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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-169128(P2020-169128A)
(43)【公開日】2020年10月15日
(54)【発明の名称】毛髪洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20200918BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20200918BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20200918BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20200918BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20200918BHJP
【FI】
   A61K8/44
   A61K8/41
   A61K8/81
   A61K8/73
   A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-70060(P2019-70060)
(22)【出願日】2019年4月1日
(71)【出願人】
【識別番号】390003001
【氏名又は名称】川研ファインケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小向 和希
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC302
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC712
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD352
4C083BB07
4C083BB33
4C083CC38
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】色相安定性に優れ、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する毛髪洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】成分(a):式(1)で示されるN−アシルアミノ酸と式(2)で示されるアルカノールアミンとの中和塩を5〜25重量%、成分(b):カチオン性ポリマーを0.05〜2重量%を含むことを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。

(RCOは炭素数8〜22の脂肪酸アシル基を示し、nは1〜2の整数を示す。)

(Rはメチル基、RとRは同一でも異なっていてもよい炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を表す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(a):一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸と一般式(2)で示されるアルカノールアミンとの中和塩を5〜25重量%
成分(b):カチオン性ポリマーを0.05〜2重量%
を含むことを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
【化1】
(式中、RCOは炭素数8〜22の脂肪酸アシル基を示し、nは1〜2の整数を示す。)
【化2】
(式中、Rはメチル基、RとRは同一でも異なっていてもよい炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を表す。)
【請求項2】
アルカノールアミンが、下記一般式(3)
【化3】
(式中、Rはメチル基、Rは炭素数2のヒドロキシアルキル基、Rは炭素数3のヒドロキシアルキル基を表す。)
で示されるアルカノールアミンであることを特徴とする前記請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、成分(c):両性界面活性剤を1〜10重量%含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の毛髪洗浄剤組成物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色相安定性に優れ、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する毛髪洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アシルアミノ酸系アニオン性界面活性剤は、皮膚や毛髪を痛めずに洗浄作用を有する刺激性の低い優れた界面活性剤として、身体用および毛髪用洗浄剤に使用されている(特許文献1〜3)。
シャンプーとして使用する際の洗髪、あるいはすすぎ時に毛髪が絡みあうことで枝毛や裂毛を生じることがある。また、シャンプー使用時だけでなく、乾燥後の毛髪状態によっても毛髪の絡みやすさが変わり、毛髪がごわつく状態にあると枝毛や裂毛が生じやすくなる。そこで、毛髪すすぎ時には指通り性が求められるとともに、乾燥後においても指通りの良いさらさらとした仕上がりになることが求められる。
