【解決手段】ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む複合樹脂粒子に、前記ポリオレフィン系樹脂の結晶化温度から10〜60℃高い温度下で、難燃剤を含浸させて難燃性複合樹脂粒子を得る工程と、前記難燃性複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性複合樹脂粒子を得る工程と、前記発泡性複合樹脂粒子を発泡させて難燃性複合樹脂発泡粒子を得る工程とを含み、前記難燃性複合樹脂発泡粒子の表層及び中心部に対して、ATR法赤外分光分析により測定される赤外線吸収スペクトルから698cm
ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む複合樹脂粒子に、前記ポリオレフィン系樹脂の結晶化温度から10〜60℃高い温度下で、難燃剤を含浸させて難燃性複合樹脂粒子を得る工程と、
前記難燃性複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性複合樹脂粒子を得る工程と、
前記発泡性複合樹脂粒子を発泡させて難燃性複合樹脂発泡粒子を得る工程とを含み、
前記難燃性複合樹脂発泡粒子の表層及び中心部に対して、ATR法赤外分光分析により測定される赤外線吸収スペクトルから698cm−1の吸光度(D698)と難燃剤由来のピークの内最も高いピークでの吸光度(D難燃剤)とを取った際に、その表層のD難燃剤/D698と、中心部のD難燃剤/D698との比(表層の吸光度比/中心部の吸光度比)が、0.8〜1.4を示すように、前記難燃剤が前記難燃性複合樹脂発泡粒子に含まれることを特徴とする難燃性複合樹脂発泡粒子の製造方法。
前記ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とが、両樹脂の合計100質量部に対して、それぞれ5〜50質量部と95〜50質量部含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載の難燃性複合樹脂発泡粒子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(難燃性複合樹脂発泡粒子の製造方法)
難燃性複合樹脂発泡粒子は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む基材樹脂と、難燃剤とから少なくとも構成される。
難燃性複合樹脂発泡粒子は、以下の工程を経ることで製造できる。
(1)ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む複合樹脂粒子に、ポリオレフィン系樹脂の結晶化温度から10〜60℃高い温度下で、難燃剤を含浸して難燃性複合樹脂粒子を得る工程(難燃剤含浸工程)
(2)難燃性複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性複合樹脂粒子を得る工程(発泡剤含浸工程)
(3)発泡性複合樹脂粒子を発泡させて難燃性複合樹脂発泡粒子を得る工程(発泡工程)
【0011】
(A)難燃剤含浸工程
(i)ポリオレフィン系樹脂
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂が使用できる。また、ポリオレフィン系樹脂は、架橋していてもよい。例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、これら重合体の架橋体等のポリエチレン系樹脂が挙げられる。なお、前記ポリオレフィン系樹脂は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記例示中、低密度は、0.91〜0.94g/cm
3であることが好ましく、0.91〜0.93g/cm
3であることがより好ましい。高密度は、0.95〜0.97g/cm
3であることが好ましく、0.95〜0.96g/cm
3であることがより好ましい。中密度はこれら低密度と高密度の中間の密度である。
ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0012】
ポリオレフィン系樹脂は、70〜120℃の結晶化温度を有していることが好ましい。結晶化温度が70℃未満の場合、耐熱性の低下を招くことがある。結晶化温度が120℃より高い場合、発泡が不均一になり、均一な発泡粒子が得られ難いことがある。結晶化温度は、80〜110℃であることがより好ましく、85〜100℃であることが更に好ましい。結晶化温度は、例えば、DSC法により得られる。
【0013】
(ii)ポリスチレン系樹脂
ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、置換スチレンの重合体(置換基には、低級アルキル、ハロゲン原子(特に塩素原子)等が含まれる)、スチレンを主成分とし、スチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。主成分とはスチレンが全単量体の70質量%以上を占めることを意味する。置換スチレンとしては、例えば、クロルスチレン類、p−メチルスチレン等のビニルトルエン類、α−メチルスチレン等が挙げられる。他の単量体としては、置換スチレンに加えて、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、マレイン酸モノ又はジアルキル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジメタクリレート、無水マレイン酸、N−フェニルマレイド等が例示される。例示中、アルキルとは、炭素数1〜8のアルキルを意味する。
【0014】
(iii)ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との含有割合
基材樹脂は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを、両樹脂の合計100質量部に対して、それぞれ5〜50質量部と95〜50質量部含むことが好ましい。ポリスチレン系樹脂の含有量が95質量部より多いと、発泡成形体の耐割れ性が低下することがある。一方、ポリスチレン系樹脂の含有量が50質量部より少ないと、耐割れ性は大幅に向上するが、剛性が低下することがある。ポリスチレン系樹脂の含有量は、85〜50質量部が好ましい。
【0015】
(iv)その他樹脂
基材樹脂には、ポリオレフィン系樹脂及びポリスチレン系樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等のアクリル系単量体由来のアクリル系樹脂が挙げられる。基材樹脂に占める他の樹脂の割合は、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下を取り得る。また、基材樹脂は、他の樹脂を含んでいなくてもよい。
【0016】
(v)難燃剤
