【解決手段】ナビゲーションシステムは、1以上のプロセッサと、1以上のプロセッサが実行するプログラムを格納する1以上の記憶装置と、を有する。1以上のプロセッサは、出発地と目的地との間の経路において、並行する複数の本線レーンを含む本線レーン群を有したレーン変更計画作成区間と、本線レーン群に含まれる複数のレーンリンクそれぞれの推奨度と、を決定する。1以上のプロセッサは、レーン変更計画作成区間と推奨度とに基づいてレーン変更計画、を生成する。
前記レーン変更計画作成区間における本線レーン群は、前記本線レーン群に合流する合流レーンから分岐レーンに達していることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
前記レーンリンクの推奨度の算出は、当該レーンリンクから分岐レーンに入るために必要なレーン変更回数、当該レーンリンクが含まれるレーンにおける直近の必須レーン変更までの距離、及び当該レーンリンクの通過所要時間の少なくとも一つに基づくことを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
前記レーン変更計画画像は、前記レーンリンクの推奨度の算出において参照された要素についての情報を示すことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーションシステム。
前記1以上のプロセッサは、前記レーン変更開始推奨位置を、予め指定されている条件を満たす回避区間を避けるように決定することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーションシステム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、各図中、同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0009】
車両のナビゲーションシステムがドライバ及び/又は自動運転システムに対して提供する経路情報に対して、より高い品質(安全性、精度等)が求められている。走行レーンの選択・変更は、ドライバ及び自動運転システムにとって難しいタスクであり、適切なレーン変更計画及びドライバへその適切な提示が求められる。
【0010】
ドライバ自身よる運転中、さらに自動運転中おいても、レーン変更計画の情報は、ドライバを含むナビゲーションシステムを参照するユーザにとって、重要な情報である。以下に開示するナビゲーションシステムは、レーン変更計画を作成し、複数のレーンにおける推奨レーンをユーザに提示する。例えば、ナビゲーションシステムは、レーンそれぞれの推奨度を提示する。推奨度は、色、パターン、点滅、数値などにより表わすことができる。
【0011】
例えば、ナビゲーションシステムは、推奨レーンの情報に加え、レーン変更の推奨位置を提示する。これにより、レーン選択・変更に関する判断の難しさ/回数をより適切に減らすことができる。
【0012】
一例において、ユーザが、最終的な分岐までのレーン変更計画を把握することができるように、車両の現在位置から最終的な分岐までの経路における、レーン選択・変更の全体像を案内する。これにより、ユーザは、推奨レーンが推奨されている理由や、レーン変更の推奨位置の理由を把握することができる。さらに、推奨レーン及び/又はレーン変更推奨位置が決定された理由を明示することで、ユーザの理解を助けることができる。
【0013】
図1は、ナビゲーションシステムがユーザ提示する表示画像(レーン変更計画画像)の例10である。
図1の表示画像例において、車両進行方向は横方向(左から右)である。他の例において、車両進行方向は他の横方向(右から左)、又は、縦方向(上から下又は下から上への方向)であってよい。車両画像20は、現在の車両の位置を示しており、本線レーン100A、100B及び100Cからなる本線レーン群への合流レーン103上にある。車両の経路は、本線レーン群から分岐する分岐レーン105へと続く。つまり、車両は、本線レーン100Cから分岐レーン105に入ることが予定されている。
【0014】
表示画像10は、後述する一つのレーン変更計画作成区間(単に計画作成区間とも呼ぶ)における、レーン変更計画を表示する。具体的には、表示画像10は、並行する本線レーン100A、100B及び100Cそれぞれの、各位置(経路上の位置)での推奨度をパターンにより示している。
図1の例において、本線レーン100Bの推奨度が最も高く、本線レーン100Cの推奨度が最も低く、本線レーン100Aの推奨度がそれらの中間である。表示画像10は、合流レーン103の合流位置から分岐レーン105の分岐位置までの区間において、本線レーンそれぞれについての推奨度を表示する。
【0015】
表示画像10は、パターンの傾斜(斜辺)により、レーン変更開始推奨区間を示す。
図1の例において、位置111Cは、レーン100Cからレーン100Bへのレーン変更開始推奨区間の開始位置を示す。位置112Cは、レーン100Cからレーン100Bへのレーン変更開始推奨区間の終了位置を示す。車両は、位置111Cから位置112Cの間において、レーン変更を開始することが推奨されている。同様に、車両は、位置111Aから位置112Aの間において、レーン100Aからレーン100Bへのレーン変更を開始することが推奨されている。
【0016】
ナビゲーションシステムは、車両の現在位置が位置111C又は111Aに達すると、音声及び/又は画像において、レーン変更を促すように情報を提示してもよい。ナビゲーションシステムは、例えば、車両の現在位置がレーン100Cにおける位置111Cに達すると、レーン100Cからレーン100Aへの変更を促す音声及び/又は画像を出力する。ナビゲーションシステムは、例えば、車両の現在位置がレーン100Aにおける位置111Aに達すると、レーン100Aからレーン100Bへの変更を促す音声及び/又は画像を出力する。
【0017】
図2は、
図1に示す区域における、計画作成区間及び各レーンを構成するレーンリンクを模式的に示す。レーンリンクは地図情報に予め登録されている。
図2の例において、計画作成区間300は、合流レーン103と本線レーン100Aとの合流位置から、分岐レーン105の本線レーン100Cからの分岐位置までである。
図2に示すように、車両25は、合流レーン103から本線レーン100Aに入り、本線レーン群100A、100B、100Cから選択したレーンを通過しつつ、本線レーン100Cから分岐レーン105に出ていく。
【0018】
各レーンにおける矢印151(一つの矢印が例として符号151で指示)は、レーンリンクを示す。レーンリンク151は、レーンの一部であり、矢印は、レーンリンクの進行方向及び区域を示す。各レーンリンク151の開始位置及び終了位置は経路上の位置で定義できる。経路上の同一位置の複数のレーンそれぞれレーンリンク151は、経路上の同一位置間の区域を示す。経路上の同一位置のレーンリンク151は、レーンリンクグループ150を構成する。
【0019】
次に、計画作成区間内でのレーン変更計画の作成方法の概略を説明する。
