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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-163955(P2020-163955A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】鉄道車両
(51)【国際特許分類】
   B61D 17/00 20060101AFI20200911BHJP
   B61D 17/06 20060101ALI20200911BHJP
   B61F 1/00 20060101ALI20200911BHJP
   B61D 15/06 20060101ALI20200911BHJP
【FI】
   B61D17/00 C
   B61D17/06
   B61F1/00
   B61D15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-65278(P2019-65278)
(22)【出願日】2019年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 直茂
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】貴志 崇
(57)【要約】
【課題】
前面妻構体と台枠との結合部分の強度を向上するとともに、衝突に起因する衝撃力を吸収し、衝撃を緩和することが可能な鉄道車両を提供すること。
【解決手段】
台枠11と、台枠11に対し略直角に配置され、台枠11と結合される前面妻構体12と、を有する鉄道車両1において、前面妻構体12は、台枠11に対し略直角に配置される妻柱122,123を有すること、妻柱122,123は、妻柱122,123の鉄道車両1の床面側の端部であって、鉄道車両1の車室内側の面に、前面妻構体12に対して略直角に形成される突出部122a,123aを有すること、突出部122a,123aは、台枠11の鉄道車両1の先頭側の端面に突き合わされ、少なくとも台枠11の上面側と、下面側と、の2箇所で台枠11と結合されること、を特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台枠と、前記台枠に対し略直角に配置され、前記台枠と結合される前面妻構体と、を有する鉄道車両において、
前記前面妻構体は、前記台枠に対し略直角に配置される妻柱を有すること、
前記妻柱は、前記妻柱の前記鉄道車両の床面側の端部であって、前記鉄道車両の車室内側の面に、前記前面妻構体に対して略直角に形成される突出部を有すること、
前記突出部は、前記台枠の前記鉄道車両の先頭側の端面に突き合わされ、少なくとも前記台枠の上面側と、下面側と、の2箇所で前記台枠と結合されること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄道車両において、
前記突出部は、前記妻柱と別体であり、前記妻柱に結合され、一体となっていること、
を特徴とする鉄道車両。
【請求項3】
請求項1または2に記載の鉄道車両において、
前記突出部は、前記台枠の、前記鉄道車両の長手方向に沿って配置される梁の延長線上で、前記台枠と結合されていること、
を特徴とする鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台枠と、台枠に対し略直角に配置され、台枠と結合される前面妻構体と、を有する鉄道車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の車体は、床面をなす台枠と、台枠の車両長手方向の両端部に立設されることで車体の先頭部または連結部をなす妻構体と、台枠の車両幅方向の両端部に立設されることで車体の側面をなす側構体と、妻構体および側構体の上端部に配置されることで車体の屋根をなす屋根構体とにより6面体をなすように構成される。
台枠と各構体との結合は、台枠の梁や各構体の有する柱などの強度部材同士を直接結合するのではなく、接手板などを介した溶接等によって行われるのが一般的である。図8および図9に示すように、台枠11と、前面妻構体12とを結合する場合、前面妻構体12を台枠11に乗せ、前面妻構体12を構成する妻柱122,123の下端部において、ガセットと呼ばれる接手板23を介して溶接する。このとき、台枠11と妻柱122,123とを突き当てて台枠11と妻柱122,123とを直接溶接するのではなく、接手板23を台枠11および妻柱122,123に溶接することで、台枠11と妻柱122,123とが結合される。接手板23により結合を行うことで、台枠11と妻柱122,123との間に隙間を持たせるなどして、公差による寸法のばらつきを吸収するために前面妻構体12の位置調整を行うことが容易になるのである。例えば、特許文献1に開示される鉄道車両は、台枠の端梁上に妻柱が乗せられ、補強アングルにより台枠と妻柱の結合が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−235733号公報
