特開2020-163168(P2020-163168A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-163168(P2020-163168A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】ガスを搬送するための構成要素
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/08 20060101AFI20200911BHJP
【FI】
   A61M16/08 300Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2020-91145(P2020-91145)
(22)【出願日】2020年5月26日
(62)【分割の表示】特願2018-90479(P2018-90479)の分割
【原出願日】2011年9月9日
(31)【優先権主張番号】61/381,880
(32)【優先日】2010年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】グラハム ピーター ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア エンリコ アルバレス
(72)【発明者】
【氏名】チュー シュウ−イ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】呼吸管内の結露または液体の蓄積を観察可能な、製造コストの低い呼吸管を形成する構成要素を提供する。
【解決手段】発泡壁3を有する管状本体2を含み、発泡壁は波形であるか波形の外形のものとされ、波形の外形は交互する外部波頂部4(または環状突出部)と内部波底部5(または環状凹部)とを含み得る。発泡壁は単一押出成形物の押し出しにより形成される。発泡壁は、使用時、管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にするよう十分な最低限の光透過性を有するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸管の一部を形成する、または前記呼吸管を形成する構成要素であって、
発泡壁を有する管状本体を含み、
前記発泡壁が、使用時、前記管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にするよう十分な最低限の光透過性を有する、構成要素。
【請求項2】
前記発泡壁を有する前記管状本体が単一押出成形物の押し出しにより形成されている、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
呼吸管の一部を形成する、または前記呼吸管を形成する構成要素であって、
単一押出成形物の押し出しにより形成された発泡壁を有する管状本体を含み、
前記発泡壁が、使用時、前記管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にするよう十分な最低限の光透過性を有する、構成要素。
【請求項4】
ヒータをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項5】
前記管状本体の前記壁が波形であるか、波形の外形のものであり、前記波形の外形が交互する外部波頂部(または環状突出部)と内部波底部(または環状凹部)とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項6】
前記管状本体が環状波形形状または螺旋波形形状のものである、請求項5に記載の構成要素。
【請求項7】
前記外部波頂部が前記管状本体の最大内半径および最大外半径の位置に相当し、前記内部波頂部が前記管状本体の最小内半径および最小外半径の位置に相当する、請求項5または6に記載の構成要素。
【請求項8】
前記管状本体が実質的に均一な壁厚を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記壁厚が約0.4mm〜約0.8mmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項10】
前記壁厚が約0.6mmの厚さである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項11】
前記発泡壁が、少なくとも、前記発泡壁によって境界を定められた前記管状本体の前記内部を断熱している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項12】
前記発泡壁が約0.2〜0.4W/m.°K(ワット/メートル度ケルビン)の熱伝導率を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項13】
前記発泡壁が約0.3W/m−°Kの熱伝導率を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項14】
前記発泡壁が発泡高分子材料の単一片である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項15】
前記発泡壁が約5.5%〜約7.5%の空隙率を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項16】
前記押出成形物が1種または複数種の高分子を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項17】
前記押出成形物が、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンプラストマ(POP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)の1種または複数種またはこれら材料のブレンドを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項18】
前記押出成形物が1種または複数種の化学発泡剤をさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項19】
前記押出成形物が、酸化カルシウムを含む1種または複数種の化学発泡剤をさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項20】
前記押出成形物が1種または複数種の表面改質剤をさらに含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項21】
前記押出成形物が、グリセロールモノステアレート(GMS)エトキシル化アミン、アルカンスルホン酸ナトリウム塩、またはラウリン酸ジエタノールアミンを含む1種または複数種の表面改質剤をさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項22】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の少なくとも約98.4重量パーセント(wt.%)の高分子を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項23】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の少なくとも約99.49wt.%または99.4889wt.%の高分子(複数種可)を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項24】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の少なくとも約0.005重量パーセント(wt.%)の化学発泡剤を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項25】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の約0.01wt.%〜0.012wt.%の化学発泡剤を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項26】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の少なくとも約0.05重量パーセント(wt.%)の表面改質剤を含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項27】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の約0.25wt.%〜0.5wt.%の表面改質剤を含む、請求項1〜26のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項28】
前記結果として形成された管状本体が約45度(°)未満の表面特性接触角を可能にする、請求項1〜27のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項29】
ヒータが前記管状本体の壁に付属している、請求項1〜28のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項30】
前記ヒータが前記管状本体の内壁面に付属している、請求項29に記載の構成要素。
【請求項31】
前記ヒータが前記管状本体の外壁面に付属している、請求項29に記載の構成要素。
【請求項32】
前記ヒータが部分的にまたは全体的に前記管状本体の前記壁に埋設されている、請求項29に記載の構成要素。
【請求項33】
前記管状本体が外部シースをさらに含む、請求項1〜32のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項34】
前記外部シースが前記管状本体の外壁面に付属しているヒータを取り囲んでいる、請求項33に記載の構成要素。
【請求項35】
前記外部シースが、隣接する外部波頂部(または環状突出部)間に空気を外部封入しており、かつ前記管状本体の外壁面に付属しているヒータワイヤなどのヒータを拘束している、請求項33または34に記載の構成要素。
【請求項36】
前記管状本体が呼吸管であり、入口にある第1のコネクタおよび出口にある第2のコネクタによって終端し、前記入口コネクタと前記出口コネクタとの間の長さに1つのガス通路のみが設けられている、請求項1〜35のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項37】
前記管状本体がガス注入システムの少なくとも一部において使用するための導管の構成要素である、請求項1〜36のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項38】
前記管状本体が呼吸回路において使用するための呼吸管の構成要素である、請求項1〜37のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項39】
前記管状本体が、ISO5367:2000(E)(第4版、2000年6月1日)による、曲げによる流動抵抗の増加における試験を通過することにより定められた可撓性を有する、請求項1〜38のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項40】
呼吸管の一部を形成する、または前記呼吸管を形成する構成要素であって、
単一押出成形物から形成された発泡壁を有する管状本体を含み、
前記発泡壁が表面改質されている、構成要素。
【請求項41】
前記発泡壁が化学的手段または物理的手段によって表面改質されている、請求項40に記載の構成要素。
【請求項42】
前記発泡壁が、前記壁表面の表面張力を変えることによって、例えば、前記壁表面の前記表面張力を増加することにより表面改質されている、請求項40に記載の構成要素。
【請求項43】
前記発泡壁は、使用時、前記管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にする十分な最低限の光透過性を有するものである、請求項40に記載の構成要素。
【請求項44】
前記管状本体の前記壁が波形であるか、波形の外形のものであり、前記波形の外形は交互する外部波頂部(または環状突出部)と内部波底部(または環状凹部)とを含む、請求項40に記載の構成要素。
【請求項45】
前記管状本体が環状波形形状または螺旋波形形状のものである、請求項44に記載の構成要素。
【請求項46】
前記外部波頂部が前記管状本体の最大内半径および最大外半径の位置に相当し、前記内部波頂部が前記管状本体の最小内半径および最小外半径の位置に相当する、請求項44または45に記載の構成要素。
【請求項47】
前記管状本体が実質的に均一な壁厚を有する、請求項40〜46のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項48】
前記壁厚が約0.4mm〜約0.8mmである、請求項40〜47のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項49】