図3は、計画作成区間の決め方の例を模式的に示す。ナビゲーションシステムは、車両の経路を目的地203から出発地201に向かって遡り、計画作成区間(レーン選択・変更が発生する区間)を探索する。経路の各部分は一つの道路で表わされ、一つの道路は1又は複数のレーンで構成される。道路は連続する道路リンクで構成されており、
図3におけるノード間の線が道路リンクを表す。
図3は、二つの計画作成区間300A及び300Bを示す。計画作成区間300Aは、計画作成区間開始位置302A〜計画作成区間終了位置304Aまでの区間、計画作成区間300Bは、計画作成区間開始位置302Bから計画作成区間終了位置304Bまでの区間である。
【0020】
具体的には、ナビゲーションシステムは、目的地側から経路を遡り、予め定められた条件に基づいて、計画作成区間終了位置を決定する。ナビゲーションシステムは、さらに、経路を遡り、上記計画作成区間終了位置に対応する計画作成区間開始位置を、予め定められた条件に基づいて、決定する。なお、車両の出発地から目的地までの経路が長距離である場合、経路を複数の区域に分割し、分割した区域ごとに、目的地に近い方から1又は複数の計画作成区間を決定してもよい。また、分割した各区域について計画作成する順序は、出発地に近い区域から順に処理を実行してもよい。
【0021】
図4は、計画作成区間終了位置の条件の例を示す。計画作成区間終了位置は、特定のレーンリンクグループが対応する。
図4の例において、レーンリンクグループ150Cが計画作成区間終了位置304に対応する。例えば、レーンリンクグループ150Cの終了位置が、計画作成区間終了位置304である。
【0022】
本例の計画作成区間終了位置の条件は、目的地側から経路に沿ってレーンリンクグループを追跡し、レーンリンクグループのレーン数が増えることである。これは、経路に沿ってレーン数が減少することを意味し、何らかのレーン選択が必要であると考えられるからである。
【0023】
図4の例において、レーンリンクグループ150Cのレーン数は3であり、その目的地側の隣接レーンリンクグループ150Bのレーン数は1である。また、レーンリンクグループ150Bの目的地側の隣接レーンリンクグループ150Aのレーン数は1である。レーンリンクグループ150Cにおいて、レーン数が増加しており、レーンリンクグループ150Cが計画作成区間終了位置304に対応すると決定される。
【0024】
図5、6及び7は、計画作成区間開始位置の条件の例を示す。
図5の例において、レーンリンクグループ150Cが計画作成区間開始位置302に対応している。具体的には、レーンリンクグループ150Cの終了位置が計画作成区間開始位置302である。
図5の計画作成区間開始位置の条件は、目的地側から経路に沿ってレーンリンクグループを追跡し、レーンリンクグループのレーン数が1より大きい数から1となることである。レーンリンクグループのレーン数が1である場合、レーン選択が不要であるからである。
【0025】
図5において、レーンリンクグループ150Cのレーン数は1であり、その目的地側の隣接レーンリンクグループ150Bのレーン数は4である。また、レーンリンクグループ150Bの目的地側の隣接レーンリンクグループ150Aのレーン数は3である。レーン数は、レーンリンクグループ150Bの4からレーンリンクグループ150Cの1に変化している。
【0026】
図6の例において、レーンリンクグループ150が計画作成区間開始位置302に対応している。具体的には、レーンリンクグループ150の開始位置が計画作成区間開始位置302である。
図6の計画作成区間開始位置の条件は、レーンリンク情報が消失していることである。レーンリンク情報が存在しない場合、レーン推奨度を計算できないからである。
図6において、レーンリンクグループ150の出発地側のレーンリンク情報が存在していない。そのため、レーンリンクグループ150の開始位置が計画作成区間開始位置302と決定される。
【0027】
図7の例において、レーンリンクグループ150が計画作成区間開始位置302に対応している。具体的には、レーンリンクグループ150の開始位置が計画作成区間開始位置302である。
図7の計画作成区間開始位置の条件は、直近の分岐からの距離が上限(例えば2km)を超えていることである。分岐までの距離が長い場合、レーン間の推奨度の相違が小さいからである。
図7において、レーンリンクグループ150の位置が、直近の分岐からの条件の距離にある。そのため、レーンリンクグループ150の開始位置が計画作成区間開始位置302と決定される。なお、計画作成区間開始位置の条件は、直近の分岐に、代えて直近の合流を使用してもよく、直近の分岐と合流のいずれかからの距離が上限を超えていることであってもよい。1つの計画作成区間は、複数の分岐または合流を含む場合もある。
【0028】
ナビゲーションシステムは、
図5、6及び7に示す条件のいずれかを満たす位置を、計画作成区間開始位置と決定する。ナビゲーションシステムは、
図5、6及び7に示す条件の一部のみを参照してもよい。上述のように、本線レーン群における計画作成区間は、合流レーンから分岐レーンまで到達しており、本線レーン群における合流位置及び分岐位置を含む。
【0029】
次に、レーン推奨度の計算方法の例を説明する。以下に説明する例は、レーンリンクグループ毎にレーン推奨度を決定する。また、レーンリンクグループ内の各レーンの推奨度は、本例において、計画作成区間での最終的な分岐までに必要なレーン変更回数、直近の必須レーン変更までの距離、及び通過所要時間に基づき決定される。
【0030】
図8は、推奨度の計算において参照される上記要素(条件)を説明する図である。
図8において、各レーンリンク(矢印で表わされている)の近くの数字のペアは、計画作成区間終了位置での分岐までに必要なレーン変更回数及び直近の必須レーン変更までの距離を示す。
図8において、計画作成区間300は、計画作成区間開始位置302から計画作成区間終了位置304までの区間である。
【0031】
図8の例において、車両25は、計画作成区間終了位置304の手前において、本線レーン100Bから分岐レーン105に入る。従って、計画作成区間終了位置304における分岐レーン105への分岐のため、車両25は、本線レーン100Bを走行していることが必要である。そのため、本線レーン100Bのレーンリンクそれぞれの必要なレーン変更回数は0であり、その結果、直近の必須レーン変更までの距離は定義されない。
【0032】
本線レーン100A及び100Cのレーンリンクそれぞれに対して、必要なレーン変更回数は1である。これは、現在のレーンから本線レーン100Bへのレーン変更を意味する。本線レーン100Cにおける直近の必須レーン変更は、本線レーン100Cの終了(レーン数減少)により、車両25は、レーン変更完了限界位置121Cまでの、本線レーン100Cから本線レーン100Bに移動している必要がある。
【0033】
レーン変更完了限界位置は、隣接するレーンへの変更が完了していることを求められる位置である。レーン変更完了限界位置は、レーン数の減少や分岐レーンへの分岐のためにレーン変更が必要とされる場合に、レーン終点や分岐位置等に基づいて決定される。レーン変更完了限界位置は、地図データ及び推奨経路情報に基づき決定される。
