【解決手段】ホログラム表示装置を作製する方法は、赤緑青色の原版CGHが記録された第1〜3の金属膜を用意するステップと、赤緑青色の再生照明光源からの赤緑青色の再生照明光を、第1〜3の金属膜に照明して、赤緑青色の原版CGHの赤緑青色の再生光を再生するステップと、赤緑青色の再生光を赤緑青色の物体光とし、赤緑青色の再生照明光を赤緑青色の参照光として、第1〜3の記録材料に赤緑青色の体積型ホログラムを記録することにより、赤緑青色の原版CGHを転写するステップと、並びに、第1〜3の記録材料を重ね合わせるステップとを含む。
赤色の原版CGH(計算機合成ホログラム)が記録された第1の金属膜と、緑色の原版CGHが記録された第2の金属膜と、及び、青色の原版CGHが記録された第3の金属膜とを用意するステップと、
赤色の再生照明光源からの赤色の再生照明光を、前記第1の金属膜に照明して、赤色の原版CGHの赤色の再生光を再生するステップと、
前記赤色の再生光を赤色の物体光とし、前記赤色の再生照明光を赤色の参照光として、第1の記録材料に赤色の体積型ホログラムを記録することにより、前記赤色の原版CGHを転写するステップと、
緑色の再生照明光源からの緑色の再生照明光を、前記第2の金属膜に照明して、緑色の原版CGHの緑色の再生光を再生するステップと、
前記緑色の再生光を緑色の物体光とし、前記緑色の再生照明光を緑色の参照光として、第2の記録材料に緑色の体積型ホログラムを記録することにより、前記緑色の原版CGHを転写するステップと、
青色の再生照明光源からの青色の再生照明光を、前記第3の金属膜に照明して、青色の原版CGHの青色の再生光を再生するステップと、
前記青色の再生光を青色の物体光とし、前記青色の再生照明光を青色の参照光として、第3の記録材料に青色の体積型ホログラムを記録することにより、前記青色の原版CGHを転写するステップと、並びに、
前記第1の記録材料と、前記第2の記録材料と、及び、前記第3の記録材料とを重ね合わせるステップと
を含む、ホログラム表示装置を作製する方法。
赤色の原版CGH(計算機合成ホログラム)が記録された第1の金属膜と、緑色の原版CGHが記録された第2の金属膜と、及び、青色の原版CGHが記録された第3の金属膜とを用意するステップと、
赤色の再生照明光源からの赤色の再生照明光を、前記第1の金属膜に照明して、赤色の原版CGHの赤色の再生光を再生するステップと、
前記赤色の再生光を物体光とし、前記赤色の再生照明光を参照光として、記録材料に赤色の体積型ホログラムを記録することにより、前記赤色の原版CGHを転写するステップと、
緑色の再生照明光源からの緑色の再生照明光を、前記第2の金属膜に照明して、緑色の原版CGHの緑色の再生光を再生するステップと、
前記緑色の再生光を物体光とし、前記緑色の再生照明光を参照光として、前記記録材料に緑色の体積型ホログラムを重ねて記録することにより、前記緑色の原版CGHを転写するステップと、
青色の再生照明光源からの青色の再生照明光を、前記第3の金属膜に照明して、青色の原版CGHの青色の再生光を再生するステップと、
前記青色の再生光を物体光とし、前記青色の再生照明光を参照光として、前記記録材料に青色の体積型ホログラムを重ねて記録することにより、前記青色の原版CGHを転写するステップと
を含む、ホログラム表示装置を作製する方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態を説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
1.ホログラム表示装置の構成
図2は、本発明の第1の実施形態に係るホログラム表示装置の構成を模式的に示す図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るホログラム表示装置の作製方法を示す図である。
【0016】
1.1.カラーフィルタ方式の構成
図2に示すホログラム表示装置は、カラーフィルタ4を用いて、単板の干渉縞層2によりフルカラー計算機合成ホログラム(CGH)を表示するものである。第1の実施形態に係るカラーフィルタ方式のフルカラー計算機合成ホログラム表示装置の作製では、まず、単板の干渉縞層2を空間的にRGBブロック(2r、2g、2b)に分割して各色の干渉縞を描画する。後で説明するように干渉縞は金属層8に形成される。続いて、干渉縞が形成された金属膜に対してそれらRGBブロックの各々に対応した色のカラーフィルタ(4r、4g、4b)を貼り合わせて並置する。第1の実施形態に係るカラーフィルタ方式のフルカラー計算機合成ホログラム表示装置は、並置された干渉縞層2及びカラーフィルタ4に対して、参照光である白色光を照射することでフルカラー再生を行う。この白色光は白色光源(参照光源)100から照射される。カラーフィルタ4を通過した(若しくは通過する)各色の再生照明光が、対応したブロックをそれぞれ照明することで各色の像が再生される。一般にホログラムは干渉縞の一部からでも再生できる特性を持つため、各色の像が合成されることによりカラー再生が可能になる。
【0017】