難燃剤としては、特に限定されず、公知の難燃剤をいずれも使用できる。トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートのようなイソシアヌレート系難燃剤、ビス[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、2,2−ビス(4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等が挙げられる。
上記難燃剤の内、イソシアヌレート系難燃剤が好ましい。
難燃性複合樹脂粒子に含まれる難燃剤の量は、基材樹脂100質量部に対して、0.5〜5.0質量部であることが好ましく、1.0〜4.0質量部であることがより好ましい。
【0017】
難燃剤は、難燃性複合樹脂発泡粒子の表層及び中心部が以下の吸光度の関係を示すように、難燃性複合樹脂粒子に含まれる。
まず、ATR法赤外分光分析により測定される赤外線吸収スペクトルから、表層及び中心部について、698cm
−1の吸光度(D
698)と難燃剤由来のピークの内最も高いピークでの吸光度(D
難燃剤)を取る。取得した吸光度から、表層及び中心部について、吸光度比D
難燃剤/D
698を算出する。算出された吸光度比において、表層の比を表層吸光度比(D
難燃剤/D
698)と称し、中心部の比を中心部吸光度比(D
難燃剤/D
698)と称する。
難燃剤は、難燃性複合樹脂発泡粒子に、表層吸光度比/中心部吸光度比が、0.8〜1.4を示すように含まれている。表層吸光度比/中心部吸光度比が1.4より大きい場合、難燃性の低下を招くことがある。表層吸光度比/中心部吸光度比は、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることが更に好ましい。また、表層吸光度比/中心部吸光度比が0.8より小さい場合、難燃性の低下を招くことがある。表層吸光度比/中心部吸光度比は、0.9以上であることがより好ましく、1.0以上であることが更に好ましい。
【0018】
なお、上記吸光度D
698は、ポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面外変角振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。D
難燃剤は、例えば、難燃剤がトリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートのようなイソシアヌレート系難燃剤の場合、最も高いピークである1701cm
−1での吸光度D
1701に対応し、イソシアヌレート系難燃剤に含まれる−N−C(=O)−N−のC=Oの伸縮振動に由来する。
【0019】
難燃性複合樹脂発泡粒子の中心部において、吸光度(D
698)と吸光度(D
難燃剤)との吸光度比(D
難燃剤/D
698)は0.020〜0.033を示すことが好ましい。吸光度比が0.020未満の場合、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比が0.033より大きい場合も、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比は、0.022〜0.032であることがより好ましく、0.024〜0.031であることが更に好ましい。
【0020】
難燃性複合樹脂発泡粒子の表層において、吸光度(D
698)と吸光度(D
難燃剤)との吸光度比(D
難燃剤/D
698)は0.020〜0.033を示すことが好ましい。吸光度比が0.020未満の場合、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比が0.033より大きい場合も、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比は、0.022〜0.032であることがより好ましく、0.024〜0.031であることが更に好ましい。
【0021】
(vi)他の添加剤
難燃性複合樹脂粒子は、カーボンを更に含むことが好ましい。カーボンは難燃剤による難燃性の発現に影響を与えることが多いが、本発明では、そのような影響を抑制できる。カーボンは、ポリオレフィン系樹脂とカーボンの合計100質量部に対して、0.5〜5.0質量部含まれることが好ましく、1.0〜3.0質量部含まれることがより好ましい。
【0022】
難燃性複合樹脂粒子は、難燃助剤を含んでいてもよい。難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
また、難燃性複合樹脂粒子は、顔料、可塑剤、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、展着剤、気泡調整剤、被覆剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、消泡剤、熱安定剤、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
【0023】
顔料としては、グラファイト、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー等の有機顔料、金属粉、パール等の特殊顔料が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、ジアセチル化グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペートのようなアジピン酸エステル等が挙げられる。
滑剤としては、パラフィンワックス等が挙げられる。
結合防止剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルシリコン等が挙げられる。
融着促進剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル等が挙げられる。
気泡調整剤としては、メタクリル酸エステル系共重合体、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリエチレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0024】
(vii)難燃剤含浸条件
難燃剤は、ポリオレフィン系樹脂の結晶化温度から10〜60℃高い温度(含浸温度)下で、複合樹脂粒子と難燃剤とを接触させることにより、複合樹脂粒子に含浸される。含浸温度がこの範囲から外れる場合、十分な難燃性の発泡成形体を製造するための難燃性複合樹脂発泡粒子を得難いことがある。含浸温度は、結晶化温度から15〜55℃高い温度であることが好ましく、結晶化温度から20〜50℃高い温度であることがより好ましい。
難燃剤の含浸は、通常、媒体(例えば、水)の存在下で行われる。媒体には難燃剤の分散性を向上させるために、界面活性剤を添加しておいてもよい。界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。更に、分散剤を添加してもよい。分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤が挙げられる。
含浸時間は、難燃剤が含浸されるのに必要な時間であり、例えば、1〜4時間である。
【0025】
(viii)難燃性複合樹脂粒子の形状