前記壁厚が厚さ約0.6mmである、請求項40〜48のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項50】
前記発泡壁が、少なくとも、前記発泡壁によって境界を定められた前記管状本体の前記内部を断熱している、請求項40〜49のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項51】
前記発泡壁が約0.2〜0.4W/m−°K(ワット/メートル度ケルビン)の熱伝導率を有する、請求項40〜50のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項52】
前記発泡壁が約0.3W/m−°Kの熱伝導抵抗を有する、請求項40〜51のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項53】
前記発泡壁が発泡高分子材料の単一片である、請求項40〜52のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項54】
前記発泡壁が約5.5%〜約7.5%の空隙率を有する、請求項40〜53のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項55】
前記押出成形物が1種または複数種の高分子を含む、請求項40〜54のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項56】
前記押出成形物が、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンプラストマ(POP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)の1種または複数種またはこれら材料のブレンドを含む、請求項40〜55のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項57】
前記押出成形物が1種または複数種の化学発泡剤をさらに含む、請求項40〜56のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項58】
前記押出成形物が、酸化カルシウムを含む1種または複数種の化学発泡剤をさらに含む、請求項40〜57のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項59】
前記押出成形物が1種または複数種の表面改質剤をさらに含む、請求項40〜58のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項60】
前記押出成形物が、グリセロールモノステアレート(GMS)、エトキシル化アミン、アルカンスルホン酸ナトリウム塩またはラウリン酸ジエタノールアミンを含む1種または複数種の表面改質剤をさらに含む、請求項40〜59のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項61】
前記押出成形物が、前記押出成形物全体の少なくとも約98.4重量パーセント(wt.%)の高分子(1種)または高分子(複数種)を含む、請求項40〜60のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項62】
前記押出成形物が、前記押出成形物全体の少なくとも約99.49wt.%または99.4889wt.%の高分子(1種)または高分子(複数種)を含む、請求項40〜61のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項63】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の少なくとも約0.005重量パーセント(wt.%)の化学発泡剤を含む、請求項40〜62のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項64】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の約0.01wt.%〜0.012wt.%の化学発泡剤を含む、請求項40〜63のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項65】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の少なくとも約0.05重量パーセント(wt.%)の表面改質剤を含む、請求項40〜64のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項66】
前記押出成形物が前記押出成形物全体の約0.25wt.%〜0.5wt.%の表面改質剤を含む、請求項40〜65のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項67】
前記結果として形成された管状本体が約45度(°)未満の表面特性接触角を可能にする、請求項40〜66のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項68】
ヒータをさらに含む、請求項40〜67のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項69】
ヒータが前記管状本体の壁に付属している、請求項40〜68のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項70】
ヒータが前記管状本体の内壁面に付属している、請求項40〜69のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項71】
ヒータが前記管状本体の外壁面に付属している、請求項40〜69のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項72】
ヒータが部分的にまたは全体的に前記管状本体の前記壁に埋設されている、請求項40〜69のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項73】
前記管状本体が外部シースをさらに含む、請求項40〜72のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項74】
前記外部シースが前記管状本体の外壁面に付属しているヒータを取り囲んでいる、請求項73に記載の構成要素。
【請求項75】
前記外部シースが、隣接する外部波頂部(または環状突出部)間に空気を外部封入しており、かつ前記管状本体の外壁面に付属しているヒータワイヤなどのヒータを拘束している、請求項73または74に記載の構成要素。
【請求項76】
前記管状本体が呼吸管であり、入口にある第1のコネクタおよび出口にある第2のコネクタによって終端し、前記入口コネクタと前記出口コネクタとの間の長さに1つのガス通路のみが設けられている、請求項40〜75のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項77】
前記管状本体がガス注入システムの少なくとも一部において使用するための導管の構成要素である、請求項40〜76のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項78】
前記管状本体が呼吸回路において使用するための呼吸管の構成要素である、請求項40〜77のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項79】
前記管状本体が、ISO5367:2000(E)(第4版、2000年6月1日)による、曲げによる流動抵抗の増加における試験を通過することにより定められた可撓性を有する、請求項40〜78のいずれか1項に記載の構成要素。
【請求項80】
呼吸管の一部を形成する、または前記呼吸管を形成する構成要素であって、
単一押出成形物の押し出しにより形成された発泡壁を有する発泡壁を有する管状本体を含み、
前記管状本体が外部シースをさらに含む、構成要素。
【請求項81】
呼吸管の一部を形成する、または前記呼吸管を形成する構成要素であって、
発泡壁を有する管状本体を含み、
前記発泡壁が表面改質されており、かつ前記管状本体が外部シースをさらに含む、構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者におよび/または患者からガスを搬送するための医療回路の構成要素に関する。1つの特定の態様においては、本発明は、導管に関し、特に、呼吸回路の吸気および/または呼気リムにおいて使用するための呼吸管に関する。別の特定の態様においては、本発明は、外科的ガス注入システム用の管に関する。
【背景技術】
【0002】
補助呼吸、特に、医療用途においては、高レベルの相対湿度を有するガスが、一般に、直径約10mm〜25mmの比較的制限された寸法(新生児および成人に対する適用の両方を含む)を有する可撓性のある呼吸管を通じて供給されるとともに戻される。このような呼吸管は、理想的には非常に軽量であり、キンクまたはピンチに対する抵抗があるが、同時に、患者にとって最高の性能および最高水準の快適性を確実とするため非常に可撓性がある。呼吸管の軽量性は、管の重みによって患者インターフェースにかかるあらゆる力を低減するため非常に重要である。同様に、高水準の患者快適性を達成するため、呼吸管は可撓性を有し、かつ容易に曲げることができねばならず、これによりさらには、患者のコンプライアンスが向上し得る。
【0003】
補助呼吸などの医療用途において、患者が吸入したガスは、好ましくは、飽和水準に近い湿度を有し、かつ体温(通常、33℃〜37℃の温度)に近い状態で送達される。高湿度の呼吸ガスが冷却されると、および/または比較的冷たい呼吸管の表面に接触すると、結露または水滴降下が呼吸管の内部表面に形成するおそれがある。患者から呼出された呼吸ガスは、通常、完全に飽和した状態で戻り、呼気呼吸管内を流れる。呼気ガスが呼気呼吸管を通過する際に冷やされると、結露または水滴降下も発生するおそれがある。
【0004】
同様に、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)に罹患している患者に陽圧呼吸ガスを提供する持続的気道陽圧(CPAP)システムまたは陽圧人工呼吸システムにおいても、吸気(および/または呼気)ガスを送達する(または除去する)ために呼吸管を使用している。
【0005】
呼吸管(吸気または呼気のいずれか)内に形成する凝縮物は患者により吸い込まれるか吸入されるおそれがあり、咳込みまたは他の不快につながることがある。呼吸管内の結露はまた、連結された装置および補助デバイスおよび/または種々のセンサの性能を妨げるおそれがある。
【0006】
結露の程度を低減するか、管構成要素から凝縮液を抜くための回収場所を提供するかのいずれかによって結露の有害作用を低減する試みがなされてきた。結露または水滴降下の低減は、一般に、結露の形成を低減するため、呼吸ガスの露点温度を上回る温度に維持するか、上昇させることにより達成されている。この温度は、通常、呼吸管内のヒータワイヤによって維持されるだが、いくつかの要因のためこれら呼吸管の水滴降下性能は完全とはならない場合がある。さらに、水滴降下を低減するためにガス流を加熱する従前の方法では、通常、高額および/または製造が困難な加熱管を使用することになる。特に、例えば、病院での使用において通常見られる「使い捨て」用途において、呼吸管の製造コストは極めて重要である。水滴降下をさらに低減する一方で、好ましくは、例えば、高い製造速度が可能となる製造方法を利用することによって低い製造コストを維持することが非常に望ましい。
【0007】
同様に、ガス注入を伴う腹腔鏡下手術時、また、ガス注入用ガス(一般にCO2)は腹腔内に送られる前に加湿されることが望ましい場合がある。これにより、患者の内部臓器の「乾燥」の防止が補助され、かつ手術からの回復に必要な時間の量を減少できる。ガス注入用乾燥ガスが使用された場合であっても、ガスは患者の体腔から水分を得るため飽和し得る。ガス中の水分は医療用チューブの壁またはガス注入システムの排気リム上に凝縮する傾向にある。水蒸気は、また、フィルタなどのガス注入システムの他の構成要素上に凝縮するおそれがある。フィルタ上に凝縮するあらゆる蒸気および水分の(吸気または排気)リムに沿った流出は非常に望ましくない。例えば、壁上に凝縮した水はフィルタを飽和するおそれがあり、フィルタが閉塞する原因となる。これは、場合によっては、背圧の増加を引き起こし、システムの煙を払う能力を妨げる。さらに、リム内の液体水が他の連結された装置に流れ込むおそれがあり、これは望ましくない。
【0008】
したがって、管構成要素内における結露または液体の急激な蓄積の可能性を低減するため向上した断熱特性を有することが可能な構成要素または管を提供すると有利であろう。
【0009】