なお、高精度のカラーフィルタ4は様々な方法により作成することができる。例えば、画像データを3原色レーザを用いてリバーサルフィルムに直接描画するディジタル銀塩レーザープリント技術によって作成することができる。この方法により、様々なカラーフィルタパターンを手軽に且つ精度高く作成できる。
【0018】
1.2.白色光源の構成
最初に、参照光として白色光を照射する白色光源100について、説明する。白色光源100におけるRGBの各照明光は、狭帯域であることが望ましい。というのは、帯域が広いと各色において夫々色収差が発生することにより、像(ホログラフィ)がぼけてしまうからである。一般にカラーフィルタは、広帯域であり波長選択性が低い。それ故に、光源はできればレーザ(即ち、単色光)であることが望ましい。しかしながら、レーザは、展示・鑑賞の際に用いることは望ましくない。従って、本実施形態に係るホログラム表示装置では、マルチチップカラーLED光源(擬似白色光源)を用いることにより、各照明光の狭帯域化を実現する。なお、
図3(a)は、カラーフィルタを2回透過した蛍光体型白色LEDのスペクトル特性の例を示し、
図3(b)は、カラーフィルタを2回透過したマルチチップカラーLEDのスペクトル特性の例を示す。
図3(a)(b)から、蛍光体型白色LEDよりもマルチチップフルカラーLEDの方が、各色の波長帯域が狭いことが確認できる。なお、マルチチップフルカラーLEDではRGBの3つのLEDチップが1つのパッケージに封入されている。マルチチップフルカラーLEDの仕様の一例として、ビュー角116deg、輝度970−1940mcd(同時点灯)がある。
【0019】
1.3.干渉縞とカラーフィルタとの密着性を伴う構成
次に、カラーフィルタ4と干渉縞層2との位置関係について説明する。従来、単色の反射型のCGHの場合、
図4(a)に示すように、ガラス基板10の入光面の背面にて、干渉縞が形成される高反射率膜2(Cr膜など)、及びガラス基板及び干渉縞層を保護する低反射率膜14(CrO膜など)が配置されている。この
図4(a)に示す構成に対してカラーフィルタ4を貼り付けるには、
図4(b)に示すように、ガラス基板10正面に装着する必要がある。しかしながら、カラーフィルタ4と反射率膜2との間に生じるギャップによって、特にRGBセグメントの境界付近にて誤差が生じてしまう。このことからも、従来、カラーフィルタによるCGHのフルカラー再生は困難である、とされてきた。
【0020】
以上のことを踏まえて、本実施形態に係るホログラム表示装置では、
図4(c)に示すように、従来使用していなかった、ガラス基板10の背面側のCr膜(高反射率膜2)面にカラーフィルタ4を密着して装着する。このとき、保護膜(低反射率膜)は除去されてもよいし膜厚が減少されてもよい。
【0021】
1.4.カラーフィルタにおける画素ブロック構成
次に、画素ブロック単位の(カラー)フィルタリングについて説明する。カラーフィルタ4を高反射率膜(Cr膜)面の干渉縞層2に装着する際、干渉縞1ピクセル(画素)に対して1色のカラーフィルタを適用することは不可能である。これは干渉縞のピクセルピッチが0.8〜1.0μmと非常に微細であるのに対して、カラーフィルタではミクロンオーダのパターンを作成できないためである。従って、
図5に示すように、干渉縞16の画素(ピクセル)ブロック(2r、2g、2b)ごとにカラーフィルタの(RGB)セグメント(4r、4g、4b)を適用する。
【0022】
1.5.干渉縞の形成について
なお、本実施形態に係るホログラム表示装置では、干渉縞はレーザ描画装置又は電子線描画装置を用いたリソグラフィにより金属膜の層に形成される。
図6は、リソグラフィによる描画方法の概要を示す図である。ガラス基板10上にはCr膜8’及びレジスト層6が積層されている(
図6(a)参照)。まず、
図6(a)に示すように、レーザ照射または電子線照射12によりレジスト層6を露光する。次に、
図6(b)に示すように、感光した部分のレジスト層6を除去する。次に、
図6(c)に示すように、露出したCr膜8をエッチングし、最後に
図6(d)に示すように残ったレジスト層6を除去する。なお、干渉縞を形成する層はCr膜8’などの金属膜8に限定されるものではなく、また、干渉縞の形成方法はリソグラフィに限定されるものでもない。微細な模様を施す加工が可能であり施された模様のコントラストが高いような部材に、干渉縞が形成されてもよい。
【0023】
1.6.ホログラム表示装置の作製方法
本実施形態に係るホログラム表示装置の作製方法を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るホログラム表示装置の作製方法を示す図である。先ず、RGBの各LEDの(発光)スペクトルデータデータ(及びカラーフィルタの透過率スペクトルデータ)(104)を入力データとして、RGBの各CGH(計算機合成ホログラム;Computer−Generated Hologram)の設計波長を最適化する演算をコンピュータにより行う(ステップS02)。このとき、RGBの各LEDの色に関するデータ、例えば、色相や明度に関するデータ(106)も入力された上で、RGBの各CGHの設計波長を最適化する演算が行われる(ステップS02)のが好ましい。
