特開2020-15304(P2020-15304A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-15304機能的活性成分を転写するための転写媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-15304(P2020-15304A)
(43)【公開日】2020年1月30日
(54)【発明の名称】機能的活性成分を転写するための転写媒体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/20 20060101AFI20191227BHJP
   B44C 1/17 20060101ALI20191227BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20191227BHJP
   B41M 5/52 20060101ALI20191227BHJP
   B41M 5/50 20060101ALI20191227BHJP
   B05D 5/04 20060101ALI20191227BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20191227BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20191227BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20191227BHJP
【FI】
   B32B27/20 A
   B44C1/17 E
   B41M5/00 100
   B41M5/52 110
   B41M5/50 120
   B41M5/00 120
   B05D5/04
   B05D7/24 303A
   B05D1/36 Z
   B05D7/00 F
   B05D7/00 A
   B05D7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-107633(P2019-107633)
(22)【出願日】2019年6月10日
(31)【優先権主張番号】18181138.1
(32)【優先日】2018年7月2日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519208432
【氏名又は名称】シール アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ロースリ
(72)【発明者】
【氏名】リサ シュトゥーベル
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフェン オール
【テーマコード(参考)】
2H186
3B005
4D075
4F100
【Fターム(参考)】
2H186AB15
2H186AB17
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2H186BA12
2H186BA13
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(57)【要約】
【解決手段】
本発明は、熱によって機能的活性成分を物品の表面に転写するための転写媒体、そのような転写媒体を調製する方法、および機能的活性成分を物品の表面に提供する方法に関する。上記転写媒体は、さまざまな技術分野で使用することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱によって機能的活性成分を物品の表面に転写するための転写媒体であって、昇華インクで印刷可能であり、以下を含む転写媒体:
紙、フィルム、不織布、織物およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含むキャリア基板、および
前記キャリア基板の一方の表面の少なくとも一部の上に形成された少なくとも1つの昇華インク受容層であって、少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーならびに少なくとも1つの機能的活性成分を含み、この機能的活性成分は、前記昇華インク受容層の前記顔料およびバインダーが前記キャリア基板上に本質的に保持されている間、熱によって、前記転写媒体の前記昇華インク受容層に面する物品の表面に前記昇華インク受容層から転写されることができる、昇華インク受容層、
ここで、前記機能的活性成分は、電磁スペクトルの400〜700nmの領域の波長λmaxで最大吸収を有する昇華染料を意味しない。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機能的活性成分が、殺菌剤、殺虫剤、防汚剤、さらなる防腐剤、撥水剤、撥油剤、防塵剤、UV安定剤、酸化防止剤、発光剤、光沢剤、反射剤、偏光剤、導電剤、帯電防止剤、スリップ剤または滑り止め剤、ブロッキング防止剤、非粘着剤、潤滑剤、ソフトタッチ剤、香味料、芳香剤、難燃剤、引っ掻き耐性剤、欠損耐性剤、湿潤剤、接着促進剤、サイジング剤、粗面化剤およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の転写媒体。
【請求項3】
前記キャリア基板と前記昇華インク受容層との間、および/または、昇華インク受容層が形成された表面とは反対側のキャリア基板の表面上に配置された、1つまたは複数の追加層をさらに含み、ここで、前記追加層は、好ましくは、プライマー層、バリア層、および、転写媒体における熱伝達を改善するための層からなる群より選択される、請求項1または2に記載の転写媒体。
【請求項4】
少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーをそれぞれ含む1つまたは複数の追加の昇華インク受容層をさらに含み、これらの追加の昇華インク受容層のそれぞれは独立して同じまたは異なる機能的活性成分を含むことができ、この機能的活性成分は、前記追加の昇華インク受容層の前記顔料およびバインダーが前記キャリア基板上に保持されている間、熱によって、前記転写媒体の前記昇華インク受容層に面する物品に前記昇華インク受容層から転写されることができ、または、前記追加の昇華インク受容層はそのような機能的活性成分を含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写媒体。
【請求項5】
前記転写媒体が熱形成可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の転写媒体。
【請求項6】
前記昇華インク受容層の少なくとも1つに適用された少なくとも1つの昇華インクをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の転写媒体。
【請求項7】
