【課題】不動産などの管理委託契約に対する所有者の変更に係る処理を会計仕訳に影響ないように行うことができる管理委託業務支援装置、管理委託業務支援プログラムおよび管理委託業務支援方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、変更元の契約、変更後の委託形態、変更後の所有者、変更後の契約開始日および変更後の管理料が指定されると、指定された情報を基に、新規の契約データを作成し、指定された契約に関する契約データ中の契約終了日を、指定された契約開始日の前日に変更し、指定された契約に関する契約データに紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日が属する年月と同じ回収予定データを帳消しにするための回収予定赤データを作成し、指定された契約開始日が月初めであるので、新規の契約データに紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日が属する年月と同じ回収予定データを作成する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る管理委託業務支援装置、管理委託業務支援プログラムおよび管理委託業務支援方法の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.構成]
本実施形態に係る管理委託業務支援装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、管理委託業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
管理委託業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、管理委託業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
管理委託業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。管理委託業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、管理委託業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、管理委託業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0023】
記憶部106は、契約データ記憶部106a、回収予定データ記憶部106b、支払依頼データ記憶部106c、仕訳データ記憶部106dおよび科目マスタ106eなどを備える。
【0024】
契約データ記憶部106aは、有体物(動産または不動産)の管理委託に関する所有者との契約に関する契約データなどを記憶するためのものである。なお、契約データのデータ構造は、例えば
図2に示すようなものでもよい。また、契約データは、例えば
図8に示すようなデータ構造を有するもの(
図8の「補足[1]請求計算処理の具体例」に記載の事前情報1.〜3.を参照)であってもよい。
【0025】
回収予定データ記憶部106b、回収予定データ(例えば有体物の使用者への請求に対応するもの等)を記憶するためのものである。なお、回収予定データのデータ構造は、例えば
図2に示すようなものでもよい。
【0026】
支払依頼データ記憶部106cは、支払依頼データ(例えば有体物の所有者への支払に対応するもの等)を記憶するためのものである。なお、支払依頼データのデータ構造は、例えば
図2に示すようなものでもよい。
【0027】
仕訳データ記憶部106dは、仕訳データ(例えば有体物の使用者の売上に対応するものおよび有体物の所有者への支払に対応するもの等)を記憶するためのものである。なお、仕訳データのデータ構造は、例えば
図3に示すようなものでもよい。
【0028】
科目マスタ106eは、項目と委託形態の組み合わせ毎の科目の設定を保持するマスタである。科目マスタのデータ構造は、例えば
図3に示すようなものでもよい。
【0029】
なお、記憶部106は、例えば
図8に示すようなデータ構造を有する入金消込データ(
図8の「補足[2]送金計算処理の具体例」に記載の事前情報3.を参照)を記憶する入金消込データ記憶部を備えてもよい。
【0030】
制御部102は、管理委託業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0031】
制御部102は、機能概念的に、登録部102a、請求計算部102b(本発明の回収予定作成手段に相当)、送金計算部102c(本発明の支払依頼等作成手段に相当)、変更部102d(本発明の変更手段に相当)および作成部102e(本発明の仕訳作成手段に相当)を備える。
【0032】
登録部102aは、契約データの登録を行う情報処理手段である。
【0033】
請求計算部102bは、回収予定データを作成する情報処理手段である。請求計算部102bは、現日付(例えば請求計算部102bの動作時が属する年月など)を契約有効期間(契約開始日以後契約終了日以前)に含む契約データに紐付き且つ該当年月が現年月と同じ回収予定データを基に、回収予定データを作成してもよい。なお、請求計算部102bが行う処理の具体例については、主に以下の[2.処理の具体例]にて説明するが、例えば
