【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は前記の課題を解決せんとしてなされたものである。
多くの公開特許を調べてみても、種々知られている分散剤の一つとして用いられてきたカルボキシメチルセルロースは、これまで分散性向上のための保護剤としては着目されていたが、粒子径制御機能に活用できるとは考えられていなかった。
【0023】
しかし、本発明者らは、粒子径制御や形状制御の観点から鋭意検討した結果、後述の化学構造式(1)の括弧内の部分をセルロースユニット2単位と定義して、カルボキシメチルセルロースの主鎖であるセルロース鎖中の各セルロースユニット1単位中にある3つのOH基のうちのH(水素)が有機化合物に変換されたいわゆるエーテル化が行われたOH基のユニットあたりの平均数(後述)をエーテル化度と定義し、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース平均分子量(以下、単に、分子量という)やエーテル化度などの特定の性質を適切に選べば、これまで粒子径や粒子形状の制御が難しかった銀ナノ粒子の粒子径の中心値が10〜100nmの範囲にあり、粒子径分布が狭く、球形や多面体形で揃った形状の銀ナノ粒子コロイドを歩留まりよく安価に製造できることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0024】
以下の説明の便宜のため、カルボキシメチルセルロースに関する化学構造式のいくつかを示す。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【0025】
水溶性のカルボキシメチルセルロースの主鎖であるセルロース鎖(セルロース環)は、セルロースユニット2単位について説明すると、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の場合は化学構造式(3)で表し、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩の場合は化学構造式(4)で表すことができる。
【0026】
本発明でカルボキシメチルセルロースを用いる場合、まず、化学構造式(1)で表されるセルロースにアルカリを作用させて化学構造式(2)で表されるアルカリセルロースにし、アルカリ液中にてエーテル化により水溶性の化学構造式(3)で表されるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩にした。
【0027】
また、ナトリウム塩の存在を避けたい場合には、化学構造式(3)で表されるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩からさらに化学構造式(4)で表されるカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩にした。
【0028】
化学構造式(3)で表されるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩あるいは化学構造式(4)で表されるカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩において、各2単位のセルロース鎖のなかで、1個のOH基がエーテル化されている場合、2個のOH基がエーテル化されている場合、3個のOH基がエーテル化されている場合、4個,5個,6個のOH基がエーテル化されている場合などがあり、前記エーテル化が行われたOH基のユニットあたりの平均数とは、前記2単位で代表させて示したセルロース鎖(セルロース環)が長く繋がっている状態での1単位のセルロース環あたりのエーテル化されたOH基の平均数を意味する。
【0029】
なお、衆知のように、化学構造式(3)で表されるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩あるいは化学構造式(4)で表されるカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩が水に溶けた状態では、化学構造式(5)で表される状態になっている。
【0030】
以下、課題を解決するためになした本発明についてさらに具体的に説明する。
課題を解決するためになされた本発明の実施の形態例としての第1の発明(以下、発明1という)は、湿式還元法で製造された粒子径が10〜100nmの銀ナノ粒子を主成分として含む銀ナノ粒子コロイドの発明で、前記銀ナノ粒子コロイド中の分散剤として水溶性のカルボキシメチルセルロース(以下、同様)が用いられており、前記カルボキシメチルセルロースは分子量が5万〜50万でエーテル化度が0.9以上かつ3.0未満であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0031】
発明1を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第2の発明(以下、発明2という)は、発明1に記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記カルボキシメチルセルロースは分子量が20万±10万であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0032】
発明1、2を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第3の発明(以下、発明3という)は、発明1または2に記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が0.9以上かつ1.5未満であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0033】
発明3を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第4の発明(以下、発明4という)は、発明3に記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が1.2より大きく1.5より小さいことを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0034】
発明1〜4を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第5の発明(以下、発明5という)は、発明1〜4のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記銀ナノ粒子コロイド中の70%以上の個数の銀ナノ粒子の形状が球形や多面体形のものであり、前記銀ナノ粒子コロイド中の70%以上の個数の銀ナノ粒子の粒子径分布が、平均粒子径を10〜100nmの範囲の任意の値としたときに、平均粒子径×(1±0.2)であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0035】
