【解決手段】軒先に固定される固定部2と、該固定部から前方へ突出する取付杆3と、該取付杆にスライド部4を介して前後方向にスライド移動可能に連結され、軒樋8の耳部81,81を保持する耳保持部61,61を有する樋支持具本体6とを備える軒樋支持具1において、前記取付杆は、リップ溝形に形成されて下面部3cが前後方向に開口したレール部31を有し、該レール部を通して前記取付杆に少なくとも2以上の前記スライド部が前後方向と直交する幅方向に並んで吊り下げられ、該スライド部は上下方向に延びた垂下片41を有し、一方の前記スライド部の前記垂下片に開設された挿通孔42と、他方の前記スライド部の前記垂下片に開設された前記挿通孔とが幅方向に並んだ状態で挿通される固定具7によって締結されることで、前記取付杆に固定されて、前記樋支持具本体が前記取付杆に連結される。
軒先に固定される固定部と、該固定部から前方へ突出する取付杆と、該取付杆にスライド部を介して前後方向にスライド移動可能に連結され、軒樋の耳部を保持する耳保持部を有する樋支持具本体とを備える軒樋支持具において、
前記取付杆は、リップ溝形に形成されて下面部が前後方向に開口したレール部を有し、該レール部を通して前記取付杆に少なくとも2以上の前記スライド部が前後方向と直交する幅方向に並んで吊り下げられ、該スライド部は上下方向に延びた垂下片を有し、一方の前記スライド部の前記垂下片に開設された挿通孔と、他方の前記スライド部の前記垂下片に開設された前記挿通孔とが幅方向に並んだ状態で挿通される固定具によって締結されることで、前記取付杆に固定されて、前記樋支持具本体が前記取付杆に連結されることを特徴とする軒樋支持具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような軒樋支持具は、各部材が凹凸加工や切り起こし加工等の複雑な加工を施されることで樋支持具本体のスライド移動のロック機構が構成されている。そのため、各部材の複雑な加工やロック機構が正常に動作するための細かい調整により、コストがかかってしまう。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、樋支持具本体の前後方向のスライド移動の固定を簡易な構成で実現する軒樋支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の軒樋支持具は、軒先に固定される固定部と、該固定部から前方へ突出する取付杆と、該取付杆にスライド部を介して前後方向にスライド移動可能に連結され、軒樋の耳部を保持する耳保持部を有する樋支持具本体とを備える軒樋支持具において、前記取付杆は、リップ溝形に形成されて下面部が前後方向に開口したレール部を有し、該レール部を通して前記取付杆に少なくとも2以上の前記スライド部が前後方向と直交する幅方向に並んで吊り下げられ、該スライド部は上下方向に延びた垂下片を有し、一方の前記スライド部の前記垂下片に開設された挿通孔と、他方の前記スライド部の前記垂下片に開設された前記挿通孔とが幅方向に並んだ状態で挿通される固定具によって締結されることで、前記取付杆に固定されて、前記樋支持具本体が前記取付杆に連結されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の軒樋支持具は、前記スライド部が吊り下げられている部分の前記取付杆の前記下面部を覆うように係合する締結補助部材をさらに備え、該締結補助部材は幅方向内方に向けて凹んだ凹所が形成されており、前記締結補助部材が前記取付杆に係合されている状態では、前記凹所と前記レール部との間に前記スライド部の前記垂下片が挿通する間隙が形成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の軒樋支持具は、前記樋支持具本体は、線対称形状に加工形成した板材を折曲して形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の軒樋支持具は、上述した構成とされているため、簡易な構成でスライド部を取付杆に固定することができる。
【0010】
