【解決手段】搬送車100は、少なくとも1つの動作モードを有する。搬送車100は、車体1と、車輪21と、制御部9と、検出部3とを備える。車輪21は、車体1を移動させる。制御部9は、車輪21の動作を制御する。検出部3は、検出対象の動作を検出する。制御部9は、検出部3の出力に基づいて、検出対象の動作が所定のジェスチャであるか否かを判定する。制御部9は、検出対象の動作が所定のジェスチャであると判定したことに応じて、少なくとも1つの動作モードのうちの1つを設定する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を記載することがある。X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。また、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、X方向を前後方向と記載し、Y方向を左右方向と記載し、Z方向を上下方向と記載することがある。
【0011】
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態の搬送車100を説明する。
図1は、本実施形態に係る搬送車100を示す側面図である。
図2は、本実施形態に係る搬送車100を示す上面図である。本実施形態の搬送車100は、無人搬送台車である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、搬送車100は、車体1と、複数の車輪2と、検出部3とを備える。本実施形態の搬送車100は、衝撃検知スイッチ4を更に備える。搬送車100は、複数の動作モードを有する。複数の動作モードは、追従モードと、待機モードとを含む。追従モードは、追従対象に追従して車体1を移動させるモードである。待機モードは、搬送車100を待機状態にするモードである。具体的には、搬送車100は、次の動作の指示を待つ状態となる。
【0013】
本実施形態において、複数の動作モードは、手動運転モードと、自動運転モードとを更に含む。手動運転モードは、上位装置200(
図3)から指示された方向へ車体1を移動させるモードである。自動運転モードは、上位装置200(
図3)から指示された走行経路に沿って車体1を移動させるモードである。なお、上位装置200(
図3)は、例えば、複数の搬送車100を管理する管理装置である。
【0014】
車体1は、本体部11と、天板部12とを有する。天板部12は、本体部11の上方に配置される。本実施形態の本体部11は、支持部11aを有する。支持部11aは、本体部11の上部に設けられる。支持部11aは、天板部12を下方から支持する。天板部12は、搬送車100が搬送する搬送物を支持する。本体部11は、
図3を参照して説明する制御部9を収容する。本体部11は、制御部9に加えて、
図3を参照して説明する第1駆動部6a、第2駆動部6b、無線通信部7、及び記憶部8を更に収容する。
【0015】
複数の車輪2は、車体1を移動させる。複数の車輪2は、車体1の下部に配置される。具体的には、複数の車輪2は、本体部11の下部に配置される。
図2に示すように、複数の車輪2は、2つの駆動輪21と、2つの補助輪22とを含む。搬送車100は、2つの駆動輪21を駆動させる。2つの駆動輪21が駆動することにより、搬送車100が走行する。2つの補助輪22は、搬送車100が走行する際に回転する。
【0016】
2つの駆動輪21は、搬送車100の進行方向に直交する方向において対向する。2つの補助輪22も、搬送車100の進行方向に直交する方向において対向する。本実施形態において、2つの駆動輪21は、車体1の前部に設けられる。2つの補助輪22は、車体1の後部に設けられる。より具体的には、駆動輪21は、本体部11の前部に設けられる。補助輪22は、本体部11の後部に設けられる。本実施形態において、車体1の前部は、搬送車100の進行方向前側(+x側)の部分であり、車体1の後部は、搬送車100の進行方向後側(−x側)の部分である。
【0017】
検出部3は、車体1の前部に配置される。詳しくは、検出部3は、本体部11と天板部12との間に配置される。検出部3を本体部11と天板部12との間に配置することにより、検出部3が搬送物及び障害物と干渉することを抑制できる。
【0018】
本実施形態において、検出部3は障害物検出センサであり、障害物を検出する。詳しくは、検出部3は検出領域を有し、検出領域において障害物を検出する。例えば、障害物は、搬送車100が使用される施設内の壁を含む。また、障害物は、搬送車100が使用される施設に設けられている棚を含む。
【0019】
検出部3は更に、検出領域において検出対象の動作を検出する。具体的には、検出部3は、動作モードとして追従モードが設定されている場合、検出対象として追従対象を検出する。追従対象は、例えば作業者Wである。追従対象が作業者Wである場合、搬送車100は、作業者Wに追従して移動する。具体的には、作業者Wは搬送車100の前方を歩行し、搬送車100は作業者Wの後を追従して走行する。また、作業者Wが歩行を止めたことに応じて、搬送車100は停止する。
