特開2020-157207(P2020-157207A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-157207加撃装置用動作確認装置及びこれを備えた加撃装置並びに加撃装置の動作確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-157207(P2020-157207A)
(43)【公開日】2020年10月1日
(54)【発明の名称】加撃装置用動作確認装置及びこれを備えた加撃装置並びに加撃装置の動作確認方法
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/18 20060101AFI20200904BHJP
   B65D 88/66 20060101ALI20200904BHJP
【FI】
   B06B1/18 A
   B65D88/66 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-57668(P2019-57668)
(22)【出願日】2019年3月26日
(11)【特許番号】特許第6685055号(P6685055)
(45)【特許公報発行日】2020年4月22日
(71)【出願人】
【識別番号】391040397
【氏名又は名称】エクセン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】特許業務法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤村 隆志
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀哉
【テーマコード(参考)】
3E070
5D107
【Fターム(参考)】
3E070AA19
3E070AA21
3E070AB11
3E070BK10
3E070CA20
3E070CB20
3E070CC06
3E070CC07
3E070VA15
3E070VA17
3E070WG09
5D107AA15
5D107BB05
5D107EE01
5D107EE06
(57)【要約】
【課題】 この発明は、加撃装置が実際に動作しているか否かを確実に確認することができる加撃装置用動作確認装置及びこれを備えた加撃装置並びに加撃装置の動作確認方法を得ることを課題とする。
【解決手段】 この発明は、シリンダ21に内装されたピストンハンマー22の駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置2用の動作確認装置であって、前記シリンダ21の内部からの排気を検知して排気検知信号Sを出力する排気検知手段11と、前記排気検知信号Sに基づいて表示制御信号Sを出力する表示制御手段122と、前記表示制御信号Sに従って前記シリンダ21の内部からの排気状況を表示する表示手段13とを備えた加撃装置用動作確認装置1として構成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置用の動作確認装置であって、
前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する排気検知手段と、
前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する表示制御手段と、
前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する表示手段とを備えた、
加撃装置用動作確認装置。
【請求項2】
表示制御手段は、排気検知手段から排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に表示制御信号を出力するものとした、
請求項1記載の加撃装置用動作確認装置。
【請求項3】
表示制御手段は、排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間表示制御信号を出力するものとした、
請求項1又は2記載の加撃装置用動作確認装置。
【請求項4】
表示制御手段が出力する表示制御信号を記憶する記憶手段を備えた、
請求項1ないし3の何れか記載の加撃装置用動作確認装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか記載の加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置。
【請求項6】
シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置の動作確認方法であって、
前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する工程と、
前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する工程と、
前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する工程とを備え、
前記表示手段に表示される前記シリンダ内部からの排気状況により前記加撃装置の動作状況を確認するようにした、
加撃装置の動作確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エアノッカーやソレノイド式ノッカーのようにシリンダに内装されたピストンハンマーがシリンダ内を駆動することにより衝撃振動を発生させる加撃装置が正常に動作しているか否かを確認するための加撃装置用動作確認装置及びこれを備えた加撃装置並びに加撃装置の動作確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアノッカーやソレノイド式ノッカーのような加撃装置は、シリンダ内に配設されたピストンハンマーを圧縮空気(エアノッカーの場合)や電磁力(ソレノイド式ノッカーの場合)を利用して駆動させ、これをベース部材や対象物等に衝突させることにより振動を発生させる装置であり、ホッパーやタンク、サイロなどの各種貯蔵容器内において発生する粉粒体の付着や閉塞を除去するために、貯蔵容器の壁面に取り付けて使用される。
【0003】
