【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・平成30年5月15日、株式会社リビングコンシェル会議室(東京都千代田区大手町1−6−1 SPACES大手町ビル1F)で公開
【解決手段】情報処理システム100は、シェアスペースを快適化するための1以上のデバイス200と、デバイスと接続される情報処理装置300とを備える。デバイス200は、照明デバイス、スピーカ、空調デバイス、加湿器、除湿器、空気清浄器、脱臭・消臭器、アロマディフューザ、またはこれらの複合デバイスなどである。情報処理装置300は、デバイスと同じ建物内に配置される装置で、当該デバイスとローカルネットワークにより接続される、または、デバイスとインターネットを介して接続される。
前記シーン情報は、前記シェアスペースの利用目的に対応付けて記憶されているもの、または、前記シェアスペースの利用状態から解析されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記環境情報は、前記シェアスペースの所在地の天気状況および/または前記シェアスペースの利用時刻の少なくとも一つを含むものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記処理部は、前記撮像装置の移動位置として、前記シェアスペース内の3次元空間位置を特定して前記撮像情報を生成することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の情報処理システム、処理方法およびコンピュータプログラムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
初めに、本発明の実施形態に係る情報処理システムを、
図1を参照しながら説明する。
【0023】
本発明の実施形態に係る情報処理システム100は、シェアスペースを快適化するための1以上のデバイス200と、当該1以上のデバイスと接続される情報処理装置300とを備える。
【0024】
ここで、シェアスペースは、例えば、貸会議室、貸パーティースペース、貸オフィスなどのスペースであるが、これらに限られず、ユーザが一時的に利用可能なスペースであれば特に限定されるものではない。
【0025】
シェアスペースを快適化するための1以上のデバイス200は、例えば後述するような、光、音、温度、湿度、香りなどを調整可能なIoTデバイスをいう。デバイス200は、具体的には、照明デバイス、スピーカ、空調デバイス、加湿器、除湿器、空気清浄器、脱臭・消臭器、アロマディフューザ、またはこれらの複合デバイスなどである。そして、これらデバイスは、情報処理装置300からの指示を受信する受信部210および指示内容を実行する実行部220を備える、遠隔操作が可能なデバイスとすることができる。
【0026】
そして、本発明の情報処理装置300は、一例として、1以上のデバイスと同じ建物内に配置され、当該デバイスとローカルネットワークにより接続される装置、または、1以上のデバイスとインターネットを介して接続される装置とすることができる。
【0027】
ここで、
図2を用いて、本発明の情報処理装置300のハードウェア構成について説明する。情報処理装置300は、プロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、入出力インタフェース(入出力I/F)304と、通信インタフェース(通信I/F)305とを含む。各構成要素は、バスBを介して相互に接続される。
【0028】
情報処理装置300は、プロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、入出力I/F304と、通信I/F305との協働により、本実施形態に記載される機能、方法を実現する。
【0029】
プロセッサ301は、ストレージ303に記憶されるプログラムに含まれるコード又は命令によって実現する機能、及び/又は、方法を実行する。プロセッサ301は、例えば、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0030】
メモリ302は、ストレージ303からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ301に対して作業領域を提供する。メモリ302には、プロセッサ301がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ302は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む。
【0031】
ストレージ303は、プログラムを記憶する。ストレージ303は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含む。
【0032】
通信I/F305は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク400を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F305は、ネットワーク400を介して、他の情報処理装置との通信を実行する。通信I/F305は、各種データをプロセッサ301からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F305は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ301に伝達する。
