【課題】第1のユニットに接続される複数の第2のユニットの接続順序の設定を正確かつ容易に行うことが可能な媒体処理装置および媒体処理装置のユニット接続方法を提供する。
【解決手段】計数ユニットと、当該計数ユニットに接続される複数の集積ユニット3〜6とを有する媒体処理装置であって、複数の集積ユニット3〜6は、紙葉類100を搬送する共通搬送路311、411、511、611と、共通搬送路311、411、511、611により搬送される紙葉類100を検知する光学センサ36、46、56、66とをそれぞれ有し、計数ユニットに対する複数の集積ユニット3〜6の接続順序を、複数の集積ユニット3〜6の光学センサ36、46、56、66が紙葉類100を検知したことを示す信号に基づいて決定する構成とした。
前記複数の第2のユニットのうち、少なくとも一の第2のユニットは他の第2のユニットと異なる機能を有する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の媒体処理装置。
前記第1表示領域は、前記表示装置の表示領域に対して上下方向に延在して設けられると共に、前記第2表示領域は、前記表示装置の表示領域に対して左右方向に延在して設けられており、
前記第1のユニットと前記第2のユニットとの接続状態が前記第2表示領域に表示される請求項12に記載の媒体処理装置。
前記第2表示領域は、前記第1表示領域の上下方向に延在する何れか一方の端部から左右方向の何れか一方向に延在して設けられている請求項12または請求項13に記載の媒体処理装置。
第1のユニットと、当該第1のユニットに接続される複数の第2のユニットとを有し、前記第1のユニットに対する前記複数の第2のユニットの接続順序を決定する媒体処理装置のユニット接続方法であって、
前記複数の第2のユニットの各々に媒体を搬送し、
前記媒体の搬送に応じて前記複数の第2のユニットの各々から出力される信号を受信し、
前記複数の第2のユニットの各々から出力された信号の順番に基づいて前記第1のユニットに対する前記複数の第2のユニットの接続順序を決定する媒体処理装置のユニット接続方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<媒体処理装置>
以下、図面を参照して実施の形態にかかる媒体処理装置1を説明する。
図1は、実施の形態にかかる媒体処理装置1の全体構成を正面から見た概略断面図である。
図2は、実施の形態にかかる媒体処理装置1の計数ユニット2と集積ユニット3との正面図である。
図3は、実施の形態にかかる媒体処理装置1の計数ユニット2と集積ユニット3とを正面から見た概略断面図である。
図4は、集積ユニット3側から見た計数ユニット2と集積ユニット3との斜視図である。
図5は、計数ユニット2側から見た集積ユニット3の斜視図であり、各カバー類を取り外した状態を示している。
図6は、集積ユニット4側から見た集積ユニット3の斜視図であり、各カバー類を取り外した状態を示している。
【0011】
媒体処理装置は、紙葉類や硬貨などの媒体を種類別(例えば、金種別)に分類して予め設定した所定枚数ずつ集積する機能、及び集積した紙葉類や硬貨などの媒体を所定枚数ごとに施封する機能など、1又は複数の機能を有するユニットを組み合わせて構成される装置である。媒体処理装置1では、装置本体である計数ユニット2に、1又は複数のユニット(例えば、集積ユニット3〜6又は図示しない施封ユニット)を接続することで目的とする一連の機能を発揮させることができる。計数ユニット2に接続される1又は複数の機能を有するユニットを増設ユニットとも言う。
【0012】
媒体処理装置1では、計数ユニット2により増設ユニット(実施の形態では、集積ユニット3〜6)の動作が制御され、媒体処理装置1の制御系等において計数ユニット2は上位側、増設ユニットは下位側に位置する。この媒体処理装置1では、オペレータ(図示せず)が計数ユニット2に設けられた操作表示部24(表示装置、
図2参照)を操作して動作を指示することで、操作指示に応じた所定の動作が行われる。
【0013】
実施の形態にかかる媒体処理装置1は、計数ユニット2に集積部の数が各々異なる4台の集積ユニット3〜6が接続されている場合を例示して説明する。媒体処理装置1は、計数ユニット2の受入部21に投入された紙幣や証券、金券などの紙葉類100を、当該紙葉類100の種類別(例えば、金種別)に分類して、紙葉類100の種類別に集積箇所が予め設定された集積ユニット3〜6の各々の集積部32、42、52、62に所定枚数ずつ集積する機能を有する。
【0014】
以下の説明において、媒体処理装置1における操作表示部24側(
図1における紙面手前側)を正面又は前面、媒体処理装置1における操作表示部24の反対側(
図1における紙面奥側)を背面又は後面と定義する。また、媒体処理装置1を正面から見て計数ユニット2側を右側(
図1における紙面右側)、媒体処理装置1を正面から見て複数の集積ユニット3〜6側を左側(
図1における紙面左側)と定義する。また、媒体処理装置1を正面から見てリジェクト部23側(
図1における紙面上側)を上側、媒体処理装置1を正面から見て受入部21側(
図1における紙面下側)を下側と定義する。また、媒体処理装置1において、計数ユニット2の受入部21に投入された紙葉類100が集積ユニット3〜6に搬送される搬送方向において、受入部21側を上流側、集積部32、42、52、62側を下流側と定義する。
【0015】
<計数ユニット>
初めに、媒体処理装置1の計数ユニット2を説明する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、計数ユニット2は、処理前の紙葉類100が投入される受入部21と、投入された紙葉類100の識別及び搬送を行う計数本体部22と、リジェクト紙葉類が集積されるリジェクト部23と、媒体処理装置1の操作に用いられる操作表示部24(
図2参照)と、媒体処理装置1の全体制御を行う制御部25と、を有して構成されている。実施の形態では、受入部21に投入される紙葉類100は、平面視において長方形形状を成す紙幣であり、例えば1万円札、5千円札、二千円札、千円札などである。
【0017】
図3に示すように、受入部21は、正面から見て、計数ユニット2における右下側の領域に設けられている。受入部21は、計数ユニット2の右下側における正面及び右側面に亘って常時開口する開口部211と、紙葉類100が載置される底壁212と、底壁212の左側の縁に沿って設けられ、当該底壁212に対して直角上方向に設けられる側壁213と、受入部21の背面側に設けられ、少なくとも開口部211の背面全体を覆う背面壁214と、背面壁214と対向して正面側に設けられる正面壁215(
図2参照)と、底壁212に載置された紙葉類100を上側から底壁212側に押圧するビルプレス216と、底壁212の下側に設けられた蹴出ローラ217と、を有して構成される。前述した底壁212と側壁213と背面壁214と正面壁215とにより投入された紙葉類100を収納する受入空間が形成される。
【0018】
底壁212は平坦面となっており、この平坦面に紙葉類100の一方の面が当接して載置される。底壁212は、正面から見て、水平面に対して右上側に傾斜して設けられており、底壁212に載置された複数枚の紙葉類100は、底壁212の傾斜に沿って左側に片寄せされる。その結果、底壁212に載置された複数枚の紙葉類100は、各々の紙葉類100の長辺部を底壁212の左側の縁に沿って設けられた側壁213に当接して幅方向の位置が揃えられた状態で受入空間内に集積される。
【0019】
背面壁214と正面壁215との間隔は、紙葉類100の長手方向の長さよりも僅かに長い長さに設定されている。よって、底壁212に載置された複数枚の紙葉類100は、少なくとも両方の短辺部の何れか一方が背面壁214と正面壁215との何れか一方に当接する結果、背面壁214と正面壁215とにより長手方向の位置がほぼ揃えられた状態で受入空間内に集積される。
【0020】
側壁213において、底壁212の近傍には、この側壁213を厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられている。この貫通孔(図示せず)は、側壁213の底壁212側の縁に沿って紙葉類100の長辺部よりも長い長さで設けられている。よって、底壁212に集積された紙葉類100は、底壁212の下側に設けられた蹴出ローラ217(
図3参照)により集積状態の最下層から1枚ずつ分離されたのち、側壁213の貫通孔(図示せず)を通過して計数本体部22側に搬送される。
【0021】
複数枚の紙葉類100は、長辺部を側壁213に当接させた状態で、この側壁213に設けられた貫通孔(図示せず)から1枚ずつ計数本体部22側に搬送されるので、媒体処理装置1において、紙葉類100は幅方向を搬送方向として搬送されることになる。
【0022】
この側壁213に沿って上下方向に移動可能にビルプレス216が設けられている。
【0023】
ビルプレス216は、受入空間内に集積された紙葉類100の枚数(集積状態の紙葉類100の厚み)に応じた力で当該紙葉類100を上側から下側に押圧するようになっている。これにより、受入部21では、集積された紙葉類100のうち、少なくとも最下層の紙葉類は底壁212に密着するので、蹴出ローラ217による紙葉類100の分離を正確に行うことができる。
【0024】
図3に示すように、計数本体部22は、受入部21(受入空間)から搬送された紙葉類100を計数本体部22内に取り込む取込ローラ221と、取込ローラ221で取り込まれた紙葉類100を1枚ずつ分離する分離ローラ222と、取り込まれた紙葉類100を搬送する計数ユニット内搬送機構223と、取り込まれた紙葉類100の検知と取り込み状態の検出を行う検出部224と、取り込まれた紙葉類100の真偽などの識別を行う識別部225と、を有して構成されている。この検出部224と識別部225とにより識別装置が構成される。
