向車両60が道路端に幅寄せするために必要な道路R上の余裕幅を対向車両幅寄せ余裕幅w80として算出する(対向車両幅寄せ余裕幅算出部)。ここでは、対向車両60の側面から路側物M2までの幅を対向車両幅寄せ余裕幅w80として算出する。
【0043】
次に、ステップS206からステップS212では、自車両50のすれ違い運転を支援する運転支援制御の実施を許可するか否かを複数の条件に基づいて判定する処理が行われる。
【0044】
まず、ステップS206では、自車速OKか否かが判定される。具体的には、自車速v50が閾値以内であるか否かを判定し、閾値以内の場合は自車速OK(YES)と判定し、閾値よりも大きい場合は自車速NG(NO)と判定する。自車速v50が閾値以内の場合は、自車両50がすれ違い運転を行うべく自車両50の速度をある程度低くしていると判断できる。したがって、すれ違い運転の支援を許可可能と判定して、ステップS207に進む。一方、自車速v50が閾値よりも大きい場合は、自車両50がすれ違い運転を行うまでもなく、自車両50が容易に対向車両60とすれ違うことができると判断できる。したがって、すれ違い運転の支援を不要と判定して、ステップS213に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0045】
ステップS207では、対向車両位置OKか否かが判定される。具体的には、自車両50に対する対向車両60の位置情報に基づき、左側通行が義務付けられている地域においては対向車両60が自車両50の前方右側に存在するか否かを判定する。そして、対向車両60が自車両50の前方右側に存在する場合は、対向車両位置OK(YES)であり、すれ違い運転の支援を許可可能と判定して、ステップS208に進む。一方、対向車両60が自車両50の前方右側に存在しない場合は、対向車両位置NG(NO)であり、すれ違い運転の支援を不要と判定し、ステップS213に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0046】
ステップS208では、対向車両距離OKか否かが判定される。具体的には、自車両50から対向車両60までの距離d100が閾値以内であるか否かを判定し、閾値以内の場合は対向車両距離OKであり、支援を許可すると判定してステップS209に進む。一方、距離d100が閾値よりも大きい場合(NO)は対向車両60が遠方に存在し、まだ支援を実施しなくても良いと判断できるため、対向車両距離NG(NO)であり、支援を不要と判定し、ステップS213に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0047】
ステップS209では、ラップ度合いOKか否かが判定される。具体的には、自車両50に対する対向車両60のオーバーラップ率Lが上限値と下限値の間の閾値範囲内であるか否かを判定する(−○○≦L≦+○○)。閾値範囲内の場合(YES)は自車両50と対向車両60がすれ違う際に互いに接触する可能性があると判断できるため、支援を許可すると判定してステップS210に進む。一方、オーバーラップ率Lが閾値範囲よりも低いもしくは閾値範囲よりも大きい場合(NO)は、支援を不要とし、ステップS213に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0048】
本実施形態の狭路すれ違い支援装置1は、衝突回避のみでなく、運転者が快適にすれ違い運転を行うことができるように支援するための装置でもあり、対向車両60と自車両50とがラップはしていないが、実際にすれ違う際に僅かな隙間ですれ違いになる場合にも、すれ違い運転の支援を行うことを目的としている。このため、すれ違い運転の支援を行うか否かを判定するための条件として、オーバーラップ率を使用しており、オーバーラップ率がマイナスの値でも閾値範囲内であれば支援を行うようにしている。
【0049】
ステップS210では、すれ違い速度OKか否かが判定される。具体的には、対向車両60が自車両50とすれ違う際の速度v70が閾値以内であるか否かを判定し、閾値以内の場合はすれ違い速度OK(YES)であり、支援を許可可能と判定してステップS211に進む。一方、速度v70が閾値よりも大きい場合は対向車両60が余裕をもって自車両50とすれ違うことができると判断できるため、すれ違い速度NG(NO)であり、支援を不要と判定し、ステップS213に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0050】
ステップS211では、通行可能幅OKか否かが判定される。具体的には、自車両50が対向車両60とすれ違うために通行する道路幅である通行可能幅w70が閾値以内であるか否かを判定し、閾値以内の場合は通行可能幅OKであり、支援を許可可能と判定してステップS212に進む。一方、通行可能幅w70が閾値よりも大きい場合は自車両50が余裕をもってすれ違うことができると判断できるため、通行可能幅NG(NO)であり、支援を不要と判定し、ステップS213に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0051】
