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特開2020-159816ハイパースペクトル撮像装置及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-159816(P2020-159816A)
(43)【公開日】2020年10月1日
(54)【発明の名称】ハイパースペクトル撮像装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/18 20060101AFI20200904BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20200904BHJP
   G03B 15/16 20060101ALI20200904BHJP
   G01J 3/46 20060101ALI20200904BHJP
【FI】
   G01J3/18
   G01J3/36
   G03B15/16 A
   G01J3/46 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-58256(P2019-58256)
(22)【出願日】2019年3月26日
(11)【特許番号】特許第6554247号(P6554247)
(45)【特許公報発行日】2019年7月31日
(71)【出願人】
【識別番号】519107308
【氏名又は名称】株式会社クリアテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】荒井 雅也
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020CC02
2G020CC42
2G020CC52
2G020CC55
2G020CC63
2G020CD03
2G020CD24
(57)【要約】
【課題】 波長領域ごとの2次元空間で表される高品質な画像を生成できるハイパースペクトル撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 光学系11及びセンサ13を基軸部41に固定して吊り下げ、これらをモータ47からの駆動力によって一体となって上下移動しながら撮像を行う。画像生成部19は、光学系駆動部15によるスリット31aのY方向の移動に応じたY方向の複数の位置において、センサ13が生成した電気信号に基づいて、2次元画像を前記波長領域毎に生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光をハイパースペクトルで規定された複数の波長領域に分光する光学手段と、
前記吊り下げ手段で固定された前記光学手段によって分光された光を前記複数の波長領域毎に受光して受光結果に応じた電気信号を生成するセンサと、
前記光学手段及び前記センサを吊り下げて固定する吊り下げ手段と、
吊り下げ手段の移動を駆動する駆動手段と、
前記吊り下げ手段が前記駆動手段によって移動された複数の位置において前記センサが生成した電気信号に基づいて、2次元画像を前記波長領域毎に生成する画像生成手段と、
を有するハイパースペクトル画像生成装置。
【請求項2】
前記光学手段は、
前記被写体からの光を線状の光として透過させるスリットを備えたスリット手段と、
前記スリットを透過した光を複数の波長領域に分光する回折格子と、
前記回折格子から入射した光を前記センサに向けて結像するレンズと
を有する請求項1に記載のハイパースペクトル画像生成装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記回折格子が前記光を分光する方向に、前記光学手段及び前記センサを移動する
請求項2に記載のハイパースペクトル画像生成装置。
【請求項4】
前記回折格子は、前記スリット手段に固定されており、
前記回折格子、前記レンズ及び前記センサが所定の基軸部に吊り下げられており、
前記駆動手段は、前記基軸部を上下に移動する
請求項2又は請求項3に記載のハイパースペクトル画像生成装置。
【請求項5】
前記画像生成手段は、前記センサが生成した前記電気信号に基づいて前記波長領域ごとの光の強度を算出し、前記スリットの移動に応じて一つの2次元画像を前記波長領域ごとに生成する
請求項2〜4のいずれかに記載のハイパースペクトル画像生成装置。
【請求項6】
前記吊り下げ手段は、前記駆動手段からの回転駆動力を前記基軸部の上下駆動力に変換する伝達するスクリュー歯車
を有する請求項4に記載のハイパースペクトル画像生成装置。
【請求項7】
被写体からの光をハイパースペクトルで規定された複数の波長領域に分光する光学手段と、前記光学手段によって分光された光を前記複数の波長領域毎に受光して受光結果に応じた電気信号を生成するセンサとを吊り下げ手段で吊り下げた状態で上下移動する第1の工程と、
前記第1の工程で前記光学手段及び前記センサを上下移動する過程で、上下方向の複数の位置において前記センサが生成した電気信号に基づいて、2次元画像を前記波長領域毎に生成する第2の工程と
を有するハイパースペクトル画像生成方法。
【請求項8】
前記光学手段は、
前記被写体からの光を線状の光として透過させるスリットを備えたスリット手段と、
前記スリットを透過した光を複数の波長領域に分光する回折格子と、
前記回折格子から入射した光を前記センサに向けて結像するレンズと
を有し、
