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特開2020-167947健康増進食品の製造方法並びにその食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-167947(P2020-167947A)
(43)【公開日】2020年10月15日
(54)【発明の名称】健康増進食品の製造方法並びにその食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20200918BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20200918BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALI20200918BHJP
   A61K 36/88 20060101ALI20200918BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20200918BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20200918BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20200918BHJP
   A61P 39/02 20060101ALI20200918BHJP
【FI】
   A23L33/10
   A61K36/28
   A61K36/9068
   A61K36/88
   A61P3/04
   A61P3/10
   A61P31/04
   A61P39/02
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-70774(P2019-70774)
(22)【出願日】2019年4月2日
(11)【特許番号】特許第6681496号(P6681496)
(45)【特許公報発行日】2020年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】514131087
【氏名又は名称】箱石 英政
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】箱石英政
【テーマコード(参考)】
4B018
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD08
4B018MD53
4B018MD61
4B018ME01
4B018ME03
4B018ME14
4B018MF02
4B018MF06
4B018MF07
4B018MF14
4C088AB26
4C088AB71
4C088AB81
4C088CA02
4C088CA23
4C088MA07
4C088MA52
4C088NA05
4C088ZA70
4C088ZB32
4C088ZC35
4C088ZC37
(57)【要約】
【課題】
本発明は、入手しやすい身近な植物を利用し、簡易な製造方法で製造できる健康に資する食品を提供することを課題とするものである。
【解決手段】
本発明は、アザミと、ミョウガと、ツユクサとをそれぞれ別個に蒸す蒸し工程と、ホワイトリカーに重曹を加えて攪拌するアク取り用液の攪拌工程と、前記蒸し工程において得られたアザミとミョウガとツユクサに、前記攪拌工程により得られたアク取り溶液を吹き付けるアク取り工程と、前記アク取り工程で得られたアザミとミョウガとツユクサを網に挟んで乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程で得られたアザミとミョウガとツユクサを粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られたアザミとミョウガとツユクサを配合する配合工程から成る構成を採用した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アザミ(10)と、ミョウガ(30)と、ツユクサ(20)とをそれぞれ別個に蒸す蒸し工程(A)と、
ホワイトリカーに重曹(40)を加えて攪拌するアク取り用液の攪拌工程(B)と、
前記蒸し工程において得られたアザミ(10)とミョウガ(30)とツユクサ(20)に前記攪拌工程により得られたアク取り溶液を吹き付ける吹き付け工程(C)と、
前記吹き付け工程(C)で得られたアザミ(10)とミョウガ(30)とツユクサ(20)を乾燥させる乾燥工程(D)と、
前記乾燥工程(D)で得られたアザミ(10)とミョウガ(30)とツユクサ(20)を粉砕する粉砕工程(E)と、
