特開2020-169418(P2020-169418A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-169418(P2020-169418A)
(43)【公開日】2020年10月15日
(54)【発明の名称】靴下
(51)【国際特許分類】
   A41B 11/00 20060101AFI20200918BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20200918BHJP
【FI】
   A41B11/00 G
   A41B11/00 D
   A61F5/01 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-71953(P2019-71953)
(22)【出願日】2019年4月4日
(71)【出願人】
【識別番号】399063323
【氏名又は名称】株式会社新生
(71)【出願人】
【識別番号】519122736
【氏名又は名称】湯川 直紀
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 弘一
(72)【発明者】
【氏名】湯川 直紀
【テーマコード(参考)】
3B018
4C098
【Fターム(参考)】
3B018AA02
3B018AB04
3B018AB06
3B018AB07
3B018AB08
3B018AC01
3B018AC13
3B018AD02
4C098AA02
4C098BB12
4C098BC03
4C098BD15
(57)【要約】
【課題】歩行時に意識することなく足の人差指により容易に歩く方向を決定させることが可能な構成を備える靴下を提供する。
【解決手段】この靴下1は、つま先側に設けられる指袋部12と、指袋部12に連続して設けられる足甲袋部11と、足甲袋部11に連続して設けられる踵袋部16と、踵袋部16に連続して設けられるはき口21含む足首袋部17とを備え、指袋部12は、親指が挿入される親指袋部13と、人差指が挿入される人差指袋部14と、中指、薬指、および、小指が挿入される三本指袋部15と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
つま先側に設けられる指袋部と、
前記指袋部に連続して設けられる足甲袋部と、
前記足甲袋部に連続して設けられる踵袋部と、
前記踵袋部に連続して設けられるはき口を含む足首袋部と、
を備え、
前記指袋部は、
親指が挿入される親指袋部と、
人差指が挿入される人差指袋部と、
中指、薬指、および、小指が挿入される三本指袋部と、
を含む、靴下。
【請求項2】
前記人差指袋部は、上側の領域に、伸縮強度が他の領域よりも高い高伸縮強度領域を有する、請求項1に記載の靴下。
【請求項3】
前記足甲袋部は、足の中足骨を着圧するように設けられ、
前記指袋部および前記踵袋部の領域よりも高い高伸縮強度を有している、請求項1または請求項2に記載の靴下。
【請求項4】
前記踵袋部は、
足の踵骨を受け入れる踵受部を有し、
前記踵受部を構成する生地は、前記踵袋部を構成する他の生地よりも薄く設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の靴下。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴下に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、歩き方に問題がある結果、身体に不調を訴える患者数が増加傾向にある。歩き方を改善する方法としては様々な方法が提案されている。たとえば、特開2013−185263号公報(特許文献1)には、足指及び足首の関節にかかる負担を軽減して、裸足に近い履き心地の靴下が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−185263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歩き方において、足指の向く方向が重要であることに、本願発明者らは着目した。特に、足の人差指が、歩く方向を決定する上で重要であることを本願発明者らは知見した。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、歩行時に意識することなく足の人差指により容易に歩く方向を決定させることが可能な構成を備える靴下を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この靴下は、伸縮性を有する編地からなる靴下であって、つま先側に設けられる指袋部と、上記指袋部に連続して設けられる足甲袋部と、上記足甲袋部に連続して設けられる踵袋部と、上記踵袋部に連続して設けられるはき口を含む足首袋部とを備え、上記指袋部は、親指が挿入される親指袋部と、人差指が挿入される人差指袋部と、中指、薬指、および、小指が挿入される三本指袋部と、を含む。
