特開2020-152404(P2020-152404A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-152404(P2020-152404A)
(43)【公開日】2020年9月24日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/43 20060101AFI20200828BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20200828BHJP
【FI】
   B65D5/43
   B65D5/66 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-51805(P2019-51805)
(22)【出願日】2019年3月19日
(71)【出願人】
【識別番号】500048797
【氏名又は名称】株式会社横浜リテラ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】星野 匡
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB04
3E060BA06
3E060BA08
3E060BB01
3E060BC04
3E060CE04
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE30
3E060CF05
3E060CG12
3E060CG23
3E060DA15
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】不正開封を防止し、容易に開封および再封止ができる包装容器を提供することを課題とする。
【解決手段】複数の側面を有する容器本体10と、蓋部60と、を備え、前記容器本体10は、差し口部13を有する側面を有し、前記蓋部60は、前記差し口部13に差込可能な差込部63を有し、前記差込部63は、差込片631と、前記差込片631を切り離し可能な切取部633と、を有し、前記差し口部13は、差込口131と、前記差込片631が収容される収容部132と、を有する包装容器Cとする。さらに前記差込片631は、係止突起632を有し、前記差し口部13は、前記係止突起632を係止可能な係止部133を有し、前記係止部133は、前記差込口131の上側に設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の側面を有する容器本体と、蓋部と、を備え、
前記容器本体は、差し口部を有する側面を有し、
前記蓋部は、前記差し口部に差込可能な差込部を有し、
前記差込部は、差込片と、前記差込片を切り離し可能な切取部と、を有し、
前記差し口部は、差込口と、前記差込片が収容される収容部と、を有する、包装容器。
【請求項2】
前記差込片は、係止突起を有し、
前記差し口部は、前記係止突起を係止可能な係止部を有し、
前記係止部は、前記差込口の上側に設けられている、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記差し口部は、前記側面の内側に設けられ、
前記側面は、内外に貫通する開口部を有し、
前記切取部は、封緘状態において前記開口部内に設けられる、請求項1または請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記開口部は、前記側面上方に設けられる、請求項3に記載の包装容器。
【請求項5】
前記差し口部は、少なくとも一部が前記側面上端に連接可能な連接部と、前記側面に固定可能な固定部を有し、
前記固定部は、前記差し口部下方に設けられる、請求項1〜4の何れかに記載の包装容器。
【請求項6】
前記差し口部は、前記差込片を内外方向に支持可能な支持部を有し、
前記差込口は、前記差込片と同じ幅に形成され、
前記支持部は、前記切取部より下方に設けられる、請求項1〜5の何れかに記載の包装容器。
【請求項7】
前記容器本体は、側面フラップと、フラップ同士を接合可能な接合部と、を有し、
前記蓋部は、蓋フラップを有し、
前記接合部は、封緘状態において隣接する前記側面フラップと前記蓋フラップとの間に設けられる、請求項1〜6の何れかに記載の包装容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正開封を防止可能な包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬品や化粧品等の安全性や品質管理が重要とされる内容物を収容する包装容器は、不正に開封されることを防ぐことが重要となる。そこで開封されたかどうか一目でわかるように、開封時に包装容器の一部切り取って開封する機構を採用している包装容器が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−229519号公報