【0033】
入出力I/F304は、情報処理装置300に対する各種操作を入力する入力装置、及び、情報処理装置300で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F304は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0034】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ301に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、音声出力装置を含むマイク(音声による操作入力)を含む。
【0035】
出力装置は、プロセッサ301で処理された処理結果を出力する。出力装置は、例えば、ディスプレイやスピーカ等を含む。
【0036】
図1に示したように、本発明の情報処理装置300は、取得部310と、処理部320と、送信部330とを備える。
【0037】
取得部310は、シェアスペース内のシーンに関するシーン情報およびシェアスペースの環境に関する環境情報を取得する。
【0038】
シェアスペース内のシーンに関するシーン情報は、例えばシェアスペースの利用目的に対応付けて記憶されているもの、または、シェアスペースの利用状態から解析された状態に対応づけて記憶されているものとすることができる。
【0039】
具体的には、シェアスペースの目的が、新規ビジネス発案会議の開催である場合には、「集中力」というシーン情報が対応付けて記憶されている。また、シェアスペースの利用状態が、利用者が室内を動き回るような「動」状態である場合には、「活動的」というシーン情報が対応付けられる。
図3は、予め用意されたこれらシーン情報のデータ構成の一例を示したテーブルである。
【0040】
上記シーン情報は、予約時または利用時における利用者からの利用目的の入力情報、および/または、室内に配置されたカメラやマイク等からの情報を利用して取得することができる。なお、このシーン情報は、シェアスペースの利用時間に対して1つに限られず、同じ時間内において複数のシーン情報が取得されてもよいし、利用時間を区切って複数のシーン情報が取得されてもよい。
【0041】
シェアスペースの環境に関する環境情報は、例えばシェアスペースの所在地の天気状況および/またはシェアスペースの利用時刻の少なくとも一つを含むものとすることができる。具体的には、シェアスペースの所在地の天気状況が「雨、外気温:11℃」、シェアスペースの利用時刻が「13時」、などが環境情報として取得される。
【0042】
上記環境情報は、気象庁などの外部サービスが提供する天気情報や、室内に配置された温度計や湿度計などの情報を利用して取得することができる。なお、この環境情報は、シェアスペースの利用時間に対して1つに限られず、同じ時間内において複数の環境情報が取得されてもよいし、利用時間を区切って複数の環境情報が取得されてもよい。
【0043】
そして、処理部320は、シーン情報および環境情報に基づいて、シェアスペース内を最適化するための最適化情報を生成する。
【0044】
最適化情報は、例えば、最適光情報、最適音情報、最適温度情報、最適湿度情報および/または最適香り情報の少なくとも一つを含むことができる。一例として、シーン情報として「集中力(ID:0001)」「非活動的(ID:0102)」、環境情報として「雨、外気温:11℃」が取得された場合には、
図4に示すように、最適化情報(ID:1001)として、「最適化光情報:昼白色」、「最適化音情報:モーツアルト」、「最適化温度情報:25℃」、「最適化湿度情報:50%」、「最適化香り情報:ミント」が生成されるものとする。
【0045】
このような最適化情報の組み合わせは、シーン情報および環境情報に対応付けて予め記憶されているデータテーブルを利用することができる。また、最適化情報に対する利用者によるフィードバック情報をもとに、最適化情報に関するデータテーブルを修正して更新し、最適化情報をより適切に学習していくのが好ましい。
【0046】
そして、送信部330は、最適化情報を1以上のデバイスに送信する。かかる最適化情報を受信したデバイスは、受信した情報に基づいて、シェアスペース内を最適化することができる。
【0047】
以上の構成により、本発明の情報処理装置は、最適化されたシェアスペースを提供することができる。
【0048】
また、シェアスペース内のデバイスを遠隔から自動で管理することにより、人件費を削減することができる。また、必要時のみデバイスの電源をONにすることで、節電の効果も期待することができる。
【0049】
上述した通り、最適化情報は、最適光情報、最適音情報、最適温度情報、最適湿度情報および/または最適香り情報の少なくとも一つを含むことができる。そして、送信部330は、最適化情報に基づく処理を実行可能な1以上のデバイスに対し、当該最適化情報を送信することを特徴とする。
【0050】
最適化情報に基づく処理を実行可能なデバイスとは、具体的には、最適化温度情報に対しては温度の調整が可能な空調デバイス、最適化湿度情報に対しては湿度の調整が可能な加湿・除湿器、最適化光情報に対しては照明デバイスなどが該当する。