このような加撃装置にあっては、各種貯蔵容器の壁面に取り付けられた加撃装置が正常に動作しているか否かを確認する場合、ピストンハンマーがベース部材や貯蔵容器壁面を打撃する時の衝突音を聞いたり、ピストンハンマーを駆動させるための制御信号(エアノッカーの場合は電磁弁の制御信号、ソレノイド式ノッカーの場合はコイルの制御信号)を利用して動作確認ランプを点灯させたりして行うのが一般的である。
【0004】
しかしながら、ピストンハンマーの衝突音で動作確認を行う場合には、一つの貯蔵容器に複数の加撃装置が取り付けられていると、どの加撃装置が発した衝突音であるかが分かりにくく、正常動作している加撃装置と正常動作していない加撃装置とを的確に判別することが難しい。また、ピストンハンマーを駆動させる制御信号を利用して動作確認を行う場合には、ピストンハンマーの動き自体を検知して動作を確認しているわけではないので、加撃装置側で生じた何らかの不具合により実際にはピストンハンマーが作動していない場合であっても、ピストンハンマーを駆動させる制御信号が制御装置から出力されていると、加撃装置の動作確認ランプが点灯してしまう。
このように、従来の加撃装置にあっては、加撃装置が正常に動作しているか否か、実際の動作状況を確認することができないという問題があった。
【0005】
従来より提案されている加撃装置として、例えば、特開平6−134396号公報に開示された加撃装置や、特開2012−111542号公報に開示された加撃装置があるが、何れにおいても加撃装置の実際の動作状況を確認する点に関しては何ら言及されておらず、特段の配慮はされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−134396号公報
【0007】
【特許文献2】特開2012−111542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、加撃装置の実際の動作状況を確認することができる加撃装置用動作確認装置及びこれを備えた加撃装置並びに加撃装置の動作確認方法を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置用の動作確認装置であって、前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する排気検知手段と、前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する表示制御手段と、前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する表示手段とを備えた加撃装置用動作確認装置として構成する。
【0010】
前記排気検知手段は、加撃装置のシリンダの内部から外部に排出される空気を検知して排気検知信号を出力できるものであればよく、例えば、空気圧力センサーを用いることが考えられる。
【0011】
前記表示制御手段は、前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力することにより前記表示手段を制御できるものであればよく、前記排気検知手段から入力される排気検知信号に応じて表示制御信号を出力するようにプログラムされたマイクロコンピュータを用いることが考えられる。前記排気検知信号に応じて出力される表示制御信号は、前記排気検知手段から出力される排気検知信号と同期するものとしたり、前記排気検知手段から排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に出力するものとしたり(請求項2)、前記排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間出力するものとしたり(請求項3)することが考えられる。前記排気検知手段から排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に表示制御信号を出力するものとした場合における継続出力される排気検知信号の所定時間は0.4秒ないし1秒程度の時間が考えられ、また、前記排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間前記表示制御信号を出力するものとした場合における排気検知信号出力停止後の所定時間は1秒ないし10秒程度の時間が考えられる。
【0012】
前記表示手段は、前記表示制御手段から出力される表示制御信号に従ってシリンダの内部からの排気状況を表示することができるものであればよく、例えば、表示制御手段から表示制御信号が出力されるとスイッチがオンされて点灯し、表示制御手段からの表示制御信号出力が停止されるとスイッチがオフされて消灯するようにした動作確認ランプや、表示制御手段から表示制御信号が出力されるとシリンダ内部からの排気状況を文字や図形、記号等で表示し、表示制御手段からの表示制御信号出力が停止されるとこれらの表示を消去することができるようにしたモニターなどを用いることが考えられる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし3記載の加撃装置用動作確認装置において、表示制御手段が出力する表示制御信号を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。前記記憶手段は、前記表示制御信号を記憶できるものであればよく、例えば、表示制御信号の出力開始時間や停止時間、出力された回数等を記憶するようプログラムされたマイクロコンピュータなどを用いることが考えられる。また、この記憶手段は、表示制御手段と同じマイクロコンピュータの記憶領域を用いて構成することもできる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし4に記載の加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置として構成する。前記加撃装置は、シリンダに内装されたピストンハンマーがシリンダ内を駆動することによって衝撃振動を発生させる加撃装置であって、ピストンハンマーの駆動時にシリンダ内部の空気が外部に排出されるものであればよく、エアノッカーやソレノイド式ノッカーを用いることが考えられる。
【0015】