前記キャリア基板の一面の少なくとも一部の上に、前記少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーさらには前記機能的活性成分を含む前記少なくとも1つの昇華インク受容層を形成することを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の転写媒体を調製する方法であって、以下による方法:
(i−a)前記少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーならびに前記機能的活性成分を含むコーティング組成物をキャリア基板の片側の少なくとも一部の上に適用して、前記少なくとも1つの顔料および少なくとも1つバインダーさらには前記機能的活性成分を含むコーティング層を形成する、および
(i−b)工程(i−a)で形成されたコーティングを乾燥させる;または
(ii−a)前記少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーを含むが前記機能的活性成分を含まないコーティング組成物をキャリア基板の少なくとも片側に適用して、前記機能的活性成分を含まないコーティング層を形成する;
(ii−b)工程(ii−a)で形成された層を乾燥させる;および
(ii−c)工程(ii−b)で得られた乾燥コーティング層に前記機能的活性成分を組み込む。
【請求項8】
工程(ii−c)において、前記機能的活性成分を含む溶液もしくは分散液を、または、液体もしくは気体形態の前記機能的成分自体を前記乾燥コーティング層に適用すること、好ましくはスプレーすることにより、前記乾燥コーティング層に前記機能的活性成分が組み込まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
物品の表面の少なくとも一部に少なくとも1つの機能的活性成分を提供する方法であって、以下を含む方法:
(i)前記機能的活性成分が提供される前記物品の表面に、前記キャリア基板から最も離れた前記昇華インク受容層が面するように、請求項1から6のいずれか1項に記載の転写媒体を前記物品に対し配置する;
(ii)転写媒体に熱を加えて、前記昇華インク受容層の前記顔料とバインダーを前記キャリア基板上に本質的に保持しながら、前記機能的活性成分を前記昇華インク受容層から前記物品の表面に転写する。
【請求項10】
以下をさらに含む、請求項9に記載の方法:
工程(i)において前記転写媒体が前記物品に面するように配置される前に、昇華染料を含む少なくとも1つの昇華インクを前記昇華インク受容層の少なくとも1つに適用し、ここで、前記昇華インクは好ましくはインクジェット印刷によって適用され、および
表面の少なくとも一部に可視印刷を提供するために、前記昇華染料を前記昇華インク受容層から前記物品の表面の少なくとも一部に転写する、
ここで、可視印刷が提供された表面の部分は、前記機能的活性成分が提供された表面の部分と同じであっても、部分的に重複していても、異なっていてもよく、
前記昇華染料は、工程(ii)において前記少なくとも1つの機能的活性成分と一緒に、または、前記少なくとも1つの機能的活性成分が転写される前もしくは後に転写されてもよく、かつ
前記転写材料に複数の昇華インク受容層が存在する場合には、前記機能的活性成分が転写されていく昇華インク受容層は、前記昇華染料が転写されていく昇華インク受容層と同じでも異なっていてもよい。
【請求項11】
前記機能的活性成分および前記昇華染料を転写するために適用される温度が、妥当な場合、100〜240℃、好ましくは130〜220℃、より好ましくは160〜200℃の範囲になるように独立して選択される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記機能的活性成分が提供される前記物品の表面が、ポリマー材料、好ましくはポリエステルおよび/もしくはポリアミドを含み;ならびに/または、前記物品が、パッケージ、ラッピングおよび保護カバーなどのカバーのみならず、衣類や履物などの繊維製品および革製品;荷物アイテム;家具や家の装飾品;ガラス製品および陶器;家庭用電化製品;工具;衛生用品;医療機器および器具;コンピューターや携帯電話などの電化製品;自動車、オートバイ、自転車、船舶および航空機などの輸送車両;建物;玩具;宝飾品および時計;上記物品の付属品および部品からなる群より選択される、請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記物品が、前記物品および前記物品に面する前記転写媒体が工程(ii)において加熱される間に所望の形状に形成される熱可塑性材料を含む、請求項9から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法により、機能的活性成分および任意で可視印刷が提供された表面を有する物品。
【請求項15】
食品包装などの包装;家電などの電子機器;機械、デバイスおよび装置の製造;工具製作;建築および建設;室内装飾などの装飾;もしくは広告の分野において、または、家庭用もしくは衛生用電化製品、自動車、航空宇宙もしくは繊維および衣料品の業界において、物品の表面の少なくとも一部に機能的活性成分および任意で可視印刷も提供するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の転写材料または請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱によって機能的活性成分(a functional active ingredient)を物品の表面に転写するための転写媒体(transfer media)、そのような転写媒体を調製する方法、および機能的活性成分を物品の表面に提供する方法、ならびに、さまざまな技術分野におけるこのような転写媒体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料品、家具、ガラス製品、衛生用品、電化製品、輸送車両などのさまざまな技術分野の物品の表面に、耐摩耗性、撥水性、UV耐性および/または抗菌性などの特定の機能特性を提供することがしばしば望まれる。そうするための一般的な方法は、ベース材料から物品を形成する前にそのベース材料に所望の機能特性を提供する機能的活性成分を組み込むか、例えば、塗料(paint)、ラッカー(lacquer)、コーティングの別の種類としてまたは接着フィルムもしくはホイルによって密着した層の形態の機能的活性成分を物品の表面に適用することである。
【0003】
使用目的に応じて、いずれのアプローチにも、いくつかの欠点がある。例えば、機能的活性成分をベース材料全体に組み込むには、かなりの量の上記材料が必要であり、製造コストの増加につながる。さらに、例えば重合反応において、ベース材料の配合物に適合性の問題が発生する可能性がある。特に、この方法は、既存の物品の特性を変更するのには適していないため、通常は、例えば趣味分野のエンドユーザーまたは消費者にとって選択肢にはならない。
【0004】