【0020】
検出部3は更に、所定のジェスチャを検出する。所定のジェスチャは、検出領域のうちの所定の領域で検出される検出対象の所定の動作である。例えば、検出対象は作業者Wの手であり、ジェスチャは作業者Wの手の動きである。本実施形態の搬送車100は、検出部3が所定のジェスチャを検出したことに応じて追従モードを設定する。本実施形態によれば、検出部3が、障害物と、追従対象と、所定のジェスチャとを検出する。したがって、ジェスチャを検出するためのセンサを搬送車100に別途設ける必要がない。よって、搬送車100の構成を変更することなく所定のジェスチャを検出することができる。具体的には、プログラムを更新することによって所定のジェスチャを検出することができる。なお、以下の説明において、ジェスチャを検出する領域を「ジェスチャ検出領域A」と記載する場合がある。
【0021】
衝撃検知スイッチ4は、衝撃を検知する。例えば、衝撃検知スイッチ4は、搬送車100が障害物に衝突した衝撃を検知する。衝撃検知スイッチ4は、車体1の下部に設けられる。より詳しくは、衝撃検知スイッチ4は、本体部11の下部に設けられる。また、衝撃検知スイッチ4は、
図2に示すように、本体部11を囲む。
【0022】
図2に示すように、本体部11は、マーク5を有する。マーク5は、本体部11の前端部11bの上面に設けられる。本体部11の前端部11bは、天板部12の前端121よりも前方の部分である。マーク5は、検出対象を所定の領域へ案内する。具体的には、マーク5は、ジェスチャ検出領域Aへ作業者Wの手を案内する。作業者Wがマーク5へ向けて手を動かすことにより、検出部3が所定のジェスチャを検出する。
【0023】
本実施形態において、所定のジェスチャは、所定時間以内にマーク5を2回叩く動作である。より詳しくは、所定のジェスチャは、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象(作業者Wの手)を所定時間以内に2回検出する動作である。本体部11がマーク5を有することにより、作業者Wは、所定のジェスチャを容易に実行することができる。換言すると、作業者Wは、搬送車100の動作モードを容易に設定することができる。例えば、作業者Wは、追従モードを容易に設定することができる。なお、検出部3が検出対象(作業者Wの手)を2回検出するには、作業者Wは、天板部12よりも上方からマーク5を2回叩く必要がある。
【0024】
続いて
図3を参照して、本実施形態の搬送車100を更に説明する。
図3は、本実施形態に係る搬送車100の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、搬送車100は、制御部9を更に備える。また、搬送車100は、第1駆動部6aと、第2駆動部6bと、無線通信部7と、記憶部8とを更に備える。また、2つの駆動輪21は、第1駆動輪21aと、第2駆動輪21bとを含む。
【0025】
第1駆動部6aは、制御部9によって制御されて、第1駆動輪21aを回転させる駆動力を発生する。例えば、第1駆動部6aは、第1駆動輪21aを回転させるモータ、ギア及び車軸と、駆動回路とを有する。駆動回路は、制御部9によって制御されて、モータを駆動する信号を生成する。
【0026】
同様に、第2駆動部6bは、制御部9によって制御されて、第2駆動輪21bを回転させる駆動力を発生する。例えば、第2駆動部6bは、第2駆動輪21bを回転させるモータ、ギア及び車軸と、駆動回路とを有する。駆動回路は、制御部9によって制御されて、モータを駆動する信号を生成する。
【0027】
なお、第1駆動部6aは、第1駆動輪21aを時計回り方向及び反時計回り方向の両方向に回転させることができる。同様に、第2駆動部6bは、第2駆動輪21bを時計回り方向及び反時計回り方向の両方向に回転させることができる。したがって、搬送車100は、前進だけでなく、後退、旋回(カーブ)、及びその場回転を実行することができる。
【0028】
無線通信部7は、上位装置200との間で無線通信を行う。例えば、無線通信部7は、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信ネットワークを介して、上位装置200との間で通信を行う。無線通信部7が無線通信ネットワークを介して上位装置200との間で通信を行う場合、無線通信部7は、無線LANモジュールを含む。無線LANモジュールは、通信回路を有する。無線通信部7は、搬送車100の現在の座標(現在の位置)を示す信号を上位装置200へ送信する。また、無線通信部7は、搬送車100が走行状態であるか停止状態であるかを示す信号を上位装置200へ送信する。また、無線通信部7は、現在設定されている搬送車100の動作モードを示す信号を上位装置200へ送信する。
【0029】
