(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-154967(P2020-154967A)
(43)【公開日】2020年9月24日
(54)【発明の名称】入金処理装置、入金処理方法及び入金処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/24 20120101AFI20200828BHJP
【FI】
G06Q20/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-54611(P2019-54611)
(22)【出願日】2019年3月22日
(11)【特許番号】特許第6616916号(P6616916)
(45)【特許公報発行日】2019年12月4日
(71)【出願人】
【識別番号】507417422
【氏名又は名称】株式会社 ゆうちょ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 洋規
(72)【発明者】
【氏名】関 峻
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA52
(57)【要約】
【課題】本願は、現金以外の決済手段に係る事業者の口座への入金処理を、当該事業者の営業形態に沿って行うことを可能にしつつ、当該入金に係る処理量の増大に起因する処理時間の遅延を可及的に抑制する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】入金処理装置であって、事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに含まれる決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定部と、所定の入金時間帯になると、入金処理を実行する入金処理部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに含まれる決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定部と、
前記所定の入金時間帯になると、前記入金処理を実行する入金処理部と、を備える、
入金処理装置。
【請求項2】
前記処理予定設定部は、前記決済データを取得すると、前記事業者情報に含まれる前記事業者の営業時間の情報に基づいて前記所定の入金時間帯を選択し、前記入金処理の実行予定を当該所定の入金時間帯に設定する、
請求項1に記載の入金処理装置。
【請求項3】
前記処理予定設定部は、特定の入金時間帯に設定される入金処理の実行予定が所定量に達すると、選択する入金時間帯を繰り下げる、
請求項1または2に記載の入金処理装置。
【請求項4】
前記入金処理部は、前記所定の入金時間帯になると、前記事業者情報に含まれる口座番号の情報に基づいて前記入金処理を実行する、
請求項1から3の何れか一項に記載の入金処理装置。
【請求項5】
事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに示されている決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定工程と、
前記所定の入金時間帯になると、前記入金処理を実行する入金処理工程と、を有する、
入金処理方法。
【請求項6】
事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに示されている決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定工程と、
前記所定の入金時間帯になると、前記入金処理を実行する入金処理工程と、をコンピュータに実行させる、
入金処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入金処理装置、入金処理方法及び入金処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信技術の発展に伴い、情報技術を活用した様々な情報処理システムが開発されている(例えば、特許文献1−2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−128770号公報
【特許文献2】特開2009−223815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店や雑貨店、コンビニエンスストア、インターネット上で営業する仮想店舗、その他各種の店舗で営業を行う事業者は、通常、従業員に対する賃金の支払いや商品の仕入れ、家賃の支払い等の支出を売上金から拠出する。しかし、近年は、クレジットカードやデビットカード、電子マネーといった現金以外の決済手段が普及している。現金以外の決済手段の場合、事業者は現金を直ちに得ることができない。例えば、クレジットカードの場合、カード会社は所定期間の決済をとりまとめて事業者へ入金するため、事業者は現金を得るのに最長で1か月程度待つことになる。
