【解決手段】本実施形態では、(1)照会画面で指定された受注識別情報に対応する受注した製品を構成する部品および受注した製品の製造に係る作業についての入荷および仕入の状況を、発注データ記憶領域、入荷データ記憶領域、仕入データ記憶領域を参照して確認し、(2)指定された受注識別情報により特定される仕入データを基に、部品および作業のそれぞれの識別情報と部品および作業のそれぞれに対応する費目とを保持する費目データを参照して、各費目の費用および実績原価を計算し、(3)入荷および仕入の状況についての確認結果および実績数値計算手段で得られた計算結果を照会画面に表示させる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る情報照会装置、情報照会方法および情報照会プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
顧客の受注を受けてから製造を開始する受注製造において、複数の構成部品等により構成されている場合、通常であれば構成部品の在庫状況や手配数の考慮等を行う。
【0017】
しかし、業務形態によっては、注文と同時に構成部品や、製品の製造に係る作業の発注を行う場合がある。このような場合、商品の受注があると、各構成部品や作業についてそれぞれ発注する必要がある。
【0018】
そして、各構成部品や作業についてそれぞれ発注を行った場合、入荷や仕入等の進捗や、利益管理を行う必要がある。
【0019】
そこで、本実施形態では、複数の構成部品により構成されている商品が発注された場合、構成部品ごとに発注書や作業指示書等を発行することで、各構成部品についてそれぞれ発注する。さらに、本実施形態では、入荷や仕入等の進捗や、利益管理を一画面に任意のタイミングで表示できるようにした。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る情報照会装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、情報照会装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
情報照会装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、情報照会装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
情報照会装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。情報照会装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、情報照会装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、情報照会装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106には、品番マスタ106a、構成マスタ106b、仕入先マスタ106c、費目区分マスタ106d、受注データテーブル106e、発注データテーブル106f、入荷データテーブル106g、及び仕入データテーブル106h等が格納されている。
【0027】
図2は、品番マスタ106aのデータ構成の一例を示す図である。品番マスタ106aは、受注製品を構成する構成部品や受注製品の製造に係る作業等を示すデータが格納されている。すなわち、品番マスタ106aは、部品および作業のそれぞれの識別情報と、部品および作業のそれぞれに対応する費目とを保持する費目データが格納されている。品番マスタ106aには、品番コード、品名、及び費目区分が紐づけられている。品番コードは、受注製品、構成部品、及び受注製品の製造に係る作業を識別可能な識別情報である。品名は、構成部品及び作業の名称である。費目区分は、構成部品及び作業の費目の区分である。
【0028】
図3は、構成マスタ106bのデータ構成の一例を示す図である。構成マスタ106bは、受注製品を構成する構成部品や、受注製品の製造に係る作業等に関する各種情報が格納されている。構成マスタ106bには、親品番コード、子品番コード、構成数、発注単価、作業時間、及び仕入品コードが紐づけられている。親品番コードは、受注製品を識別可能な識別情報である。子品番コードは、受注製品を構成する構成部品や作業等を識別可能な識別情報である。すなわち、親品番コード、及び子品番コードは、部品および作業のそれぞれの識別情報である。構成数は、受注製品を構成する構成部品や作業等の数を示す情報である。発注単価は、受注製品を構成する構成部品や作業等の単価を示す情報である。作業時間は、受注製品を構成するための作業の時間を示す情報である。仕入品コードは、受注製品を構成する構成部品や作業等の仕入先を識別可能な識別情報である。
