【解決手段】実施形態の一態様に係る車両制御装置においては、取得部と、車両制御部とを備える。取得部は、車両の位置を示す位置情報と、災害の発生に関する災害情報とを取得する。車両制御部は、取得部によって取得された位置情報および災害情報に基づいて、車両を乗員が非乗車の状態で自動運転制御する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する車両制御装置および車両制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
<1.車両制御装置による車両制御方法の概要>
以下では先ず、実施形態に係る車両制御方法の概要について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る車両制御方法の概要を示す図である。
【0011】
実施形態に係る車両制御方法は、例えば車両制御装置110によって実行される。具体的に説明すると、
図1に示すように、車両制御装置110は、車両Cに搭載される。車両Cは、例えば、ユーザを含む運転者の運転操作を要しない自動運転走行が可能な自動車である。また、車両Cは、乗員が非乗車の状態、すなわち、乗員が乗っていない状態でも自動運転走行が可能な自動車である。なお、
図1の例では、車両Cは、乗員が乗っていない状態であり、駐車場Aに駐車されているものとする。
【0012】
車両制御装置110は、まず、車両Cの位置を示す位置情報と、災害の発生に関する災害情報とを取得する(ステップS1)。災害情報には、例えば、災害の種類、災害の規模、災害の発生が予測される災害予測エリアなどを示す情報が含まれる。
【0013】
続いて、車両制御装置110は、位置情報および災害情報に基づいて、車両Cが災害予測エリアに存在するか否かを判定する(ステップS2)。言い換えると、車両制御装置110は、車両Cが災害の影響により避難すべき場所に存在するか否かを判定する。
【0014】
車両制御装置110は、車両Cが災害予測エリアに存在しないと判定された場合、そのまま処理を終了して駐車を継続する。一方、車両制御装置110は、車両Cが災害予測エリアに存在すると判定された場合、車両Cの避難動作を実行する。
【0015】
具体的には、車両制御装置110は、一点鎖線の車両Cで示すように、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御し、避難元である駐車場Aから避難先Bへ移動させる(ステップS3)。そして、車両Cは、二点鎖線で示すように、避難先Bに到着し(ステップS4)、避難動作が完了する。
【0016】
このように、本実施形態に係る車両制御装置110にあっては、位置情報および災害情報に基づいて、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御するようにした。これにより、例えば、車両Cは避難先Bに避難することが可能になり、よって災害発生時に車両Cなどの物的な被害を軽減させることができる。
【0017】
<2.車両制御システムの構成>
次に、実施形態に係る車両制御装置110を含む車両制御システム1の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、車両制御システム1の構成例を示すブロック図である。なお、
図2などのブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0018】
換言すれば、
図2などのブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0019】
図2に示すように、車両制御システム1は、車載装置100と、端末装置200と、外部サーバ300とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0020】
車載装置100は、車両Cに搭載される装置であり、上記した車両制御装置110を含む。なお、車載装置100については、
図3を参照して後に詳しく説明する。
【0021】
端末装置200は、例えば、ユーザが利用する端末である。なお、端末装置200としては、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどを用いることができるが、これに限られない。
【0022】
例えば、端末装置200は、車載装置100の車両制御装置110(
図1参照)から各種の通知を受信することができる。例えば、端末装置200は、車両Cが災害予測エリアに存在する旨の通知を受信することができ、また、かかる通知に対して車両Cの避難動作を要求する通知をユーザの操作に応じて車両制御装置110(
図1参照)へ出力することができる。
【0023】
また、例えば、端末装置200は、車両Cの避難動作の準備が完了した旨の通知や、災害情報がなくなって、車両Cを避難前の場所に戻すか否かを問い合わせる通知などを受信することができ、また、かかる通知に対して車両Cの移動を許可する旨をユーザの操作に応じて車両制御装置110(
図1参照)へ通知することができる。また、例えば、端末装置200は、車両Cを避難前の場所に戻した旨の通知を車両制御装置110から受信することもできる。