【0051】
最適光情報に関しては、天候やシーン等に合わせた照明を提供することで、シェアスペース内の光を最適化することができる。
【0052】
最適音情報に関しては、外の雑音を遮蔽する音、心地よい音楽、隣の人と近くても違和感なく作業できる音楽を提供する等することで、シェアスペース内の音を最適化することができる。
【0053】
最適温度・湿度情報に関しては、常時温湿度をモニタリング等することで、シェアスペース内の温湿度を最適化することができる。
【0054】
最適香り情報に関しては、リラックス、集中、元気が出る香り等を香らせる、または、利用後の不快な臭いを和らげることで、シェアスペース内の香りを最適化することができる。
【0055】
具体的には、シェアスペースが待合室やノマドエリアである場合には、ドアを一歩入った瞬間から居心地の良さを体験できるよう、光:天候に合わせた調光、音:外の雑音の遮蔽、心地よい音楽、香り:一歩入った瞬間に適度に香る/消臭、温湿度:常時温湿度をモニタリングし、最適な空調・除湿を提供することで、シェアスペースを最適化する。
【0056】
具体的には、シェアスペースがプロジェクトルームや個室である場合には、ドアを一歩入った瞬間から集中力が高まるよう、光:天候に合わせた調光、音:周りの音の遮蔽、好きな音楽、音量をモニタリングすることで周りに迷惑をかけない、香り:集中力を高める/消臭、温湿度:常時温湿度をモニタリングし、最適な空調・除湿を提供することで、シェアスペースを最適化する。
【0057】
具体的には、シェアスペースがセミナールームや会議室である場合には、ドアを一歩入った瞬間からやる気が出るよう、光:セミナー(会議)内容により光を制御(シーンにより設定可能)、音:セミナー(会議)内容により音を制御(シーンにより設定可能)、香り:集中力を高める/消臭、温湿度:常時温湿度をモニタリングし、最適な空調・除湿を提供することで、シェアスペースを最適化する。
【0058】
このように、本発明によれば、
図5に示すように、シーン情報と環境情報に基づいて利用者の五感を最適化することができる。
【0059】
上述した通り、シーン情報は、シェアスペースの利用目的に対応付けて記憶されているもの、または、シェアスペースの利用状態から解析されるものとすることができる。
【0060】
以上の構成によれば、最適化されたシェアスペースを容易に提供することができる。
【0061】
上述した通り、環境情報は、シェアスペースの所在地の天気状況および/またはシェアスペースの利用時刻の少なくとも一つを含むものとすることができる。
【0062】
以上の構成によれば、最適化されたシェアスペースを容易に提供することができる。
【0063】
情報処理装置300は、
図6に示すように、さらに、利用者のシェアスペースへの入退室を管理する入退室管理部340を備えることができる。
図7〜
図10は、シェアスペースを利用する際の利用者による入退室管理端末の操作イメージを示す模式図である。この入退室管理端末は、利用者による入力の受付および情報処理装置300からの出力を表示するためのタッチパネル式のタブレット端末等とすることができる。この端末は、各会議室の前または代表受付カウンターなどに設置しておくのが好ましい。
【0064】
入退室管理部340は、一例として、シェアスペースである会議室Aの扉の開錠操作があった場合に、利用者が会議室Aへ入室したと判断し、当該会議室Aの使用ステータスを使用中とする。逆に、会議室Aの扉の施錠操作があった場合には、利用者が会議室Aから退室したと判断し、当該会議室Aの使用ステータスを不使用とする。
【0065】
図7に一例として示されるように、利用者は、事前に会議室を予約済みである場合には、予め付与された予約番号を入退室管理端末に入力することで会議室を開錠することができる。このとき、入退室管理端末には、会議室の場所を示すフロア案内図や矢印などを表示することもできる。また、予約番号の入力以外にも、利用者の生体情報を用いた認証方法や、利用者が所持するスマートフォン等の近距離無線通信機能を用いた認証方法を用いることもできる。
【0066】
そして、処理部320は、入退室管理部340により利用者がシェアスペースへ入室したと判定された場合に、最適化情報を生成することができる。例えば、利用者が会議室Aの扉の開錠操作をした場合に、扉の開錠、空調・換気扇の電源を入れる、予約したオプション機器(プロジェクタなど)の電源を入れる、会議室の外に設置されたモニタに利用者の名前や使用目的を表示するなどを行うとともに、シーン情報および環境情報に基づいて、最適化情報を生成する。
【0067】
また、
図8に一例として示されるように、利用者は、会議室を退室する際には、予め付与された予約番号を入退室管理端末に入力することで会議室を施錠することができる。そして、処理部320は、利用者が会議室Aの扉の開錠操作をした場合に、扉の施錠、空調・換気扇の電源を切る、予約したオプション機器(プロジェクタなど)の電源を切る、会議室の外に設置されたモニタに利用者の名前や使用目的の表示を削除し、会議室名を表示するなどを行う。
【0068】
かかる構成によれば、無人の受付システムと連動し、利用者がシェアスペースを利用する必要時にのみシェアスペースを最適化することで電力を節約することができる。
