【解決手段】切断用カッター10は、少なくとも第2方向DBに延び出すようにして刃片保持部30に保持された刃片50と、刃片50の刃先51の先端を第2方向DBにおける一側から覆うガード位置と、刃片50の先端を第2方向DBにおける一側に露出させる露出位置との間を、刃片保持部30に対して相対移動可能なガード部70と、を備え、本体部20の第1接触部23を梱包体1の一方の面3に接触させる際に、一方の面3によってガード部70がガード位置から露出位置に押される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
梱包体を開梱するためのカッターへのニーズの一つとして、カッターの取り扱いが容易であることがある。例えば、安全に持ち運び可能であることや、切断時の操作が容易であることがある。
【0005】
本件発明は、このような点を考慮してなされたものであって、取り扱いが容易な切断用カッターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による切断用カッターは、
梱包体の角部上を移動しながら前記梱包体を切断する切断用カッターであって、
切断時に移動方向(角部の長手方向)となる第1方向と前記第1方向に直交する第2方向との両方に広がり前記角部を形成する前記梱包体の一方の面上を摺動する第1接触部を有した本体部と、
切断時に前記第2方向に非平行な第3方向と前記第1方向との両方に広がり前記一方の面とともに前記角部を形成する前記梱包体の他方の面上を摺動する第2接触部を有し、且つ、前記本体部に対して固定された刃片保持部と、
少なくとも前記第2方向に延び出すようにして前記刃片保持部に保持された刃片と、
前記刃片の刃先の先端を前記第2方向における前記刃片保持部とは反対側となる一側から覆うガード位置と、前記刃片の前記先端を前記第2方向における前記一側に露出させる露出位置との間を、前記刃片保持部に対して相対移動可能なガード部と、を備え、
前記本体部の前記第1接触部を前記梱包体の前記一方の面に接触させる際に、前記一方の面によって前記ガード部が前記ガード位置から前記露出位置に押される。
【0007】
本発明による切断用カッターにおいて、
前記ガード部は、前記第1方向と前記第2方向の両方に垂直な方向に沿って移動可能であってもよい。
【0008】
本発明による切断用カッターにおいて、
前記ガード部は、前記露出位置において、前記本体部内に位置してもよい。
【0009】
あるいは、本発明による切断用カッターは、
梱包体の角部上を移動しながら前記梱包体を切断する切断用カッターであって、
切断時に移動方向となる第1方向と前記第1方向に直交する第2方向との両方に広がり前記角部を形成する前記梱包体の一方の面上を摺動する第1接触部と、切断時に使用者によって把持される把持部と、を有した本体部と、
切断時に前記第2方向に非平行な第3方向と前記第1方向との両方に広がり前記一方の面とともに前記角部を形成する前記梱包体の他方の面上を摺動する第2接触部を有し、且つ、前記本体部に対して固定された刃片保持部と、
少なくとも前記第2方向に延び出すようにして前記刃片保持部に保持された刃片と、を備え、
前記第1方向及び前記第2方向の両方に垂直な方向への投影において、前記刃片の先端は、前記把持部と重なる。
【0010】
あるいは、本発明による切断用カッターは、
梱包体の角部上を移動しながら前記梱包体を切断する切断用カッターであって、
切断時に移動方向となる第1方向と前記第1方向に直交する第2方向との両方に広がり前記角部を形成する前記梱包体の一方の面上を摺動する第1接触部と、切断時に使用者によって把持される把持部と、を有した本体部と、
切断時に前記第2方向に非平行な第3方向と前記第1方向との両方に広がり前記一方の面とともに前記角部を形成する前記梱包体の他方の面上を摺動する第2接触部を有し、且つ、前記本体部に対して固定された刃片保持部と、
少なくとも前記第2方向に延び出すようにして前記刃片保持部に保持された刃片と、を備え、
前記刃片の刃先は、前記第1方向及び前記第2方向の両方に平行な面に対して、0°より大きく45°未満の角度をなしている。
