(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-168139(P2020-168139A)
(43)【公開日】2020年10月15日
(54)【発明の名称】鍋蓋用お玉置き具
(51)【国際特許分類】
A47J 36/06 20060101AFI20200918BHJP
【FI】
A47J36/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-70760(P2019-70760)
(22)【出願日】2019年4月2日
(71)【出願人】
【識別番号】514131087
【氏名又は名称】箱石 英政
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】箱石英政
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA01
4B055BA34
4B055BA51
4B055CA21
4B055CA68
4B055CC63
(57)【要約】
【課題】
本発明は、鍋を使用する調理、特に煮炊き時において鍋の中身をお玉でかき回した後に、台所を汚すことなく、常に所定の位置にお玉を置く場所を確保するとともに、大きさの異なる鍋にも対応できるお玉置きの提供を課題とするものである。
【解決手段】
本発明は、鍋蓋に装着して用いる鍋蓋用のお玉置き具であって、前記鍋蓋へ係止するための鍋蓋係止部と、該鍋蓋係止部に対して略垂直に立ち上がる支持部と、該支持部に対して傾斜角を有して備えられるお玉置き部と、該お玉置き部に摺動自在に備えられるお玉位置決め機構部とからなり、前記鍋蓋の大きさに合わせてお玉の位置を調整可能な構成を採用した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋蓋(10)に装着して用いる鍋蓋用のお玉置き具であって、
前記鍋蓋(10)へ係止するための鍋蓋係止部(20)と、
該鍋蓋係止部(20)に対して略垂直に立ち上がる支持部(30)と、
該支持部(30)に対して傾斜角(θ)を有して備えられるお玉置き部(40)と、
該お玉置き部(40)に摺動自在に備えられるお玉位置決め機構部(50)とからなり、
前記鍋蓋(10)の大きさに合わせてお玉(T)の位置を調整可能な鍋蓋用お玉置き具(1)。
【請求項2】
前記お玉置き部(40)に、味見用スプーン(S)を配置するための味見用スプーン配置領域(60)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鍋蓋用お玉置き具(1)。
【請求項3】
前記鍋蓋用お玉置き具(1)と、該鍋蓋用お玉置き具(1)とともに利用する鍋蓋(10)とから構成され、該鍋蓋(10)の縁部に垂れ落とし穴(12)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍋蓋用お玉置き具(1)。
【請求項4】
前記お玉部位置決め機構部(50)に、鍋(N)とお玉(T)を係止するためのお玉係止部(70)を有していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の鍋蓋用お玉置き具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調理具に関し、詳しくは、鍋を使用する調理、特に煮炊き時において鍋の中身をお玉でかき回した後に、台所を汚すことなく、常に所定の位置にお玉を置く場所を確保するとともに、大きさの異なる鍋にも対応できるお玉置きの技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鍋を使う調理、特に煮炊きなどをするときは、お玉で鍋の中身をかき回した後に使用したお玉を台所の調理台に置いたり、鍋の蓋に立てかけたりなどしてお玉を置く場所を確保していた。しかしながら、調理台や鍋の蓋の上に調理に使用中のお玉を置くことは、置いた場所が汚れることや、衛生面でも不都合が生じることがある。
【0003】
また、お玉を置く場所が汚れないようにお玉を受ける専用のお玉置きなども登場しているが、鍋から離れた位置では、その間で煮汁等を垂らしてしまうおそれがあり、また、使用した後に、そのお玉置きを洗わなければならず、手間も増えるといったこととなり、便利になったとはいえない。
【0004】
お玉を鍋の中に入れっぱなしにするということも考えられるが、そうすると鍋と蓋の間に隙間ができ、鍋の保温率も下がることや、お玉自体が熱を持ち、かき混ぜる時に火傷するなど、不都合が生じるといった問題がある。
【0005】
そこで、従来から、種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「調理用の小道具置き付き、蓋の立てかけ支持金具」とするものであり(特許文献1参照)、「煮炊具の蓋に限らずあらゆる蓋に関してその蓋の置き場に困ることや蓋の裏側に付く水滴などをたらして汚すことがある。また調理器具などに於いても同様たとえばお玉を使用する場合でも汚す例が多い。支持金具により蓋を洗ったり収納したりすることも弁えてすべて解決する。」ということを課題とし、具体的には、「バネ性線材曲げ加工に仕上げたクリップ式支持金具を蓋のツマミに即簡単に取り付け取り外しができるように設け、その支持金具が器体にフックで蓋と共 に立て掛けられるようにし、調理器具なども煮炊中に支持金具の上に置くことを可能にした。」とするものである。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、お玉の柄の部分が鍋蓋の上、特に上に上がる熱の影響をそのまま受けることとなり、熱くなった柄を持たなくてはならないという問題を残すものであった。