毛髪同士の絡み合いを抑える公知の技術としては、油成分を配合して毛髪に滑り性を与える方法が挙げられる。その中でもシリコーンは、すすぎ時の指通り性や乾燥後のパサつき感を抑えるという点で優れており、広くシャンプーに配合されている。その一方で、シリコーンを配合したシャンプーでは、毛髪にシリコーンが残存する場合があり、毛髪のパーマ処理やヘアカラー処理の効果が損なわれるといった問題があった。一部の毛髪洗浄剤ではシリコーンを使用しない洗浄剤が開発されているものの、すすぎ時の指通り性や滑らかな仕上がり感が十分得られないという欠点があった。
この欠点を補うために、コアセルベーションと呼ばれる現象を利用して洗髪時及びすすぎ時の指通りを良好にする方法が知られている。この現象は、洗髪時からすすぎ時までの希釈状態で、特定の界面活性剤とカチオン性ポリマーが潤滑性のある凝集体(コアセルベート)を作り、水に不溶となり析出し、毛髪表面に吸着する事で洗髪からすすぎ時の毛髪の指通り性を向上させる効果を示す。この方法を利用してシャンプーすすぎ時の指通り性を改良した技術として、例えば、カルボキシエチルセルロースと硫酸塩型界面活性剤、及びカチオン化セルロースやカチオン化デンプン等のカチオン性高分子との組み合わせ(特許文献4)、アニオン界面活性剤、モノアルキルグリセリルエーテル、及びカチオン化ヒドロキシプロピルセルロースの組み合わせ(特許文献5)等が提案されている。しかしながら、混合させる界面活性剤の種類によってはコアセルベートが生成しにくく、洗髪時、すすぎ時のキシミ感を必ずしも改善させうるものではなかった。
その中でもアニオン性界面活性剤は、対イオンの種類によってコアセルベート生成範囲が変化し、ナトリウム塩やカリウム塩といったアルカリ金属塩と比較して、有機塩であるトリエタノールアミン塩は、より広い希釈濃度範囲でコアセルベートを生成し、すすぎ時の指通りがより優れていた。しかしながら、アニオン性界面活性剤のトリエタノールアミン塩は高温保存で着色してしまう問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−140000
【特許文献2】特表2003−521570
【特許文献3】特開2010−138075
【特許文献4】特開2012−111701
【特許文献5】特開2012−232933
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
色相安定性に優れ、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する毛髪洗浄剤組成物は開発されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のアシルアミノ酸系アニオン性界面活性剤と特定のアルカノールアミンとの中和塩と、カチオン性ポリマーは、色相安定性に優れ、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続することを見出し本発明に至った。
【0006】
即ち、本発明は、
成分(a):一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸と一般式(2)で示されるアルカノールアミンとの中和塩を5〜25重量%
成分(b):カチオン性ポリマーを0.05〜2重量%
を含むことを特徴とする毛髪洗浄剤組成物に関する。
【化1】
(式中、RCOは炭素数8〜22の脂肪酸アシル基を示し、nは1〜2の整数を示す。)
【化2】
(式中、Rはメチル基、RとRは同一でも異なっていてもよい炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を表す。)
【0007】
本発明の毛髪洗浄剤組成物に用いられるN−アシルアミノ酸は、ショッテンバウマン反応などの公知の方法により製造される。N−アシルアミノ酸として、ラウロイルサルコシン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソイポン(登録商標)SLA)、ココイルサルコシン(川研ファインケミカル社製のソイポンSCA)、ミリストイルサルコシン、オレオイルサルコシン(川研ファインケミカル社製のソイポンSOA)、オクタノイルサルコシン、ベヘノイルサルコシン、ラウロイルメチルアラニン(川研ファインケミカル社製のアラノン(登録商標)ALA)、ココイルメチルアラニン(川研ファインケミカル社製のアラノンACA)、ミリストイルメチルアラニン、オレオイルメチルアラニン、オクタノイルメチルアラニン、ベヘノイルメチルアラニンなどが使用できる。
【0008】
本発明の毛髪洗浄剤組成物に用いられるアルカノールアミンは、アミン類とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドとの付加反応などの公知の方法により製造される。アルカノールアミンとして、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミンのプロピレンオキサイド1モル付加物、N−メチルジイソプロパノールアミンなどが使用できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の毛髪洗浄剤組成物により、色相安定性を向上させる効果に加えて、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する、優れた効果を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の毛髪洗浄剤組成物の成分(a)は特定のN−アシルアミノ酸と特定のアルカノールアミンとの中和塩である。本発明の求める、色相安定性を向上させる効果と、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する、優れた効果を考慮すると、N−アシルアミノ酸として、N−アシルサルコシン、N−アシル−N−メチル−β−アラニンのうち少なくとも1種を使用することが特に好ましい。
