【0026】
最初に、本明細書で使用する主な用語について以下の通り定義する。
「タブレット型コンピュータ」とは、スマートフォン、タブレット端末等のタブレット型のコンピュータをいう。
「AR」(Augmented Reality:拡張現実)とは、人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術、及びコンピュータにより拡張された現実環境そのものをいう。
「ARパーツ」(AR parts)とは、ARとして表示するコンテンツ(ARコンテンツ(AR Content))をいう。
「ARタブレット」とは、過去の撮影時におけるタブレット型コンピュータの位置及び向きを表すARパーツをいい、具体的には、例えば、AR空間内に配置されたタブレット型コンピュータを模した3D図形などである。
「AR被写エリア」とは、過去の撮影時における撮影範囲を表すARパーツをいい、具体的には、例えば、過去の撮影時における撮影範囲を示す3D枠線などである。
「カメラスルー映像」とは、撮像装置を通して取り込まれる映像をいう。
「電子ビューファインダ」(electronic viewfinder:EVF)とは、ディスプレイ上に撮像装置によりリアルタイムに撮影される被写体の映像を映して確認できるタイプのファインダをいう。
「AR電子ビューファインダ」とは、ARパーツが重畳表示された電子ビューファインダをいう。
「調査対象」とは、工損調査等の調査の対象をいう。
「調査対象物件」とは、調査対象である土地・建物等の不動産物件をいう。
「事前調査」とは、調査対象物件に対する各個別調査を実施するにあたり、調査対象物件の外形に対して事前に実施される調査である。
「個別調査」とは、各調査日に調査対象物件内の各部分(部屋等)に対して個別に実施される調査をいう。
「調査実施者」とは、個別調査を実施する者をいう。
「絶対座標」とは、経度・緯度によって表されるグローバル座標をいう。
「基準位置」とは、或る対象物の相対座標を定める際の基準となる位置をいう。
「相対座標」とは、基準位置を原点として相対的に決まる座標をいう。
「絶対座標確定位置」とは、GNSSを用いることにより直接的に絶対座標が検出された位置をいう。
「間接絶対座標確定位置」とは、絶対座標確定位置に対する相対座標が検出された位置をいう。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例1に係る写真撮影支援装置が組み込まれたタブレット型コンピュータ1の構成を表す図である。本実施例に係るタブレット型コンピュータ1には、スマートフォン、タブレット端末等の携帯可能なタブレット型のコンピュータが用いられている。タブレット型コンピュータ1は、タッチパネルディスプレイ2、カメラ3、GNSS受信部4、加速度センサ5、方位センサ6、角速度センサ6a、時計部7、画像記憶部8、3Dモデル記憶部9、調査情報記憶部10、位置・方位取得部11、画像取得部12、起点設定部13、3Dモデル生成部14、撮影範囲検出部15、撮影情報保存部16、調査情報入力部17、ARパーツ生成部18、AR電子ビューファインダ表示部19、移動方向報知部20、及びスピーカ21を備えている。これらの部分構成の内、画像記憶部8、3Dモデル記憶部9、調査情報記憶部10、位置・方位取得部11、画像取得部12、起点設定部13、3Dモデル生成部14、撮影範囲検出部15、撮影情報保存部16、調査情報入力部17、ARパーツ生成部18、AR電子ビューファインダ表示部19、及び移動方向報知部20については、コンピュータプログラムをタブレット型コンピュータ1に読み込み実行することによって機能的に構成されているものとする。
【0028】
