特開2020-156766(P2020-156766A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-156766吊り下げ具用取り付け具及び吊り下げ具取り付け装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-156766(P2020-156766A)
(43)【公開日】2020年10月1日
(54)【発明の名称】吊り下げ具用取り付け具及び吊り下げ具取り付け装置
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20200904BHJP
   A45C 13/10 20060101ALN20200904BHJP
【FI】
   A45F3/04 400E
   A45C13/10 P
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-59651(P2019-59651)
(22)【出願日】2019年3月27日
(11)【特許番号】特許第6603904号(P6603904)
(45)【特許公報発行日】2019年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】505282879
【氏名又は名称】池田 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】池田靖彦
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B045LA10
3B045LB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ランドセルを背負った児童が転倒などの危険な力が発生した場合、どのような方向からの力でも一定の力で安全に離脱する吊り下げ具を提供する。
【解決手段】取り付け部と連結部を備え、上記取り付け部はランドセル等に回動可能に取り付けられると共に、連結部を回動可能に支持する軸41を備え、連結部は取り付け部の軸に勘合する断面C字形状の弾性部33と吊り下げ具50を取り付けるための断面J字形状の弾性部34を備え、C字形状の弾性部は軸に回動可能に勘合すると共に、断面C字形状の弾性部の開口部は断面J字形状の弾性部と逆方向に向けられているとともに連結部の回動軸と取り付け部の回動軸は互いに交差するようにし、断面C字形状の弾性部は上記の軸に軸方向に沿って挿入可能にした。任意に設定した力にて離脱することが可能になり安全性が向上する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け部と連結部を備え、上記取り付け部はランドセル等に回動可能に取り付けられると共に、上記連結部を回動可能に支持する軸を備え、上記連結部は上記取り付け部の軸に勘合する断面C字形状の弾性部と給食袋等を吊り下げる吊り下げ具を取り付けるための断面J字形状の弾性部を備え、上記断面C字形状の弾性部は上記軸に回動可能に勘合すると共に、断面C字形状の弾性部の開口部は上記断面J字形状の弾性部と逆方向に向けられているとともに上記連結部の回動軸と上記取り付け部の回動軸は互いに交差することを特徴とする吊り下げ具用取り付け具。
【請求項2】
上記C字形状の弾性部は上記の軸に軸方向に沿って挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の吊り下げ具用取り付け具。
【請求項3】
ランドセル等に回動可能に取り付けられると共に、支持軸を有する取り付け部を設け給食袋等を吊り下げる吊り下げ具の一端部に、上記支持軸に勘合可能な断面C字形状弾性部を設け、上記断面C字形状弾性部は上記支持軸に回動可能に勘合すると共に、上記支持軸は上記支持部の回動面に対して平行で有ることを特徴とする吊り下げ具取り付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ランドセル等に給食袋等を吊り下げるための吊り下げ具を取り付けるための取り付け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のランドセルに装着してある吊り下げ具用取り付け具は、立木や自転車等に吊り下げ具に吊り下げた給食袋等が物に引っかかった場合に転倒などの事故を防止し安全のためにある程度の力で引っ張られると吊り下げ具がランドセル等から離脱し学童の安全を守る構造になっているものの、従来の吊り下げ具は引っ張られる方向によって離脱するために必要な力が大きく変化する構造であり、場合によっては児童が転倒してしまう力で引っ張られても吊り下げ具が離脱しない場合が発生していた。児童の安全を考えるならば吊り下げ具はどの方向からも一定の設定した引っ張り力で離脱することが望ましい。また一度離脱した吊り下げ具を元通りに復帰させる作業も従来技術では困難な構造であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3166249号
【特許文献2】実用新案登録第3172052号