【0007】
他の形態においては、上記人差指袋部は、上側の領域に、伸縮強度が他の領域よりも高い高伸縮強度領域を有する。
【0008】
他の形態においては、上記足甲袋部は、足の中足骨を着圧するように設けられ、上記指袋部および上記踵袋部の領域よりも高い高伸縮強度を有している。
【0009】
他の形態においては、上記踵袋部は、足の踵骨を受け入れる踵受部を有し、上記踵受部を構成する生地は、上記踵袋部を構成する他の生地よりも薄く設けられている。
【発明の効果】
【0010】
この靴下によれば、歩行時に意識することなく足の人差指により容易に歩く方向を決定させることが可能な構成を備える靴下の提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態における靴下の平面図である。
図2】実施の形態における靴下の底面図である。
図3】実施の形態における靴下の踵領域の縦断面図である。
図4】人間の右足の骨格状態を示す模式図平面図である。
図5】実施の形態における靴下を使用者が装着した側面図である。
図6】実施の形態における靴下を使用者が装着した斜視図である。
図7】実施の形態における靴下を使用者が装着した底面図である。
図8】人間の右足の歩行時における骨格状態を示す第1模式側面図である。
図9】人間の右足の歩行時における骨格状態を示す第2模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に基づいた実施の形態における靴下について、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。図面においては、実際の寸法の比率に従って図示しておらず、構造の理解を容易にするために、構造が明確となるように比率を変更して図示している箇所がある。
【0013】
以下の説明では、右足用の靴下について説明するが、左足用の靴下についても、左右対称の構成を有している。以下の説明では、つま先側を前側、踵側を後ろ側、親指側を左側、小指側を右側、足裏側を下側、甲側を上側と呼ぶ場合がある。
【0014】
以下の説明では、成人用の靴下として説明しているが、歩行を開始する幼児、学童、成人、その他の全ての世代の靴下として用いることができる。
【0015】
図1から図7を参照して、本実施の形態における靴下1の構造について説明する。図1は、実施の形態における靴下1の平面図、図2は、実施の形態における靴下1の底面図、図3は、実施の形態における靴下1の踵領域の縦断面図、図4は、人間の右足の骨格状態を示す模式図平面図、図5は、実施の形態における靴下1を使用者100が装着した側面図、図6は、実施の形態における靴下1を使用者100が装着した斜視図、図7は、実施の形態における靴下1を使用者が装着した底面図である。
【0016】
図1および図2を参照して、靴下1は、つま先側に設けられる指袋部12と、指袋部12に連続して設けられる足甲袋部11と、足甲袋部11に連続して設けられる踵袋部16と、踵袋部16に連続して設けられ、はき口21含む足首袋部17と、を備えている。各部の編み方は、通常の靴下と同様に、使用者は靴下を装着した際に、足をある程度締め付けるような編み方が採用されている。
【0017】
全体の素材としては矯正できる程度の高い伸縮性が求められる為、生ゴムやポリウレタンのような高弾性機能を持つ糸と表糸として耐久性の高い長繊維であるナイロンやポリエステルで編み立てることが好ましい。
【0018】
本実施の形態の指袋部12は、親指が挿入される親指袋部13と、人差指が挿入される人差指袋部14と、中指、薬指、および、小指が挿入される三本指袋部15と、を含む。
【0019】
このように足の五本指を、親指、人差指、および、他の指と分けることで、人差指を他の指と独立させることができる。その結果、歩行時に、この人差指による方向性(図4中の矢印A方向)が確実に決定され、歩き方が自然に改善される。さらに、中指、薬指、および、小指をまとめて三本指袋部15に挿入することで3本の指がまとまり、歩行時に小指による踏ん張りを中指および薬指によってサポートさせることが可能となる。
【0020】
さらに好ましくは、人差指袋部14は、上側の領域に、足甲袋部11に向けて設けられる伸縮強度が他の領域よりも高い高伸縮強度領域14Aを有しているとよい。人差指袋部14は平編みを採用しているが、高伸縮強度領域14Aは、伸縮強度を親指袋部13、人差指袋部14、および、三本指袋部15より高めるために足の甲(上部)の部分にタック編みを採用している。
【0021】