ステップS212では、対向車幅寄せ余裕幅OKか否かが判定される。具体的には、対向車両60が路側物M2側に幅寄せするために必要な道路上の余裕幅である対向車両幅寄せ余裕幅w80が閾値以内であるか否かを判定し、閾値以内の場合は対向車幅寄せ余裕幅OK(YES)であり、支援を許可可能と判定して、さらに支援不要判定処理S102に進み、閾値よりも大きい場合は対向車両がすれ違う前までに幅寄せすると判断できるため、対向車幅寄せ余裕幅NG(NO)であり、支援を不要と判定し、ステップS213に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0052】
次に、支援不要判定部6の処理動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。支援不要判定部6は、白線逸脱判定とウインカ点灯判定と幅寄せ判定と直進判定と先行車両判定を行うことにより、すれ違い運転の支援が不要なシーンであるか否かを判断する。
【0053】
ここでは、自車両情報取得処理S200で取得した自車両情報と道路情報取得処理S203で取得した道路情報に基づき、自車両50が直面したシーンにおいてすれ違い運転の支援が不要であるか否かを判定する。
【0054】
まず、ステップS300では、道路情報に含まれている白線情報に基づいて、自車両50が白線を逸脱しているか否かが判定される。ここでは、道路情報取得処理S203により白線L1を検出した場合、前方カメラ2で撮像される撮像画像内に存在する白線L1、L2の軌跡から自車両50の側方に存在する白線L1の位置を推定する。次に推定した白線L1の位置と自車両50のタイヤ位置を比較することにより自車両50が白線L1を逸脱しているか否かを判定する。自車両50が白線L1を逸脱している(YES)と判定された場合は、支援が必要と判断し、ステップS301に進む。一方、自車両50が白線L1を逸脱していない(NO)と判定された場合は、支援は不必要と判断し、ステップS306に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0055】
ステップS301では、自車両50のウインカが点灯しているか(方向指示器が操作されているか)否かを判定する。そして、ウインカが点灯していない(NO)場合(方向指示器が操作されていない場合)は、支援が必要と判断し、ステップS302に進む。一方、ウインカが点灯している(YES)場合(方向指示器が操作されている場合)は、支援は不必要と判断し、ステップS306に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0056】
ステップS302では、自車両50の横幅と路側物M1の位置の情報に基づいて、自車両50が路側物M1に幅寄せできているか否かを判定する。ここでは、道路情報取得処理S203で取得した路側物M1の位置情報に基づき、自車両50の側面から路側物M1までの距離w100が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上の場合は幅寄せができておらず(NO)、支援が必要と判断し、ステップS303に進む。一方、路側物M1までの距離w100が閾値よりも小さい場合は、幅寄せができている(YES)と判断できるため、支援は不必要と判断し、ステップS306に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0057】
ステップS303では、自車両50の操舵角の情報に基づいて、自車両50が直進しているか否かを判定する。ここでは、自車両50の操舵角が閾値以内であるか否かを判定し、閾値以内である場合は自車両50が直進していると判断できるため(YES)、支援が必要と判断し、ステップS304に進む。一方、操舵角が閾値よりも大きい場合は自車両50が直進しておらず曲線路を通行していると判断できるため(NO)、支援は不必要と判断し、ステップS306に進み、支援実施許可フラグF1をOFFとする。
【0058】
ステップS304では、先行車両が存在するか否かを判定する。ここでは、自車両50の前方に自車両と同一方向に走行する先行車両が存在しかつその先行車両の横幅が自車両50の横幅よりも広いか否かが判定される。先行車両が存在しかつ先行車両の横幅が自車両50の横幅よりも広い場合(YES)は、先行車両が対向車両60とすれ違うことができたときに自車両50は余裕をもって対向車両60とすれ違うことができると判断できる。したがって、すれ違い運転の支援は不要となり、ステップS306に移行して支援実施許可フラグF1をOFFとする。そして、自車両50の前方に先行車両が存在しない、或いは、先行車両の横幅が自車両50の横幅以下の場合(NO)は、支援が必要と判断し、ステップS305に移行して支援実施許可フラグF1をONとする。ここで、先行車両の横幅は、例えば前方カメラ2で撮像した撮像画像に基づき算出される。
【0059】