【0034】
本線レーン100Aにおける直近の必須レーン変更は、計画作成区間における最終的な分岐、つまり、分岐レーン105への分岐のための本線レーン100Bへのレーン変更である。車両25は、レーン変更完了限界位置121Aまでに、本線レーン100Aから本線レーン100Bに移動している必要がある。
【0035】
レーン100Aのレーンリンクの直近の必須レーン変更までの距離は、レーン変更完了限界位置121Aを基準に決定される。また、レーン100Cのレーンリンクの直近の必須レーン変更までの距離は、レーン変更完了限界位置121Cを基準に決定される。
図8の例においては、レーン変更完了限界位置からレーンリンク終点(先頭点)までの距離が、当該レーンリンクの直近の必須レーン変更までの距離である。
【0036】
例えば、
図8におけるレーンリンクグループ150は、レーン100Aのレーンリンク151A、レーン100Bのレーンリンク151B、レーン100Cのレーンリンク151Cで構成されている。レーンリンク151Aのレーン必要回数は1回であり、レーン変更完了限界位置121Aまでの距離は350mである。レーンリンク151Bのレーン必要回数は0回であり、直近の必須レーン変更までの距離は定義されていない。レーンリンク151Cのレーン必要回数は1回であり、レーン変更完了限界位置121Cまでの距離は200mである。
【0037】
ナビゲーションシステムは、予め登録されている地図情報とユーザに指定された出発地及び目的地との間で設定される経路の情報とから、計画作成区間内の各リンクの上記情報を決定することができる。
【0038】
図9は、推奨度の計算において参照される上記要素を説明する他の例を示す。
図8に示す例との相違点を主に説明する。計画作成区間300において、本線レーン群の全ての並行する本線レーン100A、100B及び100Cは、計画作成区間開始位置302から計画作成区間終了位置304まで延びている。車両25は、本線レーン100Cから分岐レーン105へ分岐する。
【0039】
したがって、本線レーン100Aの各レーンリンクのレーン変更回数は2回であり、本線レーン100Bの各レーンリンクのレーン変更回数は1回であり、本線レーン100Cの各レーンリンクのレーン変更回数は0回である。最も推奨度が高いレーンは本線レーン100Cであり、最も推奨度が低いレーンは本線レーン100Aである。
【0040】
本線レーン100Aから本線レーン100Bへのレーン変更完了限界位置121A、及び、本線レーン100Bから本線レーン100Cへのレーン変更完了限界位置121Bが設定されている。本線レーン100Aと本線レーン100Cとの距離は、本線レーン100Bと本線レーン100Cとの距離より長いため、レーン変更完了限界位置121Aがレーン変更完了限界位置121Bよりも手前に設定されている。
【0041】
例えば、本線レーン100Aから本線レーン100Bにレーン変更するためのレーン変更完了限界位置121Aは、本線レーン100Bから本線レーン100Cへのレーン変更完了限界位置121Bから、出発地側に、レーン変更に必要な距離及び案内実行からレーン変更開始までのマージン分の距離をさかのぼった位置に設定される。本線レーン100Bから本線レーン100Cへのレーン変更開始推奨区間の開始位置と、本線レーン100Aから本線レーン100Bへのレーン変更完了限界位置が一致する。
【0042】
図10は、
図9に対応するナビゲーションシステムによる表示画像10を示す。
図1を参照して説明したように、レーン推奨度がパターンにより示されている。また、本線レーン100Aにおけるレーン変更開始推奨区間の開始位置111A及び終了位置112Aは、パターンの斜辺の端点で示されている。同様に、本線レーン100Bにおけるレーン変更開始推奨区間の開始位置111B及び終了位置112Bは、パターンの斜辺の端点で示されている。
【0043】
図11は、推奨度の計算例のフローチャートを示す。ナビゲーションシステムは、各レーンリンクグループについて、
図11のフローチャートに従って、各レーンリンクの推奨度を決定する。
図11のフローチャートにおいて、ステップS101、S102及びS103は、レーンリンクグループの各レーンリンクに対して実行される。
【0044】
ステップS101において、ナビゲーションシステムは、現在のレーンリンクグループから選択したレーンリンクiのレーンから、計画作成区間での最終的な分岐のためにレーンに移動するためのレーン変更回数と、重み係数Xとの積を計算し、変数Ciに追加する。S102において、ナビゲーションシステムは、レーンリンクiから直近の必須レーン変更までの距離と重み係数Yとの積を計算し、変数Ciに追加する。
【0045】
ステップS103において、ナビゲーションシステムは、レーンリンクiの通過所要時間と重み係数Zとの積を計算し、変数Ciに追加する。通過所要時間は、例えば、外部システムから得られる渋滞情報において得られる現在の平均所要時間や、地図情報に定義されている平均速度及びレーンリンクの距離から、決定することができる。以上の計算により、レーンリンクiの変数Ciの計算が終了する。なお、
【0046】
ステップS104において、ナビゲーションシステムは、次の数式に従って、レーンリンクグループ内の各レーンリンクiの推奨度Riを決定する:Ri=1−(Ci/ΣCi)。重み係数Xは、レーン変更回数が多い程、推奨度が小さくなるように決定される。重み係数Yは、直近の必須レーン変更までの距離が短い程、推奨度が小さくなるように決定される。重み係数Zは、通過所要時間が長い程、推奨度が小さくなるように決定される。
【0047】
上記推奨度の決定方法は、一例であって、ナビゲーションシステムは他の方法によりレーン推奨度を決定してもよい。例えば、ナビゲーションシステムは上記三つの要素の1又は2の要素に基づいてレーン推奨度を決定してもよい。一例において、ナビゲーションシステムは、レーン変更必要回数のみを参照してもよく、通過所要時間を省略してもよい。上記要素の一部又は全部によりレーンリンクの推奨度を決定することで、適切なレーン推奨度を得ることができる。
【0048】
次に、レーン変更開始推奨位置(推奨区間)の決定方法を説明する。レーン変更開始推奨位置は、予め設定されている条件に基づき決定される。一例において、レーン変更開始推奨位置は、レーン変更に必要な距離及びレーン変更の(例えばドライバへの音声による)案内から実際のレーン変更開始までのマージンに基づき決定される。
図12はレーン変更開始推奨位置の決定方法を説明するための図である。
図12は、レーン100Aからレーン100Bへのレーン変更における、レーン変更開始推奨区間115を示す。
【0049】
レーン変更開始推奨区間115は、レーン変更の開始を推奨する区間であり、その各位置は、レーン変更開始推奨位置である。ナビゲーションシステムは、レーン変更完了限界位置121Aから、レーン変更開始推奨区間115を決定する。レーン変更完了限界位置121Aは、車両25のレーン変更が完了していることが必要な位置である。
【0050】