【特許文献2】特開2011−235728号公報
【特許文献3】特開2005−53306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題があった。
例えば、踏切内で立ち往生した自動車など、軌道上の障害物に鉄道車両が正面から衝突するという事故が発生した場合、自動車が乗用車などの小型車であれば、鉄道車両の台枠の部分が自動車と衝突する。台枠は枕梁や中梁を備えることから強固な剛性を有しており、衝突により鉄道車両先頭部分が車室内にめり込む可能性が低い。
【0005】
一方で、衝突した自動車が大型トラックなどの大型車である場合、トラックの荷台は、鉄道車両の台枠よりも高い位置に位置していることが多く、図10に示すように、衝突の衝撃力Fが、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12に負荷されることがある。台枠11よりも高い位置で前面妻構体12に衝撃力Fが負荷されると、台枠11と前面妻構体12とがなす略L字形状の角部分が支点となり、前面妻構体12にモーメントが働く。支点となる略L字形状の角部分は、台枠11と前面妻構体12との結合部分であり、台枠11と妻柱123は直接結合されておらず、接手板23を介して結合されているため、接手板23に大きい負荷がかかる。接手板23は剛性が低く容易に変形してしまうことや、溶接長も大きく取れないことから、台枠11と前面妻構体12との結合部分が容易に破壊され、前面妻構体12が車室内へ倒れ込むようにしてめり込む。すると、衝突した障害物が車室内へめり込み、乗客や乗務員が負傷するおそれがある。
【0006】
また、接手板23が容易に変形し、台枠11と前面妻構体12との結合部分が容易に破壊されてしまうため、衝突による衝撃力Fを吸収できず、衝突に起因する乗客や乗務員への衝撃を緩和することができない。そのため、衝撃を受けた乗客や乗務員が、車室内の座席脇の袖仕切りや、握り棒などに打ち付けられて負傷してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、前面妻構体と台枠との結合部分の強度を向上するとともに、衝突に起因する衝撃力を吸収し、衝撃を緩和することが可能な鉄道車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の鉄道車両は、次のような構成を有している。
(1)台枠と、台枠に対し略直角に配置され、台枠と結合される前面妻構体と、を有する鉄道車両において、前面妻構体は、台枠に対し略直角に配置される妻柱を有すること、妻柱は、妻柱の鉄道車両の床面側の端部であって、鉄道車両の車室内側の面に、前面妻構体に対して略直角に形成される突出部を有すること、突出部は、台枠の鉄道車両の先頭側の端面に突き合わされ、少なくとも台枠の上面側と、下面側と、の2箇所で台枠と結合されること、を特徴とする。
【0009】
(2)(1)に記載の鉄道車両において、突出部は、妻柱と別体であり、妻柱に結合され、一体となっていること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載の鉄道車両において、突出部は、台枠の、鉄道車両の長手方向に沿って配置される梁の延長線上で、台枠と結合されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の鉄道車両は、上記構成を有することにより次のような作用・効果を有する。
(1)に記載の鉄道車両によれば、前面妻構体と台枠との結合部分が容易に破壊されなくなり、衝突に起因する衝撃力を吸収し、衝撃を緩和することが可能となる。
【0011】
すなわち、前面妻構体は妻柱を有し、妻柱は、鉄道車両の床面側の端部に、前面妻構体に対して略直角に形成される突出部を有するため、鉄道車両側面側から見たときに略L字形状となる。そして、突出部が、台枠の鉄道車両の先頭側の端面に突き合わされ、結合されることで、台枠と前面妻構体とが略L字形状をなす。
鉄道車両が軌道上の障害物と衝突し、台枠よりも高い位置で前面妻構体が衝撃を受けた場合、前面妻構体と台枠とがなす略L字形状の角部分が支点となり、前面妻構体にモーメントが働くが、上述のように妻柱が略L字形状となり、突出部が台枠と結合されているため、前面妻構体と台枠とがなす略L字形状の角部分は、前面妻構体と台枠との結合部分ではない。よって、前面妻構体に働くモーメントの支点部分が破壊され、前面妻構体が車室内へ倒れ込むようにしてめり込むおそれが軽減される。前面妻構体が車室内へ倒れ込むようにしてめり込むおそれが軽減されると、衝突した障害物が車室内へめり込むおそれも軽減され、乗客や乗務員が負傷する可能性が低くなる。