【0029】
図4は、仕入先マスタ106cのデータ構成の一例を示す図である。仕入先マスタ106cは、仕入先に関する各種情報が格納されている。仕入先マスタ106cには、仕入先コード、主要仕入先、加工先区分、自社他社区分、入荷期間、及び作業単価が紐付けられている。仕入先コードは、仕入先を識別可能な識別情報である。主要仕入先は、仕入先の企業等を示す情報である。加工先区分は、仕入先か加工先かの区分を示す情報である。自社他社区分は、自社か他社かの区分を示す情報である。入荷期間は、入荷されるまでの期間を示す情報である。例えば、入荷期間は、日数によって表示される。作業単価は、作業である場合の単価を示す情報である。例えば、作業単価は、一時間当たりの金額によって表示される。
【0030】
図5は、費目区分マスタ106dのデータ構成の一例を示す図である。費目区分マスタ106dは、費目区分ごとの表示順を示す情報である。
【0031】
受注データテーブル106eは、受注データが登録されたテーブルである。
【0032】
発注データテーブル106fは、発注データが登録されたテーブルである。すなわち、発注データテーブル106fは、部品および作業の発注に関する発注データであって、受注番号等の受注識別情報を含むものを記憶している発注データ記憶領域である。
【0033】
入荷データテーブル106gは、入荷データが登録されたテーブルである。すなわち、入荷データテーブル106gは、部品および作業の入荷に関する入荷データであって、発注番号等の発注識別情報を含むものを記憶させるための入荷データ記憶領域である。
【0034】
仕入データテーブル106hは、仕入データが登録されたテーブルである。すなわち、仕入データテーブル106hは、部品および作業の仕入に関する仕入データであって、入荷番号等の入荷識別情報を含むものを記憶させるための仕入データ記憶領域である。
【0035】
制御部102は、情報照会装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0036】
制御部102は、機能概念的に、確認手段に相当する確認部102aと、実績数値計算手段に相当する実績数値計算部102bと、表示実行手段に相当する表示実行部102cと、予定数値計算手段に相当する予定数値計算部102dと、書類発行手段に相当する書類発行部102eとを備えている。
【0037】
確認部102aは、進捗照会画面にて受注番号が指定されると、指定された受注番号に対応する受注した製品を構成する部品および受注した製品の製造に係る作業についての入荷および仕入の状況を、部品および作業の発注に関する発注データであって受注番号を含むものを記憶している発注データテーブル106f、部品および作業の入荷に関する入荷データであって発注番号を含むものを記憶させるための入荷データテーブル106g、ならびに部品および作業の仕入に関する仕入データであって入荷番号を含むものを記憶させるための仕入データテーブル106hを参照して確認する。
【0038】
具体的には、確認部102aは、進捗照会画面にて受注番号が指定されると、指定された受注番号を有する発注データを発注データテーブル106fから抽出する。また、確認部102aは、発注データテーブル106fから抽出した発注データで発注対象にされた部品及び作業の入荷に関する入荷データを入荷データテーブル106gから抽出する。また、確認部102aは、入荷データテーブル106gから抽出した入荷データで入荷対象にされた部品及び作業の仕入に関する仕入データを仕入データテーブル106hから抽出する。
【0039】
このようにして、確認部102aは、受注した製品を構成する部品および受注した製品の製造に係る作業についての入荷及び仕入の状況を確認する。すなわち、確認部102aは、受注した製品を構成する部品および受注した製品の製造に係る作業についての入荷及び仕入が完了しているか否かを確認する。
【0040】