【0011】
あるいは、本発明による切断用カッターは、
梱包体の角部上を移動しながら前記梱包体を切断する切断用カッターであって、
切断時に移動方向となる第1方向と前記第1方向に直交する第2方向との両方に広がり前記角部を形成する前記梱包体の一方の面上を摺動する第1接触部と、切断時に使用者によって把持される把持部と、を有した本体部と、
切断時に前記第2方向に非平行な第3方向と前記第1方向との両方に広がり前記一方の面とともに前記角部を形成する前記梱包体の他方の面上を摺動する第2接触部を有し、且つ、前記本体部に対して固定された刃片保持部と、
少なくとも前記第2方向に延び出すようにして前記刃片保持部に保持された刃片と、を備え、
前記刃片保持部は、前記刃片の刃先が前記第1方向における一側を向く第1位置と、前記刃先が前記第1方向における他側を向く第2位置と、の間で変更可能に前記刃片を保持する。
【0012】
あるいは、本発明による切断用カッターは、
梱包体の角部上を移動しながら前記梱包体を切断する切断用カッターであって、
切断時に移動方向となる第1方向と前記第1方向に直交する第2方向との両方に広がり前記角部を形成する前記梱包体の一方の面上を摺動する第1接触部と、切断時に使用者によって把持される把持部と、を有した本体部と、
切断時に前記第2方向に非平行な第3方向と前記第1方向との両方に広がり前記一方の面とともに前記角部を形成する前記梱包体の他方の面上を摺動する第2接触部を有し、且つ、前記本体部に対して固定された刃片保持部と、
少なくとも前記第2方向に延び出すようにして前記刃片保持部に保持された刃片と、を備え、
前記第2接触部は、前記第1方向に沿って直線状に延びる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取り扱いが容易なカッターを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0016】
図1は本発明による切断用カッター10の一実施の形態を説明するための図である。
図1は、梱包体1を切断する切断用カッター10の斜視図である。また、
図2は、
図1に示す切断用カッター10の拡大図である。切断用カッター10は、梱包体1の角部2上を移動しながら、当該角部2に沿って梱包体1を切断する。このような切断用カッター10は、梱包体1の開梱に用いられる。
【0017】
図3は、
図1に示す切断用カッター10を、切断時の移動方向(角部2の長手方向)DAから見た図である。
図3において、切断用カッター10とともに、切断中の梱包体1の上記移動方向DAに垂直な断面が示されている。また、
図4は、不使用時の(したがって梱包体1から離間した状態の)切断用カッター10を示す図である。また、
図5および
図6は、それぞれ、
図4に示す切断用カッター10を、後述する第1接触部23および第2接触部44の側から見た斜視図、及び、上記第1接触部23の側からみた平面図である。
【0018】
以下の説明において、梱包体1の上記角部2を形成する面3,4の一方および他方を、「第1の面3」および「第2の面4」と呼ぶ。また、「第1方向DA」とは、梱包体1の切断時の切断用カッター10の移動方向を指すものとする。また、「第2方向DB」とは、第1方向DAに直交する方向であって、第1の面3が第1方向DA以外に広がる方向を指すものとする。また、「第3方向DC」とは、第1方向DAおよび第2方向DBの両方と非平行な方向であって、第2の面4が第1方向DA以外に広がる方向を指すものとする。
【0019】
なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、第1方向DA、第2方向DB及び第3方向DCを図面間で共通する方向として矢印で示している。矢印の先端側が、各方向DA,DB,DCの一側となる。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、
図3および
図4に示すように、円の中にXを設けた記号により示した。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面から手前に向かう矢印を、