密着性コーティングとしての活性成分の適用には、多くの場合、有機溶媒の使用が必要である。フィルムやホイルは、多くの場合、曲面や構造化された表面に適用するには困難である。さらに、物品の表面上に別個の層として適用されるそのような密着した層のフレーキング(flaking)、チッピング(chipping)またはピーリング(peeling)が、しばしば問題となる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、耐摩耗性、引っ掻き耐性、撥水性、UV耐性、導電性、電気絶縁性、印刷適性、耐候性、耐酸化性、非粘着性/粘着防止性、耐熱性、撥油性、防塵性および/または抗菌性などの機能特性を物品の表面に付与する簡単なプロセスを提供することであり、ならびに、そのようなプロセスを実行するための手段を提供することである。
【0006】
この目的は、本発明の転写媒体および方法によって満たされる。機能的活性成分を物品の表面に転写するための本発明の転写媒体は、昇華インクで印刷可能であり、キャリア基板を含む。上記キャリア基板は、紙、フィルム、不織布、織物およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料と、キャリア基板の一方の表面の少なくとも一部の上に形成された少なくとも1つの昇華インク受容層(sublimation ink receiving layer)とを含む。ポリマーフィルムがキャリア基板として使用される場合には、材料は転写プロセスの高温に耐えるように選択される。適切なポリマー材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネートまたはアクリロニトリルブタジエンスチレンなどがある。キャリア基板は、典型的には、約10から約500μm、好ましくは約100から300μm、より好ましくは約200μmの範囲の厚さを有する。本明細書において、「の上に形成」("formed over")などの「上」("over")という用語は、昇華インク受容層がキャリア基板に直接接触しうること、または、1以上のさらなる追加の層、これらに限定されないが、さらなる昇華インク受容層や、金属化層および/またはプライマー層などのバリア層が、キャリア基板および機能的活性成分を含む上記昇華インク受容層の間に存在しうることを意味する。昇華インク受容層は、通常、本発明の転写媒体の外面を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
昇華インク受容層は、少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーならびに少なくとも1つの機能的活性成分を含む。機能的活性成分は、転写媒体の昇華インク受容層に面するように転写媒体と組み合わされた物品の表面に、熱によって昇華インク受容層から転写することができる。本明細書では、昇華インク受容層の顔料およびバインダーは、キャリア基板上に本質的に保持される。昇華染料の追加の存在は、本発明の転写材料の昇華インク受容層において除外されないが、機能的活性成分は、電磁スペクトルの400〜700nmの領域の波長λmaxで最大吸収を有する昇華染料を意味しない。
【0008】
本発明の転写媒体は、上記の昇華染料ではないが、それでも同様の条件下で物品の表面に転写できる少なくとも1つの機能的活性成分を含むことで、様々な材料を含む物品の平坦な表面と輪郭のある表面の両方に所望の特性を付与するための1以上の機能的活性成分の単純かつ正確な適用が可能となる。本発明の転写媒体の使用は、機能的活性成分を物品の表面全体または物品の表面の選択された部分のみに適用することを可能にし、これにより、コストを節約し、所望の領域への正確な適用を可能にする。さらに、本発明の転写媒体は、2つ以上の機能的活性成分および/または昇華染料の同時かつ連続した転写を可能にする。
【0009】
昇華インクを使用した転写印刷プロセスは、例えば柔らかい、湾曲したおよび/または不均一な表面などの理由により、直接印刷プロセスでは印刷が困難な織物や剛体などの印刷材料として知られている。そのようなプロセスにおいて、所望の画像は、例えばインクジェット印刷などの従来の印刷技術を使用して、典型的には柔軟でシート状の材料である転写媒体上に反転印刷される。次に、転写材料と物品を組み合わせることで、画像が付与される物品の表面に転写材料の印刷面が面するようにされ、熱および/または圧力をそれに加えることにより、上記印刷された画像が、印刷対象の物品に転写される。物品は、通常、有機ポリマーでできているか、有機ポリマーの層でコーティングされている。転写工程中に熱を加えると、物品の表面の微細構造も一時的に変更される。加熱によって、物品の表面でポリマー材料の結晶または分子構造が軟化および/または開放することにより、機能的活性成分は、単に物品の表面に堆積するだけでなく、少なくともある程度その上部表面で物品に入り込み、印刷プロセスが終了した後、ポリマーが一旦冷却されると、固定されることになる。適切な有機ポリマーとしては、例えばポリエステル、ポリアミドまたは酢酸セルロースがある。
【0010】
本明細書で定義される追加の機能的活性成分を含まない、すなわち昇華染料ではないが同様の条件下で転写され得る従来の転写媒体は、当技術分野で公知であり、例えば米国特許出願公開第2008/0229962号明細書または欧州特許出願公開第3098085号明細書に記載されている。さまざまな目的のための昇華印刷用の転写媒体が、ドイツ,デューレンのSihl GmbHからSihl SubliColorの名称で市販されている。昇華インクは、典型的には、液体キャリアに分散された昇華染料を含む。インクが転写媒体の昇華インク受容層に印刷されると、そのキャリアが染料から分離して、汚れや流れのない乾燥を促進し、昇華インク受容層の外面またはその近くに染料を残すことが望ましい。
【0011】
昇華インクは、典型的には、液体キャリアに分散された昇華染料を含む。インクが転写媒体の昇華インク受容層に印刷されると、その液体キャリアが染料から分離して、汚れや流れのない乾燥を促進し、昇華インク受容層の外面またはその近くに染料を残すことが望ましい。昇華インクまたは昇華染料は、本発明の昇華インク受容層に存在する必要はないことが理解されよう。
【0012】
本明細書で使用する用語「昇華インク受容層」は、昇華インクを受容することができ、後に熱および/または圧力を加えると昇華染料を放出することができる、キャリア基板上に設けられた層をいう。液体キャリアの効率的な分離と吸収を可能にすると同時に昇華インク受容層の表面または表面近くに昇華染料を保持するために、昇華インク受容層は通常、少なくとも1つの顔料(時にはフィラーとも言われる)および少なくとも1つのバインダーを含む。本明細書に記載の熱転写可能な機能的活性成分とは対照的に、転写プロセス中に昇華インク受容層に本質的に残留する添加剤も上記層に含めることができ、そのような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、サイジング剤、界面活性剤、消泡剤、塩、レオロジー調整剤、ならびに、バッファー、酸および塩基を含むコーティングのpHを調整するための薬剤などが挙げられる。そのような添加剤が存在する場合、添加剤の合計量は、通常、乾燥ベースで昇華インク受容層の総重量の10重量%を超えない。
【0013】