図8のように処理を行ってもよい。
【0034】
送金計算部102cは、現年月(例えば送金計算部102cの動作時が属する年月など)の初日が契約終了日以前且つ現年月の末日が契約開始日以後の契約データに紐付き且つ該当年月が現年月と同じ回収予定データを基に、当該回収予定データに紐付く支払依頼データを作成し、さらに当該回収予定データに紐付く当該契約データに管理料が設定されている場合は、当該契約データに紐付く管理料に関する回収予定データを作成する情報処理手段である。なお、送金計算部102cが行う処理の具体例については、主に以下の[2.処理の具体例]にて説明するが、例えば
図8のように処理を行ってもよい。
【0035】
変更部102dは、契約データの変更に関する、変更元の契約、変更後の委託形態、変更後の所有者、変更後の契約開始日および変更後の管理料が指定されると、以下の(1)から(4)の処理を実行する情報処理手段である。
(1)指定された情報を基に新規の契約データを作成する処理
(2)指定された契約に関する契約データ中の契約終了日を、指定された契約開始日の前日に更新する処理
(3)指定された契約に関する契約データに紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日が属する年月と同じ回収予定データを帳消しにするための回収予定赤データを作成する処理
(4)指定された契約開始日が月初めである場合は、新規の契約データに紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日が属する年月と同じ回収予定データを作成し、指定された契約開始日が月初めではない場合は、指定された契約に関する契約データに紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日が属する年月と同じで且つ日割計算結果が反映された回収予定データおよび新規の契約データに紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日が属する年月と同じで且つ日割計算結果が反映された回収予定データを作成する処理
【0036】
作成部102eは、未払計上日が属する年月が現年月(例えば作成部102eの動作時が属する年月など)と同じで且つ仕訳が未計上である支払依頼データおよび科目マスタ106eを基に、当該支払依頼データの未払計上日を発生日とする有体物の所有者への支払仕訳データを作成する処理、および、該当年月が現年月(例えば作成部102eの動作時が属する年月など)と同じで且つ仕訳が未計上である回収予定データおよび科目マスタ106eを基に、当該回収予定データの売上計上日を発生日とする有体物の使用者の売上仕訳データを作成する処理を実行する情報処理手段である。
【0037】
[2.処理の具体例]
ここでは、業務フローおよび管理委託業務支援装置100で実行される処理の具体例について、
図2から
図7を参照して説明する。
【0038】
[2−1.具体例その1]
業務フローおよび管理委託業務支援装置100で実行される処理の具体例その1について、
図2から
図4を参照して説明する。なお、本説明は、「2018/6/1に総合不動産会社が自社管理の不動産物件(例:賃貸マンション)を竣工し、2018/7/1より当該物件の部屋の入居者との契約が開始し、その後、当該物件の売り手が2018/9/1開始の契約で決まったため現管理委託契約の変更を行う」といった場面を想定したものである。
【0039】
[1]2018/6/1:自社管理の物件の竣工時に管理委託契約を登録(
図2参照)
登録部102aは、オペレータの入力情報を基に、契約データ(管理委託契約コード「K1」)を作成する。なお、契約データには月々の家賃(例:60,000円/月)に関する情報も含まれる。
【0040】
[2]2018/7/1:入居者を登録(
図2参照)
請求計算部102bは、現日付(2018/07/01)を有効期間に含む契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付く回収予定データ(回収予定コード「KY1」)を作成する。なお、現日付が月初めであるため、契約月(2018/07)の翌月の家賃に対応する回収予定データが作成される。
【0041】
ここで、2018/7/15に7月分の送金は発生しないので、送金計算部102cにより支払依頼データは作成されない。
【0042】
[3]2018/8/1:8月請求9月該当の請求を作成(
図2参照)
請求計算部102bは、現日付(2018/08/01)を有効期間に含む契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付き且つ該当年月が現年月(2018/08)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY1」)を基に、回収予定データ(回収予定コード「KY2」)を作成する。
【0043】
[4]2018/8/2:物件の売り手が決まり管理委託契約を登録し、9/1から開始の管理委託契約の変更登録を事前に行う(
図2参照)