例えば、ナビゲーションシステムは、レーン変更完了限界位置121Aから、レーン変更に必要な距離の位置を、レーン変更開始推奨区間終了位置112Aと決定する。ナビゲーションシステムは、レーン変更開始推奨区間終了位置112Aからレーン変更の案内から実際のレーン変更開始までの予め定められたマージンの位置を、レーン変更開始推奨区間開始位置111Aと決定する。レーン変更開始推奨区間115の距離は、上記マージンに一致する。
【0051】
車両25がレーン変更開始推奨区間開始位置111Aに到達すると、ナビゲーションシステムは、音声若しくは画像によりドライバにレーン変更をガイドし、又は、自動運転システムにレーン変更を指示する。レーン変更開始推奨区間115を予めユーザに提示することで、ユーザのレーン変更についての理解を助けることができる。
【0052】
上記レーン変更に必要な距離及び上記マージンの計算は任意であり、特定の方法に限定されない。例えば、レーン変更に必要な距離は、車速や車線幅員等に基づき、急ハンドルとならないように決定される。レーン変更の案内実行から実際のレーン変更開始までのマージンの計算は、例えば、予め設定されている計算式と、レーンの制限速度や交通情報から得られる平均速度等とから、決定することができる。予め設定されている計算式は、例えば、案内実行中、周囲確認中、レーン変更待機中、速度調整中の進行距離を考慮する。
【0053】
ナビゲーションシステムは、レーン変更計画画像において、本線レーン群の少なくとも一部の区間におけるレーン構成と少なくとも一部のレーンリンクの推奨度とを示す。これにより、レーン変更計画についてのユーザの理解を助けることができる。上述のように、計画作成区間の始点から終点までの全区域及び全てのレーンについてのレーン構成、レーン推奨度及びレーン変更開始推奨位置を提示することで、ユーザの理解を大きくに助けることができる。ナビゲーションシステムは、例えば、レーン推奨度の情報のみを提示し、レーン変更推奨位置の情報を提示しなくともよい。
【0054】
他の例において、全てのレーンのレーン推奨度を提示することなく、一部のレーンのみを明示してもよい。例えば、ナビゲーションシステムは、車両が走行しているレーンに応じて、推奨度を提示するレーンを変更してもよい。例えば、ナビゲーションシステムは、現在走行しているレーン及びその隣接レーンの推奨度を選択的にレーン変更計画画像において表示してもよい。
【0055】
他の例において、現在のレーンが最も高い推奨度のレーンである場合、ナビゲーションシステムは、当該レーンの推奨度のみを提示してもよい。現在レーン不明の場合、ナビゲーションシステムは、全てのレーンの推奨度を提示する。ナビゲーションシステムは、計画作成区間における一部の区間を選択して、レーン推奨度及びレーン変更開始推奨位置を表示してもよい。
【0056】
一例において、ナビゲーションシステムは、車両が自動運転中か否かに応じて、表示する区間の範囲を変える。具体的には、手動運転中の表示区間は、自動運転中の表示区間よりも短い。これにより、手動運転中に表示する情報量を少なくし、運転中のドライバへ提供する情報の過多を避ける。
【0057】
次に、計画作成区間におけるレーン変更計画についての追加の情報の提示を説明する。以下に説明する例において、ナビゲーションシステムは、レーン推奨度及び/又はレーン変更推奨位置の理由を提示する。これにより、ユーザのレーン変更計画についての理解を深めることができる。
【0058】
図13は、レーン推奨度の理由として、直近の必須レーン変更までの距離を提示する画像例10を示す。アイコン131Aは、本線レーン100Aのレーン変更開始推奨区間(位置111A及び112Aにより定義される)の近くに表示されている。当該レーン変更開始推奨区間は、計画作成区間において、それより後ろの本線レーン100Aの全てのレーンリンクにとっての、直近の必須レーン変更位置である。
【0059】
アイコン131Cは、本線レーン100Cのレーン変更開始推奨区間(位置111C及び112Cにより定義される)の近くに表示されている。当該レーン変更開始推奨区間は、計画作成区間において、それより後ろの本線レーン100Cの全てのレーンリンクにとっての、直近の必須レーン変更位置である。
【0060】
図13において、自車両がレーンリンクグループ150内に存在することが特定できているものとする。アイコン131Aが、入力装置を介してユーザにより選択されると、ナビゲーションシステムは、事前に指定されているレーンリンクグループ150から、アイコン131Aが示す直近の必須レーン変更位置までの距離を提示する。同様に、アイコン131Cが選択されると、ナビゲーションシステムは、レーンリンクグループ150から、アイコン131Cが示す直近の必須レーン変更位置までの距離を提示する。
【0061】
図13の例において、レーンリンクグループ150について、レーン100Aの直近の必須レーン変更までの距離は、レーン100Cの直近の必須レーン変更までの距離よりも長い。そのため、直近の必須レーン変更までの距離の観点において、レーン100Aの推奨度は、レーン100Cの推奨度よりも高い。
【0062】
図14は、レーンレベル渋滞情報を表示する画像例10を示す。
図14の画像例10において、車両は、合流レーン103から本線レーン100Aに入り、本線レーン100A、100Bを通過して、そして、本線レーン100Aから分岐レーン108に出ていく。本線レーン100Aからの分岐レーン107が、分岐レーン108の手前に存在している。
【0063】
図14の例において、アイコン132がレーン100Aと重なるように表示されている。本例において、アイコン132は、渋滞が発生している位置において表示される。ナビゲーションシステムは、外部システムから渋滞情報を取得できる。ユーザが入力装置を介してアイコン132を選択すると、ナビゲーションシステムは、アイコン132が示す位置での渋滞情報を提示する。
【0064】
図14の例において、本線レーン100Aにおいて渋滞が発生し、本線レーン100Cにおいて渋滞が発生していない。渋滞発生位置の手前において、本線レーン100Aのレーンリンクの通過所要時間が、本線レーン100Cのレーンリンクの通過所要時間よりも長くなっている。そのため、渋滞発生位置の手前において、本線レーン100Cの推奨度が、本線レーン100Cの推奨度よりも高い。
【0065】
図14の画像例10により、ユーザは、分岐レーン108が本線レーン100Aの左側に存在するにもかかわらず、本線レーン100Aから右側の本線レーン100Bへのレーン変更が推奨されている理由は、渋滞が発生していることであると、理解することができる。
【0066】
他の例において、ナビゲーションシステムは、ユーザ指定された1又は連続する複数のレーンリンクグループにおける、レーン毎の通過の所要時間を、表示してもよい。例えば、ナビゲーションシステムは、開始レーンリンクグループ及び終了レーンリンクグループにより定義される区間の指定を受け付け、指定区域の各レーン又は指定されたレーンの通過の所要時間を表示する。レーン毎の通過所要時間を参照することで、ユーザは、各レーンの推奨度の理由を理解することができる。
【0067】