既知の転写媒体とは対照的に、本発明の昇華インク受容層は、昇華インク受容層の顔料およびバインダーならびに上記のさらなる添加剤を本質的にキャリア基板上に保持しながら、熱および/または圧力によって上記層から物品の表面に転写することができる、上記で定義された少なくとも1つの機能的活性成分を含む。本発明の文脈における用語「機能的活性成分」は、その上に堆積および/または組み込まれたときに表面に1つ以上の機能的特性を付与する物質であって、上記で定義した昇華染料ではなくかつ熱および必要に応じて圧力によって物品の表面に転写可能であるものをいう。例えば、このような望ましい特性には、耐摩耗性、引っ掻き耐性、撥水性、UV耐性、導電性、電気絶縁性、印刷適性、耐候性、耐酸化性、非粘着性/粘着防止性、耐熱性、撥油性、防塵性、抗菌性などがある。大気圧(1.01325×105N/m2)において、機能的活性成分は、好ましくは80℃〜240℃、より好ましくは90℃〜220℃、最も好ましくは120℃〜180℃の転写温度を有する。本明細書において、用語「転写温度」は、適用圧力下において、ほとんどの場合昇華または蒸発により上記物質が転写材料から離れ始める、各物質に特有の温度をいう。好ましくは、本発明の機能的活性成分は、室温(23℃)および大気圧下において固体である。以下でさらに説明するように、機能的活性成分は、キャリア基板上での形成中に昇華インク受容層に組み込まれてもよく、または予備形成された昇華インク受容層に組み込まれてもよい。
【0014】
機能的活性成分は、好ましくは、殺菌剤;除草剤(herbicides)、防カビ剤(fungicides)または殺虫剤(insecticides)などの殺虫剤(pesticides);防汚剤;さらなる防腐剤;撥水剤;撥油剤;防塵剤;UV安定剤;酸化防止剤;発光剤;光沢剤;反射剤;偏光剤;導電剤;帯電防止剤;スリップ剤または滑り止め剤;ブロッキング防止剤;非粘着剤;潤滑剤;ソフトタッチ剤;香味料;芳香剤;難燃剤;引っ掻き耐性剤および欠損耐性剤;湿潤剤;接着促進剤;サイジング剤;粗面化剤;およびそれらの混合物からなる群より選択され得る。
【0015】
適切なUV安定剤の例には、例えば、Hostavin3310(クラリアント社(Clariant)、スイス)などの、オキサニリド、ベンゾトリアゾールおよびヒドロキシベンゾフェノンがある。適切な撥水剤、撥油剤および防塵剤の例には、例えば、フッ素化化合物、例えばOleophobol7752など、ドイツのハンツマン社(Huntsman)からOleophobol(登録商標)の名称で市販されているものなどのフルオロカーボン樹脂がある。湿潤剤の例には、例えばBYK333(BYK添加剤&測定機器社(BYK Additives & Instruments)、ドイツ)またはWorle'eAdd352(ウォーリー−ケミー社(Worle'e-Chemie GmbH)、ドイツ)があり;適切な光沢剤の例には、例えばTinuvinOB(BASF社、ドイツ)があり;適切な酸化防止剤の例には、例えばIrganox1010(BASF社、ドイツ)があり;および、適切な殺菌剤の例には、Sanitized T99−19(サニタイズド社(Sanitized)、スイス)がある。
【0016】
機能的活性成分は、典型的には、本発明の昇華インク受容層中に、顔料、バインダーおよび機能的活性成分の合計重量に基づいて、0.5〜50重量%、好ましくは2.5〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、さらにより好ましくは7.5〜25重量%の範囲の量で存在し得る。機能的活性成分は、昇華インク受容層全体に均一に分布していてもよいし、昇華インク受容層の1つ以上の領域にのみ存在していてもよい。例えば、後者の実施形態を使用して、機能的活性成分の助けを借りて物品に真正性透かしまたは特定のパターン効果を作成することができる。加えて、機能的活性成分の濃度は、昇華インク受容層の厚さにわたって同じであっても、異なっていてもよく、この場合、例えば、機能的活性成分の量が、転写プロセスにおいて物品と組み合わされる表面またはその近くで、反対側の表面、すなわちキャリア基板に面する表面よりも高くなる勾配の形がある。
【0017】
本発明に関して、用語「昇華インク(sublimation ink)」は、例えばインクジェット印刷などの印刷技術によって、例えば本発明の転写媒体などの基板に適用するのに適した、液体キャリア中に昇華染料を含む組成物をいう。昇華染料は、通常、室温で固体であり、昇華インクの液体キャリアに分散している。昇華インクは、当技術分野で周知であり、水ベースのインク、および、油ベースのインクなどの有機溶媒ベースのインクを含む。より一般的には、水ベースの昇華インクが使用される。転写媒体に適用するための昇華インクおよびプリンターは、例えばミマキエンジニアリング社(長野、日本)から市販されてる。
【0018】
昇華インクで使用される昇華染料は、典型的には、可視範囲で、好ましくは電磁スペクトルの400〜700nmの領域の波長λmaxで吸収極大を有する。昇華染料の吸光度の最大値は、当技術分野で知られている標準的な技術を使用して決定することができ、このような方法としては、Varian Cary 50 Bio UV−Vis分光光度計およびソフトウェアVarian UV Cary Scan 3.00(303)を使用して、石英キュベット内の染料溶液をスキャンする方法などがある。溶媒は、測定する特定の染料によって異なり、一般的な溶媒としては、例えば、水、エタノール、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどがある。
【0019】
本発明の転写材料と共に使用できる昇華染料としては、アゾ染料、ニトロ染料、アントラキノン染料、キノリン染料、例えばフルオラン染料などのトリアリールメタン染料のような塩基性染料、および油溶性染料など、当技術分野で一般に知られている染料があり、これらに限定されない。本発明の昇華染料は、約80℃〜約240℃、好ましくは約90℃〜約220℃、さらにより好ましくは約120℃〜約180℃の範囲の転写温度を有することができる。
【0020】
本発明の昇華インク受容層は、少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーをさらに含む。顔料とバインダーは、機能的活性成分と、存在する場合には昇華染料を適所に保持し、昇華インク受容層内の昇華染料からの液体キャリアの分離と吸収を可能にする。
【0021】