変更部102dは、変更元の契約(管理委託契約コード「K1」)、変更後の委託形態(委託形態コード「3:集金物件」)、変更後の所有者(家主コード「Y2:売主※」)、変更後の契約開始日(2018/09/01)および変更後の管理料(5.00%)が指定されると、以下の(1)から(4)の処理を実行する(※:ここで言う売主は買主と同意である)。
(1)指定された情報を基に、新規の契約データ(管理委託契約コード「K2」)を作成する。
(2)指定された契約に関する契約データ(管理委託契約コード「K1」)中の契約終了日(2099/12/31)を、指定された契約開始日(2018/09/01)の前日(2018/08/31)に変更する。
(3)指定された契約に関する契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日(2018/09/01)が属する年月(2018/9)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY2」)を帳消しにするための回収予定赤データ(回収予定コード「KY21」)を作成する。
(4)指定された契約開始日(2018/09/01)が月初めであるので、新規の契約データ(管理委託契約コード「K2」)に紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日(2018/09/01)が属する年月(2018/9)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY3」)を作成する。
【0044】
[5]2018/8/15:8月分の送金を行う(
図2参照)
送金計算部102cは、現年月(2018/8)の初日(2018/08/01)が有効期間終了日以前且つ現年月(2018/8)の末日(2018/08/31)が有効期間開始日以後の契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付き且つ該当年月が現年月(2018/8)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY1」)を基に、当該回収予定データに紐付く支払依頼データ(支払依頼コード「S1」)を作成する。なお、当該回収予定データに紐付く当該契約データ(管理委託契約コード「K1」)に管理料は設定されていないため、送金計算部102cは、当該契約データに紐付く管理料に関する回収予定データを作成しない。
【0045】
[6]2018/8/31:8月分の仕訳を計上(
図3参照)
作成部102eは、未払計上日が属する年月が現年月(2018/8)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である支払依頼データ(支払依頼コード「S1」)および科目マスタ106eを基に、当該支払依頼データの未払計上日(2018/8/15)を発生日とする家主への支払仕訳データを作成し、当該支払依頼データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。また、作成部102eは、該当年月が現年月(2018/8)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である回収予定データ(回収予定コード「KY1」)および科目マスタ106eを基に、当該回収予定データの売上発生日(2018/08/31)を発生日とする入居者の売上仕訳データを作成し、当該回収予定データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。
【0046】
[7]2018/9/1:9月請求10月該当の請求を作成(
図3参照)
請求計算部102bは、現日付(2018/09/01)を有効期間に含む契約データ(管理委託契約コード「K2」)に紐付き且つ該当年月が現年月(2018/09)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY3」)を基に、回収予定データ(回収予定コード「KY5」)を作成する。
【0047】
[8]2018/9/15:9月分の送金を行う(
図3参照)
送金計算部102cは、現年月(2018/9)の初日(2018/09/01)が有効期間終了日以前且つ現年月(2018/9)の末日(2018/09/30)が有効期間開始日以後の契約データ(管理委託契約コード「K2」)に紐付き且つ該当年月が現年月(2018/9)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY3」)を基に、当該回収予定データに紐付く支払依頼データ(支払依頼コード「S2」)を作成する。なお、当該回収予定データ(回収予定コード「KY3」)に紐付く当該契約データ(管理委託契約コード「K2」)に管理料(5.00%)が設定されているため、送金計算部102cは、当該契約データに紐付く管理料に関する回収予定データ(回収予定コード「KY6」)を作成する。
【0048】
[9]2018/9/30:9月分の仕訳を計上(
図4参照)
