【実施例】
【0019】
実施例1
1.アミノ基を有するパーフルオロポリエーテルの製造
特開2016−47812号公報に示される方法をもとに、下記一般式(2)に表されるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を製造した。化合物のm、n、X、Zは下記表1に示すとおりである。
【0020】
【化2】
【0021】
2.ヘアミスト処方1
表1に記載の化合物 1.0
カプリル酸 0.1
エタノール 10.0
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)全成分を加え25℃で攪拌し、均一にする。
【0022】
3.評価方法
上記処方に示すヘアミストを用いて、本発明の成分(A)に該当する化合物A1〜A16と成分(B)カプリル酸を含有する毛髪化粧料が毛髪に与える速乾性と柔軟性を評価した。比較として、化合物1〜10と成分(B)カプリル酸を含有するヘアミストを調製し、同様の評価を行った。
【0023】
4.毛髪の撥水性の評価
市販の健常人毛(ビューラックス社製)の毛束1.0gにブリーチ処理を施し、ダメージ毛髪を作成した。作成したダメージ毛髪に対して処方1に示すヘアミストを散布し、1分間静置した後、30秒間のすすぎを1回行い、その後乾いたタオルによる拭き取りをした後、毛髪に対する水の接触角測定を行った。未処理のダメージ毛髪の接触角の値を100%としたときの接触角の変化量により撥水性の評価を実施した。
【0024】
5.毛髪の速乾性の評価
35才以下の女性25名を被験者として、処方1に示すヘアミストを洗髪後の濡れた髪に散布した後、毛髪の乾燥を行い、以下の判断基準により毛髪の速乾性について評価を行った。
【0025】
6.速乾性の判断基準
◎:18名以上の被験者が毛髪に速乾性をもたらしたと解答した。
〇:14名〜17名の被験者が毛髪に速乾性をもたらしたと解答した。
△:8名〜13名の被験者が毛髪に速乾性をもたらしたと解答した。
×:7名以下の被験者が毛髪に速乾性をもたらしたと解答した。
【0026】
7.毛髪の柔軟性の評価
35才以下の女性25名を被験者として、処方1に示すヘアミストを洗髪後の濡れた髪に散布した後、毛髪の乾燥を行い、以下の判断基準により毛髪の柔軟性について評価を行った。
【0027】
8.柔軟性の判断基準
◎:18名以上の被験者が毛髪に柔軟性をもたらしたと解答した。
〇:14名〜17名の被験者が毛髪に柔軟性をもたらしたと解答した。
△:8名〜13名の被験者が毛髪に柔軟性をもたらしたと解答した。
×:7名以下の被験者が毛髪に柔軟性をもたらしたと解答した。
【0028】
9.結果
評価結果を表1に示す。本発明品の成分(A)に該当する化合物A1〜A16を含むヘアミストは、非常に優れた毛髪の撥水性、速乾性、柔軟性が確認された。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例2
1.アミノ基を有するパーフルオロポリエーテルの製造
特開2016−47812号公報に示される方法をもとに、下記一般式(3)に表されるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を製造した。化合物のZ、R1、R2、R3は下記表2に示すとおりである。
【0031】
【化3】
【0032】
2.評価方法
実施例1に記載のヘアミスト処方1を用いて、本発明の成分(A)に該当する化合物A17〜A32と、成分(B)カプリル酸を含有する毛髪化粧料が毛髪に与える速乾性と柔軟性を評価した。比較として、化合物11〜13の各成分と成分(B)カプリル酸を含有するヘアミストを調製し、実施例1に記載の方法で評価を行った。
【0033】
3.結果
評価結果を表2に示す。本発明品の成分(A)に該当する化合物A17〜A32を含むヘアミストでは、非常に優れた毛髪の撥水性、速乾性、柔軟性が確認された。
【0034】
【表2】
【0035】
実施例3
1.ヘアミスト処方2
実施例1の化合物A1 1.0
表3に記載の成分(B) 0.1
エタノール 10.0
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)全成分を加え25℃で攪拌し、均一にする。
【0036】
2.評価方法
上記処方に示すヘアミストを用いて、表3に記載の成分(A)と成分(B)脂肪酸を含有する毛髪化粧料が毛髪に与える撥水性、速乾性、柔軟性を実施例1と同じ方法で評価した。比較品として、成分(A)に表1記載の化合物A1を、成分(B)として二塩基酸を含有するヘアミストを調製し、同様の評価を行った。
【0037】
3.評価結果
評価結果を表3に示す。本発明品のヘアミストでは、非常に優れた毛髪の撥水性、速乾性、柔軟性が確認された。
【0038】
【表3】
【0039】
以下に、本発明の成分(A)一般式(1)で表されるアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物と成分(B)脂肪酸を含有した毛髪化粧料の応用例を示す。配合量は質量%であり、本発明品3−1〜3−3は、いずれも毛髪に対して撥水性、速乾性、及び柔軟性を付与することができた。
【0040】
処方例1.ヘアシャンプー
A相 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 7.0(質量%)
N−ラウリルサルコシンナトリウム 5.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
エデト酸二ナトリウム 0.2
防腐剤 適量
B相 エタノール 4.0
実施例1の化合物A4 0.5
カプリン酸 0.05
精製水 残部
(調製方法)A相を80℃に加熱溶解し、B相をA相に攪拌して均一にする。攪拌を続けて35℃〜30℃まで冷却し、ヘアシャンプーを得た。
(結果)実施例1の方法で評価を行い、非常に優れた毛髪撥水性の付与と、それに伴う毛髪の速乾性と柔軟性の向上を確認した。
【0041】
処方例2.ヘアトリートメント
A相 ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.0(質量%)
ステアリルアルコール 8.0
環状シリコーン 8.0
イソステアリルアルコール 2.0
ジメチルポリシロキサン 1.0
流動パラフィン 1.0
ステアリン酸ポリグリセリル 2.0
防腐剤 適量
香料 微量
B相 1、3−ブチレングリコール 5.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
グルタミン酸 0.8
精製水 残部
C相 実施例1の化合物A14 0.1
カプロン酸 0.01
イソプロパノール 3.0
(調製方法)A相、及びB相を80℃に加熱して溶解し、A相をB相に加え攪拌して均一にした後、均一溶解したC相を徐々に加えて攪拌を続けて30℃まで冷却して、ヘアトリートメントを得た。
(結果)実施例1の方法で評価を行い、非常に優れた毛髪撥水性の付与と、それに伴う毛髪の速乾性と柔軟性の向上を確認した。
【0042】
処方例3.ヘアミスト
A相 ジプロピレングリコール 3.0(質量%)
ビオサッカリドガム−1 0.01
PEG−10ジメチコン 0.5
PEG−60水添ヒマシ油 0.1
防腐剤 適量
香料 微量
精製水 残部
B相 エタノール 10.0
実施例1の化合物A8 1.0
カプリル酸 0.1
精製水 10.0
(調製方法)A相を均一に溶解し、均一溶解させたB相を加え、攪拌して均一とし、ヘアミストを得た。
(結果)実施例1の方法で評価を行い、非常に優れた毛髪撥水性の付与と、それに伴う毛髪の速乾性と柔軟性の向上を確認した。