【0024】
外部サーバ300は、災害の発生に関する災害情報や、収集された災害時の道路状況を示す道路情報などを提供するサーバである。なお、災害時の道路状況を示す道路情報は、例えば、道路の通行止めや渋滞、水没など道路の状況に関する種々の情報を含む。また、外部サーバ300は、かかる道路情報を、車載装置100から収集することができる。これにより、外部サーバ300は、道路情報を現在の道路状況に即した内容に更新することが可能になる。
【0025】
次いで、上記した車載装置100の構成について具体的に説明する。
【0026】
<3.車載装置の構成>
図3は、車載装置100の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、車載装置100は、通信部101と、車載センサ群102と、車載機器群103と、車両制御装置110と、駆動源制御装置141と、ブレーキ制御装置142と、操舵機構制御装置143とを備える。
【0027】
通信部101は、ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、端末装置200や外部サーバ300等との間で情報の送受信を行う。
【0028】
車載センサ群102には、例えば、車両C(
図1参照)の走行制御に必要な情報を検出する各種のセンサが含まれる。例えば、車載センサ群102には、車速を検出する車速センサ、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ、ブレーキ操作量を検出するブレーキセンサ、ハンドルの操舵角を検出する操舵角センサなどが含まれる。
【0029】
また、車載センサ群102には、車両Cの自動運転に必要な情報を検出する各種の機器も含まれる。例えば、車載センサ群102には、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号に基づいて自車の現在地を検出するGPS受信機、自車の周囲に存在する他車両や道路状況などを撮像することができるカメラ、周辺に電磁波を放射して得られた反射波から周囲に存在する他車両までの距離や方向を測定するレーダ、ガソリンやバッテリなど駆動用エネルギの残量を検出する残量センサなどが含まれてもよい。
【0030】
上記した車載センサ群102は、得られた車速や自車位置などを示す情報を車両制御装置110へ出力する。
【0031】
車載機器群103は、例えば、車両Cに搭載される各種の機器を含む。例えば、車載機器群103には、空調機器、エアバッグ、ヘッドライト、ウィンカーライト、ナビゲーション装置、オーディオ装置などが含まれるが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0032】
駆動源制御装置141は車両Cのエンジンや電動モータなどの駆動源を制御する装置、ブレーキ制御装置142は車両Cのブレーキを制御する装置、操舵機構制御装置143は車両Cを操舵する操舵機構を制御する装置である。
【0033】
車両制御装置110は、制御部120と、記憶部130とを備える。制御部120は、取得部121と、車両制御部122と、送信部123とを備え、CPU(Central Processing Unit)などを有するマイクロコンピュータである。
【0034】
また、記憶部130は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、車両位置情報131と、車載機器情報132と、道路情報133とを記憶する。
【0035】
ここで、車両位置情報131について
図4を参照して説明する。
図4は、車両位置情報131の一例を示す図である。
【0036】
図4に示すように、車両位置情報131には、「位置ID」、「避難先の位置情報」および「避難元の位置情報」のそれぞれの情報等が含まれ、これらの情報は互いに関連付けられている。
【0037】
「位置ID」は、車両位置情報を識別する識別情報である。「避難先の位置情報」は、車両Cの避難先の位置情報である。なお、
図3に示す例では、便宜上、「避難先の位置情報」を「位置D11」といったように抽象的な記載とするが、「位置D11」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0038】
「避難元の位置情報」は、車両Cの避難元の位置情報である。上記した避難先の位置情報や避難元の位置情報は、車両Cの避難動作を行う際の経路検索などに利用される。なお、避難先については、車載装置100で設定されてもよいし、ユーザによって設定されてもよいし、外部サーバ300から提供される災害情報を用いて設定されてもよい。
【0039】
図4に示す例において、位置ID「C01」で識別されるデータは、避難先の位置情報が「位置D11」、避難元の位置情報が「位置E11」であることを示している。
【0040】
次に、車載機器情報132について
図5を参照して説明する。
図5は、車載機器情報132の一例を示す図である。なお、車載機器情報132は、例えば、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御する際の、各車載機器の作動に関する情報である。
【0041】
