【解決手段】制御装置15は、カーテン材3の操作命令を受け付ける操作命令受付部25と、操作命令受付部25が受け付けた操作命令に応じて電動モータ11の目標速度を設定する速度設定部、及び、操作命令受付部25が受け付けた操作命令に応じて速度設定部の目標速度を更新する目標速度更新部として機能する制御部21と、制御部21の速度設定部により設定された目標速度に応じて電動モータ11を駆動するモータ駆動部として機能するモータ駆動回路22と、を備える。
電動モータによりカーテンレールに沿ったベルトを回転させてランナーを移動させることによりカーテンの開閉を制御する、コンピュータにより実行可能な電動カーテンの制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記カーテンの操作命令を受け付ける操作命令受付ステップと、
受け付けた操作命令に応じて前記電動モータの目標速度を設定する速度設定ステップと、
前記目標速度に応じて前記電動モータを駆動するモータ駆動ステップと、
前記操作命令に応じて前記目標速度を更新する目標速度更新ステップと、
を実行させる電動カーテンの制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る電動カーテンの制御装置、電動カーテンの制御方法、及び電動カーテンの制御プログラムの実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
図1は、実施の形態に係る電動カーテン1においてカーテンの全閉状態を示す略線図である。また、
図2は、電動カーテン1においてカーテンの全開状態を示す略線図である。
【0017】
以下の説明において、便宜上、
図1及び
図2における水平方向(矢印ab方向)をカーテンの開閉方向、特に図中左側をカーテンが閉まる閉側(矢印a方向)とし、図中右側をカーテンが開く開側(矢印b方向)とする。また、垂直方向(矢印cd方向)をカーテン吊下方向、特に図中上側を天井側(矢印c方向)とし、図中下側を床側(矢印d方向)とする。
【0018】
<電動カーテンの全体構成>
図1及び
図2に示すように、電動カーテン1は、片開き型の電動カーテンであり、主に、カーテンレール2、カーテン材3、およびモータ制御ユニット4を備えている。なお、電動カーテン1は片開き型に限定されず、両開き型であってもよい。
【0019】
カーテンレール2は、水平方向(矢印ab方向)に延びるレール状部材である。カーテンレール2は、複数のランナー5が水平方向(矢印ab方向)にベルト7とともに移動可能に取り付けられている。複数のランナー5には、カーテン材3を吊り下げた状態で保持するための吊下具6が取り付けられている。
【0020】
図3は、カーテンレール2の内部構造を示す略線図である。
図3に示すように、ランナー5は、カーテンレール2内を走行する無端状のベルト7に結合されている。ベルト7は、そのベルト7を移動させるプーリ14に結合されている。
【0021】
ベルト7の水平方向(矢印ab方向)への移動と共にランナー5が移動することにより、カーテン材3がランナー5と共に閉側(矢印a方向)から開側(矢印b方向)または開側(矢印b方向)から閉側(矢印a方向)へ向かって移動する。
【0022】
なお、複数のランナー5のうち、特に水平方向(矢印ab方向)における最も閉側(矢印a方向)に位置するランナー5については、
図2に示すように、カーテン材3の位置を検出するためのランナー(以下、これを「カーテン位置検出ランナー」ともいう。)5sとする。
【0023】
カーテン材3は、吊下具6を介してカーテンレール2に吊り下げられている。電動カーテン1は、カーテン材3がカーテンレール2の閉側(矢印a方向)から開側(矢印b方向)に向かって畳み込まれると図示しない窓が露出する。また、電動カーテン1は、カーテン材3がカーテンレール2の開側(矢印b方向)から閉側(矢印a方向)に向かって引き出されると図示しない窓を覆う。
図3に示す閉側(矢印a方向)の全閉位置は、カーテン材3によって上記窓の全体が覆われている状態である全閉状態におけるカーテン位置検出ランナー5sの位置を示している。また、同じく
図3に示す開側(矢印b方向)の全開位置は、カーテン材3が畳み込まれて上記窓が露出している状態である全開状態におけるカーテン位置検出ランナー5sの位置を示している。
【0024】
<モータ制御ユニットの構成>
図4は、モータ制御ユニット4の構成を示す外観斜視図である。また、
図5は、モータ制御ユニット4の回路構成を示すブロック図である。
図4および
図5に示すように、モータ制御ユニット4は、電動モータ11、この電動モータ11の回転軸11aに取り付けられた電磁クラッチ12、回転検出器13および電動モータ11および電磁クラッチ12を駆動制御する制御装置15を備えている。
【0025】
電動モータ11は、例えばDC(Direct Current)ブラシレスモータである。電動モータ11は、制御装置15から供給されるPWM(Pulse Width Modulation)信号(以下、これを「モータ駆動用PWM信号」ともいう。)により回転軸11aを所望の回転数、トルクおよび角度等に回転駆動する駆動源である。