また、前面妻構体に働くモーメントの支点部分が容易に破壊されなくなることで、衝突による前面妻構体の塑性変形が促される。前面妻構体が塑性変形することで、衝突による衝撃力を有効に吸収でき、衝突に起因する乗客や乗務員への衝撃を緩和することが可能である。そのため、乗客や乗務員が、車室内において座席脇の袖仕切りや、握り棒などに打ち付けられて負傷してしまう可能性が軽減される。
【0012】
さらにまた、前面妻構体に対して台枠よりも高い位置で衝撃が加わった場合、突出部と台枠との結合部分が支点となり、前面妻構体にモーメントが働き、突出部と台枠との結合部分が破壊されることが懸念されるが、上述のように前面妻構体と台枠とがなす略L字形状の角部分が結合部分でなくなったことで、前面妻構体の塑性変形が促され、衝撃力を吸収するため、突出部と台枠との結合部分に負荷される応力が緩和される。さらに、突出部は、台枠の鉄道車両先頭側の端面に突き合わされ、少なくとも台枠の上面側と、下面側の2箇所で結合される。突出部と台枠とが結合された結合部分が鉄道車両の上下方向に少なくとも2箇所形成されることとなるため、台枠よりも高い位置で前面妻構体に衝撃が加わった場合、2箇所ある結合部分のうち、台枠の上面側の結合部分が支点となって、前面妻構体にモーメントが働く一方で、台枠の下面側の結合部分が、上面側の結合部分を支点として、前面妻構体に働くモーメントに抗することとなる。よって、突出部と台枠との結合部分が容易に破壊されることがない。
よって、前面妻構体が車室内へ倒れ込むようにしてめり込むおそれが軽減される。前面妻構体が車室内へ倒れ込むようにしてめり込むおそれが軽減されると、衝突した障害物が車室内へめり込むおそれも軽減され、乗客や乗務員が負傷する可能性が低くなる。
【0013】
(2)に記載の鉄道車両によれば、妻柱と、妻柱とは別部品である突出部と、が結合されることで、妻柱と突出部とが略L字形状をなす。
妻柱はステンレスや鋼,アルミ合金などの金属板を曲げ加工して生産されるのが一般的であり、略L字形状とするには、削り出しを行わなければならないなど、材料の質量や製造コストが増大するおそれがある。突出部が妻柱と別体であれば、妻柱と突出部とをそれぞれ製造してから溶接により結合すれば良く、生産が容易であり、材料の質量や製造コストの増大を抑えることができる。
鉄道車両が軌道上の障害物と衝突し、台枠よりも高い位置で前面妻構体が衝撃を受けた場合、前面妻構体と台枠とがなす略L字形状の角部分が支点であり、当該支点が妻柱と突出部との溶接部分であるため、溶接部分が強度的に弱点となり破壊されることが懸念される。しかし、前面妻構体の高さは3m程度であるため、溶接姿勢に合わせて前面妻構体をあらゆる方向に方向転換させながら溶接することが可能である。したがって、理想的な溶接姿勢を保ちながら溶接作業を行うことができるため、溶接品質が向上し、結合強度を向上させることが可能である。結合強度の向上により、衝突時に妻柱と突出部との溶接部分が破壊されるおそれが軽減される。
よって、前面妻構体に働くモーメントの支点部分である溶接部分が容易に破壊されなくなり、衝突による前面妻構体の塑性変形が促される。前面妻構体が塑性変形することで、衝突による衝撃力を有効に吸収でき、衝突に起因する乗客や乗務員への衝撃を緩和することが可能である。
【0014】
(3)に記載の鉄道車両によれば、突出部は、台枠の、鉄道車両の長手方向に沿って配置される梁の延長線上で、台枠と結合されていること、を特徴とするので、鉄道車両が軌道上の障害物と正面衝突した場合に前面妻構体が受けた衝撃を、台枠の車両長手方向に沿って配置される梁で受けることができ、衝突による台枠の変形を軽減することができる。
すなわち、台枠の鉄道車両の先頭側の端部は、車両幅方向に延在する端梁によって形成されるのが一般的であり、妻柱が有する突出部は、該端梁に結合される。鉄道車両が軌道上の障害物に衝突し、前面妻構体が衝撃を受けたとき、端梁は、突出部が結合されている箇所において局所的に衝撃力が負荷される可能性がある。そして、この局所的に負荷される衝撃力は、端梁の長手方向に対して直角方向から負荷されることとなるため、端梁が容易に変形してしまうおそれがある。
そこで、台枠は、端梁に対して略直角方向、すなわち鉄道車両の長手方向、に沿って配置され結合される、側梁と、中梁とを有するのが一般的であるため、側梁や、中梁の延長線上で、端梁と突出部とを結合することで、結合部分において端梁に対して局所的な衝撃力が負荷されても、側梁や、中梁が支えとなり、端梁の変形を防止することができ、ひいては台枠の変形を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本願発明に係る鉄道車両1の側面を表す図である。
図2】第1の実施形態に係る台枠11と前面妻構体12との結合状態を表す斜視図である。
図3】第1の実施形態に係る台枠11と前面妻構体12との結合部分を表す断面図である。