【特許文献2】実用新案登録第3102811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の包装容器は、開封の際に蓋部を一部切り取って開封する機構であるため、切り取った小片が手元や容器内部に落ちてごみとなる問題があった。また、商品を購入後は包装箱を開封した後に、再度その包装容器内で保管することもあるため再封止可能であることも重要であるが、特許文献1や特許文献2に記載の包装容器は、切取部を切り取ることにより再封止が困難となる問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、不正開封を防止することができる包装容器を提供することを課題とする。
また、本発明は、容易に開封および再封止ができる包装容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では以下の手段を採用した。
本発明に係る包装容器は、複数の側面を有する容器本体と、蓋部と、を備え、前記容器本体は、差し口部を有する側面を有し、前記蓋部は、前記差し口部に差込可能な差込部を有し、前記差込部は、差込片と、前記差込片を切り離し可能な切取部と、を有し、前記差し口部は、差込口と、前記差込片が収容される収容部と、を有する。
【0007】
本発明に係る包装容器によれば、差込片と切取部を有する差込部が設けられていることにより、不正開封されたことを検知可能でありかつ、簡単に開封することができる。また、差込部が設けられているため、開封後にも再封止可能である。さらに、差し口部に収容部が設けられていることにより、切り取られた差込片が容器内部や床等に散らばることを抑制することができる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記差込片は、係止突起を有し、前記差し口部は、前記係止突起を係止可能な係止部を有し、前記係止部は、前記差込口の上側に設けられている。
このように、差込片に係止突起を設け、差し口部に係止部を設けることにより差込部を不可逆に差し込むことができる。すなわち、一度差し口部に差込部を差し込むと抜けなくなる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記差し口部は、前記側面の内側に設けられ、前記側面は、内外に貫通する開口部を有し、前記切取部は、封緘状態において前記開口部内に設けられる。
このように、差し口部を側面の内側に設けることにより、デザイン性のある包装容器となる。また、側面に開口を設けることにより切取部を視認可能となるため簡単に開封することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記開口部は、前記側面上方に設けられる。
このように、開口部を側面上方に設けることにより、差込部と差し口部の長さを短く形成することが可能となるため、使用材料を抑えることができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記差し口部は、少なくとも一部が前記側面上端に連接可能な連接部と、前記側面に固定可能な固定部を有し、前記固定部は、前記差し口部下方に設けられる。
このように、差し口部が連接部と固定部を有することにより、差し口部を側面側に折り畳んで固定可能となる。すなわち、包装容器を一枚の厚紙(包装容器の材料)から形成することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記差し口部は、前記差込片を内外方向に支持可能な支持部を有し、前記差込口は、前記差込片と同じ幅に形成され、前記支持部は、前記切取部より下方に設けられる。
このように、差し口部が内外方向に差込片を支持する支持部を有していることにより、切取部を押し込んで切り話す際に、切取部を切り離しやすくすることができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記容器本体は、側面フラップと、フラップ同士を接合可能な接合部と、を有し、前記蓋部は、蓋フラップを有し、前記接合部は、封緘状態において隣接する前記側面フラップと前記蓋フラップとの間に設けられる。
このように、容器本体に側面フラップ、蓋部に蓋フラップが設けられ、それらのフラップ同士が接合部により接合されることにより、異物混入や虫等の侵入を抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
開示した技術によれば、不正開封を防止し、容易に開封および再封止ができる包装容器を提供することができる。