【0026】
クラッチ部材としての電磁クラッチ12は、ベルト7を走行させるプーリ14(
図3)に連結された出力側回転軸12aを有している。この電磁クラッチ12は、動力伝達機構であり、コイルの通電に応じて発生する電磁力を利用し、出力側回転軸12aを介して電動モータ11の回転軸11aの動力をプーリ14に伝達するように締結する。
【0027】
また、電磁クラッチ12は、出力側回転軸12aを介して電動モータ11の回転軸11aの動力がプーリ14に伝達されないように解放される。なお、電磁クラッチ12においても、制御装置15から供給されるPWM信号(以下、これを「クラッチ駆動用PWM信号」ともいう。)により制御される。
【0028】
回転検出器13は、電磁クラッチ12の出力側回転軸12aと一体に取り付けられているスリット板13a、および、光センサ13bを備える。スリット板13aは、円盤状部材であり、その外周縁に対して周方向にわたって複数の凹部が等間隔で形成されている。光センサ13bは、LED(Light Emitted Diode)等の発光素子およびフォトダイオード等の受光素子からなる。
【0029】
回転検出器13は、回転中のスリット板13aの凹部を通過した光を光センサ13bにより受光し、その光の列をパルス信号として捕え、そのパルス信号をモータ制御ユニット4の制御装置15へ出力する。制御装置15は、パルス信号に基づいてプーリ14を介して駆動されるベルト7の移動距離および移動速度等を検出することが可能である。
【0030】
図5に示すように、制御装置15は、電動カーテン1において、電動モータ11によりカーテンレール2に沿ったベルト7を回転させてランナー5を移動させることによりカーテン材3の開閉を制御する。制御装置15は、カーテン材3の操作命令を受け付ける操作命令受付部25を備える。また、制御装置15は、操作命令受付部25が受け付けた操作命令に応じて電動モータ11の目標速度を設定する速度設定部、及び、操作命令受付部25が受け付けた操作命令に応じて速度設定部の目標速度を更新する目標速度更新部として機能する制御部21と、制御部21の速度設定部により設定された目標速度に応じて電動モータ11を駆動するモータ駆動部として機能するモータ駆動回路22と、を備える。
【0031】
具体的に、制御装置15は、各種データの記憶領域やワークエリアとして用いられるメモリ26と接続された制御部21、モータ駆動回路22、クラッチ駆動回路23、パルス信号入力回路24、リモートコントローラ(以下、これを「リモコン」ともいう。)27からの操作命令を受け付ける操作命令受付部25を有している。
【0032】
制御部21は、制御装置15全体を統括制御するとともに、モータ駆動回路22、クラッチ駆動回路23、パルス信号入力回路24、操作命令受付部25との間でデータ授受を行う。なお、制御装置15は、電源供給部28から供給される電源電力によって起動される。
【0033】
特に、制御部21は、モータ駆動回路22およびクラッチ駆動回路23に対してデューティー比を調整したPWM信号を出力することにより電動モータ11及び電磁クラッチ12を駆動制御する。ここで、制御部21からモータ駆動回路22へ出力するモータ駆動用PWM信号と、制御部21からクラッチ駆動回路23へ出力するクラッチ駆動用PWM信号とは異なる。
【0034】
モータ駆動回路22は、制御部21からのモータ駆動用PWM信号に従って電動モータ11の回転軸11aを所望の回転方向及び回転速度で駆動制御する。クラッチ駆動回路23は、制御部21からのクラッチ駆動用PWM信号に従って電磁クラッチ12を駆動制御することにより、電動モータ11とプーリ14との締結状態(締結または解放)を制御する。
【0035】
パルス信号入力回路24は、回転検出器13の光センサ13bで受光したパルス信号を入力し、そのパルス信号を制御部21へ出力する。操作命令受付部25は、リモートコントローラ27からカーテンの開命令または閉命令をカーテン操作命令として受け付け、それを制御部21へ出力する。
【0036】
図6は、制御装置15の制御部21の構成を示す機能ブロック図である。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース等を備えるコンピュータプログラムを実行可能なマイクロコンピュータ構成であり、コンピュータプログラム(ソフトウェア)をインストールすることによって実現される。制御部21としての各種機能は、コンピュータの各種ハードウェア資源とコンピュータプログラムとが協働することによって実現される。
【0037】
制御部21は、コンピュータプログラムによりソフトウェア的に構成され、カーテン操作命令判別部31、モータ駆動用PWM信号生成部32、クラッチ駆動用PWM信号生成部33、及び、カーテン位置検出部34を備えている。
【0038】
カーテン操作命令判別部31は、操作命令受付部25に入力されたカーテン操作命令(開命令または閉命令)に基づいて、リモートコントローラ27を操作したユーザの意思が開命令であるか閉命令であるかを判別し、その判別結果をモータ駆動用PWM信号生成部32およびクラッチ駆動用PWM信号生成部33へ出力する。