【0025】
取込ローラ221と分離ローラ222とは、側壁213の貫通孔(図示せず)の下流側の近傍に設けられており、各々のローラは紙葉類100の厚み方向で対向して配置されている。紙葉類100は、取込ローラ221と分離ローラ222との間に挟まれて、各々のローラの回転により1枚ずつ計数ユニット内搬送機構223に受け渡される。
【0026】
計数ユニット内搬送機構223は、受入部21から取り込んだ紙葉類100を計数本体部22内に搬送する取込搬送路223aと、取込搬送路223aにおける受入部21と反対側の端部に接続される識別搬送路223bと、識別搬送路223bにおける取込搬送路223aの反対側の端部に接続されるリジェクト側搬送路223cと、リジェクト側搬送路223cと同じ端部に接続される搬出側搬送路223dと、を有して構成されている。
【0027】
取込搬送路223aは、受入部21における側壁213の貫通孔(図示せず)に連結され、受入部21側から左側に延びて設けられている。この取込搬送路223aにおける取込ローラ221と分離ローラ222の下流側には検出部224が設けられている。
【0028】
検出部224は、計数本体部22内に紙葉類100が取り込まれたか否かの検知と、取り込まれた紙葉類100の搬送状態の検出とを行う。検出部224は、搬送される紙葉類100の光透過率あるいは物理的な厚さから、2枚以上の紙葉類100が重なった状態で搬送される重送の有無を検出する。また、検出部224は、搬送される紙葉類100の長手方向の両端部の各々の検出タイミングのずれから、紙葉類100の短辺部が搬送方向に対して傾斜した状態で搬送される斜行の有無を検出する。さらに検出部224は、搬送方向で隣り合う紙葉類100の各々の検知タイミングの間隔から紙葉類100のニアフィードの有無を検出する。このように計数本体部22では、検出部224により紙葉類100の重送、斜行、及びニアフィードを検知し、紙葉類100が正常搬送されているか否かを判断することができる。
【0029】
識別搬送路223bは、取込搬送路223aにおける受入部21と反対側の端部からほぼ直角上側に延びて設けられている。この識別搬送路223bの途中位置に識別部225が設けられている。
【0030】
識別部225は、異なる波長の光を照射する複数の発光素子及びこの発光素子から照射された光を受光する受光素子を有する光学センサ(図示せず)と、識別搬送路223bに沿って搬送される紙葉類100に対して発光素子から所定の周波数の光を照射した際の紙葉類100の画像情報を取得する撮像装置(図示せず)とを有して構成されている。
【0031】
識別部225は、識別搬送路223bに沿って搬送される紙葉類100に対して複数の発光素子から可視光及び紫外線を照射する。識別部225は、可視光照射時及び紫外線照射時における紙葉類100の画像情報を撮像装置により取得し、この取得した画像情報と紙葉類100の種類別に予め作成された基準画像データとを比較して、一致すると判定できる基準画像データの種類を、紙葉類100の種類(金種)と特定する。
【0032】
このように一致する基準画像データが存在することにより種類(金種)が特定された紙葉類は識別異常なしの紙葉類100と特定される。この識別異常無しの紙葉類100は後述する搬出側搬送路223dに搬送されて集積ユニット3の共通搬送路311に受け渡される。一方、一致する基準画像データが存在せず種類が特定できない紙葉類は識別異常有りの紙葉類100と特定される。この識別異常有りの紙葉類100はリジェクト側搬送路223cに搬送されてリジェクト部23に収納されるリジェクト紙葉類となる。
【0033】
リジェクト側搬送路223cは、識別搬送路223bの他端に設けられた分岐部からリジェクト部23の近傍まで延びて設けられている。
【0034】
リジェクト部23は、正面から見て、計数ユニット2における右上側の領域に設けられている。リジェクト部23は、計数ユニット2の右上側における正面及び右側面に亘って常時開口する開口部231と、紙葉類100が載置される底壁232と、底壁232の左側の縁に沿って設けられ、当該底壁232に対して直角上方向に設けられる側壁233と、リジェクト部23の背面側に設けられ、少なくとも開口部231の背面全体を覆う背面壁234と、羽根車235と、を有して構成される。前述した底壁232と側壁233と背面壁234とによりリジェクト紙葉類を収納するリジェクト空間が形成される。
【0035】
底壁232は平坦面となっており、この平坦面にリジェクト紙葉類の一方の面が当接して載置される。底壁232は、正面から見て、水平面に対して右上側に傾斜して設けられており、底壁232に載置された複数枚のリジェクト紙葉類は、左側に片寄せされる。その結果、底壁232に載置された複数枚のリジェクト紙葉類は、各々の長辺部を底壁232の左側の縁に沿って設けられた側壁233に当接して幅方向の位置が揃えられた状態でリジェクト空間内に集積される。
【0036】
底壁232の上側で、リジェクト側搬送路223cの端部近傍には羽根車235が設けられている。羽根車235は、回転軸回りに回転可能に設けられた回転体235aと、この回転体235aの回転軸回りの周方向の全周に亘って等間隔に設けられた複数の羽根体235bとを有して構成されている。
【0037】
各々の羽根体235bは、回転体235a側の基端部から外側の先端部にかけて、当該回転体235aの回転軸回りの周方向に沿う同一方向に湾曲して形成されている。実施の形態では、各々の羽根体235bは、回転体235aの回転軸回りの周方向に沿う反時計回り(左回り)に湾曲して設けられている。これにより、リジェクト側搬送路223cに沿って1枚ずつ搬送されたリジェクト紙葉類は、羽根車235の互いに隣接する羽根体235bと羽根体235bとの間に1枚ずつ受け渡されてリジェクト空間側に回転しながら搬送される。
【0038】
互いに隣接する羽根体235bと羽根体235bとの間に収容されたリジェクト紙葉類は、前述した側壁233に当接して羽根体235bと羽根体235bとの間から繰り出されると、回転方向の後方の羽根体235bにより、底壁232側に押されながら底壁232の上に順番に載置される。つまり、リジェクト紙葉類は、受入部21から計数本体部22内に取り込まれた順番で、リジェクト紙葉類と判断されたものからリジェクト部23に繰り出されて下から上に順番に集積される。
【0039】
なお、リジェクト部23には、リジェクト空間内に集積されたリジェクト紙葉類の有無を検知するリジェクト紙葉類検知センサ(図示せず)と、このリジェクト紙葉類検知センサの検知結果に基づいて点灯状態が切り替えられるリジェクト紙葉類報知部(図示せず)と、が設けられている。
【0040】
リジェクト紙葉類検知センサ(図示せず)は、リジェクト部23のリジェクト空間内でのリジェクト紙葉類の有無と集積状態とを検知可能に設けられたセンサである。このセンサとして、光学センサ、磁気センサ、静電容量センサなどの各種センサを用いることができる。光学センサは、透過型センサ又は反射型センサの何れを用いても良く、発光素子から照射された光の受光素子での受光レベルを検知することでリジェクト空間内のリジェクト紙葉類の有無と集積状態とを検知することができる。磁気センサは、リジェクト空間内に発生させた磁束の変化を測定することでリジェクト空間内のリジェクト紙葉類の有無と集積状態とを検知することができる。静電容量センサは、リジェクト空間内の静電容量の変化を測定することでリジェクト空間内のリジェクト紙葉類の有無と集積状態とを検知することができる。
【0041】
リジェクト紙葉類報知部(図示せず)は、LED(LIGHT Emitting Diode)などの発光素子を有して構成されている。リジェクト紙葉類報知部は、リジェクト紙葉類検知センサにより検知されたリジェクト空間内のリジェクト紙葉類の検知結果に基づいて報知態様を変動させる。例えば、リジェクト紙葉類報知部は、リジェクト紙葉類検知センサによりリジェクト空間内にリジェクト紙葉類が存在することが検知された場合にはLEDを点灯させ、リジェクト紙葉類検知センサによりリジェクト空間内にリジェクト紙葉類が存在しないことが検知された場合にはLEDを消灯させる。また、リジェクト紙葉類報知部は、リジェクト空間内に集積されたリジェクト紙葉類がフル状態になるとLEDを点滅させる。
【0042】
前述したリジェクト紙葉類報知部(図示せず)は、オペレータから視認し易い位置に設けられていることが好ましい。例えば、リジェクト部23の底壁232を透明又は半透明の合成樹脂材料などにより形成し、この透明又は半透明の合成樹脂材料などにより形成された底壁232の下側に前述したLEDを設けても良い。これにより、リジェクト紙葉類報知部のLEDから照射された光は透明又は半透明の合成樹脂材料などで形成された底壁232全体を光らせ、開口部231を介してオペレータ(図示せず)に視認可能となる。前述した透明又は半透明の合成樹脂材料の一例として、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などが挙げられる。
【0043】
また、リジェクト紙葉類報知部(図示せず)は、リジェクト部23の上側を覆うカバー236(
図2参照)に設けられていても良い。この場合も、カバー236を透明なアクリル樹脂などで形成することで、リジェクト紙葉類報知部のLEDから照射された光は、透明なアクリル樹脂で形成されたカバー236全体を光らせ、よりオペレータ(図示せず)の目線に近い高さ位置に配置されるのでオペレータ(図示せず)に視認し易くなる。
【0044】