図6に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。
【0020】
図2乃至
図6に示すように、切断用カッター10は、本体部20と、本体部20に対して固定された刃片保持部30と、刃片保持部30に保持された刃片50と、を有する。さらに、切断用カッター10は、刃片50の刃先51の少なくとも一部を覆うガード部70を含むガードユニット60を有する。
【0021】
以下、切断用カッター10の各部についてさらに詳細に説明する。
【0022】
<本体部>
まず、本体部20について説明する。本体部20は、刃片保持部30およびガードユニット60を保持する。図示された例では、本体部20内には、刃片保持部30およびガードユニット60の少なくとも一部を収容する内部空間21が形成されている。本体部20の第3方向DCの一側には、上記内部空間21と連通する開口22が形成されている。この開口22を通じて刃片保持部30およびガードユニット60を上記内部空間21に挿入することができる。
【0023】
本体部20は、また、切断時に梱包体1の第1の面3上を摺動する第1接触部23を有する。図示された例では、本体部20の上記開口22を画成する縁部の一部が第1接触部23をなす。
【0024】
本体部20には、切断時に使用者によって把持される把持部24が設けられている。図示された例では、本体部20の外面のうち、第3方向DCの一側(第1接触部23が設けられた側)以外の部分が把持部24をなしている。
【0025】
<刃片および刃片保持部>
次に、
図2乃至
図8を参照して、刃片50および刃片保持部30について説明する。
図7は、刃片保持部30の分解斜視図である。
図7において、刃片保持部30の後述する刃片装着部31には刃片50が装着されている。
図8は、刃片装着部31を分解して刃片50とともに示す図である。
【0026】
まず、刃片50について説明する。
図8に示すように、刃片50は薄板状のカッター刃である。図示された例では、刃片50は、平面視において台形状をなしており、台形の互いに平行な対辺の一方をなす縁部に沿って刃先51が設けられている。刃片50には、刃片50を刃片保持部30に固定するための穴52が設けられている。
【0027】
次に、刃片保持部30について説明する。
図7に示すように、刃片保持部30は、刃片50が装着される刃片装着部31と、刃片装着部31を保持し本体部20に接続される接続部40と、刃片装着部31を接続部40に固定するためのロック部材47とを有する。
【0028】
刃片装着部31は、
図7および
図8に示すように、一対の板状部材32,33を含み、一対の板状部材32,33の間に刃片を挟持する。一方の板状部材32には、刃片50の穴52に対応して突起35が設けられている。また、他方の板状部材33には上記突起35に対応して凹部36が設けられている。一方の板状部材の突起35を、刃片50の穴52に嵌め込んだ後、他方の板状部材33の凹部36に嵌め込むことにより、刃片50は刃片装着部31に対して固定される。
図3および
図4に示すように、刃片装着部31は、接続部40の後述する挿入穴45に挿入されることにより、接続部40に保持される。刃片装着部31は、上記挿入穴45に差し込みやすいよう、その第1方向DAに沿った寸法が第2方向DBの一側に向けて漸次縮小するテーパ状になっている。刃片装着部31の第1方向DAの一側および他側の各側部には、ロック部材47が嵌め込まれる固定用凹部37が設けられている。
【0029】
図8に示す例では、一方の板状部材32は、刃先51が第1方向D1の一側に向いた刃片50の穴52に嵌まり込む第1突起35aと、刃先51が第1方向D1の他側を向いた刃片50の穴52に嵌まり込む第2突起35bとを有する。また、他方の板状部材33は、第1突起35aが嵌まり込む第1凹部36aと、第2突起35bが嵌まり込む第2凹部36bと、を有する。これにより、刃片保持部30は、刃先51が第1方向DAにおける一側を向く第1位置(
図6および
図8で実線で示す位置)と、刃先が第1方向DAにおける他側を向く第2位置(
図6および