【0024】
次に、最適化された、RGBの各CGHにおける設計波長のデータ(ステップS02参照)と、3次元のシーンのモデルデータ(102)とを入力データとして、RGBの夫々について、CGH干渉縞をまず、コンピュータにより計算し(ステップS04、ステップS06、及び、ステップS08)、RGBの夫々についてのCGH干渉縞パターンデータを生成する。
【0025】
即ち、ステップS02〜S08では、各原色参照光に対する計算機合成ホログラムにおける干渉縞データの計算を行って、RGBの夫々についてのCGH干渉縞パターンデータを生成している(ステップS09)。RGBの夫々についてのCGH干渉縞パターンデータが適切に生成されるのであれば、各原色参照光に対する計算機合成ホログラムにおける干渉縞データの計算は、ステップS02〜S08とは異なるものであってもよい。
【0026】
なお、一般にカラーフィルタは作成精度が高くない。また、前にも説明したように、高反射率膜(Cr膜)面の干渉縞の物理解像度(1μm以下、25000dpi以上)に比べて、カラーフィルタの解像度は一桁以上低い。これらのことを踏まえて、カラーフィルタの位置誤差情報(データ)(108)がコンピュータに入力される。カラーフィルタの位置誤差情報(データ)(108)に基づいて、コンピュータは、カラーフィルタパターン、例えばストライプおよびガードギャップによる干渉縞の位置補正のデータを生成する(ステップS10)。なお、「ストライプ」と「ガードギャップ」については、後で説明する。
【0027】
計算して生成されたRGBの夫々についてのCGH干渉縞パターン(ステップS04、S06、S08参照)データ、及び、ストライプおよびガードギャップによる干渉縞の位置補正のデータを入力して、コンピュータは、高反射率膜(Cr膜)に実際に形成する干渉縞パターンの合成後のデータを生成し出力する(ステップS12)。
【0028】
以上の、S02〜S12までのステップは、入力データに基づいてコンピュータが行うものである。
【0029】
更に
図6に示すように、リソグラフィ装置により、金属の高反射率膜(Cr膜)8に干渉縞層2を形成する(ステップS14)。干渉縞層2が形成された高反射率膜(Cr膜)8は、カラーフィルタ4と貼り合わされる(
図5、
図4参照)。
【0030】
以上により、フルカラーCGHのためのホログラム表示装置(110)が作製される。
【0031】
1.7.干渉縞の境界におけるガードギャップの構成
次に、干渉縞内に作製するガードギャップについて説明する。原理上、高反射率膜(Cr膜)面上にカラーフィルタを正確に装着すれば、ホログラム表示装置によるフルカラー再生が可能である。しかしながら、実際には、
図7(a)のように誤差が生じること無く干渉縞層2が形成された高反射率膜(Cr膜)8とカラーフィルタ4とを貼り合わせることは、不可能であり、
図7(b)に示すように、干渉縞層2とカラーフィルタ4との位置がずれてしまう。
図7(b)では、カラーフィルタ4が干渉縞層2に対して、紙面の下方にわずかにずれている。このように干渉縞層2とカラーフィルタ4との位置にずれがあるとき、誤差部分には干渉縞の計算時(更には、記録時)と異なる波長の照明光が照射されることで色収差が生じてしまい、再生像が劣化する。
【0032】
例えば、
図7(b)の上から一番目の矢印で示される照明光は、青色(B)の波長を持つ照明光であるから、青色(B)のための干渉縞で反射されなければならない。ところが、カラーフィルタ4と干渉縞層2とが
図7(b)のようにずれて貼り合わされていると、
図7(b)の一番上の矢印で示される照明光は、赤色(R)のための干渉縞で反射されてしまっている。ここで色収差が生じ、これにより再生像が劣化する。
図7(b)の上から二番目〜六番目の矢印で示される照明光についても同様である。
【0033】
このような再生像の劣化に対処するために、本実施形態では、
図8(b)に示すように、各色の干渉縞ブロックの境界に隙間18を設けて誤差に対する許容量を与えている。この隙間18のことを以下、ガードギャップ(Guard Gap)と称する(なお、
図8(a)は、ガードギャップを設けていない干渉縞層2を示す図である。)。色収差が生じていた
図7(b)に示すホログラム表示装置に対してガードギャップ18を設けると、
図9(a)に示すような構造の干渉縞になる。この干渉縞は、色収差の原因となっていた記録時と異なる波長の照明光を透過させてしまうので、これら照明光は再生光に影響を与えなくなる。
【0034】
例えば、
図9(a)の上から一番目の矢印で示される青色(B)波長の照明光は、ガードギャップ18が無ければ、
図7(b)の上から一番目の矢印で示される照明光のように赤色(R)のための干渉縞で反射されてしまうことになる。
図9(b)に示すようにここにガードギャップ18が設けられているからこそ、この青色(B)波長の照明光はガラス基板10に透過するのであり、このことにより、この青色(B)波長の照明光は色収差を生じなくなる(再生光に影響を与えなくなる)。
