【解決手段】本発明に係る債権管理装置は、複数の債権を管理するための情報処理装置である。この債権管理装置の制御部は、複数の個別債権の各々の個別実質金利を算出し、また、単一の債務者に対する返済期日が同じ複数の個別債権につき、設定された返済期日までの残高日数に応じて、当該複数の個別債権で構成される包括債権の包括実質金利を算出する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.構成]
本実施形態に係る債権管理装置を含む債権管理システムの構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る債権管理装置を含む債権管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示す債権管理システム1000は、情報処理装置としての債権管理装置100と、サーバ200と、債権管理装置100及びサーバ200を通信可能に接続するネットワーク300とを含んでいる。
【0022】
債権管理装置100は、複数の債権を管理するための情報処理装置であり、例えば市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータで構成される。この債権管理装置100は、例えば、金融機関等といった事業者において複数の債権を管理する部署(例えば融資部門)に1台設置されている。なお、債権管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。また、債権管理装置100は、債権管理システム1000内において複数台設置されていてもよく、複数台の債権管理装置100の間で同期をとることで1台の債権管理装置100として機能してもよい。
【0023】
債権管理装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108とを備えている。債権管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、債権管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。したがって、通信インターフェース部104は、他の情報処理装置からの入力情報等を、ネットワーク300を介して又はネットワーク300及びサーバ200を介して受け付けることが可能に構成されているとともに、所定の情報処理装置に対して所定の情報を出力することが可能に構成されている。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラム(本発明のプログラムを含む)が記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。また、この記憶部106には、本発明のプログラムを実施するために用いられる各種のデータが書き出し/読み出し可能に格納されている。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0027】
制御部102は、債権管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
さらに
図1を参照しながら、記憶部106及び制御部102の構成について詳述する。
【0029】
記憶部106は、
図1に示されるように、個別債権データ記憶領域106aと、包括設定データ記憶領域106bと、包括債権データ記憶領域106cとを含む。また、記憶部106は、その他のマスタやデータ記憶領域を備えていてもよい。
【0030】
個別債権データ記憶領域106a、包括設定データ記憶領域106b及び包括債権データ記憶領域106cは、ぞれぞれ、後述する個別債権データ、包括設定データ及び包括債権データを記憶するための領域であり、必要に応じて各データを出力可能に保持する。
【0031】
制御部102は、
図1に示されるように、複数のモジュールを備えている。
図1に示す例では、制御部102は、金利算出部102aと、手数料設定部102bと、上限額算出部102cと、出力用データ作成部102dと、判別部102eと、更新部102fとを備えている。
【0032】
金利算出部102aは、少なくとも、複数の個別債権の各々の個別実質金利を算出する金利算出手段として機能するモジュールである。手数料設定部102bは、少なくとも、みなし利息に含まれる手数料の設定を受け付ける手数料設定手段として機能するモジュールである。上限額算出部102cは、少なくとも、複数の個別債権の各々に含まれるみなし利息の上限額を算出する上限額算出手段として機能するモジュールである。出力用データ作成部102dは、少なくとも、単一の債務者の1つ以上の債権に関する情報を出力するための出力用データを作成する出力用データ作成手段として機能するモジュールである。判別部102eは、少なくとも、単一の債務者の1つ以上の債権に関する情報を出力するための出力用データを作成する出力用データ作成手段として機能するモジュールである。更新部102fは、少なくとも、単一の債務者に対する返済期日が同じ複数の個別債権の各々に関する個別債権データを、前記設定された返済期日で更新する更新手段として機能するモジュールである。各部の機能は、後述する処理内容を実現する機能を含む。