次に、支援終了判定部7の処理動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。支援終了判定部7は、自車両50の速度とアクセル開度と走行距離とギア状態とサイドブレーキ状態とウインカ点灯状態の少なくとも一つの情報を用いて自車両50と対向車両60とのすれ違いが終了したことを判定し、支援実施を終了する処理を行う。
【0060】
ここでは、自車両情報取得処理S200で取得した自車両情報に基づいて、すれ違い運転の支援を終了するか否かを判定する。
【0061】
まず、ステップS400では、自車速v50が十分に速いか否かが判断される。ここでは、自車速v50が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上の場合(YES)は自車速v50が十分に速く支援が必要ないと判断できるため、支援を終了すべく、ステップS407に移行して支援終了許可フラグF2をOFFとする。一方、自車速v50が閾値よりも小さい場合(NO)はさらに他の終了条件を判定すべく、ステップS401に進む。
【0062】
ステップS401では、アクセル開度が十分に大きいか否かが判断される。ここでは、アクセル開度が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上の場合(YES)は自車両50が加速しようとしており、すれ違い運転の支援が必要ないと判断できるため、支援を終了すべく、ステップS407に移行して支援終了許可フラグF2をOFFとする。一方、アクセル開度が閾値よりも小さい場合は、さらに他の終了条件を判定すべく、ステップS402に進む。
【0063】
ステップS402では、走行距離が十分であるか否かが判断される。ここでは、支援を開始してからの走行距離が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上の場合(YES)は自車両50が十分に進み対向車両60とのすれ違いが終了したと判断できるため、支援を終了すべく、ステップS407に移行して支援終了許可フラグF2をOFFとする。一方、走行距離が閾値よりも小さい場合(NO)は、さらに他の終了条件を判定すべく、ステップS403に進む。
【0064】
ステップS403では、自車両50のギアのポジションがドライブ「D」もしくはリバース「R」になっているか否かが判断される。ギアのポジションがドライブ「D」もしくはリバース「R」以外の場合(NO)には、支援を終了すべく、ステップS407に移行して支援終了許可フラグF2をOFFにする。一方、ギアのポジションがドライブ「D」とリバース「R」の場合(YES)には、自車両50がすれ違い動作中であると判断できるため、さらに他の終了条件を判定すべく、ステップS404に進む。
【0065】
ステップS404では、自車両50のサイドブレーキが引かれているか否かが判断される。そして、サイドブレーキが引かれている場合(YES)は、すれ違いが終了し自車両50を完全に停車させようとしていると判断できるため、支援を終了すべく、ステップS407に移行して支援終了許可フラグF2をOFFとする。一方、サイドブレーキが引かれていない場合(NO)には、さらに他の終了条件を判定すべくステップS405に進む。
【0066】
ステップS405は、自車両50のウインカが点灯しているか否かが判断される。そして、ウインカが点灯している場合(YES)は自車両が右左折しようとしていると判断できるため、ステップS407に移行して、支援終了許可フラグF2をOFFとする。一方、ウインカが点灯していない場合(NO)は、支援を継続すべく、ステップS406に進み、支援終了許可フラグF2をONにする。
【0067】
次に、支援強制終了判定部8の処理動作について説明する。支援強制終了判定部8は、対向車両60の位置の変化から、対向車両60が右折もしくは左折することにより支援が必要なくなったことを判定し、支援を即時終了する処理を行う。
【0068】
この処理は、図7に示すように、例えば対向車両60が左折することによって、対向車両60とのすれ違いが発生しなくなった場合に支援を即時終了するために動作し、対向車両60の位置の情報に基づいて、すれ違いが発生しなくなった状況を判定する。
【0069】
具体的には、図7(a)に示すように、対向車両60の中心から自車両50に対して平行に伸びる線分を対向車両中心線CLとし、自車両50の側面から対向車両中心線CLまでの垂直方向の距離w110を取得する。
【0070】
次に、同図(b)に示すように、対向車両60が左折を開始した場合、対向車両中心線CLが自車両50から離れるため、対向車両中心線CLまでの距離w110が大きな値となる。
【0071】
本処理では、この対向車両60が左折する一連の動作を行っている間の対向車両中心線CLまでの距離w110の変化に基づいて、対向車両60が左折したことを判定し、対向車両60が左折した場合は支援終了判定フラグF2をOFFとする。
