(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-163243(P2020-163243A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステム
(51)【国際特許分類】
B01D 37/04 20060101AFI20200911BHJP
【FI】
B01D37/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-63525(P2019-63525)
(22)【出願日】2019年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
(71)【出願人】
【識別番号】399110672
【氏名又は名称】株式会社柿本商会
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天田 靖佳
(72)【発明者】
【氏名】池上 遼
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 健雄
(72)【発明者】
【氏名】室井 雄太
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA13
4D116BB01
4D116KK06
4D116QA06D
4D116QA06E
4D116QC23A
4D116QC23B
4D116QC28A
4D116QC28B
4D116TT05
4D116TT06
4D116VV01
4D116VV07
(57)【要約】
【課題】油などの液体の供給・回収場所の自由度を向上することのできる移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステムを提供する。
【解決手段】床面FLを移動可能な台車12と、この台車12に搭載された装置本体14とを備えた移動式供給・回収装置10であって、装置本体14は、液体を供給および回収するために稼働するポンプ16と、ポンプ16に接続し、回収した液体を濾過するためのフィルター18と、フィルター18に接続し、液体を外部から回収するための回収ホース20と、液体を外部に供給するための供給ホース22と、ポンプ16およびフィルター18の動作を制御するための制御手段24とを備えるようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面を移動可能な台車と、この台車に搭載された装置本体とを備えた移動式供給・回収装置であって、
装置本体は、液体を供給および回収するために稼働するポンプと、ポンプに接続し、回収した液体を濾過するためのフィルターと、フィルターに接続し、液体を外部から回収するための回収ホースと、液体を外部に供給するための供給ホースと、ポンプおよびフィルターの動作を制御するための制御手段とを備えることを特徴とする移動式供給・回収装置。
【請求項2】
液体をユースポイントに供給する供給モードと、液体をユースポイントから回収する回収モードとを有し、供給モードでは、外部に備わるタンクおよびポンプから、液体を供給ホースを介してユースポイントに供給する一方、回収モードではバルブ切替を行い、ポンプは、回収ホースを介してユースポイントから液体を吸込み、この液体をフィルターで濾過させてから供給ホースを介して外部に供給することを特徴とする移動式供給・回収装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の移動式供給・回収装置と、この移動式供給・回収装置を用いてユースポイントから回収した液体を再使用可能な液体に処理する処理手段とを備え、処理手段で処理された再使用可能な液体を移動式供給・回収装置を用いてユースポイントに供給することにより、液体を循環させることを特徴とする液循環供給リサイクルシステム。
【請求項4】
移動式供給・回収装置の供給ホースおよび回収ホースを接続するための配管を、床面よりも上方に設けたことを特徴とする請求項3に記載の液循環供給リサイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式供給・回収装置およびこの装置を用いた液循環供給リサイクルシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、精密機械製作工場等で使用する切削油を供給、回収する方法として、床側溝内に設けた配管を通じてユースポイントに新油を供給するとともに、使用済の廃油を回収する方法を用いることがある。しかし、この方法は、複数のユースポイントで同時に実行できるものではなく、回収場所の設定の自由度が低いという問題があった。また、大規模精密機械製作工場等では、多数のユースポイントに対してドラム缶の搬出入から新油供給・廃油回収の全てを手作業で行う必要があり、多大な手間を要していた。また、使用後に回収した廃油には金属屑が含まれているので、廃油処理コストの増大を招いていた。さらに、床側溝内に埃が溜まり清掃性も悪いため、不衛生な作業環境となっていた。
【0003】
一方、従来の廃油再生技術として、例えば特許文献1〜3に示すものが知られている。
特許文献1の廃油再生供給方法は、油種毎に分別して分別回収容器に廃油を回収する分別回収工程と、油種毎に準備された分別保管庫に、同じ油種の分別回収容器に貯留する廃油を集合させて回収して保管する分別保管工程と、予め設定された回収スケジュールに従って分別保管庫毎に貯留された廃油を回収する廃油回収工程と、回収した廃油を油種毎に精製して再生させる廃油再生工程と、精製して再生させた再生油と新油を混合して供給する油供給工程とを含むものである。
