特開2020-162620(P2020-162620A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-162620吸引可能な媒体を発生させるためのカートリッジ、部品および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-162620(P2020-162620A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】吸引可能な媒体を発生させるためのカートリッジ、部品および方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/30 20200101AFI20200911BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20200911BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20200911BHJP
【FI】
   A24F40/30
   A24F40/42
   A24F47/00
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2020-109455(P2020-109455)
(22)【出願日】2020年6月25日
(62)【分割の表示】特願2017-545230(P2017-545230)の分割
【原出願日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】1503411.9
(32)【優先日】2015年2月27日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1504756.6
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】GB
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ターナー、ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ディケンズ、コリン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA07
4B162AA22
4B162AC06
4B162AC12
4B162AC17
4B162AC41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジを提供する。
【解決手段】カートリッジ800は液体802を保持するための容器801および固形材料804を収容するための受け部803を有する。シェル805が液体容器801の外側の周囲に設けられている。流路806が液体容器801とシェル805の間に画定されている。容器801を出た液体は、蒸気およびエアロゾルの内の少なくとも1つの形体で、流路806を通り、受け部803を通って使用の際、受け部803に収容された固形材料804を通過して流れることができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を保持するための容器と、
固形材料を収容するための受け部と、
液体容器の外側の周りにあるシェルと、
液体容器とシェルの間に画定された流路とを含む、吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジであって、使用の際に容器から出た液体が流路を介して受け部へ、そして使用の際に受け部によって収容された固形材料を介して少なくとも蒸気およびエアロゾルの少なくとも一方の形体で流れることができるように構成されているカートリッジ。
【請求項2】
カートリッジは液体容器とシェルの間に画定された単独の実質的に管状の流路を有することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
カートリッジは液体容器とシェルの間に画定された複数の流路を有することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
流路は液体容器とシェルの間に画定され、実質的に液体容器を囲む環状の流路であることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項5】
容器は円錐台状であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項6】
容器と関連する使用の際に容器内に保持された液体を揮発させるためのヒーターを含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項7】
使用の際に受け部によって収容される固形材料を加熱するための受け部と関連するヒーターを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項8】
容器は液体を容器から出せるようにする1つ以上の開口部を有することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項9】
使用の際に容器内に保持された液体を容器から吸い出す芯を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項10】
容器と受け部は一体部品として供されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項11】
容器と受け部は、互いに取り外し可能に接続された別個の部品として供されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項12】
受け部は使用の際に受け部内で固形材料を保持するための少なくとも1つの保持器を有することを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項13】
受け部は固形材料を含むことを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項14】
固形材料はタバコであるまたはタバコを含むことを特徴とする請求項13記載のカートリッジ。
【請求項15】
容器は液体を保持することを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項16】
カートリッジと吸引可能な媒体を発生させるための装置との組み合わせにおいて、カートリッジは請求項1乃至15いずれか1項記載のカートリッジであり、装置はバッテリーセクションおよびマウスピースを有し、カートリッジは装置に接続可能である組み合わせ。
【請求項17】
バッテリーセクションとマウスピースとを含む装置と、液体を含む容器、固形材料を収容するための受け部と液体容器の外側の周りにあるシェルとを含み、装置に接続されるカートリッジを使用して吸引可能な媒体を発生させる方法であって、
容器から引き込まれた液体を加熱して液体を気化させること、
気化させた液体を液体容器とシェルの間に画定された流路とカートリッジのシェルを介して固形材料を含む受け部内に送り、固形材料を通過させて固形材料からの少なくとも風味を同伴させること、
風味付けされたエアロゾルを装置のマウスピースを介して送ることを含む方法。
【請求項18】
固形材料を受けるための受け部であって、この受け部は吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するためのカートリッジを形成するために液体を保持するための容器に使用され、受け部はそれをその容器に接続できるようにするコネクターを有する受け部。
【請求項19】
コネクターは容器内にまたは容器の周囲で受けられる環状の端部壁の形体であることを特徴とする請求項18記載の受け部。
【請求項20】
受け部は使用の際に受け部内で固形材料を保持するための少なくとも1つの保持器を有することを特徴とする請求項18または19記載の受け部。
【請求項21】
受け部は固形材料を含むことを特徴とする請求項18乃至20いずれか1項記載の受け部。
【請求項22】
固形材料はタバコであるまたはタバコを含むことを特徴とする請求項21記載の受け部。
【請求項23】
液体を保持するための容器であって、この容器は吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジを形成するために固形材料を収容するための受け部に使用され、この容器は液体保持するための内方容器、液体容器の外側の周りにあるシェル、内方容器とシェルの間に画定された流路および容器を受け部に接続できるようにするコネクターを有する容器。
【請求項24】
コネクターは受け部に受けられるまたは受け部の周囲にある環状の端部壁の形体であることを特徴とする請求項23記載の容器。
【請求項25】
カートリッジは内方容器とシェルの間に画定された単独の実質的に管状の流路を有することを特徴とする請求項23または24記載の容器。
【請求項26】
カートリッジは内方容器とシェルの間に画定された複数の流路を有することを特徴とする請求項23または24記載の容器。
【請求項27】
流路は内方容器とシェルの間に画定され、実質的に内方容器を囲む環状の流路であることを特徴とする請求項23または24記載の容器。
【請求項28】
容器は円錐台状であることを特徴とする請求項23乃至27いずれか1項記載の容器。
【請求項29】
容器に液体を充填することと、
受け部に固形材料を充填することと、