請求項6の発明は、シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置の動作確認方法であって、前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する工程と、前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する工程と、前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する工程とを備え、前記表示手段に表示される前記シリンダ内部からの排気状況により前記加撃装置の動作状況を確認するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置のシリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する排気検知手段と、前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する表示制御手段と、前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する表示手段とを備えているので、前記表示手段に表示されるシリンダ内部からの排気状況を視認することによって加撃装置の実際の動作状況を確認することができる。
【0017】
すなわち、シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置にあっては、ピストンハンマーが駆動する際にシリンダ内の空気がピストンハンマーに押し出される形で排気口を通して外部に排出されるところ、このときの排気を検知することによってピストンハンマーの駆動を間接的に把握することができる。そして、ピストンハンマーの駆動によるシリンダ内部の空気の排出は、シリンダの内部空間の容量やピストンハンマーの1回の駆動に用いられる圧縮空気の量に依存し、一時的な排出に止まるものであるから、排気検知手段から出力される排気検知信号もこれに応じた一時的な信号となり、表示手段による表示も一時的な表示に止まるものとなる。この表示の場合、加撃装置の動作状況を「正常」と判断することができる。
【0018】
他方、バルブの故障などによってピストンハンマーの駆動時以外に空気がシリンダ内に漏れ出している場合にもシリンダの排気口を通してシリンダ外部に空気が排出されるところ、このときの排気を検知することによってバルブからの空気漏れを検出することができる。そして、バルブの故障などによる空気漏れに起因するシリンダ内部からの空気の排出は連続的なものとなるから、排気検知手段から出力される排気検知信号もこれに応じた連続的な信号となり、表示手段による表示も連続的な表示となる。この表示の場合、加撃装置の動作状況を「異常」と判断することができる。
【0019】
また、ピストンハンマーが駆動しない場合には、シリンダ内の空気が排気口を通して外部に排出されることがないので、排気検知手段から排気検知信号が出力されることはなく、表示手段による表示もされない。この表示(非表示)の場合、加撃装置の動作状況を「非動作」と判断することができる(作動スイッチを入れて作動させたにもかかわらず表示手段による表示がされない場合には、「異常」と判断することができる。)。
【0020】
請求項2の発明によれば、表示制御手段は、排気検知手段から排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に表示制御信号を出力するものとしたので、排気検知手段から継続して出力される排気検知信号が所定時間未満である場合には、表示制御手段から表示制御信号が出力されず、表示手段による表示がなされないこととなる。したがって、例えば、排気検知手段がピストンハンマーの駆動によるものとは異なる何らかの瞬間的な排気を検知して排気検知信号を出力したとしても、表示手段による表示がされないので、ピストンハンマーの駆動による排気ではない瞬間的な排気がピストンハンマーの駆動によるものと誤認されてしまうことを防止することができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、表示制御手段は、排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間表示制御信号を出力するものとしたので、シリンダ内部からの排気が止まり、排気検知手段からの排気検知信号の出力が停止した後でも、所定時間が経過するまでの間、表示手段による表示が継続される。ピストンハンマーの駆動によるシリンダ内部からの排気は0.5〜1秒程度の一時的なものであるため、シリンダからの排気の完了と同時に表示手段による表示を停止すると、作業者が見逃してしまうおそれがあるところ、シリンダからの排気が完了した後所定時間が経過するまでの間、表示手段による表示を継続することで、このような作業員による見逃しを可及的に防止することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、表示制御手段が出力する表示制御信号を記憶する記憶手段を備えているので、加撃装置を動作させる際に作業員が現場に立ち会うことができなかったり、表示手段による表示を見落としてしまったりした場合であっても、記憶手段に記憶されたデータを確認することにより、加撃装置の動作状況を後追いで確認することができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4の何れか記載の加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置としたので、加撃装置用動作確認装置の表示手段に表示される表示を確認することによって実際の動作状況を把握できる加撃装置を得ることができる。
【0024】
請求項6の発明によれば、シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する工程と、前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する工程と、前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する工程とを備え、前記表示手段に表示される前記シリンダ内部からの排気状況により前記加撃装置の動作状況を確認するようにしたので、加撃装置の実際の動作状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の加撃装置用動作確認装置の概要を示す図
図2】この発明の加撃装置用動作確認装置を加撃装置に取り付けた状態の概要を示す図