請求項2に記載の軒樋支持具は、上述した構成とされているため、より強固にスライド部を取付杆に固定することができる。
【0011】
請求項3に記載の軒樋支持具は、上述した構成とされているため、より広い面で軒樋を支持することが可能となり、樋支持具本体の強度を増すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。まず、軒樋支持具の基本構成について説明する。なお、軒樋支持具が軒先に固定されている状態を基準にして、前後方向(軒先から離れる方向を前方向、軒先に近づく方向を後ろ方向)、前後方向に直交する方向である幅方向(軒先に対する見付の方向と一致する方向)、上下方向等を規定する。また、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
【0014】
図1に示す軒樋支持具1は、軒先に固定される固定部2と、固定部2から前方へ突出する取付杆3と、取付杆3にスライド部4を介して前後方向にスライド移動可能に連結され、軒樋8の耳部81,81を保持する耳保持部61,61を有する樋支持具本体6とを備える。取付杆3は、リップ溝形に形成されて下面部3cが前後方向に開口したレール部31を有し、レール部31を通して取付杆3に少なくとも2以上のスライド部4が幅方向に並んで吊り下げられている。スライド部4は上下方向に延びた垂下片41を有し、一方のスライド部4の垂下片41に開設された挿通孔42と、他方のスライド部4の垂下片41に開設された挿通孔42とが幅方向に並んだ状態で挿通される固定具7によって締結されることで、取付杆3に固定されて、樋支持具本体6が取付杆3に連結される。以下、詳しく説明する。なお、本明細書における取付杆3のリップ溝形とは、上面部3aの幅方向両端から下方に延びて形成された側面部3b,3bと、側面部3b,3bの下端部から幅方向内方に延びた下面部3c,3cと、下面部3c,3c間に前後方向に開口したレール部31と、開口した前面3dとを有した形状であるが、後述する第3実施形態の取付杆3の係合部3fのように、さらに別要素が付加された構成の形状であってもよい。
【0015】
軒樋支持具1を構成する部材である固定部2、取付杆3、スライド部4、樋支持具本体6は、同一の材質、厚みの金属製の板材を加工して形成されている。また固定部2、取付杆3は一体に形成されている。
【0016】
固定部2は、軒先に固定させるための固着具が挿通される複数の挿通孔21が開設された全体が板状の部材である。また、固定部20の上端部には折曲されて取付杆3が前方に突出して形成されている。取付杆3の上面部3aの後端部から固定部2の下端部まで補強用のリブ32が形成されている。
【0017】
取付杆3は、固定部2から前方向に延びた長尺状の部材であり、板材を幅方向に折曲してリップ溝形に形成されており、上面部3aの幅方向両端から下方に延びて形成された側面部3b,3bと、側面部3b,3bの下端部から幅方向内方に延びた下面部3c,3cと、下面部3c,3c間に前後方向に開口したレール部31と、開口した前面3dとを有している。取付杆3は、上面部3a、側面部3b、下面部3cに囲まれた内部空間Sを有する。
【0018】
軒樋支持具1は、1対のスライド部4,4を備えている。スライド部4は上下方向に延びた垂下片41と、垂下片41の下方側に幅方向に開設された挿通孔42と、スライド部4の一方の側端面4aの上部に幅方向に延びた突出片43と、突出片43の幅方向先端部から前後方向に延びた支持片44とを有する。これにより、スライド部4は平面視してコ字状になっている。また、突出片43と支持片44とは、上下寸法が同じに形成され、取付杆3の前面3dの開口から内部空間S内に挿入可能な大きさに形成されている。これにより、スライド部4,4は、突出片43と支持片44が取付杆3の下面部3cに引っ掛かることで、レール部31を通して取付杆3に吊り下げられる。また、挿通孔42は、スライド部4が取付杆3に吊り下げられた状態で、取付杆3の下面部3cより下方に位置するように開設されている。
【0019】