使用の際に容器を出た液体が蒸気およびエアロゾルの少なくとも1つの形体で使用の際に受け部によって受けられる固形材料を介して流れるように容器と受け部を接続することとを含む、吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジの形成方法。
【請求項30】
受け部に固形材料を充填することは、固形材料のロッド物品を所望の長さに切断することと、切断された固形材料のロッドを容器と受け部を接続する前に受け部内に入れることとを含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
固形材料は透明な材料で包装されることを特徴とする請求項29または30記載の方法。
【請求項32】
固形材料はタバコであるまたはタバコを含むことを特徴とする請求項29乃至31いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジ、吸引媒体を発生させる方法、吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジの特定の部品およびカートリッジを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品は使用時にタバコを燃やし、煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創ることによってこれら喫煙品に代わるものが提供されている。そのような製品としてはその材料を燃焼させずに加熱によって化合物を放出する加熱装置が挙げられる。その材料は、例えばタバコまたは他の非タバコ製品であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。別の例としては、所謂電子タバコ装置と言われるものがある。これらの装置は、通常、加熱されると揮発して吸引可能な蒸気またはエアロゾルを製する液体を含む。液体はニコチンおよび/または風味料および/またはグリセリンなどのエアロゾル発生物質を含んでもよい。従来の電子タバコは、通常、タバコを含まないまたは使用しない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様では吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジが提供され、このカートリッジは、
液体を保持するための容器と、
固形材料を収容するための受け部と、
液体容器の外側の周りにあるシェルと、
液体容器とシェルの間に画定された流路とを含み、
カートリッジは、使用の際に容器から出た液体が流路を介して受け部へそして使用の際に受け部によって収容された固形材料を介して少なくとも蒸気およびエアロゾルの少なくとも一方の形体で流れることができるように構成されている。
【0004】
これにより吸引可能な媒体は、例えば使用の際に受け部に収容された材料由来の1つ以上の風味を得ることが可能になる。特定の用途では材料を通過する蒸気またはエアロゾルは、熱く、従って材料を加熱してそこから1つ以上の成分を蒸発または揮発させ、それら成分を吸引可能な媒体に取り込ませる。
【0005】
特定の非限定的な例として、材料はタバコであってもよく、またはタバコを含んでもよい。電子タバコ装置と言われるものの1つの特徴は、吸引可能な媒体の風味が、従来のタバコ製品の風味のものとは別物である、または少なくとも異なることがあるということである。本発明の実施態様の材料がタバコであるまたはタバコを含む場合、そのタバコを通過する蒸気またはエアロゾルがその材料からタバコ風味を捕捉する。
【0006】
ある実施態様ではカートリッジは液体容器とシェルの間に画定された単独の実質的に管状の流路を有する。
【0007】
ある実施態様ではカートリッジは液体容器とシェルの間に画定された複数の流路を有する。
【0008】
ある実施態様では流路は液体容器とシェルの間に画定され、実質的に液体容器を囲む環状の流路である。
【0009】
ある実施態様では容器は円錐台状である。
【0010】
ある実施態様ではカートリッジは、容器と関連する使用の際に容器内に保持された液体を揮発させるためのヒーターを含む。
【0011】
ある実施態様ではカートリッジは使用の際に受け部によって収容される固形材料を加熱するための受け部と関連するヒーターを含む。これにより材料をヒーターで加熱することができ、材料から化合物が放出されやすくなり、選択的に低い温度を加熱される液体に使用することが可能になる。
【0012】
ある実施態様では容器は液体を容器から出せるようにする1つ以上の開口部を有する。
【0013】
ある実施態様ではカートリッジは、使用の際に容器内に保持された液体を容器から吸い出す芯を含む。
【0014】
ある実施態様では容器と受け部は一体部品として供される。
【0015】
ある実施態様では容器と受け部は、互いに取り外し可能に接続された別個の部品として供される。
【0016】
ある実施態様では受け部は使用の際に受け部内で固形材料を保持するための少なくとも1つの保持器を有する。
【0017】
ある実施態様では少なくとも1つの保持器は蒸気またはエアロゾルが通過できる少なくとも1つの貫通孔を有する。
【0018】
ある実施態様では保持器はディスクである。
【0019】
ある実施態様では保持器は受け部の端部壁である。
【0020】
ある実施態様ではカートリッジは容器と受け部の間に壁を含み、この壁は蒸気またはエアロゾルが通過できる少なくとも1つの貫通孔を有する。
【0021】
ある実施態様では受け部はその内容物が見えるように透明の壁を有する。
【0022】
ある実施態様では受け部は固形材料を含む。
【0023】
ある実施態様では固形材料はタバコであるまたはタバコを含む。
【0024】
ある実施態様では固形材料は透明な材料で包装される。
【0025】
ある実施態様では容器は液体を保持する。ある実施態様では液体はニコチンを含む。ある実施態様では液体はグリセリンである、またはグリセリンを含む。ある実施態様では液体は風味剤である、または風味剤を含む。
【0026】
カートリッジと吸引可能な媒体を発生させるための装置を組み合わせて提供し、カートリッジは、上述したカートリッジであり、装置はバッテリーセクションとマウスピースを有し、カートリッジは装置に接続可能である。
【0027】
本発明の第2の態様ではバッテリーセクションとマウスピースとを含む装置と、液体を保持するための容器、固形材料を収容するための受け部と液体容器の外側の周りにあるシェルとを含み、装置に接続されるカートリッジを使用して吸引可能な媒体を発生させる方法が提供され、
この方法は、
容器から引き込まれた液体を加熱して液体を気化させること、
気化させた液体を液体容器とシェルの間に画定された流路とカートリッジのシェルを介して固形材料を含む受け部内に送り、固形材料を通過させて固形材料からの少なくとも風味を同伴させること、
風味付けされたエアロゾルを装置のマウスピースを介して送ることを含む。
【0028】
本発明の第3の態様では固形材料を受けるための受け部が提供され、この受け部は吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するためのカートリッジを形成するために液体を保持するための容器に使用され、受け部はそれをその容器に接続できるようにするコネクターを有する。
【0029】
ある実施態様ではコネクターは容器内にまたは容器の周囲で受けられる環状の端部壁の形体である。
【0030】
ある実施態様では受け部は使用の際に受け部内で固形材料を保持するための少なくとも1つの保持器を有する。
【0031】
ある実施態様では少なくとも1つの保持器は蒸気またはエアロゾルが通過できる少なくとも1つの貫通孔を有する。
【0032】
ある実施態様では保持器はディスクである。
【0033】
ある実施態様では保持器は受け部の端部壁である。
【0034】
ある実施態様では受け部は固形材料を含む。
【0035】
ある実施態様では固形材料はタバコであるまたはタバコを含む。タバコは、例えば、刻みタバコ、再構成タバコ、粉砕タバコなどであってもよく、異なる種類のタバコを含んでもよい。
【0036】
本発明の第4の態様では液体を保持するための容器が提供され、この容器は吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジを形成するために固形材料を収容するための受け部に使用され、この容器は液体保持するための内方容器、液体容器の外側の周りにあるシェル、内方容器とシェルの間に画定された流路および容器を上記受け部に接続できるようにするコネクターを有する。
【0037】
ある実施態様では コネクターは受け部に受けられるまたは受け部の周囲にある環状の
端部壁の形体である。
【0038】
ある実施態様ではカートリッジは内方容器とシェルの間に画定された単独の実質的に管状の流路を有する。
【0039】
ある実施態様ではカートリッジは内方容器とシェルの間に画定された複数の流路を有する。
【0040】
ある実施態様では流路は内方容器とシェルの間に画定され、実質的に内方容器を囲む環状の流路である。
【0041】
ある実施態様では容器は円錐台状である。
【0042】
本発明の第5の実施態様では、吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジを形成する方法が提供され、この方法は、
容器に液体を充填することと、
受け部に固形材料を充填することと、
使用の際に容器を出た液体が蒸気およびエアロゾルの少なくとも1つの形体で使用の際に受け部によって受けられる固形材料を介して流れるように容器と受け部を接続することとを含む。
【0043】