実績数値計算部102bは、確認部102aにおいて指定された受注番号により特定される仕入データを基に、部品および作業のそれぞれの品番コードと部品および作業のそれぞれに対応する費目とを保持する品番マスタ106aを参照して、各費目の費用および実績原価を計算する。具体的には、実績数値計算部102bは、確認部102aにおいて指定された受注番号の受注に応じて発注された部品及び作業の発注データを発注データテーブル106fから抽出する。すなわち、実績数値計算部102bは、確認部102aにおいて指定された受注番号を含む発注データを発注データテーブル106fから抽出する。また、実績数値計算部102bは、発注データテーブル106fから抽出した発注データに含まれる発注番号を抽出する。さらに、実績数値計算部102bは、抽出した発注番号を有する仕入データを仕入データテーブル106hから抽出する。そして、実績数値計算部102bは、仕入データに含まれる仕入対象の部品又は作業の数量、単価、及び金額を基に、品番コードと部品および作業のそれぞれに対応する費目とを保持する品番マスタ106aを参照して、各費目の費用および実績原価を計算する。
【0041】
また、実績数値計算部102bは、確認部102aにおいて指定された受注番号により特定される仕入データ、および製品の受注に関する受注データを基に、受注データに含まれる製品の受注金額と、実績原価とから実績利益および実績利益率を計算する。具体的には、実績数値計算部102bは、確認部102aにおいて指定された受注番号により特定される受注データを受注データテーブル106eから抽出する。また、実績数値計算部102bは、受注データに含まれる製品の数量、単価、及び金額から算出される受注金額と、実績原価と実績利益および実績利益率を計算する。
【0042】
表示実行部102cは、確認部102aで得られた入荷および仕入の状況についての確認結果および実績数値計算部102bで得られた計算結果を進捗照会画面に表示させる。
【0043】
また、表示実行部102cは、予定数値計算部102dで得られた計算結果を進捗照会画面にさらに表示させる。具体的には、表示実行部102cは、予定数値計算部102dが予定原価を計算した場合には、予定原価を進捗照会画面にさらに表示させる。
【0044】
また、表示実行部102cは、確認部102aで得られた入荷および仕入の状況についての確認結果を基に、部品および作業のそれぞれに対応する費目ごとに入荷および仕入が完了しているか否かを進捗照会画面に表示させる。
【0045】
予定数値計算部102dは、確認部102aにおいて指定された受注番号により特定される発注データを基に、予定原価を計算する。具体的には、予定数値計算部102dは、確認部102aにおいて指定された受注番号を含む発注データを発注データテーブル106fから抽出する。そして、予定数値計算部102dは、発注データに含まれる発注対象の部品又は作業の数量、単価、及び金額を基に、予定原価を計算する。
【0046】
書類発行部102eは、実績数値計算部102bが計算した実績原価が示された書類を発行する。具体的には、書類発行部102eは、
図19に示す書類を発行する。
【0047】
[3.処理]
ここでは、情報照会装置100で実行される処理の一例について、図を参照して説明する。
【0048】
[3−1.受注入力処理]
図6は、受注入力画面の一例を示す図である。受注入力画面は、受注内容に関する各種事項を入力する画面である。受注入力画面は、受注番号、受注日、得意先、倉庫、受注区分、出荷日、納期、及び受注内容を入力する欄を備えている。受注番号は、受注した取引を識別するための番号である。受注日は、受注した日付である。得意先は、受注した取引の取引相手である。倉庫は、受注した商品を格納する倉庫である。受注区分は、受注した取引の区分である。出荷日は、受注した取引での商品の出荷予定日である。納期は、受注した取引での納期である。受注内容は、受注した取引の内容である。例えば、受注内容には、商品を識別可能な品番コードや、商品の品名や、商品の数量や、商品の単価や、商品の数量当たりの金額等が含まれる。
【0049】
情報照会装置100は、受注入力画面に入力された入力内容を確定する操作を受け付けた場合に、受注入力画面で入力された入力内容に基づいて、受注データを生成する。また、情報照会装置100は、生成した受注データを受注データテーブル106eに格納する。
【0050】
図7は、受注データのデータ構成の一例を示す図である。受注データは、受注内容を示す情報である。受注データには、受注番号、行、伝票種、取引区分、受注日、出荷日、納期、得意先、倉庫、商品、数量、単価、金額、原価、及び粗利が紐づけられている。受注番号は、受注した取引を識別するための番号である。行は、受注データの行数を示す情報である。例えば、行は、受注した商品の種別が複数ある場合に、複数となる。伝票種は、伝票の種別を示す情報である。なお、受注データの場合には伝票種は、「受注」となる。取引区分は、取引の区分を示す情報である。例えば、取引区分には、1の受注に対して複数の発注を行う「1:N受発注」や、倉庫に格納されている在庫を出す「倉出受注」等が含まれる。受注日は、受注した日付を示す情報である。出荷日は、出荷する予定の日付を示す情報である。納期は、受注した取引の納期を示す情報である。得意先は、受注した取引の取引相手を示す情報である。倉庫は、受注した商品を格納する倉庫である。商品は、受注した商品を示す情報である。数量は、受注した商品の数量を示す情報である。単価は、受注した商品の単価を示す情報である。金額は、受注した商品の数量当たりの金額を示す情報である。原価は、受注した商品の原価を示す情報である。例えば、原価は、図示されていない費目区分マスタ106d等に設定されている。粗利は、金額から原価を減算することで算出される情報である。なお、