前記粉砕(E)で得られたアザミ(10)とミョウガ(30)とツユクサ(20)を所定の配合比により配合する配合工程(F)と、
から成ることを特徴とする健康食品の製造方法(1)
【請求項2】
アザミ(10)とミョウガ(30)とツユクサ(20)の配合比率がそれぞれ4:3:3であることを特徴とする請求項1に記載の健康食品の製造方法(1)
【請求項3】
前記攪拌工程に用いられるアク取り用液が、ホワイトリカー200ccに対して重曹6グラムであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の健康食品の製造方法(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康増進食品技術に関し、詳しくは、身近な植物を利用して簡易な方法によって人の健康に資する食品の提供を可能とする、健康増進食品の製造方法並びにその食品の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進む我が国においては、高血圧、認知症、肥満、或いは糖尿病等、高齢になるにつれ発症する様々な体の異常に悩む人々が多数存在している。医薬品の高度化が図られてきた近年の医療においては、それらの治療の手段に、様々な薬の投与で対処しているのが一般的である。しかし、これらの治療は薬に頼るのみとなりがちで、体に人工的な薬を与え続けることは健康的とはいい難いものである。可能であれば、体がもつ自然治癒力を引き出すことが望ましい。
【0003】
そこで、自然界における薬効成分を含む植物等から、自己の免疫力や治癒力を引き出すことができたならば、大変素晴らしいことである。植物は多種多様な有機化合物を生合成しており、中でも人体の不調に対し良好な効果を与える薬用植物が多数存在することは、世の中に広く知られている。係る薬用植物には、実際の効能が立証されて使われているものもあれば、科学的立証はされていないが実際に人の健康に有効に作用する成分を含むものもある。東洋医学の漢方薬などがその代表といえるが、これらの市販されている漢方薬の多くは、希少な植物を配合したり、高度な製法を用いることで付加価値を高めて高額なものとなっており、利用するには経済的負担が大きいという問題がある。即ち、庭先や野原に咲いているような入手しやすい植物を利用し、これを簡単な方法で製造した漢方薬は極めて少ない現状である。
【0004】
そこで、身近な野草に着目すると、特にアザミには解毒作用があるといわれ、ツユクサには炭水化物からの糖質の吸収を軽減する効果があるといわれ、ミョウガには記憶力、及び免疫力が向上するといわれており、桑の葉には、豊富な栄養成分と抗肥満、抗糖尿病、消炎、利尿、鎮咳、去痰効果などの効能があることが古くから知られており、カワラヨモギの頭花には、解熱作用、利担作用、抗菌作用、脂質降下作用、降圧作用、消炎作用があり、ヤドリギの枝葉や茎には、降圧作用、利尿作用、抗菌作用があるといわれている。これらの効用は、それぞれの植物ごとに認められるものである。しかしながら、これらの植物を原料とする漢方薬等を個々に用意するのは煩雑であるし、コスト高となり不経済である。また、前記の例で示すように、薬効同士が共通することも多く、薬効植物の組合せによっては、相互にその効用を阻害し合う関係となり得る場合もある。
【0005】
そこで、入手しやすい身近な薬用植物のみの組合せを上手に選択し、簡単な方法で健康増進食品を製造できれば、多くの人の健康に貢献できることとなる。例えば、飲食を伴うレストラン等において、解毒効果の高いお茶などを食前に提供することで、食中毒の防止に有効であり、頑張る受験生や研究者には記憶力を向上させ、糖の吸収が気になるダイエット中の方や糖尿病を発症している方などの血糖値コントロールが容易になる。
【0006】
このような問題に鑑み、従来からも種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「化粧料組成物又は飲食品組成物」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。係る技術は「外用又は内用したときに皮膚や頭髪に張りやツヤを与え、保湿効果、美白効果、毛髪の櫛通りの改善等、皮膚や頭髪への感触や使用感が非常に良好となる物質を含有する化粧料組成物又は飲食品組成物を提供」することを課題とし、具体的には「糖類又は糖類抽出物を、更には酒類醸造粕又は酒類醸造粕抽出物を併用して、皮膚や頭髪に張りやツヤを与え、保湿効果、美白効果、毛髪の櫛通りを改善する化粧料組成物又は飲食品組成物。」とするものである。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、糖類又は、糖類抽出物を一種以上含有することを基本構成とするものであるため、ツユクサには糖質の吸収を促す分解酵素の働きを阻害する効能があり、ツユクサは特許文献1に記載の発明への利用には向かない植物といえ、これを主たる材料として構成される本願発明とは異なるものといえる。