ある実施態様では受け部に固形材料を充填することは、固形材料のロッド物品を所望の長さに切断することと、切断された固形材料のロッドを容器と受け部を接続する前に受け部内に入れることとを含む。
【0044】
ある実施態様では固形材料は透明な材料で包装される。
【0045】
ある実施態様では固形材料はタバコであるまたはタバコを含む。
【図面の簡単な説明】
【0046】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
【0047】
図1】吸引可能な媒体を発生させるための装置の略式長手方向断面図である。
図2】吸引可能な媒体を発生させるための別の装置の略式長手方向断面図である。
図3】吸引可能な媒体を発生させるための別の装置の略式長手方向断面図である。
図4】液体容器および固形材料用一体容器を有するカートリッジの一例の略式長手方向断面図である。
図5】液体容器および取り外し可能な固形材料用容器を有するカートリッジの一例の略式長手方向断面図である。
図6】吸引可能な媒体を発生させるための装置の一例の斜視図である。
図7】吸引可能な媒体を発生させるための装置の一例の側面図である。
図8a】液体容器と固形材料用一体型容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図8b】液体容器と固形材料用一体型容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図8c】液体容器と固形材料用一体型容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図8d】液体容器と固形材料用一体型容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図8e】液体容器と固形材料用一体型容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図9a】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図9b】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図9c】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図9d】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図9e】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図10a】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図10b】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図10c】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図10d】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
図10e】液体容器と固形材料用の別個の容器を有するカートリッジおよびその部材の一例の略式長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1を参照すると吸引可能な媒体を発生させるための装置1の一例が示されている。大筋において、装置1は液体を揮発させて材料を通過する蒸気またはエアロゾル発生材を形成し、その材料に由来する1つ以上の成分を含む吸引可能な媒体を製する。
【0049】
この点に関し、第1に注目すべきことは一般に蒸気はその臨界温度より低い温度で気相の物質であり、これは例えば蒸気はその温度を下げずに圧力を上げることによって凝縮されて液体になり得ることを意味する。一方、一般にエアロゾルは、空気または別の気体中で微細固体粒子または液滴のコロイドである。「コロイド」は微視的に分散した不溶粒子が別の物質の全体に懸濁されている物質である。
【0050】
再度図1を参照すると、この例の装置1はほぼ中空の円筒状外方ハウジング2を有する。ハウジング2は開口端部3を有する。この例では管状のマウスピース4が開口端部3に設けられている。この例のマウスピース4はユーザーがハウジング2から取り外すことができる。Oリングまたは他のシール5がハウジング2のマウスピース4の封止を補助している。ハウジング2の他端6にまたは他端6の方にあるのは、以下にさらに述べる装置1の種々の部品に給電するためのバッテリー7である。バッテリー7は充電可能なバッテリーまたは使い捨てバッテリーであってもよい。コントローラー8もハウジング2に設けられており、これは以下にさらに述べるように装置1の種々の部品の作動を制御するためのものである。
【0051】
ハウジング2は液体10を保持するまたは含むための容器9を有する。種々の異なる形体を容器9に使用してもよい。図1の例では容器9は開口端部3と他端6の間でハウジング2に設けられた環状のチェンバー9の形体である。この特定の例ではハウジング2は2つの部分、即ち開口端部の方にある第1部分2aと他端6の方にある第2端部2bとからなる。ハウジング2の第1および第2部分2a、2bは、ねじ山、バイオネット嵌めなどによって互いに接続してもよい。使用の際、ユーザーはハウジング2の第1および第2部分2a、2bを離して、必要に応じて液体10を補充または交換できる。これとは別にマウスピース4を外して容器に触れられるようにすることも可能である。しかしながら、当然のことながら他の構成も可能である。例えば、液体10をハウジング2から全体的に取り外すことができる個別の環状のポット状容器に設けてもよい。このような個別の容器は、ユーザーが液体10を含む新しい容器をハウジング2に嵌めることで液体10を交換できるように使い捨てであってもよい。あるいはこのような容器を再使用可能にしてもよい。このような場合、ユーザーは、容器がハウジング2から取り外されている間に容器内の液体10を補充または交換して、この補充された容器をハウジングに戻してもよい。当然のことながらハウジング2は2つの部分から構成される必要はなく、ユーザーが触れることができるようにする他の構成、例えばその場で補充できるようにしてもよい。
【0052】
ヒーター11はハウジング2のほぼ中央、即ちこの例ではハウジングの長さと幅に沿って中央に設けられている。この例ではヒーター11はバッテリー7によって給電され、従ってバッテリー7に電気的に接続されている。ヒーター11は、例えばニクロム抵抗性ヒーター、セラミックヒーターなどを含む電気抵抗性ヒーターであってもよい。ヒーター11は、例えばコイル形状であってもよいワイヤ、プレート(2つ以上の異なる材料からなり、それの1つ以上が導電性であり、1つ以上が非導電性であってもよい多層プレートであってもよい)、メッシュ(織りまたは不織であってもよく、多層と類似する)、フィルムヒーターなどであってもよい。非電気的加熱装置などの他の加熱装置を使用してもよい。
【0053】
ヒーター11は液体10を揮発させるために設けられている。図示の例では環状の芯12がヒーター11を囲み、ヒーター11と(熱的に)接触している。環状の芯12の最外面は、液体容器9に含まれる液体10と接触する。芯12は一般的に吸収材であり、毛管作用により液体容器9から液体10を吸い込むように作用する。芯12は、好ましくは不織であり、例えばコットンまたはウール材料等または例えばポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリプロピレンなどの合成材料、またはセラミック材であってもよい。これについては後でより詳しく説明するが、ここで注目すべきは使用の際、芯によって吸い込まれる液体10はヒーター11によって加熱されるということである。液体10は、揮発させて液滴のエアロゾルを製してもよく、充分に加熱して蒸気を製してもよい。そのように製せられたエアロゾルまたは蒸気は、芯12を出て、ユーザーのマウスピース4での吸引作用によって矢印Aに示すようにマウスピース4の方に移動する。ヒーター11と芯12は、単独の効果的に一体化されたアイテムとして供して加熱と吸い上げが単独のユニットで効果的に行われるようにしてもよい。
【0054】
ハウジング2はさらに装置1内で材料14を保持するまたは含むチェンバー13を含む。使用の際、ユーザーは、マウスピース4を取り外すおよび/またはハウジング2の2つの部分2a、2bを離すことによってハウジング2の開口端部3を介して材料14を交換または補充するためにチェンバー13に触れることができる。種々の異なる形状をチェンバー13に使用してもよい。例えば、チェンバー13は両端が完全に開口し、材料14を含む管であってもよい。別の例として、チェンバー13は1つ以上の端部壁を有する管であってもよく、これら端部壁は蒸気またはエアロゾルが通過できる貫通孔を有してもよい。チェンバー13はハウジング2内に留まったままでユーザーは材料14を取り除き、交換する。これとは別に材料を含むチェンバー13は、使用の際に全体的にハウジング2に挿入され、取り除かれる個別のアイテムであってもよい。この種の取り外し可能なチェンバーは、ユーザーが新鮮な材料14を含む新しいチェンバー13をハウジング2に嵌めることによって材料14を交換するために使い捨てであってもよい。これとは別にチェンバー13は繰り返し使用可能であってもよい。このような場合、チェンバー13がハウジング2から取り外されてチェンバー13内の材料14を交換して、ハウジング2に補充されたチェンバー13に変えてもよい。さらに別の例では、チェンバー13は、ハウジング2の内部に設けられ、材料を所定の位置に保持するクリップを含んでもよい。一部の例では材料14は、チェンバー13内に単に滑り嵌めすることも可能である。さらにこれとは別に、液体10を含むための容器9それ自体を、材料14を支持または担持するように構成してもよい。例えば、容器9は、材料14を受けて、所定の位置に保持するための1つ以上のクリップまたは管などを有してもよい。液体10を含みかつ材料14を受ける両方のためのこのような2つの機能を持った容器9/チェンバーまたは受け部13は、カートリッジなどの形状であってもよく、使い捨てのアイテムであってもよく、または液体10と材料14が必要に応じてユーザーによって交換されるまたは注ぎ足される繰り返し使用可能であってもよい。場合によっては、ユーザーは充分な液体10が数回の使用に供される分の材料14を時々注ぎ足すまたは交換するだけでよい。液体10が消費されると、ユーザーはこの2つの機能を持った容器9/受け部を廃棄し、新しいものを使用する。同様にユーザー充分な材料14が数回の使用に供される分の液体10を時々注ぎ足すまたは交換するだけでよい。材料14が消費されると、ユーザーはこの2つの機能を持った容器9/受け部を廃棄し、新しいものを使用する。2つの機能を持った容器9/受け部の具体例については以下に述べる。