図5に示すように、車載機器情報132には、「機器ID」、「機器名」および「作動内容」のそれぞれの情報等が含まれ、これらの情報は互いに関連付けられている。
【0042】
「機器ID」は、車載機器を識別する識別情報である。「機器名」は、車載機器の名称を示す情報である。「作動内容」は、乗員が非乗車の状態で自動運転制御する際の車載機器の作動内容を示す情報である。すなわち、本実施形態にあっては、乗員が乗っていない状態での自動運転が行われる場合があることから、かかる状況に即した車載機器の作動内容が設定される。
【0043】
図5に示す例において、機器ID「G01」で識別されるデータは、機器名が「空調装置」、作動内容が「作動禁止」であることを示している。また、機器ID「G02」で識別されるデータは、機器名が「エアバッグ」、作動内容が「作動禁止」であることを示している。すなわち、車両Cには、乗員が乗っていないことから、これら空調機器やエアバッグの作動が禁止される例を示している。
【0044】
また、
図5に示す例において、機器ID「G03」で識別されるデータは、機器名が「ヘッドライト」、作動内容が「点滅」であることを示している。すなわち、ヘッドライトを点滅させることで、乗員が非乗車の状態であることを周囲に報知する例を示している。なお、上記では、乗員が非乗車の状態で自動運転制御する際の車載機器の作動内容を具体的に示したが、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0045】
次に、道路情報133について
図6を参照して説明する。
図6は、道路情報133の一例を示す図である。
【0046】
図6に示すように、道路情報133には、「道路ID」、「道路の状況」および「道路の場所」のそれぞれの情報等が含まれ、これらの情報は互いに関連付けられている。
【0047】
「道路ID」は、道路情報を識別する識別情報である。「道路の状況」は、例えば災害時の道路状況を示す情報である。なお、道路状況を示す情報は、例えばカメラによって撮像された画像を解析することで得られる情報であるが、これに限定されるものではない。「道路の場所」は、上記した道路の状況が検出された道路の位置情報である。
【0048】
図6に示す例において、道路ID「J01」で識別されるデータは、道路の状況が「通行止め」、道路の場所が「位置K1」であることを示している。
【0049】
図3の説明に戻ると、制御部120の取得部121は、車載センサ群102から出力される各センサ信号を取得して、車両制御部122へ出力する。例えば、取得部121は、車載センサ群102のGPS受信機から出力される信号から車両Cの位置(自車位置)を示す位置情報を取得する。
【0050】
また、例えば、取得部121は、災害の発生に関する災害情報を外部サーバ300(
図2参照)から取得する。取得部121は、取得された各種の情報を車両制御部122へ出力したり、記憶部130に記憶させたりすることができる。
【0051】
また、取得部121は、後述する車両制御部122によって車両Cが災害予測エリアに存在すると判定された場合、位置情報および災害情報の取得頻度を車両Cが災害予測エリアに存在すると判定される前より増加させる。
【0052】
このように、本実施形態にあっては、位置情報および災害情報の取得頻度を増加させることで、将来行う可能性のある避難動作について適切に備えることができる。
【0053】
なお、上記では、取得部121は、位置情報および災害情報の取得頻度を増加させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、位置情報および災害情報のいずれか一方の取得頻度を増加させるようにしてもよい。
【0054】
車両制御部122は、車両Cの運転制御を行う。詳しくは、車両制御部122は、例えばユーザなどの運転者からアクセルやブレーキ、ハンドル(いずれも不図示)に対して手動操作がなされると、車載センサ群102のアクセルセンサやブレーキセンサ、操舵角センサから出力される各種の情報が取得部121を介して入力される。車両制御部122は、かかる情報に基づいて駆動源制御装置141、ブレーキ制御装置142および操舵機構制御装置143を制御して、車両Cの手動運転制御を行う。
【0055】
また、車両制御部122は、車両Cの自動運転制御を行うことができる。例えば、車両制御部122は、車載センサ群102から出力されるGPSの情報やカメラの情報、レーダの情報等に基づき、駆動源制御装置141等を制御し、自動運転制御を実行する。
【0056】
また、車両制御部122は、位置情報および災害情報に基づいて、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御することができる。これにより、災害発生時に車両Cなどの物的な被害を軽減させることができる。
【0057】
詳しくは、例えば、車両制御部122は、位置情報および災害情報に基づいて車両Cが災害の発生が予測される災害予測エリアに存在するか否かを判定する。そして、車両制御部122は、車両Cが災害予測エリアに存在すると判定された場合、例えば避難先まで車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御する。これにより、災害発生時に車両Cなどの物的な被害を効果的に軽減させることができる。