本発明に関して、用語「顔料(pigment)」は、製紙の技術分野で知られているように使用され、かつ、染料とは対照的に、コーティングに色を必ずしも付与しないコーティングに使用される微粒子をいう。本発明の転写材料の昇華インク受容層に適した顔料としては、無機粒子および有機ポリマー粒子ならびに好ましくはそれらの組み合わせなどがある。顔料は多孔性でも非多孔性でもよい。多孔質顔料と非多孔質顔料の組み合わせも使用できる。本明細書において、用語「多孔性(porous)」は、流体が細孔または他の通路を介して材料に入ることができるような浸透性の材料をいう。用語「多孔質」はさらに、ISO15901-1:2016に従って決定される1.4〜1.8mL/gの総細孔容積を有する材料をいう。適切な顔料としては、アモルファスシリカ、焼成シリカ、沈降シリカおよびヒュームドシリカなどのシリカ、アルミニウムの酸化物および水酸化物、カオリンおよび焼成粘土などの粘土、ゼオライト、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、珪藻土、多孔質ガラス、ならびに、好ましくは100℃を超える融点を有するポリマー粒子などがあり、このようなポリマー粒子としては、例えば、(コ)ポリ(メタ)アクリレート、または、フランス、コロンブのアルケマ社(Arkema)からORGASOLの名称で入手可能な(コ)ポリアミド粉末のような(コ)ポリアミドなどがある。好ましくは、本発明の顔料は、約100nm〜約100μm、好ましくは約200nm〜約75μm、より好ましくは約300nm〜約50μm、最も好ましくは約500nm〜約15μmの範囲の体積平均粒径を有することができ、この体積平均粒径は、ISO13319に従って、コールターカウンター(Multisizer3、ベックマン・コールター社(Beckman Coulter Inc.)、フラートン、カリフォルニア、アメリカ)を使用して決定した。
【0022】
昇華インク受容層に使用するのに適したバインダーとしては、当技術分野で知られており、室温で水に対して可溶性または不溶性であり得る、合成ポリマーのみならず、天然に存在するポリマーなどがある。合成ポリマーのみならず、天然に存在するポリマーなどを含む異なるポリマーの混合物も、好ましく使用することができ、その一部は室温において水に対し可溶性でもよく、その上、その他はそうでなくてもよい。そのようなポリマーとしては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、キトサン、デンプン、セルロースのエステルおよびエーテル、ポリスチレン、(メタ)アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアセテート、ならびに、それらのコポリマーがあるが、これらに限定されない。本明細書において、セルロースエーテルには、例えばメチルセルロース、エチルセルロースまたはエチルメチルセルロースなどのアルキルエーテル、例えばヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースエーテル、ならびに、それらの混合物および混合誘導体(例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロースなど)が含まれる。デンプン、カルボキシアルキルセルロースエーテル、ポリウレタン、ポリアクリレートおよびポリ酢酸ビニルとともに、主成分としてコポリビニルアルコールを含むバインダーの混合物が特に好ましい場合がある。顔料に対するバインダーの重量比は、典型的には約100:1〜約1:1、好ましくは約60:1〜約5:1、より好ましくは約40:1〜約10:1の範囲であってよい。通常、バインダーは、本発明の昇華インク受容層の乾燥重量に基づいて、この層の約50〜約95重量%、好ましくは約60〜約90重量%を占めることができる。通常、顔料は、本発明の昇華インク受容層の乾燥重量に基づいて、この層の約0.5〜約40重量%、好ましくは約0.75〜約20重量%、より好ましくは約1.0〜約10重量%を占めることができる。
【0023】
本発明に関して、用語「対面する」とは、機能的活性成分が提供される物品の表面に昇華インク受容層が近接しまたは直接接触することで、熱により機能的活性成分が転写できるように、転写媒体が物品に対して配置されることを意味する。転写媒体は、昇華インク受容層が物品の表面から0mm〜約10mm、好ましくは0mm〜約5mm、より好ましくは0mm〜約2mmの範囲内にあるように配置することができる。特に好ましい実施形態では、転写媒体は、昇華インク受容層が物品の表面と直接接触するように、すなわち0mmの距離で配置される。
【0024】
昇華インク受容層が物品の表面に近接しまたは直接接触する場合、少なくとも1つの機能的活性成分は、熱および任意の圧力によって転写材料中の昇華インク受容層から物品の表面に転写され得る。本明細書において、用語「圧力」は、高圧および減圧の両方、すなわち、それぞれ1,03125×105N/m2(1バール)を上回るまたは下回る圧力を含む。本発明における機能的活性剤を転写するための圧力は、0.1〜6バールの範囲、好ましくは1バールとすることができる。本発明における機能的活性剤を転写するための時間は、5〜240秒、好ましくは20〜180秒の範囲とすることができる。
【0025】
本発明によれば、熱および任意の圧力により、昇華インク受容層の少なくとも1つの機能的活性成分が昇華インク受容層から物品の表面に転写される間、昇華インク受容層の顔料およびバインダーは本質的にキャリア基板上に保持される。本発明によれば、これは、顔料およびバインダーがキャリア基板上に充分に保持され、それらが熱および任意の圧力によって機能的活性成分と同時に転写されないことを意味する。好ましくは、昇華インク受容層の顔料およびバインダーの総量に基づいて、95重量%を超える顔料およびバインダーが保持され、より好ましくは97重量%を超え、さらにより好ましくは98重量%を超える。最も好ましくは、昇華インク受容層の顔料およびバインダーは、キャリア基板上に完全に保持される。上記パーセンテージは、適用可能な場合、機能的活性成分および昇華染料の転写による重量損失を考慮して、転写プロセスの前後に精密天秤で転写媒体の重量を決定することにより決定され得る。
【0026】
少なくとも1つの昇華インク受容層に加えて、本発明の転写媒体は、任意に、1つ以上の追加の層を含んでもよい。上記追加の層は、例えば、キャリア基板と昇華インク受容層との間に配置されてもよい。代替的または追加的に、そのような追加の層は、昇華インク受容層が形成される表面とは反対側のキャリア基板の表面上に配置されてもよい。そのような追加の層の例としては、プライマー層、バリア層、および転写媒体の熱分布を改善するための層などがある。
【0027】
プライマー層は、例えば、もしプライマー層がキャリア基板と昇華インク受容層の間に配置されている場合にはそれらの間など、2つの層間の接着性を改善するために使用することができる。存在する場合、プライマー層は、好ましくは2〜15μmの範囲の厚さであり得る。適切なプライマー層の例としては、例えば、Neocryl XK98(DSM、オランダ)のような自己架橋アクリルエマルジョンポリマーなどがある。
【0028】
本発明の転写材料に1つ以上のバリア層を含めて、熱転写プロセス中に、機能的活性成分および存在する場合には昇華染料がキャリア層の中にまたはその中を移動することを防ぐことができる。存在する場合、バリア層は、キャリア基板と昇華インク受容層との間、および/または、昇華インク受容層が形成される表面とは反対のキャリア基板の表面上に配置されてもよい。バリア層は、例えば金属化ポリエチレンテレフタレート(PET)のような金属含有ポリマー層を含むことができる。
【0029】