ここで、識別搬送路223bの分岐部から分岐して左側に延びる搬出側搬送路223dは、集積ユニット3の集積ユニット内搬送機構31に接続される。
【0045】
なお、計数ユニット2は、制御部25を有している。制御部25は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、を含んで構成されている。ROMは、計数ユニット2及び集積ユニット3〜6を制御するための制御プログラム、前述した識別部225での識別の基準となる基準画像データ(マスタデータ)等を記憶し、RAMは、識別計数結果のデータ等を記憶する。制御部25は、ROMに記憶された制御プログラムを読み込むことで、計数ユニット2及び集積ユニット3〜6を制御するための各機能を実装する。
【0046】
<集積ユニット>
次に、計数ユニット2に接続される集積ユニット3を説明する。
【0047】
図3に示すように、集積ユニット3は、集積本体部30と、集積ユニット内搬送機構31と、集積部32と、羽根車33と、制御部34と、記憶部35と、光学センサ36と、状態表示部37(
図2参照)と、を有して構成されている。
【0048】
ここで、制御部34と記憶部35とは集積本体部30の内部に収納されている。制御部34は、CPUなどの演算装置であり、記憶部35に記憶された制御プログラム実行することで、集積ユニット3の全体制御を行う。記憶部35は、ROMやRAMなどの記憶装置であり、この記憶部35には、集積ユニット3の全体制御を行うための制御プログラムのほか、制御部34による演算結果などが一時的に記憶される。また、記憶部35には、集積ユニット3の種別(例えば、集積ユニットや施封ユニットなどの種別)を区別するための種別情報(
図9参照)、及び集積ユニット3を識別するための識別情報(CPUの固有ID、又は通信装置の固有ID:
図18参照)が予め記憶されている。
【0049】
図5に示すように、集積本体部30は概ね直方体を成す筒形状の部材である。集積本体部30の計数ユニット2側(右側)及び他の集積ユニット4〜6側(左側)には他のユニットと仕切るための仕切壁301、301がそれぞれ設けられている。
【0050】
集積本体部30における計数ユニット2側の仕切壁301の上側には、2つのユニット結合用ピン302、302が同じ高さ位置で前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。このユニット結合用ピン302、302は、計数ユニット2における集積ユニット側の仕切壁(図示せず)の対応する位置に設けられたユニット結合孔(図示せず)、又は他の集積ユニットにおける仕切壁の対応する位置に設けられたユニット結合孔303(
図6参照)に嵌合するようになっている。これにより、計数ユニット2と各々の集積ユニット3〜6とは、上下方向及び左右方向の位置を一致させた状態で位置決めされて一体的に連結固定される。
【0051】
図3に戻って、集積ユニット内搬送機構31は、共通搬送路311と分岐搬送路312とを有して構成されている。共通搬送路311と分岐搬送路312とは、別々の駆動モータにより各々独立に駆動されるようになっている。
【0052】
共通搬送路311は、集積本体部30の上側で水平方向(左右方向)に設けられている。共通搬送路311の計数ユニット2側には搬送入口部311a(
図5参照)が設けられている。搬送入口部311aは、集積ユニット3に計数ユニット2が接続された状態で計数ユニット2の搬出側搬送路223dと連続的に接続される。よって、集積ユニット3の共通搬送路311と計数ユニット2の搬出側搬送路223dとが一体的に連結し、計数ユニット2の搬出側搬送路223dから搬送された紙葉類100は集積ユニット3の共通搬送路311に受け渡される。
【0053】
図3に示すように、共通搬送路311において、搬送入口部311aの下流側には紙葉類100を検知するための光学センサ36が設けられている。光学センサ36は、共通搬送路311に沿って搬送される紙葉類100を検知可能な位置に配置されている。光学センサ36は、共通搬送路311に沿って搬送される紙葉類100を検知した場合、紙葉類100を検知したことを示す信号を生成して計数ユニット2の制御部25に送信する。
【0054】
共通搬送路311の計数ユニット2と反対側(集積ユニット4側)には搬送出口部311b(
図6参照)が設けられている。搬送出口部311bは、集積ユニット3における計数ユニット2と反対側に集積ユニット4が接続された状態で集積ユニット4における共通搬送路411の搬送入口部411aと連続的に接続される。よって、集積ユニット3の共通搬送路311と集積ユニット4の共通搬送路411とが一体的に連結し、集積ユニット3の共通搬送路311から搬送された紙葉類100は集積ユニット4の共通搬送路411に受け渡される。
【0055】
図3に戻って、共通搬送路311の搬送出口部311b側には、共通搬送路311が設けられる水平方向とは異なる方向に分岐搬送路312が設けられている。
【0056】
分岐搬送路312は、共通搬送路311から直角下側方向に設けられている。共通搬送路311に沿って搬送される紙葉類100の搬送方向が分岐搬送路312側に切り替えられることで、紙葉類100は分岐搬送路312に沿って水平方向と異なる直角下側方向に搬送される。共通搬送路311上で搬送される紙葉類100を、連設される集積ユニット4の共通搬送路411側に搬送するのか、分岐搬送路312に搬送するのかの切り替えは、搬送振分機構(図示せず)により行われる。この搬送振分機構(図示せず)により、紙葉類100を、連設される集積ユニット4の共通搬送路411側に搬送するのか、分岐搬送路312側に搬送するのかが選択されて紙葉類100の搬送方向が切り替えられる。
【0057】
この分岐搬送路312の複数の途中位置からほぼ水平方向に水平搬送路312aが設けられている。実施の形態では、分岐搬送路312のほぼ等間隔の途中位置の4箇所から水平搬送路312aがほぼ水平方向に設けられており、各々の水平搬送路312aは対応する集積部32の近傍まで設けられている。紙葉類100を分岐搬送路312から何れの水平搬送路312aに振り分けるかの選択と振分は、前述した搬送振分機構と同様の搬送振分機構(図示せず)により行われる。
【0058】
各々の水平搬送路312aにおける集積部32側の端部には羽根車33が設けられている。羽根車33は、水平搬送路312aの端部近傍に設けられた回転軸回りに回転可能に設けられている。羽根車33は、前述した羽根車235と同様の構成を有しており、回転軸回りに回転可能に設けられた回転体331と、この回転体331の回転軸回りの周方向の全周に亘って等間隔に設けられた複数の羽根体332とを有して構成されている。
【0059】
各々の羽根体332は、回転体331側の基端部から外側の先端部にかけて、当該回転体331の回転軸回りの周方向に沿って同一方向に湾曲して形成されている。実施の形態では、各々の羽根体332は、回転体331の回転軸回りの周方向に沿う反時計回り(左回り)に湾曲して設けられている。これにより、水平搬送路312aに沿って搬送された紙葉類100は、羽根車33の互いに隣接する羽根体332と羽根体332との間に1枚ずつ受け渡されて集積部32側に回転しつつ搬送される。
【0060】
互いに隣接する羽根体332と羽根体332との間に収容された紙葉類100は、後述する集積部32の収容底壁322に当接して羽根体332と羽根体332との間から繰り出されて、回転方向の後方の羽根体332により、収容底壁322側に押されながら集積部32に順番に集積される。
【0061】
図2に示すように、集積部32は、集積ユニット3において集積本体部30の上下方向に複数設けられている。実施の形態の集積ユニット3では、4個の集積部32が集積本体部30の上下方向でほぼ等間隔に設けられている。各々の集積部32は同一の構成であるので、本明細書では4個の集積部32のうちの一つの集積部32について説明する。
【0062】
集積部32は、正面側に常時開口する開口部321と、収容底壁322と、少なくとも開口部321の背面側を覆う収容背面壁323と、紙葉類100が載置される摺動ステージ324と、を有して構成されている。集積部32の収容底壁322と収容背面壁323と摺動ステージ324とにより複数の紙葉類100を集積して収容する集積空間が形成される。
【0063】
集積部32の収容底壁322は平坦面となっており、この平坦面に羽根車33から1枚ずつ繰り出された紙葉類100の長辺部が当接して集積される。収容底壁322の平坦面は水平面に対して右下側に傾斜して設けられている。よって収容底壁322に載置された複数枚の紙葉類100は長辺部を収容底壁322に当接させた状態で左側に片寄せされて一方の面が摺動ステージ324(後述する可動壁324a)に当接する。よって、紙葉類100は幅方向の位置が揃えられた状態で集積空間内に集積される。
【0064】
摺動ステージ324は、紙葉類100の一方の面が当接する可動壁324aと、この可動壁324aを集積本体部30の正面方向及び背面方向にスライドさせるスライド機構324b(
図4参照)と、を有して構成されている。
【0065】
可動壁324aは、収容底壁322の右側の縁に沿って設けられており、収容底壁322の右側の縁に沿って設けられた軸を回転軸として所定の角度範囲で回動可能に設けられている。実施の形態では、可動壁324aは、収容底壁322に対してほぼ直角状態で位置する取出位置P1(
図2の上から2段目の集積部32における可動壁324aの位置)と、この取出位置P1よりも収容底壁322に近づく方向(反時計回り)に所定角度だけ回動した集積位置P2(
図2の最上段の集積部32における可動壁324aの位置)との間で回動可能に設けられている。
【0066】
