【実施例】
【0022】
次に、上述した情報処理装置及び情報処理方法について、
図1を参照して以下説明する。
図1は、本発明の情報提供装置を組み込んだナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。同図に示すナビゲーション装置1は、例えば車両に搭載され、利用者により入力された目的地までの経路を案内する装置である。本実施例において、ナビゲーション装置1は、上述したように車両に搭載された例について説明するが、これに限らず、スマートホンやタブレットなどの携帯端末に組み込んでもよい。
【0023】
上記ナビゲーション装置1は、装置全体の制御を司るシステム制御部2と、表示部としての表示装置3と、音声出力装置4と、入力部5と、GPS受信部6と、地図データベース7と、通信部8と、が備えられ、これらがバス9で接続されている。システム制御部2は、例えばRAM(Ramdam Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成される。このシステム制御部2のCPUは、ROMに記録された情報処理用プログラムに従って動作を行う。
【0024】
表示装置3は、例えば車両のインストルメントパネルに設けられており、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)素子等から構成される。
【0025】
音声出力装置4は、例えば、DAC(デジタル/アナログ信号変換器)、アンプ、スピーカ等を備えており、システム制御部2から出力された音声データをDACによりD/A変換した後、アンプにより増幅してスピーカから音波として出力する。
【0026】
入力部5は、例えば操作ボタンや表示装置3の表面に設けたタッチセンサなどから構成され、これら操作ボタンやタッチセンサの操作によって利用者が目的地を入力することができる。
【0027】
GPS受信部6は、公知であるように、GPS衛星群を形成する複数の人工衛星が発射する電波を受信して、このGPS受信部6の現在の位置情報を求め、この現在の位置情報をシステム制御部2に対して出力する。そして、システム制御部2は、入力された位置情報をRAMなどに時系列に記憶させる。なお、位置情報は、GPS受信部6が検出した時点の車両の位置を示す経度、緯度に加えて現在時刻を有している。
【0028】
地図データベース7には、表示装置3に地図を表示するための画像データ(道路や施設等の画像データを含む)及び地図上における各地点の地点情報などを含む地図データが格納されている。システム制御部2は、このGPS受信部6及び地図データベース7から目的地までの経路や到着予想時間を求めて、表示装置3に表示する。
【0029】
通信部8は、例えばブルートゥース(登録商標)モジュールから構成され、スマートホンやタブレットに無線通信により接続されるようになっている。システム制御部2は、スマートホンやタブレット内に格納された利用者のスケジュール情報や、利用者が登録したウェブサイトから受け取ったイベント情報(例えばFacebook(登録商標)などのSNSサイトから送信されるBBQへのお誘い情報など)を取得して、表示装置3に表示する。本実施例において、上記表示装置3に表示されるスケジュール情報やイベント情報には、日時が含まれている。また、食事、コンサートといったスケジュールやイベントの内容及び場所が含まれる場合もある。
【0030】
次に、上述した構成のナビゲーション装置1の動作について
図2〜
図4を参照して説明する。利用者が入力部5を操作して目的地を入力し、案内開始を操作すると、
図2に示すナビゲーション処理を開始する。
【0031】
まず、システム制御部2は、スケジュール取得部、現在時刻取得部、イベント情報取得部として機能し、GPS受信部6から位置情報を取得すると共に、通信部8を介して利用者のスケジュール情報、イベント情報を取得する(ステップS1)。次に、システム制御部2は、地図データベース7に格納された地図データを用いて、GPS受信部6で受信した現在の位置情報から目的地までの経路を検索する(ステップS2)。
【0032】
その後、システム制御部2は、到着予想時刻取得部として機能し、ステップS2で検索した経路での目的地への到着予想時刻を取得(算出)する(ステップS3)。次に、システム制御部2は、ステップS1で取得したスケジュール情報から重要スケジュール情報を取得する(ステップS4)。重要スケジュール情報とは、入力した目的地と関係があるスケジュール情報であり、利用者は、重要スケジュール情報を実行するために目的地を入力している。
【0033】
ステップS4において、システム制御部2は、例えば、スケジュール情報のうち場所及び日時を有するものを抽出し、目的地の所定範囲内にスケジュール情報の場所がある(請求項の所定の関係)ものを重要スケジュール情報とする。所定範囲内にあるスケジュール情報が複数あった場合は、そのうち最も目的地に近いものを重要スケジュール情報とする。
【0034】
