特開2020-159388(P2020-159388A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SMC株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2020159388-電磁弁の遠隔操作装置 図000003
  • 特開2020159388-電磁弁の遠隔操作装置 図000004
  • 特開2020159388-電磁弁の遠隔操作装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-159388(P2020-159388A)
(43)【公開日】2020年10月1日
(54)【発明の名称】電磁弁の遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20200904BHJP
   H01F 7/18 20060101ALN20200904BHJP
【FI】
   F16K31/06 310Z
   F16K31/06 305C
   F16K31/06 360
   H01F7/18 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-56824(P2019-56824)
(22)【出願日】2019年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】阿木 智彦
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA22
3H106DA25
3H106EE22
3H106EE48
3H106FA08
3H106FB33
3H106FB36
(57)【要約】
【課題】遠隔操作される電磁弁の消費電力を低減しつつ、該電磁弁の長時間駆動を可能とする。
【解決手段】遠隔操作装置10の遠隔操作部12は、電磁弁16の駆動を指示する第1指示信号又は第2指示信号を、無線により電磁弁制御部14に送信する。電磁弁制御部14は、第1指示信号又は第2指示信号を受信し、受信した第1指示信号又は第2指示信号に基づいて、第1駆動信号又は第2駆動信号を生成する。電磁弁16は、ダブルソレノイド型の電磁弁であり、第1駆動信号が供給される第1ソレノイド16aと、第2駆動信号が供給される第2ソレノイド16bとを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象に設置された電磁弁を遠隔操作で駆動するための電磁弁の遠隔操作装置において、
前記電磁弁の駆動を指示する指示信号を無線で送信する遠隔操作部と、
バッテリからの電力供給によって動作し、前記指示信号を受信して、受信した前記指示信号に基づき前記電磁弁の駆動を制御する電磁弁制御部と、
を備え、
前記電磁弁は、ダブルソレノイド型の電磁弁であることを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項2】
請求項1記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記遠隔操作部は、外部機器からの信号の入力を受け付ける外部入力受付部、及び/又は、ユーザが操作可能な操作部を有し、前記外部機器からの信号の入力又は前記ユーザによる前記操作部の操作に基づき、前記指示信号を生成して前記電磁弁制御部に送信することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記電磁弁は、第1ソレノイド及び第2ソレノイドを有し、
前記遠隔操作部は、前記第1ソレノイドへの通電を指示するパルス状の第1指示信号を前記電磁弁制御部に送信し、一方で、前記第2ソレノイドへの通電を指示するパルス状の第2指示信号を前記電磁弁制御部に送信し、
前記電磁弁制御部は、
前記制御対象の近傍で、前記電磁弁と有線により接続され、
前記第1指示信号を受信した場合、受信した前記第1指示信号に基づいてパルス状の第1駆動信号を生成し、生成した前記第1駆動信号を前記第1ソレノイドに供給し、
一方で、前記第2指示信号を受信した場合、受信した前記第2指示信号に基づいてパルス状の第2駆動信号を生成し、生成した前記第2駆動信号を前記第2ソレノイドに供給することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記電磁弁制御部は、前記指示信号の受信を開始したときに起動し、前記指示信号に基づく前記電磁弁の駆動が終了した後に動作を停止することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記遠隔操作部と前記電磁弁制御部とは、前記無線による双方向通信が可能であり、
前記遠隔操作部は、少なくとも前記指示信号を前記無線で前記電磁弁制御部に送信し、
前記電磁弁制御部は、少なくとも前記電磁弁制御部の状態を前記無線で前記遠隔操作部に送信することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項6】