【0004】
特許文献2の廃油再生装置は、廃油と白土を攪拌して白土に廃油中の酸化物を吸着させて脱色する攪拌槽、この攪拌槽より入った白土を濾過する廃油濾過槽、この廃油濾過槽より落下した廃油を溜める廃油精製槽、およびこの廃油精製槽内の廃油を静電濾過槽、廃油脱臭槽、廃油精製槽に循環させる電動ポンプにより構成されるものである。
【0005】
特許文献3の廃油濾過装置は、密閉した処理タンクと、該処理タンク内に収容したメッシュフィルターと、処理タンク内に連通する廃油供給パイプと、処理タンク内の底部に連通する再生油吸引パイプと、該再生油吸引パイプを通じて処理タンク内の再生油を吸引して外部に排出する吸引ポンプから構成されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017−213512号公報
【特許文献2】特開平6−292806号公報
【特許文献3】特開2010−69404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、油などの液体の供給・回収場所の自由度を向上することのできる移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る移動式供給・回収装置は、床面を移動可能な台車と、この台車に搭載された装置本体とを備えた移動式供給・回収装置であって、装置本体は、液体を供給および回収するために稼働するポンプと、ポンプに接続し、回収した液体を濾過するためのフィルターと、フィルターに接続し、液体を外部から回収するための回収ホースと、液体を外部に供給するための供給ホースと、ポンプおよびフィルターの動作を制御するための制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他の移動式供給・回収装置は、上述した発明において、液体をユースポイントに供給する供給モードと、液体をユースポイントから回収する回収モードとを有し、供給モードでは、外部に備わるタンクおよびポンプから、液体を供給ホースを介してユースポイントに供給する一方、回収モードではバルブ切替を行い、ポンプは、回収ホースを介してユースポイントから液体を吸込み、この液体をフィルターで濾過させてから供給ホースを介して外部に供給することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る液循環供給リサイクルシステムは、上述した移動式供給・回収装置と、この移動式供給・回収装置を用いてユースポイントから回収した液体を再使用可能な液体に処理する処理手段とを備え、処理手段で処理された再使用可能な液体を移動式供給・回収装置を用いてユースポイントに供給することにより、液体を循環させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他の液循環供給リサイクルシステムは、上述した発明において、移動式供給・回収装置の供給ホースおよび回収ホースを接続するための配管を、床面よりも上方に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る移動式供給・回収装置によれば、床面を移動可能な台車と、この台車に搭載された装置本体とを備えた移動式供給・回収装置であって、装置本体は、液体を供給および回収するために稼働するポンプと、ポンプに接続し、回収した液体を濾過するためのフィルターと、フィルターに接続し、液体を外部から回収するための回収ホースと、液体を外部に供給するための供給ホースと、ポンプおよびフィルターの動作を制御するための制御手段とを備えるので、油や水などの液体の供給・回収場所の自由度を向上することができるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明に係る他の移動式供給・回収装置によれば、液体をユースポイントに供給する供給モードと、液体をユースポイントから回収する回収モードとを有し、供給モードでは、外部に備わるタンクおよびポンプから、液体を供給ホースを介してユースポイントに供給する一方、回収モードではバルブ切替を行い、例えば、吸引性能を高めるため回収ユースポイント近くに設置して、ポンプは、回収ホースを介してユースポイントから液体を吸込み、この液体をフィルターで濾過させてから供給ホースを介して外部に供給するので、液体の供給と回収の両方に使用することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る液循環供給リサイクルシステムによれば、上述した移動式供給・回収装置と、この移動式供給・回収装置を用いてユースポイントから回収した液体を再使用可能な液体に処理する処理手段とを備え、処理手段で処理された再使用可能な液体を移動式供給・回収装置を用いてユースポイントに供給することにより、液体を循環させるので、精密機械製作工場などで使用する油や水などの液体を工場内で循環して再使用することができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係る他の液循環供給リサイクルシステムによれば、移動式供給・回収装置の供給ホースおよび回収ホースを接続するための配管を、床面よりも上方に設けたので、床側溝に配管を設けた場合に比べて衛生環境を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係る移動式供給・回収装置の実施の形態を示す側面図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る移動式供給・回収装置の実施の形態を示す上面図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る移動式供給・回収装置の実施の形態を示す前面図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステムの実施の形態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
