特開2020-163010(P2020-163010A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-163010(P2020-163010A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】マットレスへの枕の装着具
(51)【国際特許分類】
   A47C 31/00 20060101AFI20200911BHJP
   A47G 9/10 20060101ALI20200911BHJP
   A47C 21/00 20060101ALI20200911BHJP
【FI】
   A47C31/00
   A47G9/10 Z
   A47C21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-68606(P2019-68606)
(22)【出願日】2019年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】501052476
【氏名又は名称】株式会社ライフジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】増本 龍男
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA16
3B102BA19
(57)【要約】
【課題】厚さが相違する個々のマットレスに対して、所定の位置に枕を装着することができる枕の装着具を提供することである。
【解決手段】マットレスに取り付ける取付部30と、枕2をマットレスに配置する収容部5を有し、取付部30は、マットレスの上面を覆う上面被覆部3aと、下面を覆う下面被覆部3bと、マットレスの長手方向の少なくとも一方側の側面部を覆う側面被覆部3cと、マットレスの側面部と交差する交差側面部を覆う交差側面被覆部3e、3fを有し、上面被覆部3aと下面被覆部3bは、側面被覆部3cと交差側面被覆部3e、3fを介して接続されており、側面被覆部3cと交差側面被覆部3e、3fは断絶されており、側面被覆部3cと交差側面被覆部3e、3fには、各々マチ8、12が設けられており、上面被覆部3aに、収容部5が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレスに取り付ける取付部と、枕を前記マットレスに配置する配置部を有し、
前記取付部は、
マットレスの上面を覆う上面被覆部と、下面を覆う下面被覆部と、マットレスの長手方向の少なくとも一方側の側面部を覆う側面被覆部と、マットレスの前記側面部と交差する交差側面部を覆う交差側面被覆部を有し、
前記上面被覆部と下面被覆部は、前記側面被覆部と交差側面被覆部を介して接続されており、
前記側面被覆部と交差側面被覆部は断絶されており、
前記側面被覆部と交差側面被覆部には、各々マチが設けられており、
前記上面被覆部に、前記配置部が設けられていることを特徴とするマットレスへの枕の装着具。
【請求項2】
前記側面被覆部と交差側面被覆部の各々のマチは、開いた位置と閉じた位置の途中の位置で固定可能な固定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のマットレスへの枕の装着具。
【請求項3】
マットレスに取り付ける取付部と、枕を前記マットレスに配置する配置部を有し、
前記取付部は、
マットレスの上面を覆う上面被覆部と、下面を覆う下面被覆部と、マットレスの長手方向の少なくとも一方側の側面部を覆う側面被覆部を有し、
前記上面被覆部と下面被覆部は、前記側面被覆部を介して接続されており、
前記側面被覆部にはマチが設けられており、
前記上面被覆部側と下面被覆部側を分離可能に結合する結合手段を有し、前記結合手段は、平行状態で対向する上面被覆部と下面被覆部の距離を所定の範囲内で変更可能に結合でき、
前記上面被覆部に、前記配置部が設けられていることを特徴とするマットレスへの枕の装着具。
【請求項4】
前記マチは、開いた位置と閉じた位置の途中の位置で固定可能な固定手段を有することを特徴とする請求項3に記載のマットレスへの枕の装着具。
【請求項5】
マットレスの前記側面部と交差して連続する交差側面部を覆う交差側面被覆部を有し、
前記交差側面被覆部は、上面被覆部と連続する上部側分割片と、下面被覆部と連続する下部側分割片を有し、
前記上部側分割片と下部側分割片に前記結合手段が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載のマットレスへの枕の装着具。
【請求項6】
前記結合手段は、面ファスナーであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のマットレスへの枕の装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスの特定の位置に枕を装着する装着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弾力性を有するマットレスを使用すると、使用者は快適に就寝することができる。使用者が就寝する際には、枕が使用されることが多い。マットレス上に枕をそのまま配置すると、就寝者が寝返りしたり、マットレスを載置したベッドが起立することによって、枕がマットレスから落下したり、位置がずれることがある。
そこで、従来、枕の位置がずれないようにするための構成が提案されている。例えば、特許文献1には枕の位置を固定することができる部材が装着された「起倒ベッドの落下防止カバー」の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の落下防止カバーには、枕ホルダと称する紐状の取付具が設けられている。この枕ホルダは、一端(固定端)が落下防止カバーの特定の位置に固定されており、自由端側にはループが構成されている。そして、枕は、枕ホルダのループ部分に装着される。この状態でベッド(マットレス)が起立すると、固定端である一端が上になり、自由端側のループ(枕)が下になり、枕はループを介して枕ホルダの固定端で支持され、ベッドから落下することが防止される。すなわち、ベッドが起立すると、枕は枕ホルダで吊されたような状態になってベッド上に保持される。