【0035】
なお、ここで
図9(a)に示す構成は、反射型ホログラム表示装置として利用されるものであり、境界領域(ガードギャップ)の光を透過することで色収差を発生しないようにしている。一方、
図9(b)に示す構成は、透過型ホログラム表示装置として利用されるものであり、境界領域(ガードギャップ)の光を遮断する(透過しない)ことで色収差を発生しないようにしている。例えば、
図9(b)の上から一番目の矢印で示される青色(B)波長の照明光は、ガードギャップ18が無ければ、赤色(R)のための干渉縞を通過した上で
図7(b)の上から一番目の矢印で示される照明光のように青色(B)のためのカラーフィルタ4bを通過することになる。
図9(b)に示すようにここにガードギャップ18が設けられているからこそ、この青色(B)波長の照明光はガラス基板10端で遮断されるのであり、このことにより、この青色(B)波長の照明光は色収差を生じなくなる(再生光に影響を与えなくなる)。
【0036】
このように、反射型ホログラム表示装置と透過型ホログラム表示装置は、ガードギャップの役割が異なるので、用途に応じて設計をする必要がある。
【0037】
また、ガードギャップ幅があまりに広いと再生像が劣化することについても、発明者は知見を得ている。シミュレーションと光学再生を繰り返した結果、発明者は、ストライプ幅については100μmが、ガードギャップ幅については50μmが、最適値であると判断している(ストライプについては後で説明する)。
【0038】
1.8.カラーフィルタにおける複数のセグメントの構成
次に、カラーフィルタにおける複数のセグメントの構成例について説明する。
図5に示すように、干渉縞16の画素ブロック(2r、2g、2b)ごとに、カラーフィルタ4の(RGB)セグメント(4r、4g、4b)が適用される。即ち、本実施形態に係るカラーフィルタ4は、複数のセグメントにより構成される。また、一つのセグメントに隣接するセグメントは、その(一つの)セグメントとは異なるものである。
【0039】
図2、
図5、及び
図8に示すカラーフィルタ4は、複数のセグメントは鉛直ストライプを形成しているが、複数のセグメントの構成はこれに限定されるものでは無い。例えば、
図10に示すように、複数のセグメントが水平ストライプを形成してもよい。水平ストライプの形成時には垂直方向のみの誤差を考慮すればよいので、セグメント同士の位置合わせが容易である、というメリットがある。更に、そもそも立体画像では水平方向の視差が重要である。つまり、水平方向の視差において誤りが極力生じないことが望ましいため、カラーフィルタを用いるホログラム表示装置においては、セグメントの形成するストライプが鉛直ではなく水平である方が、再生像が綺麗に見えると言える。
【0040】
更に、カラーフィルタの複数のセグメントの構成は、鉛直ストライプと水平ストライプ以外のものであってもよい。図示していないが、デルタを構成するものでもよい。
【0041】
[第2の実施形態]
2.ホログラム表示装置のその他の構成
本発明に係るホログラム表示装置は、第1の実施形態のものに限定されず、様々な変更や修正を取り入れることができる。以下では、特に、反射型ホログラム表示装置のその他の構成の例を説明する。なお、以下の反射型ホログラム表示装置のその他の構成は、第1の実施形態に係る反射型ホログラム表示装置と基本的に同一のものであり、両者の差異を中心に説明する。
【0042】
一般的に、カラーフィルタを伴うフルカラー計算機合成ホログラム表示装置のうち反射型のものは、像があまり明るくないという問題点を有することが多い。カラーフィルタの製作誤差が必ずしも小さくないこと、反射型ホログラムでは透過率があまり高くないカラーフィルタを光が少なくとも二重に透過すること、等がその原因として挙げられている。
【0043】
上述の問題点の解決策の一つとして位相変調の利用が挙げられる。
図11(b−1)及び(b−2)は、位相変調の考え方を利用した反射型ホログラム表示装置の模式図である。これに対して、
図11(a−1)及び(a−2)は、光の振幅変調を利用した反射型ホログラム表示装置の模式図である。
【0044】
図11(a−1)は、光の振幅変調を利用した反射型ホログラム表示装置における、不透明干渉縞を模式的に示す図である。光の振幅変調を利用した反射型ホログラム表示装置においては、不透明干渉縞の製作は比較的容易であるが、光の利用効率が低く像が暗くなる、という問題点を含む。一方、
図11(b−1)は、光の位相変調を利用した反射型ホログラム表示装置における、透明干渉縞を模式的に示す図である。光の位相変調を利用した反射型ホログラム表示装置においては、光の利用効率が高くなり像は明るくなる。
【0045】
図11(a−2)は、光の振幅変調を利用した反射型ホログラム表示装置の横断面を模式的に示す図である。
図11(b−2)は、光の位相変調を利用した反射型ホログラム表示装置の横断面を模式的に示す図である。