請求項5記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記遠隔操作部及び前記電磁弁制御部のうち、少なくとも一方は、表示部を有し、
前記表示部は、前記遠隔操作部及び/又は前記電磁弁制御部の状態を表示することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御対象に設置された電磁弁を遠隔操作で駆動するための電磁弁の遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、回転体や移動体等の制御対象に電磁弁を設置し、有線又は無線を介して電磁弁に駆動信号を供給することにより、電磁弁を駆動させて、制御対象の動作を制御することが行われている。しかしながら、有線による電気接続の場合には、ケーブルを保護するケーブルベア(登録商標)を設けると共に、スリップリングを介して電磁弁に駆動信号を供給する必要がある。一方、無線による電気接続の場合には、無線給電等の設備が必要となる。従って、有線又は無線により駆動信号を供給する場合には、コストがかかる。
【0003】
特許文献1には、無線で電磁弁を遠隔操作するシステムであって、バッテリ駆動により電磁弁に電力を供給することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−14648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電磁弁は、消費電力が比較的大きいため、無線による電気接続で駆動信号を電磁弁に供給し、電磁弁を長時間駆動すると、バッテリ切れを起こすおそれがある。また、電磁弁の駆動中は、バッテリから電磁弁のソレノイドに通電し続けなければならないので、システムの消費電力を低く抑えることができない。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、遠隔操作される電磁弁の消費電力を低減しつつ、該電磁弁の長時間駆動を可能とする電磁弁の遠隔操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電磁弁の遠隔操作装置は、制御対象に設置された電磁弁を遠隔操作で駆動するものであって、前記電磁弁の駆動を指示する指示信号を無線で送信する遠隔操作部と、バッテリからの電力供給によって動作し、前記指示信号を受信して、受信した前記指示信号に基づき前記電磁弁の駆動を制御する電磁弁制御部とを備えている。この場合、前記電磁弁は、ダブルソレノイド型の電磁弁であることが好ましい。
【0008】
ダブルソレノイド型の電磁弁は、ソレノイドに通電すると弁体が所定位置に移動し、通電を停止しても、該弁体は所定位置に保持される。そのため、本発明では、弁体を所定位置に保持するため、ソレノイドへの通電を継続する必要がない。このように、本発明では、ダブルソレノイド型の電磁弁を採用することで、ソレノイドに対する継続した通電が必要なシングルソレノイド型の電磁弁と比較して、遠隔操作される電磁弁の消費電力を低減することが可能となる。
【0009】
また、前記電磁弁の通電時間が削減されることにより、該電磁弁を制御する前記電磁弁制御部の消費電力を低減させることができる。この結果、前記電磁弁制御部を駆動する前記バッテリの容量が長持ちするので、前記電磁弁の長時間駆動が可能となる。
【0010】
さらに、前記電磁弁が前記制御対象に設置されているので、該電磁弁を用いて前記制御対象の動作を容易且つ迅速に制御することが可能となる。
【0011】
ここで、前記遠隔操作部は、外部機器からの信号の入力を受け付ける外部入力受付部、及び/又は、ユーザが操作可能な操作部を有し、前記外部機器からの信号の入力又は前記ユーザによる前記操作部の操作に基づき、前記指示信号を生成して前記電磁弁制御部に送信することが好ましい。
【0012】
これにより、前記遠隔操作部は、前記外部入力受付部が前記外部機器からの信号の入力を受け付け、又は、前記ユーザが前記操作部を操作してから、前記指示信号を生成して前記電磁弁制御部への送信を完了するまでの時間帯にのみ、少なくとも動作すればよい。これにより、前記遠隔操作部の省電力化を実現することができる。
【0013】
また、前記電磁弁は、ダブルソレノイド型の電磁弁であるため、第1ソレノイド及び第2ソレノイドを有する。
【0014】
この場合、前記遠隔操作部は、前記第1ソレノイドへの通電を指示するパルス状の第1指示信号を前記電磁弁制御部に送信し、一方で、前記第2ソレノイドへの通電を指示するパルス状の第2指示信号を前記電磁弁制御部に送信する。
【0015】
また、前記電磁弁制御部は、前記制御対象の近傍で、前記電磁弁と有線により接続されている。そして、前記電磁弁制御部は、前記第1指示信号を受信した場合、受信した前記第1指示信号に基づいてパルス状の第1駆動信号を生成し、生成した前記第1駆動信号を前記第1ソレノイドに供給する。一方で、前記電磁弁制御部は、前記第2指示信号を受信した場合、受信した前記第2指示信号に基づいてパルス状の第2駆動信号を生成し、生成した前記第2駆動信号を前記第2ソレノイドに供給する。