【特許文献3】実用新案登録第3113296号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2は共に吊り下げ具上部に弾性素材を使った断面がC字形状弾性片を設置し、このC字形状弾性片をランドセル側に固定した円柱状の突起に取り付ける構造となっている。上記断面C字形状の弾性素材の開口部寸法は上記円柱状の突起物の直径より少し狭く設定されているために有る程度の力で下方向に引っ張ると吊り下げ具はランドセルから離脱する構造である。しかしながらこの構造であると吊り下げ具が上記円柱状の突起に対して回転できる方向からの引っ張り力で有れば離脱の強度は一定であるがその他の方向からの引っ張りに対しては他の複合的な力が合成され離脱のために必要な力の大きさが変わってしまうことになり、その力の大きさが児童の安全を守る数値で有るかどうかは定かでは無い。
特許文献3は吊り下げ具に円柱状の軸を設置しベルト側に弾性素材を使った断面J字形状のフックを設置しこのフックに円柱状の軸を取り付ける構造となっている。上記断面J字形状のフックの開口部寸法は上記円柱状の軸の直径より少し狭く設定されているためにある程度の力で下方向引っ張ると吊り下げ具は離脱する構造である。しかしながらこの構造であると吊り下げ具が上記断面J字形状のフックに対して横方向や上方向に引っ張った場合に離脱のための必要な力は益々大きくなり児童の安全を守る強度で有るかどうかは定かでは無い。
本発明はこの様に後ろ向きだけでなく、前、上、横等どの方向から引っ張り力を受けても、予め設定した一定の引っ張る力で吊り下げ具が離脱するとともに、もし離脱した場合でも簡単に復帰出来る構造とした吊り下げ具用取り付け具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、取り付け部と連結部を備え、上記取り付け部はランドセル等に回動可能に取り付けられると共に、上記連結部を回動可能に支持する軸を備え、上記連結部は上記取り付け部の軸に勘合する断面C字形状の弾性部と給食袋等を吊り下げる吊り下げ具を取り付けるための断面J字形状の弾性部を備え、上記C字形状の弾性部は上記軸に回動可能に勘合すると共に、断面C字形状の弾性部の開口部は上記断面J字形状の弾性部と逆方向に向けられているとともに上記連結部の回動軸と上記取り付け部の回動軸は互いに交差するようにし、断面C字形状の弾性部は上記の軸に軸方向に沿って挿入可能にした。
【発明の効果】
【0006】
本発明により児童が背負ったランドセル等に取り付けた吊り下げ具に吊り下げた物がどのような方向から引っ張る力が加わっても一定の力で吊り下げ具がランドセル等から離脱することで、安全性が向上した。従来の構造では引っ張りの方向によって離脱強度が大きくなり他の箇所が破損する事故も発生したが、本発明によれば設定強度で離脱するため他の箇所が破損するリスクも抑えられる。
【0007】
また離脱後の復帰も児童自ら簡単に小さな力で取り付けの復帰が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】吊り下げ具用取り付け具のランドセルに装着使用状態の側面図
図2図1の要部拡大図
図3図2の分解斜視図
図4図2のA−A断面図
図5】復帰作動説明図
図6】吊り下げ具の連結例斜視図
図7】一体型吊り下げ具斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1,2,3において、ランドセル1の側面に本発明品を装着するには回転台40の軸41を回転駒20の開口25に通して取り付けた後にリベット60を軸41の開口と前締めベルト2とランドセル1の側面を貫通してワッシャー61にてカシメて留める。この時リベット60のフランジは軸41には密着しているが回転駒20とは隙間26を設けている。そのためにリベット60とワッシャー61でランドセル1の側面に確実にカシメて留めても回転駒20はランドセルと平行に回動可能な構造である。また回転駒20には後述する連結具30を回転面が上記ランドセル1の側面に垂直になるように回動させるため回転駒20に設けた2本のアーム21、アーム24を繋ぐように、軸22が一体に形成されている。アーム21の径はアーム24の径より大きく形成されている。
連結具30は断面C字形状弾性部33と断面J字形状弾性部34で成り立っており、断面C字形状弾性部33は軸22に勘合し回動可能に構成されている。断面C字形状弾性部33の反対側には断面J字形状弾性部34を設けてあり、断面J字形状弾性部34には吊り下げ具50の吊り下げ具支持部51を断面J字形状弾性部34にその開口部を通して取り付けた後に容易に外れないように爪31を設置してある。尚断面C字形状弾性部33の開口部は上記断面J字形状の弾性部34と逆方向に向けられている。
アーム21の径は断面C字形状弾性部33の内径より大きく、アーム24の径は断面C字形状弾性部33の内径と同等か小さく設定されている。連結具30を軸22に装着するには、アーム24側から軸22の軸方向に沿って挿入する。アーム21の径は大きく設定されているので断面C字形状弾性部33を挿入した時に挿入最終段階において断面C字形状弾性部33と当接し、アーム21はストッパーの役割をする。更に断面C字形状弾性部33には爪32が設けられているので断面C字形状弾性部33実質内径はアーム24の径より小さくなり、挿入方向と逆方向の動きを規制する。
【0010】