難燃性複合樹脂粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、球状であるのが好ましい。
【0026】
(B)発泡剤含浸工程
この工程では、難燃性複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させることで、発泡性複合樹脂粒子が得られる。
発泡剤としては、特に限定されず、公知のものをいずれも使用できる。特に、沸点がスチレン系樹脂の軟化点以下であり、常圧でガス状又は液状の化合物が適している。例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等のハロゲン含有炭化水素、炭酸ガス、窒素、アンモニア等の無機ガス等が挙げられ、炭化水素の内、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等が更に好ましい。
【0027】
発泡剤の含浸は、水性媒体中で含浸させる方法(湿式含浸法)又は媒体非存在下で含浸させる方法(乾式含浸法)により行うことができる。
発泡剤の使用量は、難燃性複合樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは5〜18質量部、より好ましくは5〜13質量部である。
非ハロゲン系難燃剤は、発泡剤の含浸時、及びその展着時に、そのまま使用してもよく、適当な溶剤に分散や溶解させて使用してもよい。
【0028】
(C)発泡工程
この工程では、発泡性複合樹脂粒子を発泡させることで、難燃性複合樹脂発泡粒子が得られる。
発泡は、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)を用いて行うことができる。例えば、難燃性複合樹脂発泡粒子は、好ましくは0.05〜0.20MPa(ゲージ圧)、より好ましくは0.06〜0.15MPaの加熱水蒸気を使用して発泡性複合樹脂粒子を発泡させることにより得ることができる。
【0029】
難燃性複合樹脂発泡粒子の嵩倍数は、5〜70倍の範囲であることが好ましい。難燃性複合樹脂発泡粒子の嵩倍数が5倍より小さい場合、得られる発泡成形体の軽量性が低下することがある。一方、嵩倍数が70倍より大きい場合、得られる発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡成形体の断熱性能及び機械的強度が低下することがある。
なお、発泡前に、発泡性複合樹脂粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド、硬化牛脂アミド等の粉末状石鹸類を塗布しておくことが好ましい。塗布しておくことで、発泡性複合樹脂粒子の発泡工程において発泡粒子同士の結合を減少できる。
【0030】
(D)複合樹脂粒子の製造工程
複合樹脂粒子には、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを単純に混合した基材樹脂を含む樹脂粒子を使用できるが、以下で説明するポリオレフィン改質スチレン系樹脂粒子が好ましい。
ポリオレフィン改質スチレン系樹脂粒子(改質樹脂粒子ともいう)は、ポリオレフィン系樹脂粒子(種粒子)が分散保持された水性媒体中にスチレン系単量体を加えてオレフィン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させることで得られる。改質樹脂粒子の製造方法を以下で説明する。
【0031】
改質樹脂粒子製造用のポリオレフィン系樹脂粒子は、公知の方法で得ることができる。例えば、押出機を使用してポリオレフィン系樹脂を溶融押出した後、水中カット、ストランドカット等により造粒することで、ポリオレフィン系樹脂粒子を作製できる。ポリオレフィン系樹脂粒子は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状、グラニュラー状等の形状をとり得る。以下では、ポリオレフィン系樹脂粒子をマイクロペレットとも記す。
【0032】
ポリオレフィン系樹脂粒子には、ラジカル捕捉剤が含まれていてもよい。ラジカル捕捉剤は、予めポリオレフィン系樹脂に添加しておくか、もしくは溶融押出と同時に添加してもよい。ラジカル捕捉剤としては、重合禁止剤(重合抑制剤を含む)、連鎖移動剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカルを捕捉する作用を有する化合物で、水に溶解し難いものが好ましい。
【0033】
重合禁止剤としては、t−ブチルハイドロキノン、パラメトキシフェノール、2,4−ジニトロフェノール、t−ブチルカテコール、sec−プロピルカテコール、N−メチル−N−ニトロソアニリン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニルフォスファイト)、トリエチルフォスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ジフェニルモノデシルフォスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)フォスファイト、ジラウリルハイドロゲンフォスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラフォスファイト等のフェノール系重合禁止剤、ニトロソ系重合禁止剤、芳香族アミン系重合禁止剤、亜リン酸エステル系重合禁止剤、チオエーテル系重合禁止剤等が例示される。
【0034】
また、連鎖移動剤としては、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等が例示される。
【0035】
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイト、ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、フェニル−1−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が例示できる。
【0036】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート等が例示できる。
ラジカル捕捉剤の使用量としては、ポリオレフィン系樹脂粒子100質量部に対して0.005〜0.5質量部であることが好ましい。
【0037】
ポリオレフィン系樹脂粒子は、他に、タルク、珪酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素、エチレンビスステアリン酸アミド、メタクリル酸エステル系共重合体等の発泡核剤を含んでいてもよい。
【0038】
次に、マイクロペレットを重合容器内の水性媒体中に分散させ、スチレン系単量体をマイクロペレットに含浸させながら重合させる。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
【0039】
スチレン系単量体には、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチル、フタル酸ジオクチル、テトラクロルエチレン等の溶剤(可塑剤)を添加してもよい。