発明5を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第6の発明(以下、発明6という)は、発明5に記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記銀ナノ粒子コロイド中の70%以上の個数の銀ナノ粒子の粒子径分布が、平均粒子径を10〜100nmの範囲の任意の値としたときに、平均粒子径×(1±0.1)であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0036】
発明1〜6を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第7の発明(以下、発明7という)は、発明1〜6のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記銀の還元反応前のカルボキシメチルセルロース溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.3〜2.0重量%であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0037】
発明1〜7を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第8の発明(以下、発明8という)は、発明1〜7のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基の末端の水素がアンモニウムイオンまたはナトリウムイオンに置換されていることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。前記カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基の末端の水素がアンモニウムイオンまたはナトリウムイオンに置換されていることにより前記カルボキシメチルセルロースが水溶性を有する。
【0038】
発明1〜8を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第9の発明(以下、発明9という)は、発明1〜8のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記銀ナノ粒子コロイドはその製造工程においてジアンミン銀水溶液を用いる工程を有することを特徴とする銀ナノ粒子コロイドである。
【0039】
発明1〜9を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第10の発明(以下、発明10という)は、発明1〜9のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記銀ナノ粒子コロイドにマレイン酸が含有されていることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0040】
課題を解決するためになされた本発明の実施の形態例としての第11の発明(以下、発明11という)は、粒子径が10〜100nmの銀ナノ粒子を主成分として含む銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明で、前記製造方法は、第1の所定量と定義する所定量の第1の分散剤水溶液(以下、分散剤水溶液1という)と第2の所定量と定義する所定量の銀イオン水溶液とを混合して混合液(以下、混合液1という)をつくる工程(以下、行程Aという)と、前記工程Aの後に、前記混合液1中の銀の全量を還元するのに必要な第3の所定量と定義する所定量の還元剤と第4の所定量と定義する所定量の純水を混合した液と第5の所定量と定義する所定量の第3の分散剤水溶液(以下、分散剤水溶液3という)とを含む第6の所定量と定義する所定量の還元剤水溶液を前記混合液1に徐々に混合して前記混合液1中の前記銀の還元反応を進めながら前記第6の所定量に達するまで前記還元剤水溶液全量を前記混合液1に徐々に混合することを行う工程(以下、工程Bという)とを有し、前記分散剤水溶液1は第7の所定量と定義する所定量の分散剤と第8の所定量と定義する所定量の純水と第9の所定量と定義する所定量のアンモニア水を含んでおり、前記銀イオン水溶液は第10の所定量と定義する所定量の硝酸銀と第11の所定量と定義する所定量の純水と第12の所定量と定義する所定量のアンモニア水と第13の所定量と定義する所定量の第2の分散剤水溶液(以下、分散剤水溶液2という)と含んでおり、前記分散剤水溶液1〜3に用いる分散剤として、分子量が5万〜50万でエーテル化度が0.9以上かつ3.0未満であるカルボキシメチルセルロースを用い、前記工程Bにおける前記還元剤水溶液を混合する速度を管理して還元作用を抑制しつつ前記銀の還元反応を進めることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0041】
発明11を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第12の発明(以下、発明12という)は、発明11に記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースは平均分子量が20万±10万であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0042】
発明11、12を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第13の発明(以下、発明13という)は、発明11または12に記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が0.9以上かつ1.5未満であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0043】
発明13を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第14の発明(以下、発明14という)は、発明13に記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が1.2より大きく1.5より小さいことを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0044】
発明11〜14を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第15の発明(以下、発明15という)は、発明11〜14のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記銀の還元反応前の前記分散剤水溶液1としてのカルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.3〜2.0重量%であり、前記分散剤水溶液2あるいは前記分散剤水溶液3としてのカルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.6〜4.0重量%であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0045】