【0016】
これにより、パルス状の前記第1駆動信号が供給される時間だけ前記第1ソレノイドが通電し、一方で、パルス状の前記第2駆動信号が供給される時間だけ前記第2ソレノイドが通電する。この結果、必要最小限のエネルギ供給により前記電磁弁を駆動させることができるので、該電磁弁の消費電力をさらに低減することができる。また、前記電磁弁制御部が前記制御対象の近傍で前記有線により前記電磁弁と接続されているので、前記電磁弁の駆動を確実に制御することが可能となる。
【0017】
さらに、前記電磁弁制御部は、前記指示信号の受信を開始したときに起動し、前記指示信号に基づく前記電磁弁の駆動が終了した後に動作を停止することが好ましい。これにより、前記電磁弁制御部は、前記電磁弁の駆動制御を行っていない時間帯ではスリープモード(省エネモード)となる。この結果、前記電磁弁の駆動時間をさらに延ばすことが可能となる。
【0018】
さらにまた、前記遠隔操作部と前記電磁弁制御部とは、前記無線による双方向通信が可能である。この場合、前記遠隔操作部は、少なくとも前記指示信号を前記無線で前記電磁弁制御部に送信する。また、前記電磁弁制御部は、少なくとも前記電磁弁制御部の状態を前記無線で前記遠隔操作部に送信する。これにより、前記遠隔操作装置における前記電磁弁の監視機能等を向上させることができる。
【0019】
また、前記遠隔操作部及び前記電磁弁制御部のうち、少なくとも一方は、表示部を有し、前記表示部は、前記遠隔操作部及び/又は前記電磁弁制御部の状態を表示することが好ましい。これにより、前記遠隔操作部及び/又は前記電磁弁制御部の状態を前記遠隔操作部又は前記電磁弁制御部でモニタすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、遠隔操作される電磁弁の消費電力を低減しつつ、該電磁弁の長時間駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る遠隔操作装置のブロック図である。
図2図1の遠隔操作装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図3】電磁弁制御部の消費電力の時間経過を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る電磁弁の遠隔操作装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0023】
[本実施形態の構成]
図1は、本実施形態に係る電磁弁16の遠隔操作装置10(以下、本実施形態に係る遠隔操作装置10ともいう。)のブロック図である。遠隔操作装置10は、遠隔操作部12、電磁弁制御部14及び電磁弁16を備える。
【0024】
遠隔操作部12は、制御対象に設置された電磁弁16を、制御対象から離れた場所にいるユーザが遠隔操作するためのリモートコントローラ(送信機)として機能する。遠隔操作部12と電磁弁制御部14との間では、無線による双方向通信が可能である。また、電磁弁制御部14と電磁弁16とは、有線により接続されている。
【0025】
なお、本実施形態において、無線による双方向通信、又は、無線による信号の送受信とは、電波を利用した無線通信や、赤外線通信を含む概念であって、有線通信以外の通信方式による通信(送受信)をいう。また、制御対象とは、電磁弁16の駆動によって流体の移動や流体圧が制御される物体をいい、例えば、内部で流体が流通可能な回転体や移動体等の物体をいう。
【0026】
電磁弁制御部14は、遠隔操作部12からの無線による指示に基づいて電磁弁16の駆動を実際に制御する、遠隔操作装置10の本体(受信機)として機能する。電磁弁16は、第1ソレノイド16a及び第2ソレノイド16bを有するダブルソレノイド型の電磁弁である。
【0027】
ここで、遠隔操作部12、電磁弁制御部14及び電磁弁16の構成について、詳しく説明する。
【0028】
遠隔操作部12は、外部入力受付部18、データ変換部20、通信処理部22、無線信号送受信部24、操作部26、表示部28及びバッテリ30を有する。
【0029】
外部入力受付部18は、PLC等の外部機器からの入力を受け付ける。この場合、例えば、接点入力やオープンドレイン等のデジタル信号が外部機器から外部入力受付部18に入力され、外部入力受付部18は、入力された信号をデータ変換部20に出力する。
【0030】
操作部26は、ユーザが操作可能なボタン又はスイッチ等の遠隔操作部12に備わる入力デバイスである。操作部26は、図示しない接点又は内部マイコンを備えている。ユーザが操作部26を操作すると、操作部26は、操作内容に応じた接点の出力、又は、操作内容に応じた内部マイコンの論理的な情報(1又は0)をデータ変換部20に出力する。
【0031】
データ変換部20は、外部入力受付部18が出力した外部機器からの入力、又は、操作部26からの情報を、通信処理部22で処理可能な形式のデータに変換する。具体的に、外部機器からの入力、又は、操作部26からの情報が、電磁弁16の駆動を指示する内容であった場合、データ変換部20は、当該指示内容をパケット通信用のデータに変換する。