図5は連結部30を上述の回転軸22に取り付ける過程を詳細に記したものである。アーム24の側面から連結具30の断面C字形状弾性部33を軸22に沿って矢印表示35の方向からスライドさせ図5aに示すように挿入する。さらに断面C字形状弾性部33スライドさせると爪32が断面C字形状弾性部33の内側に出っ張っているためにアーム24に接触するがそのまま断面C字形状弾性部33をスライドさせることで断面C字形状弾性部33の端部がわずかに図5bのように広がる。更にスライドさせるとアーム24を乗り越えた爪32は円錐部23の隙間に収まり断面C字形状弾性部33は元の形状図5cのように復帰する。この状態では断面C字形状弾性部33は軸22に挿入したスライド方向と反対側にスライドさせ外そうとしても爪32がアーム24の内側の壁によって外れない構造になっている。
【0011】
本発明は、上記の構造によりランドセル等に取りつけた吊り下げ具50に吊り下げた物がランドセルを児童が背負った状態で不意に自転車や枝等に接触引っ掛かり、吊り下げたものがランドセルから引き離される状態において吊り下げ具50に取り付けられた連結具30の断面C字形形状弾性部33の開口部は常に引っ張られる方向と反対を向くように軸22を中心に回転する。また同時に軸22に伝わった引っ張り力は軸41を中心にランドセルに対して平行に回動しこの2つの異なる回動によって、斜めのねじれたような引っ張り方向にも即座に回動追従することでどのような方向からの引っ張り力に対しても常に断面C字形状弾性部33は軸22に対して垂直の離脱方向の力が掛かることが可能となる。そのために断面C字形状弾性部33の肉厚やC字の開口寸法等を調正することで、任意に設定した力にて離脱することが可能になり安全性が向上する。
【0012】
本発明は、離脱後の復帰においても前記のように軸22に沿って側面の矢印表示35からスライド挿入し、わずかな力で再装着可能なので外れた場合に力の弱い児童でも簡単に取り付けることが可能となった。また本発明では連結具30と吊り下げ具50を別体として説明したが連結具30に吊り下げ具が予め固定されていても良い。
【0013】
図6及び図7は別の実施形態を示すものであり、吊り下げ具を直接取り付け具に取り付けられるようにしたものである。図6及び図7に示す断面C字形状弾性部73及び83は図3に示す回転駒20に備えた軸22に装着して使用する。断面C字形状弾性部73及び83を軸22に装着するには、図3のアーム24側から軸22の軸方向に沿って挿入する。アーム21の径は大きく設定されているので断面C字形状弾性部73及び83を挿入した時に挿入最終段階において断面C字形状弾性部73及び83と当接し、アーム21はストッパーの役割をする。90は吊り下げ具であり、吊り下げ具90には給食袋等を吊り下げるフック91が設けられ、給食袋などがフックから簡単に外れないように抜け止め金具92が設置されている。吊り下げ具90の一端には、断面C字形状弾性部83をネジ81によって取り付けられている。また他の取り付け方法として接着剤などを使用しても、インサート成型法を用いるなどしても良い。
図7の例は吊り下げ具70と断面C字形状弾性部73を、弾性を備えた樹脂で一体成型した吊り下げ具であり吊り下げ具70には同様に吊り下げるフック71と抜け止め金具72が設置されている。一般的に市販の吊り下げ具は金属の鋳造製が多く、このような吊り下げ具を安全に脱着させるためには弾性部を有した離脱部分が必要であり、別体で成形し吊り下げ具に取り付けなくてはならないが、専用品にて対応する場合は図7に示すように吊り下げ部上部に断面C字形状弾性部73を一体で形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0014】
身体に装着するカバン類の吊り下げ具用取り付け具及び吊り下げ具取り付け装置。
【符号の説明】
【0015】
1・ランドセル、2・前締めベルト、20・回転駒、21・アーム、22・軸、23・円錐部、24・アーム、25・開口、26・隙間、30連結具、31・爪、32・爪、33・断面C字形状弾性部、34・断面J字形状弾性部、35・矢印表示、40・回転台、41・軸、42・回転防止片、43・回転防止針、50・吊り下げ具、51・吊り下げ具支持部、60・リベット、61・ワッシャー、70・吊り下げ具、71・フック、72・抜け止め金具、73・断面C字形状弾性部、81・ネジ、83・断面C字形状弾性部、90・吊り下げ具、91・フック、92・抜け止め金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2019年8月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
取り付け部と連結部を備え、上記取り付け部はランドセル等に回動可能に取り付けられると共に、上記連結部を回動可能に支持する軸を備え、上記連結部は上記取り付け部の軸に勘合する断面C字形状の弾性部と給食袋等を吊り下げる吊り下げ具を取り付けるための断面J字形状の弾性部を備え、上記断面C字形状の弾性部は上記軸に回動可能に勘合すると共に、断面C字形状の弾性部の開口部は上記断面J字形状の弾性部と逆方向に向けられているとともに上記連結部の回動軸と上記取り付け部の回動軸は互いに直交することを特徴とする吊り下げ具用取り付け具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
支持軸を有する取り付け部をランドセル等に回動可能に取り付けると共に、給食袋等を吊り下げる吊り下げ具の一端部に、上記支持軸に勘合可能な断面C字形状弾性部を設け、上記断面C字形状弾性部は上記支持軸に回動可能に勘合すると共に、上記断面C字形状弾性部の開口部は、上記吊り下げ具の他端部と逆方向に向けられており、上記支持軸は上記支持部の回動面に対して平行で有ることを特徴とする吊り下げ具取り付け装置。