ナビゲーションシステムは、他の理由として、レーン変更回数や他車両合流リスク等を表示してもよい。上述のように、アイコン及びアイコンの選択に応じた詳細情報の提示により、ユーザに対して見やすい態様で情報を提示することができる。他の例において、ナビゲーションシステムは、アイコンを使用することなく、レーン推奨度の理由を直接表示してもよい。ナビゲーションシステムは、計画作成区間(レーン変更計画がある区間)を車両が走行している間、レーン推奨度の理由又はそれを表示するためのアイコンを、常に表示してもよい。
【0068】
ナビゲーションシステムは、所定の条件が満たされる場合のみそれらを表示してもよい。これにより、不要な情報の表示を避けて必要な情報をユーザに認識させやすくできる。例えば、ナビゲーションシステムは、最終的な分岐方向と直近のレーン変更方向が不整合となっていることを条件に、上記情報を表示してもよい。
【0069】
次に、レーン変更推奨位置の理由を表示する例を説明する。
図15の表示画像例10は、レーン変更推奨位置の理由(条件)として、レーン変更禁止区間を示す。
図15の例において、車両は、合流レーン103から本線レーン100Aに入り、現在、本線レーン100Bを走行しており、現在車両20が表示されている。車両は、この後、本線レーン100Bから本線レーン100Aに移り、分岐レーン108に出ていく。分岐レーン108と合流レーン103との間には、本線レーン100Aに繋がる合流レーン104が存在している。
【0070】
図15の画像例10は、位置111B及び112Bで定義されるレーン変更開始推奨区間を提示する。さらに、そのレーン変更開始推奨区間の理由として、レーン変更開始推奨区間の前方において存在する、レーン変更禁止区間142を表示する。本例において、レーン変更禁止区間142の終了地点から分岐レーン100までの距離は、余裕をもったレーン変更のためには不十分である。
【0071】
したがって、ナビゲーションシステムは、レーン変更禁止区間142手前でのレーン変更が必要と判定する。ナビゲーションシステムは、レーン変更禁止区間142の開始位置を基準に、レーン変更開始推奨区間を計算する。レーン変更に必要な距離やレーン変更開始推奨区間の計算方法は、
図12を参照した説明と同様又は類似する方法でよい。
【0072】
図16の表示画像例10は、レーン変更推奨位置の理由(条件)として、トンネルを示す。トンネル内でのレーン変更は禁止されていないが、トンネル外でのレーン変更よりも安全性が低いため、推奨されない。ナビゲーションシステムは、トンネル内でのレーン変更を行わないものとして、レーン変更推奨位置を決定する。
【0073】
図16の例において、車両は、合流レーン103から本線レーン100Aに入り、本線レーン100A、100B及び100Cを通過して、本線レーン100Bから分岐レーン105に出ていく。
図16の画像例10は、位置111A及び112Aで定義されるレーン変更開始推奨区間を提示する。さらに、そのレーン変更開始推奨区間の理由として、レーン変更開始推奨区間の前方において存在する、トンネル143を表示する。
【0074】
トンネル143の出口から分岐レーン105入口までの距離は余裕をもったレーン変更のためには不十分である。したがって、ナビゲーションシステムは、トンネル143手前でのレーン変更が必要と判定する。ナビゲーションシステムは、トンネル143の開始位置を基準に、レーン変更開始推奨区間を計算する。レーン変更に必要な距離やレーン変更開始推奨区間の計算方法は、
図12を参照した説明と同様又は類似する方法でよい。
【0075】
ナビゲーションシステムは、レーン変更推奨位置の他の理由として、例えば、交差点を表示してもよい。交差点周辺でのレーン変更は推奨されないからである。上述のように、トンネル内区間、レーン変更禁止区間、交差点から所定範囲の区間のように、予め指定された回避区間を避けるように、レーン変更開始推奨位置が決定される。これにより、より適切にレーン変更を推奨できる。
【0076】
ナビゲーションシステムは、計画作成区間(レーン変更計画がある区間)を車両が走行している間、レーン変更推奨位置の理由を常に表示してもよく、所定の条件が満たされる場合のみそれを表示してもよい。これにより、不要な情報の表示を避けて必要な情報をユーザに認識させやすくできる。
【0077】
例えば、現在走行中のレーンからレーン変更が必要である場合に、理由が表示されてもよい。
図16の例において、ナビゲーションシステムは、車両がレーン100Bを走行している間には、トンネル143を表示せず、車両が他のレーンを走行している場合にトンネル143を表示する。
【0078】
以下において、ナビゲーションシステムの構成及び処理を説明する。
図17は、ナビゲーションシステムの例としての、車両内に配置されるナビゲーション装置の構成例を模式的に示す。ナビゲーション装置50は、ナビゲーション装置50は、プロセッサ501、メモリ(主記憶装置)502、補助記憶装置503、出力装置504、入力装置505、センサ506、外部通信インタフェース(I/F)507、車両通信I/F508、及び表示情報通信I/F509を含む。
【0079】
入力装置505は、ユーザによる指示等の入力を受け付ける装置であり、例えばタッチパネルである。出力装置504は、表示装置541及び音声出力装置542を含む。表示装置541は、ユーザに対して、地図や経路案内等のための画像を表示する。音声出力装置542は、経路案内の音声等を出力する。
【0080】
メモリ502は、プロセッサ501によって実行される命令コードを含むプログラムを格納する。メモリ502としては、典型的にはDRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶装置等が採用される。本例では、メモリ502が格納しているプログラムは、自車位置推定部521、経路探索部522、交通情報管理部523、地図表示部524、経路・案内情報送信部525、経路誘導制御部526、案内情報テーブル作成部527、レーン変更計画テーブル作成部528、レーン変更計画表示部529を含む。
【0081】
自車位置推定部521は、センサ506(GPSセンサ)からの情報に基づき、車両の現在位置を推定する。経路探索部522は、ユーザ指定された出発地と目的地とを結ぶ推奨経路を生成し、推奨経路情報532を補助記憶装置503に格納する。交通情報管理部523は、外部通信I/F507を介して、外部サーバ801からリアルタイムの交通情報を取得する。地図表示部524は、表示装置541において、推奨経路を含む地図を表示する。
【0082】
経路・案内情報送信部525は、推奨経路の情報を車両通信I/Fを介して、車両制御システム802に送信する。経路誘導制御部526は、推奨経路に従って、ユーザ及び/又は自動運転システムの運転を誘導する。案内情報テーブル作成部527は案内情報テーブル533を作成する。レーン変更計画テーブル作成部528はレーン変更計画テーブル534を作成する。レーン変更計画表示部529は、表示装置541において、計画作成区間におけるレーン変更計画を示す画像を表示する。なお、表示装置541に表示される画像のデータは、表示情報通信I/F509を介して、HUD(Head−Up Display)やメータ等の外部表示装置803に送信されてもよい。
