【実施例】
【0027】
図1は本発明の荷物用エレベータ巻上機の一実施例の構成を示す平面図である。
図2は
図1の正面図である。
図3は
図1の右側面図である。
図4は
図1の左側面図である。
図5は
図1の要部の構成を示す平面図である。
図6は
図5の右側面図である。
図7は本発明の荷物用エレベータ巻上機の別の実施例の構成を示す平面図である。
図8は
図7の正面図である。
図9は
図7の右側面図である。
図10は
図7の左側面図である。
【0028】
図1〜
図6に示す実施例のエレベータ巻上機10は、2本の長い鉄骨の間を2本の短い鉄骨で組み合わせた基台13上に配置された減速機20と、この減速機20の一方の側面に配置された電動モータ11と、減速機20の他方の側面に配置された荷物を昇降させる昇降カゴと釣り合い錘とがそれぞれ両側に懸吊された主ロープが巻き掛けられたシーブ12とを備える。本実施例では、電動モータ11の駆動軸15の反減速機20側にブレーキ装置14が配されている。
【0029】
シーブ12には、図示してはいないが、一端側に昇降カゴが、他端側に釣り合い錘が懸吊されている主ロープが巻き掛けられており、電動モータ11の回転力が減速機20を介してシーブ12に伝達され、このシーブ12の回転に伴って、主ロープが移動することによって昇降カゴがエレベータ昇降路内を上下方向に走行するように構成されている。
【0030】
電動モータ11は、図示しない制御装置によって回転数が制御されるものであり、その出力制御で同じく図示しない昇降カゴの走行の加減速、停止が制御される。昇降カゴが目的階の乗場位置に到達して停止すると、ブレーキ装置14が動作され、シーブ12の回転が阻止され、昇降カゴの静止状態が保持される。尚、このブレーキ装置14の更に外方にはトルクレンチのヘッドを取り得蹴れるように、ヘッド取付部16が備えられ、このヘッド取付部16にトルクレンチをセットする事で、実トルクの計測が可能となっている。
【0031】
減速機20は、電動モータ11の回転を2つのヘリカルギア段で予め定められた回転速度に減速してシーブ12へ出力する。具体的な構成は、
図5及び
図6に示すように、基台13上に載置された直方体状の筐体28と、電動モータ11の駆動軸15の同軸上に連結された、第1ヘリカルピニオン21が同軸上に配置された入力軸22と、第1ヘリカルピニオン21に噛合する第1ヘリカルギア23と第2ヘリカルピニオン24とが同軸上に配置された中間軸25と、第2ヘリカルピニオン24に噛合する第2ヘリカルギア26とシーブ12とが同軸上に配置された出力軸27とを各々の軸方向を互いに平行に配置して備える。
【0032】
中間軸25は、入力軸22及び出力軸27よりも上方にずらした高さ位置に配置されている。より具体的には、中間軸25が入力軸22に対して仰角αの角度が45°に配置され、出力軸27は、中間軸25に対して俯角βが45°に配置されている。尚、各々の軸はベアリング29によって筐体28の側壁に回転可能に支持されている。これにより、2つのヘリカルギア段によって高さを低くすると共に、幅を小さくすることができ、静音性が高く、安価に製造可能な巻上機を得ることができる。即ち、減速機20には、2つのヘリカルギア段で構成されているため、静音性が高く、安価に製造可能であり、3本の軸の中間軸を上方にずらしているため、小型化することができる。
【0033】
これに加えて、直方体状の筐体28が、一般構造用圧延鋼材(SS鋼材)から構成されている。即ち、直方体状の筐体の6面を構成する各々の面を一般構造用圧延鋼材(SS鋼材)を溶接して接合し手形成することにより、鋳鉄品と比較して、より静音性が高く、引っ張り強度に対抗することができ、より安価に製造することができる。
【0034】
即ち、従来は鋳鉄製が主流であった減速機20の筐体28を一般構造用圧延鋼材(SS鋼材)で構成した。これにより、内部に配置された軸のラジアル荷重に対する強度(特に上方向の引っ張りに対する強度)を増すことができ、より安価に製造することが可能となり、引っ張り強度に対抗することが可能となるため、地下ピットスペースに配設される荷物用エレベータの巻上機として有効である。尚、本実施例の減速機の減速比としては、30〜38の2段ヘリカル方式を想定している。これにより、荷物用エレベータの巻上機として広く利用可能となる。