【0055】
材料14は、エアロゾルまたは蒸気が液体10から製せられる場所の下流でハウジング2の開口端3およびマウスピース4の上流のハウジング2内に位置する。この特定の例では材料14は、芯12としてハウジング2の同じ部分またはチェンバーに効果的に設けられる。液体10から製せられるエアロゾルまたは蒸気は、芯12を出て、矢印Aで示すようにユーザーのマウスピース4の吸い込み作用によって材料14の方へと移動する。特定の実施態様では材料14は、多孔性であり、これによりエアロゾルまたは蒸気が材料14を通り、その後ハウジング2の開口端3およびマウスピース4を通過する。一部の実施態様では材料14および/またはそのチェンバー13は、材料14/チェンバー13とハウジング2の内部との間に空隙がなく、エアロゾルまたは蒸気が材料14全体を介して流れるように構成されている。
【0056】
液体10は、装置1の電力消費を下げるのに役立つことから適当な温度、好ましくは100〜300℃の範囲でまたはより好ましくは約150〜250℃で気化可能な液体であることが好ましい。好適な材料は、例えばプロピレングリコールおよびグリセロール(グリセリンとしても知られている)などの電子タバコ装置に従来から使用されているものが挙げられる。
【0057】
材料14は、エアロゾルまたは蒸気が材料14を通過する際に液体10から製せられるエアロゾルまたは蒸気に風味を付与するために使用される材料である。材料14は、例えばタバコから構成されてもよく、あるいはタバコを含んでもよい。エアロゾルまたは蒸気がタバコ材14を通過する際、熱いエアロゾルまたは蒸気がタバコにその感覚刺激性を与えるタバコ材14からの有機物および他の化合物または成分を同伴し、エアロゾルまたは蒸気がマウスピース4を通過する際にエアロゾルまたは蒸気に風味を付与する。しかし当然のことながらタバコ以外の材料を使用してエアロゾルまたは蒸気流に異なる風味を付与してもよい。例えば、風味剤を材料または液体に含有させることも可能である。
【0058】
加えて、材料14がタバコである、またはタバコを含む場合、エアロゾルまたは蒸気流がタバコ材14から充分なニコチンを引き込む。これとは別にまたはこれに加えて材料14がタバコを全く含まない場合、材料14を例えばニコチンを含む材料をコーティングすることによってニコチンを増加させてもよい。当然のことながら材料14がタバコであるまたはタバコを含む場合であっても、材料14をニコチンでコーティングするまたはニコチンを増加させてもよい。別の例として、材料14がタバコであるまたはタバコを含むおよび/またはニコチンを含む場合、ニコチンは液体10内に供してもよい。従って、装置1がユーザーにニコチンを供することを意図する場合、ニコチンは液体10に供されてもよく、材料がタバコであるまたはタバコを含む場合材料14から得てもよく、非タバコ材14にコーティングなどとして供してもよく、あるいはこれらを組み合わせて供してもよい。同様に風味剤を材料14(材料がタバコであるまたはタバコを含むかに関係なく)および/または液体10に加えてもよい。
【0059】
上述したように加熱装置は、タバコを燃やすのではなく、加熱することによって化合物を放出することが知られている。ここで注目すべきことはタバコは熱伝導性に乏しく、それでも従来のタバコ加熱装置でのタバコの加熱は、タバコの外面からタバコを介した熱伝導によるものである(典型的にはタバコの面と接触した電気抵抗加熱エレメントによる)ということである。これはタバコが不十分に加熱され、および/または装置の電力消費が大きくなることを意味する。バッテリー作動の装置の場合、電力消費が大きいことはバッテリーを頻繁に充電または交換する必要があるのでユーザーにとっては問題である。材料14がタバコの場合、この問題は、材料14が多孔性タバコ材料14の塊を通過する熱いエアロゾルまたは蒸気によって加熱することができるので本装置1のいくつかの実施態様では避けることができ、タバコ材14の塊をより効果的かつ効率よく加熱することができる。これは装置1の電力消費を下げるのに役立つ。
【0060】
図1に示す例では、材料14から有機物および他の化合物または成分を発生させるのに必要とされる装置1で材料14を加熱するための唯一の熱源は、液体10から製せられる熱いエアロゾルまたは蒸気である。
【0061】
ここで図2を参照すると、吸引可能な媒体を発生させるための装置の別の例が示されている。次の説明および図2において、図1を参照して説明した例の対応する部品および特徴と同じまたは類似する部品および特徴は、同じ符号を有するが200が足されている。簡潔にするためにこれら部品および特徴の説明は全体としてここでは繰り返さない。当然のことながら図1の例に関し上述した構成および代替構成などは図2の例にも適用可能である。ここでも大筋において、図2の装置201は液体を加熱し、材料214を通過する蒸気またはエアロゾルを形成し、材料214に由来する1つ以上の成分を含む吸引可能な媒体を製する。
【0062】
図2の例の装置201ではオーブンヒーターなどの第2ヒーター215が材料214に熱接触した状態で設けられ、材料214を予備加熱するおよび/または装置201を使用している間材料214を付加的に加熱する。これは使用の際蒸気またはエアロゾルが材料214を通過する際に材料214からの成分の放出を促進させる。またこれは選択的に低い温度を加熱液体に使用することを可能にし、液体210を加熱する第1ヒーター211の電力消費を減少させ、材料214を充分に加熱するために使用しなければならない加熱された液体210の量を減らすことができる。第2ヒーター215は、例えばバッテリー207によって給電される電気抵抗ヒーター、セラミックヒーターなどであってもよい。ヒーター215は、例えばコイル形状であってもよいワイヤ、プレート(2つ以上の異なる材料からなり、それの1つ以上が導電性であり、1つ以上が非導電性であってもよい多層プレートであってもよい)、メッシュ(織りまたは不織であってもよく、多層と類似する)、フィルムヒーターなどであってもよい。非電気的加熱装置などの他の加熱装置を第2ヒーター215に使用してもよい。
【0063】
図2の例の装置201では材料214を加熱するためのヒーター215は、材料214の外部に設けられ、材料214を材料214の外部からの熱伝導によって加熱する。この例のヒーター215は、ほぼ円筒状である。ヒーター215は、実際には装置201の一体部品であり、ハウジング202の一部として設けてもよい。これとは別にヒーター215は材料214を保持するまたは含むチェンバー213と一体に設けてもよい。この別例ではチェンバー213が使い捨ての場合、ヒーター215は、新鮮な材料を有する新しいチェンバー213がユーザーによって装置201に装填される際に交換される。
【0064】
ここで図3を参照すると吸引可能な媒体を発生させるための装置の別の例が示されている。次の説明および図3において、図1を参照して説明した例の対応する部品および特徴と同じまたは類似する部品および特徴は、同じ符号を有するが300が足されている。簡潔にするためにこれら部品および特徴の説明は全体としてここでは繰り返さない。当然のことながら図1および図2の例に関し上述した構成および代替構成などは図3の例にも適用可能である。ここでも大筋において、図3の装置301は液体を加熱し、材料314を通過する蒸気またはエアロゾルを形成し、材料314に由来する1つ以上の成分を含む吸引可能な媒体を製する。
【0065】
図3の例の装置301でも第2ヒーター318が材料314を加熱するために材料314に熱接触した状態で設けられ、使用の際に蒸気またはエアロゾルが材料314を通過する際に材料314から成分の放出を促進させる。第2ヒーター318は、例えばバッテリー307によって給電される電気抵抗ヒーター、セラミックヒーターなどであってもよい。非電気加熱装置などの他の加熱装置を第2ヒーター318に使用してもよい。
【0066】