さらに、結露の有害作用の低減を試みるにあたり、管構成要素内におけるあらゆる結露または液体の他の蓄積を患者または彼らの介護人により観察可能とする、つまり、構成要素または管内における結露または他の液体を可視的または視覚的に検出できると有用であろう。このようにして、可視的または視覚的検出を提供すると、そのような液体結露または管の構成要素内に蓄積している可能性のある他の液体の管理において処置をとることを可能にできる。そのような結露または管構成要素内における他の液体の蓄積を可視的または視覚的に検出する能力は、また、患者へのまたは患者からのガスの通過管理、もしくは患者へのまたは患者からのガスの通過用システムの一部を形成する管構成要素を通るガスの通過管理、もしくは患者の治療のより良好な管理の点においてさらなる利点を有し得る。
【0010】
本明細書において、特許明細書、他の外部文書または他の情報源を参照する場合、これは、一般に、本発明の特徴について論じるための背景を提供する目的のためである。特に明記しない限り、そのような外部文書の参照は、そのような文書またはそのような情報源はいずれの管轄においても先行技術であるか、当技術分野における共通の一般知識の一部を形成するという許可と解釈されるものではない。
【0011】
本発明のさらなる態様および利点は単に例として記載される以下の説明から明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上記を少なくとも幾分向上するか、公職従事者および医療従事者に有用な選択肢を少なくとも提供する構成要素および/または構成要素を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の態様において、本発明は、発泡壁を有する管状本体を含む呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。
発泡壁は、使用時、管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にするよう十分な最低限の光透過性を有するものである。
【0014】
好ましくは、発泡壁を有する管状本体は単一押出成形物の押し出しにより形成される。
【0015】
さらなる態様において、本発明は、単一押出成形物の押し出しにより形成される発泡壁を有する管状本体を含む呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。
発泡壁は、使用時、管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にするよう十分な最低限の光透過性を有するものである。
【0016】
好ましくは、管状本体の壁は波形であるか、波形の外形のものであり、波形の外形は交互する外部波頂部(または環状突出部)と内部波底部(または環状凹部)とを含む。好ましくは、外部波頂部は管状本体の最大内半径および最大外半径の位置に相当し、内部波頂部は管状本体の最小内半径および最小外半径の位置に相当する。
【0017】
好ましくは、波形構造は環状波形形状のものであっても螺旋波形形状のものであってもよい。
【0018】
代わりとして、好ましくは、管状本体は実質的に均一な壁厚を有する。
【0019】
好ましくは、管状本体は、約0.2mm〜約1mm、または約0.3mm〜約0.9mm、または約0.4mm〜約0.8mm、または約0.5mm〜約0.7mm、または約0.3mm〜約0.6mm、または約0.4mm〜約0.7mmの壁厚を有してもよい。壁は、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1mmの厚さであってもよい。好ましくは、約0.4mm〜約0.8mmであり、さらにより好ましくは、0.6mmの厚さである。
【0020】
好ましくは、発泡壁は、少なくとも発泡壁によって境界を定められた管状本体の内部を断熱している。好ましくは、発泡壁は約0.25〜0.45W/m−°K(ワット/メートル度ケルビン)の熱伝導率を有する。さらにより好ましくは、発泡壁は、約0.15〜0.35W/m−°Kまたは約0.2〜0.4W/m−°Kの熱伝導率を有する。好ましくは、約0.3W/m−°Kである。
【0021】
好ましくは、発泡壁は発泡高分子材料の単一片である。
【0022】
好ましくは、発泡壁は、約10%以下、または約9%以下、または約8%以下、または約7%以下、または約6%以下または約5%以下、または約4%以下、または約3%以下、または約2%以下、または約1%以下の空隙率を有する。より好ましくは、発泡壁は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、または約4.5%、または約5%、または約5.5%、または約6%、または約6.5%、または約7%、または約7.5%、または約8%、または約8.5%、または約9%、または約9.5%、または約10%の空隙率を有する。最も好ましくは、約5.5%または約7.5%、または約5.5%〜約7.5%である。
【0023】
好ましくは、押出成形物は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンプラストマ(POP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)の1種または複数種の高分子またはこれら材料のブレンドを含む。可塑化PVCも適切な材料であろうが、環境的理由からあまり使用されていない。
【0024】
好ましくは、押出成形物は1種または複数種の化学発泡剤を含む。より好ましくは、化学発泡剤は酸化カルシウムを含んでもよい。
【0025】
好ましくは、押出成形物は1種または複数種の表面改質剤を含む。より好ましくは、表面改質剤は、グリセロールモノステアレート(GMS)、エトキシル化アミン、アルカンスルホン酸ナトリウム塩、またはラウリン酸ジエタノールアミンの1種または複数種を含んでもよい。
【0026】
好ましくは、高分子は、押出成形物全体の少なくとも約98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9重量パーセント(wt.%)含まれる。好ましくは、約98.4wt.%含まれる。より好ましくは、高分子は押出成形物全体の約99.49wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、高分子は押出成形物全体の約99.488wt.%含まれる。
【0027】
好ましくは、化学発泡剤は、押出成形物全体の少なくとも約0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.011、0.012、0.013、0.014、0.015、0.016、0.017、0.018、0.019または0.02重量パーセント(wt.%)含まれる。好ましくは、約0.005wt.%含まれる。より好ましくは、化学発泡剤は押出成形物全体の約0.01wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、化学発泡剤は押出成形物全体の約0.012wt.%含まれる。または、約0.01wt.%〜約0.012wt.%含まれる。
【0028】
好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の少なくとも約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5重量パーセント(wt.%)含まれる。好ましくは、約0.05wt.%含まれる。より好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の約0.25wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の約0.5wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、押出成形物全体の約0.25wt.%〜約0.5wt.%含まれる。
【0029】
好ましくは、結果として形成された管状本体の壁は、ジェニオメータなどの角度測定デバイスによって測定可能な約50、45、40、35、30、25、20度(°)未満の表面特性接触角を可能にする。好ましくは、45°である。より好ましくは、結果として形成された管状本体の壁は約33°の表面特性接触角を可能にする。
【0030】
好ましくは、構成要素はヒータをさらに含む。好ましくは、ヒータは管状本体の壁に付属している。好ましくは、ヒータは管状本体の内壁面に付属している。好ましくは、ヒータは管状本体の外壁面に付属している。好ましくは、ヒータは部分的にまたは全体的に管状本体の壁に埋設されている。
【0031】
好ましくは、管状本体は外部シースをさらに含む。好ましくは、外部シースは管状本体の外壁面に付属しているヒータを取り囲んでいる。好ましくは、外部シースは隣接する外部波頂部(または環状突出部)間に空気を封入してもよく、かつ管状本体の外壁面に付属しているヒータワイヤなどのヒータを拘束している。
【0032】
好ましくは、管状本体は呼吸管であり、入口にある第1のコネクタおよび出口にある第2のコネクタによって終端し、入口コネクタと出口コネクタとの間の長さに1つのガス通路のみが設けられる。
【0033】
好ましくは、管状本体はガス注入システムの少なくとも一部において使用するための導管の構成要素である。好ましくは、管状本体は呼吸回路において使用するための呼吸管の構成要素である。
【0034】
好ましくは、管状本体は、ISO5367:2000(E)(第4版、2000年6月1日)による、曲げによる流動抵抗の増加における試験を通過することにより定められた可撓性を有する。
【0035】
さらなる態様において、本発明は、
単一押出成形物から形成された発泡壁を有する管状本体と、
管状本体内にあるヒータと、を含む、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。
発泡壁は、使用時、管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にする十分な最低限の光透過性を有するものである。
【0036】
好ましくは、管状本体の壁は波形であるか、波形の外形のものであり、波形の外形は交互する外部波頂部(または環状突出部)と内部波底部(または環状凹部)とを含む。好ましくは、外部波頂部は管状本体の最大内半径および最大外半径の位置に相当し、内部波頂部は管状本体の最小内半径および最小外半径の位置に相当する。
【0037】
好ましくは、波形構造は環状波形形状のものであっても螺旋波形形状のものであってもよい。
【0038】
代わりとして、好ましくは、管状本体は実質的に均一な壁厚を有する。
【0039】
好ましくは、管状本体は、約0.2mm〜約1mm、または約0.3mm〜約0.9mm、または約0.4mm〜約0.8mm、または約0.5mm〜約0.7mm、または約0.3mm〜約0.6mm、または約0.4mm〜約0.7mmの壁厚を有してもよい。壁は、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1mmの厚さであってもよい。好ましくは、約0.4mm〜約0.8mmまたは0.6mmの厚さである。
【0040】
好ましくは、発泡壁は、少なくとも発泡壁によって境界を定められた管状本体の内部を断熱している。好ましくは、発泡壁は約0.25〜0.45W/m−°K(ワット/メートル度ケルビン)の熱伝導率を有する。さらにより好ましくは、発泡壁は、約0.15〜0.35W/m−°Kまたは約0.2〜0.4W/m−°Kの熱伝導率を有する。好ましくは、約0.3W/m−°Kである。
【0041】
好ましくは、発泡壁は発泡高分子材料の単一片である。
【0042】
好ましくは、発泡壁は、約10%以下、または約9%以下、または約8%以下、または約7%以下、または約6%以下または約5%以下、または約4%以下、または約3%以下、または約2%以下、または約1%以下の空隙率を有する。より好ましくは、発泡壁は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、または約4.5%、または約5%、または約5.5%、または約6%、または約6.5%、または約7%、または約7.5%、または約8%、または約8.5%、または約9%、または約9.5%または約10%の空隙率を有する。最も好ましくは、約5.5%または約7.5%、または約5.5%〜約7.5%である。好ましくは、約5.5%〜約7.5%である。
【0043】
好ましくは、管状本体の発泡壁は物理発泡成形によって、または化学発泡成形によって、または両者の組み合わせによって発泡される。
【0044】
好ましくは、押出成形物は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンプラストマ(POP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)の1種または複数種の高分子またはこれら材料のブレンドを含む。可塑化PVCも適切な材料であろうが、環境的理由からあまり使用されていない。
【0045】
好ましくは、押出成形物は1種または複数種の化学発泡剤を含む。より好ましくは、化学発泡剤は酸化カルシウムを含んでもよい。
【0046】