図8で二点鎖線で示す位置)と、の間で変更可能に刃片50を保持することができる。
【0030】
接続部40は、
図4および
図7に示すように、本体部20の内部空間21に収容される接続凸部41と、接続凸部41に接続され刃片装着部31を保持する接続部本体42とを有する。図示しない締結部材を用いて接続凸部41が本体部20に締結されることにより、接続部40は本体部20に対して固定されている。
【0031】
接続部本体42は、接続凸部41の第3方向DCにおける一側に位置する。接続部本体42は、第2方向DBの一側を向く梱包体対面部43を有する。梱包体対面部43は、切断時に梱包体1の第2の面4に対面するようになる。梱包体対面部43には、切断時に梱包体1の第2の面3上を摺動する第2接触部44が形成されている。図示された例では、梱包体対面部43は、第2方向DBの一側に突出する凸部を含み、この凸部が第2接触部44をなす。梱包体1の切断時に梱包体対面部43の一部のみが梱包体1と接触することにより、接続部本体42(刃片保持部30)と梱包体1との間に働く摩擦力が低減される。この結果、切断時における切断用カッター10の操作性が向上する。
【0032】
さらに、図示された例では、第2接触部44は、第1方向DAに沿って直線状に延びている。このような第2接触部44により、梱包体1の切断時に切断用カッター10と梱包体1との間に働く摩擦力は、切断用カッター10を第1方向DAに移動させた場合に最小となる。したがって、梱包体1の切断時に切断用カッター10が第1方向DA以外の方向に移動することを抑制することができる。このことによっても、切断時における切断用カッター10の操作性が向上する。
【0033】
接続部本体42には、刃片装着部31を挿入するための挿入穴45が設けられている。挿入穴45は、接続部本体42を第2方向DBの一側から他側に向けて貫通する。
図4に示すように、刃片装着部31に装着された刃片50は、刃片装着部31が挿入穴45に挿入された状態で、梱包体対面部43から少なくとも第2方向DBに延び出す。
【0034】
また、
図6に示すように、刃片装着部31に装着された刃片50は、刃片装着部31が挿入穴45に挿入された状態で、刃片50の先端が第1方向DAおよび第2方向DBの両方に垂直な方向への投影において把持部24と重なる。上記投影において刃片50の先端が把持部24と重なることにより、使用者によって把持部24に加えられた力を、刃片50の先端を通じて梱包体1に効率良く伝えることができる。この結果、梱包体1の切断が容易になる。
【0035】
また、
図3に示すように、挿入穴45は、刃片装着部31に装着された刃片50の刃先51が第1方向DAおよび第2方向DBの両方に平行な面(梱包体1の第1の面3)に対して0°より大きく45°未満の角度をなすように設けられている。刃片50の刃先51が第1方向DAおよび第2方向DBの両方に平行な面に対して0°より大きい角度をなしていることにより、刃片50の刃先51は、梱包体1の角部2内を延びる。この結果、梱包体1の内部に収容された商品などを傷つけることが抑制される。また、刃片50の刃先51が第1方向DAおよび第2方向DBの両方に平行な面に対して45°未満の角度をなしていることにより、梱包体1の切断時に刃片50が梱包体1から受ける力のうち、梱包体1から第2方向DBの他側(梱包体1から離れる側)に向かう力を低減させることができる。これにより、梱包体1の切断時に、切断用カッター10が梱包体1の角部2から逸れてしまうことが抑制される。この結果、切断用カッター10を梱包体1の角部2に沿って移動させることが容易になり、切断用カッター10の操作性が向上する。
【0036】
図2および
図6に示すように、接続部本体42には、2つの挿入穴45a,45bが第1方向DAに並んで形成されている。これにより、使用者の利き手等に合わせて本体部20に対する刃片50の位置を適宜変更することができる。例えば、使用者が右利きの場合は、
図6に実線で示すように、刃先51が第1方向DAの一側を向いた状態で(刃片50が第1位置に配置された状態で)刃片装着部31を一方の挿入穴45aに挿入する。一方、使用者が左利きの場合は、