【0005】
そこで、事業者のキャッシュフローを改善する方策として、現金以外の決済手段における事業者への入金サイクルを短くすることが考えられる。例えば、デビットカードによる決済の場合、デビットカードによる決済の事業を担う決済会社から事業者への入金を毎日行えば、事業者は、現金以外の決済手段で支払われた売上金を翌日には現金で得ることができる。
【0006】
ところで、飲食店や雑貨店、コンビニエンスストア、インターネット上で営業する仮想店舗、その他各種の店舗の中には、営業終了時刻が深夜24時以降の夜間帯に設定されている店舗が存在する。このような店舗では、日別に行われる売上金の集計は、通常、夜間の営業終了後に行われる。そして、深夜24時から営業終了時刻までの間の売上については、前日、すなわち、営業日当日の売上として集計される。よって、このような店舗において、顧客が事業者に対する支払いを深夜24時の直前、或いは、深夜24時以降に行うと、支払い額等の決済データが当該事業者の営業日の翌日に決済会社へ通知されることになるため、キャッシュフローを改善するために、決済会社から当該事業者への支払いを毎日行うことにすると、深夜24時以降に事業者から決済会社へ通知された決済データに基づく事業者への入金が、事業者にとっては営業日の翌々日に行われることとなり、日別に行われる売上金の集計に齟齬が生じる。決済データのトランザクションが通信障害等により遅延した場合も同様である。また、事業者への入金サイクルを短くすると、事業者への入金処理が増大するため、事業者の口座への入金を担うシステムの処理量が増大し、様々な口座に対する入金処理に支障を来す可能性がある。
【0007】
そこで、本願は、現金以外の決済手段に係る事業者の口座への入金処理を、当該事業者の営業形態に沿って行うことを可能にしつつ、当該入金に係る処理量の増大に起因する処理時間の遅延を可及的に抑制する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、事業者情報に基づいて選択した入金時間帯に入金処理の予定を設定することにした。
【0009】
詳細には、本発明は、入金処理装置であって、事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに含まれる決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定部と、所定の入金時間帯になると、入金処理を実行する入金処理部と、を備える。
【0010】
上記の入金処理装置であれば、事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データに基づく事業者の口座への入金が、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択される所定の入金時間帯に行われるように処理予定が設定される。よって、例えば、営業終了時刻が深夜24時以降の店舗において、深夜24時から営業終了時刻までの間の売上を前日の売上として集計する事業者に対し、日別に行われる売上金の集計に齟齬が生じない形で口座への入金を行うことができる。また、事業者毎に入金を行うため、例えば営業終了時刻が18時の店舗において、決済データの集計を早期に行い当日中に入金することも可能となり、キャッシュフローをより一層改善することができる。また、選択される入金時間帯を適宜設定することにより、入金に係る処理量の増大に起因する処理時間の遅延も抑制することが可能である。
【0011】
なお、処理予定設定部は、決済データを取得すると、事業者情報に含まれる事業者の営業時間の情報に基づいて所定の入金時間帯を選択し、入金処理の実行予定を当該所定の入金時間帯に設定するものであってもよい。このような入金処理装置であれば、事業者の営業時間に沿った入金時間帯で入金処理を行うことができるので、例えば、営業終了時刻が到来する前に入金処理が行われるのを防ぐことができる。
【0012】
また、処理予定設定部は、特定の入金時間帯に設定される入金処理の実行予定が所定量に達すると、選択する入金時間帯を繰り下げるものであってもよい。このような入金処理装置であれば、現金以外の決済手段に係る事業者の口座への入金処理を、当該事業者の営業形態に沿って行うことを可能にしつつ、当該入金に係る処理量の増大に起因する処理時間の遅延を可及的に抑制することが可能である。
【0013】
