【課題】生分解性樹脂を基材樹脂としたエラストマー発泡成形体は、環境負荷が低減されているものの、反発弾性等の特性が非生分解性樹脂を基材樹脂としたエラストマー発泡成形体に及ばなかった。所望の反発弾性を有しつつ生分解性を備えた熱可塑性エラストマー発泡成形体の提供を一つの目的とする。
ASTM D6400に規定された生分解性を備えた熱可塑性エラストマー樹脂、例えば熱可塑性ポリエステルウレタンとコポリステルを含有する熱可塑性エラストマー樹脂、を含有する発泡成形体。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、材料、中間品、最終品等の物性、含有量等の値は、その特定方法が実施例に記載されているときは、実施例に記載された特定方法により決定される値である。
【0011】
本発明の熱可塑性エラストマー発泡成形体は、ASTM D6400に規定された生分解性を備えた熱可塑性エラストマー樹脂を含有する。
【0012】
(1)熱可塑性エラストマー樹脂
熱可塑性エラストマー樹脂は、ASTM D6400に規定された試験において生分解性を備えると評価されれば特に限定されない。例えば、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ブチラール樹脂(例えばポリビニルブチラール樹脂)、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミド樹脂、並びに、酢酸ビニルを構造単位として有する共重合体(酢酸ビニル共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体)からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、熱可塑性とASTM D6400に規定された生分解性とを備えた樹脂を含むことができる。
これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
高反発弾性及び/又は高生分解性の点から、熱可塑性エラストマー樹脂は、熱可塑性ポリエステルウレタン(A)及びコポリエステル(B)を含むことが好ましく、可塑剤(C)をさらに含むことがより好ましい。
【0013】
(1−A)熱可塑性ポリステルウレタン
熱可塑性ポリエステルウレタンは、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタンと称されることもある。熱可塑性ポリエステルウレタンは、典型的には、ポリエステルポリオール及びジイソシアネートを含み、鎖延長剤等を含んでもよい。例えば、熱可塑性ポリエステルウレタンは、ウレタン結合を有するハードセグメントとポリエステルポリオールを有するソフトセグメントを有する共重合体である。
【0014】
前記ポリエステルポリオールは、典型的には、ジオールとジカルボン酸との共重合体である。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ジオールとしては、ブタンジオール、プロパンジオール、及びエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ジカルボン酸としては、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ジカルボン酸としては、グルタル酸、コハク酸、及びアジピン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ポリエステルポリオールは、ブタンジオール、プロパンジオール、及びエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種のジオールとアジピン酸、コハク酸、及びグルタル酸からなる群より選択される少なくとも1種のジカルボン酸との共重合体が好ましく、ブタンジオール、プロパンジオール、及びエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種のジオールとアジピン酸との共重合体がより好ましく、ブタンジオールとアジピン酸との共重合体が特に好ましい。これらの共重合体は、ポリエステルウレタンの柔軟性及び生分解性を向上させる点で優れている。
ポリエステルポリオールの具体例は、ポリエチレンアジペートポリオール、ポリプロピレンアジペートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、ポリヘキシレンアジペートポリオール、(ポリエチレン/ポリプロピレン)アジペートポリオール、(ポリエチレン/ポリブチレン)アジペートポリオール、(ポリエチレン/ポリネオペンチレン)アジペートポリオール等のアジピン酸系ポリオール;ポリエチレンサクシネートポリオール、ポリプロピレンサクシネートポリオール、ポリブチレンサクシネートポリオール、ポリヘキシレンサクシネートポリオール、(ポリエチレン/ポリプロピレン)サクシネートポリオール、(ポリエチレン/ポリブチレン)サクシネートポリオール、(ポリエチレン/ポリネオペンチレン)サクシネートポリオール等のコハク酸系ポリオール;ポリエチレングルタレートポリオール、ポリプロピレングルタレートポリオール、ポリブチレングルタレートポリオール、ポリヘキシレングルタレートポリオール、(ポリエチレン/ポリプロピレン)グルタレートポリオール、(ポリエチレン/ポリブチレン)グルタレートポリオール、(ポリエチレン/ポリネオペンチレン)グルタレートポリオール等のグルタル酸系ポリオールを含む。
【0015】
ジイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(1,5−NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート(PAPI)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中では、イソシアネート基の反応活性が高い点で、MDI、HDI、及びIPDIからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、MDIがより好ましい。
【0016】
熱可塑性ポリエステルウレタンは鎖延長剤を含んでもよい。鎖延長剤は、ポリウレタンエラストマー鎖を延長可能なものであり、例えばグリコールが使用される。このようなグリコールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール(テレフタリルアルコール)、トリエチレングリコール等をあげることができる。また、上記グリコールの他に、その他の多価アルコールも使用でき、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールを挙げることができる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
鎖延長剤は、ポリエステルウレタンの柔軟性及び生分解性を向上させる点で、ブタンジオール、プロパンジオール、及びエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ブタンジオールがより好ましい。
【0017】
触媒としては、一般的に用いられるポリウレタンエラストマー硬化用の触媒を使用することができ、例えば、三級アミン触媒が挙げられ、具体的には、ジメチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチルアミノプロピルエタノールアミンの如きアミノアルコール;トリエチルアミンの如きトリアルキルアミン;N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミンの如きテトラアルキルジアミン;トリエチレンジアミン、ピペラジン系化合物、トリアジン系化合物を例示できる。また、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのアルカリ金属の有機酸塩も用いることができる。さらに、通常、ウレタン化に用いられる金属触媒、例えば、ジブチル錫ジラウレートも使用可能である。これらは単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
熱可塑性ポリエステルウレタンは、熱可塑性エラストマー樹脂中に、例えば15質量%〜70質量%、好ましくは30質量%〜60質量%含まれる。
【0019】
(1−B)コポリエステル
コポリエステルは、ポリエステル系の共重合体であれば特に制限されないが、例えば、ジオールとジカルボン酸とテレフタル酸の共重合体である。
コポリエステルは、高生分解性及び/又は高反発弾性の点から、ブタンジオール、プロパンジオール、及びエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種のジオールと、アジピン酸、コハク酸、及びグルタル酸からなる群より選択される少なくとも1種のジカルボン酸と、テレフタル酸との共重合体が好ましく、ブタンジオールとアジピン酸とテレフタル酸との共重合体がより好ましい。
これらは単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
コポリエステルは、好ましくはテレフタル酸を15質量%〜35質量%含む。
コポリエステルは、熱可塑性エラストマー樹脂中に、例えば30質量%〜85質量%、好ましくは40質量%〜70質量%含まれる。
【0020】
(1−C)可塑剤
熱可塑性エラストマー樹脂は、可塑剤を含んでもよい。可塑剤としては、ポリウレタン又はポリエステルに使用される公知の可塑剤を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
好ましい可塑剤は、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアリール、アルキレングリコールベンゾエート、ジアルキレングリコールベンゾエート等であり、ジプロピレングリコールジベンゾエートがより好ましい。
可塑剤は、熱可塑性エラストマー樹脂中に、例えば5質量%〜40質量%、好ましくは20質量%〜30質量%含まれてよい。
【0021】
熱可塑性エラストマー樹脂のメルトフローレートは、例えば5g/10min〜50g/10minとでき、好ましくは7g/10min〜30g/10min、さらに好ましくは9g/10min〜20g/10minである。メルトフローレートが、前記範囲内にあると、発泡粒子の発泡力が高くなり、発泡成形体の外観を良好にできる。
【0022】
熱可塑性エラストマー樹脂の融点(JIS K7121:1987、2012)は、例えば109℃〜130℃とでき、好ましくは111℃〜125℃、さらに好ましくは113℃〜120℃である。融点が前記範囲内にあると、より低圧又は低温での発泡・成形が可能であり、生産性が向上する。
【0023】
熱可塑性エラストマー樹脂の硬度は、高生分解性及び/又は高反発弾性の点で、ショアD硬度(ASTM D2240)で15〜50が好ましく、17〜40がより好ましい。
【0024】