なお、図示省略するが、対向車両60が右折する場合は、対向車両中心線CLが自車両50に近づくため、対向車両中心線CLまでの距離w110が小さな値となる。この場合、対向車両60が右折する一連の動作を行っている間の対向車両中心線CLまでの距離w110の変化に基づいて、対向車両60が右折したことを判定し、対向車両60が右折した場合は支援終了判定フラグF2をOFFとする。
【0072】
続いて、すれ違い支援実施部9の処理動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。すれ違い支援実施部9は、狭路すれ違い支援判定部4の判定結果に基づき、すれ違い支援が必要と判定された場合は側面カメラ10や車両制御系13にすれ違い支援を実施させ、すれ違い支援が不必要と判定された場合はすれ違い支援の実施を終了させる処理を行う。
【0073】
すれ違い支援実施部9は、通行可能幅の大きさと自車両50の脱輪・接触の可能性などの情報に基づき、自車両50が直面したシーンに適した支援を選択し、選択された支援信号を支援実施のために必要な装置に送信する。例えば、すれ違い支援実施部9は、支援許可と判定された場合に側面カメラ10を起動して、側面カメラ10で撮像した画像をディスプレイに表示させる処理を行う。なお、側面カメラ10で撮像した画像は、運転者の死角となる助手席側の路面付近を含む。
【0074】
すれ違い支援実施部9は、自車両50と対向車両60のすれ違い難易度を判定する。そして、すれ違い難易度が高い場合には、側面カメラ10に加えて、車両制御系13に対するすれ違い支援の実施を指示する。すれ違い難易度は、自車両50の横幅w50と通行可能幅w70の情報に基づいて判定され、閾値により判断される。閾値は運転者により任意に設定できるようにしてもよい。
【0075】
まず、ステップS500では、自車両50の横幅w50と通行可能幅w70の情報に基づいて、自車両50と対向車両60のすれ違い難易度が判定される。ここでは、通行可能幅w70と自車両50の横幅w50がほぼ等しい値か否かが判断される。そして、通行可能幅w70と自車両50の横幅w50との差分が大きい(NO)と判断された場合には、すれ違い難易度は低いと判定され、ステップS502に移行し、側面カメラ10の起動が行われる。
【0076】
一方、ステップS500で通行可能幅w70と自車両50の横幅w50がほぼ等しい値(YES)と判断された場合には、すれ違い難易度は高いと判定され、ステップS501に移行する。ステップS501では、自車両50の路側物M1への幅寄せが不十分で対向車両60と接触の可能性があるか、もしくは自車両50を路側物M1に幅寄せしすぎて脱輪・接触の可能性があるかが判断される。
【0077】
例えば、自車両50の横幅w50が通行可能幅w70と比較してほとんど差分がない場合には、すれ違いが可能であると判定されたとしても、すれ違い時に幅寄せが不十分で自車両50が対向車両60と接触する可能性、もしくは過度に幅寄せしすぎて脱輪や路側物M1と接触する可能性がある。したがって、ステップS501で自車両50の路側物M1への幅寄せが不十分で対向車両60と接触の可能性がある、もしくは自車両50を路側物M1に幅寄せしすぎて脱輪・接触の可能性がある(ステップS501でYES)と判断された場合には、すれ違い難易度が高いと判定し、ステップS504に移行する。
【0078】
ステップS501では、路側物M1と対向車両60の位置情報に基づいて判定を行う。すれ違い支援実施部9は、自車両50の横幅と路側物M1の位置情報に基づき、自車両50の幅寄せ状態を推定し、自車両50の幅寄せが不十分で対向車両60と接触する可能性がある、もしくは幅寄せしすぎて脱輪・接触の可能性がある場合は、ステップS504に移行し、側面カメラに起動の指示を出力する。そして、ステップS505に移行し、車両制御系13に車両制御の指示を出力する。
【0079】
例えば、自車両50と対向車両60がラップしているが、自車両50の側面から路側物M1までの距離w100が閾値以上であり、自車両50の左側領域に余裕がある場合は、対向車両60との接触の可能性があるがまだ幅寄せの余裕があると判定できるため、幅寄せするように自車両50の操舵支援を行う。さらに、自車両50と対向車両60がラップしておらず、かつ、現在の操舵角のまま走行すると路側物M1に接触するもしくは脱輪する可能性がある場合は、幅寄せを終了する方に自車両50の操舵支援を行う。
【0080】
上記のように、本実施例にかかる狭路すれ違い支援装置1は、前方カメラ2で取得した情報に基づいて、狭路において自車両が対向車両とすれ違うか否かを判定し、直面したシーンに適した運転支援を提供することができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 狭路すれ違い支援装置(運転支援装置)
2 前方カメラ
3 自車両情報
4 狭路すれ違い支援判定部
5 支援許可判定部
6 支援不要判定部
7 支援終了判定部
8 支援強制終了判定部
9 すれ違い支援実施部
10 側面カメラ
11 ディスプレイ
13 車両制御系
50 自車両
60 対向車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8