樋支持具本体6は、全体が板状の部材であり、軒樋8の前後の耳部81,81を保持する耳保持部61,61が形成されている。また、樋支持具本体6の前後方向の中央付近には上方に突出した山型の突出片62が形成され、突出片62には幅方向に開設された挿通孔63が形成されている。樋支持具本体6は端面が上下方向を向くように取付杆3の下方に配置される。
【0020】
次に取付杆3にスライド部4を介して樋支持具本体6を連結させる方法について、
図2を参照して説明する。
【0021】
図2(a)に示すように、スライド部4,4は、互いの突出片43の内面43dに、突出片43が形成されていない他方の側端面4bが接するように互い違いに配され、突出片43,43が前後方向を向いた状態で、取付杆3の前面3dから内部空間Sに挿入される。このとき、スライド部4,4の垂下片41,41は、取付杆3のレール部31内を前後方向に通れるように配されている(
図2(b)、(d)参照)。これにより、スライド部4,4は、取付杆3に対して前後方向にスライド可能となる。
【0022】
スライド部4,4が取付杆3の前後方向の所望の位置に配されたら、スライド部4,4の挿通孔42,42間に、樋支持具本体6の挿通孔63が幅方向に並ぶように配する。この状態で、固定具7であるボルト7aをスライド部4,4の挿通孔42,42と樋支持具本体6の挿通孔63に通し、蝶ナット7bで締結する(
図2(c)参照)。スライド部4,4は、垂下片41,41が幅方向内方に互いに近づくように、突出片43,43が幅方向外方に互いに遠ざかるように移動する。そして固定具7の締結により、スライド部4,4の支持片44,44は、対向する取付杆3の側面部3b,3bの内面3ba,3baを押圧して固定される(
図2(e)参照)。前後方向の位置を再調整する場合には、固定具7の締結を緩め、スライド部4,4と樋支持具本体6とが連結された状態を維持して前後方向の位置を再調整すればよい。なお、スライド部4,4が取付杆3の内部空間Sに挿入されたら、取付杆3の前面3dの開口を蓋体(不図示)で塞いでもよい。そして、樋支持具本体6の耳保持部61,61に軒樋8の耳部81,81を保持させることで、軒樋8は軒樋支持具1によって軒先に固定される。
【0023】
上述の説明では、スライド部4,4は、樋支持具本体6と連結されていない状態で取付杆3の前方から内部空間Sに挿入されているが、スライド部4,4が、樋支持具本体6と固定具7により緩く連結した状態で取付杆3の前方から内部空間Sに挿入されてもよい。そして、スライド部4,4が所望の位置に配されたら固定具7の締結を強め、取付杆3に固定されればよい。
【0024】
次に、
図3,4を参照して第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は省略する。
【0025】
第2実施形態の軒樋支持具1は、固定部2と、取付杆3と、1対のスライド部4,4と、締結補助部材5と、樋支持具本体6と、固定具7により構成されている。固定部2、取付杆3、樋支持具本体6、固定具7は、第1実施形態と同一のものが用いられるが、スライド部4の構成は第1実施形態のものとは異なる。
【0026】
スライド部4は、上下方向に延びた垂下片41と、垂下片41の下方側に幅方向に開設された挿通孔42と、スライド部4の一方の側端面4aの上部と、他方の側端面4bの上部とに、それぞれ幅方向外方に延びた突出片43,43を有する。これにより、スライド部4は平面視してコ字状になっており、突出片43は、上下寸法が取付杆3の前面3dの開口から内部空間S内に挿入可能な大きさに形成されている。スライド部4は、突出片43,43が取付杆3の下面部3cに引っ掛かることで、レール部31を通して取付杆3に吊り下げられる。
【0027】
締結補助部材5は、金属製の板材を加工して形成されており、樋支持具本体6等と同一の材質、厚みの板材で形成されている。締結補助部材5の本体部50は、平板部分が上下方向を向いて取付杆3に配され、本体部50の幅方向内方に向けて凹んだ凹所51,51が形成されている。締結補助部材5が取付杆3に係合されている状態では、凹所51,51とレール部31との間にスライド部4の垂下片41が挿通する間隙が形成される寸法で、凹所51は凹んで形成されている(