また、入金処理部は、所定の入金時間帯になると、事業者情報に含まれる口座番号の情報に基づいて入金処理を実行するものであってもよい。このような入金処理装置であれば、事業者の口座への入金を、選択された時間帯に自動的に実行させることが可能である。
【0014】
なお、本発明は、方法或いはプログラムの側面から捉えることもできる。本発明は、例えば、入金処理方法であって、事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに含まれる決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定工程と、所定の入金時間帯になると、入金処理を実行する入金処理工程と、を有するものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
上記の入金処理装置、入金処理方法及び入金処理プログラムであれば、現金以外の決済手段に係る事業者の口座への入金処理を、当該事業者の営業形態に沿って行うことを可能にしつつ、当該入金に係る処理量の増大に起因する処理時間の遅延を可及的に抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態に係る入金処理システムの構成図である。
【
図2】
図2は、事業者サーバと銀行サーバにおいてコンピュータプログラムが実行されると実現される機能ブロックの一例を示した図である。
【
図3】
図3は、銀行サーバにおいて実現される処理フローの一例を示した図である。
【
図4】
図4は、事業者情報管理テーブルの一例を示した図である。
【
図5】
図5は、時間帯別入金ファイルの一例を示した図である。
【
図6】
図6は、入金処理が行われるタイミングを解説した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0018】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る入金処理システムの構成図である。決済システム1は、通信網2を介して相互に通信可能な銀行サーバ3及び事業者サーバ4を備えるシステムである。銀行サーバ3は、金融機関が管理するサーバであり、当該金融機関の顧客の口座を管理する。また、事業者サーバ4は、飲食店や雑貨店、コンビニエンスストア、インターネット上で営業する仮想店舗、その他各種の店舗で営業を行う事業者が管理するサーバであり、当該事業者の店舗で行われた支払いに係る決済データを銀行サーバ3へ送信する。なお、事業者サーバ4は、店舗に設置された精算機自体であってもよいし、仮想店舗の場合であれば仮想商店街を運営する運営者が管理するデータセンタのサーバであってもよい。
【0019】
決済システム1では、各事業者の店舗において、決済端末7を通じて行われるデビットカードやクレジットカード等による支払い、スマートフォン6の支払い用アプリケーションを用いた支払い、顧客5が店員に提示した会員カードの情報を店員が端末に入力することによって行われる支払等、これらの各種電磁的方法による顧客5の支払いが行われると、当該支払いに係る決済データが事業者サーバ4から通信網2を介して銀行サーバ3へ送信される。そして、銀行サーバ3では、事業者サーバ4から送られた決済データを基に、各事業者の口座への入金処理が行われる。なお、決済データは、事業者サーバ4の代わりに顧客5が携帯するスマートフォン等の携帯端末から無線通信回線経由で銀行サーバ3へ送られてもよい。
【0020】
通信網2は、主に公衆通信回線で形成されている。通信網2は、有線と無線の何れの通信回線であってもよい。通信網2を使って事業者サーバ4と銀行サーバ3との間で取り交わされるデータは、通信内容が傍受されるのを防ぐために暗号化される。
【0021】
事業者サーバ4と銀行サーバ3は、CPUやメモリ、通信インタフェース、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージを有する情報処理装置である。そして、事業者サーバ4では、事業者サーバ4を管理する事業者が用意した店舗運営用のコンピュータプログラムの他に、電磁的方法で行われる決済に係るコンピュータプログラムが実行される。また、銀行サーバ3では、銀行の顧客の口座を管理するコンピュータプログラムや、口座への入金処理を司るコンピュータプログラムが実行される。
【0022】
図2は、事業者サーバ4と銀行サーバ3においてコンピュータプログラムが実行されると実現される機能ブロックの一例を示した図である。事業者サーバ4は、コンピュータプログラムを実行すると、決済処理部41と売上処理部42を実現する。また、銀行サーバ3は、コンピュータプログラムを実行すると、処理予定設定部31と入金処理部32を実
現する。
【0023】