図7は、受注番号「JY0001」「JY0002」の2つの受注データを示している。
【0051】
[3−2.発注入力処理]
そして、情報照会装置100は、発注一括入力画面を表示させる操作を受け付けた場合に、発注一括入力画面を表示させる。
図8は、発注一括入力画面の一例を示す図である。発注一括入力画面は、1の受注に対して複数の発注を行う必要がある取引において、複数の発注を一括して行う画面である。発注一括入力画面は、発注日入力欄G21と、抽出条件入力欄G22と、発注候補表示欄G23とを備えている。発注日入力欄G21は、発注日を入力する欄である。抽出条件入力欄G22は、抽出する受注データの条件を入力する欄である。抽出条件入力欄G22には、抽出条件として、受注日、受注番号、担当者、得意先、及び商品を入力する。発注候補表示欄G23は、1の受注に対して複数の発注を行う必要がある取引に関する受注データのうち、抽出条件入力欄G22に入力された抽出条件に該当する発注の候補を表示する欄である。
【0052】
なお、発注一括入力画面は、1の受注に対して複数の発注を行う必要がある取引において、複数の発注を一括して行う画面であるため、倉庫に格納されている在庫を出す「倉出受注」は抽出されない。さらに、発注候補表示欄G23は、表示されている内容を修正する操作を受け付ける。そして、情報照会装置100は、修正を更新する操作を受け付けた場合に、受注データを更新する。
【0053】
また、情報照会装置100は、発注一括入力画面において発注する対象を確定する操作を受け付けた場合に、発注一括入力画面の表示内容に基づいて、発注データを生成する。また、情報照会装置100は、生成した発注データを発注データテーブル106fに格納する。
【0054】
図9は、発注データのデータ構成の一例を示す図である。発注データには、例えば、発注番号、行、取引区分、発注日、仕入先、倉庫、商品、数量、単価、及び金額が含まれる。
図9は、受注番号「JY001」の受注に対して発注する発注番号「HT001」「HT002」「HT003」「HT004」の発注データが示されている。
【0055】
また、情報照会装置100は、生成した発注データに基づいて、伝票を発行する。
図10は、伝票の一例を示す図である。
図10(a)は、発注番号「HT001」の発注データから生成された発注書を示している。すなわち、
図10(a)は、品番コード「KS001」の発注書を示している。
図10(b)は、発注番号「HT002」の発注データから生成された発注書を示している。すなわち、
図10(b)は、品番コード「KS002」の発注書を示している。
図10(c)は、発注番号「HT003」の発注データから生成された作業依頼書を示している。すなわち、
図10(c)は、品番コード「KS003」の作業依頼書を示している。
図10(d)は、発注番号「HT004」の発注データから生成された作業指示書を示している。すなわち、
図10(d)は、品番コード「KS003」の作業指示書を示している。
【0056】
情報照会装置100は、発行対象の品番コードに紐づけられた仕入品コードに対して、さらに紐づけられた加工先区分が「仕入先」の場合、タイトルを「発注書」にして、「発注書」の印刷様式にて、発注書を発行する。また、情報照会装置100は、加工先区分が「加工先」の場合、仕入品コードに紐づけられた自社他社区分に応じて「作業依頼書」と「作業指示書」とを切り替えて発行する。例えば、情報照会装置100は、自社他社区分が「他社」の場合、タイトルを「作業依頼書」にして、「作業依頼書」の印刷様式にて、作業依頼書を発行する。また、情報照会装置100は、自社他社区分が「自社」の場合、タイトルを「作業指示書」にして、「作業指示書」の印刷様式にて、作業指示書を発行する。そして、情報照会装置100は、「発注書」「作業依頼書」「作業指示書」を各宛先に提出することで発注する。
【0057】
[3−3.売上入力処理]
情報照会装置100は、売上入力画面を表示させる操作を受け付けた場合に、売上入力画面を表示させる。