図3の例の装置301では材料314を加熱するためのヒーター318が材料314の内部に設けられており、材料314の内部からの熱伝導によって材料314を加熱する。この例のヒーター318は、一般に材料314の中央長手方向軸に沿って位置する円筒状ロッドの形体である。他の構成ではヒーター318は、コイル形状であってもよいワイヤ、プレート(2つ以上の異なる材料からなり、それの1つ以上が導電性であり、1つ以上が非導電性であってもよい多層プレートであってもよい)、メッシュ(織りまたは不織であってもよく、多層と類似する)、フィルムヒーターなどであってもよい。この場合の材料314は、ほぼ管状であるか、ヒーター318を受けるための内部開口部を有する。ヒーター318は実際には装置301の一体部品であってもよく、ハウジング302の一部として設けられてもよい。この例では材料314が装置301に装填されると(例えば材料314を含むチェンバー313が装置301内に装填される)、材料314が第2ヒーター318を囲む。これとは別にヒーター318は材料314を保持するまたは含むチェンバー313と一体に設けられてもよい。この別例ではチェンバー313が使い捨ての場合、ヒーター318は、新鮮な材料を有する新しいチェンバー313がユーザーによって装置301に装填される際に交換される。
【0067】
別の例では複数の内部ヒーター318を設けて材料314をより効率的に加熱するようにしてもよい。別の例では材料314は1つ以上の外部ヒーター(図2の例の第2ヒーター215のような)と1つ以上の内部ヒーター(図3の例の第2ヒーター318のような)によって加熱してもよい。
【0068】
図1〜3および別の例の装置は本願出願人による国際特許出願PCT/EP2015/074395により詳しく説明されており、その全内容を参照することによってここに含まれるものとする。
【0069】
ここで図4を参照するとカートリッジ400の一例の略式長手方向断面図が示されており、これは液体402を含む液体容器401と通常は固形材料404である材料404用の受け部または容器403を有する。この例では液体容器401と材料容器403は、最初に一体に形成されるまたは最初に2つの部分に形成し、その後実質的に永久的に組み立てられるかのいずれかによって1つの一体部品として供される。液体容器401と材料容器403が2つの部分を一体に形成したものである場合、液体容器401と材料容器403は、スピン溶接、超音波溶接などの摩擦溶接によって互いに固定されてもよい。カートリッジ400は、液体402を揮発させ液滴のエアロゾルを製するまたは充分に加熱されて蒸気を製する際にエアロゾルまたは蒸気の少なくとも一部そして好ましくはすべてまたは実質的に全てが材料404を通過し、材料404から風味を捕捉するように配置される。
【0070】
図4の例では液体容器401がカートリッジ400のほぼ中央に設けられている。図示の例の液体容器401は、円錐台形状であるが、円錐状、円筒状などの異なる形状を有してもよい。液体容器401は、液体容器401の長さの外側周囲で環状の流路406を画定し、液体容器401の一端から他端へと延びた外方シェル405によって囲まれている。外方シェル405は液体容器401の第1端部壁407を越えて延び、液体容器401の第1端部壁407を越えてチェンバー408を画定する。図示の例ではチェンバー408と環状の流路406は両方とも材料404を含み、よって共に材料404の容器403を供するものとみなすことができる。他の例では材料404は、チェンバー408のみに設けてもよく、従ってこれが材料404用の容器403を画定し、環状の流路406は空になる。チェンバー408は、液体容器401の端部壁407から離れた端部壁409によって遮断されている。端部壁409は外方シェル405の一部であってもよく、または別個のプラスチックまたはゴム製キャップなどあってもよい。さらに別の例では環状の流路406は材料404を含み、チェンバー408には材料が存在しないが、当然のことながらチェンバー408を省略してもよく、流路406は効果的に端部壁409で終結する。流路406および/またはチェンバー408は全体的に材料404で満たしてもよく、または固形材料404の小分けまたはプラグだけを含んでもよい。端部壁409は多孔性でありおよび/または1つ以上の貫通孔410を有し、エアロゾルまたは蒸気がカートリッジ400を出て、ユーザーに吸引されるようになっている。液体容器401と固形材料容器403は、それぞれ硬質で水密であり、気密な材料、例えば金属、好適なプラスチックで形成してもよい。
【0071】
図4に示す例のカートリッジ400にはヒーター411とヒーター411と(熱的に)接触する芯412が設けられている。この例ではヒーター411と芯412は、単独のユニットとして提供される。この例ではカートリッジ400がヒーター411を含む場合、そのようなカートリッジを「カトマイザー」と呼ぶ場合もある。ヒーター411の向きを略式に示し、例えばヒーター411は図4に示したように平行ではなく、カートリッジ400の長手方向軸に垂直な長手方向軸を有するコイルであってもよい。
【0072】
芯412は液体402と接触している。これは、例えば芯412が液体容器401の第2端部壁413の貫通孔(図示せず)に挿入することによって達成される。これとは別にまたは加えて第2端部壁413は、液体を液体容器401から通過させる多孔性部材(図4において略式に破線で示されている)であってもよく、芯412はこの多孔性の第2端部壁413と接触してもよい。第2端部壁413は、例えば多孔性セラミックディスクの形体であってもよい。この種の多孔性第2端部壁413は、芯412への液体の流れを調整するのに役立つ。芯412は通常吸収材であり、毛管作用によって液体容器401から液体402を吸い込むように作用する。芯412は好ましくは不織であり、例えばコットンまたはウール材料等または例えばポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリプロピレンなどの合成材料、またはセラミック材であってもよい。
【0073】
使用の際、カートリッジ400はヒーター411を給電することができるようにユーザーによって装置のバッテリーセクションに接続される(このような装置の例を以下でさらに説明する)。ヒーター411が給電されると(これは例えばそれ自体は既に知られているようにユーザーが装置全体のボタンを操作するまたは装置全体のパフ検知器によって生じるようにしてもよい)、芯412によって液体容器401から引き込まれる液体402がヒーター411によって加熱され、液体を揮発させるまたは蒸発させる。ユーザーが全体的な装置のマウスピースで吸い込むと、蒸気またはエアロゾルが矢印Aで示すように液体容器401の長さの外側周囲の環状流路406とチェンバー408内に移動する。蒸気またはエアロゾルは材料404から風味を捕捉する。材料404がニコチンを含む場合、蒸気またはエアロゾルもまた材料404から同伴するニコチンを含む。蒸気またはエアロゾルは、それから矢印Bで示すように端部壁409を介してカートリッジ400から出ることができる。一方向バルブ414を端部壁409の内側に設けて、蒸気またはエアロゾルがカートリッジ400から出るだけしかできず、ヒーター411または装置全体としての電子部品にバックフローできないようにしてもよい。
【0074】
ここで図5を参照するとカートリッジ500の別の例の略式長手方向断面図が示されており、これは液体502を含む液体容器501と通常は固形材料504である材料504を含むためのチェンバーを画定する容器503を有する。次の説明および図5において、図4を参照して説明した例の対応する部品および特徴と同じまたは類似する部品および特徴は、同じ符号を有するが100が足されている。簡潔にするためにこれら部品および特徴の説明は全体としてここでは繰り返さない。
【0075】
この例ではカートリッジ500の液体容器501と材料容器503は別個の部品として提供され、これらは使用時に取り外し自在に互いに接続される。液体容器501と材料容器503は、例えばクリップ留めまたは互いに取り外し自在に固定されてもよく、または例えば材料容器503は液体容器501に単に載せるまたは密な摩擦嵌めしてもよい。カートリッジ500は、液体502を揮発させ液滴のエアロゾルを製するまたは充分に加熱されて蒸気を製する際にエアロゾルまたは蒸気の少なくとも一部そして好ましくはすべてまたは実質的に全てが材料504を通過し、材料504から風味を捕捉するように配置される。
【0076】
この例では液体容器501は、液体容器501の長さの外側周囲で環状の流路506を画定し、液体容器501の一端から他端へと延びた外方シェル505によって囲まれている。外方シェル505は液体容器501の第1端部壁507を越えて延び、端部壁509で終結する。端部壁509は別個のプラスチックまたはゴム製キャップなどあってもよい。端部壁509は多孔性でありおよび/または1つ以上の貫通孔510を有し、エアロゾルまたは蒸気が環状の流路506を出られるようになっている。一方向バルブ514を端部壁509の内側に設けて、蒸気またはエアロゾルがヒーター511および芯512から離れた端部で環状流路506から出るだけしかできず、ヒーター511または装置全体としての電子部品にバックフローできないようにしてもよい。材料容器503は使用の際端部壁509に亘って配置され、端部壁509から出た蒸気またはエアロゾルが材料容器内に移動するようになっている。材料容器503は出口開口部および/または多孔性端部壁515を有し、エアロゾルまたは蒸気がユーザーによって吸引されるようにカートリッジから出る。
【0077】
使用の際、カートリッジ500はヒーター511を給電することができるようにユーザーによって装置のバッテリーセクションに接続される(このような装置の例も以下でさらに説明する)。ヒーター511が給電されると(これは例えばそれ自体は既に知られているようにユーザーが装置全体のボタンを操作するまたは装置全体のパフ検知器によって生じるようにしてもよい)、芯512によって液体容器501から端部壁513を介して引き込まれる液体502がヒーター511によって加熱され、液体を揮発させるまたは蒸発させる。ユーザーが全体的な装置のマウスピースで吸い込むと、蒸気またはエアロゾルが矢印Aで示すように外方シェル505の端部壁に向かって液体容器501の長さの外側周囲の環状流路506内に移動する。蒸気またはエアロゾルは、それから端部壁509を介して(一方向バルブがある場合それを介して)材料容器503に移動し、そこで材料容器503内に含まれる材料504からの風味を捕捉する。材料504がニコチンを含む場合、蒸気またはエアロゾルも材料504から同伴されるニコチンを含む。蒸気またはエアロゾルは、それから矢印Bで示すように材料容器503の端部壁515を介してカートリッジ500から出ることができる。