図4(a)(b)参照)。そして、凹所51の突き当り部分には、幅方向内方に向けて下方に傾斜した垂下片51aが形成されている。凹所51が形成されていない本体部50の幅方向両端部には、上方向に延びて保持部52が形成されている。保持部52の先端には、幅方向内方に向けて突出した爪部53が形成されている。
図4(a)の正面図、(b)の底面図に示すように、凹所51の前後方向の開口幅は、スライド部4の垂下片41が通る大きさで形成されている。そして、本体部50と保持部52と爪部53に囲まれた部分に、取付杆3が前後方向に挿入可能な大きさに形成されており、締結補助部材5は、爪部53によって取付杆3の上面部3aに吊り下げられる。
【0028】
次に取付杆3にスライド部4を介して樋支持具本体6を連結させる方法について説明する。
【0029】
締結補助部材5の凹所51,51にスライド部4,4の垂下片41,41を挿入した状態で、取付杆3の前方から内部空間Sにスライド部4,4を挿入させる。このとき、スライド部4,4の垂下片41,41は、取付杆3のレール部31内を前後方向に通れるように配されている。スライド部4,4が取付杆3の前後方向の所望の位置に配されたら、スライド部4,4の挿通孔42,42間に、樋支持具本体6の挿通孔63が幅方向に並ぶように配する。この状態で、固定具7であるボルト7aをスライド部4,4の挿通孔42,42と樋支持具本体6の挿通孔63に通し、蝶ナット7bで締結する。固定具7による締結のような幅方向内方への力(
図4(c)に示す白抜矢印)が垂下片41の下方にかかることにより、スライド部4,4は、締結補助部材5の凹所51の突き当たり部分や垂下片51a,51a付近を支点にして、正面視して逆ハの字に開くような力がかかる(
図4(c)における二点鎖線で示したスライド部4,4)。これにより、スライド部4,4の突出片43,43が取付杆3と接触している部位(側面部3bの内面3ba等)を押圧し、スライド部4,4が取付杆3に固定される(
図4(d)参照)。
【0030】
次に第3実施形態について、
図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と共通する部分には、可能な限り同一の符号を付し、その構成及び作用・効果等の説明は省略する。
【0031】
第3実施形態の軒樋支持具1は、固定部2と、取付杆3と、1対のスライド部4,4と、樋支持具本体6と、固定具7により構成されている。取付杆3は、上面部3a、側面部3b,3b、下面部3c,3cの構成は第1実施形態と同様であるが、下面部3c,3cの幅方向内方の端部から、上方へ延びた内壁面部3fa,3faと、内壁面部3fa,3faの上端部から幅方向外方に延びた突出面部3fb,3fbとにより構成された係合部3fが形成されている。レール部31は、下面部3c,3c間及び内壁面部3fa,3fa間に形成されている。スライド部4は、上面部3a、側面部3b、下面部3c、係合部3fに囲まれた内部空間Sに挿通されるように、スライド部4の上端から幅方向外方に延びた上面部43aと、上面部43aの幅方向外端部から下方向に延びた側面部43bと、側面部43bの下端部から幅方向内方に延びた下面部43cとにより構成された突出片43を有する。これにより、
図5(b)に示すように、スライド部4,4は前方から取付杆3の内部空間Sに収容可能である。また、スライド部4は、突出片43が係合部3fに係合されることで、レール部31を通して取付杆3に吊り下げられる。そして、固定具7によってスライド部4,4が締結されることにより、突出片43,43が係合部3fを押圧し、スライド部4,4は取付杆3に固定される。
【0032】
上記各実施形態では、軒樋支持具1を構成する各部材は、同一の材質、厚みの金属製の板材を加工して形成されているが、これに限定されることはなく、金属製以外の材質であってもよく、各部材ごとに材質や厚みが異なっていてもよい。また、板材以外から形成されてもよい。軒樋支持具1を構成する各部材の形状や構成も上述したものに限定されることはなく、例えば、固定部2と取付杆3は一体に形成されていなくてもよい。また、取付杆3とスライド部4とが接触する部分の表面に微小凹凸加工やゴム材を設ける等の滑り止め加工が施されてもよい。樋支持具本体6は、軒樋8を吊り支持する吊具として図示しているが、軒樋8を受け支持する受け具であってもよい。締結補助部材5は、上述した形状に限定されることはなく、例えば垂下片51aや爪部53が形成されていなくてもよい。