【0035】
図7〜
図10に示す別の実施例のエレベータ巻上機70は、
図1のエレベータ巻上機10のブレーキ装置14の配置が相違した以外は同じである。即ち、別の実施例のエレベータ巻上機70は、同様に、2本の長い鉄骨の間を2本の短い鉄骨で組み合わせた基台73上に配置された減速機80と、この減速機80の一方の側面に配置された電動モータ71と、減速機80の他方の側面に配置された荷物を昇降させる昇降カゴと釣り合い錘とがそれぞれ両側に懸吊された主ロープが巻き掛けられたシーブ72とを備える。本実施例では、電動モータ71と減速機80との間にブレーキ装置74が配されている。
【0036】
シーブ72についても、図示しない昇降カゴに一端が、釣り合い錘に他端が懸吊されている主ロープが巻き掛けられており、電動モータ71の回転力が減速機80を介してシーブ72に伝達され、このシーブ72の回転に伴って、主ロープが移動することによって昇降カゴがエレベータ昇降路内を上下方向に走行するように構成されている。
【0037】
電動モータ71についても、図示しない制御装置によって回転数が制御されるものであり、その出力制御で同じく図示しない昇降カゴの走行の加減速、停止が制御される。昇降カゴが目的階の乗場位置に到達して停止すると、ブレーキ装置74が動作され、シーブ72の回転が阻止され、昇降カゴの静止状態が保持される。尚、このブレーキ装置74の更に外方にはトルクレンチのヘッドを取り得蹴れるように、ヘッド取付部76が備えられ、このヘッド取付部76にトルクレンチをセットする事で、実トルクの計測が可能となっている。
【0038】
減速機80は、電動モータ71の回転を2つのヘリカルギア段で予め定められた回転速度に減速してシーブ72へ出力する。具体的な構成は、
図5及び
図6に示したものと同様に構成されている。即ち、基台73上に載置された直方体状の筐体88と、電動モータ71の駆動軸75の同軸上に第1ヘリカルピニオン(図示せず)が配置された入力軸82と、第1ヘリカルピニオンに噛合する第1ヘリカルギアと第2ヘリカルピニオンとが同軸上に配置された図示しない中間軸と、第2ヘリカルピニオンに噛合する第2ヘリカルギア(図示せず)とシーブ82とが同軸上に配置された出力軸87とを各々の軸方向を互いに平行に配置して備える。
【0039】
この実施例でも同様に、中間軸は、入力軸82及び出力軸87よりも上方にずらした高さ位置に配置されている。これにより、高さが低く小型とすることができ、静音性が高く、安価に製造可能な巻上機を得ることができる。即ち、減速機80には、2つのヘリカルギア段で構成されているため、静音性が高く、安価に製造可能であり、3本の軸の中間軸を上方にずらしているため、小型化することができる。
【0040】
この直方体状の筐体88についても、一般構造用圧延鋼材(SS鋼材)から構成されている。即ち、直方体状の筐体の6面を構成する各々の面を一般構造用圧延鋼材(SS鋼材)を溶接して接合し手形成することにより、鋳鉄品と比較して、より静音性が高く、引っ張り強度に対抗することができ、より安価に製造することができる。
【0041】
従来は鋳鉄製が主流であった減速機80の筐体88を一般構造用圧延鋼材(SS鋼材)で構成することにより、内部に配置された軸のラジアル荷重に対する強度(特に上方向の引っ張りに対する強度)を増すことができ、より安価に製造することが可能となり、引っ張り強度に対抗することが可能となるため、地下ピットスペースに配設される荷物用エレベータの巻上機として有効である。尚、本実施例の減速機についても減速比としては、30〜38の2段ヘリカル方式を想定している。これにより、荷物用エレベータの巻上機として広く利用可能となる。
【0042】
尚、ブレーキ装置の取付位置については、他に減速機とシーブとの間に設置可能である。これら電動モータの駆動軸の反減速機側、電動モータと減速機との間、減速機とシーブとの間との3カ所に設置可能とすることにより、自由度を増すことができる。