【0078】
図6および7は吸引可能な媒体を発生させるための装置600の一例の斜視図および側面図である。装置600は上述のカートリッジのいずれかおよび他のカートリッジと使用してもよい。装置600はバッテリーセクション601およびカートリッジセクション602を有する。バッテリーセクション601とカートリッジセクション602は、図面では互いに接続されて示されているが、カートリッジをカートリッジセクション602内に装填できるようにユーザーが分離することができる。バッテリーセクション601およびカートリッジセクション602は、例えばスナップ嵌め接続、クリップ、ねじ山などを使用して分離自在に互いに接続することができる。カートリッジセクション602は、その遠い方の端部にマウスピース603を有する。この例ではバッテリーセクション601はオンオフまたは給電ボタン604を有する。バッテリーセクション601は、バッテリーなどの電源を含み、これは充電可能なバッテリーまたは使い捨てバッテリーであってもよい。バッテリーセクション601は装置600の種々の部品の作動を制御するためのコントローラーおよび/またはパフ検知器も含む。使用の際、ユーザーはバッテリーセクション601とカートリッジセクション602を分離し、カートリッジをカートリッジセクション602内に挿入し、その後バッテリーセクション601とカートリッジセクション602を再度接続する。ユーザーはその後オンオフまたは給電ボタン604を使用して装置600を操作することができる。
【0079】
ここで図8a〜8eを参照すると、カートリッジ800のさらに別の例が示されており、これは液体802を含む液体容器801と通常は固形材料804である材料804のための受け部または容器803を有する。この例では液体容器801および材料容器803は、図8cおよび8dに別々に示すように最初は2つの部分から形成され、それから図8bに示すように実質的に永久的に組み立てられることによって1つの一体の部品として提供される。液体容器801および材料容器803はスピン溶接、超音波溶接などの摩擦
溶接によって互いに固定されてもよい。カートリッジ800は、液体802を揮発させ液滴のエアロゾルを製するまたは充分に加熱されて蒸気を製する際にエアロゾルまたは蒸気の少なくとも一部そして好ましくはすべてまたは実質的に全てが材料804を通過し、材料804から風味を捕捉するように配置される。
【0080】
図8a〜8eの例の多くの態様および特徴は、図4および5を参照して上述した例と類似しており、それらの態様および特徴の詳細な説明は簡素化のためにここでは繰り返さない。簡潔に言えば、カートリッジ800の液体容器801は外方シェル805を有し、これは内方液体容器部810の長さの外側周囲に溝または流路806を画定し、液体容器801の一端から他端へと延びている。図示の例ではこの流路は、図8dで最も分かりやすく示されているように内方液体容器部810の外壁の溝806によって設けられている。カートリッジ800は液体を加熱するためのヒーター811とヒーター811と熱接触している芯812を有する。ヒーター811は、例えば電気抵抗ヒーター、セラミックヒーターなどであってもよい。この例ではヒーター811および芯812は、単独のユニットとして提供される。この例ではカートリッジ800がヒーター811を含む場合、そのようなカートリッジを「カトマイザー」と呼ぶ場合もある。芯812は液体802と接触している。上記のようにこれは例えば芯812が内方液体容器部810の第2端部壁813の貫通孔に挿入することによって達成される。これとは別にまたは加えて、第2端部壁813は内方液体容器部810から液体を通過させる多孔性部材であってもよく、芯812は多孔性第2端部壁813と接触してもよい。第2端部壁813は、例えば多孔性セラミックディスクの形体であってもよい。芯812は通常吸収材であり、毛管作用によって内方液体容器部810から液体802を吸い込むように作用する。芯812は好ましくは不織であり、例えばコットンまたはウール材料等または例えばポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリプロピレンなどの合成材料、またはセラミック材であってもよい。
【0081】
使用の際、カートリッジ800はユーザーによって装置のバッテリーセクションに接続され(例えば、図6および7に示したもののような装置600であってもよい)、液体ヒーター811を給電することができるようになる。ヒーター811が給電されると(これは例えばそれ自体は既に知られているようにユーザーが装置600全体のボタン604を操作するまたは装置600全体のパフ検知器によって生じるようにしてもよい)、芯812によって内方液体容器部810から引き込まれる液体802がヒーター811によって加熱され、液体を揮発させるまたは蒸発させる。ユーザーが装置600全体のマウスピース603で吸引すると、蒸気またはエアロゾルが液体容器801の流路806および固形材料804を含むチェンバー内に移動する。蒸気またはエアロゾルは材料804からの風味を捕捉する。材料804がニコチンを含む場合、蒸気またはエアロゾルも材料804から同伴されるニコチンを含む。蒸気またはエアロゾルは、その後矢印Aで示すようにカートリッジ800から出ることができる。一方向バルブ(図示せず)を設けて、蒸気またはエアロゾルがカートリッジから出るだけしかできず、ヒーター811または装置全体としての電子部品にバックフローできないようにしてもよい。
【0082】
固形材料804のためのチェンバー808は、液体容器801の端部壁807から離れた端部809によって遮断されている。チェンバー808の端部壁809は、例えば製造時にチェンバー808内に挿入されるディスク809の形体の別個の保持具809によって供されてもよい。これとは別に図示の例のように端部壁809は材料容器803の一部であってもよい。端部壁または保持器またはディスク809は、プラスチックまたはゴムまたはセラミックなどで形成されてもよく、エアロゾルまたは蒸気がカートリッジ800の吸い口端を通過できるように1つ以上の貫通穴820を有する。
【0083】
同様に液体容器801の端部壁807は、製造時に液体容器801に嵌められる例えばディスク807の形体の別個の保持具807によって供されてもよく、または図示の例のように端部壁807は液体容器801の一部であってもよい。ディスク807はプラスチックまたはゴムまたはセラミックなどで形成されてもよく、固形材料804を含むチェンバー内にエアロゾルまたは蒸気が移動できるように1つ以上の貫通穴820を有する。
【0084】
液体容器801の端部壁/ディスク807と固形材料チェンバー808の端部壁/ディスク809は、カートリッジ800の輸送中およびカートリッジ800の使用中の両方で固形材料チェンバー808の所定の位置に固形材料804を保持するのを補助する。
【0085】
ここで図9a〜9eを参照すると、カートリッジ900の別の例が示されており、これは液体902を含む液体容器901と通常は固形材料904である材料904を含むための受け部または容器903を有する。図9a〜9eの例の多くの態様および特徴は、図8a〜8eを参照して上述した例と類似しており、それらの態様および特徴の詳細な説明は簡素化のためにここでは繰り返さない。
【0086】
この例では液体容器901および材料容器903は、図9cおよび9dに別々に示すように別個の部分として提供される。液体容器901および材料容器903は、製造時に例えばこれらをクリップ留めする、スピン溶接、超音波溶接などの摩擦溶接によって互いに接続または固定されてもよい。これとは別に液体容器901および材料容器903は、材料容器903が取り外し自在のキャップの形体であることで使用時にユーザーによって互いに接続または固定されてもよい。そのような場合、ユーザーは、場合によっては液体902または固形材料904が使用時に消費される際に必要に応じて液体容器901および材料容器903のどちらかを簡単に交換することができる。材料容器903は、例えばクリップによっておよび/または摩擦嵌めとして液体容器901に嵌めてもよい。ここでもカートリッジ900は、液体902を揮発させ液滴のエアロゾルを製するまたは充分に加熱されて蒸気を製する際にエアロゾルまたは蒸気の少なくとも一部そして好ましくはすべてまたは実質的に全てが材料904を通過し、材料904から風味を捕捉するように配置される。
【0087】
固形材料904のためのチェンバー908は、端部壁909によって遮断されている。図示の例ではチェンバー908の吸い口端の端部壁909は、製造時にチェンバー908内に挿入される別個のディスク909によって供される。ディスク909はプラスチックまたはゴムまたはセラミックなどで形成されてもよく、エアロゾルまたは蒸気がカートリッジ900の吸い口端を通過できるように1つ以上の貫通穴920を有する。別例として端部壁909は材料容器903の一部であってもよく、同様にエアロゾルまたは蒸気がカートリッジ900の吸い口端を通過してユーザーに吸引されるように1つ以上の貫通穴を有する。さらなる別例としてチェンバー908は、吸い口端の端部壁またはディスク909から間隔が空けられた貫通穴を有する第2端部壁またはキャップ(図示せず)を有してもよい。このようにして固形材料904用のチェンバー908は固形材料904を含む完全なユニットを供することができ、これは全カートリッジ900の製造を容易にし、および/または固形材料904が消費された際のユーザーによるチェンバー908の交換を簡単にする。