【0011】
一般式(1)において、RCOが炭素数8〜22の脂肪酸アシル基のN−アシルアミノ酸が使用でき、炭素数10〜18のものが好ましく、炭素数12〜14のものが特に好ましい。炭素数が7以下では臭いの点で問題があり、炭素数が23以上の場合は毛髪洗浄剤組成物の低温安定性の点で問題がある。
【0012】
本発明の求める、色相安定性を向上させる効果と、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する、優れた効果を考慮すると、アルカノールアミンとして、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミンのプロピレンオキサイド1モル付加物、N−メチルジイソプロパノールアミンなどが使用でき、N−メチルジエタノールアミンとN−メチルエタノールアミンのプロピレンオキサイド1モル付加物が好ましく、N−メチルエタノールアミンのプロピレンオキサイド1モル付加物が特に好ましい。
【0013】
本発明の毛髪洗浄剤組成物の成分(a)である、特定のN−アシルアミノ酸と特定のアルカノールアミンとの中和塩は、5〜25重量%含むことができ、5〜23重量%が好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。5重量%未満では起泡力が十分ではなく、25重量%を超える場合は低温安定性が悪化する。
【0014】
本発明の毛髪洗浄剤組成物の成分(b)はカチオン性ポリマーである。カチオン性ポリマーとしては、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−7、カチオン化グアーガム、ポリクオタニウム−107、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−30、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−48、ポリクオタニウム−49、ポリクオタニウム−50、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65、ポリクオタニウム−67、ポリクオタニウム−72、ポリクオタニウム−73、ポリクオタニウム−92、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化カッシアガム、カチオン化デキストラン−2などが使用できる。
本発明の求める、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する、優れた効果を考慮すると、カチオン性ポリマーとしてポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−7、カチオン化グアーガムのうちの少なくとも1種を使用することが特に好ましい。
【0015】
本発明の毛髪洗浄剤組成物の成分(b)であるカチオン性ポリマーは、0.05〜2重量%含むことができ、0.05〜1.5重量%が好ましく、0.05〜1重量%が特に好ましい。0.05重量%未満ではすすぎ時の毛髪の指通り性が悪く、2重量%を超える場合は乾燥後の毛髪がごわつく等の不具合がある。
【0016】
本発明の毛髪洗浄剤組成物の成分(c)は両性界面活性剤である。成分(c)は、成分(a)の色相安定性を向上させる効果と、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する、優れた効果を増強する目的で配合することが出来る。成分(c)は1〜10重量%含むことができ、1〜9重量%が好ましく、1〜8重量%が特に好ましい。1重量%未満では成分(a)の効果を十分に増強できず、10重量%を超える場合は成分(a)の効果を損なってしまう。
【0017】
両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリン(登録商標)CPB、CPB−R)、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLMEB、LMEB−R)、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLSB、LSB−R)、ラウラミドプロピルアミンオキシド(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLAO−C)、ココアンホ酢酸Na(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCH、CH−R、CL、CL−R)、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLPB、LPB−R)、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンPKPB)、ラウロアンホ酢酸Na(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLHL、LHL−SF)、ココアンホプロピオン酸Na(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンNS、SF、SFD)、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどがのうち少なくとも1種を使用することが特に好ましい。処方の透明性等を求める場合は、両性界面活性剤は脱塩精製品を使用してもよい。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物は、主として香粧品用途に使用され、ヘアシャンプー、ボディソープ、ボディシャンプー、ハンドソープ、クレンジングフォーム、洗顔剤、固形石鹸、透明石鹸などの洗浄用化粧品として使用することができる。