【0015】
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る包装容器の展開図である。
図2】本発明の一実施形態に係る包装容器の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る包装容器の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る包装容器において差込部が差し口部に差し込まれる状態を説明する説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る包装容器の開封手順を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図面に示した好ましい一実施形態に係る包装容器について、図1図5を参照して詳細に説明する。本発明の技術的範囲は、添付図面に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
【0018】
図1図3は本実施形態に係る包装容器Cの構成を説明する図である。図1は組み立て前の包装容器Cの展開図である。図2は組み立て後の包装容器Cを斜め上方から観察した斜視図であり、図3は組み立て後の包装容器Cを斜め下方から観察した斜視図である。
本実施形態に係る包装容器Cは、一枚の厚紙から容易に組立てることができる。なお、包装容器Cに使用する紙の種類は特に限定しておらず、例えばカード紙、クラフト紙、ブランク紙、ボール紙、ミルクカートン紙等を例示することができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係る包装容器Cは、図1図3に示すように容器本体10と蓋部60とを備えている。容器本体10は、第一側面1と、第二側面2と、第三側面3と、第四側面4と、底部5と、を有している。
すなわち、本実施形態の包装容器Cは4つの側面を有する略直方体である。なお、包装容器Cの形状は直方体に限らず、少なくとも3つの側面と底面と蓋とを有する立体に形成されていれば良い。
【0020】
本実施形態では図2および図3に示すようにX軸に沿って幅方向を定め、Y軸方向に沿って長さ方向を定める。すなわち、幅方向は第四側面4から第二側面2(または第二側面2から第四側面4)に向かう方向であり、長さ方向は第一側面1から第三側面3(または第三側面3から第一側面1)に向かう方向である。また、Z軸に沿って高さ方向を定め、蓋部60側を上側とし、底部5側を下側と定める。
【0021】
第一側面1は、内外に貫通する開口部11と、第一側面1と第四側面4とを張り合わせるための側面内貼り部12と、差し口部13と、を有している。第一側面1は、図2および図3に示す組立状態において第二側面2と第四側面4と蓋部60と底部5とに隣接した面であり、図1に示す展開状態では、上部に差し口部13が連接され、下部には底部外フラップ51が連接されている。
【0022】
また、側面内貼り部12との間、第二側面2との間、底部外フラップ51との間には折線FLが設けられており、この折線FLで折り曲げる(本実施形態の場合は直角)ことにより組み立てられる。差し口部13との間には後述する連接部134が設けられており、折線FLと同様に折り曲げることができる。
【0023】
開口部11は、第一側面1の幅方向における中央に設けられる。設けられる高さに特に決まりは設けていないが、上方に設けられていることにより、使用する厚紙を削減することができる。
【0024】
差し口部13は、差込口131と、収容部132と、係止部133と、連接部134と、固定部135と、支持部136と、差口開口部137と、を有する。以下に、差し口部13の構成を図1用いて説明する。なお、差し口部13の説明における上下方向は組立状態(図2または図3)における上下方向を用いる。
【0025】
差込口131は、本実施形態において差し口部13の中央付近に設けられ、スリットにより後述する差込片631を差し込むことができるように形成されている。また、差込口131の下方には、差込片631を収容可能な収容部132が設けられている。
【0026】
また、差込口131の上側には差し込まれた差込片631を係止可能な係止部133が設けられ、差込片631の形状に合わせて両側に形成されている。係止部133を設けることにより差込部63を不可逆に差し込むことができる。すなわち、一度差し込むと抜けなくなる構成である。
【0027】
また、差込口131は、差込片631と同じ幅か差込片631の幅以上に形成されることが好ましい。なお、差込片631の差込易さおよび差込後の安定感を考慮すると、差込片631の幅に近い幅に形成されることが好ましい。
【0028】