タッチパネルディスプレイ2は、画面上のタッチした位置を正確に検出するタッチセンサーを搭載し、画面にタッチして直接コンピュータに入力することができるディスプレイである。カメラ3(撮像装置)は、CCDイメージセンサ(CCD image sensor)によりデジタル写真を撮影するモジュールである。GNSS受信部4は、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)の衛星電波を受信することにより絶対座標(経緯座標)を測位するモジュールである。加速度センサ5は、加速度を検出する慣性センサである。方位センサ6は、地磁気を計測することで、センサが向いている方位を検出するセンサである。角速度センサ6aは、角速度を検出するジャイロセンサである。スピーカ21は、電気信号を振動に変えて音声出力を行うモジュールである。時計部7は、現在の時刻を計時して出力するモジュールである。
【0029】
画像記憶部8は、カメラ3により撮影された写真データを記憶するモジュールである。
3Dモデル記憶部9は、室内の3次元モデルデータ(objファイル,USDZファイル等)を記憶するモジュールである。調査情報記憶部10は、工損調査等の調査情報を記憶するデータベースモジュールである。
【0030】
位置・方位取得部11(絶対位置検出手段、相対位置検出手段、視線方向検出手段)は、GNSS受信部4,加速度センサ5,方位センサ6,角速度センサ6aが出力するデータ、及びカメラ3により逐次撮影される映像と3次元モデルとの照合に基づき、タブレット型コンピュータ1の絶対位置座標、基準点からの相対位置座標、タブレット型コンピュータ1のカメラ3の視線方向を検出又は計算する処理を行うモジュールである。ここで、タブレット型コンピュータ1の絶対位置座標を検出する場合には、GNSS受信部4が出力する経緯座標を用いる。タブレット型コンピュータ1の基準点からの相対位置座標を検出する場合には、加速度センサ5及び角速度センサ6aが出力する加速度・角速度の積分演算、又はカメラ3により逐次撮影される室内映像と3次元モデルとの特徴点マッチングを用いた位置推定により、3次元モデル内における基準点からの相対位置座標を計算する。タブレット型コンピュータ1のカメラ3の視線方向を検出する場合には、角速度センサ6aによる重力方向の検出及び方位センサ6による地磁気方向の検出、又はカメラ3により逐次撮影される室内映像と3次元モデルとの特徴点マッチングを用いた方位推定により、視線方向の計算を行う。
【0031】
画像取得部12は、タッチパネルディスプレイ2から入力される撮影指示に従って、カメラ3により撮影された写真データを取り込み、撮影時刻情報,位置情報等を付加した上で画像記憶部8に保存する処理を行うモジュールである。
【0032】
起点設定部13は、位置・方位取得部11により絶対座標が検出された位置である絶対座標確定位置、又は、絶対座標確定位置を基準位置として位置・方位取得部11により相対位置が検出された位置である間接絶対座標確定位置を、3次元モデル内の基準位置に設定する処理を行うモジュールである。
【0033】
3Dモデル生成部14は、タブレット型コンピュータ1を持ったユーザが室内の或る一点に立ちカメラ3の視線方向を室内の全体をぐるりと巡るように動かしてカメラ3により撮影された映像データから、該室内の3次元モデルを生成し前記記憶装置に保存する処理を行うモジュールである。
【0034】
撮影範囲検出部15は、カメラ3により写真が撮影された場合、撮影された写真データと3次元モデルを対応させることにより、3次元モデル上に於ける撮影範囲を検出する処理を行うモジュールである。
【0035】
撮影情報保存部16は、カメラ3により写真が撮影されたとき、撮影された写真データ、該撮影時において位置・方位取得部11が検出した基準位置からの相対位置、位置・方位取得部11が検出したカメラ3の視線方向、及び撮影範囲検出部15が検出した撮影範囲を含む撮影情報セットを、調査情報記憶部10に保存する処理を行うモジュールである。
【0036】
調査情報入力部17は、工損調査等の調査情報(調査物件名,調査日,調査者等の情報)をタッチパネルディスプレイ2からの入力により取得して調査情報記憶部10に保存する処理を行うモジュールである。