【0019】
さらに、本発明の洗浄剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で公知の成分を併用することができる。一般式(1)のN−アシルアミノ酸以外のN−アシルアミノ酸として、N−アシル−N−ヒドロキシエチル−β−アラニン、アシルグルタミン酸、アシルグリシン、アシルアスパラギン酸、アシルβアラニン、アシルメチルタウリンなどが使用できる。
【0020】
N−アシルアミノ酸以外のアニオン性界面活性剤として、脂肪酸、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドリン酸エステル(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゼット(登録商標)52P)、ラウレス硫酸、ラウリル硫酸、アシルイセチオン酸、α―オレフィンスルホン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸、ポリオキシエチレンN−メチル−ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸、ポリオキシエチレンN−エチル−ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸、ポリオキシエチレンN−メチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸、ポリオキシエチレンN−エチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸スルホコハク酸、ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸、ポリオキシエチレンN−メチル−ラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸、ポリオキシエチレンN−メチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸、ポリオキシエチレンN−エチル−ラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸、ポリオキシエチレンN−エチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸などが使用できる。
【0021】
粘度の調整等を目的として、ノニオン性界面活性剤を必要に応じて配合できる。ノニオン性界面活性剤として、PPG−2コカミド(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゼット1PC)、コカミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾール(登録商標)CDE−G)、パーム核油脂肪酸アミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールKD−1)、コカミドDEA(1:2)(川研ファインケミカル社製のアミゾールCD)、ラウラミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールLDE−G)、(ラウラミド/ミリスタミド)DEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールLMDE−Y)、コカミドMEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールCME)、ラウラミドMIPA(川研ファインケミカル社製のアミゾールPLME−A)、PEG−3ラウラミド(川研ファインケミカル社製のアミゼット2L−Y)、PEG−2カプリリルアミン(川研ファインケミカル社製のフォーマイト(登録商標)2E8)、PEG−2コカミン(川研ファインケミカル社製のビスコファイン(登録商標)E2C)、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル(川研ファインケミカル社製のビスコセーフ(登録商標)LMPE)、コカミドメチルMEA、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などが使用できる。
【0022】
洗浄剤あるいは化粧品に用いられる他の成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、粉末成分、油性成分、ロウ、炭化水素、高級アルコール、エステル類、シリコーン、抗老化薬剤、抗炎症剤、抗アンドロゲン剤、育毛剤、保湿剤、水溶性高分子、被膜剤、紫外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、乳化剤、増粘剤、防腐剤、アルコール類、酸化防止剤、抗菌剤、清涼剤、水、各種毛髪栄養剤、色材、香料などを必要に応じて適宜配合することができる。
【0023】
配合できる成分の具体例を示せば、