決済処理部41は、顧客5が電磁的方法による支払いを選択すると、決済端末7等を通じてデビットカード等の電磁的記録媒体の情報を取得し、当該支払いに係る電磁的な決済の処理を司る。また、売上処理部42は、銀行サーバ3にアクセスして事業者の口座の情報を参照し、口座の入金と売上との整合性の確認等を行う。
【0024】
処理予定設定部31は、事業者サーバ4から送信された決済データを取得すると、当該決済データに係る入金処理を実行する予定を設定する。また、入金処理部32は、事業者サーバ4から送信された決済データに係る入金処理を、処理予定設定部31が設定した予定に従って実行する。
【0025】
また、事業者サーバ4にはデータベース43が用意されており、銀行サーバ3にはデータベース33が用意されている。データベース43には、店舗における売上等の情報を管理するファイルが格納されている。また、データベース33には、銀行が提供するサービスに加盟する各事業者の営業時間や口座番号等の事業者情報を管理するテーブル(以下、「事業者情報管理テーブル」という)、各事業者の口座へ入金する金額等の情報を時間帯別に管理するファイル(以下、「時間帯別入金ファイル」という)が格納されている。
【0026】
図3は、銀行サーバ3において実現される処理フローの一例を示した図である。以下、銀行サーバ3において実現される処理内容について、
図3に示す処理フローに沿って説明する。
【0027】
銀行サーバ3は、決済データを受信したか否かの判定を行う(S101)。事業者サーバ4から銀行サーバ3へ決済データが送信されたタイミングでステップS101が実行されると、銀行サーバ3は、肯定判定を行う。
【0028】
銀行サーバ3は、ステップS101で肯定判定を行うと、次に、加盟店のチェックを行う(S102)。すなわち、銀行サーバ3は、受信した決済データを参照して、当該決済データに係る決済が行われた事業者を特定する。次に、銀行サーバ3は、電磁的方法で実現する支払いサービスの対価となる手数料の算出を行う(S103)。具体的には、銀行サーバ3は、受信した決済データを参照して、当該決済データに含まれる支払い額に所定の割合(例えば、1%)を乗算して得た値を手数料とし、支払い額から手数料を差し引いた値を事業者への入金額として決定する。次に、銀行サーバ3は、事業者情報管理テーブルの情報に基づいて、当該決済データに係る入金処理を実行すべき時間帯及び入金先の口座番号を特定し、当該入金額や入金先等の情報を時間帯別入金ファイルへ格納する(S104)。ステップS101からステップS104までの一連の処理は、主に処理予定設定部31が司る。
【0029】
また、銀行サーバ3は、ステップS101で否定判定を行うと、次に、現在の時刻を参照し、入金処理時刻が到来したか否かの判定を行う(S105)。そして、銀行サーバ3は、ステップS105で肯定判定を行うと、時間帯別入金ファイルを参照し、現在の時刻において実行を開始すべき入金データの情報を取得する。(S106)。そして、銀行サーバ3は、ステップS106で取得した入金データの情報に基づき、ステップS103で算出された入金額の口座への入金処理を実行する(S107)。ステップS105からステップS107までの一連の処理は、主に入金処理部32が司る。
【0030】
銀行サーバ3では、ステップS101からステップS107までの一連の処理が繰り返し実行される。このため、銀行サーバ3は、例えば、次のような動作を実現することが可能となる。
【0031】
図4は、事業者情報管理テーブルの一例を示した図である。事業者情報管理テーブルでは、各事業者の営業時間、口座番号、入金処理の実行を開始する時刻、事業者毎に設定される処理件数の上限等が定義されている。入金処理の実行を開始する時刻は、少なくとも事業者の営業終了時刻よりも後の時刻に設定されるものであり、銀行が事業者の営業時間を勘案して適宜設定を行う。例えば、
図4に示されるように、事業者Aの営業時間が「10:00〜18:00」であり、事業者Bの営業時間が「10:00〜23:30」であり、事業者Cの営業時間が「10:00〜25:00」であったと仮定する。この場合、銀行は、入金処理の実行を開始する時刻を、例えば、
図4に示されるように、事業者Aについては「00:00」、事業者Bについては「02:00」、事業者Cについては「02:00」に設定する。
【0032】
なお、銀行サーバ3の処理能力が特定の事業者への入金処理に集中され、他の事業者への入金処理が滞るのを防ぐため、
図4に示されるように、各事業者には入金データの処理件数の上限が設定されている。そして、銀行サーバ3は、ステップS104の処理において、入金データを格納しようとしている事業者の入金データが上限に達した場合、1つ後の時間帯の入金ファイルへ当該入金データを格納する。これにより、特定の事業者の入金データの処理が特定の時間帯に集中するのを防ぐことができる。
【0033】
以下、事業者情報管理テーブルがこのように設定されていると仮定して、ステップS101からステップS107までの一連の処理が繰り返し実行されることで実現される入金処理について説明する。