【0033】
[2.処理]
次に、
図1に示す債権管理システム1000において実行される債権管理方法を例示的に説明する。
【0034】
図2は、
図1の債権管理システム1000において、債権管理装置100が実行する債権管理方法の処理手順を示すフローチャートである。この
図2に示す処理は、概略的には、1つ以上、好ましくは複数の債権を管理するに際し、単一の債務者に対する返済期日が同じ複数の個別債権につき、設定された返済期日までの残高日数に応じて、当該複数の個別債権で構成される包括債権の包括実質金利を算出するというものであり、本処理の大部分は、債権管理装置100の制御部102において実行される。なお、以下では、複数の個別債権として、単一の債務者(融資先)に対するつなぎ融資に係る複数の債権を扱う場合を例に挙げて説明する。つなぎ融資は、例えば、住宅の建築を依頼する施主にとって、住宅ローン開始までの各種工事代金(土地工事金、着工金、中間金、竣工金)を支払うための資金である。これら複数の債権の返済期日は、一般的に、全工事の完了及び住宅ローン開始を見越して、住宅ローン開始日又はその前日に返済期日が設定されるが、繰上げ返済や返済期日の延長により返済期日は変更可能である。
【0035】
図2において、まず、ステップS201では、返済期日の設定を変更するかどうかの判別を行う。具体的には、ユーザが債務者(例えば施主)に対する債権を扱うための債権管理画面が起動されるかどうかを判別する。返済期日とは、債権の返済日又は返済日時をいう。本実施形態では、返済期日が同じ複数の個別債権に対して、それらの返済日を一括して変更(延長又は短縮)することが可能である。そのため、債権管理画面には、返済期日が同じ複数の個別債権をまとめたと仮定した場合の包括債権について返済期日を設定・変更(延長又は短縮)するための入力項目を設け、当該入力項目に設定された返済期日を、包括債権を構成する個別債権の返済期日に反映させるように構成することが好ましい。
【0036】
図3は、
図2のステップS201で起動されうる債権管理画面の構成例を示す図である。
図3に示す債権管理画面MAは、領域MA1,MA2,MA3,MA4,MA5,MA6が設けられている。領域MA1は、債務者(例:つなぎ融資の契約者たる顧客)を特定するための情報(例:顧客番号)及び当該債務者に対する債務を特定するための情報(枝番)を入力するための入力項目である。領域MA2は、領域MA1で特定される債務者の包括債権の返済期日を設定又は変更するための入力項目である。領域MA3は、領域MA1で特定される債務者の個別債権であって返済期日が同じ複数の個別債権(すなわち包括債権を構成する個別債権)に関する情報を表示するための表示領域である。領域MA4は、後述する「返済予定作成」ボタンの表示領域である。領域MA5は、包括債権に関する情報を表示するための表示領域である。領域MA6は、後述する「登録」ボタンの表示領域である。本実施形態では、領域MA1を介して設定される包括債権の返済期日及び領域MA3に含まれる手数料入力項目に入力された手数料に応じて、債権管理画面MAの各領域に表示される内容が更新可能に構成されている。
【0037】
そして、ステップS201の判別の結果、返済期日の設定の変更がなされない場合には(ステップS201でNo)、返済期日の設定の変更がなされるのを待機する。他方、返済期日の設定の変更がなされる場合には(ステップS201でYes)、返済期日の設定変更の対象となる債権の債務者を特定する情報(例:顧客番号)を取得するとともに、当該債務者に対する個別債権に関する個別債権データのリストを取得する(ステップS202)。
図3に示す債権管理画面MAにおいては、領域MA1に顧客番号及び枝番が入力されることにより、債務者を特定する情報と当該債務者に対する個別債権のうちの少なくとも1つが特定される。さらに、
図3に示す債権管理画面MAにおいて、顧客番号が入力されることにより、当該顧客番号に対応する債務者に紐付けられた個別債権に関する個別債権データが参照され、これにより、個別債権データのリストが取得される。
【0038】
図4は、
図2のステップS202で取得される個別債権データのリストの例を模式的に示す図である。
【0039】
図4に示すリストに含まれる各個別債権データは、債権者を特定するための情報(顧客番号)、枝番に関する情報、契約内容(商品)を特定するための情報(商品コード)、返済パターンに関する情報、融資金に関する情報、融資日に関する情報、返済期日に関する情報、並びに、個別実質金利に関する情報を含む。個別実質金利とは、個別債権の実質金利(年率)である。