【0037】
ARパーツ生成部18は、調査情報記憶部10に保存された撮影情報セットの相対位置及び視線方向に基づき、3次元モデル内において、過去の撮影時におけるタブレット型コンピュータ1の位置及び向きを表すARパーツ(ARタブレット)を生成するとともに、該撮影情報セットの撮影範囲に基づき、3次元モデル内において、過去の撮影時における撮影範囲を表すARパーツ(AR被写エリア)を生成する処理を行うモジュールである。
【0038】
AR電子ビューファインダ表示部19は、位置・方位取得部11により現在の相対位置及び視線方向を計算するとともに、ARパーツ生成部18により生成されたARタブレット及びAR被写エリアを、カメラ3によりリアルタイムに取り込まれるカメラスルー映像に重ねて表示したAR映像(AR電子ビューファインダ画像)をタッチパネルディスプレイ2に表示する処理を行うモジュールである。
【0039】
移動方向報知部20は、位置・方位取得部11により検出されるカメラ3の現在位置に対する、ARタブレットとの相対位置座標を計算し、現在位置からARタブレットに向かうカメラ3の移動方向を報知する処理を行うモジュールである。
【0040】
図2は、
図1の調査情報記憶部10に保存される調査情報データベースのデータ構造の一例を示すER図である。ここでは、一例として、写真撮影支援装置を工損調査又は賃貸家屋物件現状調査の用途に使用する場合の例を示すが、この調査情報データベースは、写真撮影支援装置を適用する用途に応じて適宜管理するデータを変更することができる。
【0041】
図2の調査情報データベースは、調査対象に関する情報を管理する調査対象テーブル、各調査日における個別の調査に関する情報を管理する調査テーブル、撮影された個々の写真に関する情報を管理する写真情報テーブル、調査を実施した者(調査実施者)に関する情報を管理する調査実施者テーブルを備え、これらが
図2の通りにリレーションシップによって関連付けられたリレーショナル・データベースとして構成されている。
【0042】
調査対象テーブルでは、調査対象に固有に割り当てられる「調査対象ID」、調査対象物件の固有名称である「調査対象名」、調査対象物件の建物名を表す「建物名」、調査対象の住所を表す「住所」、調査対象の基準となる経緯座標である「基準位置」、調査対象物件の事前調査に係る調査対象物件の外形の3次元モデルのデータファイルのファイル名である「外形3Dモデルファイル名」が管理されている。
【0043】
調査テーブルでは、各調査日における個別調査に対して固有に割り当てられる「調査ID」、個別調査に係る調査対象物件の「調査対象ID」、個別調査を実施した日時である「調査日時」、個別調査に係る調査対象物件内の部屋の名称である「部屋名」、個別調査に係る調査対象物件内の部屋の基準座標である「基準座標」、個別調査に係る調査対象物件内の部屋の3次元モデルのデータファイルのファイル名である「室内3Dモデルファイル名」、個別調査を実施した調査実施者の「調査実施者ID」が管理されている。
【0044】
写真情報テーブルでは、各写真データに対して固有に割り当てられる「写真情報ID」、写真データに係る個別調査の「調査ID」、写真データに附される名称である「写真名」、写真データに附される番号である「写真番号」、写真データを撮影した際の撮影状態の情報(撮影情報セット)である「撮影状態情報」、写真データのファイル名である「写真ファイル名」が管理されている。ここで、同じ撮影箇所の写真に対しては、同じ「写真番号」が付与されるものとする。
【0045】
調査実施者テーブルでは、各調査実施者に対して固有に割り当てられる「調査実施者ID」、調査実施者の「氏名」、調査実施者の所属する会社・部署の情報である「所属」が管理されている。
【0046】
以上のように構成された本実施例に係る写真撮影支援装置が組み込まれたタブレット型コンピュータ1について、以下その動作を説明する。
【0047】