【0034】
例えば、事業者Aの店舗において、デビットカードを用いた1000円の支払いと2000円の支払いが営業時間内に行われたと仮定する。この場合、まず、1000円の支払いに係る決済データが事業者サーバ4から銀行サーバ3へ送られ、ステップS103の処理において手数料が10円と算出され、ステップS104の処理で990円の入金データが翌日の処理開始時刻00:00の入金ファイルへ格納される。また、2000円の支払いに係る決済データが事業者サーバ4から銀行サーバ3へ送られ、ステップS103の処理において手数料が20円と算出され、ステップS104の処理で1980円の入金データが翌日の処理開始時刻00:00の入金ファイルへ格納される。
【0035】
また、例えば、事業者Bの店舗において、デビットカードを用いた50000円の支払いが営業時間内に行われたと仮定する。この場合、まず、50000円の支払いに係る決済データが事業者サーバ4から銀行サーバ3へ送られ、ステップS103の処理において手数料が500円と算出され、ステップS104の処理で49500円の入金データが翌日の処理開始時刻02:00の入金ファイルへ格納される。
【0036】
また、例えば、事業者Cの店舗において、デビットカードを用いた10000円の支払いが営業時間内の24:00より前に行われ、デビットカードを用いた90000円の支払いが営業時間内の24:00以降に行われたと仮定する。この場合、まず、10000円の支払いに係る決済データが事業者サーバ4から銀行サーバ3へ送られ、ステップS103の処理において手数料が100円と算出され、ステップS104の処理で9900円の入金データが翌日の処理開始時刻02:00の入金ファイルへ格納される。また、90000円の支払いに係る決済データが事業者サーバ4から銀行サーバ3へ送られ、ステップS103の処理において手数料が900円と算出され、ステップS104の処理で89100円の入金データが翌日の処理開始時刻02:00の入金ファイルへ格納される。
【0037】
図5は、時間帯別入金ファイルの一例を示した図である。各事業者A〜Cの店舗において、上述したような支払いが行われると、時間帯別入金ファイルには、
図5に示すように
、各事業者A〜Cにおいて行われた支払いに基づく入金データが、入金処理の実行を開始する時間帯毎に格納される。すなわち、事業者Aの店舗における支払いに基づく入金データ(990円と1980円の合計額である2970円)が処理開始時刻00:00の入金ファイルへ格納され、事業者Bの店舗における支払いに基づく入金データ(49500円)が処理開始時刻02:00の入金ファイルへ格納され、事業者Cの店舗における支払いに基づく入金データ(9900円と89100円の合計額である99000円)が処理開始時刻02:00の入金ファイルへ格納される。
【0038】
そして、時刻が00:00になると、銀行サーバ3は、ステップS105の処理で肯定判定を行い、ステップS106の処理で時間帯別入金ファイルを参照する。そして、銀行サーバ3は、ステップS107の処理において、時間帯別入金ファイルから取得した処理開始時刻00:00の入金データに基づいた入金処理を実行する。
【0039】
また、時刻が02:00になると、銀行サーバ3は、ステップS105の処理で肯定判定を行い、ステップS106の処理で時間帯別入金ファイルを参照する。そして、銀行サーバ3は、ステップS107の処理において、時間帯別入金ファイルから取得した処理開始時刻02:00の入金データに基づいた入金処理を実行する。
【0040】
図6は、入金処理が行われるタイミングを解説した図である。
図6において「実施例」として示すタイミングチャートは、上記実施形態の銀行サーバ3において実現される入金のタイミングを示したものである。一方、
図6において「比較例」として示すタイミングチャートは、従来技術における入金のタイミングを示したものである。比較例は、各事業者A〜Cの営業時間を考慮せず、00:00を過ぎて受信した決済データについては、入金処理を翌日に繰り越すものである。
【0041】
上記実施形態の銀行サーバ3によれば、
図6において「実施例」として示すタイミングチャートを見ると判るように、事業者Aと事業者Bの口座への売上金の入金は、売上が発生した営業日の翌日に行われる。また、事業者Cの口座への売上金の入金は、売上が深夜24:00を過ぎて発生した場合であっても、営業終了時刻を迎えた日、すなわち、営業日の翌日に行われる。
【0042】
一方、比較例の場合、