システム制御部2は、ステップS4を行った結果、重要スケジュール情報を取得できなかった場合(ステップS5でN)、直ちにステップS9に進む。これに対して、システム制御部2は、ステップS4を行った結果、重要スケジュール情報を取得できた場合(ステップS5でY)、重要スケジュール情報の日時からステップS3で取得した到達予想時刻を差し引いた時間が所定時間(請求項の第1所定時間、第2所定時間)以下か否かを判定する(ステップS6)。システム制御部2は、所定時間以上であり(ステップS6でN)、重要スケジュール情報に間に合うと判断できる場合は、直ちにステップS9に進む。
【0035】
これに対して、システム制御部2は、所定時間以下であり(ステップS6でY)、重要スケジュール情報に間に合わないと判断できる場合は、再検索回数が所定回数をオーバーしていなければ(ステップS7でY)、別の経路を再検索した後(ステップS8)、ステップS3に戻る。システム制御部2は、所定時間以下であっても(ステップS6でY)、再検索回数が所定回数をオーバーしていれば(ステップS7でN)、再検索しないでステップS9に進む。
【0036】
ステップS9において、システム制御部2は、表示制御部として機能し、利用者に選択されたモードに応じた画面を表示装置3に表示する。即ち、システム制御部2は、入力部5の操作によりマップモードが選択されている場合、表示装置3に現在位置周辺の地図を表示して、その地図上に経路や現在位置を示す現在位置マークを表示させる。このマップモードの表示は、周知のナビゲーション装置1の表示と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0037】
これに対して、システム制御部2は、入力部5の操作によりプライベートモードが選択されている場合、
図3及び
図4に示す画面を表示装置3に表示させる。即ち、システム制御部2は、表示装置3に時間軸Zを表示させると共に、時間軸Zに関連付けて、重要スケジュールマークM11、スケジュールマークM12、現在時刻マークM2、到着予想時刻マークM3を、表示させる。
【0038】
上記重要スケジュールマークM11及びスケジュールマークM12は何れも、通信部8を介して取得したスケジュール情報の日時を示すマークであるが、ステップS4で取得した重要スケジュール情報と重要スケジュール情報ではないスケジュール情報とを識別するために、マークが異なっている。即ち、システム制御部2は、目的地とスケジュール情報の場所とが所定の関係(本実施例では目的地の所定範囲内にスケジュール情報の場所がある)を有している場合と、有していない場合とで、スケジュールマークM11、M12の表示形態を異ならせている。
【0039】
現在時刻マークM2は、
図2のステップS1でGPS受信部6から取得した位置情報に含まれる現在時刻を示すマークである。本実施例では、時間軸Zの中央にこの現在時刻マークM2が重畳され、この現在時刻マークM2よりも右側が未来の情報を示し、左側が過去の情報を示すようになっている。到達予想時刻マークM3は、
図2のステップS3で取得した到達予想時刻を示すマークである。
【0040】
また、システム制御部2は、時間軸Zの現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間と、時間軸Z上のその他の区間と、を異なる表示形態で表示させている。本実施例においては、
図3及び
図4に示すように、時間軸Zにおいて、現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間を太線で、かつ、緑色や赤色とし、その他の区間を細線で白色にするなど、太さ及び色を異ならせている。
【0041】
また、システム制御部2は、重要スケジュール情報の日時から到着予想時刻を差し引いた時間が所定時間より長い場合(ステップS6でNと判定されてステップS9に進んだ場合)と、所定時間以下の場合(ステップS7でYと判定されてステップS9に進んだ場合)と、で時間軸Zの現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間の表示形態を異ならせている。本実施例においては、
図3に示すように、所定時間より長い場合、重要スケジュール情報まで余裕があると判断でき、時間軸Zにおいて現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3を例えば緑色に表示している。また、
図4に示すように、所定時間以下である場合、重要スケジュール情報まで余裕がないと判断でき、時間軸Zにおいて現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3を例えば赤色に表示する。
【0042】
また、システム制御部2は、表示装置3に時間軸Zと直交する方向に並べた複数の領域A1〜A3を設け、領域A1と領域A2との境界を示すレイヤー画像R1、領域A2と領域A3との境界を示すレイヤー画像R2を表示させる。なお、
図3及び