なお、無線通信部7は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準じた無線通信により、上位装置200との間で通信を行ってもよい。この場合、無線通信部7は、Bluetooth(登録商標)モジュールのような近距離無線通信モジュールを含む。近距離無線通信モジュールは、通信回路を有する。
【0030】
無線通信部7は、搬送車100の動作モードが手動運転モードに設定されている場合、搬送車100の移動方向を指示する信号を上位装置200から受信する。その結果、上位装置200から指示された方向へ搬送車100が移動する。
【0031】
無線通信部7は、搬送車100の動作モードが自動運転モードに設定されている場合、搬送車100の走行経路を指示する信号を上位装置200から受信する。その結果、上位装置200から指示された走行経路に沿って搬送車100が移動する。
【0032】
上位装置200は、例えば、タッチディスプレイを備えた情報処理装置である。具体的には、上位装置200は、スマートフォン又はタブレット端末であり得る。上位装置200は、搬送車100の移動方向を指示する信号を搬送車100へ送信する場合、搬送車100が使用される施設の地図をタッチディスプレイに表示させる。上位装置200の使用者は、タッチディスプレイに表示された地図上で、搬送車100を移動させる経路に沿って指をスライドさせる。上位装置200は、指がスライドする方向に基づいて、搬送車100の移動方向を指示する信号を無線通信部7へ送信する。
【0033】
上位装置200は、搬送車100の走行経路を指示する信号を搬送車100へ送信する場合、搬送車100が使用される施設の地図をタッチディスプレイに表示させる。上位装置200の使用者は、タッチディスプレイをタッチして、タッチディスプレイに表示されている地図上で行先を指定する。上位装置200は、使用者がタッチした位置を座標に変換する。換言すると、上位装置200は、使用者が指定した行先の座標を取得する。上位装置200は、搬送車100の現在の座標と、使用者が指定した行先の座標とに基づいて、使用者が指定した行先へ搬送車100が移動するための走行経路を決定する。上位装置200は、決定した走行経路を指示する信号を無線通信部7へ送信する。
【0034】
なお、上位装置200は、タッチディスプレイを備える情報処理装置に限定されない。上位装置200は、例えば、ディスプレイと、マウスのような入力装置とを備えた情報処理装置であり得る。例えば、上位装置200は、パーソナルコンピュータであり得る。
【0035】
記憶部8は、各種のデータ、及び各種の制御プログラムを記憶する。具体的には、記憶部8は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のような半導体メモリを含む。記憶部8は、EEPROM(登録商標)を含んでもよい。また、記憶部8は、半導体メモリに加えて、ストレージ装置を含み得る。ストレージ装置は、例えばHDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)によって構成される。また、記憶部8は、USB(Universal Serial Bus)メモリ、及びSD(Secure Digital)カードのようなリムーバブルメディアを含み得る。本実施形態において、各種のデータは、地図データを含む。地図データは、搬送車100が使用される施設の地図を示す。施設の地図は、施設内の壁、及び、施設内に設置されている棚を示す。施設の地図は更に、施設内に置かれている荷物を示し得る。
【0036】
制御部9は、記憶部8に記憶されている制御プログラムに基づいて、搬送車100の各部の動作を制御する。また、制御部9は、記憶部8に記憶されている制御プログラムに基づいて、各種の処理を実行する。制御部9は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを含む。
【0037】
具体的には、制御部9は、第1駆動部6a及び第2駆動部6bを介して、第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御する。例えば、制御部9は、搬送車100の走行中に衝撃検知スイッチ4が衝撃を検知したことに応じて、第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を停止させる。
【0038】
また、制御部9は、検出部3によって検出された障害物が、地図データに含まれる障害物であるか否かを判定する。制御部9は、検出部3によって検出された障害物が、地図データに含まれる障害物であると判定した場合、検出部3によって検出された障害物と搬送車100との間の距離と、地図データとに基づいて、搬送車100の現在の座標を推定する。
【0039】
制御部9は、搬送車100の走行中に検出部3によって検出された障害物が、地図データに含まれる障害物ではないと判定した場合、第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を停止させる。あるいは、制御部9は、障害物を回避する方向に車体1が移動するように、第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御する。具体的には、制御部9は、車体1が左方向又は右方向に旋回(カーブ)するように第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御する。