コラーゲン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製の水溶性コラーゲン・川研P、0.5%U、コラプトン(登録商標)S)、サクシニルカルボキシメチルキトサン(川研ファインケミカル社製のキトアクア(登録商標))、マルチトール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール等の多価アルコール、ピロリドンカルボン酸ソーダ、乳酸ソーダ、クエン酸ソーダなど有機酸およびその塩、ヒアルロン酸ソーダなどヒアルロン酸およびその塩、酵母および酵母抽出液の加水分解物、酵母培養液、乳酸菌培養液など醗酵代謝産物、エラスチン、ケラチン、セリシン等の水溶性蛋白、コラーゲン加水分解物、カゼイン加水分解物、シルク加水分解物、ポリアスパラギン酸ナトリウム等のペプチド類およびその塩、トレハロース、キシロビオース、マルトース、ラフィノース、メリビオース、蔗糖、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の糖類、結晶性セルロース、非結晶性セルロース、キシラン、マンナン、ガラクタン、アラビナン、アラビノキシラン等の多糖類およびその誘導体、水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩等のグリコサミノグリカンおよびその塩、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン等のアミノ酸、アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物、アロエ、マロニエ等の植物抽出液、トリメチルグリシン、尿素、尿酸、アンモニア、レシチン、ラノリン、スクワラン、スクワレン、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質等の保湿剤、
【0024】
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類、
【0025】
安息香酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩類、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、ホウ酸、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、トリブロムサラン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、チラム、感光素201号、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニド、酢酸トコフェロール、ジンクピリチオン、フェノール、2,4,4−トリクロロ−2−ヒドロキシフェノール、ヘキサクロロフェン等の抗菌、防腐剤、
【0026】
アシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等の天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分、
【0027】
アルブチン、コウジ酸、リン酸アスコルビン酸マグネシウムなどのアスコルビン酸およびその誘導体、グルタチオン、甘草エキス、チョウジエキス、茶抽出物、アスタキサンチン、牛胎盤エキス、トコフェロールおよびその誘導体、トラネキサム酸およびその塩、アズレン、γ−ヒドロキシ酪酸等の美白成分、
【0028】
デオキシリボ核酸、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、
【0029】
ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、
【0030】
アラントイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアラントイン)、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マレイン酸等の有機酸、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、
【0031】
ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸およびその誘導体,ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(キラヤサポニン、アズキサポニン、ヘチマサポニン等)、トラネキサム酸、パントテルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランジン、プラセンタエキス、センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体などの血行促進剤、
【0032】
マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、カカオ油、月見草油、ミンク油、コメヌカ油、アーモンド油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、落花生油、卵黄油、綿実油、麦芽油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ラノリン、スクワレン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の油脂類、
スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン等の炭化水素類、カルナバウロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キャンデリラワックス、ラノリン等のワックス類、
【0033】
セタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類、
【0034】
イソプロピルミリスチン酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルステアリン酸、2−エチルヘキサン酸グリセロール、ブチルステアリン酸、リノール酸エチル等のエステル類、
【0035】
ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリトリトールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等の極性オイル、
【0036】
イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、
【0037】
カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、アラビアガム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、ペクチン、マンナン、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ニトロセルロース、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド等のポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド等の増粘剤、
【0038】
パラアミノ安息香酸およびその誘導体、ホモメチル−7N−アセチルアラントイラニレート、ブチルメトキシベンゾイルメタン、ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オクチルシンナメート等のパラメトキシケイ皮酸誘導体、アミルサリシレート等のサリチル酸誘導体、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル、酢酸液状ラノリン、コガネバナ根抽出エキス、トリアニリノ−p−カルボエチルヘキシルオキシ−トリアジン等の紫外線吸収剤、
l−メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、
香料等を配合することができる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0040】
製造例1
N−メチルエタノールアミンのプロピレンオキサイド1モル付加物の製造
1リットルのオートクレーブにN−メチルエタノールアミン(1.0モル、東京化成工業製)を仕込み、窒素置換、昇温後に95〜105℃でプロピレンオキサイド付加(1.0モル、東京化成工業製)を実施した。プロピレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、目的物を取り上げた。
H−NMRより構造を決定した。δ=1.1ppm(3H,d),2.3ppm(5H,m),2.5ppm(1H,m),2.6ppm(1H,m),3.6ppm(2H,m),3.8ppm(1H,m).
【0041】
ラウロイルメチルアラニン(川研ファインケミカル社製、アラノンALA)及びラウロイルサルコシン(川研ファインケミカル社製、ソイポンSLA)の水溶液にN−メチルジエタノールアミン(東京化成工業製)、N−メチルエタノールアミンのプロピレンオキサイド1モル付加物をそれぞれ加えて中和し、成分(a)とした。
成分(a)の比較品として、ラウロイルサルコシンとトリエタノールアミン(東京化成工業製)の中和塩、ラウロイルメチルアラニンのナトリウム塩(東京化成工業製のNaOHを使用)を調製した。
【0042】
表1に示した配合数値の毛髪洗浄剤組成物を調製した。表中の配合数値は純分の重量%を示す。各毛髪洗浄剤組成物はクエン酸(東京化成工業製)でpH 6に調整した。
調製した毛髪洗浄剤組成物は下記各種方法により、性能評価した。性能評価結果を表1に示す。
【0043】
[色相安定性]
毛髪洗浄剤組成物を80℃の恒温槽に1週間保存して、色相の変化を目視により観察して評価した。
◎:非常に良好(色相の変化がほとんどない)
○:良好(色相の変化がわずかにある)
△:やや劣る(色相の変化がある)
×:不良(色相の変化がかなりある)
【0044】
[コアセルベート生成濃度評価]
調製した毛髪洗浄剤組成物を精製水で希釈し、目視でコアセルベートが観測された、希釈液の最低濃度をコアセルベート生成濃度とした。評価基準は下記の通りである。
◎:非常に良好(コアセルベートが生成した最低濃度:0.02重量%未満)
〇:良好(コアセルベートが生成した最低濃度:0.02重量%以上0.10重量%未満)
△:やや劣る(コアセルベートが生成した最低濃度:0.10重量%以上0.20重量%未満)
×:不良(コアセルベートが生成した最低濃度:0.20重量%以上)
【0045】
[泡質の細かさ、すすぎ時の指通り性、乾燥後の指通り性の評価]
かもじ(30cm、10g)を4つ束ねたものを十分に濡らし、毛髪洗浄剤組成物を1mL塗布して洗髪し、洗髪時の泡質の細かさ、水道水によるすすぎ時の指通り性、市販のドライヤーで乾燥後の指通り性について、10名の専門パネラーを用いて、官能で評価した。なお、評価基準は下記の通りである。
◎:非常に良好(10人中8〜10名が良いと答えた)
○:良好(10人中6〜7名が良いと答えた)
△:やや劣る(10人中3〜5名が良いと答えた)
×:不良(10人中0〜2名が良いと答えた)
【0046】
【表1】
(*1):カチナール(登録商標)HC−200(東邦化学工業社製)
(*2):MERQUAT(登録商標)550(Lubrizol社製)
(*3):カチナールCG−100(東邦化学工業社製)
(*4):ソフタゾリンCPB(川研ファインケミカル社製)
【0047】
表1の性能評価に関して、本発明の毛髪洗浄剤組成物の範囲内で調製された実施例1〜9は、色相の安定性が高いことが分かる。コアセルベート生成濃度が非常に低く、毛髪すすぎ時にもコアセルベートが生成していると考えられる。また、洗髪時の泡質が細かく、すすぎ時の指通り性が良く、乾燥後の指通り性も良いという結果が得られている。
【0048】