発明11〜15を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第16の発明(以下、発明16という)は、発明11〜15のいずれか1項に記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、還元反応前の前記混合液1のpHが8以上であり、前記第1の所定量の分散剤水溶液1は前記第7の所定量の分散剤と前記第8の所定量の純水と前記第9の所定量のアンモニア水とを混合したものであり、前記第2の所定量の銀イオン水溶液は前記第10の所定量の硝酸銀と前記第11の所定量の純水と前記第12の所定量のアンモニア水とを混合した水溶液に前記第13の所定量の分散剤水溶液2を混合したものであり、前記第13の所定量の分散剤水溶液2は第14の所定量と定義する所定量の前記分散剤を第15の所定量と定義する所定量の純水に溶かしたものであり、前記第6の所定量の還元剤水溶液は前記第3の所定量の還元剤と前記第4の所定量の純水を混合した液に前記第5の所定量の分散剤水溶液3を混合したものであり、前記第5の所定量の分散剤水溶液3は第16の所定量と定義する所定量の前記分散剤を第17の所定量と定義する所定量の純水に溶かしたものであり、前記第3,第4,第7〜第12,第14〜第17の各所定量の割合が、仕込む純銀の量を100とした場合、第3の所定量を仕込む純銀の量の1/2〜1モル、第4の所定量を750、カルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.3〜2.0重量%になるように第7の所定量を30〜200、第8の所定量を10000、第9の所定量を分散剤水溶液1のアンモニア濃度が1〜3体積%になるようなアンモニア添加量、第10の所定量を157(純銀の量が100)、第11の所定量を600、第12の所定量を仕込み銀量の2倍モル、カルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.6〜4.0重量%になるように第14の所定量を5〜30、第15の所定量を750、カルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.6〜4.0重量%になるように第16の所定量を5〜30、第17の所定量を750とした場合と同じ比率であり、前記工程Bにおける前記混合液1に前記還元剤水溶液を混合する速度は合計時間として30分かけて混合するのに相当する速度であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0046】
発明11〜16を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第17の発明(以下、発明17という)は、発明11〜16のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記工程Aの後に、第19の所定量と定義する所定量のマレイン酸と第20の所定量と定義する所定量の純水を混合した第18の所定量と定義する所定量のマレイン酸水溶液を前記混合液1に混合した後、前記工程Bを行うことを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0047】
発明17を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第18の発明(以下、発明18という)は、発明17に記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記第19の所定量と前記第20の所定量が、請求項10に記載の条件下において、前記第19の所定量を4g、前記第20の所定量を26ml(ミリリットル)とした場合と同じ比率であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0048】
マレイン酸は銀ナノ粒子の粒子径と形状を揃えるのを助ける効果を発揮する。
【0049】
マレイン酸を錯化剤として活用し、銀粒子の分散安定性を高めることができる。マレイン酸を添加しなければ凝集体の増加を促し、マレイン酸を過剰に添加すれば、反応液が酸性側となり、銀鏡反応を促進する。本発明では銀1モルに対して0.2〜1.0モル、さらに望ましくは0.2〜0.5倍モルの添加が好ましい、
【0050】
発明11〜18を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第19の発明(以下、発明19という)は、発明11〜18のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、少なくとも前記工程Aにおいて前記混合液1の調製時に超音波振動を与え続けることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0051】
発明11〜19を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第20の発明(以下、発明20という)は、発明11〜19のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、還元反応前の前記混合液1のアンモニア濃度が4体積%であるように前記混合液1を作製することを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0052】
発明11〜20を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第21の発明(以下、発明21という)は、発明11〜20のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記混合液1を作製する銀イオン水溶液がジアンミン銀水溶液で銀が6〜7重量%含有されており、前記還元剤水溶液にはヒドラジンとカルボキシメチルセルロースが含まれていることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。銀の含有量が7重量%を上回ると凝集体が増え、6重量%を下回ると生産性が低下する。
【0053】
発明11〜21を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第22の発明(以下、発明22という)は、発明11〜21のいずれかに記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基の末端の水素がアンモニウムイオンまたはナトリウムイオンに置換されていることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0054】
課題を解決するためになされた本発明の実施の形態例としての第23の発明(以下、発明23という)は、湿式還元法で製造された粒子径が10〜100nmの銀ナノ粒子を主成分として含む銀ナノ粒子コロイドを用いて製造した銀ナノ粒子の発明で、前記銀ナノ粒子コロイド中の分散剤としてカルボキシメチルセルロースが用いられており、前記カルボキシメチルセルロースは分子量が5万〜50万でエーテル化度が0.9以上かつ3.0未満である銀ナノ粒子コロイドであり、前記銀ナノ粒子は、前記銀ナノ粒子を担持する担体に前記銀ナノ粒子コロイド中の銀ナノ粒子を担持させたものであることを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0055】