【0040】
また、制御部9は、動作モードとして追従モードを記憶部8に設定した場合、検出部3の出力に基づいて第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御して、車体1(搬送車100)を追従対象に追従させる。
【0041】
また、制御部9は、動作モードとして待機モードを記憶部8に設定した場合、待機状態となる。具体的には、制御部9は、次の動作の指示の入力を待つ状態となる。
【0042】
また、制御部9は、動作モードとして手動運転モードを記憶部8に設定した場合、第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御して、上位装置200から指示された移動方向へ車体1(搬送車100)を移動させる。
【0043】
また、制御部9は、動作モードとして自動運転モードを記憶部8に設定した場合、第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御して、上位装置200によって指示された走行経路に沿って車体1(搬送車100)を移動させる。
【0044】
また、制御部9は、検出部3の出力に基づいて、検出対象の動作が所定のジェスチャであるか否かを判定する。そして、制御部9は、検出対象の動作が所定のジェスチャであると判定したことに応じて、複数の動作モードのうちの1つの動作モードを設定する。本実施形態では、所定のジェスチャは、追従モードに対応する第1ジェスチャを含む。第1ジェスチャは、追従設定ジェスチャの一例である。制御部9は、検出対象の動作が第1ジェスチャであると判定したことに応じて追従モードを設定する。検出対象は、例えば作業者Wの手である。
【0045】
本実施形態において、第1ジェスチャは、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて作業者Wの手を所定時間以内に2回検出する動作である。所定時間は、例えば1秒である。具体的には、第1ジェスチャは、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて作業者Wの手を1回検出してから1秒以内にジェスチャ検出領域Aにおいて作業者Wの手を再度検出する動作であり得る。
【0046】
本実施形態では、所定のジェスチャは、追従モードの設定を解除する第2ジェスチャを更に含む。第2ジェスチャは、追従解除ジェスチャの一例である。制御部9は、追従モードの設定後、検出部3の出力に基づいて、検出対象の動作が第2ジェスチャであるか否かを判定する。そして、制御部9は、検出対象の動作が第2ジェスチャであると判定したことに応じて、追従モードの設定を解除する。本実施形態では、制御部9は、追従モードの設定を解除すると、待機モードを設定する。換言すると、制御部9は、検出対象の動作が第2ジェスチャであると判定したことに応じて待機モードを設定する。検出対象は、例えば作業者Wの手である。
【0047】
本実施形態において、第2ジェスチャは、第1ジェスチャと同じジェスチャである。すなわち、第2ジェスチャは、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて作業者Wの手を所定時間以内に2回検出する動作である。所定時間は、例えば1秒である。具体的には、第2ジェスチャは、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて作業者Wの手を1回検出してから1秒以内にジェスチャ検出領域Aにおいて作業者Wの手を再度検出する動作であり得る。
【0048】
以上、
図1〜
図3を参照して本実施形態を説明した。本実施形態によれば、作業者Wは、所定のジェスチャを行うことによって搬送車100の複数の動作モードのうちの1つの動作モードを設定することができる。したがって、作業者Wは、任意のタイミングで搬送車100の動作モードを設定することができる。また、作業者Wは、任意の位置で搬送車100の動作モードを設定することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、作業者Wは、第1ジェスチャを行うことによって追従モードを設定することができる。したがって、作業者Wは、任意のタイミングで追従モードを設定することができる。また、作業者Wは、任意の位置で追従モードを設定することができる。具体的には、作業者Wは、搬送車100が停止している際に追従モードを設定することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、作業者Wは、第1ジェスチャを行うことによって搬送車100の追従モードを設定した後、第2ジェスチャを行うことによって搬送車100の追従モードを解除することができる。