差し口部13は、少なくとも一部が連接部134により第一側面1の上部に連接され、折線FLと同様に折り曲げることができる。また、差し口部13の下方には固定部135が設けられ、連接部134を内側に折り曲げて第一側面1の内側に固定することができる。このようにして、収容部132が形成される。なお、差し口部13は容器の外側に向けて折り曲げても良いが、包装容器Cのデザイン性を鑑みると内側に折り曲げることが好ましい。
【0029】
また、本実施形態において固定部135は、接着剤により固定することが想定されている。なお、本実施形態では、固定部135を2ヶ所設けた例を示しているが、差込片631が落下しないように収容部132を形成可能に設ければ1か所でも複数個所でも良い。本実施形態のように、収容部132の下方および両側を固定する際には、第一側面1と差し口部13との間に隙間ができないように固定することが好ましく、このように固定することにより差込片631を落下させずに収容部132に収容することができる。また、固定部135の固定方法は、接着剤による接着以外にも粘着テープ等様々な方法を適用することができる。
【0030】
支持部136は、差込片631を切り取る際に差込片631を裏側から内外方向に支えて、容易に切り取ることが可能にするために設けられたものである。すなわち、封緘状態において、後述する切取部633よりも下方に位置する。支持可能な面積が大きいほどより簡単に切取部633を切取可能となるため、略直線部分を有する半楕円形状に形成されている。なお、この支持部136は、必須の構成ではないが、設けることにより、簡単に開封することができる。
【0031】
差し口部13は、連接部134により折り曲げられて形成するため、第一側面1の一部は二重に形成される。また、第一側面1には開口部11が設けられており、内外に貫通しているため差し口部13の上方にも同様に内外に貫通する差口開口部137が設けられる。
【0032】
本実施形態において差口開口部137は、上端部から設けられているが、第一側面1に設けられる開口部11に対応する位置に形成されていれば形や位置等は自由に決めて良い。すなわち少なくとも開口部11の位置に同様の面積は開口していることが必要となる。本実施形態では、連接部134の間に設けられている。
【0033】
差口開口部137は、差込口131よりも幅狭に形成され、差込口131まで繋がって形成されていることが好ましく、このように繋がった状態で幅狭に形成することにより、係止部133を簡単に形成することができる。
【0034】
第二側面2は、側面フラップ21を有している。図2および図3に示す組立状態において第一側面1と第三側面3と蓋部60と底部5とに隣接した面であり、図1に示す展開状態では、上部に側面フラップ21が連接され、下部には底部内フラップ52が連接されている。
また、第一側面1との間、第三側面3との間、側面フラップ21との間、底部内フラップ52との間には、折線FLが設けられている。
【0035】
第三側面3は、図2および図3に示す組立状態において第二側面2と第四側面4と蓋部60と底部5とに隣接し、図1に示す展開状態では、上部に蓋部60が連接され、下部には底部外フラップ53が連接されている。
また、第二側面2との間、第四側面4との間、蓋部60との間、底部外フラップ53との間には、折線FLが設けられている。
【0036】
第四側面4は、側面フラップ41を有している。図2および図3に示す組立状態において第三側面3と第一側面1と蓋部60と底部5とに隣接し、図1に示す展開状態では、上部に側面フラップ41が連接され、下部には底部内フラップ54が連接されている。
また、第三側面3との間、側面フラップ41との間、底部内フラップ54との間には、折線FLが設けられている。
【0037】
組立時に第四側面4の内側には、側面内貼り部12が接続される。側面内貼り部12の接続方法は、接着剤による接着や、テープ等を使用する方法等、様々な方法から選択することができる。
【0038】
底部5は、底部外フラップ51と底部内フラップ52と底部外フラップ53と底部内フラップ54とを組み合わせて構成される。底部外フラップ51および底部外フラップ53とには、底部内貼り部55および底部内貼り部56とが設けられており、底部内貼り部55の下側に底部内フラップ52が接続され、底部内貼り部56の下側に底部内フラップ54が接続される。これらの接続方法は、側面内貼り部12の接続方法と同様に、接着剤やテープ等の様々な方法を使用することができる。
【0039】
また、底部5は図3に示すように底部内フラップ52と底部内フラップ54とを内側にして底部外フラップ51と底部外フラップ53とで上下交互に組み合わせることにより形成される。底部5は本実施形態においてはフラップを組み合わせて形成している例を示しているが、実際に作る際には、底部5から開封されないように、または開封したことが確認可能に形成されればよいため、蓋部60のように一枚の面から形成することもできる。