図3】加撃装置の正常動作時における加撃装置用動作確認装置の様子を示す図
図4】加撃装置からの排気と加撃装置用動作確認装置による表示の関係を示す図
図5】加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置の貯蔵容器への設置例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、この発明の加撃装置用動作確認装置の概要を示す図である。
加撃装置用動作確認装置1は、排気検知手段11と制御装置12と表示手段13とを備え、排気検知手段11の出力側に制御装置12が接続され、この制御装置12の出力側に表示手段13が接続されている。
【0027】
排気検知手段11は空気圧力センサーで構成されており、加撃装置2のシリンダに形成された排気口からの排気を検知して排気検知信号Sを出力する。
【0028】
制御装置12は、加撃装置用動作確認装置1の電源となる電池121と、排気検知手段11から出力される排気検知信号Sに基づいて表示手段13を制御するための表示制御信号Sを出力する表示制御手段122と、表示制御信号Sを記憶する記憶手段123とを備えており、表示制御手段122と記憶手段123は、一つのマイクロコンピュータ12Cの内部に表示制御部と記憶部として設けられている。表示制御手段122は、排気検知手段11から入力される排気検知信号Sが所定時間t以上継続した場合に表示制御信号Sの出力を開始し、その後、排気検知手段11からの排気検知信号Sの入力が停止された後所定時間tが経過するまでの間継続して表示制御信号Sを出力し、所定時間tが経過したタイミングで表示制御信号Sの出力を停止するようプログラムされている。この実施例において、表示制御信号Sを出力するために排気検知信号Sが継続して表示制御手段122に入力されていなければならない所定時間tは0.4秒に、排気検知信号Sの入力停止後に表示制御信号Sの出力が継続される所定時間tは5秒に、それぞれ設定されている。また、記憶手段123は、表示制御手段122から出力される表示制御信号Sの出力開始時間、出力停止時間、出力回数等の情報を記憶するようプログラムされている。
【0029】
表示手段13は表示制御手段122から出力される表示制御信号Sに従って点灯、消灯する表示ランプである。
【0030】
図2は、加撃装置用動作確認装置を加撃装置に取り付けた状態の概要を示す図である。
加撃装置2のシリンダ21の排気口21aに接続管31を介してチーズ継手32を取り付け、このチーズ継手32の1口にホース33の一端を接続し他端を排気検知手段11の入力側に接続することにより、加撃装置用動作確認装置1が加撃装置2に接続されている。この実施例にあっては、排気検知手段11に接続されたホース33を直接シリンダ21の排気口21aに接続せずチーズ継手32を介して排気口21aに接続しているが、これは、排気検知手段11に高圧の排気が入力されることによって排気検知手段11が破損してしまうことを防止するためであり、排気口21aから排出される排気の一部をチーズ継手32の開放口に逃がして減圧することで、排気検知手段11の破損を防止している。排気検知手段11として排気口21aからの排気圧力に耐え得る性能のものを用いる場合には、ホース33を排気口21aに直接接続することにより加撃装置用動作確認装置1を加撃装置2に取り付けてもよい。
図中符号4は、加撃装置2に空気を供給するためのホースである。
【0031】
加撃装置2は、圧縮空気の圧力でシリンダ21の内部に内装されたピストンハンマー22を駆動させる方式のエアノッカーであり、ホース4を通じて供給され蓄圧室23で圧縮された空気をバルブ24の操作によりシリンダ21内部に送り込み、その圧力でピストンハンマー22を勢いよく押し下げて先端をベース部25を衝突させることで衝撃振動が発生する仕組みになっている。そして、ピストンハンマー22が押し下げられる際には、シリンダ21内の空気が排気口21aから排気されるところ、排気口21aから排出される排気は、接続管31、チーズ継手32、ホース33を介して排気検知手段11に入力されるようになっている。排気口21aから排出される排気としては、ピストンハンマー22の駆動に伴う一時的な排気の他にも、バルブ24の故障等によるシリンダ21内への空気漏れに起因する連続的な排気や、ピストンハンマー22の駆動によるものではない瞬間的な排気が想定される。
【0032】
次いで、この発明の加撃装置用動作確認装置による加撃装置の動作状況の確認方法について説明する。
図3は加撃装置の正常動作時における加撃装置用動作確認装置の様子を示す図であり、図4は加撃装置からの排気と加撃装置用動作確認装置による表示の関係を示す図である。
加撃装置2のシリンダ21の排気口21aからシリンダ21内部の空気が排出されると、排気検知手段11がこれを検知して排気検知信号Sを出力する。この排気検知信号Sは制御装置12の表示制御手段122に入力され、表示制御手段122において、入力された排気検知信号Sと予め設定されている所定時間t(本実施例では0.4秒)とを比較し、排気検知信号Sが所定時間t以上継続した場合に表示制御信号Sの出力が開始され、この表示制御信号Sに従って表示手段123が点灯する。
そして、排気口21aからの空気の排出が止まると、排気検知手段11が排気を検知しなくなるので排気検知信号Sの出力が停止され、表示制御手段122への排気検知信号Sの入力が停止される。表示制御手段122は、排気検知信号Sの入力が停止されると、予め設定された所定時間t(本実施例では5秒)のカウントを開始するとともに、所定時間tが経過するまでの間表示制御信号Sの出力を継続し、所定時間tが経過した時点で表示制御信号Sの出力を停止する。表示手段123は、表示制御信号Sに従って、排気検知信号Sの出力停止後(排気口21aからの排気停止後)の所定時間tが経過した後に消灯する。
【0033】