したがって、作業者Wは、任意のタイミングで追従モードを解除することができる。また、作業者Wは、任意の位置で追従モードを解除することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、作業者Wは、第2ジェスチャを行うことによって待機モードを設定することができる。したがって、作業者Wは、任意のタイミングで搬送車100の動作モードを追従モードから待機モードに切り替えることができる。また、作業者Wは、任意の位置で搬送車100の動作モードを追従モードから待機モードに切り替えることができる。具体的には、作業者Wは、搬送車100を作業者Wに追従させて所定の作業を実行した後、搬送車100の動作モードを追従モードから待機モードに切り替えることができる。
【0052】
続いて
図3及び
図4を参照して、本実施形態の検出部3を説明する。
図4は、本実施形態に係る検出部3を示す図である。具体的には、
図4は、検出部3の動作を示す。
【0053】
図4に示すように、本実施形態の検出部3は、測域センサである。具体的には、検出部3は、発光部と、受光部とを備える。また、検出部3は、発光部及び受光部を収容する筐体を備える。検出部3は更に、受光部から出力された信号を処理する処理部を備える。処理部は、例えばDSP(デジタル シグナル プロセッサ)、CPU、又はMPUを含む。
【0054】
発光部は、レーザ光Lを走査する。具体的には、発光部は、レーザ光Lを2次元平面上で走査する。より詳しくは、発光部は、検出部3の中心3aを中心として左右135度(合計270度)の範囲でレーザ光Lを走査する。検出部3の中心3aはレーザ光Lの放射中心であり、レーザ光Lの放射範囲(270度の範囲)が、検出部3の検出範囲である。発光部は、検出範囲内でレーザ光Lの照射角度を変更しながら、レーザ光Lを逐次的に出射する。例えば、発光部は、0.25度ごとに照射角度を変更しながら、パルス状のレーザ光Lを出射する。受光部は、対象物から反射したレーザ光である反射光を受光する。受光部は、反射光に対応する信号を処理部へ出力する。
【0055】
処理部は、検出部3から出力された信号を処理することで、レーザ光Lの放射中心と対象物(レーザ光Lの反射点)との相対距離を計測する。処理部は、レーザ光Lの照射角度を示すデータと共に、相対距離を示すデータを制御部9へ送信する。制御部9は、検出部3(処理部)の出力に基づいて、対象物の位置を測定する。具体的には、制御部9は、レーザ光Lの放射中心に対するレーザ光Lの反射点の位置を示す極座標を測定する。制御部9は、極座標を直交座標に変換してもよい。例えば、制御部9は、追従モードが設定されている場合、追従対象である作業者W(対象物)の位置に基づいて第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御して、車体1(搬送車100)を追従対象に追従させる。
【0056】
続いて
図2及び
図4を参照して、ジェスチャ検出領域Aを説明する。本実施形態では、
図4に示すように、検出部3の前方にジェスチャ検出領域Aが設定されている。ジェスチャ検出領域Aの角度範囲は、例えば、検出部3の中心3aを中心として左右20度(合計40度)の範囲である。また、ジェスチャ検出領域Aの前後方向の範囲は、例えば、天板部12の前端121から衝撃検知スイッチ4の前端41までの範囲である(
図2)。
【0057】
本実施形態によれば、検出部3が測域センサであることから、ジェスチャ検出領域Aをより精度よく設定することができる。したがって、動作モードが誤って切り替わる可能性を低減できる。また、検出部3が測域センサであることから、検出対象の幅を検出することができる。したがって、ジェスチャに基づく動作モードの設定の条件に、検出対象の幅を加えることができる。したがって、動作モードが誤って切り替わる可能性を低減できる。
【0058】
続いて
図1〜
図5を参照して、制御部9が実行する処理を説明する。
図5は、本実施形態に係る制御部9が実行する処理を示すフローチャートである。詳しくは、
図5は、制御部9が第1ジェスチャに基づいて追従モードを設定する処理を示す。
図5に示す処理は、制御部9が待機モードとなったことに応じてスタートする。なお、
図5に示す処理は、待機モードが設定されている間、逐次的に繰り返される。
【0059】
図5に示すように、制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したか否かを判定する(ステップS11)。制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出していないと判定した場合(ステップS11のNo)、
図5に示す処理を終了する。制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したと判定した場合(ステップS11のYes)、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出してから第1所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS12)。第1所定時間は、例えば1秒である。