可動壁324aが集積位置P2にある場合、この可動壁324aは鉛直線に対して取出位置(収容底壁322)側に僅かに倒れた状態で位置する。よって、可動壁324aに複数枚の紙葉類100が集積した状態で当接すると、紙葉類100の自重により可動壁324aが取出位置P1側に押圧される。
【0067】
一方、可動壁324aは、バネなどの付勢部材324c(
図2参照)により集積位置P2方向に付勢されている。可動壁324aに集積された紙葉類100の自重がバネの付勢力よりも大きくなると、可動壁324aは、この可動壁324aに集積された紙葉類100の枚数に応じた量だけ取出位置P1の方向へ回動し、可動壁324aに所定枚数(例えば、300枚)以上の紙葉類100が集積された場合、可動壁324aは取出位置P1まで回動して停止する。
【0068】
図4に示すように、スライド機構324bは、可動壁324aを正面方向及び背面方向にスライド可能に支持するガイド(図示せず)と、ガイドに沿って可動壁324aを正面方向又は背面方向にスライドさせる駆動モータ(図示せず)と、を有して構成されている。
【0069】
集積ユニット3では、駆動モータを駆動させて可動壁324aをガイドに沿って正面方向にスライドさせることで、可動壁324aに集積された紙葉類100の長手方向の少なくとも一部を集積部32の開口部321の外側に位置させることができる(
図4の上から2段目の集積部32における可動壁324aの位置)。この結果、集積ユニット3では、オペレータ(図示せず)による集積部32からの紙葉類100の取り出しを容易に行うことができる。
【0070】
なお、集積部32には、前述したリジェクト紙葉類報知部(図示せず)と同様の構成の紙葉類報知部(図示せず)が設けられており、集積部32における紙葉類の有無、フル状態などに応じたLEDの点灯、消灯、点滅などの報知が行われる。
【0071】
図4に示すように、集積本体部30において、各々の集積部32に隣接する左側には、各々の集積部32に対応して状態表示部37が設けられている。
【0072】
状態表示部37は、液晶表示部37aを有しており、この液晶表示部37aに集積部32の集積空間内に集積された紙葉類100の枚数等の状態を表示する。
【0073】
なお、
図1に示すように、実施の形態では、計数ユニット2に集積ユニット3〜6がこの順番で接続されている。集積ユニット4は3個の集積部42を有しており、集積ユニット5は2個の集積部52を有しており、集積ユニット6は1個の集積部62を有している。これらの集積ユニット4〜6は、各々の集積ユニット4〜6に設けられている集積部42、52、62の数が異なるのみで、集積ユニット内搬送機構41、51、61や搬送振分機構(図示せず)などは、前述した集積ユニット内搬送機構31や搬送振分機構(図示せず)と同様の構成で同じ(共通の)機能を有している。集積ユニット4〜6において、前述した集積ユニット3と同様の構成については、詳細な説明は省略し必要に応じて説明する。
【0074】
前述したように、媒体処理装置1では、媒体の種類数や処理内容に応じて様々な機能を有する異なる種類の増設ユニットが計数ユニット2に接続(増設)される。例えば、媒体処理装置1では、1又は複数種類の集積ユニット及び/又は集積された紙葉類を施封する施封ユニットなどを計数ユニット2に接続することができる。これにより、媒体処理装置1では、ユーザが求める機能(分類や施封など)の変化に柔軟に対応でき、設計変更を行うことなくバリエーションを容易に増やすことができる。
【0075】
また、前述したように、媒体処理装置1では、集積部の数が異なる複数種類の集積ユニット3〜6が計数ユニット2に接続されている。集積ユニット3〜6の接続端子にはそれぞれ接続ケーブルが接続されており、この接続ケーブルは、計数ユニット2に設けられた接続ポートに接続されている。
【0076】
ここで、計数ユニットでは、受入部に投入された紙葉類を、紙葉類の種類別に予め設定された目的とする集積ユニットのどの集積部に振り分けて集積するのかを判断するため、計数ユニットに接続された集積ユニットの接続順序を設定する必要がある。そのため、媒体処理装置を設置する設置作業者は、各集積ユニットの接続ケーブルを、計数ユニットに設けられた所定の接続ポートに順序通りに接続する必要がある。しかしながら計数ユニットに接続する集積ユニットの数が多くなると、設置作業者は、計数ユニットの接続ポートに接続する集積ユニットの接続ケーブルの接続順序を間違えてしまう恐れがある。
【0077】
そのため、実施の形態にかかる媒体処理装置1では、設置作業者による計数ユニット2の接続ポートに対する各集積ユニット3〜6の接続ケーブルの接続順序に関係なく、計数ユニット2に対する集積ユニット3〜6の接続順序の設定を正確に行えるようにした。
【0078】
<増設ユニットの接続例>
以下、計数ユニット2に対する集積ユニット3〜6の接続例を説明する。
【0079】
図7は、計数ユニット2に対する集積ユニット3〜6の接続順序の設定方法を説明する図である。
図8は、計数ユニット2と集積ユニット3〜6とをパラレル接続した場合の接続順序の設定方法を説明する図である。
図9は、計数ユニット2と集積ユニット3〜6とをパラレル接続した場合の接続関係の一例を示す図である。
図10は、計数ユニット2と集積ユニット3〜6とをパラレル接続した場合において、各集積ユニットで生成された受信信号の計数ユニットでの受信状況の一例を説明する図である。
【0080】
図8に示すように、実施の形態に係る媒体処理装置1では、計数ユニット2に4台の異なる種類の集積ユニット3、4、5,6がこの順序で互いに連結されており、集積ユニット3〜6の各々に設けられた接続ポート30a、40a、50a、60aと、計数ユニット2に設けられた接続ポートP1〜Pnと、が接続ケーブル38、48、58、68により接続されている。よって、集積ユニット3〜6と計数ユニット2とは接続ケーブル38、48、58、68によりパラレル接続されており、この接続ケーブルを介して情報の送受信が行われる。媒体処理装置1では、計数ユニット2に設けられた接続ポートP1〜Pnの数が、1台の計数ユニット2に接続可能な集積ユニットの最大限度数となる。
【0081】
図8及び
図9に示すように、媒体処理装置1では、4個の集積部32を有する集積ユニット3の接続ポート30aに接続される接続ケーブル38は計数ユニット2の接続ポートP1に接続され、3個の集積部42を有する集積ユニット4の接続ポート40aに接続される接続ケーブル48は計数ユニット2の接続ポートP3に接続され、2個の集積部52を有する集積ユニット5の接続ポート50aに接続される接続ケーブル58は計数ユニット2の接続ポートP2に接続され、1個の集積部62を有する集積ユニット6の接続ポート60aに接続される接続ケーブル68は計数ユニット2の接続ポートP4に接続されている。
【0082】
図7及び
図10に示すように、紙葉類100が各集積ユニット3〜6の共通搬送路311、411、511、611に沿って搬送されると、各共通搬送路に設けられた光学センサ36、46、56、66により各共通搬送路を通過する紙葉類100が検知される。
【0083】
紙葉類処理装置1では、初めに集積ユニット3の共通搬送路311における紙葉類100の通過が光学センサ36により検知され、光学センサ36で生成された検知信号とユニット種別情報とが計数ユニット2の接続ポートP1に送信される。
【0084】
その後、集積ユニット4〜6の共通搬送路411、511、611における紙葉類100の通過が各々の共通搬送路に設けられた光学センサ46、56、66により検知され、光学センサ46、56、66で検知された順番に、各光学センサで生成された検知信号とユニット種別情報とが計数ユニット2の接続ポートP3、P2、P4に送信される。
【0085】
<表示画面>
前述したように媒体処理装置1に関する情報は操作表示部24の表示画面241に表示される。ここで、操作表示部24の表示画面241の表示例を説明する。
【0086】
図11は、操作表示部24の表示画面241の表示例を説明する図である。
図11に示すように、操作表示部24を正面から見て、表示画面241には上下方向に延在する第1表示領域2411が設けられている。この第1表示領域2411は、表示画面241の左端部に沿って上下方向に直線状に設けられている。
【0087】
第1表示領域2411には、複数の機能選択ボタン(操作ボタン)2411a〜2411cが設けられており、何れかの機能選択ボタン2411a〜2411cを選択することで、当該機能選択ボタンに応じた各種設定や制御が行われる。
【0088】
操作表示部24を正面から見て、表示画面241には第1表示領域2411の下側端部から右方向に向けて第2表示領域2412が設けられている。この第2表示領域2412は、表示画面241の下側に沿って直線状に設けられている。
【0089】
第2表示領域2412には、前述した媒体処理装置1の計数ユニット2と、この計数ユニット2に接続される集積ユニット3や終端収容カバー7等との接続状態を示す装置接続状態
図2412aが表示されている。装置接続状態
図2412aには、媒体処理装置1のベースとなる計数ユニット2にどのような集積ユニット3や施封ユニット(図示せず)、終端収容カバー7等が接続されているかが示されている。実施の形態では、計数ユニット2に、4つの集積ユニット3が接続されていると共に、この4つの集積ユニット3の最後の集積ユニット3に終端収容カバー7が接続されている場合が示されており、紙幣が集積されている集積部32は、カラー表示されるなど視認性をよくし、オペレータに分かり易くなっている。
【0090】
より詳細に説明すると、後述するようにして、複数のユニットの設定作業により決定ないしは認識されたユニットの数及びその種類に応じて生成された装置接続状態
図2412aが第2表示領域2412に表示されるようになっている。すなわち、制御部25が、