【0069】
また、利用者が事前の予約なしで会議室を利用したい場合には、
図9に示されるように、入退室管理端末に利用希望の日時や利用者の氏名・メールアドレス等の基本情報を入力する。その後、利用者のスマートフォンに決済用の登録用URLを記載したメールが送信され、利用者よる決済手続きが済むと会議室の開錠が行われ、会議室が利用可能となる。
【0070】
また、
図10に示されるように、利用後に次回利用の仮予約を行うこともできる。その場合にも、入退室管理端末に利用希望の日時や利用者の氏名・メールアドレス等の基本情報を入力する。その後、利用者のスマートフォンなどの端末に本予約用の登録用URLを記載したメールが送信され、利用者よる決済手続きが済むと次回の予約が完了する。
【0071】
上記取得部310は、さらに、シェアスペース内を撮像した画像情報を取得することができる。そして、処理部320は、さらに、画像情報に基づいてシェアスペース内の状態に異常があるか否かを判定する。
【0072】
画像情報は、室内に配置されたタブレット端末のカメラや、室内に備え付けられた監視カメラにより取得されるものとすることができる。なお、これらのデバイスは上述した1以上のデバイスに含まれるものとしてもよい。
【0073】
判定は、利用前と利用後の画像情報を比較することにより行われることができる。例えば、利用前に無かったものが利用後に在る場合や、利用前に在ったものが利用後に無くなっている場合には異常があると判定される。また、利用前に整っていた椅子が利用後に乱雑になっている場合には、異常があると判定される。
【0074】
シェアスペース内の状態に異常があると判定された場合、入退室管理部340は、当該シェアスペースから退室する利用者に対する報知情報を生成し、送信部330は、この報知情報を1以上のデバイスに送信する。
【0075】
報知情報は、ディスプレイを有するデバイスに表示されるものであってもよいし、音出力機能を有するデバイスから音声として出力されるものであってもよい。
【0076】
報知情報の内容は、「忘れ物があります」、「椅子を整えてください」「テレビが無くなっています」など、利用者が異常の内容を理解できるような内容とすることができる。
【0077】
以上の構成によれば、忘れ物、整理整頓不足、盗難などのおそれがある場合に、利用者に速やかに注意喚起を行うことができる。
【0078】
また、上述した画像情報に加え、室内に配置されたタブレット端末のマイクから取得される音声情報を収集することで、利用者の安全管理や利用者分析を行うこともできる。
【0079】
収集された情報はシェアスペースの最適化を実現するのに役立つとともに、マーケティング情報として分析し、利用することができる。
【0080】
本発明の情報処理装置300は、さらに、シェアスペースを含む建物のシェアスペース外の空間の1以上のデバイスおよびセンシング装置と接続され、取得部310は、センシング装置から空間における利用者の有無情報を取得し、処理部320は、有無情報および時刻情報に基づいて、シェアスペース外の空間の1以上のデバイスの電源のON/OFFを操作することができる。
【0081】
センシング装置としては、例えば人感センサがあげられるが、これに限られるものではなく、空間における利用者の有無がわかるものであればよい。
【0082】
具体的には、
図11に示されるように、予め決められた業務開始時間になると、設定された全館の各種デバイスの電源がON(例えば、玄関扉の開錠、照明の点灯、空調電源ON、音楽の再生開始)となる。
【0083】
同様に、予め決められた業務終了時間になると、設定された全館の各種デバイスの電源がOFF(例えば、玄関扉の施錠、照明の消灯、空調電源OFF、音楽の再生停止)となる。
【0084】
業務終了時に人感センサ等により人が残っていることが判明した場合には、自動での業務終了操作は延期される。
【0085】
以上の構成によれば、シェアスペースを含む建物の業務開始および終了時の管理を自動化することができる。
【0086】
本発明の情報処理装置300は、さらに、シェアスペース内を移動可能な撮像装置に接続され、取得部310は、さらに、シェアスペース内の利用者の行動に関する行動情報を取得し、処理部320は、行動情報に基づいて、撮像装置の移動位置および撮像タイミングを含む撮像情報を生成し、送信部330は、撮像情報を撮像装置に送信することができる。
【0087】
行動情報は、利用者の行動に関するものであり、複数の利用者が集まって笑っている、などの情報である。この行動情報は、上記撮像装置により撮影された画像から解析されるものであってもよいし、別のカメラによる画像から解析されるものであってもよい。
【0088】
図12は、かかる撮像装置が設置されたシェアスペースを示すイメージ図である。
図12に示されるように、シェアスペース内を、フロア天井に設置されたレールに沿って移動可能なロボットカメラをフロア天井に設置し、カメラの位置や向きを制御することで空間に存在する利用者を自動で撮影することができる。このようなカメラによるアングルは、日ごろ使い慣れた手持ちのスマートフォン等による撮像アングルではなく、プロカメラマンが脚立を利用し構築する斜め上方からのアングルであり、魅力的な写真を撮影することができる。
【0089】