ところが、枕ホルダは、ベッドが起立したときに枕がベッドから落下しないように保持するものであり、水平状態では使用者が寝返りをして枕に力が掛かると、枕は移動してしまう。
【0005】
特許文献1に開示された落下防止カバーには折込部が設けられており、折込部を折り込むことによって、落下防止カバーがマットレスの上面側から側面を経て下面側に回り込んで略コの字形を呈するようにマットレスを覆う。そして、落下防止カバーにおけるマットレスの上面側を覆う部位と下面側を覆う部位とを連結具で連結して落下防止カバーをマットレスに固定する。
【0006】
ところが、マットレスには側面部の高さに相当する厚さの規格が存在する。そのため、特許文献1に開示されているような従来の落下防止カバーをマットレスに使用すると、マットレスに対する枕の配置位置が、マットレスの厚さによって変動してしまう。すなわち、マットレスの厚さが厚い(側面の寸法が大きい)と、側面を多く覆う分だけ上面側及び下面側を覆う部位が少なくなり、枕はマットレスの端部側へ偏った位置に配置される。逆に、マットレスの厚さが薄いと、枕はマットレスの中央側に配置される。そのため従来の構成では、個々の厚さのマットレスに対応した複数種類の落下防止カバーを製造せざるを得ない。
【0007】
そこで本発明は、厚さの相違する個々のマットレスに対して、所定の位置に枕を装着することができる枕の装着具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、マットレスに取り付ける取付部と、枕を前記マットレスに配置する配置部を有し、前記取付部は、マットレスの上面を覆う上面被覆部と、下面を覆う下面被覆部と、マットレスの長手方向の少なくとも一方側の側面部を覆う側面被覆部と、マットレスの前記側面部と交差する交差側面部を覆う交差側面被覆部を有し、前記上面被覆部と下面被覆部は、前記側面被覆部と交差側面被覆部を介して接続されており、前記側面被覆部と交差側面被覆部は断絶されており、前記側面被覆部と交差側面被覆部には、各々マチが設けられており、前記上面被覆部に、前記配置部が設けられていることを特徴とするマットレスへの枕の装着具である。
【0009】
請求項1に記載の発明では、マットレスに取り付ける取付部と、枕をマットレスに配置する配置部を有する。すなわち装着具の取付部をマットレスに取り付けることにより、枕を配置する配置部がマットレスに固定される。
また、装着具の取付部は、マットレスの上面を覆う上面被覆部と、下面を覆う下面被覆部と、マットレスの長手方向の少なくとも一方側の側面部を覆う側面被覆部と、マットレスの側面部と交差する交差側面部を覆う交差側面被覆部を有し、上面被覆部と下面被覆部は、側面被覆部と交差側面被覆部を介して接続されており、側面被覆部と交差側面被覆部は断絶されており、側面被覆部と交差側面被覆部には各々マチが設けられているので、マチを開閉することにより、平行状態の上面被覆部と下面被覆部の間隔を変更することができる。すなわち、マチを開いた状態にするか、又は閉じた状態にすることにより、上面被覆部と下面被覆部の間隔が変化し、異なる厚さのマットレスに同一の装着具を装着することができる。
そして、上面被覆部に枕を配置する配置部が設けられているので、厚さの相違するマットレスに対して、枕を適切に配置することができる。すなわち、マットレスの上面の所定の位置に枕を配置することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記側面被覆部と交差側面被覆部の各々のマチは、開いた位置と閉じた位置の途中の位置で固定可能な固定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のマットレスへの枕の装着具である。
【0011】
請求項2に記載の発明では、側面被覆部と交差側面被覆部の各々のマチは、開いた位置と閉じた位置の途中の位置で固定可能な固定手段を有するので、装着具は、マチを開き且つ固定手段を使用しない場合における最大寸法と、マチを開き且つ固定手段を使用した場合における中間寸法と、マチを閉じた場合における最小寸法を呈することができる。すなわち、装着具を少なくとも三つの厚さのマットレスに適応させることができる。
固定手段として面ファスナーを使用すると、最大寸法と最小寸法の間で様々な大きさの中間寸法を実現できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、マットレスに取り付ける取付部と、枕を前記マットレスに配置する配置部を有し、前記取付部は、マットレスの上面を覆う上面被覆部と、下面を覆う下面被覆部と、マットレスの長手方向の少なくとも一方側の側面部を覆う側面被覆部を有し、前記上面被覆部と下面被覆部は、前記側面被覆部を介して接続されており、前記側面被覆部にはマチが設けられており、前記上面被覆部側と下面被覆部側を分離可能に結合する結合手段を有し、前記結合手段は、平行状態で対向する上面被覆部と下面被覆部の距離を所定の範囲内で変更可能に結合でき、前記上面被覆部に、前記配置部が設けられていることを特徴とするマットレスへの枕の装着具である。
【0013】
請求項3に記載の発明では、マットレスに取り付ける取付部と、枕をマットレスに配置する配置部を有する。すなわち装着具の取付部をマットレスに取り付けることにより、装着具の枕を配置する配置部がマットレスに固定される。