図11(a−2)に示す反射型ホログラム表示装置は、既に説明したように、ガラス基板10、干渉縞層2、及びカラーフィルタ4が積層されて構成されている。ここで干渉縞層2は金属層により構成される。
【0046】
これに対して
図11(b−2)に示す反射型ホログラム表示装置は、ガラス基板10、金属膜32、フォトレジスト層22及びカラーフィルタ4が積層されて構成されている。ここでフォトレジスト層22が干渉縞を構成する。透明のフォトレジスト層22が干渉縞を構成していることから、光の利用効率が高くなり像は明るくなる。
【0047】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、転写により生成される体積型ホログラムを利用する。つまり、第3の実施形態は、体積型ホログラムの原理、特に、デニシューク型の体積型ホログラムの原理を利用する。
【0048】
3.1.薄いホログラム及び厚いホログラム、並びに、体積型ホログラム(厚いホログラム)の利点
図12及び
図13を用いて、薄いホログラム及び厚いホログラム、並びに、体積型ホログラムの利点について説明する。
【0049】
3.1.1.薄いホログラム
まず
図12(a)は、従来の透過型ホログラムの撮影(記録)形態を示す簡略図である。
図12(a)に示す透過型ホログラムの撮影(記録)形態では、レーザ52から出た光がビームスプリッタ54により2方向に分岐される。分岐されたレーザ光の一方は、ミラー56及びレンズ60を経由して(記録したい)物体64に照射される。分岐されたレーザ光のもう一方は、ミラー58、レンズ62a及びレンズ62bを経由して、記録材料70に直接照射される。
【0050】
物体64からの反射光である物体光68と、記録材料70に直接照射される参照光66とは、記録材料上で干渉し合うが、その強度分布を記録材料により記録したものがホログラムとなる。再生時には、参照光66と同じ再生照明光が記録材料70に照射される。このとき再生照明光とは逆側から記録材料70を眺めると、記録材料70を透過した先に物体像が再生される。よって、
図12(a)に示す撮影(記録)形態により記録されるホログラムは透過型ホログラムである。
【0051】
また
図12(a)に示す撮影(記録)形態のように、記録材料70に対して参照光66と物体光68とは同じ方向(同じ側)から照射されることから、干渉縞は記録材料70の表面に生成される。このようなホログラムは、後で説明する「厚いホログラム」に対して、「薄いホログラム」と一般に称される。
【0052】
3.1.2.厚いホログラム(体積型ホログラム)
次に、
図12(b)は、従来の反射型ホログラムの撮影(記録)形態を示す簡略図である。
図12(b)に示す反射型ホログラムの撮影(記録)形態では、レーザ52から出た光がビームスプリッタ54により2方向に分岐される。分岐されたレーザ光の一方は、ミラー56及びレンズ60を経由して(記録したい)物体64に照射される。分岐されたレーザ光のもう一方は、二枚のミラー(ミラー58、ミラー59)、レンズ62a及びレンズ62bを経由して、物体64とは逆の側から記録材料70に直接照射される。
【0053】
物体64からの反射光である物体光68と、物体64とは逆の側から記録材料70に直接照射される参照光66とは、記録材料上で干渉し合うが、その強度分布を記録材料により記録したものがホログラムとなる。再生時には、参照光66と同じ再生照明光が記録材料70に照射される。このとき再生照明光の側から記録材料70を眺めると、再生照明光の反射により物体像が再生される。よって、
図12(b)に示す撮影(記録)形態により記録されるホログラムは反射型ホログラムである。
【0054】
また
図12(b)に示す撮影(記録)形態のように、記録材料70に対して参照光66と物体光68とは逆の方向(逆の側)から照射されることから、干渉縞は記録材料70深さ方向に3次元的に記録される。このようなホログラムは、前述の「薄いホログラム」に対して、「厚いホログラム」と一般に称され、更に「体積型ホログラム」とも称される。
【0055】
3.1.3.体積型ホログラムの利点
図13(a)は、薄いホログラムの概略の縦断面図である。薄いホログラムでは干渉縞は記録材料70の表面に2次元的に生成される。これに対して、
図13(b)は、体積型ホログラム(厚いホログラム)の概略の縦断面図である。体積型ホログラムでは干渉縞は記録材料70の深さ方向に3次元的に生成される。またこの場合、干渉縞はホログラム面にほぼ平行な多数の層状構造として記録される。縞相互間での多重干渉により再生光が生じることから、体積型ホログラムは、薄いホログラムに比べて、波長選択性及び角度選択性に優れていることが知られている。
【0056】
そうすると、体積型ホログラムと、前に説明した計算機合成ホログラム(CGH)とを組み合わせた「体積型の計算機合成ホログラム」を想定した場合、以下の(1−a)〜(2−b)などのような利点が挙げられる。
【0057】
(1)計算機合成ホログラム(CHG)そのものの利点
(1−a)ホログラム作成のために実物体が不要である。データとしての立体モデルだけからホログラムが作成され得る。