図11は、売上入力画面の一例を示す図である。情報照会装置100は、例えば受注番号等の入力を受け付けたことで、売上を登録する対象の受注が特定した場合に、売上を計上する条件が満たされているか否かを判定する。すなわち、情報照会装置100は、対象の受注により発注した構成部品や作業等について、入荷及び仕入が完了しているか否かを判定する。情報照会装置100は、入荷及び仕入が完了していない場合に、入荷や仕入が完了していないことを示す警告画面G31を表示して警告する。
図11に示す警告画面G31は、「KS002」「KS003」及び「KS004」が未入荷であるため、売上を入力することができないことを警告している。
【0058】
警告画面G31が表示されたことに伴い状況を確認するために、ユーザが進捗照会画面を表示させる操作を入力した場合に、情報照会装置100は、進捗照会画面を表示させる。
図12は、進捗照会画面の一例を示す図である。進捗照会画面は、受注番号入力欄G41、進捗状況表示欄G42、概要表示欄G43、及び内訳表示欄G44を備えている。受注番号入力欄G41は、進捗を表示させる対象の受注番号を入力する欄である。進捗状況表示欄G42は、受注番号入力欄G41に入力された受注番号より特定される受注取引の進捗状況を表示する欄である。
図12に示す進捗状況表示欄G42は、対象の受注取引では入荷が完了していないことを示す「入荷未完了」と表示されている。
【0059】
具体的には、確認部102aは、受注番号入力欄G41に入力された受注番号を有する発注データを発注データテーブル106fから抽出する。また、確認部102aは、発注データテーブル106fから抽出した発注データで発注対象にされた全ての部品及び作業についての入荷データが入荷データテーブル106gに格納されているか確認する。確認部102aは、全ての部品及び作業についての入荷データが入荷データテーブル106gに格納されている場合に、入荷が完了したと判定する。また、確認部102aは、発注データテーブル106fから抽出した発注データで発注対象にされた全ての品及び作業についての仕入データが仕入データテーブル106hに格納されているか確認する。確認部102aは、全ての部品及び作業についての仕入データが仕入データテーブル106hに格納されている場合に、仕入が完了したと判定する。そして、表示実行部102cは、入荷が完了していない場合に「入荷未完了」と表示させ、仕入が完了していない場合に「仕入未完了」と表示させ、仕入が完了した場合に「仕入完了」と表示させる。
【0060】
概要表示欄G43は、受注番号入力欄G41により特定される受注取引の概要を表示する欄である。更に詳しくは、概要表示欄G43は、受注番号、行、商品、数量、単価、受注金額、予定原価、予定利益、予定利益率、材料費、外注費、労務費、経費、実績原価、実績利益、及び実績利益率を表示する。このうち、予定原価、予定利益、及び予定利益率は、受注取引に応じて発注した構成部品や作業の発注時の予定値である。実績原価、実績利益、及び実績利益率は、受注取引に応じて発注した構成部品や作業の仕入時の実績値である。また、実績原価は、材料費、外注費、労務費、及び経費を合算することで算出される。
【0061】
具体的には、実績数値計算部102bは、確認部102aにおいて指定された受注番号により特定される仕入データを基に、実績原価等を計算する。また。予定数値計算部102dは、確認部102aにおいて指定された受注番号により特定される発注データを基に、予定原価を計算するそして、表示実行部102cは、実績原価や予定原価を表示させる。
【0062】
内訳表示欄G44は、受注取引に応じて発注した発注取引の内訳を表示する欄である。更に詳しくは、内訳表示欄G44には、商品、数量、発注単価、入荷数量、仕入数量、仕入単価、仕入金額、及び完了を表示する。商品は、品番コードや名称等を表示する欄である。数量は、発注した数量を表示する欄である。発注単価は、発注した構成部品や作業等の単価を表示する欄である。入荷数量は、入荷した数量を表示する欄である。仕入数量は、仕入れた数量を表示する欄である。仕入単価は、仕入れた構成部品や作業等の単価を表示する欄である。仕入金額は、仕入れた構成部品や作業等の合計金額を表示する欄である。完了は、入荷及び仕入が完了したか否かを表示する欄である。すなわち、完了には、入荷及び仕入が完了した場合には「丸印」等の入荷及び仕入が完了したことを示す内容が表示され、入荷又は仕入が未完了した場合には「未」等の入荷又は仕入が未完了であることを示す内容が表示される。
【0063】