取付部は、マットレスの上面を覆う上面被覆部と、下面を覆う下面被覆部と、マットレスの長手方向の少なくとも一方側の側面部を覆う側面被覆部を有し、上面被覆部と下面被覆部は、側面被覆部を介して接続されており、側面被覆部にはマチが設けられているので、マチを開閉することにより、平行状態の上面被覆部と下面被覆部の間隔を変更することができる。すなわち、マチを開いた状態にするか、又は閉じた状態にすることにより、異なる厚さのマットレスに同一の装着具を装着することができる。
また、上面被覆部側と下面被覆部側を分離可能に結合する結合手段を有し、結合手段は、平行状態で対向する上面被覆部と下面被覆部の距離を所定の範囲内で変更可能に結合できるので、装着具はマットレスに密着させて装着することができる。
そして、上面被覆部に枕を配置する配置部が設けられているので、厚さの相違するマットレスに対して、枕を適切に配置することができる。すなわち、マットレスの上面の所定の位置に枕を配置することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記マチは、開いた位置と閉じた位置の途中の位置で固定可能な固定手段を有することを特徴とする請求項3に記載のマットレスへの枕の装着具である。
【0015】
請求項4に記載の発明では、マチは、開いた位置と閉じた位置の途中の位置で固定可能な固定手段を有するので、装着具は、マチを開き且つ固定手段を使用しない最大寸法と、マチを開き且つ固定手段を使用した中間寸法と、マチを閉じた最小寸法を呈することができる。すなわち、装着具は、少なくとも三つの厚さのマットレスに適応することができる。
固定手段として面ファスナーを使用すると、最大寸法と最小寸法の間で様々な大きさの中間寸法を実現できる。
【0016】
マットレスの側面部と交差して連続する交差側面部を覆う交差側面被覆部を有し、交差側面被覆部は、上面被覆部と連続する上部側分割片と、下面被覆部と連続する下部側分割片を有し、上部側分割片と下部側分割片に結合手段が設けられているのが好ましい(請求項5)。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記結合手段は、面ファスナーであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のマットレスへの枕の装着具である。
【0018】
請求項6に記載の発明では、結合手段は、面ファスナーであるので、着脱が容易である。また、マットレスの厚さに対応するように、装着具の高さ寸法を面ファスナーの範囲内で無段階に変更することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、同一の装着具で、厚さが相違するマットレスに枕を良好に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る枕の装着具を取り付けたマットレスの斜視図であり、(a)は装着具に枕を装着していない状態を示し、(b)は、装着具に枕を装着した状態を示す。
図2図1の装着具の斜視図であり、(a)は、マチを閉鎖した状態を示し、(b)は、開放したマチを途中まで拡げた状態を示し、(c)は、開放したマチを完全に拡げた状態を示す。
図3】(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)の側面被覆部のマチの部分拡大斜視図である。
図4】(a)〜(c)は、厚さの異なるマットレスに枕の装着具を取り付けた状態を示す斜視図である。
図5】装着具が装着されたマットレスの斜視図であり、(a)は、全てのマチが閉じた状態を示し、(b)は、マットレスの長手方向の一端側の側面部を覆う側面被覆部に設けられたマチのみが開放された状態を示す。
図6】別の実施形態に掛かる枕の装着具の、(a)は展開図であり、(b)は組み立て途中の状態を示す斜視図であり、(c)は最大厚さのマットレスに対応するように組み立てた状態を示す斜視図であり、(d)は、(c)よりも薄く組み立てた状態を示す斜視図であり、(e)は、最小厚さのマットレスに対応するように組み立てた状態を示す斜視図である。
図7図6とは別の形態の枕の装着具の、(a)は展開図であり、(b)は組み立てた状態を示す斜視図であり、(c)は、(b)の部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら説明する。
図1(a)、図1(b)に示すように、本実施形態に係る装着具3が装着されるマットレス1は直方体(六面体)であり、上面部1a、下面部1b、一方側の側面部1c、他方側の側面部1d、一方側の交差側面部1e、他方側の交差側面部1fを有する。
【0022】
本実施形態では、便宜上、マットレス1の長手方向の一端側を、マットレス使用者の頭部が載置されることを想定した頭部配置側と称し、他端側をマットレス使用者の足が載置されることを想定した足部配置側と称している。装着具3は、マットレス1の頭部配置側に装着される。
【0023】
装着具3は、柔らかい生地で構成されており、図2(a)に示すように、上面被覆部3a、下面被覆部3b、側面被覆部3c、一方側の交差側面被覆部3e、他方側の交差側面被覆部3fで構成された取付部30を有する。すなわち、装着具3は、六面のうちの五面が閉じ、残りの一面が開放された袋状の取付部30を有する部材である。図1(a)に示すように、装着具3には、マットレス1の角部分を突出させる詳しくは後述する開口6a、6bが設けられている。
【0024】
上面被覆部3aの上面(外面)には、略四角形の柔らかい生地で形成された薄い布片4の三辺が縫い付けられて固定されており、上面被覆部3aと布片4の間で収容部5が形成されている。布片4の残りの一辺は開放されており、開放された一辺が収容部5の内外を連通させる開口5aを構成している。収容部5には、枕2を収容することができる。詳しくは後述するが、収容部5は、マットレス1に枕2を配置する配置部として機能する。