図3は、調査対象物件に対する各個別調査を実施する前に、当該調査対象物件に対して事前に実施される事前調査の流れを表すフローチャートである。
【0048】
まず、調査実施者は、タブレット型コンピュータ1において、プログラムを実行させ、調査情報入力部17によりタッチパネルディスプレイ2に初期調査情報入力画面を表示させ、当該初期調査情報入力画面から、「調査対象名」,「建物名」,「住所」等の調査対象物件に関する情報を入力する(S101)。
図3(c)に初期調査情報入力画面の一例を示す。
【0049】
次に、調査実施者は、調査対象物件の入口手前に移動し、
図3(c)の初期調査情報入力画面における「基準位置」欄の[取得]ボタンをタップする。[取得]ボタンがタップされると、調査情報入力部17は位置・方位取得部11から現在の絶対座標を取得し「基準位置」欄のテキストボックスに表示する(S102)。
【0050】
次に、調査実施者は、
図3(c)の初期調査情報入力画面の下部の[外形入力]ボタンをタップし、調査対象物件の周囲を一巡しながら調査対象物件の外壁をカメラ3で撮影する(
図3(b)参照)(S103)。3Dモデル生成部14は、カメラ3から連続的に入力される調査対象物件の外形の映像と、加速度センサ5,方位センサ6,角速度センサ6aから該映像の各コマの撮影時刻に出力される加速度,方位,角速度に基づき位置・方位取得部11により計算される各コマの撮影時刻に於けるカメラ3の位置及び視線方向から、調査対象物件の外形の3次元モデルを生成し(S104)、3Dモデル記憶部9に保存する(S105)。ここで、「3次元モデル」とは、対象物の外形をポリゴン化し、その表面にテクスチャとして外形画像を貼り付けたモデル化した3次元データをいう。具体的には、3次元モデルとしては、objフォーマットファイルやUSDZフォーマットファイル等によって表されるデータである。
【0051】
最後に、調査実施者は、
図3(c)の初期調査情報入力画面の下部の[保存]ボタンをタップし、事前調査を終了する。[保存]ボタンがタップされると、調査情報入力部17は、入力された「調査対象名」,「建物名」,「住所」,「基準位置」,「外形3Dモデルファイル名」等の調査対象物件に関する情報を、調査情報記憶部10の調査対象テーブルに保存する(S106)。
【0052】
事前調査が終わると、次に、調査対象物件の内部の各部屋の個別調査が実施される。
図4は、調査対象物件の各部屋に対して実施される個別調査の流れを表すフローチャートである。
【0053】
まず、調査情報入力部17は、
図5(a)に示すような個別調査情報入力画面をタッチパネルディスプレイ2に表示し、調査実施者は、タッチパネルディスプレイ2の個別調査情報入力画面から、調査対象である調査対象物件の内部の部屋を特定する各情報(「調査日」,「部屋名」,「調査実施者」)を入力する。そして、部屋の入口に移動し、
図5(a)の個別調査情報入力画面における「基準位置」欄の[取得]ボタンをタップする。[取得]ボタンがタップされると、調査情報入力部17は、位置・方位取得部11から現在の位置座標を取得し「基準位置」欄のテキストボックスに表示する(S121)。
【0054】
ここで、位置・方位取得部11は、GNSS受信部4により絶対座標が取得できた場合には、現在の位置P1の座標として絶対座標V1を出力する。一方、GNSS受信部4により絶対座標が取得でなかった場合には、前回、GNSS受信部4により絶対座標が検出された位置である絶対座標確定位置P0(
図4(b)参照)、又は、前回、絶対座標確定位置を基準位置として位置・方位取得部11により相対座標が検出された位置である間接絶対座標確定位置P1(