【0060】
制御部9は、第1所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS12のNo)、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したか否かを判定する(ステップS13)。検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出していないと制御部9が判定した場合(ステップS13のNo)、処理はステップS12に戻る。換言すると、制御部9は、第1所定時間が経過するまで、ステップS12及びステップS13の処理を繰り返す。
【0061】
制御部9は、第1所定時間が経過したと判定した場合(ステップS12のYes)、
図5に示す処理を終了する。換言すると、検出部3が検出対象を1回検出してから第1所定時間内に検出部3が検出対象を再度検出しない場合に、
図5に示す処理は終了する。
【0062】
制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したと判定した場合(ステップS13のYes)、所定の第1条件が満たされているか否かを判定する(ステップS14)。本実施形態において、第1条件は、以下の条件(a)及び条件(b)を含む
(a)検知対象の幅が、所定の幅以上であること。
(b)検知対象の検出時間が、所定の検出時間以内であること。
【0063】
条件(a)は、一般的な大人の手の幅に基づいて設定される。例えば、条件(a)における所定の幅は5度である。条件(a)により、検出対象を制限することができる。したがって、搬送車100の動作モードが誤って切り替わることを抑制できる。条件(b)は、比較的ゆっくりした検出対象の動作を第1ジェスチャとして検出できるように設定される。例えば、条件(b)における所定の検出時間は、100msである。条件(b)により、作業者Wがマーク5を手で叩く動作が比較的ゆっくりしている場合であっても、検出対象の動作を第1ジェスチャとして検出できる。
【0064】
制御部9は、所定の第1条件が満たされていると判定した場合(ステップS14のYes)、追従モードを設定して、
図5に示す処理を終了する。所定の第1条件が満たされていないと制御部9が判定した場合(ステップS14のNo)、
図5に示す処理は終了する。
【0065】
続いて
図1〜
図4、及び
図6を参照して、制御部9が実行する処理を説明する。
図6は、本実施形態に係る制御部9が実行する処理を示すフローチャートである。詳しくは、
図6は、制御部9が第2ジェスチャに基づいて追従モードを解除する処理を示す。換言すると、
図6は、制御部9が第2ジェスチャに基づいて待機モードを設定する処理を示す。
図6に示す処理は、追従モードが設定されたことに応じてスタートする。なお、
図6に示す処理は、追従モードが設定されている間、逐次的に繰り返される。
【0066】
図6に示すように、制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したか否かを判定する(ステップS21)。制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出していないと判定した場合(ステップS21のNo)、
図6に示す処理を終了する。制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したと判定した場合(ステップS21のYes)、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出してから第2所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS22)。第2所定時間は、例えば1秒である。
【0067】
制御部9は、第2所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS22のNo)、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したか否かを判定する(ステップS23)。検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出していないと制御部9が判定した場合(ステップS23のNo)、処理はステップS22に戻る。換言すると、制御部9は、第2所定時間が経過するまで、ステップS22及びステップS23の処理を繰り返す。
【0068】
制御部9は、第2所定時間が経過したと判定した場合(ステップS22のYes)、
図6に示す処理を終了する。換言すると、検出部3が検出対象を1回検出してから第2所定時間内に検出部3が検出対象を再度検出しない場合に、
図6に示す処理は終了する。
【0069】