図6において「比較例」として示すタイミングチャートを見ると判るように、売上金の入金は、営業日当日の24:00までに発生した売上の入金処理については翌日に行われるものの、24:00を過ぎてから発生した売上の入金処理についてはその翌日、すなわち、営業日の翌々日に行われる。よって、例えば、上述した例であれば、事業者Aの店舗において営業日当日に発生した売上に基づく2970円の入金と、事業者Bの店舗において営業日当日に発生した売上に基づく49500円の入金と、事業者Cの店舗において営業日当日に発生した売上に基づく9900円の入金については、翌日に行われる。しかし、事業者Cの店舗において営業時間内の24:00以降に発生した売上に基づく89100円の入金については、営業日の翌々日に行われることになる。
【0043】
このように、比較例の場合、事業者のキャッシュフローを改善するべく、事業者への入金を毎日に行うと、深夜24時から営業終了時刻までの間の売上を前日の売上として集計する事業者の口座への入金が、日別に行われる売上金の集計と齟齬を生じる。一方、上記実施形態の銀行サーバ3であれば、事業者のキャッシュフローを改善するべく、事業者への入金を毎日に行っても、深夜24時から営業終了時刻までの間の売上を前日の売上として集計する事業者に対し、日別に行われる売上金の集計に齟齬が生じない形で口座への入金を行うことができる。
【0044】
また、事業者への入金を毎日行うことにする場合、例えば、事業者への入金を月に2回
の頻度で行っていたような場合に比べると、入金処理の処理量が増大する。しかし、上記実施形態の銀行サーバ3では、ステップS104の処理において、入金データを格納しようとしている事業者の入金データが上限に達した場合、1つ後の時間帯の入金ファイルへ当該入金データを格納しているため、特定の事業者の入金データが特定の時間帯に集中するのを防ぐことができる。
【0045】
したがって、上記実施形態の銀行サーバ3であれば、現金以外の決済手段に係る事業者の口座への入金処理を、当該事業者の営業形態に沿って行うことを可能にしつつ、当該入金に係る処理量の増大に起因する処理時間の遅延を可及的に抑制することが可能である。例えば、上記の例のように、事業者Bの入金データの処理と事業者Cの入金データの処理が同一時間帯に設定されている場合において、事業者Bの入金データの件数が季節やイベント等の影響で通常より増大した場合であっても、当該時間帯に事業者Bの入金データが処理される件数は30000件に制限されているため、事業者Cの入金データも当該時間帯内に処理される。よって、事業者Cは、事業者Bの影響を受けることなく、口座への入金を受けることが可能となる。他の時間帯における入金データの処理についても同様である。このように、上記実施形態の銀行サーバ3では、特定の事業者における決済件数が、季節やイベント等の影響で通常より増大した場合であっても、各時間帯で処理できる入金データの件数の上限が事業者毎に設定されているため、当該特定の事業者の影響を他の事業者が受けないようにすることができる。
【0046】
なお、銀行サーバ3は、決済手段がデビットカードであった場合、決済データを受信した時点で、当該デビットカードの所有者の口座から預金を引き落とすようにしてもよい。また、銀行サーバ3は、決済手段がクレジットカードであった場合、事業者の口座へ入金するお金の請求を当該クレジットカードの発行会社へ行うようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、銀行サーバ3は、決済データを受信すると、時間帯別入金ファイルへの入金データの格納を直ちに行っていたが、例えば、決済データを一定時間蓄積しておき、決済データに基づく入金データのファイルへの格納を適当なタイミングで一纏めに実行するようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、処理を行う入金データの上限件数が事業者毎に設定されており、特定の時間帯における処理件数が上限件数に達すると、入金処理を行う時間帯を繰り下げるようにしていたが、例えば、事業者情報管理テーブルで設定する各事業者の入金処理の実行を開始する時刻を適宜に設定すれば、上限件数の設定を省略することも可能である。
【0049】
また、事業者サーバ4では、売上処理部42が銀行サーバ3にアクセスし、事業者の口座に入金された入金金額と、データベース43に格納されている売上のデータとの整合性を確認するようにしてもよい。
【0050】
また、銀行サーバ3は、ステップS104の処理において、入金データを格納しようとしている事業者の入金データが上限に達した場合に、1つ後の時間帯の入金ファイルへ当該入金データを格納するのではなく、各時間帯の件数を比較して件数が最も少ない時間帯を選択し、当該入金データを格納するようにしてもよい。これによれば、例えば、上記の例のように、事業者Bの入金データの処理と事業者Cの入金データの処理が同一時間帯に設定されている場合において、事業者Bの入金データの件数が通常より増大して30000件を超えた場合に、時間帯別入金ファイルにおいて入金時刻が04:00以降に割り当てられている他の事業者が、事業者Bの影響を受けないようにすることができる。