【0025】
下面被覆部3bは、布片4が設けられていない点を除いて上面被覆部3aと同様の構造を有している。すなわち、下面被覆部3bは、上面被覆部3aと間隔を置いて平行姿勢で対向する部位である。
【0026】
側面被覆部3cは、図1(a)に示すように、マットレス1の頭部配置側の端面を覆う部位である。図2(a)に示すように、側面被覆部3cは、上面被覆部3aと連続する上側片7aと、下面被覆部3bと連続する下側片7bと、マチ8を有する。
【0027】
上側片7aと下側片7bは、マチ8を介して接続されている。また、上側片7aの下端と、下側片7bの上端には、ファスナー9が設けられている。すなわち、上側片7aと下側片7bは、ファスナー9で締結(着脱)が可能である。
【0028】
具体的には、ファスナー9を締結することによって、上側片7aと下側片7bが最も接近した位置で固定される。このとき、マチ8は装着具3の内部空間に収容され、図2(a)に示す状態になる。また、ファスナー9の締結を解除することによって、上側片7aと下側片7bは、マチ8の範囲で任意の相対位置に移動することができる。例えば、上側片7aと下側片7bは、図2(a)、図3(a)に示すファスナー9が締結した最も接近した位置から、図2(b)、図3(b)に示すような中間位置や、図2(c)、図3(c)に示すような最も離間した位置に移動することができる。
【0029】
また、マチ8の途中の部位には、図3(c)に示すように、面ファスナー構成部10a、10bからなる面ファスナー10(固定手段)が設けられている。面ファスナー10は、側面被覆部3cの長手方向に沿って延びており、互いに接近させて締結させることができる。すなわち、図2(b)、図3(b)に示すように、面ファスナー10(面ファスナー構成部10a、10b同士)を締結し、上側片7aと下側片7bの相対位置を中間位置に固定することができる。
【0030】
交差側面被覆部3eは、図1(a)に示すように、マットレス1の交差側面部1eを覆う部位である。図2(a)に示すように、交差側面被覆部3eは、上面被覆部3aと連続する上側片11aと、下面被覆部3bと連続する下側片11bと、マチ12を有する。
【0031】
上側片11aと下側片11bは、マチ12を介して接続されている。また、上側片11aの下端と、下側片11bの上端には、ファスナー13が設けられている。すなわち、上側片11aと下側片11bは、ファスナー13で締結(着脱)が可能である。
【0032】
具体的には、ファスナー13を締結することによって、上側片11aと下側片11bが最も接近した位置で固定される。このとき、マチ12は装着具3の内部空間に収容される。また、ファスナー13の締結を解除することによって、上側片11aと下側片11bは、マチ12の範囲で任意の相対位置に移動することができる。例えば、上側片11aと下側片11bは、図2(a)に示すファスナー13が締結した最も接近した位置から、図2(b)に示すような中間位置や、図2(c)に示すような最も離間した位置に移動することができる。
【0033】
また、マチ12の途中の部位には、図2(c)に示すように、面ファスナー構成部14a、14bからなる面ファスナー14(固定手段)が設けられている。面ファスナー14は、交差側面被覆部3eの長手方向に沿って延びており、互いに接近させて締結させることができる。すなわち、図2(b)に示すように、面ファスナー14を締結し、上側片11aと下側片11bの相対位置を中間位置で固定することができる。
【0034】
交差側面被覆部3fは、交差側面被覆部3eと左右対称形であって同様の構造を有しており、重複する説明は省略する。交差側面被覆部3fにおける各部の符号は、交差側面被覆部3eの各部の符号(例えばファスナー13)と兼用することとする。
【0035】
図2(a)等に示すように、上面被覆部3a、下面被覆部3b、側面被覆部3c、交差側面被覆部3eによって開口6aが形成されている。すなわち、側面被覆部3cと交差側面被覆部3eは接続されておらず、離間(断絶)している。
【0036】
同様に、上面被覆部3a、下面被覆部3b、側面被覆部3c、交差側面被覆部3fによって開口6bが形成されており、側面被覆部3cと交差側面被覆部3fは接続されておらず、離間(断絶)している。
【0037】
開口6a、6bの大きさ(鉛直方向の寸法)は、上面被覆部3aと下面被覆部3bの間隔によって変化する。すなわち、上面被覆部3aと下面被覆部3bの間隔が変化することによって変化する。
【0038】
ここで、側面被覆部3cと交差側面被覆部3eの間、及び側面被覆部3cと交差側面被覆部3fの間は断絶されている必要があるが、開口6a、6bは必須ではない。すなわち、側面被覆部3cと交差側面被覆部3fが断絶されていることにより、側面被覆部3cのマチ8と交差側面被覆部3fのマチ12の伸縮動作を、互いに干渉することなく個別に実施することができる。
【0039】
次に、装着具3の、様々な厚さのマットレス1への装着の仕方について説明する。
【0040】
図4(a)は、比較的厚さの薄いマットレス1に装着具3を装着した状態を示している。マットレス1に装着具3を装着すると、マットレス1の上面部1a、下面部1b、側面部1c、交差側面部1e、1fが、それぞれ装着具3の上面被覆部3a、下面被覆部3b、側面被覆部3c、交差側面被覆部3e、3fで覆われる。マットレス1の頭部配置側の二つの角が、装着具3の開口6a、6bから突出しており、良好なデザインを呈している。すなわち、装着具3を装着したマットレス1は、優れた意匠性を呈することができる。
【0041】