図1のような装置構成であると認識すると、集積ユニット3が4台接続されると共に、最後の集積ユニット3の後方に終端収容カバー7が接続された装置接続状態
図2412aを表示することになる。また、ユニットの増減を行い、ユニットの設定作業を行うことで、制御部25は、新たな接続構成を認識し、それに対応した装置接続状態
図2412aを表示する。
【0091】
前述したように、第1表示領域2411と第2表示領域2412とは、正面視において概ねL字形状を成しており、それぞれの領域に所定の機能選択ボタン2411a〜2411c及び機能選択ボタン2412b,2412cが配置されている。また、表示画面241には、第1表示領域2411と第2表示領域2412とにより区画される第3表示領域2413が設けられている。
【0092】
第3表示領域2413には、例えば、第1表示領域2411の機能選択ボタン2411a〜2411cで所定の設定を選択した場合、当該選択した設定における設定画面が表示される。また、第3表示領域2413には、例えば、媒体処理装置1で計数した貨幣の計数結果や、計数ユニット2と集積ユニット3、終端収容カバー7との接続状態を示す図などが表示される。
【0093】
なお、前述した第1表示領域2411や第2表示領域2412の幅は、機能選択ボタン2411a〜2411c,2412b,2412cや装置接続状態
図2412aの大きさや幅に応じて自動的に可変するようになっており、機能選択ボタン2411a〜2411c,2412b,2412cの有無に応じて一部が拡大または縮小するようになっている。
【0094】
<増設ユニットの接続順序の設定方法>
次に計数ユニット2に対する集積ユニット3〜6の接続順序の設定方法を説明する。
【0095】
媒体処理装置1は、計数ユニット2の受入部21に投入された紙葉類100を、紙葉類の種類別に何れかの集積ユニット3〜6の集積部32、42、52、62に振り分けて集積する集積モードと、計数ユニット2の受入部21に投入された紙葉類100を、集積ユニット3〜6の何れにも振り分けずに、各々の集積ユニット3〜6の共通搬送路311、411、511、611を通過させて終端収容カバー7まで搬送する接続順序設定モードとを有する。
【0096】
以下で説明する計数ユニット2に対する集積ユニット3〜6の接続順序の設定は、前述した接続順序設定モードで行われる。この接続順序設定モードは、媒体処理装置1の設置を行う設置作業者が計数ユニット2に対する増設ユニットの接続順序を設定するため、媒体処理装置1を設置する際に実行される。
【0097】
<計数ユニットにおける接続順序設定処理>
初めに計数ユニット2の制御部25で行われる接続順序設定処理を説明する。
図12は、媒体処理装置1の計数ユニット2で行われる接続順序設定処理を示すフローチャートである。
【0098】
図12に示すように、ステップS101において、計数ユニット2の制御部25は、計数ユニット2の受入部21に投入された紙葉類100を、蹴出ローラ217により計数ユニット2の計数本体部22内に取り込んだ後、計数ユニット内搬送機構223により集積ユニット3の集積ユニット内搬送機構31に受け渡す。
【0099】
ステップS102において、制御部25は、集積ユニット内搬送機構31(共通搬送路311)に沿って搬送される紙葉類100を光学センサ36で検知することで生成された検知信号と、当該集積ユニット3のユニット種別情報とを集積ユニット3から受信したか否かを判断する。
【0100】
制御部25は、光学センサ36からの検知信号と、集積ユニット3のユニット種別情報とを受信したと判断した場合(ステップS102:YES)、ステップS103の処理に進み、光学センサ36からの検知信号と、集積ユニット3のユニット種別情報とを受信していないと判断した場合(ステップS102:NO)、ステップS106に進む。
【0101】
ステップS103において、制御部25は、集積ユニット3から受信した検知信号の受信の順番を示す順序カウンタ「n」の値を「+1」インクリメントする。実施の形態では、接続順序設定モードの開始時には順序カウンタ「n」は初期値として「0」に設定されており、集積ユニット3の光学センサ36から紙葉類100を検知した際に生成される検知信号を受信すると、順序カウンタ「n」の値が「1」となる。これにより、制御部25は、集積ユニット3から受信した検知信号が1番目に受信したものであり集積ユニット3の接続順序が1番であると判断する。よって、制御部25は、計数ユニット2の接続ポートP1に接続されている増設ユニットは集積ユニット3であり、この集積ユニット3は1番目に接続されていると判断する。
【0102】
ステップS104において、制御部25は、ステップS103でインクリメントした後の順序カウンタ「n(=1)」の値を、当該制御部25のROMなどの記憶装置(図示せず)に記憶する。
【0103】
ステップS105において、制御部25は、紙葉類100の検知信号とユニット種別情報との送信元である集積ユニット3の制御部34に、ステップS103で算出した順序カウンタ「n(=1)」の値を送信する。実施の形態では、制御部25は、集積ユニット3の制御部34に順序カウンタ「1」を送信して、ステップS102の処理に戻る。
【0104】
次に、制御部25は、集積ユニット3の光学センサ36から紙葉類100を検知したことを示す検知信号とユニット種別情報とを受信していないと判断した場合(ステップS102:NO)、ステップS106において、集積ユニット3から紙葉類100の検知信号を受信しない時間Txが所定時間Tnを越えた(Tx>Tn)か否かを判断する。実施の形態の一例では、所定時間Tnは「3秒」に設定されており、制御部25は、集積ユニット3の光学センサ36からの検知信号を「3秒」を越えて受信されていないと判断した場合(ステップS106:YES)、集積ユニット3内における紙葉類100の搬送エラー(ジャム)、又は集積ユニット3が計数ユニット2に接続された最後の集積ユニットであると判断して接続順序設定モードを終了する。
【0105】
ステップS106において、制御部25は、集積ユニット3の光学センサ36から検知信号を受信していない時間Txが所定時間Tn(3秒)を越えていないと判断した場合(ステップS106:NO)、ステップS102の処理に戻って、光学センサから検知信号を受信していない時間Txが所定時間Tnを越えたと判断するまで、集積ユニットからの検知信号の受信を待つ。
【0106】
制御部25は、前述したステップS101〜S106の処理を、紙葉類100が全ての集積ユニット3〜6を通過するまで繰り返し行う。
【0107】
<集積ユニットにおける紙葉類検知処理>
次に集積ユニット3の制御部34で行われる紙葉類検知処理を説明する。この紙葉類検知処理は、前述した接続順序設定モードで行われる。
【0108】
図13は、集積ユニット3の制御部34で行われる紙葉類検知処理を示すフローチャートである。
【0109】
図13に示すように、ステップS201において、集積ユニット3の制御部34は、搬送振分機構(図示せず)を制御し、計数ユニット2の搬出側搬送路223dから受け入れた紙葉類100を、分岐搬送路312側には搬送せず、共通搬送路311に沿って集積ユニット4の共通搬送路411に搬送して受け渡す。
【0110】
ステップS202において、制御部34は、共通搬送路311に沿って搬送される紙葉類100を光学センサ36で検知したか否かを判断する。
【0111】
制御部34は、共通搬送路311に沿って搬送される紙葉類100を光学センサ36で検知したと判断した場合(ステップS202:YES)、ステップS203において、光学センサ36で紙葉類100を検知したことに基づいて生成される検知信号を計数ユニット2の制御部25に対して送信して処理を終了する。
【0112】
一方、制御部34は、共通搬送路311に沿って搬送される紙葉類100を光学センサ36で検知していないと判断した場合(ステップS202:NO)、ステップS204の処理を行う。
【0113】
ステップS204において、制御部34は、光学センサ36により紙葉類100を検知しない時間Txが所定時間Tnを越えた(Tx>Tn)か否かを判断する。実施の形態の一例では、所定時間Tnは「3秒」に設定されており、制御部34は、光学センサ36により紙葉類100を検知しない時間Txが「3秒」を越えたと判断した場合(ステップS204:YES)、集積ユニット3内における紙葉類100の搬送エラー(例えば、ジャム)などが発生したと判断して処理を終了する。
【0114】
一方、制御部34は、光学センサ36により紙葉類100を検知しない時間Txが「3秒」以下であると判断した場合(ステップS204:NO)、ステップS202に戻って光学センサ36により紙葉類100を検知したか否かの判断を、光学センサ36により紙葉類100を検知しない時間Txが所定時間「3秒」を越えるまで継続して行う。
【0115】
<集積ユニットにおける接続順序記憶処理>
次に、集積ユニット3の制御部34で行われる接続順序記憶処理を説明する。この接続順序記憶処理は、前述した接続順序設定モードで行われる。
【0116】
図14は、集積ユニット3の制御部34で行われる接続順序記憶処理を示すフローチャートである。
【0117】
図14に示すように、ステップS301において、集積ユニット3の制御部34は、計数ユニット2の制御部25から順序カウンタ「n」の値を受信したか否かを判断する(
図12のステップS105)。制御部34は、順序カウンタ「n」の値を受信したと判断した場合(ステップS301:YES)、ステップS302の処理に進む。一方、制御部34は、順序カウンタ「n」の値を受信していないと判断した場合(ステップS301:NO)、制御部25から順序カウンタ「n」の値を受信するまで待つ。なお、実施の形態では、制御部34が最初に受信する順序カウンタ「n」の値は「1」である。