スチレン系単量体の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子とスチレン系単量体の合計100質量部に対して95〜50質量部である。使用量は、85〜50質量部が好ましい。この使用量は、発泡成形体を構成するポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の含有量に実質的に対応している。
スチレン系単量体の使用量が95質量部を超えると、ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸されずに、ポリスチレン系樹脂単独の粒子が発生することがある。加えて、発泡成形体の耐割れ性が低下するだけでなく、耐薬品性も低下することがある。一方、50質量部未満であると、発泡性複合樹脂粒子の発泡剤を保持する能力が低下する場合がある。低下すると、高発泡化が困難となる。また、発泡成形体の剛性も低下することがある。
【0040】
ポリオレフィン系樹脂粒子へのスチレン系単量体の含浸は、重合させつつ行ってもよく、重合を開始する前に行ってもよい。この内、重合させつつ行うことが好ましい。なお、含浸させた後に重合を行う場合、ポリオレフィン系樹脂粒子の表面近傍でのスチレン系単量体の重合が起こり易く、また、ポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸されなかったスチレン系単量体が単独で重合して、多量の微粒子状のポリスチレン系樹脂粒子が生成する場合がある。
重合させつつ含浸を行う場合、上記含有量を算出する場合のポリオレフィン系樹脂粒子とは、ポリオレフィン系樹脂と含浸されたスチレン系単量体、更に含浸されて既に重合したポリスチレン系樹脂とから構成された粒子を意味する。
スチレン系単量体は重合容器内の水性媒体に連続的にあるいは断続的に添加できる。特に、スチレン系単量体を水性媒体中に徐々に添加していくことが好ましい。
【0041】
スチレン系単量体の重合には、油溶性のラジカル重合開始剤を使用できる。この重合開始剤としては、スチレン系単量体の重合に汎用されている重合開始剤を使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。なお、これら油溶性のラジカル重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
【0042】
重合開始剤を重合容器内の水性媒体に添加する方法としては、種々の方法が挙げられる。例えば、
(a)重合容器とは別の容器内でスチレン系単量体に重合開始剤を溶解して含有させ、このスチレン系単量体を重合容器内に供給する方法、
(b)重合開始剤をスチレン系単量体の一部、イソパラフィン等の溶剤又は可塑剤に溶解させて溶液を作製する。この溶液と、所定量のスチレン系単量体とを重合容器内に同時に供給する方法、
(c)重合開始剤を水性媒体に分散させた分散液を作製する。この分散液とスチレン系単量体とを重合容器内に供給する方法
等が挙げられる。
【0043】
上記重合開始剤の使用割合は、通常スチレン系単量体の使用総量の0.02〜2.0質量%であることが好ましい。
水性媒体中には、水溶性のラジカル重合禁止剤を溶解させておくことが好ましい。水溶性のラジカル重合禁止剤はポリオレフィン系樹脂粒子表面におけるスチレン系単量体の重合を抑制するだけでなく、水性媒体中に浮遊するスチレン系単量体が単独で重合するのを防止して、ポリスチレン系樹脂の微粒子の生成を減らすことができる。
【0044】
水溶性のラジカル重合禁止剤としては、水100gに対して1g以上溶解する重合禁止剤が使用でき、例えば、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アルミニウム等のチオシアン酸塩、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸銀、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸セシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム等の亜硝酸塩、メルカプトエタノール、モノチオプロピレングリコール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオヒドロアクリル酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオエタノールアミン、1,2−ジチオグリセロール、1,3−ジチオグリセロール等の水溶性イオウ含有有機化合物、更にアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等を挙げることができる。これらの中でも特に亜硝酸塩が好ましい。
【0045】
上記水溶性のラジカル重合禁止剤の使用量としては、水性媒体中の水100質量部に対して0.001〜0.04質量部が好ましい。
なお、上記水性媒体中に分散剤を添加しておくことが好ましい。このような分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤が挙げられる。この内、無機系分散剤が好ましい。
無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0046】
重合容器の形状及び構造としては、従来からスチレン系単量体の懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されない。
また、攪拌翼の形状についても特に限定はなく、具体的には、V型パドル翼、ファードラー翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、プルマージン翼等のパドル翼、タービン翼、ファンタービン翼等のタービン翼、マリンプロペラ翼のようなプロペラ翼等が挙げられる。これら攪拌翼の内では、パドル翼が好ましい。攪拌翼は、単段翼であっても多段翼であってもよい。重合容器に邪魔板(バッフル)を設けてもよい。
【0047】
また、スチレン系単量体をマイクロペレット中にて重合させる際の水性媒体の温度は、特に限定されないが、使用するポリオレフィン系樹脂の融点(DSC法により測定)の−30〜+20℃の範囲であることが好ましい。より具体的には、70〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。更に、水性媒体の温度は、スチレン系単量体の重合開始から終了までの間、一定温度であってもよいし、段階的に上昇させてもよい。水性媒体の温度を上昇させる場合には、0.1〜2℃/分の昇温速度で上昇させることが好ましい。
更に、架橋したポリオレフィン系樹脂からなる粒子を使用する場合、架橋は、スチレン系単量体を含浸させる前に予め行っておいてもよいし、マイクロペレット中にスチレン系単量体を含浸、重合させている間に行ってもよいし、マイクロペレット中にスチレン系単量体を含浸、重合させた後に行ってもよい。
【0048】