比較例1の毛髪洗浄剤組成物は、色相安定性が悪く、実使用には耐えないものであった。比較例2の毛髪洗浄剤組成物は、コアセルベートが低濃度では生成せず、洗髪時の泡質、すすぎ時の指通り性、乾燥後の指通り性も悪く、実使用には耐えないものであった。
成分(a)が本発明の範囲外となる比較例3の毛髪洗浄剤組成物は、起泡力が低く、洗髪が困難であったため評価を行わなかった。また、比較例4の毛髪洗浄剤組成物は、室温で析出物が見られたため評価を行わなかった。
成分(b)が本発明の範囲外となる比較例5の毛髪洗浄剤組成物は、コアセルベートが低濃度では生成せず、すすぎ時の指通り性、乾燥後の指通り性も悪く、実使用には耐えないものであった。また、比較例6の毛髪洗浄剤組成物は、乾燥後の指通り性が悪く、実使用には耐えないものであった。
成分(c)が本発明の範囲外となる比較例7の毛髪洗浄剤組成物は、コアセルベートが低濃度では生成せず、すすぎ時の指通り性も悪く、実使用には耐えないものであった。また、比較例8の毛髪洗浄剤組成物は、洗髪時の泡質、すすぎ時の指通り性が悪く、実使用には耐えないものであった。
【0049】
更に本発明の範囲内で以下の処方を作成した。実施例に記載の「重量%」は得られた毛髪洗浄剤組成物全体における各成分の含有量であり、純分の重量%である。いずれも、色相安定性が高く、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する毛髪洗浄剤組成物であった。
【0050】
実施例10
ヘアシャンプー
ラウロイルメチルアラニンと製造例1のアルカノールアミンの中和塩 20重量%
ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシン(脱塩精製品)(*5) 1重量%
ポリクオタニウム−10 0.3重量%
ポリクオタニウム−7 0.4重量%
カチオン化グアーガム 0.3重量%
PEG−2コカミン(*6) 2重量%
クエン酸 pH 6に調整
水 バランス
性能評価結果は、色相安定性◎、コアセルベート生成濃度◎、泡質の細かさ◎、すすぎ時の指通り性◎、乾燥後の指通り性◎であった。
【0051】
実施例11
ヘアシャンプー
ラウロイルサルコシンと製造例1のアルカノールアミンの中和塩 5重量%
ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(脱塩精製品)(*7) 8重量%
ポリクオタニウム−10 0.05重量%
PPG−2コカミド(*8)2重量%
クエン酸 pH 6に調整
水 バランス
性能評価結果は、色相安定性◎、コアセルベート生成濃度◎、泡質の細かさ◎、すすぎ時の指通り性◎、乾燥後の指通り性◎であった。
【0052】
実施例12
ヘアシャンプー
ココイルメチルアラニン(*9)と製造例1のアルカノールアミンの中和塩 22重量%
オレオイルサルコシン(*10)と製造例1のアルカノールアミンの中和塩 1重量%
ココアンホ酢酸Na(脱塩精製品)(*11) 9重量%
ポリクオタニウム−7 1.8重量%
カチオン化グアーガム 0.2重量%
コカミドMEA(*12) 1重量%
クエン酸 pH 6に調整
水 バランス
性能評価結果は、色相安定性◎、コアセルベート生成濃度◎、泡質の細かさ〇、すすぎ時の指通り性〇、乾燥後の指通り性〇であった。
【0053】
実施例13
ヘアシャンプー
ココイルサルコシン(*13)と製造例1のアルカノールアミンの中和塩 19重量%
ポリクオタニウム−10 0.5重量%
コカミドメチルMEA(*14) 2重量%
クエン酸 pH 6に調整
水 バランス
性能評価結果は、色相安定性◎、コアセルベート生成濃度〇、泡質の細かさ◎、すすぎ時の指通り性◎、乾燥後の指通り性◎であった。
【0054】
実施例14
ヘアシャンプー
ラウロイルメチルアラニンと製造例1のアルカノールアミンの中和塩 12重量%
ラウラミドプロピルアミンオキシド(*15) 5重量%
ポリクオタニウム−10 0.2重量%
ポリクオタニウム−7 1.3重量%
コカミドDEA(*16) 2重量%
PEG−2カプリリルアミン(*17) 0.5重量%
メチルパラベン(*18) 0.2重量%
クエン酸 pH 6.2に調整
水 バランス
性能評価結果は、色相安定性◎、コアセルベート生成濃度◎、泡質の細かさ◎、すすぎ時の指通り性◎、乾燥後の指通り性〇であった。
【0055】
(*5):ソフタゾリンLMEB−R(川研ファインケミカル社製)
(*6):ビスコファインE2C(川研ファインケミカル社製)
(*7):ソフタゾリンLSB−R(川研ファインケミカル社製)
(*8):アミゼット1PC(川研ファインケミカル社製)
(*9):アラノンACA(川研ファインケミカル社製)
(*10):ソイポンSOA(川研ファインケミカル社製)
(*11):ソフタゾリンCH−R(川研ファインケミカル社製)
(*12):アミゾールCME(川研ファインケミカル社製)
(*13):ソイポンSCA(川研ファインケミカル社製)
(*14):アミノーン(登録商標)C−11S(花王社製)
(*15):ソフタゾリンLAO−C(川研ファインケミカル社製)
(*16):アミゾールCDE−G(川研ファインケミカル社製)
(*17):フォーマイト2E8(川研ファインケミカル社製)
(*18):メチルパラベン(東京化成工業社製)
【0056】
以上の様に本発明は、解決の課題としていた、色相安定性に優れ、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する毛髪洗浄剤組成物であることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、色相安定性に優れ、洗髪時の泡質が細かく、低濃度でもコアセルベートを生成し、すすぎ時の毛髪の指通り性が良く、乾燥後まで指通りの良さが継続する毛髪洗浄剤組成物として好適に使用しうる。