【0058】
また、車両制御部122は、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御する場合、車載機器群103の少なくとも一部について作動を禁止する。例えば、車両制御部122は、乗員が非乗車の状態での自動運転において不要な車載機器の作動を禁止する。
【0059】
具体的には、車両制御部122は、車載機器情報132(
図5参照)にアクセスし、空調機器やエアバッグの作動を禁止する。これにより、例えば車両Cにおける消費電力を抑制することが可能になる。
【0060】
また、車両制御部122は、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御する場合、車載機器群103の少なくとも一部を乗員が非乗車の状態であることを周囲に報知するように作動させる。
【0061】
例えば、車両制御部122は、車載機器情報132(
図5参照)にアクセスし、ヘッドライトを点滅させる。これにより、例えば乗員が非乗車の状態であることを周囲(例えば、周囲に存在する他車両や歩行者など)に報知することができ、結果として避難動作を安全に行うことが可能になる。
【0062】
ここで、例えば、災害情報に基づいて車両Cを避難先へ避難させた後、災害情報がなくなるような場合、ユーザは避難先へ避難させた車両Cを元の場所(すなわち避難元)に戻すことを所望することがある。
【0063】
そこで、本実施形態に係る車両制御部122にあっては、車両Cを自動運転制御して避難先(所定の位置の一例)まで移動させた後に、災害情報が取得されなくなった場合、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御して移動前の位置(すなわち避難元)まで戻すことができるようにした。
【0064】
これにより、本実施形態にあっては、車両などの物的な被害を軽減させつつ、ユーザは、車両Cを避難先まで取りに行くことなく、災害前と同じように車両Cを使用することが可能になり、利便性を向上させることができる。
【0065】
送信部123は、各種の情報等を端末装置200や外部サーバ300へ送信することができる。例えば、送信部123は、車両Cが災害予測エリアに存在する旨の通知など各種の通知を端末装置200へ送信することができる。
【0066】
<4.実施形態に係る車両制御装置の制御処理>
次に、車両制御装置110における具体的な処理手順について
図7を用いて説明する。
図7は、車両制御装置110が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
図7に示すように、車両制御装置110の車両制御部122は、災害情報があるか否か、詳しくは、災害情報が取得部121によって取得されたか否かを判定する(ステップS10)。車両制御部122は、災害情報がないと判定された場合(ステップS10,No)、以降の処理をスキップする。
【0068】
一方、車両制御部122は、災害情報があると判定された場合(ステップS10,Yes)、車両Cの位置情報を取得部121を介して取得する(ステップS11)。次いで、車両制御部122は、車両Cが災害予測エリアに存在するか否かを判定する(ステップS12)。車両制御部122は、車両Cが災害予測エリアに存在しない、すなわち災害予測エリア外であると判定された場合(ステップS12,No)、以降の処理をスキップする。
【0069】
他方、車両制御部122は、車両Cが災害予測エリアに存在する、すなわち災害予測エリア内であると判定された場合(ステップS12,Yes)、車両Cが災害予測エリアに存在する旨の通知をユーザに対して行う(ステップS13)。正確には、車両制御部122は、車両Cが災害予測エリアに存在する旨の通知を端末装置200へ送信する。
【0070】
続いて、車両制御部122は、ユーザの端末装置200に対する操作によって車両Cの避難動作の要求があったか否かを判定する(ステップS14)。車両制御部122は、車両Cの避難動作の要求がないと判定された場合(ステップS14,No)、以降の処理をスキップする。
【0071】
一方、車両制御部122は、車両Cの避難動作の要求があると判定された場合(ステップS14,Yes)、避難準備モードへ移行する。避難準備モードでは、車両Cの避難動作の準備を行う。
【0072】
例えば、避難準備モードにおいて、取得部121は、位置情報および災害情報の取得頻度を車両Cが災害予測エリアに存在すると判定される前より増加させる。これにより、位置情報および災害情報について新しい情報を取得することが可能になり、避難動作に対する適切に準備を行うことができる。
【0073】
また、避難準備モードにおいて、車両制御部122は、車載センサ群102に含まれる残量センサからガソリンやバッテリなど駆動用エネルギの残量を検出し、避難動作における走行可能距離などを算出する。これにより、走行可能距離に応じた適切な避難経路で避難動作を行うことが可能になる。
【0074】
避難準備モードにおいて、車両制御部122は、避難動作の準備が完了すると、避難動作の準備が完了した旨の通知をユーザに対して行う、正確には、当該通知を端末装置200へ送信する。