【0040】
なお、一枚の面から形成するためには、蓋部60のように何れかの側面に差し込む部分等が必要となり、不正開封を防止するために工夫と手間がかかるため、本実施形態のようにフラップにより形成することで製作に費用や時間等を削減することができる。
【0041】
蓋部60は、蓋フラップ61および蓋フラップ62と、差し口部13に差し込まれる差込部63と、を有している。
蓋部60は、図1に示すように第三側面3に連接され、蓋部60と第三側面3との間に設けられた折線FLを軸として回動可能に接続されている。
【0042】
また、組立時に第二側面2に接する辺には蓋フラップ61が連接され、第四側面4に接する辺には蓋フラップ62が連接されている。さらに組立時に第一側面1に接する辺には、差込部63が連接されている。また、蓋フラップ61との間、蓋フラップ62との間、差込部63との間には折線FLが設けられている。
【0043】
容器本体10は、フラップ同士を接合可能な接合部FPを有していても良い。
本実施形態では、蓋フラップ61と側面フラップ21とは、接合部FPにより接合されている。接合部FPは、分離部SPと結合部CLとにより構成されており、図1のような展開状態において第二側面2と第三側面3と蓋部60とに接する頂点Vから45°方向に設けられている。なお、本実施形態において接合部FPは蓋フラップ61と側面フラップ21の接合に用いられたが、他のフラップを接合することも当然にできる。
【0044】
本実施形態で結合部CLは、ミシン目として設けられるが、切取目的ではなく折り曲げやすく、開閉し易くするためである。すなわち、蓋部60を封緘する際には、蓋フラップ61と側面フラップ21とが接合部FP部分で折り曲げられて、容器内に収容される。
同様に、蓋フラップ62と側面フラップ41との間にも接合部FPが設けられている。
【0045】
分離部SPは頂点V側に設けられ、接合部FPの真ん中あたりで結合部CLに接続している。なお、蓋フラップ61(蓋フラップ62)と側面フラップ21(側面フラップ41)は接合されていれば良いため、折線FLのように切取しないことを前提として折れ線を設けても良いし、全てを結合部CLとしても良い。なお、本実施形態のように分離部SPと結合部CLとを組み合わせて設けることにより、折り曲げが容易になる利点を有する。分離部SPは、切り離さないことを想定しているが、蓋部60を大きく開閉したい場合等には切り離しても良く、切り離すことにより大きく蓋部60を回動させることができる。
【0046】
また、差込部63は、差し口部13、特に差込口131に差し込まれる差込片631と、差込片631に設けられる係止突起632と、差込片631を差込部63から切り離し可能な切取部633と、切り離す際に指で押すための押部634と、再封止を可能とする差込フラップ635と、を有する。
【0047】
差込片631は、差込部63の先端側、すなわち差込部63の自由端側に設けられる。この差込片631は、差込口131に差し込まれ、収容部132に収容される。
差込片631は、差込口131に不可逆に差込可能とするための係止突起632を有しており、係止部133に係止突起632が係止されて蓋部60が封緘される。
【0048】
係止突起632は、包装容器Cの幅方向に突出する突起であり、差込片631に左右対称に設けられる。係止突起632は、包装容器Cの幅方向に突出する突起に形成されていれば、大きさ等は自由に決めることができる。なお、突出量が大きいほど、係止力は増す。
【0049】
図4は、差し口部13に差込部63が差し込まれる様子を示す説明図であり、第一側面1と差し口部13と差込片631とが示されている。なお、図4は説明のため差込片631のみが示されているが、開封前は当然に蓋部60が連結されている。
【0050】
図4(a)は、差込片631が差し込まれる前の状態を示し、図4(b)は、差込片631を差し込むために差込口131が開かれた状態を示す。まず、図4(b)に示すように、差込口131を広げる。実際に包装容器Cを封止する際には、支持部136を外側から押すことで、簡単に差込口131を広げることができる。
【0051】
次に図4(c)に示すように、差込片631を係止突起632が差込口131に完全に入るまで差し込む。その後、図4(d)に示すように差込口131を閉じて、差込片631を固定する。この時、係止部133が係止突起632の上側に配置されていることを確認する。
係止部133と係止突起632が同一平面上に設けられる、すなわち同じ高さに設けられることにより、差込片631を開封方向に引っ張った場合にも、係止突起632が係止部133に係止されるため開封方向に固定される。