熱可塑性エラストマー樹脂は、熱可塑性エラストマー発泡成形体中に、例えば50質量%〜100質量%、好ましくは70質量%〜100質量%、より好ましくは80質量%〜100質量%含有される。熱可塑性エラストマー樹脂の含有量が前記範囲内にあると、発泡成形体による環境負荷が低減されるとともに発泡成形体の反発弾性が向上する。
【0025】
発泡成形体中の各種成分及びその含有量は、熱分解GC/MS分析により特定することができる。すなわち、次の方法により特定することができる。
試料0.1〜0.2mgを専用カップに秤量し、フロンティア・ラボ(株)製「EGA/PY−3030D」マルチショット・パイロライザー装置にて分解させて生成した分解物を日本電子(株)製「JMS−Q1050GC」ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて測定し、GC/MSクロマトグラム上で検出された全ピークをライブラリサーチし、組成を特定する。
具体的な条件は下記の通りである。
<GC/MS測定条件>
分析カラム=Agilent Technologies製「HP−5」(0.25μm×0.32mmφ×30m)
GCオーブン昇温条件:
初期温度=50℃(3min保持)
第1段階昇温速度=10℃/min(280℃まで)
第2段階昇温速度=40℃/min(320℃まで)
最終温度=320℃(3min保持)
キャリアーガス=He
He流量=1.5mL/min
注入口温度=300℃
インターフェイス温度=280℃
検出器電圧=−900V
スプリット比=1/50
イオン源温度=220℃
イオン化電流=50μA
イオン化エネルギー=70eV
検出方法=SCAN法
<熱分解条件>
モード=Single−Shot Analysis
加熱温度=590℃
加熱時間=0.5min
インターフェイス温度=320℃
【0026】
(2)発泡粒子
本発明の一実施形態は、ASTM D6400に規定された生分解性を備えた熱可塑性エラストマー樹脂を含有する発泡粒子、であってよい。発泡粒子は発泡成形体、好ましくは型内発泡成形体、の製造材料として有用である。
【0027】
発泡粒子の原料となる基材樹脂は、前記熱可塑性エラストマー樹脂を、好ましくは50質量%〜100質量%、より好ましくは70質量%〜100質量%、さらに好ましくは80質量%〜100質量%含有する。
基材樹脂は、前記熱可塑性エラストマー樹脂を1種のみ含有しても、2種以上含有してもよい。
基材樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲で、前記熱可塑性エラストマー樹脂に加え、他の樹脂、例えば他のアミド系樹脂、ポリエーテル樹脂、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー等を含んでもよい。
【0028】
樹脂粒子は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他に、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、展着剤、可塑剤、架橋剤、充填剤、滑剤等を含んでいてもよい。
難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー等の有機顔料、金属粉、パール等の特殊顔料、染料等が挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等が挙げられる。
【0029】
発泡粒子は、0.015g/cm
3〜0.5g/cm
3の範囲の嵩密度を有することが好ましい。より好ましい嵩密度は0.02g/cm
3〜0.3g/cm
3であり、更に好ましい嵩密度は、0.05g/cm
3〜0.2g/cm
3である。
【0030】
発泡粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
【0031】
発泡粒子の平均粒子径は、所望の発泡成形体が得られる限りにおいて得に制限されないが、1mm〜5mmが好ましく、1mm〜3mmがより好ましい。平均粒子径が前記範囲内にあると、発泡粒子の製造が容易であり、成形時の2次発泡性が低下し難く、加熱発泡により発泡成形体を作製する際に型への充填性が低下し難く、複雑な形状の発泡成形体も製造しやすい。
【0032】
発泡粒子によれば環境負荷が低減される。また、発泡粒子は、環境負荷が低減され、高反発弾性を備えた発泡成形体の製造原料として有用である。
発泡粒子は、型内発泡させるための発泡成形体の原料として使用してもよいし、例えばクッションの充填材としてそのまま使用してもよい。
【0033】
(3)熱可塑性エラストマー発泡成形体
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、前記のASTM D6400に規定された生分解性を備えた熱可塑性エラストマー樹脂を含有する。
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、前記熱可塑性エラストマー樹脂を基材樹脂とした発泡粒子を発泡及び融着させて得られる成形体が好ましく、発泡粒子を型内成形させることで複数の発泡粒子が発泡及び融着した融着体から構成される型内発泡成形体がより好ましい。
【0034】
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、熱可塑性エラストマー樹脂の1種を単独で又は2種以上を含有してよい。
熱可塑性エラストマー発泡成形体における熱可塑性エラストマー樹脂の詳細は、特に言及がない限り、前記「(1)熱可塑性エラストマー樹脂」に記載したとおりである。