【0039】
モータ駆動用PWM信号生成部32は、電動モータ11を駆動するためのモータ駆動回路22へ出力するモータ駆動用PWM信号を生成して出力する。モータ駆動用PWM信号生成部32の詳細な構成については後述する。
【0040】
クラッチ駆動用PWM信号生成部33は、電磁クラッチ12を駆動するためのクラッチ駆動用PWM信号を生成してクラッチ駆動回路23へ出力する機能部である。
【0041】
制御部21のカーテン位置検出部34は、パルス信号入力回路24からのパルス信号をカウントすることにより、電動モータ11の回転軸11aの回転速度(実測値)や、ベルト7と一体に移動されるカーテン位置検出ランナー5sの位置、すなわちカーテン材3の閉側(矢印a方向)の位置や開側の位置を検出する機能部である。カーテン位置検出部34は、停止位置検出部及び減速位置検出部として機能する。
【0042】
図7は、モータ駆動用PWM信号生成部32の構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、モータ駆動用PWM信号生成部32は、モータON待ち時間設定部321、モータ駆動用PWM信号出力部322、および、モータ駆動用デューティー比設定部323を有している。
【0043】
モータON待ち時間設定部321は、電磁クラッチ12を介して電動モータ11とプーリ14とを締結した後に、モータ駆動回路22を介して電動モータ11を駆動するまでの待ち時間を設定する機能部である。
【0044】
待ち時間を設定する理由としては、電磁クラッチ12をON動作させて電動モータ11とプーリ14との締結を開始した場合でも、瞬時に締結されることはないので、電動モータ11とプーリ14とが完全に締結されるのを待つ必要があるからである。
【0045】
電動カーテン1において、仮に、電動モータ11とプーリ14との締結が完了する前に、電磁クラッチ12をON動作させて電動モータ11が駆動してしまうと、電動モータ11の空転が起きてしまう。この場合、パルス信号入力回路24からのパルス信号をカーテン位置検出部34が誤ってカウントしてしまい、カーテン材3のカーテン位置の検出に位置ずれが発生してしまう。モータON待ち時間設定部321は、このような事態を回避するために待ち時間を設定している。
【0046】
モータ駆動用PWM信号出力部322は、モータ駆動用デューティー比設定部323により設定されたデューティー比に基づいて、モータ駆動回路22に出力するモータ駆動用PWM信号を生成して出力する機能部である。
【0047】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテン操作命令判別部31およびカーテン位置検出部34から供給された信号に基づいてモータ駆動用PWM信号のデューティー比を設定する機能部であり、その設定したデューティー比をモータ駆動用PWM信号出力部322へ出力する。モータ駆動用デューティー比設定部323は、上述の速度設定部、及び、目標速度更新部として機能する。
【0048】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、操作命令受付部25が受け付けた操作命令、つまり開操作の命令または閉操作の命令に応じて電動モータ11を所望の回転方向及び目標速度で回転させるために必要なモータ駆動用PWM信号のデューティー比を設定する。
【0049】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、モータ駆動用PWM信号のデューティー比を設定して電動モータ11が開動作または閉動作を開始した後に操作命令受付部25が操作命令を受け付けた場合に、カーテン操作命令判別部31が判別したカーテンの操作命令の種別に応じて目標速度を増減する。このために、モータ駆動用デューティー比設定部323は、モータ駆動用PWM信号のデューティー比を変更する。モータ駆動用デューティー比設定部323は、具体的には、カーテンの操作命令が開命令である場合には、目標速度を増加させるようにモータ駆動用PWM信号のデューティー比を変更する。また、モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテンの操作命令が閉命令である場合には、目標速度を減少させるようにモータ駆動用PWM信号のデューティー比を変更する。
【0050】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテン位置検出部34によりカーテン位置検出ランナー5sの位置が、
図3に示すような所定の減速位置に到達したことを検出されたとき、これに応じて目標速度を減少させるようにモータ駆動用PWM信号のデューティー比を変更する。また、モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテン位置検出部34によりカーテン位置検出ランナー5sの位置が、