好ましくは、押出成形物は1種または複数種の表面改質剤を含む。より好ましくは、表面改質剤は、グリセロールモノステアレート(GMS)、エトキシル化アミン、アルカンスルホン酸ナトリウム塩、またはラウリン酸ジエタノールアミンの1種または複数種を含んでもよい。
【0047】
好ましくは、高分子は、押出成形物全体の少なくとも約98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9重量パーセント(wt.%)含まれる。より好ましくは、高分子は押出成形物全体の約99.49wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、高分子は押出成形物全体の約99.488wt.%含まれる。好ましくは、少なくとも約98.4wt.%含まれる。
【0048】
好ましくは、化学発泡剤は、押出成形物全体の少なくとも約0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.011、0.012、0.013、0.014、0.015、0.016、0.017、0.018、0.019または0.02重量パーセント(wt.%)含まれる。より好ましくは、化学発泡剤は押出成形物全体の約0.01wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、化学発泡剤は押出成形物全体の約0.012wt.%含まれる。または、約0.01wt.%〜約0.012wt.%含まれる。好ましくは、少なくとも約0.005wt.%含まれる。
【0049】
好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の少なくとも約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5重量パーセント(wt.%)含まれる。より好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の約0.25wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の約0.5wt.%含まれる。好ましくは、約0.25wt.%〜約0.5wt.%、または少なくとも約0.05wt.%含まれる。
【0050】
好ましくは、結果として形成された管状本体の壁は、水による約50、45、40、35、30、25、20度(°)未満の表面特性接触角をジェニオメータなどの角度測定デバイスによって測定可能にする。好ましくは、45°である。より好ましくは、約20度〜約40度、または約25度〜約35度、または約28度〜約33度の接触角である。さらにより好ましくは、結果として形成された管状本体の壁は約33°の表面特性接触角を可能にする。
【0051】
好ましくは、ヒータは管状本体の壁に付属している。好ましくは、ヒータは管状本体の内壁面に付属している。好ましくは、ヒータは管状本体の外壁面に付属している。好ましくは、ヒータは部分的にまたは全体的に管状本体の壁に埋設されている。
【0052】
好ましくは、管状本体は外部シースをさらに含む。好ましくは、外部シースは管状本体の外壁面に付属しているヒータを取り囲んでいる。好ましくは、外部シースは隣接する外部波頂部(または環状突出部)間に空気を外部封入し、かつ管状本体の外壁面に付属しているヒータワイヤなどのヒータを拘束している。
【0053】
好ましくは、管状本体は呼吸管であり、入口にある第1のコネクタおよび出口にある第2のコネクタによって終端し、入口コネクタと出口コネクタとの間の長さに1つのガス通路のみが設けられる。
【0054】
好ましくは、管状本体はガス注入システムの少なくとも一部において使用するための導管の構成要素である。
【0055】
好ましくは、管状本体が呼吸回路において使用するための呼吸管の構成要素である。
【0056】
好ましくは、管状本体は、ISO5367:2000(E)(第4版、2000年6月1日)による、曲げによる流動抵抗の増加における試験を通過することにより定められた可撓性を有する。
【0057】
さらなる態様において、本発明は、
単一押出成形物から形成された発泡壁を有する管状本体を含む、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。
発泡壁は表面改質されている。
【0058】
好ましくは、発泡壁は化学的手段または物理的手段によって表面改質されている。
【0059】
好ましくは、発泡壁は、壁表面の表面張力を変えることにより、例えば、壁表面の表面張力を増加することにより表面改質されている。
【0060】
好ましくは、発泡壁は、使用時、管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にする十分な最低限の光透過性を有するものである。
【0061】
好ましくは、管状本体の壁は波形であるか、波形の外形のものであり、波形の外形は交互する外部波頂部(または環状突出部)と内部波底部(または環状凹部)とを含む。
【0062】
好ましくは、管状本体は環状波形形状または螺旋波形形状のものである。
【0063】
好ましくは、外部波頂部は管状本体の最大内半径および最大外半径の位置に相当し、内部波頂部は管状本体の最小内半径および最小外半径の位置に相当する。
【0064】
好ましくは、管状本体は実質的に均一な壁厚を有する。
【0065】
好ましくは、壁厚は約0.2mm〜約1mm、または約0.3mm〜約0.9mm、または約0.4mm〜約0.8mm、または約0.5mm〜約0.7mm、または約0.3mm〜約0.6mm、または約0.4mm〜約0.7mmの厚さである。
【0066】
好ましくは、壁厚は約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1mmの厚さである。
【0067】
好ましくは、発泡壁は、少なくとも発泡壁によって境界を定められた管状本体の内部を断熱している。
【0068】
好ましくは、発泡壁は約0.2〜0.4W/m−°K(ワット/メートル度ケルビン)または約0.15〜0.35W/m−°K、または約0.25〜0.45W/m−°Kの熱伝導率を有する。
【0069】
好ましくは、発泡壁は約0.3W/m−°Kの熱伝導抵抗を有する。
【0070】
好ましくは、発泡壁は発泡高分子材料の単一片である。
【0071】
好ましくは、発泡壁は、約10%以下、または約9%以下、または約8%以下、または約7%以下、または約6%以下または約5%以下、または約4%以下、または約3%以下、または約2%以下、または約1%以下の空隙率を有する。
【0072】
好ましくは、発泡壁は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、または約4.5%、または約5%、または約5.5%、または約6%、または約6.5%、または約7%、または約7.5%、または約8%、または約8.5%、または約9%、または約9.5%、または約10%の空隙率を有する。
【0073】
好ましくは、発泡壁は約5.5%〜約7.5%の空隙率を有する。
【0074】
好ましくは、押出成形物は1種または複数種の高分子を含む。
【0075】
好ましくは、押出成形物は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン、プラストマ(POP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)の1種または複数種またはこれら材料のブレンドを含む。
【0076】
好ましくは、押出成形物は1種または複数種の化学発泡剤をさらに含む。
【0077】
好ましくは、押出成形物は酸化カルシウムを含む1種または複数種の化学発泡剤をさらに含む。
【0078】
好ましくは、押出成形物は1種または複数種の表面改質剤をさらに含む。
【0079】
好ましくは、押出成形物はグリセロールモノステアレート(GMS)、エトキシル化アミン、アルカンスルホン酸ナトリウム塩またはラウリン酸ジエタノールアミンを含む1種または複数種の表面改質剤をさらに含む。
【0080】
好ましくは、押出成形物は、押出成形物全体の少なくとも約98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9重量パーセント(wt.%)である高分子(1種)または高分子(複数種)を含む。
【0081】
好ましくは、押出成形物は、押出成形物全体の少なくとも約99.49wt.%または99.4889wt.%である高分子(1種)または高分子(複数種)を含む。
【0082】
好ましくは、押出成形物は、押出成形物全体の少なくとも約0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.011、0.012、0.013、0.014、0.015、0.016、0.017、0.018、0.019または0.02重量パーセント(wt.%)の化学発泡剤を含む。
【0083】
好ましくは、押出成形物は、押出成形物全体の約0.01wt.%〜0.012wt.%の化学発泡剤を含む。
【0084】
好ましくは、押出成形物は、押出成形物全体の少なくとも約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5重量パーセント(wt.%)の表面改質剤を含む。
【0085】
好ましくは、押出成形物は、押出成形物全体の約0.25wt.%〜0.5wt.%の表面改質剤を含む。
【0086】
好ましくは、結果として形成された管状本体は約50、45、40、35、30、25、20度(°)未満の表面特性接触角を可能にする。
【0087】
好ましくは、構成要素はヒータをさらに含む。
【0088】
好ましくは、ヒータは管状本体の壁に付属している。
【0089】
好ましくは、ヒータは管状本体の内壁面に付属している。
【0090】
好ましくは、ヒータは管状本体の外壁面に付属している。
【0091】
好ましくは、ヒータは部分的にまたは全体的に管状本体の壁に埋設されている。
【0092】
好ましくは、管状本体は外部シースをさらに含む。
【0093】
好ましくは、外部シースは管状本体の外壁面に付属しているヒータを取り囲んでいる。
【0094】
好ましくは、外部シースは隣接する外部波頂部(または環状突出部)間に空気を外部封入し、かつ管状本体の外壁面に付属しているヒータワイヤなどのヒータを拘束している。
【0095】
好ましくは、管状本体は呼吸管であり、入口にある第1のコネクタおよび出口にある第2のコネクタによって終端し、入口コネクタと出口コネクタとの間の長さに1つのガス通路のみが設けられる。
【0096】
好ましくは、管状本体はガス注入システムの少なくとも一部において使用するための導管の構成要素である。
【0097】
好ましくは、管状本体は呼吸回路において使用するための呼吸管の構成要素である。
【0098】
好ましくは、管状本体は、ISO5367:2000(E)(第4版、2000年6月1日)による、曲げによる流動抵抗の増加における試験を通過することにより定められた可撓性を有する。
【0099】
さらなる態様において、本発明は、
発泡壁を有する管状本体であって、単一押出成形物から形成された、管状本体を含む、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。この態様に関して、上述の好適な実施形態をそのような管状本体とさらに組み合わせてもよい。
【0100】
さらなる態様において、本発明は、発泡壁を有する管状本体であって、単一押出成形物から形成されており、外部シースをさらに含む、管状本体を含む、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。この態様に関して、上述の好適な実施形態をそのような管状本体とさらに組み合わせてもよい。
【0101】
さらなる態様において、本発明は、
改質された表面を有する壁を有する管状本体であって、単一押出成形物から形成された、管状本体を含む、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。この態様に関して、上述の好適な実施形態をそのような管状本体とさらに組み合わせてもよい。
【0102】
さらなる態様において、本発明は、
改質された表面を有する壁を有する管状本体であって、単一押出成形物から形成されており、外部シースをさらに含む、管状本体を含む、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を広く含んでもよい。この態様に関して、上述の好適な実施形態をそのような管状本体とさらに組み合わせてもよい。
【0103】
さらなる態様において、本発明は、
単一押出成形物から管状本体を押し出すステップであって、押出成形物が、発泡管状本体の壁が、管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にする使用である十分な最低限の光透過性を有するように形成された管状本体の発泡成形のための発泡剤を含む、ステップを含む、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を形成する方法を広く含んでもよい。
【0104】