加撃装置用動作確認装置1は上記のように動作するところ、表示手段13による表示は、加撃装置2の排気口21aから排出される排気パターンに応じて、図5に示すような点灯パターンとなる。すなわち、加撃装置2の排気口21aから排出される排気には、(1)ピストンハンマー22の駆動による一時的な排気、(2)バルブ故障等による空気漏れによる連続的な排気、(3)ピストンハンマー22の駆動によるものではない瞬間的な排気、の3パターンがあり得るところ、排気口21aからの排気が、(1)ピストンハンマー22の駆動による一時的な排気である場合には、排気検知信号Sも一時的に出力されるものとなるため、排気検知信号Sに応じて表示制御手段122から出力される表示制御信号Sも一時的な出力となり、表示手段13の点灯も一時的なものとなる。他方、排気口21aからの排気が、(2)バルブ故障等による空気漏れによる連続的な排気である場合には、排気検知信号Sも連続的に出力されるものとなるため、排気検知信号Sに応じて表示制御手段122から出力される表示制御信号Sも連続的な出力となり、表示手段13の点灯も連続的なものとなる。また、排気口21aからの排気が、(3)ピストンハンマー22の駆動によるものではない瞬間的な排気である場合には、排気検知信号Sの継続出力時間が所定時間t未満となり、表示制御手段122から表示制御信号Sが出力されないので、表示手段13は点灯しない。
このように、表示手段13による表示が一時的な点灯である場合にはピストンハンマー22が正常に駆動していることを、連続的な点灯である場合にはピストンハンマー22が正常駆動しておらずバルブ故障等による空気漏れの可能性があることを、また、不点灯の場合にはピストンハンマー22が駆動していないことを、それぞれ確認することができる。
【0034】
また、表示制御手段122から出力される表示制御信号Sの出力開始時間、出力停止時間、出力回数などの情報は、記憶手段123に記憶される。記憶手段123に記憶された情報は、図示しない読み取り装置を用いて読み取って表示させたり、パソコンに接続して表示させたりすることで、加撃装置2の動作状況を確認することがができる。
【0035】
図5は、加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置の貯蔵容器への設置例を示す図である。
粉粒体が貯蔵されるホッパーなどの貯蔵容器Tの壁面に加撃装置2を取り付けるとともに、ホース33を備えた接続手段3によって接続された加撃装置用動作確認装置1を加撃装置2の近傍に取り付けてあるので、加撃装置2の動作状況を目視で確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明は、エアノッカーやソレノイド式ノッカーのように、シリンダ内に配設されたピストンハンマーがシリンダ内を駆動することによって衝撃振動を発生させる加撃装置が正常に動作しているか否かを確認するための加撃装置用動作確認装置及びこれを備えた加撃装置並びに加撃装置の動作確認方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0037】
1 加撃装置用動作確認装置
11 排気検知手段
12 制御装置
121 電池
122 表示制御手段
123 記憶手段
13 表示手段
2 加撃装置
21 シリンダ
21a 排気口
22 ピストンハンマー
23 蓄圧室
24 バルブ
25 ベース
3 接続手段
31 配管
32 チーズ継手
33 ホース
4 ホース
排気検知信号
表示制御信号
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2020年3月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置用の動作確認装置であって、
前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する排気検知手段と、
前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する表示制御手段と、
前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する表示手段とを備え
前記表示制御手段は、前記排気検知手段から前記排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に前記表示制御信号を出力するものとした、
加撃装置用動作確認装置。
【請求項2】
表示制御手段は、排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間表示制御信号を表示するものとした、
請求項1記載の加撃装置用動作確認装置。
【請求項3】
表示制御手段が出力する表示制御信号を記憶する記憶手段を備えた、
請求項1又は2記載の加撃装置用動作確認装置。
【請求項4】
請求項1ないしの何れか記載の加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置。
【請求項5】
シリンダ内に内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置の動作確認方法であって、
前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する工程と、
前記排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に表示制御信号を出力する工程と、
前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する工程とを備え、
前記表示手段に表示される前記シリンダ内部からの排気状況により前記加撃装置の動作状況を確認するようにした、
加撃装置の動作確認方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
この発明は、シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置用の動作確認装置であって、前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する排気検知手段と、前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力する表示制御手段と、前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する表示手段とを備え、前記表示制御手段は、前記排気検知手段から前記排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に前記表示制御信号を出力するものとした加撃装置用動作確認装置として構成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記表示制御手段は、前記排気検知信号に基づいて表示制御信号を出力することにより前記表示手段を制御できるものであればよく、前記排気検知手段から入力される排気検知信号に応じて表示制御信号を出力するようにプログラムされたマイクロコンピュータを用いることが考えられる。