転写材料の全領域にわたって熱の迅速かつ均一な分配を確保するために、本発明の転写媒体に、好ましくは、昇華インク受容層が形成される表面と反対側のキャリア基板の表面上に、柔軟な金属層を含めることができる。例えば、そのような柔軟な金属層は、例えば物理的または化学的気相堆積(PVD、CVD)によってキャリア材料のそれぞれの表面を金属化することにより、または、接着層もしくはプライマー層を使用して転写材料に薄い柔軟な金属ホイルを組み込むことにより、形成しうる。金属層は、例えばアルミニウムを含むことができる。
【0030】
本発明の転写媒体および方法を使用することにより、層全体ではなく、機能的活性成分、および、存在する場合には昇華インク受容層に存在する昇華染料が、物品の表面に転写される。したがって、本発明の転写媒体は、典型的には、例えば下層からの層の剥離を促進するためのシリコーンコーティングのような剥離層を含まない。
【0031】
本発明の転写媒体は、2つ以上の昇華インク受容層を含むことができる、すなわち、1つ以上の追加の昇華インク受容層を含むことができる。これらの追加の昇華インク受容層のそれぞれは、少なくとも1つの顔料と少なくとも1つのバインダーを含む。追加の各昇華インク受容層の顔料およびバインダーは、上記のものから独立して選択することができる。これらの追加の昇華インク受容層のそれぞれは、熱および任意の圧力により、追加の昇華インク受容層の顔料とバインダーをキャリア基板上に保持しながら、転写媒体の昇華インク受容層に面する物品にその昇華インク受容層から転写することができる、同じまたは異なる機能的活性成分を独立して含んでもよい。あるいは、追加の昇華インク受容層は、そのような機能的活性成分を含まなくてもよい。同様に、これらの追加の昇華インク受容層のそれぞれは、独立して、上記の同じまたは異なる昇華染料を含んでも、昇華染料を含まなくてもよい。もし存在する場合には、追加の昇華インク受容層は、キャリア基板の第1の昇華インク受容層と同じ側に配置され、好ましくは、間に他の中間層なしに、上記第1の昇華インク受容層の下および/または上に配置される。つまり、例えば2つの昇華インク受容層が存在する場合には、それらは互いに直接接触しており、3つの昇華インク受容層が存在する場合には、最初の層は2番目の層と直接接触し、2番目の層は最初の層と3番目の層の両方と直接接触する。
【0032】
本発明の転写媒体は、好ましくは熱形成可能(thermoformable)であってもよく、すなわち、特定の温度(軟化点)を超えると柔軟または成形可能(moldable)になり、冷却すると再固化する。これにより、例えば減圧、空気圧および/または機械的力の助けを借りて、転写媒体を引き伸ばし、かつ機能的活性成分が提供される物品の形状など所望の形状に適合させることができる。これにより、機能的活性成分、および存在する場合には昇華染料を、三次元形状および/またはテクスチャー表面を有する物品の表面へさらに精密かつ正確に転写することが可能になる。機能的活性成分が上記物品の表面に転写されている間に、転写媒体の熱成形が起こり得る。本発明の熱成形可能な転写媒体では、キャリア基板は熱可塑性ポリマーを含む。熱可塑性ポリマーとしては、これらに限定されないが、アクリルポリマー、一部のポリエステルおよびポリウレタン、ナイロン、ポリ乳酸、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニル塩化物およびポリテトラフルオロエチレンならびにそれらのコポリマーおよび混合物などがある。好ましくは、熱可塑性ポリマーは、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、共重合ポリオキシメチレン(POM−C)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)およびそれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0033】
すでに上述したように、本発明の転写媒体は、少なくとも1つの昇華インク受容層に適用される少なくとも1つの昇華インクをさらに含むことができ、その結果、機能的活性成分に加えて昇華染料が少なくとも1つの昇華インク受容層に存在する。転写媒体に複数の昇華インク受容層が存在する場合には、昇華染料を含む昇華インク受容層は、機能的活性成分を含んでもよく、あるいは、少なくとも1つの他の昇華インク受容層が機能的活性成分を含む限り、そのような機能的活性成分を含まなくてもよい。
【0034】
さらに、本発明は、上記の本発明の転写媒体を調製する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーならびに機能的活性成分を含む少なくとも1つの昇華インク受容層を、キャリア基板の1つの表面の少なくとも一部の上に形成することを含む。ここで、機能的活性成分は、その形成中に昇華インク受容層に含まれてもよく、または機能的活性成分は、予め形成された昇華インク受容層に組み込まれてもよい。したがって、本発明の方法は、少なくとも1つの顔料と少なくとも1つのバインダーと機能的活性成分とを含むコーティング組成物を、キャリア基板の片側の少なくとも一部の上に適用して、少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーさらには機能的活性成分を含むコーティング層を形成し、および、前工程で形成されたコーティングを乾燥させる工程を含むことができる。
【0035】
あるいは、この方法は、少なくとも1つの顔料および少なくとも1つのバインダーを含むが機能的活性成分を含まないコーティング組成物をキャリア基板の少なくとも片側に適用して、機能的活性成分を含まないコーティング層を形成し、前工程で形成された層を乾燥させ、これに続いて、乾燥したコーティング層に機能的活性成分を組み込む工程を含んでもよい。
【0036】
適切なキャリア基板、顔料、バインダー、機能的活性成分、ならびにコーティング組成物に組み込まれ得るさらなる添加剤は、すでに上述したとおりである。これらの成分は、溶媒または溶媒混合物に提供、すなわち溶解または懸濁される。適切な溶媒には、水、有機溶媒、およびそれらの混合物が含まれる。本発明による昇華インク受容層を形成するための典型的なコーティング組成物は、例えば、水と有機溶媒の両方の合計量に基づいて、約50〜約98重量%の水と、これに限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびグリセロールなどの1つ以上を含む約2〜約50重量%の1つ以上のアルコール溶媒の混合物を含むことができ、好ましくは約80〜約95重量%の水および約2〜約50重量%の1つ以上のアルコール溶媒を含む。コーティング組成物中の溶媒の合計量は、典型的には、コーティング組成物の総重量に基づいて、約10〜約50重量%、好ましくは約20〜約40重量%、より好ましくは約25〜約35重量%の範囲である。そのようなコーティング組成物中の顔料、バインダー、機能的活性成分(コーティング組成物で適用される場合)、およびさらなる添加剤(存在する場合)の好ましい量は、上述の昇華インク受容層中の好ましい量に従う。機能的活性成分として撥水撥油剤を含む、本発明による昇華インク受容層を調製するための典型的なコーティング組成物を表1に示す。