図6に二点鎖線で示すように、刃先51が第1方向DAにおける他側を向いた状態で(刃片50が第2位置に配置された状態で)刃片装着部31を他方の挿入穴45bに挿入する。これにより、使用者が右利きであっても左利きであっても、利き手で切断用カッター10を梱包体1の角部2に沿わせて第1方向DAに移動させることができる。このことによっても、切断用カッター10の操作性が向上する。
【0037】
次に、ロック部材47について説明する。まず、
図6および
図7に示すように、接続部本体42には、挿入穴45a,45bの間に、第3方向DCに延びる案内溝46が設けられている。これに対応して、ロック部材47は、第2方向DBに延びるロック部材本体47aとロック部材本体47aの第2方向DBの一側端部から第1方向DAの一側および他側に延び出す第1凸部47bと、第1凸部47bよりも第2方向DBの他側でロック部材本体47aから第1方向DAの一側および他側に延び出す第2凸部47cと、を有する。第1凸部47bが接続部本体42の案内溝46に嵌め込まれることにより、ロック部材47は接続部本体42に対して第3方向DCに移動可能に保持される。また、第2凸部47cが刃片装着部31の固定用凹部37に嵌め込まれることにより、ロック部材47は刃片装着部31を接続部本体42に対して固定する。
【0038】
<ガードユニット>
次に、
図3乃至
図6並びに
図9を参照して、ガードユニット60について説明する。
図9は、ガードユニット60の分解斜視図である。
【0039】
図9に示すように、ガードユニット60は、本体部20に対して固定されたガード部保持体61と、ガード部保持体61に保持されたガード部70と、を含む。ガード部70は、ガード部保持体61に対して(したがって本体部20および刃片保持部30に対して)、移動可能に保持されている。具体的には、ガード部70は、刃片50の刃先51を覆うガード位置(
図4参照)と、刃片50の刃先51を露出させる露出位置(
図3参照)との間を、本体部20や刃片保持部30に対して移動することができる。
【0040】
図4に示すガード位置において、ガード部70は、刃片50の刃先51の先端を第2方向DBにおける一側(刃片保持部30とは反対側)から覆う。したがって、ガード部70がガード位置にあるとき、刃先51で使用者の手等が傷つけられる虞が低減される。
【0041】
一方、
図3に示す露出位置において、ガード部70は、刃片50の刃先51の先端を第2方向DBにおける一側に露出させる。したがって、ガード部が露出位置にあるとき、刃先51の先端を梱包体1に押し当てて梱包体1を切断することができる。
【0042】
図示された例では、ガード部70は、全体として板状のガード部本体71を含む。ガード部本体71は、概ね、第1方向DAおよび第3方向DCの両方に広がる面に沿っている。ガード部本体71の第3方向DCの他側からは、2本の軸部72が第3方向DCに延び出している。
【0043】
ガード部保持体61は、
図4に示すように、その全体が本体部20の内部空間21内に収容され、図示しない締結部材によって本体部20に対して固定されている。
図5に示すように、ガード部保持体61は、ガード部本体71を収容する内部空間62を有する。この内部空間62は、ガード部保持体61の第3方向DCの一側(本体部20の第1接触部23の側)に設けられた第1開口63を通じて開放されている。この第1開口63を通じて、ガード部本体71は、ガード部保持体61の内部空間62に出入りすることができる。ガード部本体71は、第1方向DAと第2方向DBの両方に垂直な方向(図示された例では第3方向DC)に沿って上記内部空間62に出入りする。
【0044】
ガード部保持体61の第3方向DCの他側には、ガード部70の軸部72が挿通される第2開口64が設けられている。ここで、第2開口64に挿通された軸部72の先端にはストッパ65が接続されている。ストッパ65の頭部は、ガード部保持体61の外側に位置している。頭部の外径は、第2開口64の口径よりも大きい。このようなストッパ65によって、ガード部70がカード部本体61から脱落することが防止される。
【0045】