好ましくは、方法は、押し出された管状本体をコルゲータに送り、交互する外部波頂部(または環状突出部)と内部波底部(または環状凹部)とを含む波形の外形を有する押し出された管状本体に波形構造を形成するステップをさらに含む。
【0105】
好ましくは、波形構造は環状波形形状のものであっても螺旋波形形状のものであってもよい。
【0106】
好ましくは、方法は、第1の端部を第1のコネクタにより終端し、かつ第2の端部を第2のコネクタにより終端するステップをさらに含み、1つのガス通路のみが第1のコネクタと第2のコネクタとの間に形成される。
【0107】
好ましくは、方法は、ヒータまたはシースの1つまたは複数を管状本体のまわりに取り付けるステップをさらに含む。
【0108】
好ましくは、ヒータは管状本体の壁に付属している。好ましくは、ヒータは管状本体の内壁面または管状本体の外壁面のいずれかに付属され得る。代わりとして、好ましくは、そのようなヒータは部分的にまたは全体的に管状本体の壁に埋設され得る。
【0109】
好ましくは、構成要素はヒータをさらに含む。好ましくは、ヒータは管状本体の壁に付属している。好ましくは、ヒータは管状本体の内壁面に付属している。好ましくは、ヒータは管状本体の外壁面に付属している。好ましくは、ヒータは部分的にまたは全体的に管状本体の壁に埋設されている。
【0110】
好ましくは、管状本体は外部シースをさらに含む。好ましくは、外部シースは管状本体の外壁面に付属しているヒータを取り囲んでいる。好ましくは、外部シースは隣接する外部波頂部(または環状突出部)間に空気を封入してもよく、かつ管状本体の外壁面に付属しているヒータワイヤなどのヒータを拘束している。
【0111】
さらなる態様において、本発明は、単一押出成形物の押し出しにより形成された発泡壁を有する発泡壁を有する管状本体を含み、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を含み、
管状本体は外部シースをさらに含む。
【0112】
さらなる態様において、本発明は、発泡壁を有する管状本体を含み、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素を含み、
発泡壁は表面改質されており、管状本体は外部シースをさらに含む。
【0113】
さらなる態様において、本発明は、図面のいずれか1つまたは複数を参照して本明細書中に記載した構成要素を含む。
【0114】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「含む(comprising)」という用語は、「少なくとも部分的に含む(consisting at least in part of)」ことを意味する。用語「含む(comprising)」を含む本明細書および特許請求の範囲内の各記載を解釈する際、この用語から始まるもの(単数または複数)以外の特徴も存在し得る。「含む(comprise および comprises)」等の関連する用語も同じように解釈すべきである。
【0115】
本発明は、また、出願明細書および/または発明明細書に個々にまたは集合的に言及されるまたは示される部品、要素および特徴、ならびに前記部品、要素、特徴または発明明細書の任意の2つ以上のいずれかまたはすべての組み合わせを広く含むとされ得る。本発明が関係する当技術分野において公知の均等物を有する本明細書中において特定の整数が言及される場合、そのような公知の均等物は個々に説明するかのように本明細書中に組み込まれると考えられる。
【0116】
本発明は、前述のものを含み、また、以下により示される構造は単に例であると認識される。
【0117】
本発明の好適な実施形態を単に例としておよび図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0118】
図1】任意選択的に、管構成要素の一部に示されるシースを含む、本発明の一実施形態による医療チューブ構成要素、例えば、ガス注入システムの呼吸管またはリムの部分切開側面図を含む、波形の管状構成要素の断面図を示す。
図2A】発泡成形によって生じた種々の空隙率を全体として示す、管の壁部分において切った断面図であり、より高い透明性または明瞭度を有する(または管内における液体の視覚的検出の容易性が増加した)より低い(図2Bのものよりも低い)空隙率の発泡管状本体壁を全体として示す。
図2B】発泡成形によって生じた種々の空隙率を全体として示す、管の壁部分において切った断面図であり、低下した透明性または明瞭度(または管内における液体の視覚的検出の容易性が低下した)を有するより高い(図2Aのものよりも高い)空隙率の発泡管状本体壁を全体として示す。
図3】本発明による構成要素が使用され得る1つの種類の呼吸回路の概略図である。
図4】吸気リムおよび排気リムを示す患者および加湿ガス注入システムの概略図である。
図5】医療用チューブの1つの好適な形成方法の概略図である。
図6】ホッパーフィード、ダイヘッドへのスクリューフィーダを含み、かつコルゲータにより終端する、医療用チューブのさらに好適な形成方法の概略図である。
図7】管状本体の通路内にヒータワイヤを組み込んだ、本発明の一実施形態による発泡管状本体の全体図である。
図8】管状本体の外壁面の外部表面のまわりに配置されたヒータワイヤを組み込んだ、本発明の一実施形態による発泡管状本体の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0119】
医療回路、特に、呼吸回路(麻酔回路を含む)の分野において、高湿度の呼吸ガスが相対的に低い温度で構成要素の壁に接触する場合、結露または水滴降下は特に問題となるおそれがある。壁の熱抵抗(または断熱性能)を向上させることは、この点で利点を提供する。しかしながら、使用者または介護者には、構成要素内における液体の存在または凝縮物の蓄積を視覚的に特定することができるか、視覚的に認識することができると依然有益である。本発明は、これら有益な要件の両方を患者および介護者に提供する構成要素を可能にすることを目的とする。
【0120】
図3を参照すると、患者100が加湿ガス運搬経路または吸気呼吸管103に連結された患者インターフェース102を介して加湿および加圧されたガスを受け取る加湿人工呼吸システムが示されている。送達システムは、また、持続的気道陽圧、可変気道陽圧または二相性気道陽圧または呼吸療法の多数の他の形態とされ得ることを理解すべきである。q吸気管103は一定量の水106を含む加湿チャンバ105の出口104に連結されている。吸気管103は、管内における加湿ガスの結露を低減するために管の壁を加熱するヒータまたはヒータワイヤ(図示せず)を含んでもよい。加湿チャンバ105は、好ましくは、プラスチック材料から形成され、かつ加湿器108のヒータプレート107に直に接触している高熱伝導性の底部(例えば、アルミニウム製の底部)を有してもよい。加湿器108には、関連する記憶装置に保存されたコンピュータソフトウェアの命令を実行する、マイクロプロセッサをベースとした制御器を含んでもよい制御手段または電子制御器が設けられている。
【0121】
制御器は、例えば、ダイアル110を介して使用者が設定した湿度または温度値の入力および他の入力に応答し、いつ(またはどの程度まで)ヒータプレート107に電圧を加えて加湿チャンバ105内の水106を加熱するかを決定する。加湿チャンバ105内の一定量の水が加熱されると、水蒸気がチャンバの水面上の容積を充填し始め、ガス供給手段または人工呼吸器/送風機115から供給され、入口116を通じてチャンバ105に入るガス(例えば、空気)の流れとともに加湿チャンバ出口104から送出される。患者の口から呼出されたガスは戻り呼気呼吸管130を介して人工呼吸器に戻る。
【0122】
人工呼吸器115には、送風機入口117を通じて空気または他のガスを引き込む可変圧力調整手段または可変速度ファン121が設けられている。可変速度ファン121の速度は電子制御器118によって制御される。患者インターフェース102は、同様に、鼻マスク、口マスク、口鼻マスク、鼻プロングまたは全面式マスク等とされ得ることは理解されよう。
【0123】
しかしながら、また、本発明の分野における医療用チューブが満たすべき他の相反する要件がある。例えば、好ましくは、呼吸回路用の呼吸管は、
つぶれに対する抵抗があり、
曲げた場合の流動の妨げに対する抵抗があり(1インチのシリンダを曲げた場合の流動抵抗の増加が<50%)、
キンクに対する抵抗があり、
内圧下における長さ/体積の変化に対する抵抗があり(コンプライアンス)、
漏れに対する抵抗があり(6kPaで<25ml/分)、
低い流動抵抗を有し(最大定格流量<0.2kPaで圧力を上昇)、
電気的に安全である。すなわち、特に、酸素療法などの酸素が豊富な環境では、管内における火花は極めて危険となるおそれがある。
【0124】
国際規格ISO5367:2000(E)(第4版、2000年6月1日)は、これら望ましいパラメータのいくつかがどのように測定され、かつ評価されるかについての1つの例であり、同文書はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の構成要素はこれら規格のいくつかまたはすべてを満たすか上回ることが好ましい。
【0125】
本明細書において、用語「医療回路」および「呼吸回路」は本発明の全般的な分野を示すために使用される。「回路」は、完全な閉路を形成しない開路を含むことを意図するものであると理解すべきである。例えば、CPAPシステムは、通常、送風機と患者インターフェースとの間に単一の吸気呼吸管を含む。用語「呼吸回路」は、このような「開路」を含むことを意図している。同様に、用語「医療回路」は、呼吸回路およびガス注入回路(同様に、通常「開」である)の両方を含むことを意図している。同様に、用語「医療用チューブ」は、医療回路の構成要素間を連結し、医療回路の構成要素間にガス経路を設ける、上述した種類の医療回路における使用に適した可撓性管と解釈されることを意図している。
【0126】
用語「実質的に均一な」壁厚の波形管は、外部尖頭が、例えば、管の最大外半径を含む一方で、同様に、管の最大内半径を形成し、内部波底部が、例えば、管の最小内半径および最小外半径を形成する波形の外形を有する管を意味することを意図している。この種の管は、通常、後に波形にされる実質的に均一な厚みの押出品から形成される。後に形成される波形構造では、外部尖頭領域の壁厚を仕上管の内部波底部領域に対して変えてもよいことは理解されよう。実際の最小壁厚と実際の最大壁厚との比は、例えば、1:1.5〜3.0まで変えてもよい。
【0127】
本明細書および特許請求の範囲において使用される「単一押出成形物」とは、押出成形機に供給されて押し出される、単一バッチまたはブレンドまたは配合または材料(または材料(複数))の混合物を意味することは一般に理解されよう。このようにして、単一層の押出品が形成される。これは、例えば、共押出または押出コーティング技術によって形成されるもののような多層の押出成形物とは対照的であることは理解されよう。
【0128】
本明細書および特許請求の範囲において使用される用語「視覚的検出」は、人間の眼による認識を意味し、例えば、人が管状本体の少なくとも一部内における液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の存在または蓄積を視覚的に認識できることを意図している。さらなる例は、本明細書中に記載される「視覚的検出試験法」を実施した場合、本発明による管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の存在または蓄積を人が視覚的に認識できる場合を含む。
【0129】
呼吸管
本発明の分野における医療用チューブは、呼び径寸法約10mm〜約30mmおよび長さ約300mm〜2.5mを有する。特に、インターフェース構成要素に連結するための医療用チューブ等の用途では、管は大幅に短くてもよい(例えば、50mm〜300mm)。カテーテルマウントは、例えば、約80mmの長さを有してもよい。カテーテルマウントは、使用時、それぞれ患者への吸気呼吸ガスおよび患者からの呼気呼吸ガスの両方を運ぶ単一内腔管である。
【0130】
発泡実施形態
第1の実施形態において、(例えば、吸気管103などの)呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素1が設けられている。構成要素1は単一押出成形物の押し出しにより形成された発泡壁3を有する管状本体2を含む。発泡壁3は、使用時、管状本体2内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にするよう十分な最低限の光透過性を有するものである。
【0131】
しかしながら、別の実施形態では、(例えば、吸気管103などの)呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素1が設けられている。構成要素1は単一押出成形物の押し出しにより形成された発泡壁3を有する管状本体2を含む。代わりとして、別の実施形態では、(例えば、吸気管103などの)呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素1が設けられている。構成要素1は発泡壁3を有する管状本体2を含み、管状本体2は単一押出成形物から形成されており、管状本体は外部シース7をさらに含む。これら実施形態双方において、さらなる特徴、ならびに、例えば、任意の発熱体、外装シース、壁3の発泡成形法および量ならびに導管が波形形状のものであるか否かを含む、管状本体の壁の表面改質技術の形態等の実施形態との組み合わせが考えられる。