【0007】
また、発明の名称を「ミネラル吸収促進剤」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「風味が良く、ミネラルの吸収性に優れたミネラル吸収促進剤を提供する。」ことを課題とし、解決手段を「野草類、野菜類、果実類、きのこ類及び海藻類の抽出液又は搾汁液を、アルコール発酵及び乳酸発酵して得られる発酵物を有効成分として含有することを特徴とするミネラル吸収促進剤。」という技術が公開され公知技術となっている。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、野草類、野菜類、果実類、キノコ類、及び海藻類の抽出液又は搾汁液をアルコール発酵及び乳酸発酵してられる発酵物を有効成分として含有させるものであるのに対し、本発明は野草類のみの構成であって、発酵を伴わない点において製造プロセスが異なり、身近な野草類のみで薬用効果を発揮させる本発明とは相違するものである。
【0008】
また、発明の名称を「植物成長促進細菌及び使用方法」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。具体的には、「植物成長促進細菌の新規な菌株の細菌学的に純粋な細菌培養物、及びそれを含む接種材料に関し、該接種材料でコーティングされた植物の種子、該接種材料を含むキット、及び該生物学的に純粋な細菌培養物または接種材料を植物、植物の種子、または植物成長媒体に適用することによる植物成長の刺激方法も対象とする。」というものである。しかしながら、特許文献3に記載の技術は、生物学的に純粋な細菌培養物であって、その培養物中の細菌は特定されているものであるのに対し、本発明では細菌の培養を伴わない点で相違している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2018−203628号
【特許文献2】特開2012−12363号
【特許文献3】特表2016−519572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、入手しやすい身近な植物を利用し、簡易な方法で製造可能な人の健康増進に資する食品製造技術の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、アザミと、ミョウガと、ツユクサとをそれぞれ別個に蒸す蒸し工程と、ホワイトリカーに重曹を加えて攪拌するアク取り溶液の攪拌工程と、前記蒸し工程において得られたアザミとミョウガとツユクサに、前記攪拌工程により得られたアク取り溶液を吹き付ける吹き付け工程と、前記吹き付け工程で得られたアザミとミョウガとツユクサを乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程で得られたアザミとミョウガとツユクサを粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られたアザミとミョウガとツユクサを所定の配合比により配合する配合工程と、から成る構成を採用する。
【0012】
また、本発明は、アザミとミョウガとツユクサの配合比率がそれぞれ4:3:3である構成を採用することもできる。係る構成を採用した場合は、解毒効果が高く、飲食店等においての食中毒防止に特に役立つ食品の製造が可能となる。
【0013】
また、本発明は、アザミとミョウガとツユクサの配合比率がそれぞれ3:3:4である構成を採用することもできる。係る構成を採用した場合は、糖の吸収を抑えるため、ダイエット中の方や糖尿病の方々に貢献できる食品の製造が可能となる。
【0014】
また、本発明は、アザミとミョウガとツユクサの配合比率がそれぞれ3:4:3である構成を採用することもできる。係る構成を採用した場合は、記憶力や免疫力への作用が高いため、認知症や受験生など、老若男女に適する食品の製造が可能となる。
【0015】
また、本発明は、前記攪拌工程に用いられるアク取り溶液が、ホワイトリカー200ccに対して重曹6グラムである構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る健康増進食品の製造方法並びにその食品によれば、入手容易な身近な植物を利用し、簡易な方法による加工を施すことにより、特に、解毒効果、記憶力向上、免疫力向上、糖吸収の抑制など、人の健康増進に貢献できる食品を提供できるという優れた効果を発揮する。
【0017】