ポリオレフィン系樹脂の架橋に用いられる架橋剤としては、例えば、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等の有機過酸化物が挙げられる。なお、架橋剤は、単独でも2種以上併用してもよい。また、架橋剤の使用量は、通常、ポリオレフィン系樹脂粒子(マイクロペレット)100質量部に対して0.05〜1.0質量部が好ましい。
【0049】
架橋剤を添加する方法としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂粒子に直接添加する方法、溶剤、可塑剤又はスチレン系単量体に架橋剤を溶解させた上で添加する方法、架橋剤を水に分散させた上で添加する方法等が挙げられる。この内、スチレン系単量体に架橋剤を溶解させた上で添加する方法が好ましい。
上記方法により改質樹脂粒子が得られる。
【0050】
(難燃性複合樹脂発泡粒子)
難燃性複合樹脂発泡粒子に含まれる難燃剤の量は、基材樹脂100質量部に対して、0.5〜5.0質量部であることが好ましく、1.0〜4.0質量部であることがより好ましい。
難燃剤は、難燃性複合樹脂発泡粒子に、表層吸光度比/中心部吸光度比が0.8〜1.4を示すように含まれている。表層吸光度比/中心部吸光度比が1.4より大きい場合、十分な難燃性の発泡成形体を製造するための難燃性複合樹脂発泡粒子を得るのが難いことがある。表層吸光度比/中心部吸光度比は、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることが更に好ましい。また、表層吸光度比/中心部吸光度比が0.8より小さい場合、十分な難燃性の発泡成形体を製造するための難燃性複合樹脂発泡粒子を得るのが難いことがある。表層吸光度比/中心部吸光度比は、0.9以上であることがより好ましく、1.0以上であることが更に好ましい。
上記表層吸光度比及び中心部吸光度比は、難燃性複合樹脂発泡粒子の製造方法の欄で説明した通りである。
【0051】
難燃性複合樹脂発泡粒子の中心部において、吸光度(D
698)と吸光度(D
難燃剤)との吸光度比(D
難燃剤/D
698)は0.020〜0.033を示すことが好ましい。吸光度比が0.020未満の場合、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比が0.033より大きい場合も、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比は、0.022〜0.032であることがより好ましく、0.024〜0.031であることが更に好ましい。
【0052】
難燃性複合樹脂発泡粒子の表層において、吸光度(D
698)と吸光度(D
難燃剤)との吸光度比(D
難燃剤/D
698)は0.020〜0.033を示すことが好ましい。吸光度比が0.020未満の場合、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比が0.033より大きい場合も、難燃性の低下を招くことがある。吸光度比は、0.022〜0.032であることがより好ましく、0.024〜0.031であることが更に好ましい。
【0053】
難燃性複合樹脂発泡粒子の平均粒子径は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、1〜5mmの平均粒子径のものを使用できる。また、発泡成形体製造時の成形型内への充填性等を考慮すると、平均粒子径は、1〜2mmがより好ましく、1〜1.4mmが更に好ましい。
難燃性複合樹脂発泡粒子は、上記難燃性複合樹脂発泡粒子の製造方法の欄で説明した方法により製造できる。
【0054】
(発泡成形体)
発泡成形体は、緩衝材や梱包材に用いることができる。具体的には、家電製品等の緩衝材(クッション材)、電子部品、各種工業資材、食品等の搬送容器等の用途、車輌用バンパーの芯材、ドア内装緩衝材等の衝撃エネルギー吸収材の用途に好適に用いることができる。
【0055】
発泡成形体の倍数は、5〜70倍の範囲であることが好ましい。発泡成形体の倍数が5倍より小さい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。倍数が70倍より大きい場合、発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下することがある。加えて発泡成形体の断熱性能及び機械的強度が低下することがある。
【0056】
発泡成形体は、難燃性複合樹脂発泡粒子を多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、熱媒体(例えば、加圧水蒸気等)で加熱発泡させ、難燃性複合樹脂発泡粒子間の空隙を埋めると共に、難燃性複合樹脂発泡粒子を相互に融着させることにより一体化させることで、製造できる。その際、発泡成形体の密度は、例えば、金型内への難燃性複合樹脂発泡粒子の充填量を調整する等して調整できる。
加熱発泡は、例えば、80〜150℃の熱媒体で、5〜50秒加熱することにより行うことが好ましい。熱媒体の成形蒸気圧(ゲージ圧)は、0.04〜0.30MPaの範囲であることが好ましい。また、加熱発泡前に、難燃性複合樹脂発泡粒子を圧力容器に入れ、窒素、空気等の無機ガスを含浸してから、加熱発泡を行ってもよい。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例における各種物性の測定法を下記する。
【0058】
<結晶化温度>
JIS K7121:1987、2012「プラスチックの転移温度測定方法」及び、JIS K7122:1987、2012「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠した。但し、サンプリング方法及び温度条件に関しては次のように行った。エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「DSC6220、ASD−2」示差走査熱量計を用い、アルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充填して、窒素ガス流量20mL/minのもと、30℃から−70℃まで降温した後10分間保持し、−70℃から220℃まで昇温(1st Heating)、10分間保持後220℃から−70℃まで降温(Cooling)、10分間保持後−70℃から220℃まで昇温(2nd Heating)した時のDSC曲線を得た。なお、全ての昇温・降温は速度10℃/minで行い、基準物質としてアルミナを用いた。本発明において、融点とは、装置付属の解析ソフトを用いて、2nd Heating過程にみられる最も大きな融解ピークのトップの温度を読み取った値とした。また、結晶化温度は、装置付属の解析ソフトを用いて、Cooling過程にみられる、3mJ/mg以上の熱量を有する最も高温側の結晶化ピークのトップ温度を読み取った値とした。
【0059】
<中心部及び表層の吸光度比>
「複合樹脂発泡粒子の表面の吸光度比(ポリプロピレン系樹脂の場合)」
吸光度比(D
1701/D
698)は下記の要領で測定した。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる各吸光度は、複合樹脂発泡粒子に含まれる各樹脂成分の振動に由来するピークの高さをいう。