図9から理解されるように、ガード部本体71とガード部保持体61との間には、ガード部70をガード位置に向けて付勢する付勢手段66が配置されている。図示された例では、付勢手段66は、コイルバネであり、ガード部保持体61の内部においてガード部70の各軸部72を囲むように配置されている。このような付勢手段72が設けられていることにより、ガード部70に力が加えられていない場合(例えば本体部20の第1接触部23が梱包体1から十分に離れている場合)、ガード部70はガード位置に配置されて刃片50の先端を覆う。その一方で、ガード部70に第1方向DAと第2方向DBの両方に垂直な方向に沿って本体部20に向かう力が働くと(例えば本体部20の第1接触部23を梱包体1に接触させると)、ガード部70は付勢手段66の付勢力に抗して露出位置に移動し、刃片50の先端を露出させる。言い換えると、ガード部70は、切断用カッター10の不使用時には刃片50の先端を覆い、梱包体1の切断時には自動的に刃片50の先端を露出させる。このようなガード部70を有する切断用カッター10は、不使用時にはガード部70のガード機能によって安全に持ち運ぶことができ、また、使用時にはガード機能を解除するための特別な操作を必要としないため、取り扱いが容易である。
【0046】
さらに、図示された例では、ガード部70は、露出位置において本体部20内に位置する。これにより、移動するガード部70が切断用カッター10の周囲のもの(例えば梱包体1や使用者の手)と干渉することが防止される。これにより、切断用カッター10の取り扱いがさらに容易になる。
【0047】
また、
図6に示す例では、ガード部本体71は、第2方向DBにおける中央で、刃片保持部30に向けて突出する突出部73を有する。突出部73を有することにより、刃片保持部30とガード部本体71との間に形成される隙間をより小さくすることができる。これにより、上記隙間に使用者の指等が入り込んで指等が刃片50によって傷つけられる、ということを効果的に防止することができる。また、刃片50の先端を第1方向DAにおける一側あるいは他側からも覆うことができる。これにより、刃片50の先端が使用者の指等を傷つける虞がさらに抑制される。
【0048】
<使用方法>
次に、上述した切断用カッター10の使用方法について説明する。
【0049】
まず、切断用カッター10を梱包体1の角部2に
図1に示すように配置し、第1方向DAの一側に向けて移動させて梱包体1を切断する場合について説明する。この場合、刃片50の位置が刃先51が第1方向DAにおける一側を向く第1位置(
図6で実線で示す位置)となるように、刃片50を刃片保持部30に保持させる。このとき、
図6で実線で示すように、刃片装着部31を接続部本体42の挿入穴45a,45bのうち、第1方向DAの他側に位置する挿入穴45aに挿入して、刃片50を刃片保持部30に保持させる。これにより、刃片50の刃先51が、ガード部本体71の突出部73の側を向く。刃片50の刃先51の先端は、第2方向DBにおける一側および第2方向DAにおける一側からガード部本体71によって覆われる。
【0050】
次に、切断用カッター10を第1方向DAと第2方向DBの両方に垂直な方向に沿って移動させて、本体部20の第1接触部23を梱包体1の第1の面3に接触させる。これにより、ガード部70が上記垂直な方向に沿って移動して、本体部20内に収容される。これに伴って、刃片50の先端が第2方向DBの一側(梱包体1の第2の面4に対面する側)および第2方向DAの一側に露出される。本体部20の第1接触部23を梱包体1の第1の面3上を摺動させ、且つ、刃片保持部30の第2接触部44を梱包体1の第2の面4上を摺動させながら、切断用カッター10を第1方向DAの一側へ向けて、梱包体1の角部2に沿って移動させる。これにより、梱包体1の第2の面4が角部2に沿って切断される。
【0051】
なお、切断用カッター10を梱包体1の角部2に
図1に示すように配置し、第1方向DAの他側に向けて移動させて梱包体1を切断する場合は、刃片50の位置が刃先51が第1方向DAにおける他側を向く第2位置(
図6で二点鎖線で示す位置)となるように、刃片保持部30に刃片50を保持させればよい。このとき、