また、本発明に係る健康増進食品の製造方法並びにその食品によれば、アントシアニンやカロテンを含んでいることから、眼精疲労や認知症の予防に資するという優れた効果を発揮する。
【0018】
また、本発明に係る健康増進食品の製造方法並びにその食品によれば、アルファーピネン、ミョウガジアール、グラニオールを含んでいることから、血液の循環を良くしたり、鎮静作用、解毒作用、抗菌作用、抗炎症作用の発揮するなど、優れた効果を発揮する。
【0019】
また、本発明に係る健康増進食品の製造方法並びにその食品によれば、アザミ、ツユクサ、ミョウガを主成分とし、製造過程においても人工的なものを一切使用しない自然の材料を使用していることから、安心して利用できるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る健康増進食品の製造方法の各工程を示す工程説明図である。
図2】本発明に係る健康増進食品の製造方法の身近な植物の素材を示す材料説明図である。
図3】本発明に係る健康増進食品の製造方法によって得られる健康食品を摂取することによりHbA1cの適正基準値への安定化が図られたことを示す実施結果説明図である。
図4】本発明に係る健康増進食品の製造方法によって得られた健康食品摂取者の検診結果を示す参考表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、身近な植物を利用して簡易な方法で製造でき、特にレストラン等の飲食物提供事業者において食中毒等の防止と、記憶力、免疫力の向上、並びにHbA1cの上昇を抑え、平均的な血糖値への正常化を図る健康食品の提供を課題とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果が得られる範囲内で変更可能である。
【0022】
図1は、本発明に係る健康増進食品の製造方法に係る各工程を示す工程説明図である。本発明に係る健康増進食品の製造方法は、蒸し工程A、撹拌工程B、吹き付け工程C、乾燥工程D、粉砕工程E、及び配合工程Fから構成される。以下、各工程について説明する。
【0023】
蒸し工程Aは、アザミ10と、ミョウガ30と、ツユクサ20のそれぞれを蒸すための工程である。具体的には、あらかじめ鍋等で水を沸騰させて蒸し湯を作り、その鍋等の上に加熱するアザミ10とミョウガ30とツユクサ20を入れた蒸籠等を用い、張った湯の上面より高い位置に配置し、蓋をしたまま湯気を絶えず充満させ、10分程度蒸す。
【0024】
撹拌工程Bは、アク取り溶液を作る工程である。具体的には、アルコール度数が高く(35度以上)、殺菌効果も強いホワイトリカーを溶媒として、200CC当たりに重曹6グラムを混入して攪拌する。
【0025】
吹き付け工程Cは、撹拌工程Bで得られたアク取り溶液を、蒸し工程Aで得られたアザミ10とミョウガ30とツユクサ20に吹き付け、アク取り及び滅菌処理をする工程である。具体的には、攪拌工程Bで得られたアク取り溶液を、霧吹き等によって蒸し工程Aで得られたアザミ10とミョウガ30とツユクサ20の表面に十分に吹き付けるものである。
【0026】
乾燥工程Dは、吹き付け工程Cで得られたアザミ10とミョウガ30とツユクサ20から完全にアルコールを飛ばすとともに水分を取り除く工程である。具体的には網等で包んで天日で約1週間ほど乾燥させるものである。
【0027】
粉砕工程Eは、乾燥工程Dで得られた乾燥したアザミ10と、ミョウガ30と、ツユクサ20のそれぞれを粉砕する工程である。具体的には、ミル等を用いて粉状に粉砕する。特にアザミ10は葉の先端が尖っており、直接手で触れるとけがをしたりするので十分な注意が必要である。
【0028】
配合工程Fは、粉砕工程Eで得られた、粉状のアザミ10とミョウガ30とツユクサ20のそれぞれを所定の配合比によって配合する工程である。具体的には、例えば、アザミ10と、ミョウガ30と、ツユクサ20をそれぞれ重量比において4:3:3とする。係る比率による配合では、レストラン等の飲食に先立ち提供するお茶に採用することで食中毒防止の効果が得られる。また、配合比率を3:3:4とすることで高血糖の人へ血糖値の上昇を抑えることが可能になるとともに、炭水化物からの糖の吸収を抑制し、ダイエット効果も発揮する。また更に、配合比を3:4:3とすることで、免役力並びに記憶力向上といった、特に高齢者に適する食品とすることが可能となる。
【0029】
図2は、本発明に係る健康増進食品の製造方法に係る身近な植物の素材を示す材料説明図である。図2(a)は、乾燥工程Dで得られた乾燥したツユクサ20の花、葉、及び茎を示し、図2(b)は、乾燥工程Dで得られた乾燥したミョウガ30の実を示し、図2(c)は、乾燥工程Dで得られたアザミ10の花、葉、及び茎を示しの花、葉、及び茎を示し、図2(d)は、乾燥工程Dで得られた乾燥したミョウガ30の茎及び葉を示している。