【0032】
なお、前述のように、電磁弁16は、第1ソレノイド16a及び第2ソレノイド16bを有するので、データ変換部20は、第1ソレノイド16aへの通電を指示する指示内容であった場合には、当該指示内容に応じたデータ(第1指示信号)に変換する。また、データ変換部20は、第2ソレノイド16bへの通電を指示する指示内容であった場合には、当該指示内容に応じたデータ(第2指示信号)に変換する。
【0033】
通信処理部22は、データ変換部20で変換されたデータに対する変調処理を行う。また、通信処理部22は、無線信号送受信部24が受信したデータに対する復調処理を行う。
【0034】
無線信号送受信部24は、電磁弁制御部14との間で無線(パケット通信)による信号の送受信を行う。例えば、無線信号送受信部24は、通信処理部22で変調されたデータを無線により電磁弁制御部14にパケット送信する。
【0035】
表示部28は、LED等の表示手段であり、通信処理部22からの信号に基づき点灯することで、通信処理部22を含む遠隔操作部12が動作中であることをユーザに報知する。バッテリ30は、遠隔操作部12の各部に電力を供給する。
【0036】
一方、電磁弁制御部14は、無線信号送受信部32、通信処理部34、データ変換部36、電磁弁駆動回路38、電源部40、操作部42、表示部44及びバッテリ46を有する。
【0037】
無線信号送受信部32は、遠隔操作部12の無線信号送受信部24との間で無線(パケット通信)による信号の送受信を行う。例えば、無線信号送受信部32は、無線信号送受信部24から無線でパケット送信された第1指示信号又は第2指示信号を受信する。
【0038】
通信処理部34は、無線信号送受信部32が受信したデータ(第1指示信号、第2指示信号)に対する復調処理を行い、復調処理後のデータをデータ変換部36に出力する。また、通信処理部34は、データ変換部36で変換されたデータに対する変調処理を行い、無線信号送受信部32に出力する。
【0039】
データ変換部36は、復調された第1指示信号又は第2指示信号を電磁弁駆動回路38で処理可能な形式の信号に変換し、変換後の第1指示信号又は第2指示信号を電磁弁駆動回路38に出力する。
【0040】
操作部42は、操作部26と同様の構成を有し、ユーザの操作内容に応じた接点の出力、又は、操作内容に応じた内部マイコンの論理的な情報(1又は0)をデータ変換部36に出力する。従って、データ変換部36は、操作部42からの信号をパケット通信用のデータに変換し、変換後のデータを通信処理部34に出力することが可能である。
【0041】
電磁弁駆動回路38は、第1指示信号又は第2指示信号に基づいて、電磁弁16を駆動するための第1駆動信号又は第2駆動信号を生成する。
【0042】
この場合、電磁弁駆動回路38から第1ソレノイド16aに第1駆動信号を供給すると、第1ソレノイド16aが通電され、第1ソレノイド16aの励磁作用下に、電磁弁16の弁体が初期位置から所定位置に移動する。すなわち、電磁弁16内の流体通路は、図1で参照符号「A」に示す状態に遷移する。なお、第1駆動信号の供給を停止しても、弁体は所定位置(Aの状態)に維持される。
【0043】
一方、電磁弁駆動回路38から第2ソレノイド16bに第2駆動信号を供給すると、第2ソレノイド16bが通電され、第2ソレノイド16bの励磁作用下に、弁体は他の所定位置に移動する。すなわち、電磁弁16内の流体通路は、図1で参照符号「B」に示す状態(初期位置)に遷移する。なお、第2駆動信号の供給を停止しても、弁体は他の所定位置(Bの状態)に維持される。
【0044】
電源部40は、昇圧回路又はDC/DCコンバータであり、バッテリ46の電圧に対して所定の電圧変換処理を行い、変換処理後の電圧を電磁弁制御部14の各部に供給する。なお、電磁弁駆動回路38は、第1ソレノイド16a又は第2ソレノイド16bに通電するため、電磁弁制御部14内の各部よりも消費電力が大きい。この場合、電源部40は、バッテリ46の電圧を電磁弁制御部14内の他の構成要素に供給する電圧よりも高い電圧に昇圧し、昇圧した電圧を電磁弁駆動回路38に供給することで、他の構成要素よりも多くの電力を電磁弁駆動回路38に供給する。
【0045】
表示部44は、表示部28と同様に、LED等の表示手段であり、通信処理部34から出力される信号に基づき点灯することで、通信処理部34を含む電磁弁制御部14が動作中であることをユーザに報知する。
【0046】
[本実施形態の動作]
本実施形態に係る遠隔操作装置10は、以上のように構成される。次に、遠隔操作装置10の動作について、図2及び図3を参照しながら説明する。なお、この動作説明では、必要に応じて、図1も参照しながら説明する。
【0047】
図2は、遠隔操作装置10全体の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、電磁弁16が閉弁状態(図1のBの状態)である場合において、外部機器からの入力を外部入力受付部18が受け付け、又は、ユーザが操作部26を操作することに起因して、第1ソレノイド16aに通電することにより開弁状態(Aの状態)となり、その後、第2ソレノイド16bに通電することにより閉弁状態に戻る場合について説明する。