図4】第1の実施形態において、前面妻構体12に衝撃力Fが加わり、変形した状態を表す図である。
図5】第2の実施形態に係る台枠11と前面妻構体12との結合状態を表す斜視図である。
図6】第2の実施形態に係る台枠11と前面妻構体12との結合部分を表す断面図である。
図7】第2の実施形態において、前面妻構体12に衝撃力Fが加わり、変形した状態を表す図である。
図8】従来技術における台枠11と前面妻構体12との結合状態を表す斜視図である。
図9】従来技術における台枠11と前面妻構体12との結合部分を表す断面図である。
図10】従来技術において前面妻構体12に衝撃力Fが加わり、破壊された状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の鉄道車両1の第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る鉄道車両1の側面図である。図1に示されるように、鉄道車両1の車体2は、床面をなす台枠11と、台枠11の車両長手方向の一方の端部に立設されることで車体2の先頭部をなす前面妻構体12と、台枠11の他方の端部に立設されることで車体2の連結部をなす連妻構体15と、台枠11の車両幅方向の両端部に立設されることで車体2の側面をなす側構体13と、前面妻構体12,連妻構体15および側構体13の上端部に配置されることで車体2の屋根をなす屋根構体14とにより6面体をなすように構成される。そして、車体2は、枕ばね24を介して車輪17を備えた台車16によって支持されている。側構体13には、運転席に通じる乗務員昇降口19A、客室に通じる乗客乗降口19Bおよび窓19Cが設けられている。
また、台枠11の車両長手方向の両端部には、前面妻構体12および連妻構体15よりも車両長手方向の外方向に突出するように連結器18が設けられており、隣接する鉄道車両同士を連結することが可能である。
【0017】
図2は、台枠11と、前面妻構体12との結合状態を示す斜視図である。
図2に示されるように、台枠11は、端梁111と、一対の側梁112と、枕梁113と、一対の中梁114とからなる。端梁111が台枠11の車両長手方向の端部を形成し、端梁111の両端部には、側梁112の端部が、端梁111と側梁112とが直交するように結合されている。対向する一対の側梁112の間には、台車16が取り付けられる枕梁113が車両幅方向に延在し、枕梁113の車両幅方向の両端部は、側梁112に結合されている。枕梁113と端梁111との間には、側梁112と平行に、一対の中梁114が延在し、中梁114の車両長手方向の端部は、それぞれ端梁111と、枕梁113に結合されている。
なお、端梁111、側梁112、枕梁113および中梁114、はステンレスや鋼,アルミ合金などの金属板により断面略コの字型、または筒状に形成されるのが一般的であり、それぞれの梁同士の結合は溶接により行われる。
【0018】
そして、台枠11の車両長手方向の端部には、前面妻構体12が、台枠11に対して略直角に結合されている。
前面妻構体12は、妻外板121と、妻柱122,123とからなる。妻柱122,123は、ステンレスや鋼,アルミ合金などの金属製であり、妻外板に溶接されている。
妻外板121は、運転席の窓を形成する窓開口部121aを有している。また、妻外板121の車両幅方向の両端部には、妻外板121の車両高さ方向の長さと略同一の長さを有する妻柱122が、鉄道車両1の高さ方向に沿って延在し、結合されている。さらに、妻外板121の車両幅方向の中央部には、妻外板121の車両高さ方向の下端部から、窓開口部121aまでの長さと略同一の長さを有する妻柱123が、鉄道車両1の高さ方向に沿って延在し、結合されている。
妻柱122,123の下端部には、突出部122a,123aが、前面妻構体12に対して略直角に突出するように設けられており、妻柱122,123は略L字形状となっている。突出部122a,123aは、端梁111の車両長手方向外側の端面に突き合わされるようにして、端梁111と結合している。
【0019】
突出部122aは、側梁112の車両長手方向の延長線上に位置するように結合されており、かつ、突出部123aは、中梁114の車両長手方向の延長線上に位置するように結合されているため、鉄道車両1が軌道上の障害物と正面衝突した場合に前面妻構体12が受けた衝撃を、側梁112または中梁114で受けることができ、衝突による台枠11の変形を軽減することができる。
すなわち、鉄道車両1が軌道上の障害物に衝突し、前面妻構体12が衝撃を受けたとき、端梁111は、妻柱122,123の突出部122a,123aが結合されている箇所において局所的に衝撃力が負荷される可能性がある。そして、この局所的に負荷される衝撃力は、端梁111の長手方向に対して直角方向から負荷されることとなるため、端梁111が容易に変形してしまうおそれがある。