図4に示すリストでは、枝番「0」〜「3」で特定されるつなぎ融資契約に係る商品(商品コード:7201)についての債権に関する個別債権データと、枝番「4」で特定される住宅ローンに係る商品(商品コード:7101)についての債権に関する個別債権データとを含む。枝番に関する情報は、単一の債権者に対する債権を識別するための識別情報として機能する。
【0040】
続くステップS203では、ステップS202で取得した個別債権データのリストの中から、返済期日が同じ複数の個別債権に関する個別債権データを抽出する。このために、
図3に示す債権管理画面MA中の領域MA1に入力された枝番と、以下に説明する包括設定データが参照される。包括設定データは、例えば、
図1に示した包括設定データ記憶領域106bから読み出すことによって参照可能となる。
【0041】
図5は、
図2のステップS203で参照される包括設定データの構成例を示す図である。
図5に示す包括設定データは、債務者に対する複数の個別債権のうち、まとめて(包括的に)管理すべき対象となる1以上の個別債権を枝番で管理するためのデータ(テーブル)であり、本実施形態では、返済期日が同じ複数の個別債権が互いに異なる枝番で管理され、これにより包括債権という概念を生じさせることが可能となっている。例えば、つなぎ融資契約に際し、複数の工事工程の各々に枝番を割り当てることにより、工事工程が増えるたびに融資を行っても、枝番を増やすことで、まとめて管理することができる。
図5に示す例では、包括設定データに登録された複数の個別債権は、互いに同じつなぎ契約番号で紐付けられているが、つなぎ契約番号に代えて商品コードであってもよい。
【0042】
具体的には、ステップS203では、まず、領域MA1に入力された枝番に基づき、少なくとも1つの個別債権が特定され、さらに、
図5に示したような包括設定データを参照することにより、当該枝番を含んでまとめて管理すべき1つ以上の個別債権が特定され、特定した個別債権に関する個別債権データを、ステップS202で取得した個別債権データのリストから抽出する。これにより、本処理の対象となる1つ以上の好ましくは複数の個別債権データが定まることとなる。
図5に示す包括設定データの例では、枝番は「0」〜「3」までであるので、
図4に示した個別債権データのリストのうち、枝番は「0」〜「3」の個別債権データが本処理の対象となり、また、枝番「4」の個別債権データは本処理の対象から除外されることとなる。本処理の対象となる個別債権データの各々は、
図3に示した債権管理画面MAの例では、領域MA3に一覧的に表示される。
【0043】
そして、本処理の対象となる個別債権データが定まった後、ステップS204では、各個別債権データに対応する個別債権につき、手数料の上限値を算出する。手数料の上限値は、概略的には、融資金から利息を控除した金額(控除後残高累計)と、予め設定された上限金利(例えば、法定の上限金利又は金融機関が独自に設定した上限金利)と、設定された返済期日までの残高日数に応じた利息の金額及びみなし利息の金額とから算出することが可能であり、その算出方法は公知であるためその説明を割愛する。個別債権ごとに算出された手数料の上限値は、
図3に示した債権管理画面MAの例では、領域MA3に表示される。
【0044】
上述したステップS202〜S204の処理と並行して、ステップS205では、包括債権についての返済期日の設定及び個別債権についての手数料の入力を待機する。
図3に示した債権管理画面MAの例では、返済期日の設定(すなわち、変更後返済期日)は領域MA2を介して行われ、手数料の入力は領域MA3を介して行われる。返済期日の設定がなされない場合、領域MA2には現在の返済期日(融資時に設定した返済期日)が表示される。手数料の入力がなされない場合、領域MA3では、現在の手数料(前回設定した手数料)が表示されるか、又は設定された手数料が無い場合には、Nullのまま若しくは「0」が表示される。
【0045】
その後、ステップS206では、返済予定を作成するかどうかを判別する。ここで、「返済予定」とは、返済期日が変更になった場合に返済額や実質金利がどのように変動するかを確認するためのシミュレーション結果を意味する。このステップS206の判別処理は、具体的には、
図3に示した債権管理画面MAの領域MA4に表示された「返済予定作成」ボタンが押下されるかどうかによって行われる。なお、ステップS205で、返済期日の設定(変更)及び手数料の入力の一方又は双方がなされない場合には、「返済予定作成」ボタンを押下できないように又は表示されないように規制処理を行ってもよい。
【0046】