【0048】
先ず、時点t1において、外部入力受付部18が外部機器から信号入力の受け付けを開始するか、又は、ユーザが操作部26の操作を開始する。この場合、外部機器からの入力、又は、操作部26での操作内容は、いずれも、第1ソレノイド16aに通電して、電磁弁16を閉弁状態から開弁状態に移行させることを指示する内容(ON信号入力)とする。この指示内容を示す信号は、データ変換部20に入力される。
【0049】
時点t2において、データ変換部20は、入力された信号を通信処理部22で処理可能な形式のデータ(パケット通信用のパルス状の第1指示信号)に変換する。
【0050】
通信処理部22は、データ変換部20で変換された第1指示信号に対する変調処理を行い、変調処理後の第1指示信号を無線信号送受信部24に出力する。例えば、電波により第1指示信号を送信する場合には、第1指示信号に所定周波数の搬送波を重畳し、さらに、周波数ホッピング等のスペクトラム拡散技術も利用して第1指示信号に対する変調処理を行う。また、赤外線通信により第1指示信号を送信する場合には、第1指示信号に対してパルス幅変調を行い、さらに、自然光の影響を受けにくい搬送周波数を重畳することにより、第1指示信号に対する変調処理を行う。
【0051】
また、通信処理部22は、第1指示信号に対する変調処理の開始時から表示部28の点灯を開始させる。ユーザは、表示部28の点灯を視認することにより、外部入力又は操作部26の操作に基づき、遠隔操作部12が動作を開始したことを認識することができる。
【0052】
なお、図2において、「送信機内部状態」とは、送信機としての遠隔操作部12が、電磁弁16を開弁状態(ON)又は閉弁状態(OFF)のどちらに制御するのかを示す状態をいう。従って、時点t2におけるOFFからONへの切り替えは、電磁弁16を閉弁状態に維持するモードから開弁状態に切り替えるモードに遠隔操作部12(の通信処理部22)内の状態が遷移したことを示している。
【0053】
このように、遠隔操作部12では、通信処理部22における変調処理の開始時にモードが切り替わる。なお、図2において、データ変換部20への指示内容の入力は、時点t3まで継続される。
【0054】
時点t4から時点t5の時間帯において、無線信号送受信部24は、変調された第1指示信号を無線で電磁弁制御部14にパケット送信する。これにより、電磁弁制御部14の無線信号送受信部32は、当該時間帯において、第1指示信号を受信することができる。
【0055】
なお、通信処理部22は、無線信号送受信部24による第1指示信号のパケット送信完了後、表示部28を消灯させてもよい。ユーザは、表示部28の消灯を視認することにより、遠隔操作部12から電磁弁制御部14への第1指示信号のパケット送信が完了したことを認識することができる。
【0056】
通信処理部34は、時点t6において、受信された第1指示信号に対する復調処理を行う。この場合、通信処理部34は、第1指示信号に対する復調処理の際、第1指示信号に重畳された搬送波を検出することにより、電磁弁16を閉弁状態から開弁状態に移行させることを指示する第1指示信号が受信されたことを認識することができる。
【0057】
そして、通信処理部34は、表示部44の点灯を開始させると共に、復調処理後の第1指示信号をデータ変換部36に出力する。ユーザは、表示部44の点灯を視認することにより、第1指示信号の受信に基づき、電磁弁制御部14が動作を開始したことを認識することができる。
【0058】
なお、図2において、「受信機内部状態」とは、電磁弁制御部14が電磁弁16を開弁状態(ON)又は閉弁状態(OFF)のどちらに制御するのかを示す状態をいう。従って、時点t6におけるOFFからONへの切り替えは、電磁弁16を閉弁状態に維持するモードから開弁状態にするモードに電磁弁制御部14(の通信処理部34)内の状態が遷移したことを示している。このように、電磁弁制御部14では、通信処理部34における復調処理の開始時にモードが切り替わる。
【0059】
データ変換部36は、入力された第1指示信号を電磁弁駆動回路38で処理可能な形式に変換する。電磁弁駆動回路38は、入力された第1指示信号に基づいて、パルス状の第1駆動信号(図2のソレノイドA信号)を生成し、生成した第1駆動信号を第1ソレノイド16aに供給する。これにより、時点t6から時点t7の時間帯において、第1ソレノイド16aが通電し、第1ソレノイド16aの励磁作用下に、電磁弁16の弁体が初期位置から所定位置(図1のAの状態)に変位する。この場合、時点t7で第1ソレノイド16aに対する第1駆動信号の供給が停止しても、弁体の位置は、所定位置に保持される。この結果、図示しない流体供給源から電磁弁16を介して制御対象に流体を供給し、又は、制御対象から電磁弁16を介して外部に流体を排気することができる。
【0060】
なお、通信処理部34は、電磁弁駆動回路38による第1ソレノイド16aへの第1駆動信号の供給停止後、表示部44を消灯させてもよい。ユーザは、表示部44の消灯を視認することにより、第1ソレノイド16aの通電が停止したことを認識することができる。