人差指袋部14の上側の領域に高伸縮強度領域14Aを設けることで、図5に示すように、この靴下1を使用者100が装着した場合に、人差指を上方に持ち上げる(図5中矢印B方向)作用を得ることができる。これにより、歩行時に、この人差指による方向性(図4中の矢印A方向)がより確実に決定され、歩き方が自然に改善される。
【0022】
さらに、足甲袋部11は、図4に示す足の中足骨を着圧する(図4中の矢印T)ように設けられ、指袋部12および踵袋部16の領域よりも高い高伸縮強度を有している。具体的には、指袋部12および踵袋部16の領域は、平編み又はタック編みを採用しているが、足甲袋部11は伸縮強度を他の領域よりも高めるために3×1のゴム編みを採用している。
【0023】
このように、足甲袋部11が指袋部12および踵袋部16の領域よりも高い高伸縮強度を有することにより、図6および図7に示すように、足の中足骨が全周にわたって強く着圧される。その結果、中足骨が上方に持ち上げられ、足のアーチ(図8中のA1で示すアーチ)の形成が補助される。これにより、土踏まずの形成が促され、歩き方が自然に改善される。さらに、足の指が外側に向けて大きく広げられることを補助するため、より良い方向に歩き方が自然に改善される。
【0024】
さらに好ましくは、図3に示すように、踵袋部16は、足の踵骨を受け入れる踵受部19を有し、踵受部19を構成する生地は、踵袋部16を構成する他の生地よりも薄く設けられている。
【0025】
このように踵受部19を設けることにより、図8に示すように、通常の起立時には、踵110は、踵受部19に受け入れられる。次に歩行時には、図9に示すように、踵110から地面に着地することとなるが、踵受部19の前側において踵袋部16の生地の厚さが厚くなる境界ポイントP1が一瞬ではあるが足の踏み出しの抵抗(図9中の矢印C1方向)となる。他方、身体は、前方に進む(図9中の矢印C2方向)ことから、身体全体として観察した場合に、境界ポイントP1を中心にて、身体の体重移動が促進される。その結果、本実施の形態における靴下1を装着した場合には、より良い方向に歩く姿勢を自然に改善させることができる。
【0026】
さらに、本実施の形態においては、図2によく現れるように、踵袋部16の底面が、薄肉部16Aと厚肉部16Bとを有する。より具体的には、薄肉部16Aは主として小指側に設けられ、厚肉部16Bは主として親指側に設けられている。薄肉部16Aと厚肉部16Bとの境界には、親指側から小指側に向かって徐々に傾斜する傾斜ラインCLが現れる。薄肉部16Aと上記した踵受部19との生地厚さは程同程度となる。
【0027】
本実施の形態では、薄肉部16Aと厚肉部16Bとの厚さは、編み方、素材を調整することで実現させているが、クッション性を有する部材を別途用いて、厚肉部16Bを構成してもよい。クッション性を有する部材については、面ファスナー等を用いて、靴下1に対して着脱可能に設けてもよい。
【0028】
このように、踵袋部16の底面に生地の厚さに基づく傾斜ラインCLを設けることで、図4を参照した場合には、歩行時には、厚肉部16Bから薄肉部16Aに向けて徐々に体重が移動されることを促すことが可能となる。これによっても、より良い方向に歩く姿勢を自然に改善させることができる。さらに、この傾斜ラインCLを設けることで、踵の前滑りを防止するカウンター機能を得ることも可能となる。
【0029】
上記実施の形態における靴下1は、足首袋部17が、足首までの長さのタイプを図示しているが、このタイプに限定されない。たとえば、ふくらはぎを覆うようなハイソックスタイプの靴下であっても、同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
なお、上記実施の形態における靴下1は、(i)親指袋部13と、人差指が挿入される人差指袋部14と、中指、薬指、および、小指が挿入される三本指袋部15との構造からなる指袋部12を備える構成、(ii)人差指袋部14に高伸縮強度領域14Aを設ける構成、(iii)足甲袋部11が、指袋部12および踵袋部16の領域よりも高い高伸縮強度を有する構成、(iv)踵袋部16に踵受部19を設ける構成、および、(v)踵袋部16の底面に傾斜ラインCLが現れるように薄肉部16Aと厚肉部16Bとを設ける構成、の5つの特徴的構成を備える場合について説明しているが、必ずしも全ての構成を備える必要はなく、いずれか一つ以上の特徴を備える靴下を採用してもよい。
【0031】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0032】
1 靴下、11 足甲袋部、12 指袋部、13 親指袋部、14 人差指袋部、14A 高伸縮強度領域、15 三本指袋部、16 踵袋部、16A 薄肉部、16B 厚肉部、17 足首袋部、21 はき口、19 踵受部、100 使用者、110 踵。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9