【0118】
ステップS302において、制御部34は、計数ユニット2の制御部25から受信した順序カウンタ「n(=1)」の値を記憶部35に記憶して処理を終了する。
【0119】
ここで、集積ユニット3の制御部34は、所定の送信要求に応じて、記憶部35に記憶された順序カウンタ「n(=1)」の値を、計数ユニット2の制御部25に対して送信する。
【0120】
<集積ユニットにおける接続順序送信処理>
次に、集積ユニット3の制御部34で行われる接続順序送信処理を説明する。この接続順序送信処理は、前述した接続順序設定モードで行われる。
【0121】
図15は、集積ユニット3の制御部34で行われる接続順序送信処理を示すフローチャートである。
【0122】
ステップS401において、集積ユニット3の制御部34は、計数ユニット2の制御部25から接続順序の送信要求があるか否かを判断する。
【0123】
制御部34は、計数ユニット2の制御部25から接続順序の送信要求があると判断した場合(ステップS401:YES)、ステップS402において、記憶部35に記憶した順序カウンタ「n(=1)」の値を計数ユニット2の制御部25に対して送信する。
【0124】
一方、制御部34は、計数ユニット2の制御部25から接続順序の送信要求がないと判断した場合(ステップS401:NO)、送信要求があるまで待つ(ステップS401の処理を繰り返す)。
【0125】
前述した接続順序の送信要求の一例としては、媒体処理装置1の主電源が切断された場合が挙げられる。媒体処理装置1の主電源の切断により制御部25のRAMなどに記憶された増設ユニットの接続順序の記憶内容が消去された場合でも、計数ユニット2の制御部25は、各々の増設ユニットに記憶された接続順序を取得することができる。よって、媒体処理装置1では、接続順序設定モードに設定して、再度、紙葉類100を搬送して集積ユニット3〜6の接続順序を設定する作業を行うことなく、集積ユニット3〜6の接続順序を再設定することが出来る。
【0126】
ここで、計数ユニット2の制御部25は、接続順序の送信要求を行い、各々の増設ユニット(実施の形態では、集積ユニット3〜6)から前回の接続順序設定処理で受信した一連の順序カウンタ「nx」の値と、今回の接続順序設定処理で受信した一連の順序カウンタ「nt」の値とに基づいて、増設ユニットの接続順序の変更、増設ユニットの種類の変更、増設ユニットの増減などの連続性をチェックすることが出来る。
【0127】
<連続性チェック処理>
次に、計数ユニット2の制御部25による増設ユニットの連続性チェックの処理を説明する。
【0128】
図16は、計数ユニット2の制御部25で行われる増設ユニットの連続性チェックの処理を示すフローチャートである。
【0129】
ステップS501において、計数ユニット2の制御部25は、当該制御部25のROMなどの記憶装置(図示せず)に記憶した各集積ユニット3〜6(増設ユニット)から受信した前回の接続順序設定処理で取得した各集積ユニット3〜6の一連の順序カウンタ「nx」の値を呼び出す。
【0130】
ステップS502において、計数ユニット2の制御部25は、今回の接続順序設定処理で取得した各集積ユニット3〜6の一連の順序カウンタ「nt」の値を呼び出す。
【0131】
ステップS503において、制御部25は、前回取得した一連の順序カウンタ「nx」の値と、各集積ユニット(増設ユニット)から今回受信した一連の順序カウンタ「nt」の値とを比較し、今回受信した一連の順序カウンタ「nt」の値と、前回受信した一連の順序カウンタ「nx」の値とが全て一致している場合(nt=nx)にはステップS504の処理に進み、少なくとも一部が異なる場合(nt>nx又はnt<nx)、ステップS505の処理に進む。
【0132】
ステップS504において、制御部25は、前回取得した一連の順序カウンタ「nx」の値と、今回取得した一連の順序カウンタ「nt」とが完全に一致していると判断した場合(ステップS504:YES)、制御部25は、計数ユニット2に接続された集積ユニット3〜6(増設ユニット)の接続状態(接続順序や増減、ユニットの種類)に変化がないと判断する。
【0133】
一方、制御部25は、前回取得した一連の順序カウンタ「nx」の値と、今回取得した一連の順序カウンタ「nt」とが、少なくとも一部が異なると判断した場合(ステップS504:NO)、ステップS505において、制御部25は、計数ユニット2に接続された集積ユニット3〜6(増設ユニット)の接続状態(接続順序や増減、ユニットの種類)が変化したと判断する。
【0134】
そして、ステップS506において、制御部25は、紙葉類100を再度搬送して各集積ユニットの接続順序の再設定が必要であることを操作表示部24(
図1)に表示することで設置作業者に接続順序の再設定を要求して処理を終了する。
【0135】
なお、前述した実施の形態では、計数ユニット2の制御部25は、接続順序設定モード中に、集積ユニット3〜6の光学センサ36、46、56、66の何れからも紙葉類100を検知したことを示す検知信号が入力されない状態で所定時間Tnが経過した場合、接続順序設定モードを終了し、この接続順序設定モード中に最後に受信した光学センサ36、46、56、66からの検知信号を出力した集積ユニット3〜6を、計数ユニット2から最も遠い最後の集積ユニット3〜6と判断する場合を例示した。しかしながら、計数ユニット2に接続された集積ユニット3〜6のうち最後に接続された集積ユニット3〜6の検出方法は、これに限定されるものではない。
【0136】
例えば、媒体処理装置1の設置作業を行う設置作業者(図示せず)が、計数ユニット2の操作表示部24から計数ユニット2に接続する集積ユニット(増設ユニット)の数を予め入力してもよい。このようにすると、制御部25では、予め入力された集積ユニットの数と、順序カウンタ「n」の値とを比較し、インクリメントされた後の順序カウンタ「n」の値が入力された数と一致した場合に、当該順序カウンタ「n」を送信した集積ユニット3〜6を計数ユニット2に最後に接続された集積ユニットであると判断することが出来る。
【0137】
また、媒体処理装置1では、計数ユニット2に順次接続された複数の集積ユニット3〜6(実施の形態では、集積ユニット6)の下流側の最後に終端収容カバー7を取り付けることで計数ユニット2に接続された最後の集積ユニットを検出するようにしてもよい。具体的には、終端収容カバー7が取り付けられたことを集積ユニット3〜6側で検出し、この終端収容カバー7が取り付けられたことを示す信号を計数ユニット2の制御部25に送信する。このようにすると、制御部25は、この終端収容カバー7が取り付けられたことを示す信号を送信した集積ユニット3〜6が計数ユニット2の最後に接続されたユニットであると判断することができる。この場合、集積ユニット3〜6の各々に専用の検知センサを設けても良いが、集積ユニット3〜6の共通搬送路311、411、511、611に設けられた光学センサの光軸を横切るように終端収容カバー7を設けることで、光学センサにより終端収容カバー7を検知することができる。これにより、従来の構成をそのまま使用でき、製品コストを抑えることができる。
【0138】
以上で説明した通り、実施の形態では、
(1)計数ユニット2(第1のユニット)と、当該計数ユニット2に接続される複数の集積ユニット3〜6(第2のユニット)とを有する媒体処理装置1であって、複数の集積ユニット3〜6は、紙葉類100(媒体)を搬送する共通搬送路311、411、511、611(搬送機構)と、共通搬送路311、411、511、611により搬送される紙葉類100を検知する光学センサ36、46、56、66(媒体検知部)とをそれぞれ有し、計数ユニット2に対する複数の集積ユニット3〜6の接続順序を、複数の集積ユニット3〜6の光学センサ36、46、56、66が紙葉類100を検知したことを示す信号に基づいて決定する構成とした。
【0139】
このように構成すると、媒体処理装置1は、計数ユニット2に対する複数の集積ユニット3〜6の接続順序を、集積ユニット3〜6の各々から受信した紙葉類100の検知信号に基づいて決定するので、計数ユニット2に対する複数の集積ユニット3〜6の接続順序の設定を正確かつ容易に自動的に行うことができる。また、物理的な設定手段(スイッチ等)を設ける必要が無く、製品コストの低減を行うことができる。
【0140】
(2)計数ユニット2は、複数の集積ユニット3〜6の光学センサ36、46、56、66の各々から送信された紙葉類100を検知したことを示す検知信号を受信した順序に基づいて、当該計数ユニット2に対する複数の集積ユニット3〜6の接続順序を決定する構成とした。
【0141】
このように構成すると、計数ユニット2は、複数の集積ユニット3〜6の各々から受信した紙葉類100の検知信号の順序に基づいて集積ユニット3〜6の接続順序を決定するので、計数ユニット2に対する複数の集積ユニット3〜6の接続順序の設定を正確かつ容易に行うことができる。また、物理的な設定手段(スイッチ等)を設ける必要がなく、製品コストの低減を行うことができる。
【0142】
(3)計数ユニット2は、媒体処理装置1の制御系統において複数の集積ユニット3〜6よりも上位に位置する構成とした。
【0143】
媒体処理装置1の制御系統において、上位の計数ユニット2は下位の集積ユニット3〜6の制御を行うために、各々の集積ユニット3〜6の接続順序を認識している必要がある。このように構成すると、計数ユニット2は、各々の集積ユニット3〜6の接続順序を自動的に認識することができる結果、集積ユニット3〜6の制御を適切に行うことができる。
【0144】
(4)複数の集積ユニット3〜6は、各々共通の機能(実施の形態では、共通搬送路311、411、511、611、光学センサ36、46、56、66、搬送振分機構)を有する構成とした。