発明23を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第24の発明(以下、発明24という)は、発明23に記載の銀ナノ粒子において、前記カルボキシメチルセルロースは平均分子量が20万±10万であることを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0056】
発明23または24を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第25の発明(以下、発明25という)は、発明23または24に記載の銀ナノ粒子において、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が0.9以上かつ1.5未満であることを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0057】
発明25を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第26の発明(以下、発明26という)は、発明25に記載の銀ナノ粒子において、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が1.2より大きく1.5より小さいことを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0058】
発明23〜26を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第27の発明(以下、発明27という)は、発明23〜26のいずれかに記載の銀ナノ粒子において、前記銀ナノ粒子コロイド中の70%以上の個数の銀ナノ粒子の粒子径分布が、平均粒子径を10〜100nmの範囲の任意の値としたときに、平均粒子径×(1±0.2)である銀ナノ粒子コロイドであり、前記銀ナノ粒子は、前記銀ナノ粒子を担持する担体に前記銀ナノ粒子コロイド中の銀ナノ粒子を担持させたものであることを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0059】
発明27を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第28の発明(以下、発明28という)は、発明27に記載の銀ナノ粒子コロイドにおいて、前記銀ナノ粒子コロイド中の70%以上の個数の銀ナノ粒子の粒子径分布が、平均粒子径を10〜100nmの範囲の任意の値としたときに、平均粒子径×(1±0.1)であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの発明である。
【0060】
発明23〜28を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第29の発明(以下、発明29という)は、発明23〜28のいずれかに記載の銀ナノ粒子において、前記銀の還元反応前のカルボキシメチルセルロース溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.3〜2.0重量%であることを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0061】
発明23〜29を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第30の発明(以下、発明30という)は、発明23〜29のいずれかに記載の銀ナノ粒子において、前記カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基の末端の水素がアンモニウムイオンまたはナトリウムイオンに置換されていることを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0062】
発明23〜30を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第31の発明(以下、発明31という)は、発明23〜30のいずれかに記載の銀ナノ粒子において、前記銀ナノ粒子コロイドの製造工程においてジアンミン銀水溶液を用いる工程を有することを特徴とする銀ナノ粒子である。
【0063】
発明23〜31を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第32の発明(以下、発明32という)は、発明23〜31のいずれかに記載の銀ナノ粒子において、前記銀ナノ粒子コロイドにマレイン酸が含有されていることを特徴とする銀ナノ粒子の発明である。
【0064】
課題を解決するためになされた本発明の実施の形態例としての第33の発明(以下、発明33という)は、粒子径が10〜100nmの銀ナノ粒子を主成分として含む銀ナノ粒子コロイドを用いて製造する銀ナノ粒子の製造方法の発明で、前記銀ナノ粒子の製造方法は、第1の所定量の前記分散剤水溶液1と第2の所定量の銀イオン水溶液とを混合して前記混合液1をつくる前記行程Aと、前記工程Aの後に、前記混合液1中の銀の全量を還元するのに必要な第3の所定量の還元剤と第4の所定量の純水を混合した液と第5の所定量の前記分散剤水溶液3とを含む第6の所定量の還元剤水溶液を前記混合液1に徐々に混合して前記混合液1中の前記銀の還元反応を進めながら前記第6の所定量に達するまで前記還元剤水溶液全量を前記混合液1に徐々に混合することを行う前記工程Bとを有し、前記分散剤水溶液1は第7の所定量の分散剤と第8の所定量の純水と第9の所定量のアンモニア水を含んでおり、前記銀イオン水溶液は第10の所定量の硝酸銀と第11の所定量の純水と第12の所定量のアンモニア水と第13の所定量の前記分散剤水溶液2と含んでおり、前記分散剤水溶液1〜3に用いる分散剤として、分子量が5万〜50万でエーテル化度が0.9以上かつ3.0未満であるカルボキシメチルセルロースを用い、前記工程Bにおける前記還元剤水溶液を混合する速度を管理して還元作用を抑制しつつ前記銀の還元反応を進める銀ナノ粒子コロイドの製造方法であり、前記銀ナノ粒子の製造方法は、前記銀ナノ粒子を担持する担体に前記銀ナノ粒子コロイド中の銀ナノ粒子を担持させたものであることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0065】
発明33を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第34の発明(以下、発明34という)は、発明33に記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースは分子量が20万±10万であることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0066】
発明33または34を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第35の発明(以下、発明35という)は、発明33または34に記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が0.9以上かつ1.5未満であることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0067】