【0083】
メモリ502には、プロセッサ501が各種処理を実行する際など、補助記憶装置503に格納されている各プログラム及びデータの少なくとも一部が必要に応じてコピーされてもよく、その他のプログラム及びその参照データが格納されてもよい。さらに、メモリ502には、プロセッサ501が実行した処理の結果が格納されてもよい。
【0084】
補助記憶装置503は、プロセッサ501が各プログラムに基づいて種々の処理を実行するために参照する情報を格納する。本例の補助記憶装置503は、地図データ531、推奨経路情報532、案内情報テーブル533、レーン変更計画テーブル534を格納している。この補助記憶装置503としては、典型的にはHDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュメモリなどの大容量かつ不揮発性の記憶装置等が採用される。メモリ502、補助記憶装置503及びそれらの組み合わせは、それぞれ、非一過性の記憶媒体を含む記憶装置である。
【0085】
プロセッサ501は、メモリ502に格納されたプログラムの命令コードに従って、様々な処理を実行する。プロセッサ501は、プログラムを実行することによって種々の機能部として動作する。プロセッサ501は、単一の処理ユニットまたは複数の処理ユニットで構成することができ、単一もしくは複数の演算ユニット、又は複数の処理コアを含むことができる。プロセッサ501は、1又は複数の中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロ計算機、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ステートマシン、ロジック回路、グラフィック処理装置、チップオンシステム、及び/又は制御指示に基づき信号を操作する任意の装置として実装することができる。
【0086】
上述のように、プログラムをプロセッサ501が実行することにより、ナビゲーション装置50の各種処理が実行される。したがって、以下において、プログラム又は機能部により実行される処理は、プロセッサ501又はナビゲーション装置50による処理である。
【0087】
本開示のナビゲーションの機能の一部は、ナビゲーション装置に代えて、ナビゲーションシステムに含まれるサーバに実装されてもよい。
図18は、本開示のナビゲーション機能の一部を含む経路案内情報配信サーバ60の構成例を示す。経路案内情報配信サーバ60は、プロセッサ601、メモリ(主記憶装置)602、補助記憶装置603及び通信I/F605を含む。
【0088】
メモリ602は、経路探索部522、交通情報管理部523、経路・案内情報送信部525、案内情報テーブル作成部527、レーン変更計画テーブル作成部528を格納する。
図17に示す他のプログラムは、ナビゲーション装置55に格納されている。各プログラムの機能は、
図17に示すプログラムと同様である。補助記憶装置603は、
図17のナビゲーション装置50と同様に、地図データ531、推奨経路情報532、案内情報テーブル533、レーン変更計画テーブル534を格納している。
【0089】
経路案内情報配信サーバ60は、車両25に設置されたナビゲーション装置55からネットワークを介して経路探索要求71を受信すると、推奨経路情報、案内情報テーブル、レーン変更計画テーブル等を含む、経路・案内情報72をネットワークを介してナビゲーション装置55に返す。
【0090】
図19は、レーン変更計画テーブル534の構成例を示す。レーン変更計画テーブル534は、計画作成区間毎に作成される。
図19は、レーン変更計画テーブル534の項目のみを示す。区間ID331は、対応する計画作成区間を同定するIDを示す。分岐での案内方向332は、計画作成区間の最終的な分岐の方向を示す。分岐での案内方向332は、例えば、レーン推奨度又はレーン変更開始推奨位置の理由の表示の決定のために参照される。レーンリンク数333は、計画作成区間のレーンリンクの総数を示す。
【0091】
レーンリンク情報334は、計画作成区間内の各リンクの情報を示し、以下に説明する複数の項目を含む。レーンリンクID335は、レーンリンクを同定するIDを示す。対応する道路リンクID336は、レーンリンクが重なる1又は複数の道路リンクのIDを示す。道路リンクID336により、例えば、経路上の位置に対するレーンリンクを特定できる。道路リンクは、例えば、出発地から目的地までの推奨経路の決定において参照される。経路の各位置の道路リンクは一つのみである。一つのレーンリンクは、1又は複数の道路リンクと重なり得る。
【0092】
レーン数337は、レーンリンクが属するレーンリンクグループのレーン数を示す。レーン番号338は、レーンリンクが含まれるレーンの番号を示す。レーン数337及びレーン番号338により、例えば、当該レーンリンクとレーンリンクグループ内の他のレーンリンクとの位置関係が特定される。
【0093】
レーンリンク長339は、レーンリンクの長さを示す。レーン中心形状340は、レーンリンクの中心の形状を示し、直線又は曲線であり得る。レーンリンク長339及びレーン中心形状340は、例えば、レーン変更完了限界位置までの距離等の計算に使用される。
【0094】
レーン属性341は、レーンリンクの属性を示し、例えば、レーンリンクがトンネル内に存在すること、レーンリンクが当該レーンの最後のレーンであること、等を示す。レーン変更可否342は、レーンリンクにおいてレーン変更可能であるか否かを示す。これらは、例えば、レーン推奨度やレーン変更開始推奨位置の決定や、それらの理由の提示のために使用される。
【0095】
レーン接続関係343は、当該レーンリンクの前後に接続されているレーンリンクのIDを示す。レーン接続関係343は、例えば、レーン変更完了限界位置までの距離等の計算に使用される。レーン交通速度344は、レーンリンクの想定速度(予め設定された値)を示し、例えば、レーン変更に必要な距離等の計算に使用される。
【0096】
レーン変更完了限界位置345は、レーン変更完了限界位置を含む(重なる)レーンリンク(レーンリンクグループ)に対して、レーンリンクの始点からレーン変更完了限界位置345までの距離を示す。レーン変更完了限界位置345は、該当しないレーンリンクに対して初期値(例えばNULL)を示す。
【0097】
レーン変更完了限界位置までの距離346は、レーン変更完了限界位置345が設定されていないレーンリンクに対して、直近のレーン変更完了限界位置からレーンリンクまでの距離を示す。レーン変更完了限界位置までの距離346は、該当しないレーンリンクに対して初期値(例えばNULL)を示す。レーン変更完了限界位置345及びレーン変更完了限界位置までの距離346は、例えば、レーン変更完了限界位置までの距離等の計算に使用される。
【0098】