【0030】
本発明に係る主たる材料には、身近な植物であるアザミ10と、ミョウガ30と、ツユクサ20を用いる。それぞれの植物の特徴について以下説明する。
【0031】
アザミ(薊)10は、キク科アザミ属 (Cirsium)及びそれに類する植物の総称を指すものであるが、本書面においては、日本国内の山野に生息する一般的なアザミ10を指し示すものとする。甘味で涼性(食べると涼しくなる)の性質を持っており、アルファヒマカレンなどの薬効成分、葉にはベータカロテンや葉緑素が含まれ、食物繊維も豊富な植物である。モノテルペン炭化水素類の一種であるアルファヒマカレンやシリマリンを含み、アルファヒマカレンは抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用、抗炎症作用、うっ血除去作用、去痰作用、尿路系感染鎮痛作用などの幅広い働きを持っており、シリマリンは、肝臓に対する効果が有名であり、アルコール性肝障害の予防と改善、胃粘膜の損傷を予防するなどの効能も知られている。
【0032】
(カロテン)
アザミ10の葉の緑色にはカロテンが含まれており、カロテンは体内でビタミンAの働きをする栄養成分で、上皮、器官、臓器の成長や分化に関係するため、特に妊婦や乳児には必要なビタミンである。不足すると粘膜乾燥により消化吸収の能力の低下や、呼吸器系の抵抗力低下などの障害が発生する。また、視神経にも関与するので欠乏すると暗順応(暗い所に長くいると、目が慣れてだんだん物が見えるようになる現象)の反応性低下を引き起こす。
【0033】
(葉緑素)
アザミ10の葉の緑色は、クロロフィル(葉緑素)と呼ばれる緑色をした色素であり、クロロフィルの分子構造は血液に類似しているため、「植物の血液」とも呼ばれている。「増血や血液をキレイにする」「肝臓の強化」「損傷を受けた組織の修復」などの働きを持ち、健康維持の働きに欠かせない成分である。
【0034】
(アザミ10の解毒効果に関する実験)
本発明に係る健康増進食品の製造方法により製造された食品から抽出したお茶を飲料させた複数のハツカネズミと、飲料させないハツカネズミのそれぞれにネズミ駆除用の毒餌を与えたところ、お茶を飲料させた複数のハツカネズミは変化がなかったのに対して、お茶を飲料させなかったハツカネズミは、6時間後に死亡した。また、親戚が法事で集まった際、お茶として提供したところ、お茶を飲まなかった人のみが食中毒を起こしたという事例もある。従って、レストランや飲食店等で提供すれば食中毒防止に効果を発揮する。
【0035】
ツユクサ20(露草、学名: Commelina communis)は、ツユクサ科ツユクサ属の一年生植物であり、畑の隅や道端で見かけることの多い雑草である。自生地は日本全土を含む東アジアで、アメリカ東北部などに帰化している。ツユクサ20の、花の青い色素であるコンメリニンはアントシアニン系の化合物(金属錯体型アントシアニン)で、青い花が咲いている時期は食用にもなる。アントシアニンの効能として、視力改善作用があり、ロドプシンの再合成を助ける効能がある。ロドプシンとは、目の網膜にある紫色の色素で、ロドプシンに光が当たる事によって生じる信号が脳に送られて、「目が見える」と、認識されるものである。
また、ツユクサ20には炭水化物からの糖質の吸収を軽減する効果があるといわれ、ダイエット効果も発揮するとともに、糖尿病の方の食事療法において血糖値の上昇を抑制できる。
【0036】
ミョウガ30は、その成分のほとんどが水であるが、アルファピネンを含みアルファピネンは特有の匂い成分であり、ミョウガ30の優れた健康効果・効能は、アルファピネンにあるといえる。係るアルファピネンは発汗、呼吸、血液の循環などの機能を促す作用があるといわれている。また、ミョウガ30にはアルファピネンと同様な効果を発揮するミョウガジアールやゲラニオールが含まれ、ミョウガジアールは血行促進の作用があり、ゲラニオールには鎮静作用や解毒作用があると期待されている。更に、ミョウガ30にはカンフェンが含まれ、抗菌作用、抗炎症作用があるといわれている。なお、ミョウガ30を食べると物忘れがひどくなるとよくいわれるが、ミョウガ30を食べることによる記憶への悪影響に学術的な根拠はなく、栄養学的にそのような成分は含まれてはいない。逆に近年ではミョウガ30は記憶力、及び免疫力が向上するというデータが示されるようになり、認知症への効果がある。また、ミョウガ30の香り成分には集中力を増す効果もあるといわれている。
【0037】
重曹40は、アク抜き及びpH調整剤として炭酸水素ナトリウム(重曹)添加の効果が認められている。代謝性アルカローシスは、明らかな血圧降下作用を惹起すると指摘されている。この作用がチアジド系降圧剤の降圧機序の一因子であることが指摘されている。