前記第1の工程は、前記回折格子が前記光を分光する方向に、前記光学手段及び前記センサを移動する
請求項7に記載のハイパースペクトル画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイパースペクトル撮像装置及びハイパースペクトル撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイパースペクトルカメラは、被写体からの光をハイパースペクトルで定義される複数の波長領域に分光して、波長領域ごとの画像を取得する撮像装置である。ハイパースペクトルセンサーは、衛星及び航空機に搭載されて農業分野、環境分野などに使用されている。
【0003】
ハイパースペクトル技術によれば、従来の色の概念をスペクトル領域に拡張でき、人間の目には見えない現象を可視化することができる。特許文献1では、ハイパースペクトル技術を内視鏡システムに応用した技術が開示されている。
ハイパースペクトルカメラによって取得される画像を使用できる技術分野は、上述した分野に限定されない。例えば、移動する物体や、形状が時間と共に変化する物体などを被写体として撮影し、ハイパースペクトル技術を用いてこれらの物体を計測することで従来にない物体認識や特性解析が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−89895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のハイパースペクトルカメラは、波長領域ごとの2次元空間で表される画像を取得できるが、電子的にスリットの位置が上下に動くため、入ってきた光が中間レンズの中心からずれ入射し、結像が歪むという問題がある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされ、波長領域ごとの2次元空間で表される高品質な画像を生成できるハイパースペクトル撮像装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明のハイパースペクトル画像生成装置は、被写体からの光をハイパースペクトルで規定された複数の波長領域に分光する光学手段と、前記吊り下げ手段で固定された前記光学手段によって分光された光を前記複数の波長領域毎に受光して受光結果に応じた電気信号を生成するセンサと、前記光学手段及び前記センサを吊り下げて固定する吊り下げ手段と、吊り下げ手段の移動を駆動する駆動手段と、前記吊り下げ手段が前記駆動手段によって移動された複数の位置において前記センサが生成した電気信号に基づいて、2次元画像を前記波長領域毎に生成する画像生成手段と、を有する。
【0008】
この構成によれば、吊り下げ手段により、前記光学手段及び前記センサを吊り下げて固定するため、これらを下から支持する場合に比べて、重力による位置ずれが生じにくく高精度な撮像が可能になる。また、このような吊り下げ構造にすることで、上方から見やすくなり、容易に手を入れられるため、完成した状態で常に容易に手作業による調整ができる。
【0009】
好適には、前記光学手段は、前記被写体からの光を線状の光として透過させるスリットを備えたスリット手段と、前記スリットを透過した光を複数の波長領域に分光する回折格子と、前記回折格子から入射した光を前記センサに向けて結像するレンズとを有する。
【0010】
好適には、前記駆動手段は、前記回折格子が前記光を分光する方向に、前記光学手段及び前記センサを移動する。
【0011】
好適には、前記回折格子は、前記スリット手段に固定されており、前記回折格子、前記レンズ及び前記センサが所定の基軸部に吊り下げられており、前記駆動手段は、前記基軸部を上下に移動する。
【0012】
好適には、前記画像生成手段は、前記センサが生成した前記電気信号に基づいて前記波長領域ごとの光の強度を算出し、前記スリットの移動に応じて一つの2次元画像を前記波長領域ごとに生成する。
【0013】
好適には、前記吊り下げ手段は、前記駆動手段からの回転駆動力を前記基軸部の上下駆動力に変換する伝達するスクリュー歯車を有する。
【0014】
本発明のハイパースペクトル画像生成方法は、被写体からの光をハイパースペクトルで規定された複数の波長領域に分光する光学手段と、前記光学手段によって分光された光を前記複数の波長領域毎に受光して受光結果に応じた電気信号を生成するセンサとを吊り下げ手段で吊り下げた状態で上下移動する第1の工程と、前記第1の工程で前記光学手段及び前記センサを上下移動する過程で、上下方向の複数の位置において前記センサが生成した電気信号に基づいて、2次元画像を前記波長領域毎に生成する第2の工程とを有する。
【0015】
好適には、前記光学手段は、前記被写体からの光を線状の光として透過させるスリットを備えたスリット手段と、前記スリットを透過した光を複数の波長領域に分光する回折格子と、前記回折格子から入射した光を前記センサに向けて結像するレンズとを有し、前記第1の工程は、前記回折格子が前記光を分光する方向に、前記光学手段及び前記センサを移動する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、波長領域ごとの2次元空間で表される高品質な画像を生成できるハイパースペクトル撮像装置及びその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係わるハイパースペクトル画像生成装置について説明するための図であり、スリットが中央に位置する場合の図である。