無作為に選択した10個の各発泡粒子の粒子中心部または表面を、ATR法赤外分光分析を行なって赤外線吸収スペクトルを得た。
ここで、粒子中心部の測定では、各発泡粒子を二等分(例えば、粒径5mmの発泡粒子を2.5±0.5mmに切断する。)し、さらにその切断面の中心(少なくとも円の中心から1/4より内側)にATRプリズムを密着させて測定した。また、表層の測定では、各発泡粒子の表面にATRプリズムを密着させて測定した。この分析では、粒子表面から数μm(約2μm)までの深さの範囲の赤外吸収スペクトルが得られた。
各赤外吸収スペクトルから個別吸光度比(D
1701/D
698)をそれぞれ算出し、表層について算出した個別吸光度比の相加平均を吸光度比とした。
吸光度D
698及びD
1701は、Nicolet社製の測定装置;商品名「フーリエ変換赤外分光分析計MAGNA560」と、ATRアクセサリーとしてSpectra−Tech社製「サンダードーム」を用いて次の条件で測定した。
【0060】
(測定条件)
高屈折率結晶種:Ge(ゲルマニウム)
入射角:45°±1°
測定領域:4,000cm
-1〜675cm
-1
測定深度の端数依存性:補正せず
反射回数:1回
検出器:DTGS KBr
分解能:4cm
-1
積算回数:32回
その他:試料と接触させずに赤外線吸収スペクトルを上記の条件で測定し、測定された赤外線吸収スペクトルをバックグラウンドとした。試料の測定時には、バックグラウンドが測定スペクトルに関与しないように、測定データを処理した。ATR法では、試料と高屈折率結晶の密着度合によって、赤外吸収スペクトルの強度が変化した。そのため、ATRアクセサリーの「サンダードーム」で掛けられる最大荷重を掛けて密着度合をほぼ均一にして測定を行った。
以上の条件で得られた赤外線吸収スペクトルを、次のようにピーク処理をしてそれぞれの吸光度を求めた。
吸光度D
698の測定では、698cm
−1で他の吸収スペクトルが重なっている場合でもピーク分離を実施しなかった。吸光度D
698は、1280cm
−1と860cm
−1を結ぶ直線をベースラインとして、710cm
−1と685cm
−1間の最大吸光度とした。
また、吸光度D
1701の測定では、1701cm
−1で他の吸収スペクトルが重なっている場合でもピーク分離は実施しなかった。吸光度D
1701は、1842cm
−1と842cm
−1を結ぶ直線をベースラインとして、1720cm
−1と1680cm
−1間の最大吸光度とした。
【0061】
<複合樹脂発泡粒子の嵩倍数>
約5gの複合樹脂発泡粒子の質量を小数以下2位の有効数字で秤量し、その質量を(a)とした。次に、最小メモリ単位が5cm
3である500cm
3メスシリンダーに秤量した複合樹脂発泡粒子を入れ、これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具をあてて、複合樹脂発泡粒子の体積(b)を読み取り、式(a)/(b)により複合樹脂発泡粒子の嵩密度(g/cm
3)を求めた。なお、嵩倍数は嵩密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とした。
【0062】
<発泡成形体の倍数>
発泡成形体(成形後、50℃で4時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75mm×300mm×35mm)の質量(a:g)と体積(b:cm
3)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(b)/(a)により発泡成形体の倍数(倍)を求めた。なお、密度は倍数の逆数、すなわち式(a)/(b)とした。
【0063】
<燃焼性試験(UL94)>
試験方法:水平に保持した試料の端に60秒間ウイングチップ付ガスバーナーの炎を接炎させた。炎は38mmの青炎に調整した。標線間100mmの燃焼速度、燃焼挙動を観察、記録した。
燃焼速度(mm/min)=60×標線間100mm/燃焼時間(s)
途中で燃焼が停止したものは、燃焼速度(mm/min)=60×燃焼速度(mm)/燃焼時間(s)
判定基準:100mm標線間で燃焼速度40mm/min以下、又は125mm標線までに燃焼が終了する場合、又は5本中1本だけ要求に合わない場合は、更に5本の試験を行い5本すべてが要求に適合する場合、ULHBF相当と判断した。
試験装置:アトラス・HVUL2 UL燃焼テストチャンバー
試験片:150×50×10(mm)
試験数:各5個
試験片状態調整:温度23±2℃ 相対湿度50±5% 48時間以上
【0064】
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂粒子(プライムポリマー社製F−744NP、結晶化温度88℃)26.7kgと、ファーネスブラック45質量%含有マスターバッチ(大日精化工業社製PP−RM10H381)3.34kgとを混合し、押出機にて加熱混合して水中カット方式により造粒ペレット化して(100粒あたり55mgに調整した)、種粒子としてのカーボン含有ポリプロピレン系樹脂を得た。種粒子14.0kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水41kg、ピロリン酸マグネシウム400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.0gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後70℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド14.0g、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)20gを溶解させたスチレン7.0kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分70℃に保持し、種粒子にスチレンを吸収させた。吸収後140℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。その後、125℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム56gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド63.0gを溶解したスチレン14.0kgを4時間かけて滴下した。次いで、トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート1050g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.0gを分散させた純水4kgを125℃(結晶化温度+37℃)で30分かけて滴下した。この滴下終了後、125℃で1時間保持し、次いで、140℃に昇温し、その温度で3時間保持して重合を完結させて複合樹脂粒子を得た。その後、60℃に冷却し、複合樹脂粒子を取り出した(ポリプロピレン系樹脂(PP)/ポリスチレン系樹脂(PS)=約40/60:質量比)