図4(c)参照)を基準位置として、該基準位置から現在の位置P2までの相対座標Vr2を位置・方位取得部11から取得し、この相対座標Vr2を絶対座標V2に換算して、換算により得られた絶対座標V2を出力する。即ち、基準位置が絶対座標確定位置P0の場合、P0の絶対座標をV0とすれば、V2=V0+Vr2により絶対座標V2を計算する。また、基準位置が間接絶対座標確定位置P1の場合、P1の絶対座標をV1とすれば、V2=V1+Vr2により絶対座標V2を計算する。尚、相対座標Vr2については、基準位置から現在の位置P2まで移動する間に、加速度センサ5,角速度センサ6a,方位センサ6により連続的に検出される加速度、角速度、方位から計算される。
【0055】
次に、調査実施者は、
図5(a)の個別調査情報入力画面の下部の[外形入力]ボタンをタップし、調査対象の部屋の入口の基準位置P2において、タブレット型コンピュータ1を持ってカメラ3の視線方向を室内の全体をぐるりと巡るように動かして、カメラ3により室内の映像データを撮影する(S202)。3Dモデル生成部14は、カメラ3から連続的に入力される室内の映像と、加速度センサ5,方位センサ6,角速度センサ6aから該映像の各コマの撮影時刻に出力される加速度,方位,角速度に基づき位置・方位取得部11により計算される各コマの撮影時刻に於けるカメラ3の位置及び視線方向から、室内の3次元モデルを生成し(S123)、3Dモデル記憶部9に保存する(S124)。
【0056】
次に、調査実施者は、
図5(a)の個別調査情報入力画面の下部の[保存]ボタンをタップし、個別調査情報の入力を終了する。[保存]ボタンがタップされると、調査情報入力部17は、入力された「調査日」,「部屋名」,「調査実施者」,「基準位置」,「室内3Dモデルファイル名」等の個別調査に関する情報を、調査情報記憶部10の調査テーブルに保存する(S125)。そして、調査情報入力部17は、
図5(b)のような個別写真リスト画面をタッチパネルディスプレイ2に表示する。
図5(b)の個別写真リスト画面では、(事前,事後)の写真組のサムネイル写真(縮小見本表示写真)のリストが表示されている。各組の左側の写真が「事前写真」、右側の写真が「事後写真」であり、まだ見撮影の欄には、写真データがないことを示す[NO IMAGE]アイコンが表示されている。各写真組の欄の右下には[事前]ボタン,[事後]ボタンが表示されており、これらのボタンをタップすることで、その欄の「事前写真」又は「事後写真」の撮影を選択することが可能である。尚、最初に撮影する際には「事前写真」の撮影を選択し、二回目以降の定点撮影の際には「事後写真」の撮影を選択する。また、(事前,事後)の写真組の欄を追加するには、最下部にある[追加]ボタンをタップする。[追加]ボタンがタップされると、(事前,事後)の写真組の欄が新規に追加される。
【0057】
図5(b)の個別写真リスト画面において、調査実施者が、撮影したい箇所の「事前写真」又は「事後写真」の撮影を選択すると、ARパーツ生成部18は、選択された欄の撮影箇所(以下「選択撮影箇所」という。)に対して、過去に撮影された「事前写真」が存在する場合には、その事前写真に対するARタブレット及びAR被写エリアを生成する(S126)。この場合、ARパーツ生成部18は、選択撮影箇所の写真番号に対する事前写真の写真情報レコードを、調査情報データベースの写真情報テーブルから読み出す。読み出された写真情報レコードの情報セットを「撮影情報セット」という。撮影情報セットには、撮影された写真データ(のファイル名)、該撮影時において位置・方位取得部11が検出した基準位置からの相対位置、位置・方位取得部11が検出したカメラ3の視線方向、及び撮影範囲検出部15が検出した撮影範囲が含まれている。ARパーツ生成部18は、該撮影情報セットの相対位置及び視線方向に基づき、室内の3次元モデル内において、事前写真の撮影時におけるタブレット型コンピュータの位置及び向きを表すARパーツであるARタブレットを生成する。また、ARパーツ生成部18は、該撮影情報セットの撮影範囲に基づき、室内の3次元モデル内において、事前写真の撮影時における撮影範囲を表すARパーツであるAR被写エリアを生成する。
【0058】