ステップS206の判別の結果、返済予定を作成しない場合には(ステップS206でNo)、ステップS205に戻って、返済期日の設定(変更)及び手数料の入力の一方又は双方がなされるのを引き続き待機する。他方、返済予定を作成する場合には(ステップS206でYes)、ステップS207に進む。
【0047】
続くステップS207では、ステップS205で設定された変更後返済期日に関する情報及びステップS205で入力された手数料に関する情報を取得し、ステップS208に進む。具体的には、ステップS207では、ステップS206で「返済予定」ボタンが押下された時点における領域MA2に入力されている期日及び領域MA3の手数料入力欄に入力されている手数料の金額に関する情報を取得する。
【0048】
そして、ステップS208では、ステップS207で取得した返済期日及び手数料に関する情報に基づき、処理対象の個別債権の各々について、実質金利(以下、「個別実質金利」ともいう)の算出と、手数料の上限額の算出を行う。個別実質金利は、概略的には、利息の返済期日までの合計金額の、融資金(控除後残高累計)に対する割合(年率)であり、その算出方法は公知であるので、その説明を割愛する。手数料の上限額の算出は、ステップS204における算出と同様の処理により実行可能である。
【0049】
そして、このステップS208で算出した個別実質金利及び手数料の上限額は、
図3に示した領域MA3に表示される。領域MA3に、個別実質金利及び手数料の上限額が既に表示されていた場合にはステップS208で算出した個別実質金利及び手数料の上限額で上書きされる。また、このステップS208で算出した個別実質金利に関する情報は、個別債権に関する個別債権データとして、
図1に示した個別債権データ記憶領域106aに保持される。
図6は、
図2のステップS208の処理の結果作成される個別債権データの例を模式的に示す図である。
図6に示すような1群の個別債権データを保持することにより、返済期日が同じ複数の個別の債権をより適切に管理することができるようになる。なお、
図2のステップS208の処理の結果作成される個別債権データは、ステップS203の処理で抽出された個別債権に関する個別債権データに対応し、後述する更新処理がなされるまでは上書き又は消去されないようになっている。
【0050】
また、ステップS209では、ステップS207で取得した返済期日及び手数料に関する情報に基づき、処理対象の個別債権をまとめた包括債権について、実質金利(以下、「包括実質金利」ともいう)の算出と、手数料の上限額の算出を行う。包括実質金利は、概略的には、個別実質金利と同様に、利息の返済期日までの合計金額の、融資金(控除後残高累計)に対する割合(年率)で表される。ただし、個別実質金利の算出とは異なり、包括実質金利の算出では、融資金(控除後残高累計)に代えて、控除後残高積数累計を用いる。控除後残高積数累計は、包括債権を構成する個別債権を積み上げ計算を行うことによって算出される。したがって、包括実質金利は、例えば、個別債権の個別実質金利の平均値で表されるわけではないため、返済期日が変更になるたびに、また、みなし利息に含まれる手数料の金額が変更になるたびに、包括実質金利を算出する必要がある。手数料の上限額の算出は、ステップS204及びS207における算出と同様の処理により実行可能である。ただし、融資金としては、控除後残高累計に代えて、控除後残高積数累計を用いる。控除後残高積数累計の算出のための積み上げ計算は、例えば、以下のようにして算出することができる。枝番「0」の個別債権の融資金(控除後残高累計)と残高日数の積を年間日数で割った値と、枝番「0」及び「1」の個別債権の融資金(控除後残高累計)と残高日数の総日数の積を年間日数で割った値と、枝番「0」,「1」及び「2」の個別債権の融資金(控除後残高累計)と残高日数の総日数の積を年間日数で割った値と、枝番「0」,「1」,「2」及び「3」の個別債権の融資金(控除後残高累計)と残高日数の総日数の積を年間日数で割った値との和を算出する。
【0051】
そして、このステップS209で算出した包括実質金利及び手数料の上限額は、
図3に示した領域MA5に表示される。領域MA5に、包括実質金利及び手数料の上限額が既に表示されていた場合にはステップS209で算出した包括実質金利及び手数料の上限額で上書きされる。また、このステップS209で算出した包括実質金利に関する情報は、包括債権に関する包括債権データとして、
図1に示した包括債権データ記憶領域106cに保持される。
図7は、
図2のステップS209の処理の結果作成される包括債権データの例を模式的に示す図である。
図7に示すような包括債権データを保持することにより、返済期日が同じ複数の個別の債権をより適切に、例えば包括実質金利が設定された上限金利以上となることがないように、管理することができるようになる。なお、