(1−b)データはデジタルデータとして保存及び転送が可能である。
【0058】
(2)体積型ホログラムの利点
(2−a)波長選択性に優れており、白色再生照明光を用いても記録時と同じ波長のみが選択されて再生される。つまり白色再生照明光で再生可能である。
(2−b)角度選択性に優れており、再生照明光の光源が大きくても再生可能である。
【0059】
ところで、計算機合成ホログラム(CHG)を作成するための通常の方法、例えば、プリンタによる方法や微細加工技術による方法によっては、干渉縞が記録材料の深さ方向に3次元的に生成される体積型ホログラムは、生成され得ない。そこで、第3の実施形態では、原版CGH(計算機合成ホログラム)(干渉縞)を体積型ホログラムに転写することにより、前述にて想定した「体積型の計算機合成ホログラム」を実現させる。第3の実施形態に係る「体積型の計算機合成ホログラム」は転写により生成されるので、大量生産が容易となる。
【0060】
3.1.4.デニシューク型の体積型ホログラム
ここでデニシューク型の体積型ホログラムについて説明する。
図12(c)は、デニシューク型の体積型ホログラムの撮影(記録)形態を示す簡略図である。
図12(c)に示すデニシューク型の体積型ホログラムの撮影(記録)形態では、レーザ52から出てミラー56及びレンズ60を経由する光が、記録材料70を透過して(記録したい)物体64に照射される。レーザ52から出てミラー56及びレンズ60を経由する光は、参照光66としても機能する。よって、物体64から反射した物体光68と参照光66とが干渉して、記録材料70に干渉縞が記録され、デニシューク型ホログラムが作製される。このデニシューク型ホログラムの作製にあたっては、物体光68が参照光66と反対側から記録材料70に入射するため、デニシューク型ホログラムは体積型ホログラムとなる。
【0061】
体積型ホログラムを撮影(記録)するデニシューク型ホログラムは、記録光学系が非常に簡単である、振動などの擾乱に強い、大型の物体を撮影しやすい、などの利点を備えることが知られている。そこで、第3の実施形態では、原版CGH(計算機合成ホログラム)(干渉縞)を、デニシューク型の体積型ホログラムに転写することで、ホログラム表示装置を作製する。
【0062】
3.2.デニシューク型の体積型ホログラムの転写による作製
第3の実施形態に係る、デニシューク型の体積型ホログラムの、転写による作製の原理及び概略手順を説明する。
図14は、第3の実施形態に係るデニシューク型の体積型ホログラムの転写による作製にて用いられる、金属膜高解像度の原版CGHの再生の様子を示す概略図である。ここでの金属膜高解像度の原版CGH(の干渉縞)は、レーザリソグラフィにより作製されるものであり、干渉縞自体の反射率が高く、反射型として高効率の再生を可能にするものである。
【0063】
金属膜高解像度の原版CGH(の干渉縞)は、クロム膜88表面に形成されている。また、クロム膜88表面はガラス基板90に密着して覆われている。再生照明光源80から再生照明光82が、ガラス基板90及びクロム膜88表面に照射されると、再生照明光源80の側にいる観察者94に対しては、再生像86を伴う再生光84が生成(再生)されて届くことになる。
【0064】
次に
図15は、金属膜高解像度の原版CGHの、記録材料105への転写の様子を示す概略図である。
図15においては、金属膜高解像度の原版CGH(の干渉縞)が形成されたクロム膜88表面を密着して覆うガラス基板90に、記録材料105が貼り付けられている。また、原版CGH作成のための仮想参照光球面波の中心位置と一致するように、再生照明光源96のスペイシャルフィルタ98のピンホール位置が設定されている。
【0065】
再生照明光源96から再生照明光82が、原版CGH(の干渉縞)の形成されたクロム膜88表面に照射されると、
図14にて説明したように、再生像86を伴う再生光84が生成(再生)される。この再生光が物体光103となり、更に、再生照明光源96からの再生照明光82が同時に参照光101となって、記録材料105に干渉縞が記録される。このことは、金属膜高解像度の原版CGHの転写である。同時に、このことは、
図12(c)で示したデニシューク型の体積型ホログラムの撮影(記録)形態にて、記録材料70の背面に置いた物体64の物体光68光波を記録することと同じである。よって、転写により作製されるものは体積型ホログラムとなる。
【0066】
図15に示す記録材料105としては、銀塩フィルムやフォトポリマなどが用いられる。
図15では、記録材料105は、金属膜高解像度の原版CGH(の干渉縞)が形成されたクロム膜88表面を密着して覆うガラス基板90に貼り付けられているが、記録材料105は金属膜高解像度の原版CGH(の干渉縞)が形成されたクロム膜88表面に貼り付けられてもよい。
【0067】
以上のように、転写により作製されるデニシューク型の体積型ホログラムは、レーザリソグラフィにより作製される金属膜高解像度の原版CGHが、反射型ホログラムとして高効率の再生を可能にすることを利用している。一回露光のワンステップにより体積型ホログラムに転写され得るため、記録光学系が簡素であり、振動に対する耐性が極めて強く、更に、波長選択性・角度選択性に優れたホログラムを生成し得ることになる。