薄いマットレス1(高さ寸法が小さいマットレス1)に装着具3を装着する場合には、図2(a)に示すように、側面被覆部3cのファスナー9と、交差側面被覆部3e、3fのファスナー13を締結する。その結果、側面被覆部3cの上側片7aと下側片7bが最も近接した位置で固定されると共に、交差側面被覆部3e、3fの上側片11aと下側片11bが最も近接した位置で固定され、上面被覆部3aと下面被覆部3bの間隔が最も小さくなる。そして、薄いマットレス1と装着具3の間に隙間が生じることがなく、図4(a)に示すように、装着具3をマットレス1に装着することができる。
【0042】
なお、ファスナー9、13が閉じた場合、図2(a)、図3(a)に示すようにマチ8(側面被覆部3c)及び12(交差側面被覆部3e)が弛んだ状態となるが、図4(a)では、マチ8及び12の弛んだ部位の描写は省略している。図4(b)の描写も同様である。
【0043】
また、厚いマットレス1(高さ寸法が大きいマットレス)に装着具3を装着する場合には、図2(c)に示すように、ファスナー9、13を外し、マチ8、12を最大限に上下方向に拡げる。これにより、上面被覆部3aと下面被覆部3bの間隔が最大となり、装着具3を厚いマットレス1にちょうど装着することができるようになる。すなわち、厚いマットレス1と装着具3の間に隙間が生じることがなく、図4(c)に示すように、装着具3をマットレス1に装着することができる。
【0044】
さらに、厚さが中間程度のマットレス1に装着具3を装着する場合には、図2(b)に示すように、側面被覆部3cのファスナー9と、交差側面被覆部3e、3fのファスナー13を外すと共に、マチ8の面ファスナー10を締結すると共に、マチ12の面ファスナー14を締結する。これにより、上面被覆部3aと下面被覆部3bの間隔が中間程度となり、厚さが中間程度のマットレス1に対して装着具3をちょうど装着することができるようになる。すなわち、厚さが中間程度のマットレス1と装着具3の間に隙間が生じることがなく、図4(b)に示すように、装着具3をマットレス1に装着することができる。
【0045】
マットレス1に装着具3を装着することにより、収容部5に収容した枕2が、マットレス1の所定の位置に装着(配置)される。マットレス1の頭部配置側の端部から枕2までの距離Aは、図4(a)〜図4(c)に示すように、マットレス1の厚さによらず一定である。すなわち、枕2はマットレス1の厚さによらず、マットレス1の頭部配置側の端部から所定の距離Aの位置に装着される。
【0046】
本実施形態では、側面被覆部3cのマチ8に面ファスナー10を設け、交差側面被覆部3eのマチ12に面ファスナー14を設けた例を示したが、固定手段として、面ファスナー10、14の代わりに釦やフックを使用することもできる。すなわち、釦又はフックを所定の間隔で配置し、必要に応じて釦又はフックを止めることにより、マチ8、12を短くする(側面被覆部3c及び交差側面被覆部3eの高さを低くする)こともできる。
【0047】
次に、装着具3の別の使用の仕方について説明する。
【0048】
図5(a)、図5(b)は、共に薄いマットレス1に装着具3を装着した状態を示している。図5(a)に示す形態は、装着具3は、側面被覆部3cのファスナー9と、交差側面被覆部3e、3fのファスナー13を締結しており、実質的に、図4(a)に示す形態と同様である。枕2は、収容部5に収容された結果、マットレス1の長手方向の枕2の位置は、頭部配置側の端部から距離Aの位置に固定されている。
【0049】
次に、図5(b)に示す形態では、装着具3は、交差側面被覆部3e、3fのファスナー13を締結した状態を維持し、側面被覆部3cのファスナー9のみを外している。その結果、マチ8が拡がり、図5(b)に示すように、マットレス1の長手方向の枕2の位置は、頭部配置側の端部から距離B(B>A)の位置に固定されている。すなわち、枕2を収容した収容部5が、足部配置側へ移動している。
【0050】
これにより、図5(a)に示す形態を、身長が高い使用者用として採用することができ、図5(b)に示す形態を、身長が低い使用者用として採用することができる。すなわち、図5(a)に示す形態でも、身長が低い使用者はマットレス1を使用することができるが、頭部側が逼迫するのに対して、足部側には非常に広い空間ができてしまう。そこで、身長が低い使用者がマットレス1を使用する場合には、装着具3を図5(b)に示すような形態でマットレス1に装着し、頭部側の空間を拡げるのが好ましい。
【0051】
また、装着具3は、マットレス1の上面部1aを覆う上面被覆部3aと、下面部1bを覆う下面被覆部3bと、マットレス1の長手方向の一方側の側面部1cを覆う側面被覆部3cと、マットレス1の側面部1cと交差する交差側面部1e、1fを覆う交差側面被覆部3e、3fを有するので、マットレス1の表面の少なくとも五面が装着具3で覆われる。すなわち、装着具3はマットレス1のカバーとして機能する。
【0052】
本実施形態に係る装着具3は、上面被覆部3aに薄い布片4が縫い付けられて、収容部5(配置部)が設けられている。すなわち、収容部5は袋状の部位であり、枕2を収容部5に収容することによって、枕2が装着具3に対して相対移動不能に固定される。また、装着具3は、取付部30によってマットレス1に相対移動不能に固定されている。そのため、枕2は装着具3を介してマットレス1の所定の位置に固定されている。
【0053】
収容部5の開口5aは、収容部5における頭部配置側に設けられているため、マットレス1が起立しても枕2は収容部5(装着具3)から脱落することがない。すなわち、マットレス1が水平状態と起立状態のいずれの姿勢をとっても、枕2はマットレス1から落下することはない。
【0054】
また、袋状の収容部5内に配置された枕2に、使用者(就寝者)が直接触れることが
できないため、使用者が寝返りをしても、マットレス1に対する枕2の位置は変動しない。
さらに、収容部5は、布片4を上面被覆部3aに縫い付けられて構成されているため、一時的に枕2が不要になった際に、収容部5から枕2を取り出しても、布片4が平坦な状態になり、使用者の就寝の邪魔にはならない。
【0055】