レーン変更開始推奨位置347は、レーンリンクが含む(重なる)レーン変更開始推奨区間開始位置又はレーン変更開始推奨区間終了位置を示す。例えば、レーン変更開始推奨位置347は、レーンリンクの始点又は終点からレーン変更開始推奨区間開始位置又はレーン変更開始推奨区間終了位置までの距離を示す。レーンリンクがいずれの位置とも重ならない場合、レーン変更開始推奨位置347は、初期値(例えばNULL)を示す。レーン変更開始推奨位置347は、例えば、レーン変更開始推奨位置を表示するために使用される。
【0099】
必要なレーン変更回数348は、当該レーンリンクから最終的な分岐におけるレーンまでの必要なレーン変更回数を示す。必要なレーン変更回数348は、例えば、レーン推奨度の決定のために使用される。レーン変更方向349は、当該レーンリンクから直近必要となるレーン変更の方向を示す。レーン変更方向349は、例えば、レーン変更の案内(例えば矢印の表示)のために参照される。
【0100】
非経路レーンフラグ350は、当該レーンリンクが、出発地から目的地までの推奨経路内のレーンリンクであるか、推奨経路外のレーンリンクであるかを示す。これにより、出発地から目的地までの推奨経路に近いレーンリンクの情報を保持することができ、例えば、非経路レーンの表示のために使用される。推奨度351は、当該レーンリンクの推奨度を示す。推奨度351は、例えば、レーン推奨度の表示のために使用される。リアルタイム交通情報352は、当該レーンリンクのリアルタイムの交通情報を示す。リアルタイム交通情報352は、例えば、レーン推奨度やレーン変更開始推奨位置の理由の特定に参照される
【0101】
レーン変更計画テーブル534において、項目335〜344は、地図データ531に予め登録されている。リアルタイム交通情報352は、外部システムから取得される。他の項目は、ナビゲーションシステムにより計算され、決定される。
【0102】
図20は、本実施形態のナビゲーション情報の提示のための全体的な処理のフロー図の例を示す。経路探索部522は、地図データ531において、ユーザに指定された出発地から目的地の推奨経路を探索する(S121)。経路探索部522は、作成した推奨経路の情報532を、補助記憶装置503に格納する。案内情報テーブル作成部527は、推奨経路情報532を参照して、案内情報テーブル533を生成する。
【0103】
レーン変更計画テーブル作成部528は、推奨経路の情報に基づいて、レーン変更計画テーブル534を作成し、補助記憶装置503に格納する(S122)。レーン変更計画テーブル534作成の詳細は後述する。なお、リアルタイム交通情報352が更新されたら、レーン変更計画テーブル534を作成し直してもよい。
【0104】
地図表示部524は、推奨経路情報532及び経路上の自車位置に基づき、現在の自車位置を表示するように地図データ531から取得した地図を、表示装置541において表示する。経路誘導制御部526は、推奨経路情報532、案内情報テーブル533及び経路上の自車位置に基づき、経路に沿って自車を誘導する。例えば、経路誘導制御部526は、表示装置541で表示された地図において誘導画像を表示し、又は、自動運転システムに進行路又はレーンを指示する。自車位置は、自車位置推定部521によって、GPS(Global Positioning System)の情報を基に推定される。
【0105】
経路誘導制御部526は、自車位置推定部521から推奨経路上の自車位置を取得し(S123)、その自車位置に基づき、自車が目的地に到着しているかを判定する(S124)。自車が目的地に到着している場合(S123:YES)、本フローの処理は終了する。自車が目的地に未到着の場合(S123:NO)、経路誘導制御部526は、自車が計画作成区間内を走行中であるか判定する(S124)。例えば、経路誘導制御部526は、現在の道路リンクがいずれかのレーン変更計画テーブル534に含まれる場合、自車が計画作成区間内を走行中であると判定する。
【0106】
自車が計画作成区間内を走行していない場合(S124:NO)、本フローの処理は終了する。自車が計画作成区間内を走行している場合(S124:YES)、経路誘導制御部526から指示されたレーン変更計画表示部529は、経路誘導制御部526からの指示に応じて、
図1、
図10、13〜16に例示するように、当該計画作成区間のレーン変更計画を表示する(S125)。
【0107】
次に、レーン変更計画テーブルの作成の詳細を説明する。
図21は、レーン変更計画テーブルの作成S122の例を示すフロー図である。レーン変更計画テーブル作成部528は、出発地から目的地までの推奨経路情報532を取得する(S141)。レーン変更計画テーブル作成部528は、リアルタイム交通情報を、交通情報管理部523及び外部通信I/F507を介して、外部サーバ801から取得する(S142)。レーン変更計画テーブル作成部528は、目的地から順次レーンリンクグループを選択して、ステップS143〜S153を実行する。
【0108】
レーン変更計画テーブル作成部528は、状態変数を参照し、状態変数が「計画作成中」を示していない場合(S143:NO)、地図データ531から、選択されている(現在の)レーンリンクグループを構成するレーンの情報及び一つ手前の(出発地側で隣接する)レーンリンクグループを構成するレーンリンクの情報を取得する(S144)。
【0109】
レーン変更計画テーブル作成部528は、現在のレーンリンクグループに関連する計画作成区間終了位置が存在するか判定する(S145)。具体的には、
図4を参照して説明したように、レーン変更計画テーブル作成部528は、現在のレーンリンクグループのレーン数と一つ手前のレーンリンクグループのレーン数を比較する。
【0110】
一つ手前のレーンリンクグループのレーン数が現在のレーンリンクグループのレーン数より多い場合、レーン変更計画テーブル作成部528は、現在のレーンリンクグループに関連する計画作成区間終了位置が存在と判定する。例えば、一つ手前のレーンリンクグループの終点を計画作成区間終了位置と決定される。
【0111】
現在のレーンリンクグループに関連する計画作成区間終了位置が存在する場合(S145:YES)、レーン変更計画テーブル作成部528は、当該計画作成区間のためのレーン変更計画テーブル534を作成して初期情報を設定する(S146)。レーン変更計画テーブル作成部528は、さらに、状態変数を「計画作成中」に設定する(S147)。
【0112】
その後、レーン変更計画テーブル作成部528は、現在のレーンリンクグループが推奨経路の出発地に到達しているか判定する(S153)。現在のレーンリンクグループが出発地を含む場合(S153:YES)、本フローは終了する。現在のレーンリンクグループが出発地を含まない場合(S153:NO)、レーン変更計画テーブル作成部528は、次(推奨経路上で直前の)のレーンリンクグループを選択して、ステップS143に戻る。
【0113】
ステップS145において、現在のレーンリンクグループに関連する計画作成区間終了位置が存在しない場合(S145:NO)、具体的には、一つ手前のレーンリンクグループのレーン数が現在のレーンリンクグループのレーン数以下である場合、ステップS146及びS147はスキップされる。
【0114】