【0145】
この種の媒体処理装置1では、汎用性および生産性の観点から複数の集積ユニット3〜6の各々は共通の機能を有することが望ましい。共通の機能の一例として、複数の集積ユニット3〜6の各々は、紙葉類100を搬送する共通搬送路311、411、511、611、光学センサ36、46、56、66、紙葉類100を目的とする集積ユニット3〜6内に振り分けるための搬送振分機構(図示せず)などを有している。
【0146】
媒体処理装置1を現場に設置する場合、媒体処理装置1の輸送上の利点から、計数ユニット2と各集積ユニット3〜6とを別々にばらして輸送し、設置場所で計数ユニット2と集積ユニット3〜6とを配線接続するのが好ましい。前述した媒体処理装置1は、計数ユニット2に対する複数の集積ユニット3〜6の接続順序を、集積ユニット3〜6の各々から受信した紙葉類100を検知したことを示す検知信号に基づいて自動で決定および設定できるので、設置時における計数ユニット2に対する集積ユニット3〜6の接続順序を正確かつ容易に設定することができる。
(5)複数の増設ユニットのうち、少なくとも一の増設ユニット(例えば。施封ユニット)は他の増設ユニット(例えば、集積ユニット)と異なる機能(例えば、紙葉類の束に帯を巻くを施封機能)を有する構成とした。
【0147】
このように構成すると、媒体処理装置1では、計数ユニット2と、この計数ユニット2に接続される異なる機能を有する複数の増設ユニットとを任意の順番で容易に接続できる。よって、媒体処理装置1では、計数ユニット2と、異なる機能を有する複数の増設ユニットとを任意の順番で適切に接続することができ、媒体処理装置1におけるユニット接続の柔軟性を高めることができる。
【0148】
(6)計数ユニット2は、紙葉類100を受け付ける受入部21(受付部)と、この受入部21で受け付けた紙葉類100を複数の集積ユニット3〜6側に搬送可能な計数ユニット内搬送機構223(搬送部)と、を有する計数ユニットであり、複数の集積ユニット3〜6は、紙葉類100を水平方向(第1の方向)に搬送する共通搬送路311、411、511、611(第1搬送路)と、紙葉類100を水平方向と異なる垂直方向(第2の方向)に搬送する分岐搬送路312、412、512、612(第2搬送路)と、共通搬送路または分岐搬送路で搬送される紙葉類100を検知する光学センサ36、46、56、66(検知装置)と、を有する増設ユニットであり、集積ユニット3〜6は、共通搬送路および分岐搬送路の少なくとも何れかを連通させた状態で複数連結されており、計数ユニット2は、連結された集積ユニット3〜6の共通搬送路および分岐搬送路の少なくとも何れかにより搬送される紙葉類100を、集積ユニット3〜6の各々の光学センサ36、46、56、66が検出したことを示す信号を受信した順序に基づいて集積ユニット3〜6の接続順序を決定する構成とした。
【0149】
このように構成すると、媒体処理装置1では、計数ユニット2に複数の集積ユニット3〜6を接続することで、計数ユニット2で識別および計数された紙葉類100の集積ユニット3〜6への振り分けの柔軟性を向上させることができる。例えば、集積ユニット3〜6を、紙葉類100を集積する集積部32、42、52、62を複数有するものとしたり、集積ユニット3〜6にかえて、集積した紙葉類100の束を施封する施封ユニットとしたりすることで、複数金種の集積や施封対応なども可能となる。一方、計数ユニット2に接続される増設ユニットの数が多くなると計数ユニット2に対する増設ユニットの配線接続が煩雑となる。前述したように、媒体処理装置1は、計数ユニット2に対する複数の増設ユニット3接続順序を、各々の増設ユニットに設けられた光学センサから受信した紙葉類100を検知したことを示す信号に基づいて決定するので、計数ユニット2に対する増設ユニットの接続順序の設定を正確かつ容易に自動的に行うことができる。また、物理的な設定手段(スイッチ等)を設ける必要が無く、製品コストの低減を行うことができる。
【0150】
(7)計数ユニット2は、決定した集積ユニット3〜6の接続順序を、当該接続順序に対応する集積ユニット3〜6に通知する構成とした。
【0151】
このように構成すると、計数ユニット2は、各々の集積ユニット3〜6に、集積ユニット3〜6自身の接続順序を通知することができる結果、集積ユニット3〜6は、複数の集積ユニット3〜6の中での自身の接続順序を認識することができる。
【0152】
(8)複数の集積ユニット3〜6は、計数ユニット2から通知された接続順序を記憶する記憶部35、45、55、65を有する構成とした。
【0153】
このように構成すると、複数の集積ユニット3〜6の各々は、自身の接続順序を記憶部35、45、55、65に記憶することができる。この結果、媒体処理装置1では、電源投入後、紙葉類100を再度搬送して接続順序を設定する必要なく、計数ユニット2は集積ユニット3〜6の記憶部35、45、55、65から接続順序を取得することができる。
【0154】
(9)複数の集積ユニット3〜6は、記憶部35、45、55、65に記憶された自身の接続順序を計数ユニット2に送信する構成とした。
【0155】
このように構成すると、複数の集積ユニット3〜6の各々は、自身の接続順序を計数ユニット2に送信するので、計数ユニット2は、電源投入後、再度の紙葉類100の搬送を行う必要なく、計数ユニット2に対する複数の集積ユニット3の接続順序を認識することができる。
【0156】
(10)計数ユニット2は、第1タイミング(
図16のステップS501の前回周期)において複数の集積ユニット3〜6から前回周期での接続順序(第1接続順序)を受信すると共に、第1タイミングよりも時系列的に後の第2タイミング(
図16のステップS502の今回周期)において複数の集積ユニット3〜6から今回周期での接続順序(第2接続順序)を受信し、第1タイミングで受信した前回周期での接続順序と第2タイミングで受信した今回周期での接続順序とを比較し、前回周期での接続順序と今回周期での接続順序との間に連続性があるか否かを判断する(
図16のステップS503)構成とした。
【0157】
このように構成すると、計数ユニット2は、前回周期と今回周期とで複数の集積ユニット3〜6から受信した接続順序の重複、抜けが存在すると判断した場合、前回周期と今回周期との間に複数の集積ユニット3〜6の組み換えの可能性を認識することができ、順序記憶のリセットを促すことができる。つまり、計数ユニット2は、複数の集積ユニット3〜6から受信した前回周期と今回周期とで接続順序の連続性の有無を判断することで、連続性がないと判断した場合には、再度、紙葉類100を搬送して最新の状態での接続順序を決定することができる。
【0158】
(12)媒体処理装置1に関する情報を表示する操作表示部24(表示装置)をさらに備え、操作表示部24は、第1表示領域2411と、当該第1表示領域2411と近接または接して設けられる第2表示領域2412と、を有し、少なくとも第1表示領域2411および第2表示領域2412の何れか一方には、計数ユニット2と集積ユニット3〜6との決定された接続順序が表示される構成とした。
【0159】
このように構成すると、制御部25により決定された計数ユニット2と集積ユニット3〜6との接続順序が操作表示部24の第1表示領域2411及び第2表示領域2412の少なくとも何れか一方に表示されるので、ユニットの接続状態の把握を容易に行うことができる。
【0160】
(13)第1表示領域2411は、操作表示部24の表示領域に対して上下方向に延在して設けられると共に、第2表示領域2412は、操作表示部24の表示領域に対して左右方向に延在して設けられており、計数ユニット2と集積ユニット3〜6との接続状態が第2表示領域2412に表示される構成とした。
【0161】
このように構成すると、計数ユニット2と集積ユニット3〜6との接続状態が、表示領域の左右方向に延在する第2表示領域2412に表示されるので、各ユニットの接続状態が一目で分かり視認性が高められる。
【0162】
(14)第2表示領域2412は、第1表示領域2411の上下方向に延在する何れか一方の端部から左右方向の何れか一方向に延在して設けられている構成とした。
【0163】
このように構成すると、正面視において、第1表示領域2411と第2表示領域2412とは概ねL字形状に配置される。その結果、媒体処理装置1を制御するための機能選択ボタン2411a〜2411c(操作部)は操作表示部24の上下方向に配置され、ユニットの接続状態は操作表示部24の左右方向に配置されるので、目視で把握しやすく視認性をより高めることができる。
【0165】
なお、前述した実施の形態では、計数ユニット2と集積ユニット3〜6(増設ユニット)とをパラレル接続した場合を例示して説明したが、計数ユニット2と集積ユニット3〜6(増設ユニット)とをシリアル接続してもよい。
【0166】
以下、計数ユニット2と集積ユニット3〜6とをシリアル接続した場合の媒体処理装置1Aを説明する。第2の実施の形態にかかる媒体処理装置1Aにおいて、前述した第1の実施の形態にかかる媒体処理装置1と同様の構成及び機能については同一の符号を付し、必要に応じて説明する。
【0167】
図17は、第2の実施の形態に係る媒体処理装置1Aにおける計数ユニット2Aと集積ユニット3A〜6Aとの接続状態を説明する概略構成図である。
図18は、第2の実施の形態に係る計数ユニット2Aの制御部25に送信される情報の一例を説明する図である。
図19は、第2の実施の形態に係る媒体処理装置1Aの計数ユニット2Aと集積ユニット3A〜6Aとをシリアル接続した場合において、各集積ユニット3A〜6Aで生成された受信信号の計数ユニット2Aでの受信状況の一例を説明する図である。
【0168】