さらに、装着具3は、マットレス1に対して着脱が可能であるので、汚れた場合にはマットレス1から外し、洗濯することができる。
【0056】
次に、図6を参照しながら、別の形態の装着具23について説明する。
図6(a)は、装着具23の展開図であって、装着具23の外面側を示している。装着具23は、柔らかい生地で構成されており、図6(a)に示すように装着具23は、上面被覆部23a、下面被覆部23b、側面被覆部23cを有する。
【0057】
上面被覆部23aの外面には、柔らかい生地で構成された布片24の三辺が縫い付けられて閉じており、一辺が開放されている。すなわち、上面被覆部23aと布片24で枕2を収容する収容部25が形成されており、開放された一辺が開口25a(枕2を出し入れする開口)を構成している。
【0058】
上面被覆部23aの両側の辺(図6(a)では左右の辺)には、上部側分割片15a、15bが設けられている。上部側分割片15aは、折れ曲がり部17aを介して上面被覆部23aと連続している。すなわち上部側分割片15aは、折れ曲がり部17aによって上面被覆部23aと直交するように折れ曲がることができる。同様に、上部側分割片15bも折れ曲がり部17bを介して上面被覆部23aと連続しており、上部側分割片15bは折れ曲がり部17bで上面被覆部23aと直交するように折れ曲がることができる。
【0059】
上部側分割片15a、15bには、各々面ファスナー構成部16a、16bが設けられている。
【0060】
また、上面被覆部23aにおける両折れ曲がり部17a、17bと直交する辺(図6(a)では下側の辺)には、折れ曲がり部21aを介して側面被覆部23cが連続している。すなわち、側面被覆部23cは、折れ曲がり部21aで上面被覆部23aに対して直交するように折れ曲がることができる。
【0061】
また、側面被覆部23cは、折れ曲がり部21bを介して下面被覆部23bと連続している。すなわち、側面被覆部23cは、折れ曲がり部21aと21bの間の部位である。この折れ曲がり部21a、21bの間隔は、装着具23の一つの形態(厚さ寸法が大きいマットレス1に装着するときの形態)における高さ寸法に相当する。
【0062】
側面被覆部23cの、折れ曲がり部21a付近には、ファスナー22の一片22aが設けられている。また、折れ曲がり部21b付近には、ファスナー22の他片22bが設けられている。ファスナー22の一片22aと他片22bの間の部位(領域)は、第1マチ部28aを構成している。
【0063】
ファスナー22の一片22a、他片22bの間には、面ファスナー構成部27a、27bから成る面ファスナー27(固定手段)が設けられている。面ファスナー構成部27a、27bの間の部位(領域)は、第2マチ部28bを構成している。
【0064】
上述のように、側面被覆部23cには、折れ曲がり部21bを介して下面被覆部23bが連続している。下面被覆部23bは、上面被覆部23aと同じ大きさ(面積)を有する。
【0065】
下面被覆部23bの両側の辺(図6では左右の辺)には、折れ曲がり部20a、20bを介して下部側分割片18a、18bが設けられている。下部側分割片18a、18bは、折れ曲がり部20a、20bによって、下面被覆部23bと直交するように折れ曲がることができる。
【0066】
下部側分割片18a、18bには、各々面ファスナー構成部19a、19bが設けられている。面ファスナー構成部19a、19bは、上部側分割片15a、15bの面ファスナー構成部16a、16bと結合して、面ファスナー29a、29b(結合手段)を構成する。
【0067】
次に、装着具23の組み立て方法について説明する。
【0068】
図6(b)に示すように、まず、折れ曲がり部21a、21bを折り曲げ、側面被覆部23cに対して、上面被覆部23a及び下面被覆部23bを直交させる。このとき、上面被覆部23aと下面被覆部23bは平行状態になる。
【0069】
そして、折れ曲がり部17a、17bを図6(b)で見て下方へ折り曲げ、上面被覆部23aに対して上部側分割片15a、15bを直交させる。また、折れ曲がり部20a、20bを上方へ折り曲げ、下面被覆部23bに対して下部側分割片18a、18bを直交させる。
【0070】
その結果、上部側分割片15aと下部側分割片18aが接触し、図6(c)に示すように、面ファスナー29a(面ファスナー構成部16aと面ファスナー構成部19a)が締結され、面ファスナー29b(面ファスナー構成部16bと面ファスナー構成部19b)が締結される。そして、装着具23は、六面のうちの五面を囲む形態を呈する。図6(c)に示す形態では、装着具23の高さ寸法は最大となっている。
【0071】
また、図6(a)に示すように、上面被覆部23a及び上部側分割片15a、15bには、連続した端辺31が形成されており、下面被覆部23b及び下部側分割片18a、18bには、連続した端辺32が形成されている。そして装着具23を組み立てると、端辺31、32が接合され、四角形の開口が形成される。この開口の大きさは、マットレス1の横断面の大きさと一致している。
【0072】
ここで、図6(d)に示すように、側面被覆部23cに設けた面ファスナー27を閉じると、第2マチ部28bが閉じ、装着具23(側面被覆部23c)の高さ寸法が小さくなる。このとき、上部側分割片15a、15bの面ファスナー構成部16a、16bと、下部側分割片18a、18bの面ファスナー構成部19a、19bの互いの係合位置を変えることにより、上面被覆部23aと下面被覆部23bの平行姿勢を維持することができる。すなわち、第2マチ部28bが閉じ、側面被覆部23cの高さが小さくなった分だけ上部側分割片15a、15bと下部側分割片18a、18bを相対的に移動させ、上面被覆部23aと下面被覆部23bが平行になった状態で面ファスナー構成部16a、16bと面ファスナー構成部19a、19bを締結する。
【0073】