図7に示す包括債権データは、便宜上、ステップS203の処理で抽出された個別債権をまとめた包括債権に関する包括債権データに対応し、後述する更新処理がなされる前に作成可能な債権データとして示されている。
【0052】
その後、ステップS210では、債権データの更新を行うかどうかを判別する。ここで、「債権データの更新」とは、ステップS205で設定された変更後返済期日及び手数料の金額で、該当する債権データを管理(登録)することを意味する。具体的には、
図3に示した領域MA6に表示された「登録」ボタンが押下されるかどうかを判別する。更新対象となる債権データ(すなわち更新前の債権データ)は、ステップS204で抽出した個別債権データ(
図4に示した個別債権データのうち、枝番「0」〜「3」の個別債権データ)と、ステップS209の処理の結果作成される以前に作成されていた包括債権データ(
図7に示した包括債権データ)である。
【0053】
ステップS210の判別の結果、債権データの更新が行われない場合(すなわち「登録」ボタンが押下されない場合)には(ステップS210でNo)、ステップS201に戻って、例えば、変更後返済期日及び手数料の金額の設定(再設定)を待機する。他方、債権データの更新が行われる場合には(ステップS210でYes)、ステップS211に進んで、実質年率(実質金利)が上限値以上であるかどうかを判別する。ここで、判別対象とする実質年率は、ステップS208で算出した個別実質金利及びステップS209で算出した包括実質金利のうちの少なくとも一方の実質金利であり、好ましくは双方の実質金利である。
【0054】
ステップS211の判別の結果、実質年率(実質金利)が上限値以上である場合、そのような債権データの更新を規制すべく、所定の規制処理が行われ(ステップS220)、変更後返済期日及び手数料の金額の設定(再設定)を待機すべく、ステップS201に戻る。所定の規制処理としては、「登録」ボタンが押下された際に、警告表示がなされてもよいし、返済期日の変更又は手数料の変更を促す旨の表示がなされてもよいし、「登録」ボタンを押下できないように規制してもよい。
【0055】
他方、ステップS211の判別の結果、実質年率(実質金利)が上限値以上でない場合(ステップS211でNo)、ステップS212に進んで、債権データの更新を行う。更新後の債権データは、ステップS208の処理の結果作成される1群の個別債権データ(
図6に示した個別債権データ)と、ステップS209の処理の結果作成される包括債権データ(
図8に示す包括債権データ)である。
図8には、
図2のステップS211の処理の結果更新された包括債権データの例が模式的に示されている。このステップS211の処理の結果、1群の個別債権データに含まれる返済期日に関する情報及び個別実質金利がまとめて更新される。そして、本処理を完了する。
【0056】
以上詳細に説明したように、
図2に示した債権管理方法の処理手順によれば、複数の債権を管理するに際し、債権管理装置100は、複数の個別債権の各々の実質金利を算出し(ステップS208)、さらに、単一の債務者に対する返済期日が同じ複数の個別債権につき(ステップS203)、設定された返済期日までの残高日数に応じて、当該複数の個別債権で構成される包括債権の包括実質金利を算出する(ステップS209)(金利算出手段)。これにより、複数の債権を管理するに際し、ユーザの手間を軽減することができる。
【0057】
また、
図2の処理によれば、単一の債務者に対する複数の個別債権に関する個別債権データのリストの中から、返済期日が同じ複数の個別債権に関する個別債権データを抽出する(ステップS203)。これにより、ユーザの手間をさらに軽減することができる。なお、ステップS203の処理に代えて、ユーザが個別債権データのリストの中から選択した個別債権データを用いるようにしてもよい。
【0058】
また、
図2の処理によれば、前記複数の個別債権の各々は、元金に対する利息額とみなし利息とを含み、前記みなし利息に含まれる手数料の設定を受け付け可能に構成されている(ステップS205)(手数料設定手段)。これにより、ユーザは、設定した手数料に応じた実質金利を把握することができるようになる。
【0059】
また、
図2の処理によれば、複数の個別債権の各々に含まれるみなし利息(例えば手数料)の上限額を算出し(ステップS204及びS208)、さらに、前記包括実質金利に基づき、前記包括債権についてのみなし利息の包括上限額を算出する(ステップS209)(上限額算出手段)。これにより、ユーザは、手数料として設定可能な範囲を把握することができ、例えば上限額の範囲内で手数料の増減をシミュレーションすることができる。
【0060】
また、
図2の処理によれば、前記単一の債務者の1つ以上の債権に関する情報を出力するための出力用データ(例えば表示用データ)を作成し、前記単一の債務者に対する返済期日が同じ複数の個別債権の各々についてのみなし利息(例えば手数料)の上限額に関する情報と、前記包括上限額に関する情報の双方を含む出力用データを作成する(