【0033】
次に樋支持具本体6の変形例について
図6、7を参照して説明する。
【0034】
図6(a)に示す第1変形例の樋支持具本体6は、(b)に示すような中心線Cを中心にして線対称形状に加工形成された板材を、中心線Cに沿って折曲されて形成されている。これにより、樋支持具本体6は正面視してV字状に開いて形成されている。なお、前後の耳保持部61,61との間の本体部60の後端部60aには、弾性部材65が配されてもよい。弾性部材65は、幅方向の両端から内方に切り込み65cを形成し、切り込み65cに沿って基部65aとなる側を折曲する。これにより弾性部材65は、正面視してV字状に開いた基部65aと、基部65aから後方向に延び、上下方向に弾性変形する板状のバネ部65bとで構成される。基部65aが樋支持具本体6の本体部60,60に挟持・固着されることで、弾性部材65は、樋支持具本体6に設けられる。これにより、後ろ側の耳保持部61に保持されている軒樋8の後ろ側の耳部81が脱落しにくくなる。なお、弾性部材65の構成は上述のものに限定されることはない。
【0035】
図6(c)に示す第2変形例の樋支持具本体6は、(d)に示すような中心線Cを中心にして線対称形状に加工形成された板材を、中心線Cから幅方向両側に等距離離れた折曲線D,D(
図6(d)に示す一点鎖線)に沿って折曲されて形成されている。樋支持具本体6は、下面64の幅方向の両端面から、本体部60,60が上方向に起立するように折曲されている。なお、下面64の後端部64aには、板状の弾性部材65が固着されてもよい。これにより、後ろ側の耳保持部61に保持されている軒樋8の後ろ側の耳部81が脱落しにくくなる。
【0036】
図6(a)〜(d)に示す第1、第2変形例の樋支持具本体6は、軒樋8と接触する面積が増えることで荷重が分散され、樋支持具本体6に軒樋8がより安定して保持される。また、樋支持具本体6の強度が増す。第1、第2変形例の樋支持具本体6は、
図1〜
図5に示す各実施形態の軒樋支持具1に適用することが可能である。
【0037】
図7(a)に示す第3変形例である樋支持具本体6は、第1実施形態の樋支持具本体6と一方のスライド部4が一体に形成されたような構成となっている。詳しく説明すると、樋支持具本体6は、前後方向の中央付近から第1実施形態の突出片62に代わり上方に突出するスライド部4が形成されている。スライド部4は上下方向に延びる垂下片41と、垂下片41に幅方向に開設された挿通孔42と、スライド部4の一方の側端面4aの上部に幅方向に延びた突出片43と、突出片43の幅方向先端部から前後方向に延びた支持片44とを有する。樋支持具本体6と一体に形成されていない他方のスライド部4’は、第1実施形態のスライド部4と同様の構成である。スライド部4,4’は、互いの突出片43の内面43dに、突出片43が形成されていない他方の側端面4bが接するように互い違いに配される。取付杆3への固定方法は、第1実施形態と同様である。
【0038】
図7(b)に示す第4変形例では、第3変形例のスライド部4と一体に形成された樋支持具本体6に加え、他方のスライド部4’も樋支持具本体6’と一体に形成された構成となっている。スライド部4,4’は、互いの突出片43の内面43dに、突出片43が形成されていない他方の側端面4bが接するように互い違いに配されるように、樋支持具本体6,6’に形成されている。
【0039】
図7(a)(b)に示したスライド部4,4’は、第1実施形態のスライド部4と同様の構成であるが、これに限定されることはない。例えば、軒樋支持具1が第2実施形態のような締結補助部材5を備える構成であれば、スライド部4,4’は第2実施形態のスライド部4,4と同様の構成であってもよい。また、取付杆3が第3実施形態のように係合部3fを備える構成であれば、スライド部4,4’は、第3実施形態のスライド部4,4と同様の構成であってもよい。これにより、軒樋支持具1を構成する部材の点数を少なくすることができる。