【0037】
表1:昇華インク受容層を調製するためのコーティング組成物
【表1】
【0038】
コーティング組成物は、限定するものではないが、ローリング、スプレー、カーテンコーティング、ブラッシング、ディッピング、エアナイフコーティング、マイヤーロッドコーティング、スロットダイコーティング、スライドダイコーティングまたはその組み合わせなどの当技術分野で知られている通常の方法によって、キャリア基板の少なくとも片側に適用することができる。コーティング組成物が適用された後、コーティングは、任意に強制空気乾燥を使用しながら、室温または例えば30℃〜100℃の範囲の高温で乾燥される。乾燥工程の最適な温度と持続時間は、特定のコーティング、例えばその溶媒の含有量に依存することは理解されるであろう。乾燥工程の温度は、通常、転写媒体のガラス転移温度未満である。コーティングは、例えば最大60℃の温度で40〜100秒間乾燥させる。
【0039】
特に、昇華インク受容層の形成に使用されるコーティング組成物にまだ組み込まれていない場合、機能的活性成分は、その溶液もしくは分散液、または液体状もしくは気体状の機能的活性成分自体を乾燥コーティング層に適用することにより、乾燥コーティング層に組み込むことができる。機能的活性成分の溶液または分散液を形成するための適切な溶媒には、コーティング組成物に関して上述したものが含まれる。原則として、機能的活性成分の溶液もしくは分散液または液体状のそれ自体は、コーティング組成物をキャリア基板上に適用するための上記の方法のいずれかを使用して適用することができる。スプレーによる適用が好ましい場合がある。この特定の文脈において、スプレーはまた、機能的活性成分を含む溶液もしくは分散液または液体状のそれ自体を昇華インク受容層にインクジェット印刷することを含む。例えば、それらが昇華インク受容層の異なる部分に適用されることが意図されている場合など、機能的活性成分を含む溶液または分散液が好ましくは上記昇華染料を含まなくてもよいように、機能的活性成分および昇華染料(もしあれば)を別々の工程で昇華インク受容層に適用することが好ましい場合がある。
【0040】
さらに、昇華染料を含む少なくとも1つの昇華インクを、上記のように得られた昇華インク受容層に適用することができる。適切な昇華インクには、上記のものが含まれる。昇華インクは、インクジェット印刷によって適用することが好ましい。機能的活性成分が上記のように別の工程で乾燥コーティング層に組み込まれる場合、機能的活性成分が組み込まれる前、その際中またはその後に、好ましくはその前またはその後に昇華インクを適用してもよい。
【0041】
さらに、本発明は、物品の表面の少なくとも一部に少なくとも1つの機能的活性成分を提供する方法に関し、この方法は、(i)機能的活性成分が提供される物品の表面に、キャリア基板から最も離れた昇華インク受容層が面するように、本発明の転写媒体を上記のように物品に対し配置すること、および(ii)転写媒体に熱を加えて、昇華インク受容層の顔料とバインダーをキャリア基板上に本質的に保持しながら、機能的活性成分を昇華インク受容層から物品の表面に転写すること、を含む。
【0042】
物品の表面の少なくとも一部に少なくとも1つの機能的活性成分を提供する方法は、工程(1)において、転写媒体が物品に面するように配置される前に、昇華染料を含む少なくとも1つの昇華インクを昇華インク受容層の少なくとも1つに適用し、ここで、昇華インクは好ましくはインクジェット印刷によって適用され、および、表面の少なくとも一部に可視印刷を提供するために、昇華染料を昇華インク受容層から物品の表面の少なくとも一部に転写することをさらに含むことができる。可視印刷が提供された表面の部分は、機能的活性成分が提供された表面の部分と同じであっても、部分的に重複していても、異なっていてもよい。昇華染料は、工程(ii)において少なくとも1つの機能的活性成分と一緒に、または、少なくとも1つの機能的活性成分が転写される前もしくは転写が完了した後に転写されてもよい。さらに、転写材料 に複数の昇華インク受容層が存在する場合には、機能的活性成分が転写されていく昇華インク受容層は、昇華染料が転写されていく昇華インク受容層と同じでも異なっていてもよい。本明細書において、用語「可視印刷」は、人間の目に知覚可能な印刷を指し、例えば文字、単語、数字、記号、デザイン、写真またはそれらの組み合わせを含む。
【0043】
上で説明したように、機能的活性成分であろうと昇華染料であろうと、物質の転写は、印加圧力下で各物質に固有の温度(ここでは転写温度と呼ばれる。)に達すると行われる。理論に拘束されることを望まないが、機能的活性成分および昇華染料(存在する場合)の少なくとも一部は気体状態に転移し、気体状態で物品の表面に転写され、そこで冷却されると再固化すると考えられる。ただし、本発明の方法では、材料の少なくとも一部が液体状態で転写されること、つまりセットオフ(set-off)による転写も起こり得る。
【0044】
機能的活性成分は、特定の圧力下で昇華染料よりも高い転写温度を持つように選択できる。このように、昇華染料は完全にまたは大部分について転写プロセスで適用される第1温度で転写され、機能的活性成分は、転写プロセスで適用される第1温度よりも高い第2温度で個別に転写される。このようにして、機能的活性成分は、昇華染料によって提供される可視印刷上に、例えばその可視印刷を保護するように転写することができる。例えば、機能的活性成分は、UV安定剤、撥水剤、および/または可視印刷を保護するための引っ掻き耐性剤および欠損耐性剤であり得、退色、水分および/または摩耗から保護され得る。
【0045】
可視印刷を適用する前に物品の表面を前処理することが望ましい場合、機能的活性成分の転写温度は、昇華染料の転写温度よりも低くなるように選択することができる。このようにして、機能的活性成分は完全にまたは大部分について転写プロセスで適用される第1温度で転写され、昇華染料は転写プロセスで適用される第1温度よりも高い第2温度で転写される。例えば、機能的活性成分は、物品の表面への昇華染料の接着を改善するための湿潤剤、接着促進剤および/または粗面化剤であり得る。
【0046】
物品の表面の少なくとも一部に少なくとも1つの機能的活性成分を提供する方法において、機能的活性成分および昇華染料を転写するために適用される温度は、該当する場合、約100〜約240℃、好ましくは約120〜約220℃、より好ましくは約160〜約200℃の範囲から独立して選択される。さらに、複数の機能的活性成分および/または複数の昇華染料が存在する場合には、転写に適用される温度は、それらのそれぞれについて独立して選択されてもよい。その上、転写工程中に、典型的には0.1〜6バールの範囲、好ましくは1バールの圧力を加えることができる。機能的活性成分および可視印刷が提供される物品と組み合わされる転写材料に熱および任意の圧力を同時に適用するための装置は、該当する場合、市販されており、例えば、本質的に平らな物品には熱プレス機と光沢機、平らでない物品にはいわゆる昇華型オーブン(dye-sub ovens)などがある。昇華型オーブンは通常、強制熱風またはIR技術を使用し、減圧を採用している。熱および任意の圧力は、典型的には約5〜約240秒間、好ましくは約20〜約180秒間、さらにより好ましくは約40〜約150秒間加えられる。