そこで、車両長手方向に沿って配置され、端梁111に結合される側梁112や、中梁114の延長線上で、端梁111と突出部122a,123aとを結合することで、端梁111に対して突出部122a,123aが結合されている箇所における局所的な衝撃力が負荷されても、側梁112や、中梁114が支えとなり、端梁111の変形を防止することができ、ひいては台枠11の変形を防止することが可能である。
【0020】
図3を用いて、台枠11と前面妻構体12との結合部分についてより詳しく説明する。
妻柱122,123から突出する突出部122a,123aの端面と、台枠11を構成する端梁111の車両先頭側の端面とを、スペーサ22を介して突き合わせるように配置する。スペーサ22は、公差による寸法のばらつきを吸収するために突出部122a,123aと端梁111との隙間調整の役割を担うとともに、鉄道車両1が軌道上の障害物に衝突し、前面妻構体12に衝撃が加わった場合に、妻柱122,123から台枠11へ、衝撃力を伝達する役割を有する。
【0021】
端梁111と突出部122a,123aとは、端梁111および突出部122a,123aの上端面側と下端面側との2箇所において、溶接され結合されている。
すなわち、突出部122a,123aの端梁111に対向する端面の上端部からは、溶接部122b,123bが車両長手方向に突出しており、溶接部122b,123bが端梁111の上端面に乗せられるようにして接している。そして、溶接部122b,123bと端梁111の上端面とが溶接される。
さらに、突出部122a,123aの下端面と、端梁111の下端面とには、結合板21が接するように配置され、突出部122a,123aの下端面と結合板21とが溶接され、かつ端梁111の下端面と結合板21とが溶接される。
【0022】
次に、図4を用いて、鉄道車両1が軌道上の障害物に正面衝突し、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12に衝撃力Fが加わった場合を説明する。
鉄道車両1が正面衝突した障害物が大型トラックなどの大型車である場合、トラックの荷台は、鉄道車両の台枠11よりも高い位置に位置していることが多く、図4に示すように、衝突の衝撃力Fが、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12に負荷されることがある。台枠11よりも高い位置で前面妻構体12に衝撃力Fが負荷されると、台枠11と前面妻構体12とがなす略L字形状の角部分が支点となり、前面妻構体12にモーメントが働く。
従来技術においては、支点となる略L字形状の角部分は、台枠11と前面妻構体12との結合部分であり、台枠11と妻柱122,123は直接結合されておらず、接手板23を介して結合されているため、接手板23に大きい負荷がかかる。接手板23は剛性が低く容易に変形してしまうことや、溶接長も大きく取れないことから、台枠11と前面妻構体12との結合部分が容易に破壊されてしまう(図9および図10参照)。
【0023】
一方で、本願発明において、妻柱122,123には、突出部122a,123aが前面妻構体12に対して略直角に突出して形成されているため、鉄道車両1側面側から見たときに略L字形状となっている。そして、突出部122a,123aが、台枠11の鉄道車両1の先頭側の端面に突き合わされ、結合されることで、台枠11と前面妻構体12とが略L字形状をなすため、台枠11と前面妻構体12とがなす略L字形状の角部分が、台枠11と前面妻構体12との結合部分ではない。よって、前面妻構体12に働くモーメントの支点部分が破壊され、前面妻構体12が車室内へ倒れ込むようにしてめり込むおそれが軽減される。そのため、衝突した障害物が車室内へめり込むおそれも軽減され、乗客や乗務員が負傷する可能性が低くなる。
また、前面妻構体12に働くモーメントの支点部分が容易に破壊されなくなることで、図4に示すように、衝撃力Fによって前面妻構体12が曲がるようにして塑性変形される。前面妻構体12が塑性変形することで、衝突による衝撃力Fを有効に吸収でき、衝突に起因する乗客や乗務員への衝撃を緩和することが可能である。そのため、乗客や乗務員が、車室内において座席脇の袖仕切りや、握り棒などに打ち付けられて負傷してしまう可能性が軽減される。
【0024】
ここで、突出部122a,123aと台枠11との結合部分が支点となり、前面妻構体12にモーメントが働き、突出部122a,123aと台枠11との結合部分が破壊されることが懸念されるが、上述のように前面妻構体12の塑性変形が促され、衝撃力Fを吸収するため、突出部122a,123aと台枠11との結合部分に負荷される応力が緩和される。さらに、突出部122a,123aは、台枠11の鉄道車両先頭側の端面に突き合わされ、少なくとも台枠11の上面側と、下面側の2箇所で結合される。突出部122a,123aと台枠11とが結合された結合部分が鉄道車両1の上下方向に少なくとも2箇所形成されることとなるため、台枠11よりも高い位置で前面妻構体に衝撃が加わった場合、2箇所ある結合部分のうち、台枠11の上面側の結合部分が支点となって、前面妻構体12にモーメントが働く一方で、台枠11の下面側の結合部分が、上面側の結合部分を支点として、前面妻構体12に働くモーメントに抗することとなる。よって、突出部122a,123aと台枠11との結合部分が容易に破壊されることがない。