前記排気検知信号に応じて出力される表示制御信号は、前記排気検知手段から排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に出力するものとし(請求項1)、前記排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間出力するものしたり(請求項2)することが考えられる。前記表示制御信号が出力されるために必要な排気検知信号の継続出力時間は0.4秒ないし1秒程度の時間が考えられ、また、前記排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間前記表示制御信号を出力するものとした場合における排気検知信号出力停止後の所定時間は1秒ないし10秒程度の時間が考えられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
請求項の発明は、請求項1又は2記載の加撃装置用動作確認装置において、表示制御手段が出力する表示制御信号を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。前記記憶手段は、前記表示制御信号を記憶できるものであればよく、例えば、表示制御信号の出力開始時間や停止時間、出力された回数等を記憶するようプログラムされたマイクロコンピュータなどを用いることが考えられる。また、この記憶手段は、表示制御手段と同じマイクロコンピュータの記憶領域を用いて構成することもできる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
請求項の発明は、請求項1ないしに記載の加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置として構成する。前記加撃装置は、シリンダに内装されたピストンハンマーがシリンダ内を駆動することによって衝撃振動を発生させる加撃装置であって、ピストンハンマーの駆動時にシリンダ内部の空気が外部に排出されるものであればよく、エアノッカーやソレノイド式ノッカーを用いることが考えられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項の発明は、シリンダに内装されたピストンハンマーの駆動により衝撃振動を発生させる加撃装置の動作確認方法であって、前記シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する工程と、前記排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に表示制御信号を出力する工程と、前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する工程とを備え、前記表示手段に表示される前記シリンダ内部からの排気状況により前記加撃装置の動作状況を確認するようにしたことを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
そして、前記表示制御手段は、排気検知手段から排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に表示制御信号を出力するものとしたので、排気検知手段から継続して出力される排気検知信号が所定時間未満である場合には、表示制御手段から表示制御信号が出力されず、表示手段による表示がなされないこととなる。したがって、例えば、排気検知手段がピストンハンマーの駆動によるものとは異なる何らかの瞬間的な排気を検知して排気検知信号を出力したとしても、表示手段による表示がされないので、ピストンハンマーの駆動による排気ではない瞬間的な排気がピストンハンマーの駆動によるものと誤認されてしまうことを防止することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
請求項の発明によれば、表示制御手段は、排気検知手段からの排気検知信号の出力停止後所定時間が経過するまでの間表示制御信号を出力するものとしたので、シリンダ内部からの排気が止まり、排気検知手段からの排気検知信号の出力が停止した後でも、所定時間が経過するまでの間、表示手段による表示が継続される。ピストンハンマーの駆動によるシリンダ内部からの排気は0.5〜1秒程度の一時的なものであるため、シリンダからの排気の完了と同時に表示手段による表示を停止すると、作業者が見逃してしまうおそれがあるところ、シリンダからの排気が完了した後所定時間が経過するまでの間、表示手段による表示を継続することで、このような作業員による見逃しを可及的に防止することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
請求項の発明によれば、表示制御手段が出力する表示制御信号を記憶する記憶手段を備えているので、加撃装置を動作させる際に作業員が現場に立ち会うことができなかったり、表示手段による表示を見落としてしまったりした場合であっても、記憶手段に記憶されたデータを確認することにより、加撃装置の動作状況を後追いで確認することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
請求項の発明によれば、請求項1ないしの何れか記載の加撃装置用動作確認装置を備えた加撃装置としたので、加撃装置用動作確認装置の表示手段に表示される表示を確認することによって実際の動作状況を把握できる加撃装置を得ることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
請求項の発明によれば、シリンダの内部からの排気を検知して排気検知信号を出力する工程と、前記排気検知信号が所定時間以上継続して出力された場合に表示制御信号を出力する工程と、前記表示制御信号に従って前記シリンダの内部からの排気状況を表示する工程とを備え、前記表示手段に表示される前記シリンダ内部からの排気状況により前記加撃装置の動作状況を確認するようにしたので、ピストンハンマーの駆動による排気ではない瞬間的な排気がピストンハンマーの駆動によるものと誤認されてしまうことを防止しつつ、加撃装置の実際の動作状況を把握することができる。