図6で二点鎖線で示すように、刃片装着部31を接続部本体42の挿入穴45a,45bのうち、第1方向DAの一側に位置する挿入穴45aに挿入して、刃片50を刃片保持部30に保持させる。これにより、刃片50の刃先51が、ガード部本体71の突出部73の側を向く。刃片50の刃先51の先端は、第2方向DBにおける一側および第2方向DAにおける他側からガード部本体71によって覆われる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、梱包体1の角部2上を移動しながら梱包体1を切断する切断用カッター10は、切断時に移動方向(角部2の長手方向)となる第1方向DAと第1方向DAに直交する第2方向DBとの両方に広がり角部2を形成する梱包体1の一方の面3上を摺動する第1接触部23を有した本体部20を備える。また、切断用カッター10は、切断時に第2方向DBに非平行な第3方向DCと第1方向DAとの両方に広がり一方の面3とともに角部2を形成する梱包体1の他方の面4上を摺動する第2接触部44を有し、且つ、本体部20に対して固定された刃片保持部30と、少なくとも第2方向DBに延び出すようにして刃片保持部30に保持された刃片50と、を備える。また、切断用カッター10は、刃片50の刃先51の先端を第2方向DBにおける刃片保持部30とは反対側となる一側から覆うガード位置と、刃片50の先端を第2方向DBにおける一側に露出させる露出位置との間を、刃片保持部30に対して相対移動可能なガード部70と、を備える。そして、本体部20の第1接触部23を梱包体1の一方の面3に接触させる際に、一方の面3によってガード部70が前記ガード位置から露出位置に押される。
【0053】
このような切断用カッター10によれば、不使用時には刃片50の刃先51の先端がガード部70によって覆われて、刃先51によって使用者の手等が傷つけられることを防止することができる。その一方で、使用時には、本体部20の第1接触部23を梱包体1に接触させるだけで、刃片50の先端を露出させて梱包体1を切断することができる。したがって、取り扱いが容易である。
【0054】
本実施の形態において、ガード部70は、第1方向DAと第2方向DBの両方に垂直な方向に沿って移動可能である。これにより、ガード部70の移動方向が、本体部20の第1接触部23を梱包体1に接触させる際の切断用カッター10の移動方向に沿った方向になる。この結果、ガード部70を容易に露出位置に移動させることができる。
【0055】
また、本実施の形態において、ガード部70は、露出位置において、本体部20内に位置する。これにより、露出位置に移動したガード部70が切断用カッター10の周囲のもの(梱包体1や使用者の手等)と干渉することが防止される。この結果、切断用カッター10の取り扱いがさらに容易になる。
【0056】
また、本実施の形態において、梱包体1の角部2上を移動しながら梱包体1を切断する切断用カッター10は、切断時に移動方向となる第1方向DAと第1方向DAに直交する第2方向DBとの両方に広がり角部2を形成する梱包体1の一方の面3上を摺動する第1接触部23と、切断時に使用者によって把持される把持部24と、を有した本体部20を備える。また、切断用カッター10は、切断時に第2方向DBに非平行な第3方向DCと第1方向DAとの両方に広がり一方の面3とともに角部2を形成する梱包体1の他方の面4上を摺動する第2接触部44を有し、且つ、本体部20に対して固定された刃片保持部30と、少なくとも第2方向DBに延び出すようにして刃片保持部30に保持された刃片50と、を備える。そして、第1方向DA及び第2方向DBの両方に垂直な方向への投影において、刃片50の先端は、把持部24と重なる。
【0057】
このような切断用カッター10によれば、使用者によって把持部24に加えられた力を、刃片50の先端を通じて梱包体1に効率良く伝えることができる。この結果、梱包体1の切断が容易になる。すなわち、切断用カッター10の操作性が向上する。
【0058】