【0025】
以上説明したように、第1の実施形態の鉄道車両1によれば、
(1)台枠11と、台枠11に対し略直角に配置され、台枠11と結合される前面妻構体12と、を有する鉄道車両1において、前面妻構体12は、台枠11に対し略直角に配置される妻柱122,123を有すること、妻柱122,123は、妻柱122,123の鉄道車両1の床面側の端部であって、鉄道車両1の車室内側の面に、前面妻構体12に対して略直角に形成される突出部122a,123aを有すること、突出部122a,123aは、台枠11の鉄道車両1の先頭側の端面に突き合わされ、少なくとも台枠11の上面側と、下面側と、の2箇所で台枠11と結合されること、を特徴とするので、前面妻構体12と台枠11との結合部分が容易に破壊されなくなり、衝突に起因する衝撃力を吸収し、衝撃を緩和することが可能となる。
【0026】
すなわち、前面妻構体12は、鉄道車両1の側面側から見たときに略L字形状となる。そして、突出部122a,123aが、台枠11の鉄道車両1の先頭側の端面に突き合わされ、結合されることで、台枠11と前面妻構体12とが略L字形状をなす。
鉄道車両1が軌道上の障害物と衝突し、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12が衝撃を受けた場合、前面妻構体12と台枠11とがなす略L字形状の角部分が支点となり、前面妻構体12にモーメントが働くが、上述のように妻柱122,123が略L字形状となり、突出部122a,123aが台枠と結合されているため、前面妻構体12と台枠11とがなす略L字形状の角部分は、前面妻構体12と台枠11との結合部分ではない。よって、前面妻構体12に働くモーメントの支点部分が破壊され、前面妻構体12が車室内へ倒れ込むようにしてめり込むおそれが軽減される。そのため、衝突した障害物が車室内へめり込むおそれも軽減され、乗客や乗務員が負傷する可能性が低くなる。
また、前面妻構体12に働くモーメントの支点部分が容易に破壊されなくなることで、衝突による前面妻構体12の塑性変形が促される。前面妻構体12が塑性変形することで、衝突による衝撃力Fを有効に吸収でき、衝突に起因する乗客や乗務員への衝撃を緩和することが可能である。そのため、乗客や乗務員が、車室内において座席脇の袖仕切りや、握り棒などに打ち付けられて負傷してしまう可能性が軽減される。
【0027】
さらにまた、前面妻構体12に対して台枠11よりも高い位置で衝撃が加わった場合、突出部122a,123aと台枠11との結合部分が支点となり、前面妻構体12にモーメントが働き、突出部122a,123aと台枠11との結合部分が破壊されることが懸念されるが、上述のように前面妻構体12と台枠11とがなす略L字形状の角部分が結合部分でなくなったことで、前面妻構体12の塑性変形が促され、衝撃力Fを吸収するため、突出部122a,123aと台枠11との結合部分に負荷される応力が緩和される。さらに、突出部122a,123aは、台枠11の鉄道車両1の先頭側の端面に突き合わされ、少なくとも台枠11の上面側と、下面側の2箇所で結合される。突出部122a,123aと台枠11とが結合された結合部分が鉄道車両1の上下方向に少なくとも2箇所形成されることとなるため、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12に衝撃が加わった場合、2箇所ある結合部分のうち、台枠11の上面側の結合部分が支点となって、前面妻構体12にモーメントが働く一方で、台枠11の下面側の結合部分が、上面側の結合部分を支点として、前面妻構体12に働くモーメントに抗することとなる。よって、突出部122a,123aと台枠11との結合部分が容易に破壊されることがない。
よって、前面妻構体12が車室内へ倒れ込むようにしてめり込むおそれが軽減される。そのため、衝突した障害物が車室内へめり込むおそれも軽減され、乗客や乗務員が負傷する可能性が低くなる。
【0028】
(3)(1)または(2)に記載の鉄道車両1において、突出部122a,123aは、台枠11の車両長手方向に沿って配置される側梁112や中梁114の延長線上で、台枠11と結合されていること、を特徴とするので、鉄道車両1が軌道上の障害物と正面衝突した場合に前面妻構体12が受けた衝撃を、台枠の車両長手方向に沿って配置される側梁112や中梁114で受けることができ、衝突による台枠11の変形を軽減することができる。