具体的には、確認部102aは、受注番号入力欄G41に入力された受注番号を有する発注データを発注データテーブル106fから抽出する。また、確認部102aは、発注データテーブル106fから抽出した発注データで発注対象にされた部品及び作業のそれぞれについての入荷データが入荷データテーブル106gに格納され、且つ仕入データが仕入データテーブル106hに格納されているか確認する。確認部102aは、入荷データが入荷データテーブル106gに格納され、且つ仕入データが仕入データテーブル106hに格納されている場合に、該当する部品及び作業について入荷及び仕入が完了したと確認する。そして、表示実行部102cは、入荷及び仕入が完了した場合には「丸印」等の入荷及び仕入が完了したことを示す内容を表示させ、入荷又は仕入が未完了した場合には「未」等の入荷及びは仕入が未完了であることを示す内容が表示させる。
【0064】
[3−4.入荷入力処理]
構成部品や作業を入荷したことに伴い、ユーザが入荷入力画面を表示させる操作を入力した場合に、情報照会装置100は、入荷入力画面を表示させる。
図13は、入荷入力画面の一例を示す図である。入荷入力画面は、入荷日入力欄G51と、抽出条件入力欄G52と、内訳表示欄G53とを備えている。入荷日入力欄G51は、入荷日を入力する欄である。抽出条件入力欄G52は、入荷した構成部品又は作業を発注した発注データを抽出する抽出条件を入力する欄である。抽出条件入力欄G52には、抽出条件として、発注日、仕入先、及び担当者を入力する。内訳表示欄G53は、抽出条件入力欄G52に入力された抽出条件に該当する発注の候補を表示する欄である。また、内訳表示欄G53は、各種入力を受け付けることができる。すなわち、内訳表示欄G53は、仕入先、商品、数量、発注単価、及び入荷数量を受け付ける。また、内訳表示欄G53において、品番コード「KS004」及び品名「自社作業4」は、自社作業であるため、入荷数量には0が入力される。そして、情報照会装置100は、入荷入力画面に入力された入力内容を確定する操作を受け付けた場合に、入荷データを生成する。また、情報照会装置100は、生成した入荷データを入荷データテーブル106gに格納する。
【0065】
図14は、入荷データのデータ構成の一例を示す図である。情報照会装置100は、入荷入力画面で入力された入力内容に基づいて、入荷データを生成する。入荷データには、発注番号、入荷番号、行、伝票種、取引区分、入荷日、仕入先、倉庫、商品、及び数量が含まれる。
【0066】
構成部品や作業の入荷データが生成された状態で、進捗照会画面を表示させる操作を受け付けた場合に、情報照会装置100は、入荷後に行われる仕入が未完了であることを示す進捗照会画面を表示させる。
図15は、入荷登録後の進捗照会画面の一例を示す図である。
図15に示す進捗照会画面は、入荷の登録が完了している。そのため、
図15に示す進捗状況表示欄G42には、入荷は完了したが、仕入は完了していないことを示す「仕入未完了」と表示される。また、
図13に示す入荷入力画面において、品番コード「KS002」「KS003」及び「KS004」の入荷が登録されている。そのため、内訳表示欄G44における品番コード「KS002」「KS003」及び「KS004」のそれぞれの入荷数量の欄に、各入荷数量が表示される。
【0067】
[3−5.仕入入力処理]
構成部品や作業を仕入が完了したことに伴い、ユーザが仕入入力画面を表示させる操作を入力した場合に、情報照会装置100は、仕入入力画面を表示させる。
図16は、仕入入力画面の一例を示す図である。仕入入力画面は、入荷番号入力欄G61と、仕入日入力欄G62と、仕入先入力欄G63と、内訳表示欄G64とを備えている。入荷番号入力欄G61は、仕入に係る入荷を特定可能な入荷番号を入力する欄である。仕入日入力欄G62は、仕入日を入力する欄である。仕入先入力欄G63は、仕入先を入力する欄である。内訳表示欄G64は、入荷番号入力欄G61、及び仕入先入力欄G63に適合する入荷データを表示する欄である。また、内訳表示欄G64は、各種入力を受け付けることができる。更に詳しくは、内訳表示欄G64は、商品、数量、発注単価、入荷数量、仕入数量、仕入単価、及び仕入金額を表示する欄である。そして、仕入先が社外の場合、内訳表示欄G64には、仕入数量、仕入単価、及び仕入金額が入力される。一方、仕入先が社内の場合、内訳表示欄G64には、仕入金額が入力される。そして、情報照会装置100は、仕入入力画面に入力された入力内容を確定する操作を受け付けた場合に、仕入が完了したことを登録する。また、情報照会装置100は、仕入データを生成する。また、情報照会装置100は、仕入入力画面において、入荷した構成部品又は作業のそれぞれの仕入について入力を受け付ける。これにより、情報照会装置100は、仕入ごとに仕入データを生成する。また、情報照会装置100は、生成した仕入データを仕入データテーブル106hに格納する。