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、熱可塑性エラストマー樹脂を、例えば50質量%〜100質量%、好ましくは70質量%〜100質量%、より好ましくは80質量%〜100質量%含有する。熱可塑性エラストマー樹脂の含有量が前記の範囲内にあると、発泡成形体による環境負荷が低減されるとともに発泡成形体の反発弾性率が比較的高くなる。
【0035】
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、熱可塑性エラストマー樹脂に加え、ASTM D6400に規定された生分解性を備えた、または、これを備えていない、他の樹脂を、本発明の効果を阻害しない範囲で、含有してもよい。
さらに熱可塑性エラストマー発泡成形体は、他に、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、展着剤、可塑剤、架橋剤、充填剤、滑剤等を発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。
【0036】
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、例えば20〜60、好ましくは30〜50のC硬度(JIS K7312)を有しえる。C硬度が前記範囲内にあると、発泡成形体の形状安定性が良好である。
【0037】
熱可塑性エラストマー発泡成形体の密度は、例えば0.05g/cm
3〜0.30g/cm
3、好ましくは0.08g/cm
3〜0.2g/cm
3、より好ましくは0.10g/cm
3〜0.15g/cm
3とできる。密度が前記範囲にあると、軽量性と反発弾性率とを良好なバランスで両立しやすい。
【0038】
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、前記熱可塑性エラストマー樹脂を含むことによって、又は、前記基材樹脂もしくは前記発泡粒子から製造されることによって、その反発弾性率を、例えば30%〜80%、好ましくは40%〜80%、より好ましくは50%〜80%とできる。
【0039】
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、環境負荷低減の点から、ASTM D6400に規定された生分解性を備えることが好ましい。
【0040】
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、例えば、シューズのソールを構成するミッドソール、インソール、アウトソール等、ラケットやバット等のスポーツ用品の打具類の芯材、パッドやプロテクター等のスポーツ用品の防具類、パッドやプロテクター等の医療、介護、福祉又はヘルスケア用品、自転車や車椅子等のタイヤ芯材、自動車等の輸送機器の内装材又はシート芯材、衝撃吸収部材振動吸収部材、防舷材又はフロート等の衝撃吸収材、玩具、床下地材、壁材、鉄道車両、飛行機、ベッド、クッション等に用いることができる。
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、ミッドソール、インソール及びアウトソールのいずれか又は全てに使用できる。本発明の発泡成形体を使用しなかったミッドソール、インソール及びアウトソールのいずれかには、公知のミッドソール、インソール及びアウトソールを使用できる。
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、上記用途に応じて適切な形状を取り得る。
【0041】
(4)熱可塑性エラストマー発泡成形体の製造方法
本発明の一実施形態は、熱可塑性エラストマー発泡成形体の製造方法、であってよい。
熱可塑性エラストマー発泡成形体は、代表的には、蒸気導入口が設けられた第1の型と第2の型とを合わせた1対の型にて形成されるキャビティに、基材樹脂を含む発泡粒子を充填し、加熱媒体で型及び発泡粒子を加熱して発泡粒子を発泡させることによって、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着及び一体化させて得ることができる。
【0042】
発泡粒子の充填の際に、例えば、第1の型と第2の型の間のクラッキング率を調節することにより発泡粒子の充填量を調整する等して、発泡成形体の密度を調整できる。クラッキング率は、例えば3〜85%であり、5〜85%が好ましく、10〜80%がより好ましい。クラッキング率をこの範囲内とすると、外観の美麗度合いを調整することができる。
【0043】
加熱成形の際は、発泡粒子に無機系ガスを含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させること(内圧付与工程)が好ましい。発泡力を向上させることにより、加熱発泡時に発泡粒子同士の融着性が向上し、発泡成形体は更に優れた機械的強度や長期寸法安定性を有する。無機系ガスは、例えば不活性ガス又は空気である。不活性ガスは、例えば二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等である。好ましい無機系ガスは空気、窒素又は二酸化炭素である。
発泡粒子に含まれる無機系ガスの量は、無機系ガスを含んだ発泡粒子の質量に対し、例えば0〜2質量%であり、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.3質量%がより好ましい。無機系ガスの量をこの範囲内とすると、融着率が高く、外観が良好となり、生産性がよくなる。