【0132】
またさらなる実施形態においては、しかしながら、(例えば、吸気管103などの)呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素1が設けられている。構成要素1は、改質された表面を有する壁3を有する管状本体2を含み得る。管状本体は単一押出成形物から形成されている。代わりとして、別の実施形態では、(例えば、吸気管103などの)呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素1が設けられている。構成要素1は、改質された表面を有する壁3を有する管状本体2を含み得る。管状本体2は単一押出成形物から形成されており、管状本体は外部シース7をさらに含む。同様に、および上述したように、これら実施形態双方において、さらなる特徴、ならびに、例えば、任意の発熱体、外装シース、壁3の発泡成形法および量ならびに導管が波形形状のものであるか否かを含む管状本体の壁の表面改質技術の形態等の実施形態との組み合わせが考えられる。
【0133】
図2Aおよび図2Bは、発泡管状本体壁の断面図を全体として示す。図2Aは、図2Bにおける壁の空隙率を下回る空隙率を有する壁部分を示す。空隙率は構成要素1の断熱性能を向上させる。空隙はガス気泡または発泡空隙18として示される。
【0134】
図2Aは、そのような構成要素1の管状本体2内に蓄積している可能性のある液体または凝縮物の視覚的検出を可能にするのに十分な視覚的明瞭度を有する壁を全体として示す。そのような視覚的特性は、使用者または介護者が管状本体内の液体の存在を視覚的に認識することを可能にし、必要であれば、構成要素から液体を排出するための処置をとるか、または受け手他の必要な処置。または、少なくとも保守が受けられることを可能にする。
【0135】
対照的に、図2Bの図に限られるものではないが、図2Bは、空隙率の水準が高くなるほど不透明度の可能性が高くなるか、管状本体2の壁の視覚的明瞭度または透明性は低下することを全体として示す。壁の空隙率は、少なくともそのような管状本体(または構成要素1)を使用する使用者または患者の介護者による視覚的検出のための最低限の透明性を可能にする水準とすべきである。
【0136】
そのような管状本体2の壁3は、任意選択的に、波形であるか、波形の外形のものとされ得る(例えば、図1に示すような)。例えば、波形の外形は、交互する外部波頂部4(または環状突出部)と内部波底部5(または環状凹部)とを含み得る。外部波頂部4は、管状本体の最大内半径および最大外半径の位置に相当し得るとともに、内部波底部5は、管状本体の最小内半径および最小外半径の位置に相当し得る。そのような波形構造は、環状波形形状のものであっても螺旋波形形状のものであってもよい。代わりとして、管状本体は滑らかなものであっても非波形の外形のものであってもよい。
【0137】
管状本体2は有利には実質的に均一な壁厚を有する。約0.2mm〜約1mm、または約0.3mm〜約0.9mm、または約0.4mm〜約0.8mm、または約0.5mm〜約0.7mm、または約0.3mm〜約0.6mm、または約0.4mm〜約0.7mmの壁厚である。壁は、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1mmの厚さであってもよい。
【0138】
そのような発泡壁3は、好ましくは、少なくとも発泡壁3によって境界を定められた管状本体2の内部(またはガス流路)に所定のレベルの断熱を提供する。特に、壁3は、管状本体2の(例えば、ガス流路を流れる加湿ガスなどの)内容を管状本体の周囲環境の潜在的な冷却作用から断熱する(例えば、呼吸回路または腹腔鏡下ガス注入システムを取り巻く周囲空気から断熱する)。構成要素または管状本体2を取り巻く環境は、例えば、病棟または病室、手術室または患者が配置される可能性のある他の場所である。
【0139】
発泡壁3は、例えば、単一押出成形物の押し出しによって形成された発泡高分子材料の単一片である。
【0140】
管状本体の壁3の発泡成形は、例えば、呼吸管または呼吸回路の一部としての構成要素の断熱特性を強化することを可能にする。特に、発泡壁3は、構成要素、特に、少なくとも発泡壁によって境界を定められた管状本体の内部の断熱特性の全体的な増加を提供してもよい。種々の実施形態において、発泡壁3は、約0.2〜約0.4W/m−°K(ワット/メートルケルビン)の熱伝導率を有するまたは提供する。しかしながら、発泡壁3は、他のレベルの熱伝導率を有利に提供してもよく、有利には、約0.15〜0.35W/m−°Kまたは約0.25〜0.45W/m−°Kの熱伝導率が好適であることが理解されよう。
【0141】
管状本体2の壁を発泡成形する一部として、発泡成形は壁3内に特定のガス空隙18を提供する。ガス空隙18の定量的測度は空隙率として示すことができる。空隙率は、管状本体の単位体積に占める空隙(ガス)空間の体積を示す。
【0142】
ガス空隙18は、所望のレベルの管状壁の透明性を可能にすることに加えて構成要素1の断熱性能への寄与を補助してもよい。
【0143】
管状壁2の最小限レベルの透明性により、人による液体(または管状本体または構成要素内に蓄積している可能性のある凝縮物)の視覚的検出が可能になる。
【0144】
種々のレベルの空隙率は、約10%以下、または約9%以下、または約8%以下、または約7%以下、または約6%以下または約5%以下、または約4%以下、または約3%以下、または約2%以下、または約1%以下とされ得る。または、管状本体の壁の空隙率の範囲は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、または約4.5%、または約5%、または約5.5%、または約6%、または約6.5%、または約7%、または約7.5%、または約8%、または約8.5%、または約9%、または約9.5%、または約10%とされ得る。
【0145】
本出願人の試験結果によれば、管状本体の壁に形成されるべき最も好ましい空隙率は、約5.5%または約7.5%もしくは約5.5%〜約7.5%である。そのような空隙率により、液体の存在、蓄積した液体または(例えば、水滴降下による)凝縮物の他の蓄積を人が視覚的に特定するまたは視覚的に認識することが可能になる。
【0146】
管状本体の発泡壁3は、物理発泡成形技術または化学発泡成形技術のいずれかによって、またはこれら両者の組み合わせによって発泡され得る。
【0147】
押出成形物はいくつかの高分子材料を含んでもよい。この高分子材料には、(例えば、マスターバッチとして混合することによって、またはマスターバッチを形成するため)他の材料を添加してもよい。好適な材料は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンプラストマ(POP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)の1種または複数種の高分子またはこれら材料のブレンドを含む。
【0148】
可塑化PVCも適切な材料であろうが、環境的理由からあまり使用されていない。
【0149】
高分子材料は、押出成形物全体の少なくとも約98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9重量パーセント(wt.%)含まれ得る。特定の実施形態では、高分子材料は(LLDPEとして)押出成形物全体の約99.49wt.%含まれる。
【0150】
代わりとして、好ましくは、高分子は押出成形物全体の約99.488wt.%含まれる。
【0151】
表面改質
押出成形物に含まれ得るそのようなさらなる材料の1種または複数種の表面改質剤である。
【0152】
表面改質剤は、好ましくは、グリセロールモノステアレート(GMS)、エトキシル化アミン、アルカンスルホン酸ナトリウム塩、またはラウリン酸ジエタノールアミンを含んでもよい。
【0153】
好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の少なくとも約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5重量パーセント(wt.%)含まれる。より好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の約0.25wt.%含まれる。代わりとして、好ましくは、表面改質剤は押出成形物全体の約0.5wt.%含まれる。
【0154】
例えば、Clariant(New Zealand)Ltd.により「418LD Masterbatch Antistatic」の商品名で提供されているMLDNA−418は、5(±0.25)%のグリセロールモノステアレート(CASNo.123−94−4)を活性成分として含む表面改質剤マスターバッチである。
【0155】
表面改質剤は押出成形物に付加的に含まれてもよい。そのような薬剤は、形成された構成要素または管の表面の表面エネルギ(または濡れ性)の増加を補助する。このようにして、表面エネルギを有利に増加することは、表面に蓄積するおそれのある凝縮物または液体の滴または玉間における接触角の低下を促進するよう作用してもよい。
【0156】
接触角は、構成要素または管壁の固体表面と、液滴の端点の上面までの接線とにより形成された角度である。接触角測定は固体表面の液体の濡れ挙動を決定する非破壊法である。これにより、拡張係数と共に表面張力および界面張力を計算することが可能になる。接触角のデータから計算された表面張力は表面および流体システム各々の特性の測定値である。
【0157】
液体と表面との間の接触角はゴニオメータ(角度測定デバイス)を使用して測定される。精密な量の液体を清浄かつ乾燥した平坦な試験表面に精密シリンジを使用して分与する。滴を数秒間安定させ、滴の画像を取り込むために高倍率カメラを使用する。画像は計数化され、試験表面と、滴表面に沿う接線との間の角度が測定される。
【0158】
接触角の低減は、滴と固体表面との間の接触面積を増加するとともに滴の厚みも低減し、滴内の熱伝導を向上させる。両作用により滴の蒸発率は上昇する。
【0159】
表面のエネルギを増加すると、表面に配置された滴の接触角が低減される。このようにして、より高いエネルギ表面の表面にある液体の滴は、優先的に、表面に接触するより大きな表面積を有し得る。その後、相対的に低いエネルギの表面。
【0160】
有利には、滴は表面のより大きな表面積に広がってよく、したがって、構成要素または管内を流れるガス流内に再蒸発する可能性が高くなってもよい。
【0161】
例えば、滴または玉が管の壁の内部表面全体に広がり、通過するガス流内に再蒸発するためのより大きな表面積を可能にしてもよい。
【0162】
別の例においては、管が(環状波形形状であろうと螺旋波形形状であろうと)波形である場合、低温の場所の波形の部分に水の滴またはビーズが形成される可能性が高くなる(すなわち、一般に、これは、管を取り巻く周囲条件に最も近いか、それに最もさらされている波形の部分である)。このような場合では、管表面の表面特性を変えると低温の場所に形成された滴または玉が管表面全体に広がることを促進することができ、そうすることによって、より暖かい温度の領域の方に移動させてもよい。このような滴またはビーズの移動により、再蒸発率をさらに向上させることが可能となる。これは、滴が、より暖かい温度の領域の方におそらくは移動することはもとより、より大きなまたはより速いガス流の流れにさらされる管の領域の方におそらくは移動することの両方によるものである。したがって、管の内部表面壁から半径方向内側への滴または玉の移動の向上を提供することによってより高い再蒸発率が得られてもよい。
【0163】
表面改質に関しては、本発明の種々の態様において、本体2が改質された表面を有する場合、構成要素1およびその管状本体2は単一押出成形物から形成され得ることを理解すべきである。改質された表面は、好ましくは、上述のような再蒸発率または滴の移動という利点を促進してもよい。
【0164】
表面エネルギを増加させるために使用してもよい他の方法のいくつかには、以下を含む。
・物理的
・物理吸着
・ラングミュアーブロジェット膜
・化学的
・強酸による酸化
・オゾン処理
・化学吸着
・火炎処理
・放射
・プラズマ(グロー放電)
・コロナ放電
・光活性化(UV)
・レーザ
・イオンビーム
・電子ビーム
・ガンマ照射
【0165】
このように形成された構成要素または管に表面エネルギの増加および濡れ性を付与するため化学添加剤または薬剤も使用され得る。
【0166】
そのような表面改質剤は、例えば、グリセロールモノステアレート、食品用乳化剤であってもよい。
【0167】
【表1】
【0168】
5%のMLDNA−418表面改質剤を含有するサンプルは試験した他の表面改質法と比較して最も低い測定接触角を生じた。
【0169】