ステップS143において、状態変数が「計画作成中」を示す場合(S143:YES)、レーン変更計画テーブル作成部528は、地図データ531から、現在のレーンリンクグループを構成するレーンの情報及び一つ手前の(出発地側で隣接する)レーンリンクグループを構成するレーンの情報を取得する(S148)。レーン変更計画テーブル作成部528は、現在のレーンリンクグループを構成するレーンリンクの情報を、レーン変更計画テーブル534に入力する(S149)。レーンリンク情報のレーン変更計画テーブル534に入力S149の詳細は後述する。
【0115】
レーン変更計画テーブル作成部528は、現在のレーンリンクグループに関連する計画作成区間開始位置が存在するか判定する(S150)。例えば、
図5、6及び7を参照して説明した条件のいずれかが満たされる場合、計画作成区間開始位置が存在すると判定される。上述のように、上記条件の一部のみが参照されてもよい。
【0116】
上述のように、一つ手前のレーンリンクグループのレーン数が1である場合(
図5)、一つ手前のレーンリンクグループの情報が存在しない場合(
図6)、又は、現在のレーンリンクグループが直近の分岐から所定距離の位置を含む場合(
図7)、計画作成区間開始位置が存在すると判定される。直近の分岐の情報は、地図データ531から取得することができる。
【0117】
現在のレーンリンクグループに関連する計画作成区間開始位置が存在すると判定された場合(S150:YES)、レーン変更計画テーブル作成部528は、区間ID331、分岐での案内方向332、レーンリンク数333等の値を、レーン変更計画テーブル534に入力する(S151)。さらに、レーン変更計画テーブル作成部528は、状態変数の値を「計画作成区間確認中」に変更する(S152)。この状態変数の値は一例であり、その値は任意である。
【0118】
ステップS152の後、レーン変更計画テーブル作成部528は、ステップS153に進む。現在のレーンリンクグループに関連する計画作成区間開始位置が存在しない判定された場合(S150:NO)、レーン変更計画テーブル作成部528は、ステップS151及びS152をスキップして、ステップS153に進む。
【0119】
次に、一つのレーンリンクについて、レーンリンク情報のレーン変更計画テーブル534への入力S149の詳細を説明する。
図22は、一つのレーンリンクについてのレーンリンク情報のレーン変更計画テーブル534への入力処理の例を示すフロー図である。
【0120】
レーン変更計画テーブル作成部528は、レーン変更計画テーブル534に、現在レーンリンクの地図データ531に由来する情報を設定する(S160)。例えば、項目335〜344の情報は、地図データ531に由来する。レーン変更計画テーブル作成部528は、リアルタイム交通情報を外部サーバ801から取得して、レーン変更計画テーブル534に設定する(S161)。
【0121】
レーン変更計画テーブル作成部528は、レーンリンクがレーン変更完了限界位置を含む(重なる)場合、レーン変更計画テーブル534において、当該レーンリンクのレーン変更完了限界位置345に値を設定する(S162)。レーン変更完了限界位置は、地図データ531及び推奨経路情報532に基づき決定される。例えば、レーン変更完了限界位置は、レーン変更に必要な距離及び案内実行からレーン変更開始までのマージンに基づき決定される。
【0122】
レーンリンクがレーン変更完了限界位置を含む場合(S163:YES)、レーン変更計画テーブル作成部528は、レーン変更開始推奨区間を定義する二つのレーン変更開始推奨位置を計算し、保持する(S164)。具体的には、
図12を参照して説明したように、レーン変更計画テーブル作成部528は、レーン変更完了限界位置、レーン変更に必要な距離、及び案内からレーン変更開始までのマージンに基づき、レーン変更開始推奨区間を定義する二つのレーン変更開始推奨位置を計算する。
【0123】
次に、レーン変更計画テーブル作成部528は、地図データ531を参照し、レーン変更完了限界位置とレーン変更開始推奨位置との間にトンネル又はレーン変更禁止区間が存在するか判定する(S165)。トンネル又はレーン変更禁止区間が存在する場合(S165:YES)、レーン変更計画テーブル作成部528は、保持していたレーン変更開始推奨位置を廃棄する(S166)。
【0124】
さらに、レーン変更計画テーブル作成部528は、トンネル又はレーン変更禁止区間の開始位置にレーン変更完了限界位置を再設定し、保持する(S167)。再設定された位置が現在のレーンリンクと重ならない場合、レーン変更計画テーブル534における現在のレーンのレーン変更完了限界位置345は初期値(例えばNULL)に変更される。レーン変更計画テーブル作成部528は、
【0125】
トンネル又はレーン変更禁止区間が存在しない場合(S165:NO)、ステップS166及びS167はスキップされる。次に、レーン変更計画テーブル作成部528は、レーン変更開始推奨位置がレーンリンク上に存在するか判定する(S168)。レーン変更完了限界位置が再設定されている場合、レーン変更計画テーブル作成部528は、上述のように二つのレーン変更開始推奨位置を計算し、いずれかのレーン変更開始推奨位置がレーンリンク上に存在するか判定する。
【0126】
レーン変更開始推奨位置がレーンリンク上に存在する場合(S168:YES)、当該レーンリンクのレーン変更開始推奨位置347にレーン変更開始推奨位置を示す値を設定する(S169)。レーン変更開始推奨位置がレーンリンク上に存在しない場合(S168:NO)、ステップS169はスキップされる。
【0127】
次に、レーン変更計画テーブル作成部528は、必要なレーン変更回数348に値を設定する(S170)。必要なレーン変更回数の値が0より大きい場合(S171:YES)、レーン変更計画テーブル作成部528は、レーン変更完了限界位置までの距離346及びレーン変更方向349に値を設定する(S172)。レーンリンクがレーン変更限界完了位置と重なっている場合、レーン変更完了限界位置までの距離346は初期値(例えばNULL)のままである。必要なレーン変更回数の値が0である場合(S171:NO)、ステップS172はスキップされる。
【0128】
次に、レーン変更計画テーブル作成部528は、レーンリンクが推奨経路上であるか判定する(S173)。レーンリンクが推奨経路外である場合(S173:NO)、レーン変更計画テーブル作成部528は、非経路レーンフラグ350に値を設定する(S174)。レーンリンクが推奨経路上である場合(S173:YES)、ステップS174はスキップされる。次に、レーン変更計画テーブル作成部528は、上述のようにレーンリンクの推奨度を計算して推奨度351に設定する。
【0129】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0130】
また、上記の各構成・機能・処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。
【0131】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。