(移動式供給・回収装置)
まず、本発明に係る移動式供給・回収装置の実施の形態について説明する。
図1〜
図3に示すように、本実施の形態に係る移動式供給・回収装置10は、床面FLを移動可能な台車12と、この台車12に搭載された装置本体14とを備えている。装置本体14は、ポンプ16と、フィルター18と、回収ホース20と、供給ホース22と、ホースリール23と、制御盤24(制御手段)とを備える。
【0019】
台車12は、防振性能に優れた四角板状の台車本体26と、台車本体26の下面四隅に設けられた車輪28と、台車本体26の後部に立設したU字状の把持部30とを備える手押し式の台車である。
【0020】
ポンプ16は、液体を回収するために稼働するものである。液体としては、本実施の形態では、切削油や一次純水などを想定しているが、本発明の液体はこれに限るものではない。このポンプ16は、吸込み部にエアーが含まれても液体吸引が可能な機構を有している。なお、移動式供給・回収装置10では、例えば、外部の地下タンク貯蔵所の近傍に設置したオイル供給ポンプを用いて液体を供給することができる。
【0021】
フィルター18は、回収した液体(例えば、廃油・廃純水)を濾過するためのものであり、本実施の形態では2つ設けられている。2つのフィルター18は、それぞれ配管32を通じてポンプ16に接続している。フィルター18としては、例えば外圧式フィルターを用いることができる。
【0022】
回収ホース20は、液体を外部から回収するためのものであり、配管34を通じて2つのフィルター18に接続している。この回収ホース20は、台車本体26の前部に立設した架台36に巻付けられている。供給ホース22は、液体を外部に供給するためのものであり、ポンプ16に接続する配管38に接続している。この配管38の途中には切替バルブ25が設けられており、供給ホース22は、切替バルブ25および配管27を介して15m長のホースリール23に接続している。ホースリール23の末端を、外部から液体が供給される任意のバルブに接続するとともに、切替バルブ25を操作してホースリール23と供給ホース22を連通状態に切り替えることで、供給ホース22を通じて外部の液体を供給可能である。この供給ホース22は、台車本体26の側部に立設した架台40に巻付けられている。回収ホース20、供給ホース22の長さは、各々3m、3m(ただし、ホースリール23の15mは除く)となっている。
【0023】
制御盤24は、ポンプ16およびフィルター18の動作を運転制御するためのものであり、図示しないインバータを備えている。また、ポンプ16による外部タンクへの回収時は、同タンクが満液の場合にはポンプ16を強制停止をするようなインターロック制御機構を備えている。
【0024】
なお、配管32、34には、それぞれ図示しない開閉弁が設けられており、開閉弁の開度は全閉から全開の間の任意の開度に調整可能である。
【0025】
この移動式供給・回収装置10は、液体を外部に供給する供給モードと、液体を外部から回収する回収モードとを有している。供給モードでは、切替バルブ25の操作とともに、外部のタンクおよび外部の供給ポンプからホースリール23を通じて、液体を供給ホース22を介してユースポイントに供給する。一方、回収モードでは、切替バルブ25の操作を行い、ポンプ16が回収ホース20を介してユースポイントから使用済の液体を吸込み、この液体を2つのフィルター18で濾過させてから供給ホース22を介して外部のタンクに回収する。このように、移動式供給・回収装置10は、液体の供給と回収の両方に使用することができる。特に、液体の回収の際にフィルター18で濾過されるため、液体のリサイクルが可能となる。なお、本実施の形態では、回収ホース20、供給ホース22を工場内の配管や任意に設置した装置内蔵のタンクに接続することを想定しているが、本発明はこれに限るものではない。例えば、装置本体14に供給用液体タンクまたは回収用液体タンクを備えてもよいし、移動式供給・回収装置10のそばにタンクを搭載した台車を随行させてもよい。そして、こうしたタンクに回収ホース20、供給ホース22等の配管を適宜接続して、ポンプ16を介して液体を吸込んだり、吐出させてもよい。
【0026】
本実施の形態によれば、移動式供給・回収装置10が台車12で構成されるので、ユースポイントなどの必要箇所に人力で容易に移動することができる。また、台車12にはポンプ16、フィルター18、回収ホース20、供給ホース22が搭載されているので、ユースポイントのそばで液体を供給・回収することができる。供給・回収場所が固定されないので、供給・回収場所の自由度を向上することができる。
【0027】