図4に示す実施例では、領域A1〜A3が3次元的に設けられるように面積を持ったレイヤー画像R1、R2を表示していたが、例えばレイヤー画像R1、R2を時間軸Zに平行な直線として、領域A1〜A3を2次元的に設けてもよい。
【0043】
また、本実施例では、一番下の領域A1に上記時間軸ZとマークM11、M12、M2及びM3とを表示している。領域A2、A3にはステップS1で取得したイベント情報を示すイベントウインドウWを表示させている。即ち、システム制御部2は、表示装置3においてマークM11、M12、M2及びM3の表示位置よりも時間軸Zから離れた領域に、イベントウインドウWを表示させている。なお、イベント情報としては、例えば送信されたウェブサイト別に分類して、各領域A2、A3に表示させる。具体的には、Facebookからのイベント情報は領域A3に表示させ、CityDiscovery(登録商標)からのイベント情報は領域A2に表示させる。また、イベント情報にも日時が含まれ、このイベントウインドウWも時間軸Zに関連付けた位置に表示させる。
【0044】
なお、
図3及び
図4に示す画面は一例であり、例えば、
図5及び
図6のような画面を表示してもよい。以下、この
図5及び
図6に示す画面について説明するが、同図において、上述した
図3及び
図4について説明した画面上に表示されたものと同一の意味を有する部分には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。同図に示す例においても、システム制御部2は、表示装置3に時間軸Zを表示させると共に、時間軸Zに関連付けて、重要スケジュールマークM11、スケジュールマークM12、現在時刻マークM2、到着予想時刻マークM3を、表示させる。これら時間軸Z、重要スケジュールマークM11、スケジュールマークM12、現在時刻マークM2、到着予想時刻マークM3の意味するところは、
図3及び
図4で説明した実施例と同様であるが、表示形態が異なっている。
【0045】
図3及び
図4に示す例では、時間軸Zは単に直線で表していたが、
図5及び
図6に示す例では、時間軸Zは帯状のラインL1を含み、その内部に時間を表す数字が書き込まれている。また、
図3及び
図4に示す例では、スケジュールマークM11及びM12は、その形状や大きさや色を変えることにより表示形態を異ならせていたが、
図5及び
図6に示す例では、何れも旗の絵で表され、旗の色を変えることにより表示形態を異ならせている。また、この旗の中に、そのスケジュールマークM11及びM12の内容と日時が書き込まれている。現在時刻マークM2は、同じである。到着予想時刻マークM3は、マークM11及びM12よりも小さい旗の絵で表されている。
【0046】
また、
図5及び
図6に示す例では、時間軸Zの現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間においては、上述した帯状のラインL1に加えて、その上に直線状のラインL2を表示させ、その他の区間を帯状のラインL1のみとしている。これにより、時間軸Zにおいて、現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間と、その他の区間との表示形態を異ならせている。また、
図5に示すように、重要スケジュール情報の日時から到着予想時刻を差し引いた時間が所定時間より長い場合は、このラインL1を緑色に表示し、
図6に示すように、所定時間以下である場合は、このラインL1を赤色に表示することにより、所定時間以下か否かで現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間の表示形態を異ならせている。
【0047】
また、
図5及び
図6に示す例において、システム制御部2は、表示装置3に時間軸Zを境界とした領域A4及びA5を設けている。そして、領域A4に上記マークM11、M12、M2及びM3を表示させ、領域A5に上述したイベントウインドウWが表示させている。
【0048】
さらに、システム制御部2は、表示装置3の画面上を左右にフリックするなど所定の操作に応じて、時間軸Zを軸方向に動かして、それに伴って各マークM11、M12、M2、M3やウインドウWを軸方向に動かすようにしてもよい。この場合、システム制御部2は、基準ラインL3を表示させている。基準ラインL3は、時間軸Zに直交する例えば赤い直線で表され、時間軸Zが動いても動かないで固定されている。即ち、表示装置3には、基準ラインL3で示す時刻を基準時刻として、基準時刻から例えば21時間後までのスケジュールと、基準時刻から例えば6時間前のスケジュールが確認できるようになっている。
【0049】
図5及び
図6では、基準時刻として現在時刻の「9:00」が選択されている例を示しており、「9:00」から21時間後までのスケジュールと、「9:00」から6時間前のスケジュールが確認できるようになっている。そして、フリック操作により、時間軸Zを例えば左に動かして基準時刻として3時間前の「6:00」が選択されれば、「6:00」から21時間後までのスケジュールと、「6:00」から6時間前までのスケジュールが確認できる。