図2図2は、スリットが中央から上方に位置する場合の図である。
図3図3は、スリットの形状を説明するための図である。
図4図4は、スリットの移動を説明するための図である。
図5図5は、スリットの移動を説明するための図である。
図6図6は、スリットの移動を説明するための図である。
図7図7は、スリットの移動を説明するための図である。
図8図8は、スリットの移動を説明するための図である。
図9図9は、ハイパースペクトル画像生成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係わるハイパースペクトル画像生成装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わるハイパースペクトル画像生成装置1について説明するための図であり、スリット31aが中央に位置する場合の図である。
図2は、スリット31aが中央から上方に位置する場合の図である。
【0019】
図1に示すように、ハイパースペクトル画像生成装置1は、例えば、対物レンズ9、光学系11、センサ13、光学系駆動部15、画像生成部19を有する。
【0020】
対物レンズ9は、被写体からの光が入射され、入射された光を光学系11に照射する。対物レンズ9は、図示しないフォーカス駆動部によって駆動される。
フォーカス駆動部は、例えばアクチュエータであり、対物レンズ9を駆動させる。フォーカス駆動部は、光学系11によって分光された光のうち0次回折光がセンサ13の撮像素子面上で合焦しているかを判断し、撮像素子上で合焦するように対物レンズ9を駆動させる。なお、対物レンズ9のフォーカス合わせを手動で行ってもよい。
【0021】
光学系11は、例えば、スリット部31、回折格子33及びレンズ35を有する。
スリット部31は、被写体からの光を図3に示すようにX方向(第1の方向)に延びる線状の光として透過して回折格子33に入射させるスリット31aを備えている。
スリット31aは、微細な幅を有する開口が設けられており、対物レンズ9を通過した光を絞って、回折格子33に絞られた光を照射する。スリット31aは、一の方向(X軸方向)に平行なラインの光を回折格子33に照射させることができる。
【0022】
回折格子33は、スリット部31aを透過した光を複数の波長領域にY方向に分光してレンズ35に入射させる。
回折格子33は、例えば多数の溝が平行に等間隔で形成された基板であり、スリット部31aを通過したX軸方向に平行なラインの光を複数の波長領域に分光する。回折格子33は、例えば、透過型回折格子を用いることができる。なお、回折格子は、機械刻線回折格子やホログラフィック回折格子などの反射型回折格子を用いてもよい。
回折格子33は、スリット部31に固定されている。
【0023】
レンズ35は、回折格子33で分光された光が入射される。レンズ35は、分光された光をセンサ13に照射し、センサ13の撮像面に被写体からの分光された光を結像させる。
【0024】
センサ13は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOSのイメージセンサであり、レンズ35を通過し撮像面に結像された光を光電変換によって電気信号に変換する。センサ13は、生成された電気信号を画像生成部19に出力する。
【0025】
光学系駆動部15は、基軸部41、上下移動部43a,43b及びスクリュー歯車45を有する。
【0026】
基軸部41は、スリット部31、レンズ35、センサ13を吊り下げている。具体的には、基軸部41の下方にスリット部31、レンズ35、センサ13を固定されている。
上下移動部43a,43bは、基軸部41上下移動可能に保持している。
スクリュー歯車45は、モータ47からの回転駆動力を上下移動部43a,43bの上下移動駆動力として伝達する。スクリュー歯車45を用いることで、モータ47の振動とY方向の移動誤差を滑らかすることができる。
ドライバ49は、モータ47の駆動を制御する。
【0027】
ドライバ49からの駆動により、光学系11及びセンサ13は、対物レンズ9からの光の入射方向に対して垂直方向、かつスリット31aの開口方向であるX軸方向に対して垂直方向(Y軸方向:分光方向)に移動される光学系11及びセンサ13を移動させ、X軸に平行なラインをY軸方向に移動させることで被写体を2次元的に走査することができる。
【0028】
図4図8は、光学系駆動部15による光学系11の移動を説明するための図である。
図4図8に示すように、光学系駆動部15は、モータ47からの駆動力によって基軸部41をY方向(上下方向)に移動し、これによりスリット31aの位置をY方向に移動する。例えば、図2に示すようにY方向の上方に移動する
【0029】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、光学系11及びセンサ13を基軸部41に固定して吊り下げ、これらをモータ47からの駆動力によって一体となって上下移動しながら撮像を行う。
このように光学系11及びセンサ13を上から吊り下げて保持することで、下から支持する場合に比べて、重力による位置ずれが生じにくく高精度な撮像が可能になる。
また、光学系及びセンサを下から支持する構造だと、裏返して組立・調整したり最終調整のときには下に隠れて手が入らないので勘でやる必要がある。本実施形態のように吊り下げ構造にすることで、上方から見やすくなり、容易に手を入れられるため、完成した状態で常に容易に手作業による調整ができる。