図3に示すような所定の停止位置に到達したことを検出されたとき、これに応じて電動モータ11を停止させるようにモータ駆動用PWM信号のデューティー比を変更する。
【0051】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテン操作命令判別部31が判別したカーテンの操作命令の種別に応じて電動モータ11の回転方向を特定して、モータ駆動回路22に出力する。
【0052】
<動作および効果>
次に、以上説明した構成を備える電動カーテン1の制御装置15に実行させる電動カーテン1の制御プログラムにより実行される、電動カーテン1の制御方法について説明する。
【0053】
図8は、電動カーテン1の制御方法及び制御プログラムの説明に供するフローチャートである。以下の説明において、電動カーテン1の開/閉操作のうち、開操作、つまり、カーテン材3がランナー5と共に閉側(矢印a方向)から開側(矢印b方向)に移動させるための操作があった場合の制御の例について説明する。
【0054】
電動カーテン1の制御装置15において、操作命令受付部25は、リモートコントローラ27から電動カーテン1の開操作または閉操作の入力(開/閉操作)があるか否かを判定する操作命令受付ステップに相当する処理を行う(ステップS101)。開操作または閉操作の入力がない場合(ステップS101:NO)に、操作命令受付部25は、ステップS101の処理を繰り返す。
【0055】
開操作または閉操作の入力がある場合(ステップS101:YES)に、制御部21のカーテン操作命令判別部31は、開操作または閉操作の入力に応じて、電動モータ11の回転方向及び目標回転速度(以下「目標速度」という。)を判定する。モータ駆動用PWM信号生成部32は、カーテン操作命令判別部31の判定に応じて、モータ駆動用デューティー比設定部323が、電動モータ11の回転方向及び目標速度初期設定を行う、速度設定ステップに相当する処理を行う(ステップS102)。ここで、目標速度の初期設定を、例えばAとする。また、電動モータ11の回転方向は、開操作に応じて設定する。
【0056】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、初期設定を行った電動モータ11の回転方向及び目標速度に応じたデューティー比を、モータ駆動用PWM信号出力部322に出力する。モータ駆動用PWM信号出力部322は、モータ駆動用デューティー比設定部323により設定されたデューティー比に基づいて、モータ駆動回路22に出力するモータ駆動用PWM信号を生成して、開/閉動作出力を行う(ステップS103)。
【0057】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテン材3が所望の移動速度に到達するまで、例えば10[msec]毎にデューティー比を所定の割合(例えば1%から始まり、10%、20%、30%、……、90%、100%)で上げるように設定してモータ駆動用PWM信号出力部322へ出力するPWM制御を行う(ステップS104)。モータ駆動用PWM信号出力部322は、10[msec]毎にデューティー比を増大させたモータ駆動用PWM信号をモータ駆動回路22に出力することにより、モータ駆動回路22は、モータ駆動ステップに相当する処理を実行する。これらの処理により、電動カーテン1の制御装置15は、電動モータ11によりカーテン材3を所望の移動速度にまで徐々に上昇してカーテンレール2の全開位置まで移動させることができる。
【0058】
モータ駆動用PWM信号出力部322は、一定時間(例えば60[msec])毎にカーテン位置検出部34により検出されたパルス数のカウント値に基づいて算出される電動モータ11の回転軸11aの回転速度(実測値)と目標速度:Aとを比較し、その比較結果に応じてモータ駆動用デューティー比設定部323によりデューティー比を制御する。これにより、電動モータ11によりカーテン材3を所望の移動速度に制御することができる。
【0059】
カーテン位置検出部34は、パルス信号入力回路24からのパルス信号のカウント値に基づいてカーテン位置検出ランナー5sの位置、すなわちカーテン材3の閉側(矢印a方向)の位置が
図3に示した減速位置に到達したか否かを判定する(ステップS105)。
【0060】
カーテン位置検出ランナー5sの位置が減速位置に到達していない場合(ステップS105:NO)、カーテン操作命令判別部31は、リモートコントローラ27から電動カーテン1の開操作または閉操作の入力(開/閉操作)があるか否かを判定する(ステップS106)。この判定処理は、ステップS101における最初の開/閉操作の入力があるか否かを判定する処理とは異なり、電動カーテン1の移動開始後にさらに操作者からの開/閉操作の入力があるか否かを判定する。この処理を行うことにより、電動カーテン1の制御装置15は、電動カーテン1の目標速度を増速または減速する処理、すなわち目標速度を更新する処理が必要か否かを判定する。
【0061】