すなわち、台枠11の鉄道車両1の先頭側の端部は、車両幅方向に延在する端梁111によって形成されるのが一般的であり、妻柱122,123が有する突出部122a,123aは、端梁111に結合される。鉄道車両1が軌道上の障害物に衝突し、前面妻構体12が衝撃を受けたとき、端梁111は、突出部122a,123aが結合されている箇所において局所的に衝撃力が負荷される可能性がある。そして、この局所的に負荷される衝撃力は、端梁111の長手方向に対して直角方向から負荷されることとなるため、端梁111が容易に変形してしまうおそれがある。
そこで、台枠11は、端梁111に対して略直角方向、すなわち鉄道車両1の長手方向、に沿って配置され結合される、側梁112と、中梁114とを有するのが一般的であるため、側梁112や、中梁114の延長線上で、端梁111と突出部122a,123aとを結合することで、端梁111に対して突出部122a,123aとの結合部における局所的な衝撃力が負荷されても、側梁112や、中梁114が支えとなり、端梁111の変形を防止することができ、ひいては台枠11の変形を防止することが可能である。
【0029】
次に、本発明の鉄道車両1の第2の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
鉄道車両1の形態は、図1に示される第1の実施形態と同様である。
図5は、台枠11と、前面妻構体12との結合状態を示す斜視図である。
台枠11の構成は、第1の実施形態と同様であり、台枠11の車両長手方向の端部を形成する端梁111には、結合部材20を介して、前面妻構体12が、台枠11に対して略直角に結合されている。
【0030】
前面妻構体12は、妻外板121と、妻柱124,125とからなる。妻外板121は、運転席の窓を形成する窓開口部121aを有している。また、妻外板121の車両幅方向の両端部には、妻外板121の車両高さ方向の長さと略同一の長さを有する妻柱124が、鉄道車両1の高さ方向に沿って延在し、結合されている。さらに、妻外板121の車両幅方向の中央部には、妻外板121の車両高さ方向の下端部から、窓開口部121aまでの長さと略同一の長さを有する妻柱125が、鉄道車両1の高さ方向に沿って延在し、結合されている。そして、妻柱124,125の、下端部であって、鉄道車両1の車室内側の端面には結合部材20が結合されており、妻柱124,125と、結合部材20とで略L字形状を形成している。
【0031】
第1の実施形態においては、妻柱122,123に突出部122a,123aが形成され、妻柱122,123が略L字形状であったが、妻柱はステンレスや鋼,アルミ合金などの金属板を曲げ加工して生産することが一般的であり、略L字形状とするには、削り出しを行わなければならないなど、材料の質量や製造コストが増大するおそれがある。第2の実施形態のように結合部材20が妻柱124,125と別体であれば、妻柱124,125と結合部材20とをそれぞれ製造してから溶接により結合すれば良く、生産が容易であり、材料の質量や製造コストの増大を抑えることができる。
鉄道車両1が軌道上の障害物と衝突し、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12が衝撃を受けた場合、妻柱124,125と結合部材20との溶接部分が強度的に弱点となることが懸念されるが、前面妻構体12の高さは3m程度であるため、溶接姿勢に合わせて前面妻構体12をあらゆる方向に方向転換させながら妻柱124,125と結合部材20とを溶接することが可能である。よって、理想的な溶接姿勢を保ちながら溶接作業を行うことができるため、溶接品質が向上し、結合強度を向上させることが可能である。結合強度の向上により、衝突時に妻柱124,125と結合部材20との溶接部分が破壊されるおそれが軽減される。
【0032】
結合部材20は、端梁111の車両長手方向外側の端面に突き合わされるようにして、端梁111と結合している。
そして、妻柱124,125および結合部材20は、側梁112または中梁114の車両長手方向の延長線上に位置するように結合されているため、鉄道車両1が軌道上の障害物と正面衝突した場合に前面妻構体12が受けた衝撃を、側梁112または中梁114で受けることができ、第1の実施形態と同様に衝突による台枠11の変形を軽減することができる。
【0033】
図6を用いて、台枠11と前面妻構体12との結合部分についてより詳しく説明する。
妻柱124,125に結合された結合部材20の車両後方側端面と、台枠11を構成する端梁111の車両先頭側の端面とを、スペーサ22を介して突き合わせるように配置する。スペーサ22は、公差による寸法のばらつきを吸収するために結合部材20と端梁111との隙間調整の役割を担うとともに、鉄道車両1が軌道上の障害物に衝突し、前面妻構体12に衝撃が加わった場合に、妻柱124,125から台枠11へ、衝撃力を伝達する役割を有する。
【0034】
端梁111と結合部材20とは、端梁111および結合部材20の上端面側と下端面側との2箇所において、溶接され結合されている。