【0038】
上記の植物による原材料の配合比率については、アザミ10と、ミョウガ30と、ツユクサ20が、それぞれ4:3:3となる。なお、係る配合比率は、本発明者が長期の利用により、自らの診断結果等(図3図4)から、より良い配合としたものである。HbA1cを常に6.5以下に保つように工夫した結果である。
【0039】
(HbA1c)
HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは、別名糖化ヘモグロビンともいい、ヘモグロビンにブドウ糖がくっついたものである。血液に含まれる赤血球のヘモグロビンは、血液中の酸素を運ぶ赤血球に含まれる色素である。このヘモグロビンは、血液中のブドウ糖とくっつきやすく一度くっつくと離れない性質があり、HbA1c(ヘモグロビンA1c)検査は、このヘモグロビンの性質を検査に応用したものである。血液中の糖分が高い状態があれば、その時のヘモグロビンには多くのブドウ糖がヘモグロビンに含まれており、この性質を利用したHbA1c(ヘモグロビンA1c)検査をする事で血液の状態がわかる仕組みである。
【0040】
HbA1cは、現時点より過去1〜1.5ヶ月間の平均血糖値を反映しているため、糖尿病患者の治療コントロールの良否には欠かせない検査である。HbA1cは血糖と違い、食事の影響を受けないため食前・食後を問わずいつでも検査ができる。したがって、糖尿病患者は常日頃から摂生していないと検査の前だけ食事を控えても、この検査をすれば日頃の不摂生が把握できるものである。正常値は4.4〜5.8%であり、常に6.5以下にきちんとコントロールできていると、網膜症・動脈硬化・腎症・末梢神経障害といった糖尿病による合併症をかなり防ぐことができる。即ち、6.5%が糖尿病治療の第一目標である。係る第一目標が達成できた後は、さらに基準値(5.8%以下)に下げることが望ましいといわれている。
【0041】
HbA1cには「JDS値」と「NGSP値」の2つがあり、JDS値は日本で決められた条件に従った測定値、NGSP値は主に米国で決められた条件に従った測定値で、日本のJDS値はNGSP値に比較して約0.4%低い値となっている。図3において、途中、JDS値からNGSP値へ入れ替わっているのは、2013年4月1日から実施された特定健診・特定保健指導におけるHbA1c(ヘモグロビンA1c)検査が、JDS値からNGSP値に切り替わったことによるものであり、受診者への結果通知および保険者への結果報告には、NGSP値であることが明示されるようになったからである。
【0042】
図3は、本発明に係る健康増進食品の製造方法によって得られる健康食品を摂取することによりHbA1cの適正基準値への安定化を示した実施結果説明図である。図3(a)は、体調の優れなかった2006年10月から2008年1月までのHbA1cの値の変化を示す表であり、図3(b)は、HbA1cの変化が著しかった2006年10月から2008年1月までを折れ線グラフで示し、図3(c)は、直近の2017年11月から2019年3月までを折れ線グラフで示したものである。HbA1cの適正基準値は正常値が4.4〜5.8%であるところ、本発明者は、2006年にはHbA1cが9.2と極めて高い数値であり、この時期には体調にも異常が多く見られたという。桑の葉等を色々と試したものの、効果が無かった。そこで、2007年の年明け頃から本発明に係る健康増進食品の製造方法によって得られた食品を食前に摂取し始めたところ、2008年には5.8〜6.1の範囲へと低下し、2010年には5.3〜5.6まで低下し、その後も5.5前後で安定している(図3参照)。その間、特に食事制限することもなく、毎日日本酒を飲用していたという状況下でのデータである。
【0043】
図4は、本発明に係る健康増進食品の製造方法によって得られる健康食品を摂取者(74歳:男性)の検診結果を示す参考表である。図4(a)は、2006年10月から2007年5月までの検診結果を示し、図4(b)は直近の2017年11月から2019年3月までの検診結果である。図4に表れている通り、ほとんどの項目において適正範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る健康増進食品の製造方法並びにその食品によれば、飲食物提供事業において食中毒防止に役立ち、ダイエットや糖尿病で苦しむ多くの方に貢献でき、認知症の予防にも資する健康増進食品を提供できることから、多方面における産業上利用可能性は高いと思料されるものである。
【符号の説明】
【0045】
1 健康食品の製造方法
10 アザミ
20 ツユクサ
30 ミョウガ
40 重曹
A 蒸し工程
B 攪拌工程
C 吹き付け工程
D 乾燥工程
E 粉砕工程
F 配合工程
図1
図2
図3
図4