【0088】
同様に図示の例では液体容器901の端部壁907は、製造時に液体容器901に嵌められる別個のディスク907によって供される。ディスク907はプラスチックまたはゴムまたはセラミックなどで形成されてもよく、エアロゾルまたは蒸気が固形材料904を含むチェンバー908を通過できるように1つ以上の貫通穴920を有する。別例として端部壁907は液体容器901の一部であってもよく、同様にエアロゾルまたは蒸気が通過できる1つ以上の貫通孔を有する。どちらにしても液体容器901は、液体902を含む完全に封止されたユニットになり、これはカートリッジ全体の製造を容易にし、および/または液体902が消費された後ユーザーによる液体容器901の交換を簡単にする。
【0089】
図9a〜9eの例では、材料容器または端部キャップ903は、雌コネクターであり、環状の端部壁921を有し、使用の際に液体容器901の端部に嵌る。図10a〜10eには、カートリッジ1000の別の例が示されており、これは液体1002を含む液体容器1001と通常は固形材料1004である材料1004のための受け部または容器1003を有する。図10a〜10eの例は、この例の場合、材料容器または端部キャップ1003が雄コネクターであり、使用の際に液体容器1001の端部に嵌る環状の端部壁1021を有すること以外、図9a〜9eの例と非常に似ている。図10a〜10eもまた固形材料1004のチェンバー1008が固形材料1004を含む完全なユニットを供するように材料容器1003が吸い口端の端部壁またはディスク1009から離れて貫通穴を有する第2の端部壁またはキャップ1009’を有する上述の実施態様の例を示している。
【0090】
図4、5および8〜10に示す例は、カトマイザーが、典型的にはねじ山、バイオネット嵌めなどによって装置全体のバッテリーセクション(図6および7に示すような装置600のバッテリーセクション601などの)が嵌められるいわゆるモジュラー製品に使用するのに特に適している。カトマイザーは全体的に通常は使用後に廃棄され、新しい交換用のカトマイザーが使用される。別例として、必要に応じて時々ユーザーが液体を補充し、および/または固形材料を交換することも可能である。
【0091】
図4、5および8〜10に示す例は、それ自体は知られている他の種類の電子タバコ装置に使用するために容易に適合させることが可能である。例えば、一般に小型で、従来の紙巻きタバコに類似する形状および外観を有するいわゆる「疑似電子タバコ」または「類似紙巻きタバコ」なる装置がある。このような装置では液体容器は、通常液体を保持するための例えばコットンからなるなんらかの詰め物剤を含む。このような従来の装置のカートリッジまたはカトマイザーは、通常全体的に使い捨てであるが、本発明の実施態様を使用する例において液体を補充するおよび/または固体材料を交換することが可能になる。別例として、一般に比較的多量の液体を保持するための大きな液体容器を有し、装置の多くの点でユーザーが調整できる進んだ機能を供するいわゆるタンク装置またはパーソナル気化器なるものがある。
【0092】
上述のカトマイザー装置のいずれかの別例として液体用のヒーターを液体および材料容器と別個に設けてもよい。ヒーターは、例えばカトマイザーがユーザーによって取り外し自在に嵌められる装置600全体のバッテリーセクション601の一部として供されてもよい。
【0093】
図4、5および8〜10に関連して説明した例のいずれかにおいて、固形材料を「予備加熱」するための固形材料用ヒーターを設けてもよい。この固形材料ヒーターはカートリッジの一部またはカートリッジが使用の際に嵌められる装置のバッテリーセクションの一部として設けてもよい。
【0094】
上述の例の多くの他の変形および代替えが可能である。
【0095】
例えば、いくつかの例では固形材料を上述のカートリッジが使用される装置のマウスピース(例えば、上述の装置600のマウスピース603)に独占的にまたは追加で配置することも可能である。
【0096】
別例として固形材料を例えばユーザーの選択で容器から除いてもよい。これは時にはユーザーが選択した場合、液体を気化させるだけで蒸気またはエアロゾルを固形材料を通過させないでユーザーがカートリッジを旧式の「電子タバコ」装置として使用することができるので、ユーザーにカートリッジの使用に関しより広い適応性を与える。これは例えば固形材料容器の固形材料がユーザーによって交換可能な場合に当てはまる。
【0097】
一部の例では液体容器の外方シェル405、505などはヒーター411および芯412を越えて延び、カートリッジ400、500、800などが使用される装置600のハウジングまたはバッテリーセクション601の一部の周囲に使用の際に嵌るスカートを形成してもよい。そのようなスカート821を特に例えば図8a〜8eの例で示す。これらの図面は上述のように装置600のバッテリーセクション601にカートリッジ800を嵌めるためのカートリッジ800のネジ山822の例を示している。
【0098】
エアロゾル/蒸気が液体ヒーターから固形材料へと流れる際に通る流路は環状であり一部の例では液体容器を完全に囲むと上述されている(例えば、図4および5に示す例の流路406、506)。他の例では流路は環状でなく、液体容器401、501、801などを囲まない。例えば、図8a〜8eに示すような一部の例では、液体容器から固形材料へと延びた単独の実質的に管状の流路または溝であってもよい。別例として液体容器から固形材料へと延びた複数の流路または溝であってもよく、その内の1つ以上は実質的に管状であってもよい。複数の流路の場合、それに異なる特性を有する材料で満たす、含むまたは充填することが可能である。例えば、1つの流路を蒸気またはエアロゾルに第1の風味を付与する材料で満たす、含むまたは充填してもよく、第2の流路を蒸気またはエアロゾルに第2の風味を付与する材料で満たす、含むまたは充填してもよい。
【0099】
上記の例では液体容器および固形材料/固形材料容器は、装置またはカートリッジの長手方向軸に沿って実質的に直列に配置されている。他の例では液体容器および固形材料/固形材料容器は、装置またはカートリッジの長手方向において少なくとも部分的に重なって配置され、そのような例において、液体容器および固形材料/固形材料容器は、装置またはカートリッジの長手方向軸に沿って実質的に直列に配置されてもよく、1つがもう一方の内側に部分的にまたは完全に入って配置されてもよい。さらに別の例では液体容器および固形材料/固形材料容器は、同軸(固形材料/固形材料容器の内側に液体容器またはその逆のいずれか)に配置され、装置またはカートリッジの長手方向軸に沿って互いに完全にオフセットして、または重なって、または1つが他方の中に入るように配置されてもよい。
【0100】
別の具体例として、固形材料/固形材料容器は、ヒーターと出口の間の少なくとも1つの流路に配置され、その流路は装置またはカートリッジの長手方向軸において液体容器と少なくとも部分的に重なる。言い換えれば、蒸気またはエアロゾル流の流路は、液体容器を越えて、材料はその流路のどこかに配置される。
【0101】
カートリッジはクーラーまたは熱交換器を含んでもよく、および/またはカートリッジ400、500、800などが使用される装置はクーラーまたは熱交換器を含んでもよい。このような構成の材料およびクーラーは、互いに離れていてもよい。クーラーは液体ヒーターの下流で受け部の上流にあってもよく、クーラーまたは冷却ゾーンは気化された液体を冷却して使用の際に受け部に収容された材料を通過する液滴のエアロゾルを形成するために配置されている。クーラーは実際に熱交換器として作用するように構成され、蒸気からの熱を回収することができる。回収された熱は、例えば材料を予備加熱するおよび/または液体の加熱を補助するために使用することができる。
【0102】
上記第1の組の例に関し説明したように液体は、カートリッジが使用される装置の電力消費を下げることに役立つことから、好ましくは妥当な温度で、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃の範囲で揮発可能な液体である。好適な材料は電子タバコ装置に従来から使用されている、例えばプロピレングリコールおよびグリセロール(グリセリンとして知られている)などがある。また上述の例に関して説明したように固形材料は、液体から製せられるエアロゾルまたは蒸気にこれらが材料を通過する際に風味を付与するために使用してもよい材料である。材料は例えばタバコからなるまたはタバコを含んでもよい。エアロゾルまたは蒸気がタバコ材料内または上を通過する際、熱くなったエアロゾルまたは蒸気がタバコに感覚刺激性を与えるタバコ材からの有機物および他の化合物または構成成分を同伴し、よってエアロゾルまたは蒸気にそれがマウスピースを通過する際に風味を付与する。しかし当然のことながらタバコ以外の材料を使用してエアロゾルまたは蒸気流に異なる風味を付与してもよい。例えば、風味剤を材料または液体に含有させることも可能である。
【0103】