【0006】
また、発明の名称を「鍋の蓋立て兼オ玉置器具」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。
具体的には、「使用中の鍋の蓋やお玉を一時的に置くための器具を提供する。」ことを課題とし、解決手段を「L字型ないし円弧を成すアーム上に、鍋 蓋立てとお玉置きを設置し、アームの両端点と中間点に脚を設け、鍋の縁を囲むように置くことで、鍋の上に安定的に置くことを可能にした鍋の蓋立て兼お玉置き器具。」という技術が公開され公知技術となっている。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、調節機能がないために大きさの違う鍋ごとに設置しなければならず本発明の課題を解決するに至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−267729号
【特許文献2】特開2006−55581号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、鍋を使用する調理、特に煮炊き時において鍋の中身をお玉でかき回した後に、台所を汚すことなく、常に所定の位置にお玉を置く場所を確保するとともに、大きさの異なる鍋にも対応できるお玉置きの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、鍋蓋に装着して用いる鍋蓋用のお玉置き具であって、前記鍋蓋へ係止するための鍋蓋係止部と、該鍋蓋係止部に対して略垂直に立ち上がる支持部と、該支持部に対して傾斜角を有して備えられるお玉置き部と、該お玉置き部に摺動自在に備えられるお玉位置決め機構部とからなり、前記鍋蓋の大きさに合わせてお玉の位置を調整可能な構成を採用する。
【0010】
また、本発明は、前記お玉置き部に、味見用スプーンを配置するための味見用スプーン配置領域が設けられている構成を採用することもできる。
【0011】
また、本発明は、前記鍋蓋用お玉置き具と、該鍋蓋用お玉置き具とともに利用する鍋蓋とから構成され、該鍋蓋の縁部に垂れ落とし穴が設けられている構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明は、前記お玉部位置決め機構部に、鍋とお玉を係止するためのお玉係止部を有している構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る鍋蓋用お玉置き具によれば、従来からの課題であった調理中のお玉を柄に熱を伝えることなく常に所定の場所に置くことを容易にするという優れた効果を発揮する。
【0014】
また、本発明に係る鍋蓋用お玉置き具によれば、鍋蓋に装着することで,鍋蓋と一体化を図れるため、別の器具として外部に用意される別個のお玉置きを不要とし、これを調理後に洗浄するという手間を省けるといった優れた効果を発揮する。
【0015】
また、本発明に係る鍋蓋用お玉置き具によれば、支持部に対してお玉置き部が傾斜して設けられていることから、煮汁等が垂れても流れ出る位置が一定であり、鍋蓋の縁部に垂れ落とし穴を設ける構成を採用した場合には、鍋周りを汚すことがないという優れた効果を発揮する。
【0016】
また、本発明に係る鍋蓋用お玉置き具によれば、鍋蓋に置くことで、蓋に隙間ができにくく、鍋の保温率の低下を防ぐことができ、お玉の柄の温度も熱くならず、調理をスムーズに行えるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る鍋蓋用お玉置き具の基本構成を説明する基本構成説明図である。
【
図2】本発明に係る鍋蓋用お玉置き具にお玉を配置した状態の実施状態説明図である。
【
図3】本発明に係る鍋蓋用お玉置き具に味見用スプーンが備えられる構成の実施例説明図である。
【
図4】本発明に係る鍋蓋用お玉置き具を説明する説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、鍋蓋に装着して用いる鍋蓋用のお玉置き具であって、前記鍋蓋へ係止するための鍋蓋係止部と、該鍋蓋係止部に対して略垂直に立ち上がる支持部と、該支持部に対して傾斜角を有して備えられるお玉置き部と、該お玉置き部に摺動自在に備えられるお玉位置決め機構部とからなり、前記鍋蓋の大きさに合わせてお玉の位置を調整可能としたことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0019】
図1は、本発明に係る鍋蓋用お玉置き具の基本構成を説明する基本構成説明図であり、
図1(a)は平面図、
図1(b)は左側面図、
図1(c)は正面図、
図1(d)は右側面図のそれぞれを示している。
【0020】
鍋蓋10は、鍋Nに用いられる蓋体であって、一般的な形状のものであれば良い。但し、中央に突き出すように配置された掴み部11を有するものに限る。
【0021】
垂れ落とし穴12は、鍋蓋10が本発明に係る鍋蓋用お玉置き具1の専用品である場合であって、お玉を配置した状態において、お玉の最低部から煮汁等が垂れる位置に配置され、鍋Nの中へと受け入れるために開口した開口穴である。
図2では楕円形に示し、
図3及び