【0061】
次に、時点t8において、外部入力受付部18は、第2ソレノイド16bに通電して、電磁弁16を開弁状態から閉弁状態に移行させることを指示する内容(OFF信号入力)を外部機器から受け付ける。あるいは、ユーザが操作部26を操作して、OFF信号入力の指示内容を入力する。
【0062】
この結果、時点t9において、データ変換部20は、入力された指示内容を通信処理部22で処理可能な形式のデータ(パケット通信用のパルス状の第2指示信号)に変換する。
【0063】
通信処理部22は、第1指示信号の場合と同様に、データ変換部20で変換された第2指示信号に対する変調処理を行い、変調処理後の第2指示信号を無線信号送受信部24に出力する。また、通信処理部22は、第2指示信号に対する変調処理の開始時から表示部28の点灯を開始させ、外部入力又は操作部26の操作に基づき、遠隔操作部12が動作を開始したことをユーザに認識させる。
【0064】
この場合、時点t9において、「送信機内部状態」は、ONからOFFに切り替わる。すなわち、遠隔操作部12内の状態は、時点t9で、電磁弁16を開弁状態に維持するモードから閉弁状態に切り替えるモードに遷移する。なお、図2において、データ変換部20への指示内容の入力は、時点t10まで継続される。
【0065】
時点t11から時点t12の時間帯において、無線信号送受信部24は、変調された第2指示信号を無線で電磁弁制御部14にパケット送信する。これにより、電磁弁制御部14の無線信号送受信部32は、当該時間帯において、第2指示信号を受信することができる。
【0066】
なお、通信処理部22は、無線信号送受信部24による第2指示信号の送信完了後、表示部28を消灯させてもよい。ユーザは、表示部28の消灯を視認することにより、遠隔操作部12から電磁弁制御部14への第2指示信号の送信が完了したことを認識することができる。
【0067】
通信処理部34は、時点t13において、受信された第2指示信号に対する復調処理を行う。この場合、通信処理部34は、第2指示信号に対する復調処理の際、第2指示信号に重畳された搬送波を検出することにより、電磁弁16の弁体を開弁状態から閉弁状態に移行させることを指示する第2指示信号が受信されたことを認識することができる。
【0068】
そして、通信処理部34は、表示部44の点灯を開始させると共に、復調処理後の第2指示信号をデータ変換部36に出力する。ユーザは、表示部44の点灯を視認することにより、第2指示信号の受信に基づき電磁弁制御部14が動作していることを把握することができる。
【0069】
この場合、時点t13において、「受信機内部状態」は、ONからOFFに切り替わる。すなわち、電磁弁制御部14内の状態は、時点t13で、電磁弁16を開弁状態に維持するモードから閉弁状態に切り替えるモードに遷移する。
【0070】
データ変換部36は、入力された第2指示信号を電磁弁駆動回路38で処理可能な形式に変換する。電磁弁駆動回路38は、入力された第2指示信号に基づいて、パルス状の第2駆動信号(図2のソレノイドB信号)を生成し、生成した第2駆動信号を第2ソレノイド16bに供給する。これにより、時点t13から時点t14の時間帯において、第2ソレノイド16bが通電し、第2ソレノイド16bの励磁作用下に、電磁弁16の弁体は、所定位置(図1のAの状態)から他の所定位置(初期位置としてのBの状態)に変位する。この場合、時点t14で第2ソレノイド16bに対する第2駆動信号の供給が停止しても、弁体の位置は、他の所定位置に保持される。この結果、制御対象から電磁弁16を介して外部に流体を排気し、又は、流体供給源から電磁弁16を介して制御対象に流体を供給することができる。
【0071】
なお、通信処理部34は、電磁弁駆動回路38による第2ソレノイド16bへの第2駆動信号の供給完了後、表示部44を消灯させてもよい。ユーザは、表示部44の消灯を視認することにより、第2ソレノイド16bへの通電が停止したことを認識することができる。
【0072】
次に、電磁弁制御部14における省電力制御について、図3を参照しながら説明する。
【0073】
電磁弁制御部14は、時点t20から時点t21までの時間帯では、省エネモード(スリープモード)に設定されている。省エネモードでは、電磁弁制御部14の電源部40は、バッテリ46の電圧を変換して、操作部42に電力を供給すると共に、遠隔操作部12からの無線による信号を検出可能な程度の小電力を無線信号送受信部32に供給する。
【0074】
時点t21で無線信号送受信部32が第1指示信号又は第2指示信号の受信を開始すると、電磁弁制御部14は省エネモードを解除し、電源部40は、無線信号送受信部32に対して第1指示信号又は第2指示信号を受信できる程度の電力を供給する。これにより、無線信号送受信部32は、遠隔操作部12からパケット送信された第1指示信号又は第2指示信号を受信することができる。
【0075】
時点t22で第1指示信号又は第2指示信号の受信が完了すると、電源部40は、通信処理部34、データ変換部36及び表示部44への電力供給を開始する。これにより、通信処理部34での復調処理、データ変換部36でのデータ変換処理、及び、表示部44の点灯が可能となる。