作成部102eは、未払計上日が属する年月が現年月(2018/9)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である支払依頼データ(支払依頼コード「S2」)および科目マスタ106eを基に、当該支払依頼データの未払計上日(2018/09/15)を発生日とする家主への支払仕訳データを作成し、当該支払依頼データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。また、作成部102eは、該当年月が現年月(2018/9)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である回収予定データ(回収予定コード「KY2」「KY21」「KY3」「KY6」)および科目マスタ106eを基に、当該回収予定データの売上発生日(2018/09/30,2018/09/15)を発生日とする入居者の売上仕訳データを作成し、当該回収予定データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。
【0049】
[2−2.具体例その2]
業務フローおよび管理委託業務支援装置100で実行される処理の一例について、
図5から
図7を参照して説明する。なお、本説明は、「家族の親から子が不動産物件(例:賃貸マンション)を相続することにより、委託形態および管理料の見直しと共に現管理委託契約の変更を行う」といった場面を想定したものである。
【0050】
[1]2018/6/1:親管理物件の管理委託契約を登録(
図5参照)
登録部102aは、オペレータの入力情報を基に、契約データ(管理委託契約コード「K1」)を作成する。なお、契約データには月々の家賃(例:60,000円/月)に関する情報も含まれる。
【0051】
[2]2018/7/10:入居者を登録(
図5参照)
請求計算部102bは、現日付(2018/07/10)を有効期間に含む契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付く回収予定データ(回収予定コード「KY1」「KY2」)を作成する。なお、現日付が月初めではないため、契約月(2018/07)の翌月の家賃に対応する回収予定データ以外に、契約月(2018/07)の日割家賃(20,000円)に対応する回収予定データも作成される。
【0052】
[3]2018/7/15:7月分の送金を行う(
図5参照)
送金計算部102cは、現年月(2018/7)の初日(2018/07/01)が有効期間終了日以前且つ現年月(2018/7)の末日(2018/07/31)が有効期間開始日以後の契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付き且つ該当年月が現年月(2018/7)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY1」)を基に、当該回収予定データに紐付く支払依頼データ(支払依頼コード「S1」)を作成する。また、当該回収予定データに紐付く当該契約データ(管理委託契約コード「K1」)に管理料(5.00%)が設定されているため、送金計算部102cは、当該契約データに紐付く管理料に関する回収予定データ(回収予定コード「KY3」)を作成する。
【0053】
[4]2018/7/20:親から子への管理変更が決まり管理委託契約を登録し、2018/8/11から開始の管理委託契約の変更登録を事前に行う(
図5参照)
変更部102dは、変更元の契約(管理委託契約コード「K1」)、変更後の委託形態(委託形態コード「3:集金物件」)、変更後の所有者(家主コード「Y2:子」)、変更後の契約開始日(2018/08/11)および変更後の管理料(4.50%)が指定されると、以下の(1)から(4)の処理を実行する。
(1)指定された情報を基に、新規の契約データ(管理委託契約コード「K2」)を作成する。
(2)指定された契約に関する契約データ(管理委託契約コード「K1」)中の契約終了日(2099/12/31)を、指定された契約開始日(2018/08/11)の前日(2018/08/10)に変更する。
(3)指定された契約に関する契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日(2018/08/11)が属する年月(2018/8)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY2」)を帳消しにするための回収予定赤データ(回収予定コード「KY21」)を作成する。
(4)指定された契約開始日(2018/08/11)が月初めではないので、指定された契約に関する契約データ(管理委託契約コード「K1」)に紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日(2018/08/11)が属する年月(2018/8)と同じで且つ日割計算結果(8/1から8/10までの日割家賃)が反映された回収予定データ(回収予定コード「KY22」)、および、新規の契約データ(管理委託契約コード「K2」)に紐付き且つ該当年月が指定された契約開始日(2018/08/11)が属する年月(2018/8)と同じで且つ日割計算結果(8/11から8/31までの日割家賃)が反映された回収予定データ(回収予定コード「KY4」)を作成する。
【0054】
[5]2018/7/31:7月分の仕訳を計上(
図6参照)