【0052】
切取部633は、差込片631を差込部63から切り離し可能に形成される。切取部633は、差込片631と差込フラップ635との間に設けられる、すなわち、差込片631と差込フラップ635とを切り離し可能である。また、指で押し開けるように使用する(押部634)ため、指の形状に合わせて上に凸な略半円状に形成されている。なお、本実施形態に示したような上に凸な略半円状に限らず、他の上に凸な形状(例えば略半台形や略半長方形等)や、略直線上等の様々形状を選択することができる。
【0053】
押部634は、前述したように切取部633を切り取るために押す部分であり、差込片631上部に設けられる。なお、開封者は開口部11および差口開口部137に指を挿通して押部634を押すこととなるため、切取部633と押部634とは、封緘状態において開口部11内に設けられる。切取部633は、開口部11の上縁に沿った位置に設けられていても良いが、少なくとも押部634は、開封者の指で押すことができる面積が開口部11から視認可能である必要がある。
【0054】
また、蓋部60の封緘性を向上させるため、差込片631と押部634との間に折線FLを設けて少し折り曲げてから差込片631を差込口131に差し込んでも良い。
【0055】
ここで、図5を用いて本実施形態に係る包装容器Cの開封方法を説明する。
まず始めに図5(a)に示すように、開封者は指で押部634を押し込み、切取部633を切り離す。図5(b)に示すように切取部633を切り離すことにより、蓋部60が簡単に開封する。ここで、側面フラップ21(側面フラップ41)と蓋フラップ61(蓋フラップ62)との間に設けられる接合部FPを切り離すこともできる。
【0056】
差込フラップ635は、差込片631が切り離された後にも第一側面1内側に差し込み、包装容器Cを再封止するために設けられている。差込フラップの長さは、開口部11が設けられる高さにより適宜調整され、切取部633および押部634が開口部11の位置に設けられる長さに形成する。
【0057】
以上のように、本発明に係る包装容器によれば、差込口131と収容部132を第一側面1に有し、蓋部60に差込片631と切取部633を有することにより、切取部633を切り離して簡単に開封可能であり、また不正開封を一目で確認することができる。そのため、陳列された商品に対するいたずら防止効果も有する。さらに、切り離された差込片631は、収容部132に収容されるため、床や箱内部に散らばることを抑制することができる。
また、差し口部13に係止部133を設け、差込片631に係止突起632を設けることにより、差込片631を不可逆に差し込むことが可能となり、一度差し込むと切取部633を切り取らない限り開かなくなる。
【0058】
また、差込部63に差込フラップ635を設けることにより、差込片631が切り取られた後も差し込む部分を有するため、開封した後にも簡単に再封止することができる。
【0059】
また、第一側面1に開口部11を設けて差し口部13を第一側面1の内側に固定することにより、開口部11から切取部633と押部634を確認可能となるため、簡単に開封することができ、かつ包装容器Cの外面には開口部11のみが設けられるため、様々なデザインを施すことができる。
【0060】
また、側面フラップ21(側面フラップ41)と蓋フラップ61(蓋フラップ62)を設けてそれらを接合部FPで連結することにより、側面からの異物混入や虫などの侵入を抑制することができる。
【0061】
また、差し口部13を連接部134により第一側面1に連接させて、折り曲げて設けることにより、一枚の厚紙(包装容器Cの任意の材料)から包装容器Cを形成することができ、材料の削減や切り出し時間等を節約することができ、製函も容易に行うことができる。さらに、貼り付け面も少ないことからより、製函が容易である。
【0062】
また、差し口部13に支持部136を設けることにより、差込片631を裏面から支持して簡単に切取部633を切取可能とするだけでなく、封緘する際に差込部63を差込易くする効果を有する。すなわち、支持部136を押すことにより差込口131を広げることができるため、簡単に差込部63を差し込むことができる。また、切取部633が切り離されることにより開封されることが明瞭であるため、陳列状態においていたずらに不正開封されることを抑制することができる。すなわち、不正開封の防止や、いたずら抑制効果を有する。
【符号の説明】
【0063】
C 包装容器
FP 接合部
1 第一側面
10 容器本体
11 開口部
13 差し口部
60 蓋部
63 差込部
131 差込口
132 収容部
133 係止部
134 連接部
135 固定部
136 支持部
631 差込片
632 係止突起
633 切取部
図1
図2
図3
図4
図5