図4では複数のスリットを並べて配置している状態を示しているが、特に形状に限定されるものではない。なお、通常の鍋蓋に設けられる蒸気抜き孔を利用してもよい。
【0022】
鍋蓋係止部20は、通常の鍋蓋10の中心に突出して突き出した掴み部11を保持し、鍋蓋用お玉置き具1を鍋蓋10に固定させるための部材である。図面ではクリップ状の鍋蓋係止部20を示しているが、掴み部11の両側から挟持して螺合部材等でしっかりと固定するものでもよい。
【0023】
支持部30は、鍋蓋係止部20から略垂直に立ち上がり、お玉置き40を所定の傾斜角θを有して係止するための支柱であり、鍋蓋10からお玉Tを所定の距離を離すことによってお玉への伝熱を抑えてお玉の加熱を防止する。
【0024】
お玉置き部40は、お玉Tを保持し、お玉Tの位置をお玉位置決め機構50により決定させる部材であり、断面が略C型、略V型、又は略U型で上方が開口している形状を有している。
【0025】
お玉保持用凸部41は、お玉置き部40の片側端部に設けられる突出部であり、一般的なお玉が有する柄の端部に設けられる穴に係止することによって、お玉置き部40からお玉Tがずれ落ちないようにすることができるものである。特に、本発明ではお玉置き部40が傾斜しているため、係るお玉保持用凸部41が必要となる。なお、図面中の矢印で示したように、お玉保持用凸部41をお玉置き部40に対して、位置の調整ができる構成とすることが望ましい。また、お玉保持用凸部41は、お玉の柄の端部に設けられる穴に引っかかる程度に高さを規制することで、穴部を有しないお玉Tに対応することができる。
【0026】
お玉位置決め機構部50は、お玉を鍋蓋10に対する位置を調整するため、固定される係止部20に対してお玉置き部40の一部が前後に伸縮する機構である。
【0027】
味見用スプーン配置領域60は、お玉置き部40の一部に味見用スプーンSを保持するための領域である。通常、お玉の柄の直系に対してスプーンの幅が大きいためお玉置き部40の一部を膨らませて収用する構成を採用する。
【0028】
お玉係止部70は、お玉が安定して保持できるようにするための補助具であり、お玉位置決め機構部50により、お玉置き部の前後に摺動する動作に連動して移動する。
【0029】
傾斜角θは、鍋蓋10から略垂直に立ち上がる支持部30に対し傾斜させることで、煮汁等を鍋Nに戻すために必要な角度である。
【0030】
お玉Tは、市販される一般的なお玉であればよく、特に専用品ということはない。但しお玉の保持を考慮すれば、お玉保持用凸部41に保持させるための穴部を柄の端部に備えているものが望ましい。
【0031】
スプーンSは、味見用に備える補助具であり、味見用スプーン配置領域60内に収容されるものである。特に形状等についての専用品である必要はなく、一般に市販されている小型のスプーンであればよい。但し、可能であればお玉保持用凸部41に係合するための穴部を有していることが望ましい。
【0032】
鍋Nは、食材に火を通すための加熱調理用容器であり、素材や大きさを特に限定するものではなく、広く一般に普及しているものでよい。但し、鍋蓋10と鍋Nの大きさの関係については密接な関係があることは言うまでのこともない。
【0033】
図2は、本発明に係る鍋蓋用お玉置き具にお玉を配置した状態の実施状態説明図であり、
図2(a)は平面図、
図2(b)は左側面図、
図2(c)は正面図、
図2(d)は右側面図のそれぞれを示している。より具体的には、お玉Tがお玉置き部40に載置されお玉Tの柄に設けられた穴部にお玉保持用凸部41が係合し、お玉Tの大きさに合わせてお玉位置決め機構部50により、お玉の先端部が鍋Nから突き出ることがなく、安定してお玉を保持している状態を示している。
【0034】
図3は、本発明に係る鍋蓋用お玉置き具に味見用スプーンが備えられる構成の実施例説明図である。
図3(a)は平面図、
図3(b)は左側面図、
図3(c)は正面図、
図3(d)は右側面図のそれぞれを示している。係る
図3に示した構成は、味見用スプーンSを備えることができるものであり、煮汁等が垂れる部分を同一のお玉置き部40とすることにより、使用の洗浄箇所を少なくし作業負担を少なくする。また、味見用のスプーンを設けることにより利便性を高める構成である。
【0035】
図4は、本発明に係る鍋蓋用お玉置き具を説明する説明斜視図である。斜視図では、支持部30の傾斜角θが設けられていることを表しにくいが、傾斜角θを有することによって煮汁等の垂れる経路を共通させて、
図4に示すようなお玉部位置決め機構部50に、鍋Nとお玉Tを係止するための、お玉係止部70を有することによって、鍋蓋10の垂れ落とし穴12を介して鍋Nの中へ戻す構成を示している。なお、垂れ落とし穴12
は、通常の鍋蓋10に設けられている吹き溢し防止のための穴部を利用してもよく、また
図4に示すような専用の大きめな穴を穿設してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る鍋蓋用お玉置き具によれば、日常家庭において、又は調理に携わる仕事をする多くの方々の同様な悩みである、調理中のお玉を所定の場所に置くといったことを解決することができることから産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 鍋蓋用お玉置き具
10 鍋蓋
11 掴み部
12 垂れ落とし穴
20 鍋蓋係止部
30 支持部
40 お玉置き部
50 お玉位置決め機構部
60 味見用スプーン配置領域
70 お玉係止部
θ 傾斜角
T お玉
S スプーン
N 鍋