また、本実施の形態において、梱包体1の角部2上を移動しながら梱包体1を切断する切断用カッター10は、切断時に移動方向となる第1方向DAと第1方向DAに直交する第2方向DBとの両方に広がり角部2を形成する梱包体1の一方の面3上を摺動する第1接触部23と、切断時に使用者によって把持される把持部24と、を有した本体部20を備える。また、切断用カッター10は、切断時に第2方向DBに非平行な第3方向DCと第1方向DAとの両方に広がり一方の面3とともに角部2を形成する梱包体1の他方の面4上を摺動する第2接触部44を有し、且つ、本体部20に対して固定された刃片保持部30と、少なくとも第2方向DBに延び出すようにして刃片保持部30に保持された刃片50と、を備える。そして、刃片50の刃先51は、第1方向DA及び第2方向DBの両方に平行な面に対して、0°より大きく45°未満の角度をなしている。
【0059】
このような切断用カッター10では、刃片50の刃先51が第1方向DAおよび第2方向DBの両方に平行な面に対して0°より大きい角度をなしていることにより、刃先51が梱包体1の角部2内を延びる。これにより、刃片50の刃先51が梱包体1の内部に収容された商品などを傷つける虞が抑制される。また、刃片50の刃先51が第1方向DAおよび第2方向DBの両方に平行な面に対して45°未満の角度をなしていることにより、梱包体1の切断時に刃片50が梱包体1から受ける力のうち、第2方向DBの他側(梱包体1から離れる側)に向かう力を低減させることができる。これにより、切断時に切断用カッター10が梱包体1の角部2から逸れてしまうことが抑制される。この結果、切断用カッター10を梱包体1の角部2に沿って移動させることが容易になり、切断用カッター10の操作性が向上する。
【0060】
また、本実施の形態において、梱包体1の角部2上を移動しながら梱包体1を切断する切断用カッター10は、切断時に移動方向となる第1方向DAと第1方向DAに直交する第2方向DBとの両方に広がり角部2を形成する梱包体1の一方の面3上を摺動する第1接触部23と、切断時に使用者によって把持される把持部24と、を有した本体部20を備える。また、切断用カッター10は、切断時に第2方向DBに非平行な第3方向DCと第1方向DAとの両方に広がり一方の面3とともに角部2を形成する梱包体1の他方の面4上を摺動する第2接触部44を有し、且つ、本体部20に対して固定された刃片保持部30と、少なくとも第2方向DBに延び出すようにして刃片保持部30に保持された刃片50と、を備える。そして、刃片保持部30は、刃先51が第1方向DAにおける一側を向く第1位置と、刃先51が第1方向DAにおける他側を向く第2位置と、の間で変更可能に前記刃片50を保持する。
【0061】
このような切断用カッター10によれば、使用者の利き手等に合わせて本体部20に対する刃片50の位置を適宜変更することができる。
【0062】
また、本実施の形態において、梱包体1の角部2上を移動しながら梱包体1を切断する切断用カッター10は、切断時に移動方向となる第1方向DAと第1方向DAに直交する第2方向DBとの両方に広がり角部2を形成する梱包体1の一方の面3上を摺動する第1接触部23と、切断時に使用者によって把持される把持部24と、を有した本体部20を備える。また、切断用カッター10は、切断時に第2方向DBに非平行な第3方向DCと第1方向DAとの両方に広がり一方の面3とともに角部2を形成する梱包体1の他方の面4上を摺動する第2接触部44を有し、且つ、本体部20に対して固定された刃片保持部30と、少なくとも第2方向DBに延び出すようにして刃片保持部30に保持された刃片50と、を備える。そして、第2接触部44は、第1方向DAに沿って直線状に延びる。
【0063】
このような切断用カッター10によれば、切断時に切断用カッター10と梱包体1との間に働く摩擦力は、切断用カッター10を第1方向DAに移動させた場合に最小となる。したがって、切断時に切断用カッター10が第1方向DA以外の方向に移動することを抑制することができる。これにより、切断時における切断用カッター10の操作性が向上する。
【0064】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。