【0047】
上述のように、機能的活性成分が提供される物品の表面はポリマー材料を含む。適切なポリマー材料には、上記の熱可塑性ポリマーが含まれる。好ましくは、機能的活性成分が提供される物品の表面は、ポリエステルおよび/またはポリアミドを含む。機能的活性成分が提供される物品の表面がそのようなポリマー材料を含むことは当業者には理解されるであろうが、物品全体が上記材料でできている必要はない。むしろ、機能的活性成分が提供される物品の表面がポリマー材料を含む限り、物品の大部分は、例えば木材、ガラス、鋼、アルミニウムおよび他の金属またはそれらの組み合わせなどの1以上の異なる材料で構成されていてもよい。
【0048】
物品は、好ましくは、パッケージ、ラッピングおよび保護カバーなどのカバーのみならず、衣類や履物などの繊維製品および革製品;荷物アイテム;家具や家の装飾品;ガラス製品および陶器;家庭用電化製品;工具;衛生用品;医療機器および器具;コンピューターや携帯電話などの電化製品;自動車、オートバイ、自転車、船舶および航空機などの輸送車両;建物;玩具;宝飾品および時計;上記物品の付属品および部品からなる群より選択され得る。いくつかの例には、例えば、携帯電話のバックカバー、ゲームコンソール、コンピューターキーボードのキー、マグカップ、コーヒーマシンのケース、トイレのふた、日よけ、バッグ、スーツケース、食品包装、ダッシュボード、IDカード、テーブルカバーなどがあり、これらはほんの一部の例にすぎない。
【0049】
物品が熱可塑性材料を含む場合、物品の表面の少なくとも一部に少なくとも1つの機能的活性成分を上記のように提供するための方法の(ii)の工程において、物品および転写媒体が加熱されている間に、上記熱可塑性材料を所望の形状に形成することもできる。熱可塑性材料は、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含む。適切で好ましい熱可塑性ポリマーには、熱成形可能なキャリア基板に関して上述したものが含まれる。
【0050】
本発明はさらに、機能的活性成分を備えた表面および上記の方法によって任意に作製された可視印刷を有する物品に関する。
【0051】
さらに、本発明は、食品包装などの包装;家電などの電子機器;機械、デバイスおよび装置の製造;工具製作;建築および建設;室内装飾などの装飾;もしくは広告の分野において、または、家庭用もしくは衛生用電化製品、自動車、航空宇宙もしくは繊維および衣料品の業界において、物品の表面の少なくとも一部に機能的活性成分および本発明により任意で可視印刷も提供するための転写材料の使用および方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1図1は、本発明による転写媒体10の第1の例示的な実施形態の概略断面図を示している。転写媒体は、キャリア基板3上で、バインダーと顔料の混合物(明確に示されていない)に埋め込まれた機能的活性成分15を含む昇華インク受容層12を含む。
図2図2は、昇華染料5を含む昇華インクが適用された後の図1の転写媒体1の概略断面図を示す。
図3図3は、どのように、図2の転写媒体10が物品7に対して配置され、機能的活性成分15および昇華染料5が提供される物品7の表面に昇華インク受容層12が面するかを示す。
図4図4は、キャリア基板3上に2つの昇華インク受容層2、12を含む、本発明による転写媒体10の第2の例示的な実施形態の概略断面図を示す。この例では、上部昇華インク受容層12のみが機能的活性成分15を含む。もし転写媒体が昇華インクで印刷される場合には、上記インクに含まれる昇華染料は、2つの昇華インク受容層2、12の両方に入るであろう。このような実施形態は、例えば表面の前処理のために、機能的活性成分が昇華染料の前に物品の表面に転写されるべきである場合に、好ましいかもしれない。
図5図5は、キャリア基板3上に2つの昇華インク受容層2、12を含む、本発明による転写媒体1のさらなる例示的な実施形態の概略断面図を示す。この例では、下部昇華インク受容層12のみが機能的活性成分15を含む。このような実施形態は、例えば物品上の昇華染料によって提供される可視印刷を保護するために、機能的活性成分が昇華染料の後に物品の表面に転写されるべきである場合に、好ましいかもしれない。
図6図6は、キャリア基板3上に2つの昇華インク受容層12、13を含む、本発明による転写媒体10のさらなる例示的な実施形態の概略断面図を示す。この例では、両方の昇華インク受容層12、13が機能的活性成分15、16を含む。
図7図7は、キャリア基板3上に3つの昇華インク受容層12、13、14を含む、本発明による転写媒体10のさらなる例示的な実施形態の概略断面図を示す。この例では、3つすべての昇華インク受容層12、13、14が機能的活性成分15、16、17を含む。
図8図8は、以下の実施例でさらに説明するように、当技術分野で知られている従来の転写材料(右側)と比較した本発明による転写材料の使用(左側)を示す。
【実施例】
【0053】
機能的活性成分として撥水撥油剤を昇華インク受容層に含む転写材料を、上記表1に示される成分を混合してコーティング組成物を提供することにより調製した。顔料、バインダー、酸、添加剤、および機能的活性成分を溶媒に連続的に加えた。昇華インク受容層(20〜40g/m2)を形成するマイヤーロッドを使用して、キャリア基板として熱可塑性材料で作られたポリマーフィルムに上記コーティング組成物を適用し、次いで、60℃で0.9分間乾燥した。そして、こうして調製された転写材料をポリエステル織布の上に置いて昇華インク受容層が当該織布に面するようにし、さらに熱プレスに配置した。転写を行うために、熱プレス機で190℃の温度と2×105N/m2の圧力を90秒間、転写材料と織布の組み合わせに適用した。
【0054】
本発明によって機能的活性成分を備えた織布に水滴を適用した。図8の左側に見られるように、液滴は織布に広がることも染み込むこともなかったが、その表面に残った。一方、転写材料に機能的活性成分が含まれていない点を除き、上記のように同じ方法で印刷された同じ素材で作られた織布に水滴を置いたところ、適用直後に上記材料に染み込んだ(図8の右側)。
【0055】
機能的活性成分を備えた上記織布を30℃で標準的な洗濯機によって数回洗浄したところ、洗浄プロセス後も、機能的活性成分によって付与された特性は示された。
【符号の説明】
【0056】
3 キャリア基板
5 昇華染料
7 機能的活性成分が提供される物品
10 転写媒体
2,12,13,14 昇華インク受容層
15,16,17 機能的活性成分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】
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2020015304000002.pdf
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