【0076】
時点t23でデータ変換部36における第1指示信号又は第2指示信号に対する変換処理が完了すると、電源部40は、電磁弁駆動回路38への電力供給を開始する。これにより、電磁弁駆動回路38は、時点t23から時点t24の時間帯において、第1指示信号に応じた第1駆動信号、又は、第2指示信号に応じた第2駆動信号を生成し、第1ソレノイド16a又は第2ソレノイド16bに供給することが可能となる。
【0077】
その後、時点t24で第1ソレノイド16a又は第2ソレノイド16bへの通電が終了すると、電源部40は、電磁弁制御部14全体を省エネモードに移行させ、操作部42及び無線信号送受信部32にのみ電力供給を行う。
【0078】
従って、電磁弁制御部14では、第1指示信号又は第2指示信号に基づく処理を実行しない時点t20から時点t21までの時間帯、及び、時点t24以降の時間帯では、省エネモードに設定され、消費電力が低く抑えられる。一方、時点t21から時点t24までの時間帯では、第1指示信号又は第2指示信号に基づく電磁弁制御部14内の各部の動作状況に応じて、電磁弁制御部14全体の消費電力がステップ状に上昇する。
【0079】
なお、図3の説明では、電磁弁制御部14の省電力化について説明したが、図3の動作は、遠隔操作部12にも適用可能である。この場合、例えば、図1の遠隔操作部12におけるバッテリ30の出力側に、電源部40と同じ構成の電源部を設け、図2の時点t1から時点t5までの第1指示信号の送信に関わる時間帯、及び、時点t8から時点t12までの第2指示信号の送信に関わる時間帯にのみ、遠隔操作部12を動作させ、それ以外の時間帯では、省エネモードに移行させてもよい。
【0080】
また、前述のように、無線信号送受信部24、32間では、無線(パケット通信)による双方向通信が可能である。そのため、遠隔操作部12の無線信号送受信部24は、第1指示信号又は第2指示信号に加え、遠隔操作部12の動作状態を示す信号(通信処理部22から表示部28に供給される信号)を、電磁弁制御部14の無線信号送受信部32にパケット送信することが可能である。これにより、通信処理部34は、無線信号送受信部32で受信された信号を復調し、復調した信号を表示部44に出力して、該表示部44を点灯させることができる。
【0081】
一方、電磁弁制御部14の無線信号送受信部32は、電磁弁制御部14の動作状態を示す信号(通信処理部34から表示部44に供給される信号)を、遠隔操作部12の無線信号送受信部24にパケット送信することが可能である。これにより、通信処理部22は、無線信号送受信部24で受信された信号を復調し、復調した信号を表示部28に出力して、該表示部28を点灯させることができる。
【0082】
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る遠隔操作装置10では、ダブルソレノイド型の電磁弁16を採用している。ダブルソレノイド型の電磁弁16は、第1ソレノイド16a又は第2ソレノイド16bに通電すると弁体が所定位置に移動し、通電を停止しても、該弁体は所定位置に保持される。そのため、本実施形態では、弁体を所定位置に保持するため、第1ソレノイド16a又は第2ソレノイド16bへの通電を継続する必要がない。このように、本実施形態では、ダブルソレノイド型の電磁弁16を採用することで、ソレノイドに対する継続した通電が必要なシングルソレノイド型の電磁弁と比較して、遠隔操作される電磁弁16の消費電力を低減することが可能となる。
【0083】
また、電磁弁16に対する通電時間が削減されることで、電磁弁16を制御する電磁弁制御部14の消費電力を低減させることができる。この結果、電磁弁制御部14を駆動するバッテリ46の容量が長持ちするので、電磁弁16の長時間駆動が可能となる。
【0084】
さらに、電磁弁16が制御対象に設置されているので、該電磁弁16を用いて制御対象の動作を容易且つ迅速に制御することが可能となる。
【0085】
また、遠隔操作部12は、外部入力受付部18が外部機器からの信号の入力を受け付け、又は、ユーザが操作部26を操作してから、第1指示信号又は第2指示信号を生成して電磁弁制御部14への送信を完了するまでの時間帯にのみ、少なくとも動作してもよい。これにより、遠隔操作部12の省電力化を実現することができる。
【0086】
また、パルス状の第1駆動信号が供給される時間だけ第1ソレノイド16aが通電し、一方で、パルス状の第2駆動信号が供給される時間だけ第2ソレノイド16bが通電する。この結果、必要最小限のエネルギ供給により電磁弁16を駆動させることができるので、該電磁弁16の消費電力をさらに低減することができる。また、電磁弁制御部14が制御対象の近傍で有線により電磁弁16と接続されているので、電磁弁16の駆動を確実に制御することが可能となる。
【0087】