【0068】
よって、転写により作製されるデニシューク型の体積型ホログラムは、白色光源や大きい光源などの様々な光源で再生可能な転写CGHとなり得る。また、白色再生光源を用いても、転写時に利用した光(再生照明光、再生光、及び参照光)の波長のみが、再生される。このことから、以下で説明するように、転写により作製されるデニシューク型の体積型ホログラムは、フルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置に展開することが可能となる。
【0069】
3.3.転写により作製されるデニシューク型の体積型ホログラムのフルカラー化
図16、
図17、
図18及び
図19を用いて、転写により作製されるデニシューク型の体積型ホログラムの、フルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置への展開を説明する。
【0070】
3.3.1.第1の形態のフルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法
図16は、第1の形態の、転写により作製されるデニシューク型体積型ホログラムをフルカラーのものとする、フルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法及び作製装置を示す図である。まず、原版CGH・R110r、原版CGH・G110g、及び、原版CGH・B110bは、夫々、R(赤色)G(緑色)B(青色)の各色の、CGHの干渉縞を表している。最初に、原版CGH・R110rを、R(赤色)レーザを(
図14、
図15における)再生照明光及び参照光とすることにより、体積型ホログラムR(赤色)112rに転写する(記録後の記録材料R(赤色)を作成する)。次に、原版CGH・R110gを、G(緑色)レーザを再生照明光及び参照光とすることにより、体積型ホログラムG(緑色)112gに転写する(記録後の記録材料G(緑色)を作成する)。更に、原版CGH・R110bを、B(青色)レーザを再生照明光及び参照光とすることにより、体積型ホログラムB(青色)112bに転写する(記録後の記録材料B(青色)を作成する)。
【0071】
最後に、記録後の記録材料R、G及びBが重ね合わされて、フルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置が作製される。この第1の形態に係る作製方法では、原版CGHが3枚、転写ホログラムが3枚用いられ、転写ショット数が3回となる。この作製方法では、位置合わせが容易であることが特徴としてあげられる。勿論、転写により生成される記録材料R、G、Bの作製順序は、
図16に示すものと異なっていてもよい。記録後の記録材料R、G及びBの、重ね合わせの順序も
図16に示すものと異なっていてもよい。
【0072】
3.3.2.第2の形態のフルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法
図17は、第2の形態の、転写により作製されるデニシューク型体積型ホログラムをフルカラーのものとする、フルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法及び作製装置を示す図である。まず
図16と同様に、原版CGH・R110r、原版CGH・G110g、及び、原版CGH・B110bは、夫々、R(赤色)G(緑色)B(青色)の各色の、CGHの干渉縞を表している。
【0073】
最初に、原版CGH・R110rを、R(赤色)レーザを(
図14、
図15における)再生照明光及び参照光とすることにより、体積型ホログラムR(赤色)112rに転写する(記録後の記録材料R(赤色)を作成する)。
【0074】
次に、体積型ホログラムR(赤色)112rの記録材料R(赤色)に重ねて、G(緑色)レーザを再生照明光及び参照光として原版CGH・G110gを転写して、体積型ホログラムRG(赤色、緑色)112rgの記録材料RG(赤色、緑色)を作成する。
【0075】
更に、体積型ホログラムRG(赤色、緑色)112rgの記録材料RG(赤色、緑色)に重ねて、B(青色)レーザを再生照明光及び参照光として原版CGH・B110bを転写して、体積型ホログラムRGB(赤色、緑色、青色)112rgbの記録材料RGB(赤色、緑色、青色)を作成する。この第2の形態に係る作製方法では、原版CGHが3枚、転写ホログラムが1枚用いられ、転写ショット数が3回となる。この作製方法では、多重露光が行われること、及び、位置合わせが困難であることが特徴としてあげられる。第2の形態に係る作製方法では、R、G、Bレーザによる、転写の順序は、
図17に示すものと異なっていてもよい。
【0076】
3.3.3.第3の形態のフルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法