制御部9は、検出部3がジェスチャ検出領域Aにおいて検出対象を検出したと判定した場合(ステップS23のYes)、所定の第2条件が満たされているか否かを判定する(ステップS24)。本実施形態において、第2条件は、
図5を参照して説明した第1条件と同じ条件である。
【0070】
制御部9は、所定の第2条件が満たされていると判定した場合(ステップS24のYes)、追従モードを解除して、待機モードを設定する。制御部9は、待機モードを設定すると、
図6に示す処理を終了する。所定の第2条件が満たされていないと制御部9が判定した場合(ステップS24のNo)、
図6に示す処理は終了する。
【0071】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されず、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、本発明による実施形態では、第1ジェスチャに応じて追従モードが設定されたが、第1ジェスチャに応じて設定される動作モードは追従モードに限定されない。例えば、第1ジェスチャに応じて、手動運転モード又は自動運転モードが設定されてもよい。
【0073】
同様に、本発明による実施形態では、第2ジェスチャに応じて待機モードが設定されたが、第2ジェスチャに応じて設定される動作モードは待機モードに限定されない。例えば、第2ジェスチャに応じて、手動運転モード又は自動運転モードが設定されてもよい。
【0074】
また、本発明による実施形態では、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャは、所定時間以内にマーク5を2回叩く動作であったが、マーク5を叩く回数は特に限定されない。マーク5を叩く回数は1回でもよいし、3回以上でもよい。
【0075】
また、本発明による実施形態では、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャは、作業者Wが同じ位置を手で1回以上叩く動作であったが、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャは、作業者Wが異なる位置を手で1回以上叩く動作であってもよい。例えば、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャは、作業者Wが本体部11の前端部11bの上面の右端を手で1回叩いた後に、本体部11の前端部11bの上面の左端を手で1回叩く動作であり得る。あるいは、作業者Wが本体部11の前端部11bの上面の右端を手で2回叩いた後に、本体部11の前端部11bの上面の左端を手で1回叩く動作であり得る。この場合、マーク5は、本体部11の前端部11bの上面の右端及び左端にそれぞれ設けられてもよい。
【0076】
また、本発明による実施形態では、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャは同じジェスチャであったが、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャは異なるジェスチャであってもよい。例えば、第1ジェスチャが所定時間以内にマーク5を2回叩く動作であり、第2ジェスチャが所定時間以内にマーク5を3回叩く動作であってもよい。あるいは、第1ジェスチャが、本体部11の前端部11bの上面の右端を1回叩いた後に、本体部11の前端部11bの上面の左端を2回叩く動作であり、第2ジェスチャが、本体部11の前端部11bの上面の右端を手で1回叩いた後に、本体部11の前端部11bの上面の左端を1回叩く動作であってもよい。
【0077】
また、本発明による実施形態では、第1ジェスチャを判定する際に用いる条件(第1条件)と、第2ジェスチャを判定する際に用いる条件(第2条件)とが同じ条件であったが、第1ジェスチャを判定する際に用いる条件と、第2ジェスチャを判定する際に用いる条件とは、異なる条件であってもよい。
【0078】
また、本発明による実施形態では、制御部9は、第1ジェスチャに基づいて追従モードを設定した後、第2ジェスチャに基づいて待機モードを設定したが、制御部9は、第2ジェスチャに基づいて待機モードを設定した後、第3ジェスチャに基づいて他の動作モードを更に設定してもよい。例えば、第2ジェスチャに基づいて待機モードを設定した後、制御部9は、第3ジェスチャに基づいて自動運転モード又は手動運転モードを設定してもよい。
【0079】
また、本発明による実施形態では、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャを検出するためのジェスチャ検出領域Aが同じ領域であったが、第1ジェスチャ及び第2ジェスチャを検出するためのジェスチャ検出領域Aは異なる領域であり得る。例えば、本体部11の前端部11bの中心に対応する領域を第1ジェスチャのジェスチャ検出領域Aに設定し、本体部11の前端部11bの右端に対応する領域を第2ジェスチャのジェスチャ検出領域Aに設定してもよい。この場合、例えば、第1ジェスチャは、本体部11の前端部11bの上面の中心を2回叩く動作であり、第2ジェスチャは、本体部11の前端部11bの上面の右端を手で2回叩く動作である。また、この場合、マーク5は、本体部11の前端部11bの上面の中心及び左端にそれぞれ設けられてもよい。