【0051】
また、銀行サーバ3は、ステップS104の処理において、入金データを格納しようと
している事業者の入金データが上限に達した場合に、1つ後の時間帯の入金ファイルへ当該入金データを格納するのではなく、各事業者に設定された上限件数の合計上限件数を時間帯別入金ファイル毎に集計し、時間帯別入金ファイル毎の格納可能件数と前記合計上限件数との差を格納余力として算出、算出された格納余力が所定量以上ある時間帯を任意の優先順位に基づき選択し、当該入金データを格納するようにしてもよい。任意の優先順位の一例としては、当初入金データを格納しようとしていた時間帯に近接する時間帯の優先度を高くする方法や算出された差が大きい時間帯の優先度を高くする方法が挙げられる。このほか、前記格納余力の算出にあたり、各事業者に設定された上限件数に替えて、算出を行う時点で営業時間が終了している事業者については実際に格納されている件数を用いて格納余力を計算することとしてもよい。
【0052】
また、各事業者に対し、入金処理の実行を開始する時刻を複数設定し、各時間帯の件数を比較して特定の時間帯における処理件数が集中することを防ぐよう、かつ、各事業者の希望する時間帯の範囲内で入金処理を実行できるよう、複数の時刻のうち最適な入金ファイルを選択し、当該入金データを格納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1・・決済システム
2・・通信網
3・・銀行サーバ
4・・事業者サーバ
5・・顧客
6・・スマートフォン
7・・決済端末
31・・処理予定設定部
32・・入金処理部
33・・データベース
41・・決済処理部
42・・売上処理部
43・・データベース
【手続補正書】
【提出日】2019年9月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに含まれる決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定部と、
前記所定の入金時間帯になると、前記入金処理を実行する入金処理部と、を備え、
前記処理予定設定部は、前記決済データを取得すると、前記事業者情報に含まれる前記事業者の営業時間の情報に基づいて前記所定の入金時間帯を選択し、前記入金処理の実行予定を当該所定の入金時間帯に設定する、
入金処理装置。
【請求項2】
前記処理予定設定部は、特定の入金時間帯に設定される入金処理の実行予定が所定量に達すると、選択する入金時間帯を繰り下げる、
請求項1に記載の入金処理装置。
【請求項3】
前記入金処理部は、前記所定の入金時間帯になると、前記事業者情報に含まれる口座番号の情報に基づいて前記入金処理を実行する、
請求項1または2に記載の入金処理装置。
【請求項4】
事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得すると、当該決済データに示されている決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定工程と、
前記所定の入金時間帯になると、前記入金処理を実行する入金処理工程と、をコンピュータが実行し、
前記処理予定設定工程では、前記決済データを取得すると、前記事業者情報に含まれる前記事業者の営業時間の情報に基づいて前記所定の入金時間帯を選択し、前記入金処理の実行予定を当該所定の入金時間帯に設定する、
入金処理方法。
【請求項5】
事業者に対して当該事業者の顧客が電磁的方法で行った支払いに係る決済データを取得
すると、当該決済データに示されている決済額を当該事業者の口座へ入金する入金処理の実行予定を、当該事業者に設定されている事業者情報に基づいて選択した所定の入金時間帯に設定する処理予定設定工程と、
前記所定の入金時間帯になると、前記入金処理を実行する入金処理工程と、をコンピュータに実行させ、
前記処理予定設定工程では、前記決済データを取得すると、前記事業者情報に含まれる前記事業者の営業時間の情報に基づいて前記所定の入金時間帯を選択させ、前記入金処理の実行予定を当該所定の入金時間帯に設定させる、
入金処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そこで、本願は、現金以外の決済手段に係る事業者の口座への入金処理を、当該事業者の営業形態に沿って行うことを可能
にする技術を提供することを課題とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
上記の入金処理装置、入金処理方法及び入金処理プログラムであれば、現金以外の決済手段に係る事業者の口座への入金処理を、当該事業者の営業形態に沿って行うこ
とが可能である。