なお、スチレンは、種粒子100質量部に対して、150質量部使用した。
【0065】
上記のようにして得られた複合樹脂粒子7.0kg、ポリエチレングリコール3.5gを内容積15Lの耐圧回転混合機に入れ、回転させ、10分間保持後、ブタン(ガス種a:エスケイ産業社製、製品名ブタンシルバー)1000gを加えた。次いで、60℃に昇温し、この温度で3時間攪拌を続けて発泡性複合樹脂粒子を得た。その後、常温まで冷却し、発泡性複合樹脂粒子を取り出した。
このようして得た発泡性複合樹脂粒子を嵩倍数40倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数40倍の難燃性複合樹脂発泡粒子を得た。難燃性複合樹脂発泡粒子は、(1)スチームで予熱した高圧予備発泡機に発泡性複合樹脂粒子1000gを投入し、(2)投入した粒子を撹拌しながらゲージ圧力0.05MPaの設定でスチームを導入し、(3)約1分で所定の嵩密度まで発泡させることで、得た。
得られた難燃性複合樹脂発泡粒子を、室温40℃、湿度50%の環境下に4日保管した後、100L圧力容器に入れ、圧力容器の内圧が0.15MPaになるまで空気で加圧し、その後1時間保持したのち、圧力を開放した。開放後の発泡粒子を、下記の型内成形条件下で発泡成形し、倍数40倍の発泡成形体を得た。
【0066】
<型内成形条件>
発泡粒子を成形機の金型内に充填し、次の条件でスチーム加熱及び冷却した後に発泡成形体を金型から取り出した。
成形機:DABO高圧成形機
金型寸法:300mm(幅)×400mm(長さ)×30mm(厚さ)
成形条件−金型加熱:5秒
一方加熱:10秒
逆一方加熱:5秒
両面加熱:20秒
水冷:20秒
真空冷却:最高面圧が0.002MPa以下になるまで
設定スチーム圧:0.20〜0.30MPa
【0067】
(実施例2)
嵩倍数30倍に予備発泡し、倍数30倍の発泡成形体を得たこと以外はすべて実施例1と同様に実施した。
【0068】
(実施例3)
嵩倍数45倍に予備発泡し、倍数45倍の発泡成形体を得たこと以外はすべて実施例1と同様に実施した。
【0069】
(実施例4)
攪拌機付100Lオートクレーブに、実施例1と同様にして得た種粒子14.0kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水41kg、ピロリン酸マグネシウム400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.0gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後70℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド14.0g、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン20gを溶解させたスチレン7.0kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分70℃に保持し、種粒子にスチレンを吸収させた。吸収後140℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。その後、125℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム56gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド63.0gを溶解したスチレン10.5kgを3時間かけて滴下した。次いで、トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート1050g、スチレン3.5kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.0gを分散させた純水4kgを125℃(結晶化温度+37℃)で60分かけて滴下した。この滴下終了後、125℃で1.5時間保持し、次いで、140℃に昇温し、その温度で3時間保持して重合を完結させて複合樹脂粒子を得た。その後、60℃に冷却し、複合樹脂粒子を取り出した(ポリプロピレン系樹脂(PP)/ポリスチレン系樹脂(PS)=約40/60:質量比)。以下、実施例1と同様に、発泡成形体を得た。
【0070】
(実施例5)
実施例1と同様にして得た種粒子10.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水41kg、ピロリン酸マグネシウム400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.0gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後70℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド8.8g、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン20gを溶解させたスチレン4.4kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分70℃に保持し、種粒子にスチレンを吸収させた。吸収後140℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。その後、125℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム56gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド63.0gを溶解したスチレン15.7kgを5時間かけて滴下した。次いで、この滴下終了後、125℃で1.5時間保持し、次いで、140℃に昇温し、トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート1230g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.0gを分散させた純水4kgを140℃(結晶化温度+52℃)で30分かけて滴下し、その温度で3時間保持して重合を完結させて複合樹脂粒子を得た。その後、60℃に冷却し、複合樹脂粒子を取り出した(ポリプロピレン系樹脂(PP)/ポリスチレン系樹脂(PS)=約30/70:質量比)。以下、実施例1と同様に、発泡成形体を得た。
【0071】
(実施例6)