【0080】
また、本発明による実施形態では、検出部3は測域センサであったが、検出部3は測域センサに限定されない。検出部3は、例えば、カメラ、又は超音波センサであり得る。あるいは、検出部3は、無線デバイスであってもよい。
【0081】
また、本発明による実施形態では、検出部3が、障害物と、追従対象と、所定のジェスチャとを検出したが、検出部3は、障害物と、追従対象と、所定のジェスチャとのうちのいずれか1つ又は2つを検出してもよい。例えば、検出部3が障害物と追従対象とを検出する場合、搬送車100は、検出部3に加えて、追従対象を検出するためのセンサを備えてもよい。
【0082】
また、本発明による実施形態では、搬送車100は、複数の動作モードを有したが、搬送車100の動作モードの数は1つであってもよい。
【0083】
また、本発明による実施形態では、搬送車100は追従モードを有したが、搬送車100は追従モードを有していなくてもよい。
【0084】
また、本発明による実施形態では、搬送車100が、追従モードと、待機モードと、手動運転モードと、自動運転モードとを有したが、搬送車100が有し得る動作モードは、追従モード、待機モード、手動運転モード、及び自動運転モードに限定されない。搬送車100は、例えば、以下の(1)〜(4)のうちのいずれかの動作モードを有し得る。
【0085】
(1)高速走行モード
搬送車100は、高速走行モードを有してもよい。高速走行モードは、所定の第1移動速度で車体1を移動させるモードである。第1移動速度は、例えば、搬送車100の最大走行速度に対応する。高速速度走行モードが設定されている場合、制御部9は第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御して、車体1を第1移動速度で移動させる。搬送車100が高速走行モードを有する場合、制御部9は、検出対象の動作が所定のジェスチャであると判定したことに応じて高速走行モードを設定してもよい。高速走行モードは所定走行速度モードの一例であり、所定のジェスチャは、所定走行速度モードに対応する速度設定ジェスチャの一例である。作業者Wは、所定のジェスチャを行うことによって高速走行モードを設定することができる。したがって、作業者Wは、任意のタイミングで高速走行モードを設定することができる。また、作業者Wは、任意の位置で高速走行モードを設定することができる。
【0086】
(2)低速走行モード
搬送車100は、低速走行モードを有してもよい。低速走行モードは、所定の第2移動速度で車体1を移動させるモードである。第2移動速度は、例えば、搬送車100の最小走行速度に対応する。低速速度走行モードが設定されている場合、制御部9は第1駆動輪21a及び第2駆動輪21bの動作を制御して、車体1を第2移動速度で移動させる。搬送車100が低速走行モードを有する場合、制御部9は、検出対象の動作が所定のジェスチャであると判定したことに応じて低速走行モードを設定してもよい。低速走行モードは所定走行速度モードの一例であり、所定のジェスチャは、所定走行速度モードに対応する速度設定ジェスチャの一例である。作業者Wは、所定のジェスチャを行うことによって低速走行モードを設定することができる。したがって、作業者Wは、任意のタイミングで低速走行モードを設定することができる。また、作業者Wは、任意の位置で低速走行モードを設定することができる。
【0087】
(3)送信モード
搬送車100は、送信モードを有してもよい。送信モードは、上位装置200へ所定の信号を送信するモードである。所定の信号は、例えば、上位装置200に対する所定の指示を示す。所定の指示は、例えば、上位装置200が管理する全搬送車100を緊急停止させる指示を示す。搬送車100が送信モードを有する場合、制御部9は、検出対象の動作が所定のジェスチャであると判定したことに応じて送信モードを設定してもよい。制御部9は、送信モードを設定したことに応じて無線通信部7を制御して、上位装置200へ所定の信号を送信させる。無線通信部7は送信部の一例であり、所定のジェスチャは、送信モードに対応する送信設定ジェスチャの一例である。作業者Wは、所定のジェスチャを行うことによって送信モードを設定することができる。したがって、作業者Wは、任意のタイミングで送信モードを設定して、上位装置200へ所定の信号を送信することができる。また、作業者Wは、任意の位置で送信モードを設定して、上位装置200へ所定の信号を送信することができる。
【0088】
(4)直進モード
搬送車100は、直進モードを有してもよい。直進モードは、検出部3が障害物を検出するまで搬送車100が直進するモードである。搬送車100が直進モードを有する場合、制御部9は、検出対象の動作が所定のジェスチャであると判定したことに応じて直進モードを設定してもよい。