【0044】
発泡粒子に無機系ガスを含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する無機系ガスの雰囲気下に発泡粒子を置くことによって、発泡粒子中に無機系ガスを含浸させる方法が挙げられ、0.01〜2.0MPaの無機系ガス雰囲気中に発泡粒子を1分〜24時間に亘って放置することが好ましく、5分〜24時間がより好ましく、20分〜18時間が特に好ましい。また、発泡粒子は、型内に充填する前に無機系ガスが含浸されることが好ましいが、発泡粒子を型内に充填した後に型ごと無機系ガスの雰囲気下に置くことで含浸されてもよい
発泡粒子に無機系ガスを含浸させた場合、発泡粒子をこのまま、型内にて加熱、発泡させてもよいが、発泡粒子を型内に充填する前に加熱、発泡させて、高発泡倍率の発泡粒子とした上で型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような高発泡倍率の発泡粒子を用いることによって、高発泡倍率の発泡成形体を得ることができる。
【0045】
(5)発泡粒子の製造方法
本発明の一実施形態は、発泡粒子の製造方法、であってよい。
発泡粒子は、基材樹脂の粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)、発泡性粒子を発泡させる発泡工程、さらには必要に応じて発泡粒子に無機系ガスを含有させる内圧付与工程を経て得ることができる。
【0046】
(5−1)含浸工程
(a)樹脂粒子
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。
例えば、押出機から押し出された樹脂の溶融混練物を、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、樹脂が十分に軟化する温度である。このため、使用する樹脂に応じて適宜設定できる。170℃〜260℃が好ましく、200℃〜250℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
【0047】
樹脂粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。
樹脂粒子は、その長さをL、平均径をDとした場合のL/Dが0.8〜3であることが好ましい。樹脂粒子のL/Dがこの範囲にあると、金型内への充填性が良好である。なお、樹脂粒子の長さLは、押出方向の長さをいい、平均径Dは長さLの方向に実質的に直交する樹脂粒子の切断面の直径をいう。
樹脂粒子の平均径Dは0.5〜1.5mmが好ましい。平均径Dが0.5mm以上であると、発泡剤の保持性が向上し発泡性粒子の発泡性が向上しやすい。平均径Dが1.5mm以下であると、型内への発泡粒子の充填性が向上すると共に、板状の発泡成形体を製造する場合に発泡成形体の厚みを大きくしやすくなる。
【0048】
(b)発泡性粒子
樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する。なお、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる要領としては、公知の要領を用い得る。例えば、オートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、空気;窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)等の不活性ガス;プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;ハロゲン化炭化水素が挙げられ、空気、不活性ガス又は脂肪族炭化水素が好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0049】
樹脂粒子に含浸させる発泡剤の量は、樹脂粒子100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が1質量部以上であると、発泡力が低くならず、高い発泡倍率でも、良好に発泡させやすい。発泡剤の含有量が15質量部以下であると、気泡膜の破れが抑えられ、可塑化効果が大きくなりすぎないために、発泡時の粘度の過度の低下が抑えられ、かつ収縮が抑えられる。より好ましい発泡剤の量は2〜12質量部である。この範囲内であれば、発泡力を十分に高めることができ、高い発泡倍率であっても、より一層良好に発泡させることができる。
【0050】
樹脂粒子への発泡剤の含浸温度は、10℃〜120℃が好ましく、20℃〜110℃がより好ましい。発泡剤の含浸温度がこの範囲内にあると、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くならず生産効率が低下し難く、また、樹脂粒子同士が融着し難く結合粒の発生が抑制される。発泡剤には発泡助剤(可塑剤)を併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
【0051】
(5−2)発泡工程
(c)発泡粒子
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体等は特に限定されない。
なお、発泡前に、発泡粒子の凝集を抑制するために、発泡性粒子の表面に、ポリアミドパウダー、界面活性剤(例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)等の合着防止剤、帯電防止剤を塗布してもよい。