開操作または閉操作の入力、具体的にはステップS101で受け付けた操作と同じ開操作がある場合(ステップS106:YES)に、モータ駆動用デューティー比設定部323は、電動モータ11の目標速度をAから増速(UP)する設定を行う、目標速度更新ステップに相当する処理を行う(ステップS107)。ここで、目標速度の増速量は、任意に設定することができ、増速後の目標速度を例えばA+αとする。モータ駆動用PWM信号生成部32は、ステップS104の処理に戻り、設定後の新たな目標速度A+αに応じたPWM制御を継続する。
【0062】
開操作または閉操作の入力、具体的にはステップS101で受け付けた操作と同じ開操作がない場合(ステップS106:NO)に、カーテン操作命令判別部31は、ステップS101で受け付けた操作とは逆の操作(逆操作)である閉操作があるか否かを判定する(ステップS108)。
【0063】
逆操作が行われていない場合(ステップS108:YES)、操作者からの目標速度の変更を要求する操作がないと判定できるため、ステップS104の処理に戻り、モータ駆動用PWM信号生成部32は、設定済みの目標速度Aに応じたPWM制御を継続する。
【0064】
逆操作である閉操作がある場合(ステップS108:YES)に、モータ駆動用デューティー比設定部323は、電動モータ11の目標速度をAから減速(DOWN)する設定を行う、目標速度更新ステップに相当する処理を行う(ステップS109)。ここで、目標速度の減速量は、任意に設定することができ、減速後の目標速度を例えばA−αとする。モータ駆動用PWM信号生成部32は、ステップS104の処理に戻り、設定後の新たな目標速度A−αに応じたPWM制御を継続する。
【0065】
カーテン位置検出ランナー5sの位置が減速位置に到達している場合(ステップS105:YES)、モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテン材3が所望の移動速度に到達するまで、例えば10[msec]毎にデューティー比を所定の割合で下げるように設定してモータ駆動用PWM信号出力部322へ出力するPWM制御を行う、減速動作出力を行う(ステップS110)。
【0066】
カーテン位置検出部34は、パルス信号入力回路24からのパルス信号のカウント値に基づいてカーテン位置検出ランナー5sの位置、すなわちカーテン材3の閉側(矢印a方向)の位置が
図3に示した全開/全閉位置に到達したか否かを判定する(ステップS111)。
【0067】
カーテン位置検出ランナー5sの位置が全開/全閉位置に到達していない場合(ステップS111:NO)、カーテン位置検出部34は、ステップS111の処理を繰り返す。
【0068】
モータ駆動用デューティー比設定部323は、カーテン位置検出部34から全開位置に到達した旨の通知を受けると(ステップS111:YES)、電動モータ11を停止するためにモータ駆動用PWM信号のデューティー比0%に設定する。モータ駆動用PWM信号出力部322は、デューティー比0%のモータ駆動用PWM信号をモータ駆動回路22へ出力することにより電動モータ11の駆動を停止する(ステップS112)。
【0069】
以上説明した制御装置15に実行させる制御プログラムにより実現される電動カーテン1の制御方法では、リモートコントローラ27を介して入力される操作者からの目標速度の変更(増速または減速)の要求に応じて、電動モータ11の目標速度を所望の速度に設定することができる。
【0070】
従って、以上説明した制御装置15に実行させる制御プログラムにより実現される電動カーテン1の制御方法によれば、ランナー5の移動速度を所望の速度に設定可能にすることができる。
【0071】
また、以上説明した制御装置15に実行させる制御プログラムにより実現される電動カーテン1の制御方法では、ランナー5の位置が任意の位置に到達したことを条件として、電動モータ11の速度を減速することができる。
【0072】
<他の実施の形態>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【0073】
例えば、ステップS107において、ステップS101で受け付けた操作と同じ開操作がある場合に、モータ駆動用デューティー比設定部323は、電動モータ11の目標速度をAから増速(UP)する設定を行っていた。本発明において、これに限定されず、ステップS107において、例えば、ステップS101で受け付けた操作と逆の閉操作がある場合に、モータ駆動用デューティー比設定部323は、電動モータ11の目標速度をAから増速(UP)する設定を行ってもよい。
【0074】
また、例えば、ステップS107において、ステップS101で受け付けた操作と同じ閉操作がある場合に、モータ駆動用デューティー比設定部323は、電動モータ11の目標速度をAから減速(DOWN)する設定を行っていた。本発明において、これに限定されず、ステップS107において、例えば、ステップS101で受け付けた操作と逆の開操作がある場合に、モータ駆動用デューティー比設定部323は、電動モータ11の目標速度をAから減速(DOWN)する設定を行ってもよい。