発明35を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第36の発明(以下、発明36という)は、発明35に記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースはエーテル化度が1.2より大きく1.5より小さいことを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0068】
発明33〜36を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第37の発明(以下、発明37という)は、発明33〜36のいずれかに記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記銀の還元反応前の前記分散剤水溶液1としてのカルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.3〜2.0重量%であり、前記分散剤水溶液2あるいは前記分散剤水溶液3としてのカルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.6〜4.0重量%であることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0069】
発明33〜37を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第38の発明(以下、発明38という)は、発明33〜37のいずれか1項に記載の銀ナノ粒子コロイドの製造方法において、還元反応前の前記混合液1のpHが8以上であり、前記第1の所定量の分散剤水溶液1は前記第7の所定量の分散剤と前記第8の所定量の純水と前記第9の所定量のアンモニア水とを混合したものであり、前記第2の所定量の銀イオン水溶液は前記第10の所定量の硝酸銀と前記第11の所定量の純水と前記第12の所定量のアンモニア水とを混合した水溶液に前記第13の所定量の分散剤水溶液2を混合したものであり、前記第13の所定量の分散剤水溶液2は第14の所定量の前記分散剤を第15の所定量の純水に溶かしたものであり、前記第6の所定量の還元剤水溶液は前記第3の所定量の還元剤と前記第4の所定量の純水を混合した液に前記第5の所定量の分散剤水溶液3を混合したものであり、前記第5の所定量の分散剤水溶液3は第16の所定量の前記分散剤を第17の所定量の純水に溶かしたものであり、前記第3,第4,第7〜第12,第14〜第17の各所定量の割合が、仕込む純銀の量を100とした場合、第3の所定量を仕込む純銀の量の1/2〜1モル、第4の所定量を750、カルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.3〜2.0重量%になるように第7の所定量を30〜200、第8の所定量を10000、第9の所定量を分散剤水溶液1のアンモニア濃度が1〜3体積%になるようなアンモニア添加量、第10の所定量を157(純銀の量が100)、第11の所定量を600、第12の所定量を仕込み銀量の2倍モル、カルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.6〜4.0重量%になるように第14の所定量を5〜30、第15の所定量を750、カルボキシメチルセルロース水溶液中のカルボキシメチルセルロースの濃度が0.6〜4.0重量%になるように第16の所定量を5〜30、第17の所定量を750とした場合と同じ比率であり、前記工程Bにおける前記混合液1に前記還元剤水溶液を混合する速度は合計時間として30分かけて混合するのに相当する速度であることを特徴とする銀ナノ粒子コロイドの製造方法の発明である。
【0070】
発明33〜38を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第39の発明(以下、発明39という)は、発明33〜38のいずれかに記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記工程Aの後に、第19の所定量のマレイン酸と第20の所定量の純水を混合した第18の所定量のマレイン酸水溶液を前記混合液1に混合した後、前記工程Bを行うことを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0071】
発明39を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第40の発明(以下、発明40という)は、発明39に記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記第19の所定量と前記第20の所定量が、請求項26に記載の条件下において、前記第19の所定量を4g、前記第20の所定量を26mlとした場合と同じ比率であることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0072】
発明33〜40を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第41の発明(以下、発明41という)は、発明33〜40のいずれかに記載の銀ナノ粒子の製造方法において、少なくとも前記工程Aにおいて前記混合液1の調製時に超音波振動を与え続けることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0073】
発明33〜41を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第42の発明(以下、発明42という)は、発明33〜41のいずれかに記載の銀ナノ粒子の製造方法において、還元反応前の前記混合液1のアンモニア濃度が4体積%であるように前記混合液1を作製することを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0074】
発明33〜42を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第43の発明(以下、発明43という)は、発明33〜42のいずれかに記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記混合液1を作製する銀イオン水溶液がジアンミン銀水溶液で銀が6〜7重量%含有されており、前記還元剤水溶液にはヒドラジンとカルボキシメチルセルロースが含まれていることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。
【0075】
発明33〜43を展開してなされた本発明の実施の形態例としての第44の発明(以下、発明44という)は、発明33〜43のいずれかに記載の銀ナノ粒子の製造方法において、前記カルボキシメチルセルロースのカルボキシル基の末端の水素がアンモニウムイオンまたはナトリウムイオンに置換されていることを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法の発明である。