【実施例】
【0052】
以下、実施例等を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0053】
物性等の測定方法
実施例等に記載の物性等は次の方法により特定した。
【0054】
[基材樹脂の融点]
JIS K7121:1987、JIS K7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。試料をアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう5.5±0.5mg充てん後、アルミニウム製の蓋をした。次いで(株)日立ハイテクサイエンス製「DSC7000X、AS−3」示差走査熱量計を用い、窒素ガス流量20mL/minのもと、30℃から−70℃まで降温した後10分間保持し、−70℃から220℃まで昇温(1回目昇温)、10分間保持後220℃から−70℃まで降温(冷却)、10分間保持後−70℃から220℃まで昇温(2回目昇温)した時のDSC曲線を得た。なお、全ての昇温・降温は速度10℃/minで行い、基準物質としてアルミナを用いた。本発明において、融解温度(融点)とは、装置付属の解析ソフトを用いて、2回目昇温過程にみられる融解ピークのトップの温度を読みとった値である。
【0055】
[基材樹脂のメルトフローレート]
基材樹脂の試験片(形状;ペレット状、大きさ;4.0cm×3.5cm×2.5cm)を、100℃、3時間真空乾燥後、測定直前まで密封してデシケーター中で保存した。JIS K 7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載のb)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法により測定した。すなわち(株)安田精機製作所製「メルトフローインデックステスター(自動)120−SAS」を用いて、測定条件は試験片3〜8g、予熱300秒、ロードホールド30秒、試験温度230℃、試験荷重21.18N、ピストン移動距離(インターバル):25mmとした。試験片の試験回数は3回とし、その平均をメルトフローレート(g/10min)の値とした。
【0056】
[発泡性粒子の含浸ガス(ブタンガス)量(発泡剤量)]
発泡剤としてのブタンガス含浸後、得られた発泡性粒子の質量W1(g)を直ちに計量し、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で24時間静置した。静置後、発泡性粒子の質量W2(g)を計量し、次式により含浸ガス量を算出した。
発泡性粒子の含浸ガス量(質量%)=((W1−W2)/W1)×100
【0057】
[発泡粒子の嵩密度]
内圧付与前の発泡粒子を測定試料としてW(g)採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料の見掛け体積V(cm
3)を一定にし、その重量と体積を測定し、次式に基づいて発泡粒子の嵩密度を算出した。
嵩密度(g/cm
3)=W/V
【0058】
[発泡粒子の融点]
JIS K7121:1987、JIS K7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。試料をアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう5.5±0.5mg充てん後、アルミニウム製の蓋をした。次いで日立ハイテクサイエンス社製「DSC7000X、AS−3」示差走査熱量計を用い、窒素ガス流量20mL/minのもと、30℃から−70℃まで降温した後10分間保持し、−70℃から220℃まで昇温(1回目昇温)、10分間保持後220℃から−70℃まで降温(冷却)、10分間保持後−70℃から220℃まで昇温(2回目昇温)した時のDSC曲線を得た。なお、全ての昇温・降温は速度10℃/minで行い、基準物質としてアルミナを用いた。融解温度(融点)は、装置付属の解析ソフトを用いて、2回目昇温過程にみられる最も大きな融解ピークのトップの温度を読みとった値とした。
【0059】
[発泡粒子の無機系ガス(窒素ガス)量]
密閉容器の体積の70体積%を満たす発泡粒子を計量し、これを密閉容器内に投入し容器を密閉した後、ゲージ圧0.01〜2MPaの無機系ガスで任意の時間加圧する。加圧後に無機系ガスを密閉容器内が大気圧になるまでパージし、発泡粒子を取り出して重量を計る。無機系ガス量は次式によって算出する。
無機系ガス量(質量%)=((b−a)/b)×100
a:無機系ガスで加圧前の発泡粒子の重量(g)
b:無機系ガスで加圧後の発泡粒子の重量(g)
【0060】
[発泡粒子の平均粒子径]
発泡粒子約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き26.5mm、22.4mm、19.0mm、16.0mm、13.2mm、11.20mm、9.50mm、8.80mm、6.70mm、5.66mm、4.76mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm、0.180mmのJIS標準篩で5分間分級する。篩網上の試料重量を測定し、その結果から得られた累積重量分布曲線を元にして累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
【0061】
[クラッキング率]
一対の型を完全に閉じた状態の型内体積a(cm
3)と任意のクラッキングを取った型内体積b(cm
3)とから次式によって算出した。