図18(a)は、第3の形態の、転写により作製されるデニシューク型体積型ホログラムをフルカラーのものとする、フルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法及び作製装置を示す図である。
図18(a)に示す、原版CGHの記録材料120、及び、カラーフィルタ118は、夫々、第1の実施形態に係る(
図2にて示した)干渉縞層2が形成された金属膜、及び、カラーフィルタ4に対応する。よって、原版CGHの記録材料120は、RGB各色の干渉縞ブロック、及び、干渉縞ブロック間のガードギャップを備えている(
図8(b)参照)。カラーフィルタ118は、干渉縞ブロックに対応するカラーフィルタの(RGB)セグメントを備えている(
図2参照)。
【0077】
最初に、原版CGHの記録材料120及びカラーフィルタ118を用いて、R(赤色)レーザを(
図14、
図15における)再生照明光及び参照光とすることにより、原版CGHを、体積型ホログラムR(赤色)122rに転写する(記録後の記録材料124(赤色)を作成する)。このときには原版CGHの赤色ブロック部分が転写されることになる。
【0078】
原版CGHの記録材料120、カラーフィルタ118、記録後の記録材料124、及び、転写のためのレーザの概略の位置関係は、
図18(b)に示すようなものとなる。以下の手順でも同様である。
【0079】
次に、原版CGHの記録材料120及びカラーフィルタ118を用いて、G(緑色)レーザを再生照明光及び参照光とすることにより、体積型ホログラムR(赤色)122rの記録材料124に重ねて、原版CGHを転写して、体積型ホログラムRG(赤色、緑色)122rgの記録材料124(赤色、緑色)を作成する。このときには原版CGHの緑色ブロック部分が転写されることになる。
【0080】
更に、原版CGHの記録材料120及びカラーフィルタ118を用いて、B(青色)レーザを再生照明光及び参照光とすることにより、体積型ホログラムRG(赤色、緑色)122rgの記録材料124に重ねて、原版CGHを転写して、体積型ホログラムRGB(赤色、緑色、青色)122rgbの記録材料124(赤色、緑色、青色)を作成する。このときには原版CGHの青色ブロック部分が転写されることになる。この第3の形態に係る作製方法では、原版CGHが1枚、カラーフィルタが1枚、転写ホログラムが1枚用いられ、転写ショット数が3回となる。この作製方法では、多重露光が行われること、位置合わせが容易であること、及び、原版より高品質のホログラムとなることが特徴としてあげられる。また、カラーフィルタは再利用可能である。第3の形態に係る作製方法では、R、G、Bレーザによる、転写の順序は、
図18(a)に示すものと異なっていてもよい。
【0081】
3.3.4.第4の形態のフルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法
図19(a)は、第4の形態の、転写により作製されるデニシューク型体積型ホログラムをフルカラーのものとする、フルカラー高解像度計算機合成ホログラム表示装置の作製方法及び作製装置を示す図である。第3の形態に係る作製方法と同様に、
図19(a)に示す、原版CGHの記録材料120、及び、カラーフィルタ118は、夫々、第1の実施形態に係る(
図2にて示した)干渉縞層2が形成された金属膜、及び、カラーフィルタ4に対応する。よって、原版CGHの記録材料120は、RGB各色の干渉縞ブロック、及び、干渉縞ブロック間のガードギャップを備えている(
図8(b)参照)。カラーフィルタ118は、干渉縞ブロックに対応するカラーフィルタの(RGB)セグメントを備えている(
図2参照)。
【0082】
第4の形態に係る作製方法では、原版CGHの記録材料120及びカラーフィルタ118を用いて、(R(赤色)レーザ、G(緑色)レーザ、及び、B(青色)レーザを混合した)RGBレーザを(
図14、
図15における)再生照明光及び参照光とすることにより、原版CGHを、体積型ホログラムRGB(赤色、緑色、青色)122rgbに転写する(記録後の記録材料124(赤色、緑色、青色)を作成する)。この第4の形態に係る作製方法では、RGBの3波長レーザが同軸に重畳される。また第4の形態に係る作製方法では、原版CGHの赤色ブロック部分、緑色ブロック部分、及び青色ブロック部分の全てが、転写されることになる。
【0083】
原版CGHの記録材料120、カラーフィルタ118、記録後の記録材料124、及び、転写のためのレーザの概略の位置関係は、
図19(b)に示すようなものとなる。この第4の形態に係る作製方法では、原版CGHが1枚、カラーフィルタが1枚、転写ホログラムが1枚用いられ、転写ショット数が1回となる。この作製方法では、多重露光が行われること、位置合わせが容易であること、及び、原版より高品質のホログラムとなることが特徴としてあげられる。また、カラーフィルタは再利用可能である。また、転写ショット数が1回であることから、この第4の形態に係る作製方法は、より大量生産向けのものである。