特開2020-166022(P2020-166022A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020166022-吸音装置及び防音塀 図000003
  • 特開2020166022-吸音装置及び防音塀 図000004
  • 特開2020166022-吸音装置及び防音塀 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-166022(P2020-166022A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】吸音装置及び防音塀
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/162 20060101AFI20200911BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20200911BHJP
   G10K 11/172 20060101ALI20200911BHJP
【FI】
   G10K11/162
   G10K11/16 140
   G10K11/172
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-63590(P2019-63590)
(22)【出願日】2019年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】宮瀬 文裕
(72)【発明者】
【氏名】宇野 昌利
(72)【発明者】
【氏名】石塚 崇
(72)【発明者】
【氏名】谷川 将規
(72)【発明者】
【氏名】高橋 豊
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061AA23
5D061CC01
5D061FF01
(57)【要約】
【課題】より容易で簡便に、且つ低コストで設置でき、効果的に騒音を低減可能な吸音装置及びこれを備えた防音塀を提供する。
【解決手段】所定の長さに形成された複数の音響管2aを一体に設けてなる吸音装置2において、音響管2aが紙を用いて形成され、且つ、低減対象の音波に応じて長さ及び/又は厚さが異なる複数種の音響管2aを一体に貼り付けて構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さに形成された複数の音響管を一体に設けてなる吸音装置において、
前記音響管が紙を用いて形成され、
且つ、低減対象の音波に応じて長さ及び/又は厚さが異なる複数種の前記音響管を一体に貼り付けて構成されていることを特徴とする吸音装置。
【請求項2】
請求項1記載の吸音装置を備えることを特徴とする防音塀。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸音装置及びこれを備えた防音塀に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場などでは、作業エリアの外周、敷地境界などに防音塀(防音壁)を設け、建設機械等による作業時の騒音が外部に拡散することを防ぐ対策が多用されている。
【0003】
また、防音塀には、その頂部や内部に、例えば発生騒音の周波数の1/4の長さの音響管の集合体である吸音装置(音響装置、消音装置)を設け、音響管による干渉効果や音の回折減衰効果で防音塀の高さを大きくした場合に相当する騒音低減効果が得られるように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−232357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上記従来の防音塀に具備される吸音装置においては、騒音源の周波数分布に合わせた最適な長さの音響管を組み合わせて構成することがコスト的に難しい。すなわち、建設現場、作業工程、使用する機器などによって発生する周波数帯が異なる場合に対してより効果的に騒音を低減できるように構成することが難しく、また、構成できたとしても複数の音響管の集合体である吸音装置自体が非常に高コストになってしまい、やはり適用が難しいという問題があった。
【0006】
また、吸音装置(音響管)は、既存の管材料を使用して製作されるため、それ自体が高価で、且つ大重量である。このため、現状では、住宅や商業地が隣接する場合など、騒音対策が非常に重要視されてこの騒音対策が本設として必要な場合に適用が限定されている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、より容易で簡便に、且つ低コストで設置でき、効果的に騒音を低減可能な吸音装置及びこれを備えた防音塀を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0009】
本発明に係る吸音装置は、所定の長さに形成された複数の音響管を一体に設けてなる吸音装置において、前記音響管が紙を用いて形成され、且つ、低減対象の音波に応じて長さ及び/又は厚さが異なる複数種の前記音響管を一体に貼り付けて構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る防音塀は、上記の吸音装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の吸音装置(及び防音塀)においては、騒音低減効果が高く、安価で軽量な仮設用の吸音装置を実現することができる。また、使用後は、再利用可能であり、環境にやさしく、廃棄費用も不要にすることができる。
【0012】
よって、本発明の吸音装置(及びこれを備えた防音塀)によれば、従来と比較し、より容易で簡便に、且つ低コストで設置でき、効果的に騒音を低減可能な吸音装置、防音塀を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る吸音装置及び防音塀の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る吸音装置の紙製の管の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る吸音装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態に係る吸音装置及びこれを備えた防音塀について説明する。
【0015】
ここで、本実施形態は、例えば、図1に示すように、建設現場の作業エリアの外周、敷地境界などに設置される防音塀(防音壁)1に取り付けて、騒音が外部に伝播/拡散することを抑止するための吸音装置2及び防音塀1に関するものである。なお、本発明は、勿論、建設作業現場にかかわらず、あらゆる騒音の低減が必要な箇所に適用可能である。
【0016】
本実施形態の吸音装置2は、図1から図3に示すように、所定の長さを備えた複数の音響管2aを一体にして形成されている。さらに、複数の音響管2aが紙を用いて形成されており、仮設用の吸音装置2とされている。
【0017】
より具体的に、本実施形態の吸音装置2は、紙を用い、例えば上端と下端が開口した矩形盤箱状(角筒状)に形成した複数の紙製の管(音響管)2aを組み合わせて形成されている。各紙製の管2aは、上端、下端の開口部から内部に音波が入射するとともに、紙製の管2aによる干渉効果や音の回折減衰効果で優れた騒音低減効果(吸音効果)を発揮する。
【0018】
また、複数の紙製の管2aはそれぞれ、その長さ(高さ)や厚さが500Hz、1kHz、2kHzなど、減衰対象の音波の周波数に応じて設定されている。すなわち、本実施形態の吸音装置2は、長さや厚さが異なる複数種の紙製の管2aを一体に組み合わせた集合体として構成されている。
【0019】
本実施形態の吸音装置2においては、最適な長さや厚さで形成された紙製の管2aの表面、背面同士をマジックテープ(登録商標)、磁石テープ、接着剤などを用いて一体に貼り付けて複数の紙製の管2aを一体にし、さらに、マジックテープ、磁石テープなどを用いて防音塀1の所定位置に貼り付けて設置される。
【0020】
すなわち、本実施形態の吸音装置2は、騒音の周波数分に合わせ、紙製の管2aを自由に組み合わせて使用(例えば500Hz用1本、1kHz用3本、2kHz用2本、4kHz用1本など)し、騒音低減効果を高めるように構成されている。
【0021】
なお、各紙製の管2aは、板紙、段ボール用紙などの紙を用いた管であればよい。例えば、管状となるように板紙あるいは段ボール用紙を折り曲げ、接合して形成してもよいが、帯状の紙をコア芯に巻き付けた後、コア芯を取り除いて形成される紙管は強度が優れるので好ましい。紙管は、2層以上の紙を巻き付けて形成するが、使用する紙に耐水化材、撥水材、紙力増強剤を含有させることで耐水性を高めることもできる。また、最外層としてラミネート紙を用いると、耐久性、耐水性に優れるので好ましい。
【0022】
また、紙製の管2aは、その大きさ、形状(四角形、三角形、円形)を限定する必要はなく、自由であり、設置場所に適した仕様とすればよい。
【0023】
したがって、上記構成からなる本実施形態の吸音装置2(及び防音塀1)においては、騒音低減効果が高く、安価で軽量な仮設用の音響管2aを、紙を用いて容易に製作することが可能になる。
【0024】
また、紙製で軽量なため、仮設防音塀(万能鋼板など)の頂部などへの設置作業の労力を大幅に低減することが可能になる(設置作業の効率を大幅に向上させることが可能になる)。
【0025】
さらに、使用後は、再利用可能であり、環境にやさしく、廃棄費用も不要にできる。
【0026】
以上、本発明に係る吸音装置及び防音塀の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 防音塀
2 吸音装置
2a 音響管(紙製の管)
図1
図2
図3