クラッキング率(%)=((b−a)/a)×100
【0062】
[発泡成形体の密度]
成形直後に発泡成形体を温度40℃で12時間乾燥し、乾燥後に温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で72時間状態調節した。状態調節した発泡成形体の質量a(g)を小数点2桁まで測定すると共に、外寸をデジマチックキャリパ(ミツトヨ社製)で1/100mmまで測定して、見掛けの体積b(cm
3)を求めた。発泡成形体の密度を次式により算出した。
発泡成形体密度(g/cm
3)=a/b
【0063】
[発泡成形体の反発弾性率]
JIS K 6400−3:2011に準拠して測定した。反発弾性試験機(FR−2、高分子計器社製)に、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で72時間以上状態調節した、同一の発泡体から切り出した50mm×50mm×厚み20mmの試料を2枚重ねてセットし、500mmの高さ(a)から鋼球(φ5/8インチ、16.3g)を自由落下させて、その反発最高到達時の高さ(b)mmを読み取り、次式により反発弾性率(%)を算出した。ただし、同一試験片を用いて3回測定を行い、これらの平均値を反発弾性率とした。
反発弾性率(%)=((b)/(a))×100
【0064】
実施例1
<樹脂粒子の調製>
ASTM D6400に規定された生分解性を備え、ポリエステルウレタン及びコポリエステルを含有し、次の物性を有するエステル系エラストマーを基材樹脂として使用した。
硬度17D〜40D(ASTM D2240)、密度1.15g/cm
3〜1.26g/cm
3(ASTM D792)、メルトフローレート9g/10min〜18g/10min、融点114℃〜118℃
基材樹脂を二軸押出機に供給し、160℃で溶融混練後、280℃まで昇温させながらさらに溶融混練した。溶融状態の基材樹脂を冷却した後、二軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型(口径1mmのノズルを4穴有する)の各ノズルから樹脂を押出し、20℃〜50℃の水中でカットした。得られた樹脂粒子は円柱形で、粒子の平均長さが1.5mm、平均直径が1.5mmであった。
【0065】
<発泡性粒子の調製>
内容積5Lの撹拌機付オートクレーブに、得られた樹脂粒子2.0kg(100質量部)、蒸留水3L及び界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ水溶液(純分25%品):「ニューレックスR」、油化産業社製)5gを投入し、密閉した後、撹拌状態で発泡剤のブタン(ノルマルブタン:イソブタン=7:3(容量比))15質量部を圧入した。次に、オートクレーブ内を100℃まで昇温させた後、2時間加熱して、25℃まで冷却した。冷却完了後にオートクレーブを除圧し、直ちに蒸留水で界面活性剤を洗浄し、脱水することで発泡性粒子を得た。発泡性粒子における発泡剤の含浸ガス量は3.0質量%であった。
【0066】
<発泡粒子の調製>
得られた発泡性粒子2.0kg(100質量部)に合着防止剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール:「エパン740」、第一工業製薬社製)0.5質量部を塗布した後、内容積50Lの撹拌機付円筒型予備発泡機に投入し、撹拌しながら0.11〜0.15MPaの水蒸気で加熱して発泡(予備発泡)させ、発泡粒子を得た。この発泡粒子の嵩密度は0.14g/cm
3、融点は118℃、平均粒子径は3.0mmであった。
【0067】
<発泡成形体の製造>
発泡粒子を密閉容器(オートクレーブ)内にいれ、この密閉容器内に窒素ガスを0.35MPaで圧入し、常温にて18時間静置して、発泡粒子内に窒素ガスを含浸(内圧付与)させた。窒素ガスの含浸量は0.3質量%であった。
密閉容器から取り出した発泡粒子300gを直ちに凹型の金型と凸型の金型からなる一対の金型を有する成形装置(「DB−7459PP」、DABO社製)の成形用キャビティー(400mm×300mm×厚み20mm)内にクラッキング率30%で充填した。充填完了後、型締めし、水蒸気で加熱成形し、発泡成形体を得た。また、予備発泡時の発泡時間を変動させて発泡粒子の嵩密度を調節すること、および、発泡粒子充填時のクラッキング率を変動させること、により密度の異なる発泡成形体も得た。得られた発泡成形体の密度及び反発弾性率を
図1に示した。
【0068】
比較例1
基材樹脂を、ASTM D6400に規定された生分解性を備えていない、次に示すポリエステル系エラストマーに代えた他は実施例1と同じ手順で密度の異なる発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の密度及び反発弾性率を
図1に示した。
「ペルプレンP−75M」:
東洋紡社製、硬度40D(ASTM D2240)、密度1.17g/cm
3(ASTM D792)、メルトフローレート16g/10min、融点155℃
【0069】
一般に生分解性の発泡成形体は非生分解性の発泡体よりも機械的特性に劣るか同程度と認識されていた。しかし、実施例1の発泡成形体は生分解性でありながら、比較例1の発泡成形体(非生分解性)よりも反発弾性率が高いことが判明した。また、一般に発泡成形体は、その密度が小さくなると反発弾性は強くなる一方、外観又は成形性が低下する傾向となる。したがって、本発明の発泡成形体は、生分解性でありながら、反発弾性力を維持しつつ外観又は成形性の低下を抑制することも可能である。