上の表1において、および本明細書の別の場所で参照される場合、接触角測定は、ASTM規格D7334、2008,“Standard Practice for Surface Wettability of Coatings,Substrates and Pigments by Advancing Contact Angle Measurement”に従い実施される静的液滴形状試験法(static drop shape testing method)に基づく。
【0170】
管状本体2の表面特性(すなわち、結果として形成された管状本体の発泡壁3)の改質により表面特性接触角を変化させることができる。
【0171】
種々の表面改質法を選択することによって、ジェニオメータなどの角度測定デバイスによって測定可能な約50、45、40、35、30、25、20度(°)未満の表面特性接触角を有する発泡壁3を設けることが可能である。有利には、約35°未満の表面特性接触角を可能にする、結果として形成された管状本体の発泡壁3が有用な結果を提供するようである。
【0172】
発泡成形
押出成形物に含まれるべき別のさらなる材料は1種または複数種の化学発泡剤である。
【0173】
化学発泡剤により、押出成形物材料の発泡成形を押出工程の一部として、または押出工程の後に行うことが可能になる。
【0174】
例えば、化学発泡剤は押出成形物全体の少なくとも約0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.011、0.012、0.013、0.014、0.015、0.016、0.017、0.018、0.019または0.02重量パーセント(wt.%)を含み得る。
【0175】
好適な実施形態において、化学発泡剤は押出成形物全体の約0.01wt.%〜約0.012wt.%を含み得る。
【0176】
化学発泡成形押出工程の一部として、押出成形物の高分子樹脂成分は化学発泡剤と混合される。化学発泡剤は膨張剤とも呼ばれることがある。
【0177】
いくつかの好ましい化学発泡剤は、酸化カルシウムを含むものを含む。例えば、Clariant(New Zealand)Ltd.により商品名HydrocerolCF20Eで提供されているMHYNA−CF20Eは、約0.5〜1%の酸化カルシウムを活性成分として含有する膨張剤マスターバッチの形態の化学発泡剤である。
【0178】
化学発泡押出工程時、高分子樹脂成分と化学発泡剤(複数種可)とが混合され融解される。化学発泡剤(複数種可)は分解し、高分子(またはマスターバッチまたは押出成形物)溶融体内に分散しており、押出成形機の金型から出される際に膨張するガスを放散する。
【0179】
また、構成要素1または管の発泡壁3の形成に、例えば、化学発泡成形法よりもむしろ物理発泡成形法による他の発泡成形技術が用いられ得ることは理解されよう。物理発泡成形法は、圧力下にある間、融解物または押出成形物に直接導入されるガスを含み得る。融解物または押出成形物は、その後、押し出されるため、圧力が低下し、ガスを膨張させる。例えば、1つのそのような物理発泡成形技術は、押出箇所におけるまたは押出箇所の近傍における押出成形物へのガス(複数可)の吹込または注入を含む。そのようなガス(複数種可)は、窒素、二酸化炭素、ペンタンまたはブタンを含んでもよい。
【0180】
ヒータおよびシース
構成要素1は、任意選択的に、(例えば、図4、7、8に示すような)ヒータ6をさらに含み得る。
【0181】
ヒータは、管状本体の壁、例えば、管状本体の内壁面(図4、7のような)または外壁面(図8のような)に付属され得る。
【0182】
他の実施形態において、ヒータは、部分的にまたは全体的に、管状本体2(図示せず)の壁3に埋設され得る。
【0183】
またさらなる実施形態において、管状本体2は、任意選択的に、外部シース7を含み得る。そのような外部シース7は管状本体2を取り囲んでいる。
【0184】
ヒータが管状本体2の外部表面に付属している場合、シース7はヒータを付加的に囲み得るか覆い得る。
【0185】
しかしながら、また、本発明の種々の態様において、ヒータが管状本体2に含まれているか否かにかかわらず、外部シース7は構成要素1を取り囲んでもよいと考えられる。
【0186】
シース7は種々の形態において設けられるものと考えられる。例えば、シース7は、押出外層として、本体2のまわりの外装として、または管状本体2のまわりの位置に滑り込ませる、または引っ張り込ませるスリーブとして管状本体2のまわりに取り付けられてもよい。そのようなシース7は、管状本体2と類似の材料、例えば、LLDPE(低低密度ポリエチレン)で形成されてもよい。シース7は、管状本体2の熱性能をさらに向上させてもよい。シース7は任意の必要とする厚みを有するものでよいが、厚みおよび使用される材料は管状本体2の可撓性を維持するための要件と釣り合っているべきである。
【0187】
一実施形態において、外部シース7は約100マイクロメートルの壁厚を有してもよいと考えられる。
【0188】
外部シース7が管状本体2のまわりに押し出される場合、例えば、そのような押し出しは管状本体2の最初の押し出しまで連続的な工程とされ得る。つまり、押出工程は本体2の形成後である。さらに、外部シース7が、例えば、本体2のまわりのラップである場合、シース7はテープ形状またはリボン形状のものであってもよく、かつ本体2の長さのまわりに螺旋状に巻かれ得る。またさらに、外部シース7が中空管として事前形成される場合、それは本体2の外側のまわりの位置にはめられてもよい。
【0189】
ヒータ6が用いられる場合、しかしながら、ヒータ6はヒータワイヤ形状のものとされ得る。そのようなヒータワイヤの材料は、銅、アルミニウムまたはPTC(正の温度係数)型材料である。アルミニウムは銅ほど導電性がないが、同じ抵抗に対しワイヤの直径がより大きくても経済的な選択となり得る。印加される回路電圧は本来安全(50V未満)であるが、管またはシースが万が一損傷した場合の耐食性および最良な電気的安全性のため、ワイヤは、エナメルコーティングまたはアルミニウムの場合はアルマイト処理のいずれかによって理想的には自己絶縁される。代わりとして、押出プラスチックシースがヒータワイヤのまわりに装着され得る。
【0190】
さらに有利には、外部シース7は隣接する外部波頂部4(または環状突出部)間に空気を封入してもよい。これは、構成要素1の通路を通過するガスのさらなる断熱を補助してもよい。例えば、構成要素1にヒータ6が用いられており、かつ外部シースも使用されている場合において、ヒータが管状本体の外壁面に付属している場合、外部シース7はヒータワイヤなどのヒータ6を所定の位置に拘束するために補助し得る。
【0191】
構成要素1が呼吸管または呼吸管の一部である場合、(例えば、図3に示すように)それは入口9にある第1のコネクタ8および出口11にある第2のコネクタ10により終端され得る。このようにして、入口コネクタと出口コネクタとの間の長さに1つのガス通路のみが設けられる。
【0192】
他の考えられる形態において、その管状本体2を備えた構成要素1は、(例えば、図4に示すものなどの)ガス注入システムの少なくとも一部において使用するための導管の一部または追加の構成要素を形成し得る。加えて、その管状本体2を備えた構成要素1は、代わりとして、(例えば、図3に示すものなどの)呼吸回路において使用するための呼吸管の一部または追加の構成要素を形成し得る。
【0193】
発泡ヒータの実施形態
別の実施形態では、(例えば、図3または図4に示されるような)呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素1が設けられている。そのような構成要素1は、単一押出成形物から形成された発泡壁3を有する管状本体2を含み、その中にヒータ6を含む。
【0194】
発泡壁3は、使用時、管状本体2内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にする十分な最低限の光透過性を有するものである。
【0195】
そのようなさらなる実施形態の詳細は上の第1の実施形態において前述したものと類似する。
【0196】
ヒータワイヤなどのヒータ6を含む管状本体を全体として示す図7および図8についても述べる。
【0197】
図7は、管状本体の内部通路内におけるヒータワイヤの配置を示し、図8は、管状本体の壁の外部表面のまわりにおけるヒータワイヤの配置を示す。
【0198】
特に、この実施形態において、ヒータ6は管状本体2の発泡壁3に付属している。
【0199】
上述したように、ヒータ6が管状本体の壁に付属され得る種々の形態があることは理解されよう。
【0200】
さらなる選択肢において、管状本体2は、任意選択的に、外部シース7によって取り囲まれてもよい。この動作および利点については上述した。ヒータ6が同様に含まれているか否かにかかわらず外部シース7を用いてもよい。
【0201】
上述した両実施形態においては、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素1を形成するそのような方法は、単一押出成形物から管状本体を押し出すステップを含む。単一押出成形物は、発泡管状本体2の壁3が、管状本体2内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にする使用である十分な最低限の光透過性を有するものであるように形成された管状本体の発泡成形のための発泡剤を含む。
【0202】
1つのそのような実施形態において、方法は、形成された、押し出された管状本体2をコルゲータに送り、押し出された管状本体に沿って、交互する外部波頂部4(または環状突出部)と内部波底部5(または環状凹部)とを含む波形の外形を有する波形構造を形成するステップを含む。コルゲータは環状または螺旋の波形構造を形成してもよい。
【0203】
本発明の一実施形態において、呼吸管の一部を形成する、または呼吸管を形成する構成要素は、i)押出成形物材料(すなわち、押出用材料)のマスターバッチを混合または提供するステップと、ii)マスターバッチを押出ダイヘッドに供給するステップと、iii)押出成形物を構成要素用の管状本体に押し出すステップと、に従い形成される。任意選択的に、管状本体は、さらに、波形構造を形成するためのコルゲータに供給される。
【0204】
そのようなマスターバッチには、(例えば、本明細書中に記載した物理的技術など他の形態の表面改質剤技術を使用してもよいことは理解されるが)含まれる化学発泡剤が提供され得るとともに、任意選択的に、化学表面改質剤が含まれてもよい。
【0205】
1つの例において、そのような構成要素を作製するために使用される工程は、可撓性波形管を形成するため、無端状に繋がるモールドブロックを使用して溶融管状異形材をコルゲータマシン内に押し出すステップを含む。
【0206】
直径30〜40mmのスクリューおよび一般に、0.5〜1.0mmの間隙を有する12〜16mmの環状ダイヘッドを備えたWelex社の押出成形機などの押出成形機が低コストの管を迅速に生産するのに適切であることがわかっている。American Kuhne(ドイツ)、AXON AB Plastics Machinery(スウェーデン)、AMUT(イタリア)、Battenfeld(ドイツおよび中国)により類似の押出機械が提供されている。
【0207】
Unicor(登録商標)(Hassfurt、ドイツ)により製造および供給されているもの等のコルゲータが波形形成工程に適切であることがわかっている。類似の機械がOLMAS(Carate Brianza、イタリア),Qingdao HUASU Machinery Fabricate Co.,Ltd(Qingdao Jiaozhou City、P.R.中国)またはTop Industry(Chengdu)Co.,Ltd.(Chengdu、P.R.of 中国)により提供されている。
【0208】
図6は、モータ14により駆動されるスクリューフィーダ13内をダイヘッド15に向かう方向Aにおいて通過する原材料または原料(例えば、マスターバッチおよび他の材料)を受けるためのフィードホッパ12が設けられる場合のさらなる構成を全体として示す。溶融管16がダイヘッド15から押し出され、任意選択的に、その後、上述した種類のコルゲータ17に供給され得る。
【0209】
製造時、溶融管16は、押出成形機のダイヘッド15を出た後、コルゲータの回転するモールド/ブロックの列の間に送られ、例えば、図1、7および8に示されるもののような波形管に形成される。
【0210】
溶融管は、ブロック内の長穴および溝を介して管の外側に印加される真空および/または押出成形機金型のコアピンの中心を通る空気溝を介して管の内部に印加される圧力によって形成される。内圧が印加される場合、管に沿って端の方に気圧が逃げることを防止するため、金型のコアピンから延びた、波形構造の内部に密に装着された特殊形状の長い内部ロッドを要してもよい。
【0211】
管1は、一般的な寸法の呼吸管において、好ましくは、約0.3〜1mmの厚さの壁3を有する(すなわち、新生児用および成人用のそれぞれにおいて直径約10mm〜30mmおよび長さ約1〜2メートル)。
【0212】
本発明によるそのような構成要素は、また、端部コネクタ取付具への連結のためのプレインカフ(plain cuff)領域を含んでもよい。