図17に示すように、媒体処理装置1Aでは、各々の集積ユニット3A〜6Aに設けられたシリアル接続端子30b、40b、50b、60bと、計数ユニット2Aのシリアル接続コネクタPTと、が共通のシリアルケーブル80で接続されている。よって、各々の集積ユニット3A〜6Aと計数ユニット2Aとはシリアル接続されており、この共通のシリアルケーブル80を介して情報の送受信が可能となっている。
【0169】
各々の集積ユニット3A〜6Aに設けられた光学センサ36、46、56、66は、紙葉類100を検知した際に生成する検知信号を共通のシリアルケーブル80を介して計数ユニット2Aの制御部25に送信する。
【0170】
また、各々の集積ユニット3A〜6Aに設けられた制御部34、44、54、64は、これらの制御部が設けられた集積ユニット3A〜6Aを識別するための固有のユニット識別情報と、ユニットの種類を判別するためのユニット種別情報(
図18参照)とを有している。制御部34、44、54、64は、光学センサ36、46、56、66で生成された検知信号と共にユニット識別情報及びユニット種別情報を共通のシリアルケーブル80を介して計数ユニット2Aの制御部25に送信する。
【0171】
前述したユニットを識別するためのユニット識別情報の一例としては、各々の集積ユニットに搭載されたCPUの固有ID、各々の集積ユニットに搭載された通信装置の固有IDなどの情報が挙げられる。また、ユニットの種類を判別するためのユニット種別に関する情報の一例としては、集積部の数の違いによる集積ユニットの種類、集積や施封などの機能の違いによるユニットの種類などに関する情報である。なお、固有IDの送信方法は、例えば、送信する一連の情報(複数バイト)のうち最初(又は最後)の数バイトを、固有IDを示す情報としてもよく、又は紙葉類の検知信号に関連付けた固有ID情報を別に送信しても良い。
【0172】
実施の形態では、
図18に示すように、集積ユニット3Aには、ユニット識別情報「003」、ユニット種別「集積ユニット(4集積部)」、集積ユニット4Aには、ユニット識別情報「001」、ユニット種別「集積ユニット(3集積部)」、集積ユニット5Aには、ユニット識別情報「002」、ユニット種別「集積ユニット(2集積部)」、集積ユニット6Aには、ユニット識別情報「004」、ユニット種別「集積ユニット(1集積部)」が予め設定されている。
【0173】
よって、
図19に示すように、紙葉類処理装置1Aでは、接続順序設定モードにおいて、紙葉類100は各々の集積ユニット3A〜6Aの共通搬送路311、411、511、611に沿って順番に搬送される。
【0174】
最初に、紙葉類100は集積ユニット3Aの共通搬送路311に沿って搬送される。そうすると、集積ユニット3Aの光学センサ36で生成された検知信号と、制御部34からのユニット識別情報「003」及びユニット種別「集積ユニット(4集積部)」に関する情報と、が計数ユニット2Aの制御部25に送信される。
【0175】
次に、紙葉類100は集積ユニット4Aの共通搬送路411に沿って搬送される。そうすると、集積ユニット4Aの光学センサ46で生成された検知信号と、制御部44からのユニット識別情報「001」及びユニット種別「集積ユニット(3集積部)」に関する情報と、が計数ユニット2Aの制御部25に送信される。
【0176】
そして、紙葉類100は集積ユニット5Aの共通搬送路511に沿って搬送される。そうすると、集積ユニット5Aの光学センサ56で生成された検知信号と、制御部54からのユニット識別情報「002」及びユニット種別「集積ユニット(2集積部)」に関する情報とが計数ユニット2Aの制御部25に送信される。
【0177】
最後に、紙葉類100は集積ユニット6Aの共通搬送路611に沿って搬送される。そうすると、集積ユニット6Aの光学センサ66で生成された検知信号と、制御部64からのユニット識別情報「004」及びユニット種別「集積ユニット(1集積部)」に関する情報とが計数ユニット2Aの制御部25に送信される。
【0178】
そして、紙葉類100が計数ユニット2Aの最後に接続された終端収容カバー7に搬送されて接続順序の設定を終了する。
【0179】
計数ユニット2Aの制御部25は、各々の集積ユニット3A〜6Aの制御部34、44、54、64から送信されたユニット識別情報とユニット種別情報とに基づいて、当該集積ユニットがどの集積ユニットであるかを判断し、この種別等が判断された集積ユニットの接続順序を記憶部35、45、55、65に記憶する。なお、制御部25は、光学センサ36、46、56、66から送信された検知信号を受信した順序で集積ユニット3A〜6Aの接続順序を設定する。
【0180】
なお、前述した実施の形態では、計数ユニット2(2A)に複数種類の集積ユニット3〜6(3A〜6A)を順番に接続する場合を例示して説明したが、計数ユニット2(2A)に接続されるユニットは集積ユニットに限定されるものではない。例えば、計数ユニット2(2A)に、所定枚数の媒体を帯で束ねる機能を有する施封ユニットを接続してもよく、集積ユニット又は他のユニットと施封ユニットなどを任意に組み合わせて接続してもよい。
【0181】
なお、前述した実施の形態では、接続順序を設定するために搬送する媒体を紙葉類100とした場合を例示して説明したが、紙葉類100に限定されるものではなく、例えば、硬貨であってもよい。
【0182】
また、本発明にかかるユニット接続方法は、媒体処理装置を構成するユニットの接続順序を設定する場合に限定されるものではなく、その他の様々な装置における装置本体に対するユニットの接続方法に適用することができる。
【0183】
以上で説明した通り、第2の実施の形態では、
【0184】
(11)計数ユニット2Aと複数の集積ユニット3A〜6Aとは共通のシリアルケーブル80を介してシリアル接続されており、複数の集積ユニット3A〜6Aは、記憶部35、45、55、65に記憶された集積ユニット3A〜6Aの接続順序を示す情報(光学センサ36、46,56,66の検知信号)に加えて自身の固有の識別情報を計数ユニット2Aに送信する構成とした。
【0185】
複数の集積ユニット3A〜6Aと計数ユニット2Aとがシリアル接続されている場合、計数ユニット2Aは、複数の集積ユニット3A〜6Aの何れから接続順序を示す情報を受信したのか認識することができない。そのため、計数ユニット2Aが複数の集積ユニット3A〜6Aを特定するための固有の識別情報が必要となる。そのため、複数の集積ユニット3A〜6Aが自身の接続順序を示す情報(光学センサ36、46、56、66の検知信号)に加えて自身の固有の識別情報を計数ユニット2Aに送信することで、計数ユニット2Aは、複数の集積ユニット3A〜6A固有の識別情報と接続順序を示す情報を関連付けて、複数の集積ユニット3A〜6Aを特定して接続順序を認識することができる。また、計数ユニット2Aと複数の集積ユニット3A〜6Aとをシリアル接続できるので、システム構成上、計数ユニット2Aの接続ポートの数に影響されずに複数の集積ユニット3A〜6Aやその他の増設ユニットを無制限に増設することができる。
【0186】
(15)計数ユニット2Aと、この計数ユニット2Aに接続される複数の集積ユニット3A〜6Aとを有し、計数ユニット2Aに対する複数の集積ユニット3A〜6Aの接続順序を決定する媒体処理装置1Aのユニット接続方法であって、複数の集積ユニット3A〜6Aの各々に紙葉類100を搬送し、紙葉類100の搬送に応じて複数の集積ユニット3A〜6Aの各々から出力される信号を受信し、複数の集積ユニット3A〜6Aの各々から出力された信号の順番に基づいて計数ユニット2Aに対する複数の集積ユニット3A〜6Aの接続順序を決定する構成とした。
【0187】
このように構成すると、媒体処理装置1Aは、計数ユニット2Aに対する複数の集積ユニット3A〜6Aの接続順序を、集積ユニット3A〜6Aの各々から受信した紙葉類100の検知信号に基づいて決定するので、計数ユニット2Aに対する複数の集積ユニット3A〜6Aの接続順序の設定を正確かつ容易に自動的に行うことができる。また、物理的な設定手段(スイッチ等)を設ける必要が無く、製品コストの低減を行うことができる。
【0188】
なお、前述した実施の形態では、操作表示部24の表示画面241の第2表示領域2412に計数ユニット2と集積ユニット3、終端収容カバー7等との装置接続状態
図2412aを表示する場合を例示して説明したが、制御部25は、装置接続状態
図2412aを第1表示領域2411、又は第1表示領域2411と第2表示領域2412の両方に表示するようにしてもよい。
【0189】
このように構成すると、計数ユニット2に対して集積ユニット3等を縦方向に接続する装置構成の場合や、計数ユニット2に対して集積ユニット3等を横方向や縦方向に接続する装置構成の場合でも装置接続状態図を第1表示領域2411及び第2表示領域2412の少なくとも何れか一方に適切に表示することができる。
【0190】
なお、前述した実施の形態では、第1表示領域2411と第2表示領域2412とが直交する場合を例示して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1表示領域2411と第2表示領域2412とが接する構成としてもよく、また第1表示領域2411と第2表示領域2412との間が空いており、各々の表示領域が隣接する構成としてもよい。
【0191】
このように構成しても、第1表示領域2411と第2表示領域2412とが、それぞれ表示画面241の上下方向と左右方向に延在して配置されるので、第1表示領域2411に設けられる機能選択ボタン2411a〜2411cの操作性が向上すると共に、第2表示領域2412に表示される計数ユニットと集積ユニットとの装置接続状態
図2412aの視認性を向上させることができる。