また、大規模精密機械製作工場などでも同時に複数箇所で切削油や一次純水などの液体の供給・回収が可能になる。油や水をセントラルで供給・回収できるようになるため、手作業がなくなり、上記の従来のドラム缶方式と比較して作業効率を大幅に改善するとともに、ドラム缶搬出入時の油漏れ事故等のおそれをなくすことができる。なお、ドラム缶(200L)×1缶を供給する場合、従来は約15分要していたが、本実施の形態によれば約2分で済むことから、約87%の作業効率の改善となる。また、切削油や一次純水をリサイクルすることができるため、産廃処理のコストを大きく削減することができる。
【0028】
(液循環供給リサイクルシステム)
次に、本発明に係る循環供給リサイクルシステムの実施の形態について説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係る液循環供給リサイクルシステム100は、上述した移動式供給・回収装置10と、図外の処理手段とを備えており、例えば精密機械製作工場に適用される。処理手段は、移動式供給・回収装置10を用いてユースポイントから回収した油(液体)を再使用可能な油に処理するものである。処理手段で処理された再使用可能な油を移動式供給・回収装置10を用いてユースポイントに供給することにより、油を工場内で循環して再使用することが可能である。
【0029】
移動式供給・回収装置10の供給ホース22、回収ホース20は、それぞれ工場内の供給用配管P1、回収用配管P2に接続可能となっている。配管P1、P2は、床面FLよりも上方(例えば床面FLから上方に5m程度)に配置される。配管P1、P2を上方に配置することで、従来のように配管用の床側溝を設ける必要がなくなる。床側溝が不要となるので、埃が溜まらなくなり、従来方式に比べて衛生環境を向上することができる。同時に、配管P1、P2からの油の漏洩等を常時目視確認できるため、設備安全面の改善を図ることができる。
【0030】
回収ホース20は、油槽Tに直接差し込むこともできる。この場合、油槽Tの上部から油Lの中に回収ホース20を差し、ポンプ16を稼働して油Lを吸い上げる。吸い上げた油は回収ホース20を通りフィルター18で濾過されてから、供給ホース22を通じて外部(例えば、上記の処理手段)に供給される。この動作は、油槽Tにエアー溜まりがあっても正常に機能する。
【0031】
本実施の形態によれば、移動式供給・回収装置10をユースポイントなどの必要箇所に人力で容易に移動することができる。供給・回収場所が固定されないので、供給・回収場所の自由度を向上することができる。また、大規模精密機械製作工場などでも同時に複数箇所で切削油や一次純水などの液体の供給・回収が可能になる。油や水をセントラルで供給・回収できるようになるため、手作業がなくなり、上記の従来のドラム缶方式と比較して作業効率を大幅に改善するとともに、ドラム缶搬出入時の油漏れ事故等のおそれをなくすことができる。また、切削油や一次純水をリサイクルすることができるため、産廃処理のコストを大きく削減することができる。
【0032】
以上説明したように、本発明に係る移動式供給・回収装置によれば、床面を移動可能な台車と、この台車に搭載された装置本体とを備えた移動式供給・回収装置であって、装置本体は、液体を供給および回収するために稼働するポンプと、ポンプに接続し、回収した液体を濾過するためのフィルターと、フィルターに接続し、液体を外部から回収するための回収ホースと、液体を外部に供給するための供給ホースと、ポンプおよびフィルターの動作を制御するための制御手段とを備えるので、油や水などの液体の供給・回収場所の自由度を向上することができる。
【0033】
また、本発明に係る他の移動式供給・回収装置によれば、液体をユースポイントに供給する供給モードと、液体をユースポイントから回収する回収モードとを有し、供給モードでは、外部に備わるタンクおよびポンプから、液体を供給ホースを介してユースポイントに供給する一方、回収モードではバルブ切替を行い、ポンプは、回収ホースを介してユースポイントから液体を吸込み、この液体をフィルターで濾過させてから供給ホースを介して外部に供給するので、液体の供給と回収の両方に使用することができる。
【0034】
また、本発明に係る液循環供給リサイクルシステムによれば、上述した移動式供給・回収装置と、この移動式供給・回収装置を用いてユースポイントから回収した液体を再使用可能な液体に処理する処理手段とを備え、処理手段で処理された再使用可能な液体を移動式供給・回収装置を用いてユースポイントに供給することにより、液体を循環させるので、精密機械製作工場などで使用する油や水などの液体を工場内で循環して再使用することができる。
【0035】
また、本発明に係る他の液循環供給リサイクルシステムによれば、移動式供給・回収装置の供給ホースおよび回収ホースを接続するための配管を、床面よりも上方に設けたので、床側溝に配管を設けた場合に比べて衛生環境を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明に係る移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステムは、精密機械製作工場等で使用する切削油を供給、回収するシステムに有用であり、特に、油や水などの液体の供給・回収場所の自由度を向上するのに適している。
【符号の説明】
【0037】
10 移動式供給・回収装置
12 台車
14 装置本体
16 ポンプ
18 フィルター
20 回収ホース
22 供給ホース
24 制御盤(制御手段)
26 台車本体
28 車輪
30 把持部
32,34,38 配管
36,40 架台
100 液循環供給リサイクルシステム
FL 床面
L 油
P1,P2 配管
T 油槽