上述の例のいずれにおいても装置のコントローラーは装置全体としての操作を制御する。コントローラーは、例えばそのまたは各加熱エレメントが必要なときに給電されるようにし、そのまたは各加熱エレメントを加熱が必要でないときに電源を切る。その1つ以上の加熱エレメントの操作は、液体および/または材料が適当な温度に加熱されるように制御してもよい。特に考慮すべきことは、確実に材料が燃えないようにし、確実に液体が適度に気化されるようにし、確実に気化された液体が適した温度で材料から化合物を自由にし、確実にユーザーに届いた蒸気またはエアロゾルが心地よくかつ安全温度にするということである。それ自体は知られている装置であるパフ検知器を1つ以上の加熱エレメントを励起させる必要がある場合にコントローラーに信号を送るために設けてもよい。装置は蒸気またはエアロゾルがユーザーに届く前にこれらをろ過する1つ以上のフィルター、装置は蒸気またはエアロゾルがユーザーに届く前にこれらを冷却するための冷却装置、ハウジングの内側で発生する熱からユーザーを守るために装置の内部にある絶縁体などを含んでもよい。
【0104】
使用の際、そして材料14、214などがタバコである場合、タバコまたは少なくともタバコの表面は、確実に適当または妥当な量の化合物がタバコから放出されるように約190〜210℃、最も好ましくは200℃の温度で加熱されるのが好ましい。上記で詳述したように材料は、材料を通過した熱くなった蒸気またはエアロゾルによってのみ加熱されてもよく、あるいは材料は、例えば専用ヒーターを使用して予備加熱または二重加熱してもよい。予備加熱する場合、材料、特にタバコの場合、約100〜150℃の範囲の温度に予備加熱される。当然のことながら他の温度も利用可能である。例えば、材料または少なくとも材料の表面は210℃より高い温度、例えば230〜240℃および290℃程度の温度に加熱されてもよい。含まれるタバコの量は、例えば50〜300mgの範囲であってもよい。タバコの量について最も好適な量は、例えば50〜150mgの範囲であり、130mgがいくつかの用途で特に好適であることが現在分かっている。典型的な例では装置の操作一回当たり(即ち、パフ一回当たり)に加熱されるタバコの量は約8〜50mgに相当する範囲であってもよい。
【0105】
使用の際、液体10、210などは約100〜300℃の間の温度またはより好ましくは約150〜250℃の温度に加熱されてもよい。
【0106】
好適な材料14などは、加熱によって気化した化合物、通常はエアロゾルの形で供する材料が挙げられる。好適な材料14は、あらゆるタバコ含有材を含み、タバコそのもの、異なる種類のタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、粉タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコまたはタバコ代替品の内の1つ以上が挙げられる。タバコの場合、材料14等はタバコロッド、タバコパッドまたはプラグ、ばらのタバコ、凝集体の形状であってもよく、例えば比較的乾燥した形体または比較的湿った形体であってもよい。好適な材料14等はタバコの非タバコ製品であってもよく、これらは製品によってニコチンを含んでも含まなくてもよい。
【0107】
特に固形材料がタバコである場合、タバコは、所定の長さに切断されたタバコロッドのプラグ形状であってもよく、固形材料用の受け部または容器が液体容器と組み合わされる前に(固形材料用の受け部または容器が液体容器と製造時または使用の際にユーザーによって組み合わされるかに関係なく)、固形材料用の受け部または容器内に入れてもよい。
【0108】
一部の例では固形材料用の受け部または容器は、透明であり、ユーザーが使用の際に内容物(即ち、固形材料)を見ることができ、これは一部のユーザーにとっては好ましいことである。タバコロッドは包装材などの透明な材料を使用して形成し、ユーザーがタバコを見えるようにしてもよい。特に好適な材料は、“NatureFlex”(商標)であり、これはInnovia FilmsLimited社による再生可能な原料から作製された生分解性フィルムである
【0109】
本明細書中で使用する「風味」および「風味剤」なる用語は各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、ユーカリ、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形態であってもよい。
【0110】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、吸引可能な媒体を発生させるように構成された優れた装置を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
【手続補正書】
【提出日】2020年6月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を保持するための液体容器と、
タバコを含む固体材料をその中に収容している受け部と、
液体容器の外側の周りにあるシェルと、を含む、吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジであって、
シェルと液体容器は、それらの間に流路を画定し、
使用の際に液体容器から出た液体が流路を介して受け部へ、そして受け部によって収容された固形材料を介して蒸気およびエアロゾルの少なくとも一方の形体で流れることができるように構成されているカートリッジ。
【請求項2】
カートリッジは液体容器とシェルの間に画定された単独の実質的に管状の流路を有することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
カートリッジは液体容器とシェルの間に画定された複数の流路を有することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
流路は液体容器とシェルの間に画定され、実質的に液体容器を囲む環状の流路であることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項5】
液体容器は円錐台状であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項6】
液体容器と関連する使用の際に液体容器内に保持された液体を揮発させるためのヒーターを含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項7】
使用の際に受け部によって収容される固形材料を加熱するための受け部と関連するヒーターを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項8】
液体容器は液体を液体容器から出せるようにする1つ以上の開口部を有することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項9】
使用の際に液体容器内に保持された液体を液体容器から吸い出す芯を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項10】
液体容器と受け部は一体部品として供されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項11】
液体容器と受け部は、互いに取り外し可能に接続された別個の部品として供されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項12】
受け部は使用の際に受け部内で固形材料を保持するための少なくとも1つの保持器を有することを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項13】
液体容器は液体を保持することを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項14】
カートリッジと吸引可能な媒体を発生させるための装置との組み合わせにおいて、カートリッジは請求項1乃至13いずれか1項記載のカートリッジであり、装置はバッテリーセクションおよびマウスピースを有し、カートリッジは装置に接続可能である組み合わせ。
【請求項15】
バッテリーセクションとマウスピースとを含む装置と、液体を含む液体容器、タバコを含む固形材料を収容している受け部と液体容器の外側の周りにあるシェルとを含み、シェルと液体容器は、それらの間に流路を画定し、装置に接続されるカートリッジを使用して吸引可能な媒体を発生させる方法であって、
液体容器から引き込まれた液体を加熱して液体を気化させること、
気化させた液体を液体容器とシェルの間に画定された流路とカートリッジのシェルを介して固形材料を含む受け部内に送り、固形材料を通過させて固形材料からの少なくとも風味を同伴させること、
風味付けされたエアロゾルを装置のマウスピースを介して送ることを含む方法。
【請求項16】
液体容器に液体を充填することと、
受け部にタバコを含む固形材料を充填することと、
液体容器を出た液体が蒸気およびエアロゾルの少なくとも1つの形体で使用の際に受け部によって受けられる固形材料を介して流れるように液体容器と受け部を接続することとを含む、
液体を保持するための液体容器と、
固形材料を収容するための受け部と、
液体容器の外側の周りにあるシェルと、を含み、シェルと液体容器は、それらの間に流路を画定する、吸引可能な媒体を発生させるための装置に使用するカートリッジの形成方法。
【請求項17】
受け部に固形材料を充填することは、タバコを含む固形材料のロッド物品を所望の長さに切断することと、切断された固形材料のロッドを液体容器と受け部を接続する前に受け部内に入れることとを含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
固形材料は透明な材料で包装されることを特徴とする請求項16または17記載の方法。
【外国語明細書】
2020162620000001.pdf