また、図6(e)に示すように、側面被覆部23cに設けたファスナー22を閉じると、第1マチ部28aが閉じ、側面被覆部23cの高さ寸法がさらに小さくなる。この側面被覆部23cの高さ寸法に合わせて、上部側分割片15a、15bの面ファスナー構成部16a、16bと、下部側分割片18a、18bの面ファスナー構成部19a、19bの互いの係合位置を変更し、上面被覆部23aと下面被覆部23bの平行姿勢を維持することができる。
【0074】
すなわち、図6(c)に示すように、ファスナー22(第1マチ部28a)及び面ファスナー27(第2マチ部28b)を開くと、側面被覆部23cの高さが最大となり、厚さが大きいマットレス1に装着具23を装着することができる。
【0075】
また、図6(d)に示すように、面ファスナー27(第2マチ部28b)を閉じると、側面被覆部23cの高さが低くなり、装着具23を中程度の厚さのマットレス1にちょうど装着することができるようになる。このとき、上面被覆部23aと下面被覆部23bが平行状態を維持するように、上部側分割片15a、15bと下部側分割片18a、18bの係合位置は変化している。
【0076】
さらに、図6(e)に示すように、ファスナー22(第1マチ部28a)を閉じると、側面被覆部23cの高さが図6(d)に示す状態よりもさらに低くなり、装着具23を厚さの薄いマットレス1にちょうど装着することができるようになる。このとき、上面被覆部23aと下面被覆部23bが平行状態を維持するように、上部側分割片15a、15bと下部側分割片18a、18bの係合位置はさらに変化している。
【0077】
ここで、図6(c)、図6(d)、図6(e)に示す装着具23の形態で、それぞれ大中小の厚さのマットレスの厚み寸法に対応するように、予め第1マチ部28a及び第2マチ部28bを設定しておく。
【0078】
図6(c)、図6(d)、図6(e)のいずれの形態においても、マットレス1の頭部配置側の端部から収容部5(枕2)までの距離(枕2の配置位置)は同じである。すなわち、装着具23は、マットレス1の厚さによらず、枕2を所定の位置に配置することができる。
【0079】
また、図6(e)に示す厚さの薄いマットレス1に装着具23を装着した場合における、装着具23の別の使用の仕方を説明する。上部側分割片15a、15bの面ファスナー構成部16a、16bと、下部側分割片18a、18bの面ファスナー構成部19a、19bの係合位置は変更せず、側面被覆部23cの第1マチ部28a又は第2マチ部28bを開くと、上面被覆部23aと下面被覆部23bの間隔は変わらず、収容部25の位置が足部配置側へ移動する。すなわち、収容部25に収容された枕2の位置を足部配置側へ移動させることができる。
【0080】
次に、図7を参照しながら、図6の装着具23の変形例の装着具33について説明する。
図7(a)は、装着具33の展開図であって、装着具33の外面側を示している。装着具33は、柔らかい生地で構成されており、図7(a)に示すように、上面被覆部33a、下面被覆部33bを有する。
【0081】
上面被覆部33aの外面には、柔らかい生地で構成された布片34の三辺が縫い付けられて閉じており、一辺が開放されている。すなわち、上面被覆部33aと布片34で収容部35が形成されており、開放された一辺が開口35aを構成している。
【0082】
上面被覆部33aの両側の辺(図7(a)では左右の辺)には、上部側分割片45a、45bが設けられている。上部側分割片45aは、折れ曲がり部47aを介して上面被覆部33aと連続している。すなわち上部側分割片45aは、折れ曲がり部47aによって上面被覆部33aと直交するように折れ曲がることができる。同様に、上部側分割片45bも折れ曲がり部47bを介して上面被覆部33aと連続しており、上部側分割片45bは折れ曲がり部47bで上面被覆部33aと直交するように折れ曲がることができる。
【0083】
上部側分割片45aの二つの角部分(図7(a)で見て上下両端の角部分)には、締結紐46a、46bが設けられている。同様に、上部側分割片45bの二つの角部分には、締結紐46c、46dが設けられている。
【0084】
また、上面被覆部33aにおける両折れ曲がり部47a、47bと直交する辺(図7(a)では下側の辺)には、折れ曲がり部51aを介して側面被覆部33cが連続している。すなわち、側面被覆部33cは、折れ曲がり部51aで上面被覆部33aに対して直交するように折れ曲がることができる。
【0085】
また、側面被覆部33cは、折れ曲がり部51bを介して下面被覆部33bと連続している。すなわち、側面被覆部33cは、折れ曲がり部51aと51bの間の部位である。この折れ曲がり部51a、51bの間隔は、装着具33の一つの形態(厚さ寸法が大きいマットレス1に装着するときの形態)における高さ寸法に相当する。
【0086】
側面被覆部33cの、折れ曲がり部51a付近には、ファスナー42の一片42aが設けられている。また、折れ曲がり部51b付近には、ファスナー42の他片42bが設けられている。ファスナー42の一片42aと他片42bの間の部位(領域)は、第1マチ部58aを構成している。
【0087】
ファスナー42の一片42a、他片42bの間には、面ファスナー構成部57a、57bから成る面ファスナー57(固定手段)が設けられている。面ファスナー構成部57a、57bの間の部位(領域)は、第2マチ部58bを構成している。
【0088】
上述のように、側面被覆部33cには、折れ曲がり部51bを介して下面被覆部33bが連続している。下面被覆部33bは、上面被覆部33aと同じ大きさ(面積)を有する。
【0089】
下面被覆部33bの両側の辺(図7では左右の辺)には、折れ曲がり部50a、50bを介して下部側分割片48a、48bが設けられている。下部側分割片48a、48bは、折れ曲がり部50a、50bによって、下面被覆部33bと直交するように折れ曲がることができる。