作成部102eは、未払計上日が属する年月が現年月(2018/7)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である支払依頼データ(支払依頼コード「S1」)および科目マスタ106eを基に、当該支払依頼データの未払計上日(2018/7/15)を発生日とする家主への支払仕訳データを作成し、当該支払依頼データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。また、作成部102eは、該当年月が現年月(2018/7)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である回収予定データ(回収予定コード「KY1」「KY3」)および科目マスタ106eを基に、当該回収予定データの売上計上日(2018/07/31,2018/07/15)を発生日とする入居者の売上仕訳データを作成し、当該回収予定データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。
【0055】
[6]2018/8/15:8月分の送金を行う(
図6参照)
送金計算部102cは、現年月(2018/8)の初日(2018/08/01)が有効期間終了日以前且つ現年月(2018/8)の末日(2018/08/31)が有効期間開始日以後の契約データ(管理委託契約コード「K1」「K2」)に紐付き且つ該当年月が現年月(2018/8)と同じ回収予定データ(回収予定コード「KY2」「KY21」「KY22」「KY4」)を基に、当該回収予定データに紐付く支払依頼データ(支払依頼コード「S2」「S3」「S4」「S5」)を作成する。なお、当該回収予定データに紐付く契約データ(管理委託契約コード「K1」「K2」)に管理料(5.00%,4.50%)が設定されているため、送金計算部102cは、当該契約データに紐付く管理料に関する回収予定データ(回収予定コード「KY5」「KY6」「KY7」「KY8」)を作成する。
【0056】
[7]2018/8/31:8月分の仕訳を計上(
図7参照)
作成部102eは、未払計上日が属する年月が現年月(2018/8)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である支払依頼データ(支払依頼コード「S2」「S3」「S4」「S5」)および科目マスタ106eを基に、当該支払依頼データの未払計上日(2018/8/15)を発生日とする家主への支払仕訳データを作成し、当該支払依頼データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。また、作成部102eは、該当年月が現年月(2018/8)と同じで且つ仕訳連携ステータスが「未計上」である回収予定データ(回収予定コード「KY2」「KY21」「KY22」「KY4」「KY5」「KY6」「KY7」「KY8」)および科目マスタ106eを基に、当該回収予定データの売上計上日(2018/08/31,2018/08/15)を発生日とする入居者の売上仕訳データを作成し、当該回収予定データの仕訳連携ステータスを「計上済」に変更する。
【0057】
以上、本実施形態によれば、不動産の管理委託契約に対する家主の変更に係る処理を会計仕訳に影響ないように行うことができる。不動産の管理委託契約に対する家主の変更について、変更の態様および時期は様々で、しかも、変更の度に、それぞれに対し発生している請求・入金・送金等のお金の意味合いが変わる、つまりは建物に発生するお金の管理方法が変わるので(家族間の相続なども同様)、会計仕訳に影響ないように当該変更に係る処理(データ管理などを含む)を行うことが求められるが、本実施形態によれば、このような要求に応えることができる。本実施形態によれば、管理変更登録の簡易化、管理変更月の入居者請求の調整、入居者請求と家主送金発生の精度向上、および仕訳作成の簡易化を実現することができる。
【0058】
また、家主側の観点(管理委託契約)においては、これまでは、契約内容変更による送金金額の調整を手作業で行い、しかも管理委託契約の変更タイミングは任意月の送金計算確定後である必要があったため、業務負荷が集中していた。また、顧客側の観点(賃貸借契約)においては、これまで、該当の管理委託契約に紐付く物件の入居者を一度すべて解約にし、そこに紐付く請求・入金も、仕訳連携のために全て手作業で調整をする必要があった。ところが、本実施形態によれば、これまでのこれらの問題を全て解消することができる。
【0059】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、管理委託業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、管理委託業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて管理委託業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0064】
また、このコンピュータプログラムは、管理委託業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、管理委託業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、管理委託業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。