次いで、AR電子ビューファインダ表示部19は、カメラ3によりリアルタイムに取り込まれるカメラスルー映像を室内の3次元モデルに対応させ、カメラ3の現在位置及び視線方向を計算するとともに、ARパーツ生成部18により生成されたARタブレット31及びAR被写エリア32を、カメラスルー映像33に重ねて表示したAR映像(AR電子ビューファインダ映像)30をタッチパネルディスプレイ2に表示する(S127)。
図6に、タッチパネルディスプレイ2に表示されるAR電子ビューファインダ映像30の一例を示す。
図6のAR電子ビューファインダ映像30では、事前写真の撮影時におけるタブレット型コンピュータの位置は、AR空間の空中に浮かんだ、タブレット型コンピュータを模した3D画像からなるARタブレット31によって表示されている。また、事前写真の撮影時における撮影範囲は、室内の壁上に配置された四角形枠状の3D画像からなるAR被写エリア32によって表示されている。尚、AR被写エリア32内に表示された番号「No.2」は、当該撮影箇所に対応する「写真番号」を示している。タブレット型コンピュータ1を移動させると、それに応じてAR電子ビューファインダ映像30は変化し、ARタブレット31及びAR被写エリア32は仮想の3次元モデル空間内の決められた位置を維持した状態で、視点の移動に従って、AR電子ビューファインダ映像30内を移動する。
【0059】
調査実施者は、AR電子ビューファインダ映像30を見れば、タブレット型コンピュータ1を何所に移動すればよいかが視覚的に即座に理解できる。そして、AR電子ビューファインダ映像30を見ながらタブレット型コンピュータ1を移動させて、事前撮影の際のARタブレット31の位置にタブレット型コンピュータ1を持って行くことが可能となる。また、AR電子ビューファインダ映像30内に表示されたAR被写エリア32を見ながらタブレット型コンピュータ1の向きを合わせることで、調査実施者は、事前撮影の際のタブレット型コンピュータの向きに合わせることが出来る。尚、この際、移動方向報知部20は、位置・方位取得部11により検出されるカメラ3の現在位置に対する、ARタブレット31との相対位置座標を計算し、ARタブレット31に向かうカメラ3の移動方向を、スピーカ21から発する音声又はタッチパネルディスプレイ2に表示する矢印等によって報知する。
【0060】
尚、選択された欄の撮影箇所に対して「事前写真」が存在しなければ、ステップS126の動作は省略され、ステップS127では、タッチパネルディスプレイ2には通常の電子ビューファインダ映像が表示される。
【0061】
次に、調査実施者によりタッチパネルディスプレイ2から、シャッターボタン(図示せず)のタップによって撮影指示が入力されると(S128)、画像取得部12は、カメラ3により撮影された写真データを取り込み、時計部7が出力する現在の撮影時刻情報,及び位置・方位取得部11が出力する現在の位置情報等を付加した上で画像記憶部8に保存する(S129)。また、カメラ3により写真が撮影されたとき、撮影情報保存部16は、撮影された写真データのファイル名、該撮影時において位置・方位取得部11が検出した基準位置からの相対位置、位置・方位取得部11が検出したカメラ3の視線方向、及び撮影範囲検出部15が検出した撮影範囲を含む撮影情報セットを、調査情報記憶部10に保存する(S130)。
【0062】
次に、ARパーツ生成部18は、選択された欄の次の欄の撮影箇所(以下「選択撮影箇所」という。)に対して、過去に撮影された「事前写真」が存在する場合には、その事前写真に対するARタブレット及びAR被写エリアを生成する(S131)。尚、選択された欄の次の欄の撮影箇所に対して「事前写真」が存在しなければ、この動作は省略される。そして、調査実施者がタッチパネルディスプレイ2から終了指示を入力しなければ(S132)、ステップS127に戻り、次の欄の撮影箇所についての写真撮影の動作を繰り返す。調査実施者がタッチパネルディスプレイ2から終了指示を入力した場合には(S133)、写真撮影の動作を終了する。