【0090】
下部側分割片48aの二つの角部分(図7(a)で見て上下両端の角部分)には、上から順に受け部49b、49aが設けられている。同様に、下部側分割片48bの二つの角部分には、上から順に受け部49d、49cが設けられている。各受け部49a〜49dは、紐状の部材で環を形成したものである。
【0091】
次に、装着具33の組み立て方法について説明する。
【0092】
図7(b)に示すように、折れ曲がり部51a、51bを折り曲げ、側面被覆部33cに対して、上面被覆部33a及び下面被覆部33bを直交させる。このとき、上面被覆部33aと下面被覆部33bは平行な状態になる。
【0093】
また、折れ曲がり部47a、47bを折り曲げ、上面被覆部33aに対して上部側分割片45a、45bを直交させる。さらに、折れ曲がり部50a、50bを折り曲げ、下面被覆部33bに対して下部側分割片48a、48bを直交させる。
【0094】
その結果、上部側分割片45aの締結紐46aと下部側分割片48aの受け部49aが上下の位置関係となる。そして、締結紐46aを受け部49aに結び付ける。同様に、締結紐46b〜46dを受け部49b〜49dに結び付ける。これにより、上部側分割片45a、45bと下部側分割片48a、48bが一体化される。図7(b)に示す形態では、装着具33の高さ寸法は最大となっている。
【0095】
図示していないが、側面被覆部33cに設けた面ファスナー57を閉じると、第2マチ部58bが閉じ、装着具33(側面被覆部33c)の高さ寸法が小さくなる。このとき、上部側分割片45a、45bの締結紐46a、46bの結び目の位置を変えることにより、上面被覆部33aと下面被覆部33bの平行姿勢を維持することができる。すなわち、第2マチ部58bが閉じ、側面被覆部33cの高さが小さくなった分だけ上部側分割片45a、45bと下部側分割片48a、48bを相対的に移動させ、上面被覆部33aと下面被覆部33bが平行になった位置で締結紐46a〜46dと受け部49a〜49dを締結する。
【0096】
また、側面被覆部33cに設けたファスナー42を閉じると、第1マチ部58aが閉じ、側面被覆部33cの高さ寸法がさらに小さくなる。この側面被覆部33cの高さ寸法に合わせて、上部側分割片45a、45bの締結紐46a、46bの結び目の位置を変えることにより、上面被覆部33aと下面被覆部33bの平行姿勢を維持することができる。
すなわち、第1マチ部58aが閉じ、側面被覆部33cの高さが小さくなった分だけ上部側分割片45a、45bと下部側分割片48a、48bを相対的に移動させ、上面被覆部33aと下面被覆部33bが平行になった位置で締結紐46a〜46dと受け部49a〜49dを締結する。
【0097】
すなわち、第1マチ部58a及び第2マチ部58bを開くと、側面被覆部33cの高さが最大となり、厚さが大きいマットレス1に装着具33を装着することができる。
【0098】
また、第2マチ部58b(面ファスナー57)を閉じると、側面被覆部33cの高さが低くなり、装着具33を中程度の厚さのマットレス1にちょうど装着することができるようになる。
【0099】
さらに、第1マチ部58a(ファスナー42)を閉じると、側面被覆部33cの高さが最も低くなり、装着具33を厚さの薄いマットレス1にちょうど装着することができるようになる。
【0100】
ここで、大中小の厚さのマットレスの厚み寸法に対応するように、予め第1マチ部58a及び第2マチ部58bのサイズを設定しておく。
【0101】
また、厚さの薄いマットレス1に装着具33を装着した場合における、装着具33の別の使用の仕方を説明する。図示していないが、上部側分割片45a、45bの締結紐46a〜46dと、下部側分割片48a、48bの受け部49a〜49dの係合位置は変更せず、側面被覆部33cの第1マチ部58a又は第2マチ部58bを開くと、上面被覆部33aと下面被覆部33bの間隔は変わらず、収容部35の位置が足部配置側へ移動する。すなわち、収容部35に収容された枕2の位置を足部配置側へ移動させることができる。
【0102】
図7では、上部側分割片45a、45bに締結紐46a〜46dを設けた例を示したが、締結紐46a〜46dの代わりに、受け部49a〜49dと同様の受け部を設け、上部側分割片45a、45bと下部側分割片48a、48bの受け部同士を、別に用意した紐で締結してもよい。
【0103】
以上の各実施形態では、マットレス1の六面のうちの五面を覆う装着具3、23、33について説明したが、装着具は、マットレス1の残りの一面(図1に示す側面部1d)を覆う側面被覆部を有していてもよい。すなわち、側面部1dを覆う側面被覆部にもマチを設けることにより、異なる厚さのマットレスに装着具を装着することができる。
【0104】
以上の各実施形態の装着具3、23、33は、固形のクッション材を内蔵したマットレスに限らず、エアマットレスにも枕2を好適に装着することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 マットレス
1a マットレスの上面部
1b マットレスの下面部
1c マットレスの側面部
1e、1f マットレスの交差側面部
2 枕
3 装着具
3a 装着具の上面被覆部
3b 装着具の下面被覆部
3c 装着具の側面被覆部
3e、3f 装着具の交差側面被覆部
5 収容部(配置部)
8 側面被覆部のマチ
10 側面被覆部の面ファスナー(固定手段)
12 交差側面被覆部のマチ
14 交差側面被覆部の面ファスナー(固定手段)
28a 側面被覆部のマチ
29a、29b 上部側分割片と下部側分割片を結合する面ファスナー(結合手段)
46a〜46d 締結紐(結合手段)
49a〜49d 受け部(結合手段)
30 装着具におけるマットレスを取り付ける取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7