【0068】
図17は、仕入データのデータ構成の一例を示す図である。情報照会装置100は、仕入入力画面で入力された入力内容に基づいて、仕入データを生成する。仕入データには、発注番号、入荷番号、仕入番号、行、伝票種、取引区分、仕入日、仕入先、商品、数量、単価、及び金額が含まれる。
【0069】
構成部品や作業の仕入データが生成された状態で、進捗照会画面を表示させる操作を受け付けた場合に、情報照会装置100は、仕入が完了したことを示す進捗照会画面を表示させる。
図18は、仕入登録後の進捗照会画面の一例を示す図である。
図18に示す進捗照会画面は、仕入の登録が完了している。そのため、
図18に示す進捗状況表示欄G42には、仕入が完了したことを示す「仕入完了」と表示される。さらに、内訳表示欄G44における品番コード「KS002」「KS003」及び「KS004」のそれぞれの入荷数量の欄に、仕入数量、仕入単価、及び仕入金額が表示されている。さらに、内訳表示欄G44における品番コード「KS002」「KS003」及び「KS004」のそれぞれの完了欄には、仕入が完了したことを示す丸印が表示されている。
【0070】
また、
図18に示す進捗照会画面において、全ての構成部品及び作業についての仕入が完了している。よって、情報照会装置100は、売上登録画面を表示した場合に、
図11に示す警告画面G31を表示させずに、売上の登録を受け付ける。
【0071】
[3−6.書類発行処理]
また、情報照会装置100は、発行指示を受け付けた場合に、経理用書類として簡易原価計算書を発行する。
図19は、簡易原価計算書の一例を示す図である。情報照会装置100は、進捗照会画面の表示と同様の集計を実行することで、簡易原価計算書を生成する。更に詳しくは、情報照会装置100は、簡易原価計算書の対象となる受注番号が指定された場合に、進捗照会画面の表示と同様の集計を実行することで、材料費、外注費、労務費、経費、受注金額、実績原価、実績利益、及び実績利益率を取得する。そして、情報照会装置100は、取得した数値に基づいて、簡易原価計算書を生成する。
【0072】
以上のように、本実施形態にかかる情報照会装置100は、発注データテーブル106f、入荷データテーブル106g、仕入データテーブル106hに記憶されているデータを基に、入荷及び仕入の状況を確認する。さらに、発注データテーブル106f、入荷データテーブル106g、仕入データテーブル106hに記憶されているデータを基に、費目の費用および実績原価を計算する。そして、情報照会装置100は、確認結果である入荷及び仕入の状況、及び計算結果である費目の費用および実績原価を進捗照会画面に表示させる。よって、情報照会装置100は、進捗及び利益管理を容易にすることができる。
【0073】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0074】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0075】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0076】
また、情報照会装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0077】
例えば、情報照会装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報照会装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0078】
また、このコンピュータプログラムは、情報照会装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0079】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0080】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0081】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0082】
また、情報照会装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報照会装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0083】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。