【0030】
画像生成部19は、光学系駆動部15による図4図8に示すスリット31aのY方向の移動に応じたY方向の複数の位置において、センサ13が生成した電気信号に基づいて、2次元画像を前記波長領域毎に生成する
画像生成部19は、センサ13が出力した電気信号に基づいて、被写体からの光の成分分析、光の強度などの物理量の2次元平面における分布の算出などを行う。
画像生成部19は、センサ13で生成された電気信号を受信し、ハイパースペクトルデータ(HSD)としてHSD記録部に被写体のスペクトルデータを記録させる。
【0031】
HSD記録部は、被写体のスペクトルデータをHSDとして記録する。HSDは、例えば、640×800ピクセルの画像領域を有しており、それぞれのピクセルごとに複数のバンド(波長領域)のスペクトル情報が含まれている。即ち、各ピクセルは(x,y,λ)の3次元のデータセットを有する。ここで、x、yは画像平面の位置を表し、λは波長を表す。そして、ピクセルごとのスペクトル情報は、個々に読み出しが可能である。
【0032】
画像生成部19は、センサ13から出力された電気信号に基づいて各ピクセルの画像平面の位置(x,y)を算出する。また、画像生成部19は、ピクセルの画像平面の位置(x,y)と、波長λとの対応付けを行う。
【0033】
画像生成部19は、各ピクセルの(x,y,λ)の3次元のデータセットに基づいて、複数の波長領域ごとに画像平面上の物理量の分布を算出する。
【0034】
画像生成部19は、上記算出された結果を視覚的に表示することができる。画像生成部19は、複数の波長領域ごとに画像平面上の物理量(光の強度)の分布などを表示することができる。
【0035】
図9は、ハイパースペクトル画像生成装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0036】
ステップST1:
特定の撮影対象の映像が、対物レンズ9から取り込まれ、スリット部31に照射される。
【0037】
ステップST2:
ドライバ49からの制御により、上下移動部43a,43bが駆動され、基軸部41が図4図8に示すように、最下位置から最上位置までY方向に移動を開始する。
このとき、基軸部41と一体となってスリット部31、回折格子33、レンズ35及びセンサ13が移動する。
【0038】
ステップST3:
Y方向における各位置において、スリット31aを透過したライン(X軸方向)の光が回折格子33において波長方向に分光され、レンズ35を透過してセンサ13に入光する。撮像素子120は。Y方向の所定の位置のラインの分光された光を受光し、その光から生成された電気信号を画像生成部19に出力する。
【0039】
ステップST4:
画像生成部19は、スリット31aのY方向の所定の各位置でのX軸方向位置xと波長領域の値λとを対応付けて記録する。当該記録が、各位置において繰り返される。スリットの所定位置がY=y1〜ynまでのX軸方向位置xと波長領域の値をデータセットとして蓄積していく。
【0040】
画像生成部19は、蓄積されたハイパースペクトルデータを用いることで、各λに対応する(x,y)画像を再構成することができる。
【0041】
以上説明したように、ハイパースペクトル画像生成装置1によれば、光学系11及びセンサ13が一体となってY方向(分光方向)に移動するため、スリット31aから回折格子33を透過した光をレンズ35の中心に入光させることができ、センサ13への結像が歪むことはない。そのため、歪みがない高精度な画像を得ることができる。
【0042】
また、ハイパースペクトル画像生成装置1では、図1及び図2に示すように、光学系11及びセンサ13を基軸部41に固定して吊り下げ、これらをモータ47からの駆動力によって一体となって上下移動しながら撮像を行う。
このように光学系11及びセンサ13を上から吊り下げて保持することで、下から支持する場合に比べて、重力による位置ずれが生じにくく高精度な撮像が可能になる。また、このような吊り下げ構造にすることで、上方から見やすくなり、容易に手を入れられるため、完成した状態で常に容易に手作業による調整ができる。
【0043】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態では、上下移動部43a,43b及びスクリュー歯車45により、光学系11及びセンサ13を上下移動する場合を例示したが、それ以外の機構で上下移動するようにしてもよい。
また、画像生成部19による画像生成方法は前述したものに限定されない。
【0044】
また、上述した実施形態では、スリット部31、レンズ35及びセンサ13を同じあ41に固定した場合を例示したが、異なる部材に固定して吊り下げてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ハイパースペクトル撮像システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…ハイパースペクトル画像生成装置
9…対物レンズ
11…光学系
13…センサ
19…画像生成部
31…スリット部
31a…スリット
33…回折格子
35…レンズ
43a,43b…上下移動部
45…スクリュー歯車
47…モータ
49…ドライバ


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9