【0213】
同様に、本管の端部コネクタ取付具は、好ましくは、医療用チューブの使用目的に従う標準型(成形プラスチック)であり、好ましくは、摩擦嵌合、接着結合、重ね成形(over moulding)によって、もしくは熱溶接または超音波溶接等によって永久的に固定されてもよいおよび/または気密にされてもよい。例えば、端部コネクタは内部医療テーパを組み込んでもよい。
【0214】
好適な種類の構成要素、または図5を参照して上述した管製造の利点の1つは、モールドブロックBのいくつかが管状構成要素1と同時に形成される端部カフ特徴部を含み得ることである。示されているのは、コルゲータ17内に送られる前、押出成形機の金型15から出ている溶融押出管16である。コルゲータ17から出る際、形成された管状構成要素の外側のまわりにヒータワイヤ6が巻かれる。
【0215】
複雑さの軽減および二次製造プロセスの排除により製造速度を大幅に増加することができる。この方法は別個のカフ形成プロセスに対する改善であるが、先行技術のプレインカフの欠点は、この領域における管の壁厚の増加を可能にするためにコルゲータを減速せねばならないことである(押出成形機は同じ速度で継続される)。
【0216】
カフの厚みは、フープの強度およびカフアダプタ取付具との密封特性の増加を達成するため増加される。
【0217】
さらに、このより厚い領域における溶融高分子の熱はコルゲータブロックとの限られた接触時間の間に除去することが困難であり、これは管製造ラインの最大運転速度における重要な制約要因になるおそれがある。
【0218】
凝縮物蓄積試験−実施結果
試験方法
試験回路は風洞または対流洞内部に水平に配置した。洞内部を流れる空気は約0.5m/sに設定し、室温は加湿器の最低推奨使用温度である約18℃に維持した。管は、37℃の水分飽和(すなわち>95%RH)空気を送る加湿チャンバに連結した。
【0219】
凝縮物を管内部に蓄積させ、16時間で管が得た重量を蓄積された凝縮物として記録した。
【0220】
凝縮物試験実験結果
【0221】
【表2】
【0222】
傾向は、表面改質剤の含有量を増加すると、管内部の凝縮物蓄積における表面改質の影響が増加することを示している。結果は、減少した凝縮物における発泡成形および表面改質による利点は、線形の蓄積を超えるものであることを示している。発泡剤を表面改質剤と組み合わせることによる相乗的な利点があると思われる。押出時、発泡剤は管内部に気泡を生成する。空気は、管の熱絶縁特性を大幅に向上させる非常に低い熱伝導率を有する。
【0223】
これらの結果から、混合物の組成のわずかな変化が性能に顕著な影響を及ぼすことは明らかである。
【0224】
視覚的検出試験法
0%、1%、1.2%、1.5%および1.8%、および2.0%のMHYNA−CF20E発泡剤濃度を有する六(6)つのポリエチレン呼吸管のサンプル(波形、直径22mmおよび長さ1.5メートル)を、標準的な呼吸回路用ヒータワイヤおよびコネクタを使用して組み立てた。各管において、100mLの清浄な脱イオン水を注入するために精密シリンジを使用した。可搬式人工呼吸器から試験呼吸管内に空気を通した。
【0225】
評価すべき透明度範囲の最端を示すための基準として、0%(現行の技術水準)および2%のMHYNA−CF20E(発泡剤マスターバッチ)を含有する管を使用した。例えば、0%は許容可能な水検出性を有し(基準A)、2%のMHYNA−CF20Eは水検出性を全く有しない(基準B)。
【0226】
様々な年齢、民族性および性別を有する十(10)名の自発的参加者に、管の目視検査を行い、基準管と比較した管内の水の検出の容易性を以下のガイドラインに従い1〜5のスケールで評価するよう求めた。
【0227】
【表3】
【0228】
十(10)名の参加者のうち九(9)名が1.2%のMHYNA−CF20Eを含む管を平均スコア3の適度な水検出性を有すると評価した。その一方で、1%のMHYNA−CF20Eを含む管は平均で2を記録した。10名の参加者のうち10名が、この管は、基準Aを除いた残りの試験サンプルと比較して適度なまたはより良好な水検出性を有すると判断した。調査の結果は、1.5%および1.8%のMHYNA−CF20E(10%超の発泡/空隙率)は容認できない量の発泡を有することを示し、10名のうち10名が、この2つの管は非常に悪い水検出性を有すると指摘した。
【0229】
さらなる実施結果
表3は、100%LLDPEの波形管の基準サンプル(基準サンプル1、2、3を参照のこと)と、LLDPEに他の材料を加えた高分子材料で形成された類似の寸法の波形管との間の比較データを記載する。基準サンプル1は、100%LLDPEの波形管および内部コイルヒータを有する現行の技術水準である。基準サンプル2は、内部コイルヒータおよびポリエチレンの外部シースを有する100%LLDPEの管である。基準サンプル3は、外部フィラメントヒータおよび外部ポリエチレンシースを有する100%LLDPEの管を有する。
【0230】
示されるように、種々の比較波形管の形態は、高分子材料としてのLLDPEに加えて化学発泡剤(例1、2、3)、LLDPEに加えて化学表面改質剤(例4、5、6、7)およびLLDPEに加えて化学発泡剤と化学表面改質剤との組み合わせ(例9、10、11、12)を含む。
【0231】
例は、管の凝縮物蓄積試験結果(試験手順は表2において得られるデータと同じ)に関する種々の管の性能を示している。特に、例9〜12の結果は、蓄積した結露の低減の点において基準サンプルを上回る顕著な向上を示している。
【0232】
例は、また、押出成形物内に化学表面改質剤を含むことにより表面改質が達成されたことを示している。特に、(水の)表面特性接触角は、基準サンプルの約97°から、表面改質剤を使用した例では約33°に変化した。
【0233】
さらに、例9〜12の凝縮物蓄積試験結果において予期せぬ向上があった。壁の発泡成形および壁表面の表面特性の変化により、凝縮物蓄積結果が基準サンプルに比べ向上した。これら向上は、発泡成形または表面改質のいずれか単独によりもたらされると思われる利点を直線的に蓄積したものではない。このような性能の非線形の蓄積はこのような組み合わせの相乗的な利点を示している。
【0234】
特定の向上は、発泡成形(したがって、管内を通過する暖かいガスからの熱損失に対する熱抵抗)による管壁内の空隙率の増加(すなわち、約5.5%〜7.5%の空隙率)と、管内における壁表面上の液体の表面特性接触角の低下によりおそらくは強化される管内の凝縮物または他の液体蓄積物の再蒸発率との組み合わせから生じるものと考えられる。
【0235】
押し出された100%LLDPE管に外部シースを加えると、凝縮物蓄積が26.7%減少した。さらに、100%LLDPE管の外部フィラメント加熱により凝縮物蓄積が53.1%減少した。発泡されていない表面改質した管を外部加熱すると凝縮物減少の利点は全く得られなかった。その一方で、発泡導管(表面改質なし)を外部加熱するとさらに約4.6%の凝縮物減少を生じた。
【0236】
しかしながら、発泡および表面改質呼吸管の外部フィラメント加熱は、同様に外部加熱された100%LLDPE管と比較して27.8%少ない凝縮物を生じた。これは、加湿呼吸回路内の凝縮物蓄積の最小化における発泡成形と表面改質との組み合わせの相乗的な利点をさらに実証するものである。
【0237】
【表4】
【0238】
【表5】
【0239】
【表6】
【0240】
ガス注入システムの構成要素
低侵襲手術(MIS)または鍵穴手術とも呼ばれる腹腔鏡下手術は、腹部の手術が、従来の外科的処置において必要なより大きな切開と比べると小さな切開(通常0.5〜1.5cm)を通して実施される最新の外科的手技である。腹腔鏡下手術は腹腔または骨盤腔内の手術を含む。
【0241】
例えば、腹部手術では、通常、作業および観察空間を形成するために腹部に二酸化炭素ガスを注入する。使用されるガスは、一般に、人体では一般的であり、かつ組織に吸収され得るとともに呼吸器系により除去され得るCO2である。また、CO2は不燃性であり、腹腔鏡下処置では一般に電気外科手術デバイスが使用されるため、これは重要である。これらデバイスを使用すると、組織の焼灼により作業空間内に外科煙を形成する傾向にある。外科医が自身が行っていることを見ることができるように、ならびにこの潜在的に有害な材料が手術後体腔内にとどまらないように煙を手術部位から除去するため、排気アームまたはリムを使用する煙排出システムが一般に使用されている。
【0242】
典型的な煙排出システムは、一般に、手術部位内への挿入を補助するため端部にトロカールおよびカニューレを含む。煙は、ガス注入された腹部領域から排出リムを通じて出る。排出リムは、電気焼灼が行われる部位の近くにおいて排気が行われるように腹腔鏡下機器の端部に取り付けてもよい。通常、ガスおよび体腔からの煙はフィルタを通じて濾過され、粒子状物質が大気に排出される前にそれらは除去される。
【0243】
腹腔鏡下手術においては乾燥ガスを使用することが一般的となっている。しかしながら、CO2または他のガス注入用ガスをそれらが腹腔内に送られる前に加湿することも望ましい。これは、患者の内部臓器の「乾燥」を防止することができ、かつ手術からの回復に必要な時間の量を低減することができる。
【0244】
図4は、本発明とともに使用され得るような典型的なガス注入システム200を示す。ガス注入システム200は、患者の腹腔または腹膜腔内に送達するための、大気圧を超える圧力の加湿されたガス注入用ガスの流れを生成するガス注入器201を含む。ガス注入システム200は、ヒータ底部204および加湿器チャンバ203を含み、使用時、ヒータ底部がチャンバに熱を供給するようにチャンバ203はヒータ底部204に接触している。ガス注入用ガスは適切な水分のレベルに加湿されるようチャンバ203内に送られる。システムは、加湿チャンバ203と、腹膜腔または手術部位との間を連結する送達導管を含む。導管は第1の端部と第2の端部とを有し、第1の端部は加湿チャンバ203の出口に連結されており、チャンバ203から加湿ガスを受け取る。導管の第2の端部は手術部位または腹膜腔内に配置され、手術部位または腹膜腔にガス注入し、拡張するため、加湿されたガス注入用ガスがチャンバ203から導管を通じて手術部位に送られる。導管は本発明による表の構成要素1により形成することができ、その利点はそのような外科的用途に提供される。システムは、また、ガスに供給される湿度の量を、ヒータ底部204に供給される電力を制御することにより調整する制御器(図示せず)を含む。
【0245】
煙排出システム202は、排出または排気リム205と、排出アセンブリ207と、フィルタ206と、を含む。排気リム205は、フィルタ206と排出アセンブリ207との間を連結し、使用時、手術部位に、またはその近傍に配置される。排気リム205は2つの開口端部を有する自己支持型導管または管(導管は崩壊ことなく自重を支持することが可能である)である。手術部位端部および出口端部は本明細書に記載するような通気性のある発泡材料で作製される。
【0246】
飽和したガスが腹腔から出されると、ガスは、より低温の、排気リムの壁に接触する。排気リムは、通常長さ約1メートルまたはその近辺であり、ガス中の水分は排気リムまたは排気導管の壁上に凝縮する傾向にある。水蒸気もまたフィルタ上に凝縮することがあり、これによりフィルタが飽和するおそれがあり、フィルタが閉塞する原因となる。これは、場合によっては、背圧の増加を引き起こし、システムの煙を払う能力を妨げる。
【0247】
呼吸管を参照して上述した本医療用チューブは、また、外科的加湿システムの送達リムにおける用途に適している。特に、本発明の医療用チューブは煙排出システムの排出または排気リムにおける使用に適している。管の性能利点は、本発明の管の水滴降下性能(すなわちより少ない結露形成)が向上することによるものである。
【0248】
他の用途
本発明が他の医療用途に特に適していることが分かることも想定される。例えば、結露の形成を低減するために加湿ガスを搬送する管を一貫して加熱する、または加熱を維持する用途では、本発明の低コストおよび効率的な加熱から利益を得られよう。
【0249】
前述の本発明についての説明はその好適な形態を含む。本発明の範囲から逸脱することなくそれに改良を加えることができる。
【0250】
本発明に関係する当業者には、添付の先の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく構造の多くの変形ならびに本発明の多様な実施形態および適用範囲が示唆されよう。本開示および本明細書中の記載は純粋に例証的なものであり、いかようにも限定されるものではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2020年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸管の一部を形成する、または前記呼吸管を形成する構成要素であって、
発泡壁を有する管状本体を含み、
前記発泡壁が、使用時、前記管状本体内の液体(または形成されている可能性のある凝縮物)の視覚的検出を可能にするよう十分な最低限の光透過性を有する、構成要素。
【外国語明細書】
2020163168000001.pdf