さらに、第1指示信号又は第2指示信号の受信を開始したときに電磁弁制御部14が起動し、第1指示信号又は第2指示信号に基づく電磁弁16の駆動が終了した後に電磁弁制御部14が動作を停止することにより、電磁弁制御部14は、電磁弁16に対する駆動制御を行っていない時間帯では省エネモード(スリープモード)となる。この結果、電磁弁16の駆動時間をさらに延ばすことが可能となる。
【0088】
さらにまた、遠隔操作部12と電磁弁制御部14とは無線による双方向通信が可能である。そのため、遠隔操作部12は、少なくとも第1指示信号又は第2指示信号を無線で電磁弁制御部14に送信し、一方で、電磁弁制御部14は、少なくとも電磁弁制御部14の動作状態を無線で遠隔操作部12に送信することが可能となる。これにより、遠隔操作装置10における電磁弁16の監視機能等を向上させることができる。
【0089】
また、遠隔操作部12に表示部28が設けられる共に、電磁弁制御部14に表示部44が設けられている。これにより、表示部28は、遠隔操作部12の動作状態を表示し、表示部44は、電磁弁制御部14の動作状態を表示することができる。さらに、前述のように、遠隔操作部12と電磁弁制御部14との間で無線による双方向通信が可能であるため、一方の構成要素(遠隔操作部12又は電磁弁制御部14)の動作状態を送信することで、他方の構成要素の表示部28、44で一方の構成要素の動作状態をモニタすることが可能となる。
【0090】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0091】
10…遠隔操作装置 12…遠隔操作部
14…電磁弁制御部 16…電磁弁
16a…第1ソレノイド 16b…第2ソレノイド
18…外部入力受付部 20、36…データ変換部
22、34…通信処理部 24、32…無線信号送受信部
26、42…操作部 28、44…表示部
30、46…バッテリ 38…電磁弁駆動回路
40…電源部
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2020年3月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象に設置された電磁弁を遠隔操作で駆動するための電磁弁の遠隔操作装置において、
前記電磁弁の駆動を指示する指示信号を無線で送信する遠隔操作部と、
バッテリからの電力供給によって動作し、前記指示信号を受信して、受信した前記指示信号に基づき前記電磁弁の駆動を制御する電磁弁制御部と、
を備え、
前記電磁弁は、ダブルソレノイド型の電磁弁であり、
前記電磁弁制御部は、前記指示信号を受信可能な無線信号送受信部と、前記指示信号に基づき前記電磁弁の駆動を制御する電磁弁駆動回路と、前記バッテリからの電力を前記無線信号送受信部と前記電磁弁駆動回路とに供給可能な電源部とを有し、
前記電源部は、前記無線信号送受信部による前記指示信号の受信中、前記無線信号送受信部に電力を供給し、前記指示信号の受信完了から前記電磁弁の駆動の制御が完了するまでは、前記電磁弁駆動回路に電力を供給することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項2】
請求項1記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記遠隔操作部は、外部機器からの信号の入力を受け付ける外部入力受付部、及び/又は、ユーザが操作可能な操作部を有し、前記外部機器からの信号の入力又は前記ユーザによる前記操作部の操作に基づき、前記指示信号を生成して前記電磁弁制御部に送信することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記電磁弁は、第1ソレノイド及び第2ソレノイドを有し、
前記遠隔操作部は、前記第1ソレノイドへの通電を指示するパルス状の第1指示信号を前記電磁弁制御部に送信し、一方で、前記第2ソレノイドへの通電を指示するパルス状の第2指示信号を前記電磁弁制御部に送信し、
前記電磁弁制御部は、
前記制御対象の近傍で、前記電磁弁と有線により接続され、
前記第1指示信号を受信した場合、受信した前記第1指示信号に基づいてパルス状の第1駆動信号を生成し、生成した前記第1駆動信号を前記第1ソレノイドに供給し、
一方で、前記第2指示信号を受信した場合、受信した前記第2指示信号に基づいてパルス状の第2駆動信号を生成し、生成した前記第2駆動信号を前記第2ソレノイドに供給することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記遠隔操作部と前記電磁弁制御部とは、前記無線による双方向通信が可能であり、
前記遠隔操作部は、少なくとも前記指示信号を前記無線で前記電磁弁制御部に送信し、
前記電磁弁制御部は、少なくとも前記電磁弁制御部の状態を前記無線で前記遠隔操作部に送信することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。
【請求項5】
請求項記載の電磁弁の遠隔操作装置において、
前記遠隔操作部及び前記電磁弁制御部のうち、少なくとも一方は、表示部を有し、
前記表示部は、前記遠隔操作部及び/又は前記電磁弁制御部の状態を表示することを特徴とする電磁弁の遠隔操作装置。