【0075】
続いて、車両制御部122は、ユーザの端末装置200に対する操作によって車両Cの移動を許可する旨の通知があったか否かを判定する(ステップS16)。車両制御部122は、移動を許可する旨の通知がないと判定された場合(ステップS16,No)、以降の処理をスキップする。
【0076】
他方、車両制御部122は、移動を許可する旨の通知があると判定された場合(ステップS16,Yes)、自動避難モードへ移行する(ステップS17)。自動避難モードでは、車両制御部122は、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御し、避難先へ移動させる。例えば、車両制御部122は、車両位置情報131にアクセスして取得される避難先の位置情報および避難元の位置情報や、上記で算出された走行可能距離などに基づいて避難先までの避難経路を算出し、算出された避難経路を走行するように、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御する。
【0077】
また、自動避難モードにおいて、車両制御部122は、車載機器群103の少なくとも一部(例えば空調機器)について作動を禁止したり、車載機器群103の少なくとも一部(例えばヘッドライト)を乗員が非乗車の状態であることを周囲に報知するように作動させたりする。
【0078】
また、自動避難モードにおいて、車両制御部122は、避難先への移動途中で得られた、災害時の道路状況を示す道路情報を外部サーバ300へ送信することができる。
【0079】
例えば、車両制御部122は、カメラによって撮像された画像や車両Cの位置情報、車両Cの移動距離、移動速度などを解析することで、通行止めや渋滞など道路状況を示す情報を生成して記憶部130に道路情報133として記憶しておく。そして、車両制御部122は、かかる道路情報133を所定のタイミングで外部サーバ300へ送信することができる。これにより、外部サーバ300(
図2参照)は、現在の道路状況に即した内容に更新された道路情報などを提供することが可能になる。
【0080】
図7の説明を続けると、次いで、車両制御部122は、避難先への移動の継続が可能か否かを判定する(ステップS18)。すなわち、災害時は、避難先への移動の途中で、道路が通行止めになったりして移動の継続ができない場合がある。従って、車両制御部122は、避難先への移動が通行止め等で継続できないと判定された場合(ステップS18,No)、リルートを実行して別の経路で避難動作を行う(ステップS19)。車両制御部122は、ステップS19の処理後、ステップS16へ戻る。詳しくは、車両制御部122は、移動の継続ができずに別の経路で移動することを提案する旨の通知をユーザの端末装置200に出力し、その通知に対して車両Cの移動を許可する旨の通知が端末装置200からあったか否かを判定するようにしている。
【0081】
一方、車両制御部122は、避難先への移動が継続できると判定された場合(ステップS18,Yes)、避難先に到着したか否かの判定を行う(ステップS20)。車両制御部122は、避難先に到着していないと判定された場合(ステップS20,No)、ステップS18へ戻る。
【0082】
他方、車両制御部122は、避難先に到着したと判定された場合(ステップS21,Yes)、災害情報があるか否か、詳しくは、災害情報が取得部121によって取得され続けているか否かを判定する(ステップS21)。車両制御部122は、災害情報があると判定される場合(ステップS21,Yes)、ステップS21の処理を繰り返す。
【0083】
一方、車両制御部122は、災害情報がないと判定される場合(ステップS21,No)、すなわち、取得部121によって災害情報が取得されなくなったと判定される場合、車両Cを避難前の場所に戻すか否かを問い合わせる通知を端末装置200へ送信し、その通知に対して避難前の場所への移動を許可する旨の通知が端末装置200からあったか否かを判定する(ステップS22)。
【0084】
車両制御部122は、移動を許可する旨の通知がないと判定された場合(ステップS22,No)、以降の処理をスキップする。他方、車両制御部122は、移動を許可する旨の通知があると判定された場合(ステップS22,Yes)、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御して移動前の位置(すなわち避難元)まで戻す(ステップS23)。なお、このときに車両制御部122は、車両Cを避難前の場所に戻した旨の通知を端末装置200へ出力してもよい。
【0085】
上述してきたように、実施形態に係る車両制御装置110は、取得部121と、車両制御部122とを備える。取得部121は、車両Cの位置を示す位置情報と、災害の発生に関する災害情報とを取得する。車両制御部122は、取得部121によって取得された位置情報および災害情報に基づいて、車両Cを乗員が非乗車の状態で自動運転制御する。これにより、災害発生時に車両Cなどの物的な被害を軽減させることができる。
【0086】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。