すなわち、結合部材20の端梁111に対向する端面の上端部からは、溶接部20aが車両長手方向に突出しており、溶接部20aが端梁111の上端面に乗せられるようにして接している。そして、溶接部20aと端梁111の上端面とが溶接される。
さらに、結合部材20の下端面と、端梁111の下端面とには、結合板21が接するように配置され、結合部材20の下端面と結合板21とが溶接され、かつ端梁111の下端面と結合板21とが溶接される。
【0035】
次に、図7を用いて、鉄道車両1が軌道上の障害物に正面衝突し、台枠11よりも高い位置で前面妻構体に衝撃力Fが加わった場合を説明する。
鉄道車両1が正面衝突した障害物が大型トラックなどの大型車である場合、トラックの荷台は、鉄道車両の台枠よりも高い位置に位置していることが多く、図7に示すように、衝突の衝撃力Fが、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12に負荷され、前面妻構体12にモーメントが働く。
前面妻構体12に働くモーメントの支点が、妻柱124,125と結合部材20との溶接部分になるため、前面妻構体12にモーメントが働くと、当該溶接部分が強度的に弱点となることが懸念されるが、上述のように、理想的な溶接姿勢を保ちながら溶接作業を行うことができるため、溶接品質が向上し、結合強度を向上させることが可能である。結合強度の向上により、衝突時に妻柱124,125と結合部材20との溶接部分が破壊されるおそれが軽減される。
妻柱124,125と結合部材20との溶接部分が破壊されなければ、図7に示すように、衝撃力Fによって前面妻構体12が曲がるようにして塑性変形される。前面妻構体12が塑性変形することで、衝突による衝撃力Fを有効に吸収でき、衝突に起因する乗客や乗務員への衝撃を緩和することが可能である。そのため、乗客や乗務員が、車室内において座席脇の袖仕切りや、握り棒などに打ち付けられて負傷してしまう可能性が軽減される。
【0036】
また、結合部材20と端梁111との結合部分が、台枠11の上面側と、下面側と、の2箇所で台枠と結合されている点は、第1の実施形態において突出部122a,123aと、端梁111とが、台枠11の上面側と、下面側と、の2箇所で結合されているのと同様である。
【0037】
以上説明したように、第2の実施形態の鉄道車両1によれば、
(2)(1)に記載の鉄道車両1において、結合部材20は、妻柱124,125と別体であり、妻柱124,125に結合され、一体となっていること、を特徴とするので、妻柱124,125と、妻柱124,125とは別部品である結合部材20と、が結合されることで、妻柱124,125と結合部材20とが略L字形状をなす。
結合部材20が妻柱と別体であれば、妻柱124,125と結合部材20とをそれぞれ製造してから溶接により結合すれば良く、生産が容易であり、材料の質量や製造コストの増大を抑えることができる。
【0038】
鉄道車両1が軌道上の障害物と衝突し、台枠11よりも高い位置で前面妻構体12が衝撃を受けた場合、前面妻構体12と台枠11とがなす略L字形状の角部分が支点であり、当該支点が妻柱124,125と結合部材20との溶接部分であるため、溶接部分が強度的に弱点となり破壊されることが懸念される。しかし、上述のように、理想的な溶接姿勢を保ちながら溶接作業を行うことができるため、溶接品質が向上し、結合強度を向上させることが可能である。結合強度の向上により、衝突時に妻柱124,125と結合部材20との溶接部分が破壊されるおそれが軽減される。
よって、前面妻構体12に働くモーメントの支点部分である溶接部分が容易に破壊されなくなり、衝突による前面妻構体12の塑性変形が促される。前面妻構体12が塑性変形することで、衝突による衝撃力を有効に吸収でき、衝突に起因する乗客や乗務員への衝撃を緩和することが可能である。
【0039】
なお、上記実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。
例えば、第1および第2の実施形態においては、側梁112および中梁114の車両長手方向の延長線上で、端梁111と、突出部122a,123aまたは結合部材20と、が結合されているが、台枠11が、側梁112や中梁114の他にも車両長手方向に補強梁を備える場合、当該補強梁の延長線上で、端梁111と、突出部122a,123aまたは結合部材20と、を結合することも可能である。
また、第1および第2の実施形態においては、鉄道車両1の先頭部分に貫通路が設けられていないが、貫通路を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 鉄道車両
2 車体
11 台枠
12 前面妻構体
13 側構体
14 屋根構体
122,123 妻柱
122a,123a 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10