また、フロア天井に埋め込まれた調光式の照明器具を制御することで、利用者に好適なライティング環境を提供することができる。
【0090】
以上の構成は、パーティースペースやスタジオなどで活用されることができる。
【0091】
処理部320は、撮像装置の移動位置として、シェアスペース内の3次元空間位置を特定して撮像情報を生成することができる。
【0092】
例えば、天井にカメラが移動可能なレールを配置し、カメラの平行移動を実現する。また、カメラにアームを取り付けることで、高さ方向の移動を実現する。これらにより3次元空間を自由に移動することができるようになる。
【0093】
また、
図13に示すように、フロアに設置された複数のカメラにより人とモノの動きを捉え、年齢層や利用シーンに応じた空間演出を提供することもできる。利用者が集まる場所や点在する場所の状況に応じて、対応する照明色、間接照明器具、BGMスピーカなどをリアルタイムに変化させ、通常施設では感じ得ない時の流れと共に進む空間変化と雰囲気を提供することができる。
【0094】
なお、シェアスペースは、フロアごとに利用目的が設定された1つのビルとすることもできる。例えば、ビルの中には、シアタールーム、待合・ノマドエリア、コワーキング・スタディルーム、プロジェクトルーム、コンセントレーションフロア、会議室(セミナー室)、パーティールーム、スタジオ、ラウンジ等のフロアがあるものとする。各フロアまたはフロア内の区画には、スマートロック、照明デバイス、空調デバイス、ロボットカメラ、音響デバイス、各種センサ、プロジェクタ、アロマ/消臭機器、ディスプレイが設置されることができる。
【0095】
そして、本発明によれば、予約から受付、退室までを自動で管理するとともに、最適化されたシェアスペースを提供することができる。
【0096】
続いて、本発明のコンピュータプログラムの実施形態について図面を参照しながら説明を行う。
【0097】
本発明のコンピュータプログラムは、シェアスペースを快適化するための1以上のデバイスと接続される情報処理装置に、取得機能と、処理機能と、送信機能とを実現させることを特徴とする。
【0098】
取得機能は、シェアスペース内のシーン情報およびシェアスペースに関する環境情報を取得する。
【0099】
処理機能は、シーン情報および環境情報に基づいて、シェアスペース内を最適化するための最適化情報を解析する。
【0100】
送信機能は、最適化情報を1以上のデバイスに送信する。
【0101】
上記取得機能、処理機能および送信機能は、
図14に示す取得回路410、処理回路420および送信回路430により実現されることができる。取得回路410、処理回路420および送信回路430は、それぞれ取得部310、処理部320、送信部330により実現されるものとする。各部の詳細については上述したとおりである。
【0102】
以上の構成により、本発明のコンピュータプログラムは、最適化されたシェアスペースを提供することができる。
【0103】
最後に、本発明の情報処理方法について図面を参照しながら説明を行う。
【0104】
本発明の情報処理方法は、シェアスペースを快適化するための1以上のデバイスと、当該1以上のデバイスと接続される情報処理装置とを備える情報処理システムにおける情報処理方法である。
【0105】
具体的には、
図15に示すように、情報処理装置に、取得ステップS510と、処理ステップS520と、送信ステップS530とを実行させ、1以上のデバイスに、受信ステップS540と、実行ステップS550とを実行させることを特徴とする。
【0106】
取得ステップS510は、シェアスペース内のシーン情報およびシェアスペースに関する環境情報を取得する。取得ステップS510は、取得部310により実行される。取得部310の詳細については上述したとおりである。
【0107】
処理ステップS520は、シーン情報および環境情報に基づいて、シェアスペース内を最適化するための最適化情報を解析する。処理ステップS520は、処理部320により実行される。処理部320の詳細については上述したとおりである。
【0108】
送信ステップS530は、最適化情報を1以上のデバイスに送信する。送信ステップS530は、送信部330により実行される。送信部330の詳細については上述したとおりである。
【0109】
受信ステップS540は、情報処理装置から送信された最適化情報を受信する。受信ステップS540は、デバイスが備える受信部210により実行される。
【0110】
実行ステップS550は、最適化情報に基づいてシェアスペースを快適化するための処理を実行する。実行ステップS550は、デバイスが備える実行部220により実行される。
【0111】
以上の構成により、本発明の情報処理方法は、最適化されたシェアスペースを提供することができる。
【0112】
また、上述した実施形態に係るサーバ装置又は端末装置として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話などの情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置又は端末装置の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0114】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。