ポリプロピレン樹脂粒子(日本ポリプロ社製WFW−4M、結晶化温度101℃)26.7kgと、ファーネスブラック45質量%含有マスターバッチ(大日精化工業社製PP−RM10H381)3.34kgとを混合し、押出機にて加熱混合して水中カット方式により造粒ペレット化して(100粒あたり55mgに調整した)、種粒子としてのカーボン含有ポリプロピレン系樹脂を得た。種粒子14.0kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水41kg、ピロリン酸マグネシウム400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.0gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後70℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド14.0g、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(化薬アクゾ社製)20gを溶解させたスチレン7.0kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分70℃に保持し、種粒子にスチレンを吸収させた。吸収後140℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。その後、120℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム56gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド63.0gを溶解したスチレン14.0kgを5時間かけて滴下した。次いで、トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート1050g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.0gを分散させた純水4kgを120℃(結晶化温度+19℃)で30分かけて滴下した。この滴下終了後、120℃で1時間保持し、次いで、140℃に昇温し、その温度で3時間保持して重合を完結させて複合樹脂粒子を得た。その後、60℃に冷却し、複合樹脂粒子を取り出した(ポリプロピレン系樹脂(PP)/ポリスチレン系樹脂(PS)=約40/60:質量比)。以下、実施例1と同様に、発泡成形体を得た。
【0072】
(比較例1)
攪拌機付100Lオートクレーブに、実施例1と同様にして得た種粒子14kgを入れ、水性媒体として純水41kg、ピロリン酸マグネシウム400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.0gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後70℃に昇温して水系懸濁液とした。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド14.0gを溶解させたスチレン7.0kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分70℃に保持し、種粒子にスチレンを吸収させた。吸収後140℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。その後、125℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム56gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド63.0gを溶解したスチレン14.0kgを4時間かけて滴下した。この滴下終了後、125℃で1時間保持し、次いで、140℃に昇温し、その温度で3時間保持して重合を完結させて複合樹脂粒子を得た。
その後、反応系の温度を60℃(結晶化温度−28℃)にして、この懸濁液中に、トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート1050gと、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン20gとを投入し、投入後、反応系の温度を140℃に昇温し、3時間攪拌を続け、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した(ポリプロピレン系樹脂(PP)/ポリスチレン系樹脂(PS)=約40/60:質量比)。以下、実施例1と同様に、発泡成形体を得た。
【0073】
(比較例2)
嵩倍数30倍に予備発泡し、倍数30倍の発泡成形体を得たこと以外はすべて比較例1と同様に、発泡成形体を得た。
【0074】
(比較例3)
実施例1と同様にして得た種粒子14.0kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水41kg、ピロリン酸マグネシウム400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム16.0gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後70℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド14.0g、トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート1050g、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン20gを分散させた純水4kgを溶解させたスチレン7.0kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分70℃(結晶化温度−18℃)に保持し、種粒子にスチレンを吸収させた。吸収後140℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。その後、125℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム56gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド63.0gを溶解したスチレン14.0kgを4時間かけて滴下した。この滴下終了後、125℃で1時間30分保持し、次いで、140℃に昇温し、その温度で3時間保持して重合を完結させた。その後、60℃に冷却し、複合樹脂粒子を取り出した(ポリプロピレン系樹脂(PP)/ポリスチレン系樹脂(PS)=約40/60:質量比)。以下、実施例1と同様に、発泡成形体を得た。
【0075】
(比較例4)
嵩倍数30倍に予備発泡し、倍数30倍の発泡成形体を得たこと以外はすべて比較例3と同様に、発泡成形体を得た。
【0076】
(比較例5)
比較例1同様に、重合を完結させて複合樹脂粒子を得た。その後、反応系の温度を90℃(結晶化温度+2℃)にして、この懸濁液中に、トリ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート1050gと、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン20gとを投入し、投入後、反応系の温度を140℃に昇温し、3時間攪拌を続け、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。以下、実施例1と同様に、発泡成形体を得た。
【0077】
【表1】
【0078】
表1から、難燃剤が偏在した難燃性複合樹脂発泡粒子により、所望の難燃性を有する発泡成形体を得られることが分かる。