【0050】
なお、この時間軸Zの移動と、基準ラインL3の表示は、
図3及び
図4に示す表示例でも適用することができる。
【0051】
表示制御処理において、システム制御部2は、逐次、現在時刻、到着予想時刻の取得を繰り返し、表示を更新する。
【0052】
また、表示制御処理において、システム制御部2は、例えば表示したイベントウインドウWがタッチされ、入用者によりイベント情報が選択されると、そのイベント情報をスケジュール情報とし、スケジュールマークM11、M12に変更して表示する。
【0053】
上述した実施例によれば、システム制御部2が、表示装置3に時間軸Zを表示させると共に、時間軸Zに関連付けて、スケジュールマークM11、M12と、現在時刻マークM2と、到着予想時刻マークM3と、を表示させる。また、システム制御部2が、目的地とスケジュール情報の場所とが所定の関係を有している場合と、有していない場合と、でスケジュールマークM11、M12を異ならせる。これにより、現在時刻マークM2と、目的地への到着予想時刻マークM3と、その目的地と所定の関係を有している重要スケジュールマークM11と、を時間軸Zに関連付けて表示することができ、目的地に関連する重要スケジュール情報に間に合うか、どれくらい遅刻するのか、どれくらい余裕があるのか一目で把握することができる。
【0054】
また、上述した実施例によれば、システム制御部2は、時間軸Z上の現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間と、時間軸Z上のその他の区間と、を異なる表示形態で表示させている。これにより、目的地に関連するスケジュール情報に間に合うか、どれくらい遅刻するのか、どれくらい余裕があるのかより把握しやすくなる。
【0055】
また、上述した実施例によれば、システム制御部2は、表示装置3においてスケジュールマークM11、M12、現在時刻マークM2及び到着予想時刻マークM3の表示位置よりも時間軸Zから離れた領域に、イベントウインドウWを表示させている。これにより、イベント情報を知ることができる。しかも、イベント情報とスケジュール情報との識別が付き易い。
【0056】
また、上述した実施例によれば、システム制御部2が、表示装置3に表示されたイベント情報の利用者による選択を受け付け、選択されたイベント情報をスケジュール情報として表示させるようにしてもよい。これにより、選択するだけで、表示されているイベント情報を簡単にスケジュール情報に変更することができる。
【0057】
また、上述した実施例によれば、システム制御部2は、目的地と所定の関係がある場所のスケジュール情報に含まれる日時から到着予想時刻を差し引いた時間が所定時間以下又は以上かを判定し、判定に応じて時間軸Z上の現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間の表示形態を異ならせている。これにより、スケジュール情報に間に合いそうなのか、遅刻しそうなのかを一目で判断できる。
【0058】
また、上述した実施例によれば、システム制御部2は、重要スケジュール情報に含まれる日時から到着予想時刻を差し引いた時間が所定時間以下であれば、別の経路を検索するようにしている。これにより、スケジュールに間に合う経路を検索することができる。
【0059】
なお、上述した実施例によれば、時間軸Z上の現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間と、時間軸Z上のその他の区間と、を異なる表示形態で表示させていたが、これに限ったものではない。同様に、システム制御部2は、時間軸Z上の到着予想時刻マークM3から重要スケジュールマークM11までの区間と、時間軸Z上のその他の区間と、を異なる表示形態で表示させるようにしてもよい。
【0060】
また、上述した実施例によれば、領域A1以外の領域A2及びA3にイベント情報を表示させていたが、これに限ったものではない。例えば、通信部8を介して利用者の携帯端末からその携帯端末で撮った写真を取得できる場合、その写真を領域A2及びA3に表示させてもよい。写真には、撮影時刻も含まれるので、写真も時間軸Zと関連付けて表示できる。
【0061】
また、上述した実施例によれば、時間軸Zにおいて、現在時刻マークM2から到着予想時刻マークM3までの区間と、その他の区間と、の太さ及び色を異ならせていたが、これに限ったものではない。本発明では、両区間の表示形態が異なっていればよく、例えば、太さだけが異なっていたり、色だけが異なっていてもよい。
【0062】
また、上述した実施例によれば、時間軸Zは左右方向に沿うように表示されていたが、これに限らず、上下方向に沿って表示するようにしてもよい。
【0063】
また、上述した実施例によれば、第1、第2所定時間は同じ時間に設定していたが、これに限ったものではなく、異なる時間に設定するようにしてもよい。
【0064】
また、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。