図2)。なお、出力用データは表示用データに限られることはなく、メール送信用データであってもよい。これにより、ユーザは、個別債権と包括債権の双方について手数料の上限をまとめて把握することができ、もって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0061】
また、
図2の処理によれば、前記包括実質金利が、予め設定された上限値以上であるかどうかを判別する(ステップS211)(判別手段)。これにより、ユーザは、設定された上限値を把握していなくても、包括実質金利が上限値以上であるかどうかの判別結果を得ることができ、もって、ユーザの利便性を高めることができる。なお、
図2に示した処理では、この判別処理を、更新処理に先立って判別処理を行うとしたが、包括債権計算処理時(ステップS209)に行ってもよい。
【0062】
また、
図2の処理によれば、前記単一の債務者に対する返済期日が同じ複数の個別債権の各々に関する個別債権データを、前記設定された返済期日で更新する(ステップS212)(更新手段)。これにより、ユーザは、個別債権の各々について返済期日を変更する必要がなくまとめて更新することができ、もって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0063】
また、
図2の処理によれば、前記包括実質金利が、予め設定された上限値以上であるかどうかを判別し、前記返済期日が同じ複数の個別債権の各々に関する個別債権データを、前記設定された返済期日で更新可能に構成されており、判別の結果、前記包括実質金利が予め設定された上限値以上である場合には、前記更新を規制する(ステップS210)(規制手段)。これにより、上限値以上の包括実質金利が設定された包括債権を構成する個別債権が存在しないようにすることができる。
【0064】
なお、
図2に示した処理の処理内容や処理手順を任意に変更することが可能である。例えば、個別債権に関する計算(ステップS204及びS208)を割愛し、包括債権に関する計算(ステップS209)を実行するように構成してもよく、この場合にも、ステップS211の更新処理を行うことで、包括債権を構成する個別債権の返済期日をまとめて更新することができる。
【0065】
また、上述した実施形態は、債権を管理する場合について説明したが、債権は、つなぎ融資契約に係る債権に限られることはなく、返済期日が同じ複数の債権を扱う場合に適用できる。また、上述した実施形態は、返済期日及び手数料の変更によって債務者にとって債務がどのように変動するかのシミュレーション結果を得て、債務者へ情報を提供することにも利用可能であり、この場合には、債務を管理することにも適用可能であるといえる。
【0066】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0067】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0068】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0069】
また、債権管理装置100及び債権管理システム1000に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0070】
例えば、債権管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0071】
また、このコンピュータプログラムは、債権管理装置100に対して任意のネットワーク(例えばネットワーク300)を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0072】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明した処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0073】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0074】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0075】
また、債権管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権管理装置100は、当該装置に本明細書で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0076】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。