特開2020-170102(P2020-170102A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-170102ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-170102(P2020-170102A)
(43)【公開日】2020年10月15日
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20200918BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20200918BHJP
【FI】
   G02B15/20
   G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-71892(P2019-71892)
(22)【出願日】2019年4月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】畠田 隆弘
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087MA14
2H087MA15
2H087MA16
2H087MA18
2H087NA07
2H087PA10
2H087PA11
2H087PA13
2H087PA19
2H087PB12
2H087PB13
2H087PB16
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA34
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA36
2H087RA44
2H087SA23
2H087SA27
2H087SA29
2H087SA32
2H087SA57
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SB02
2H087SB14
2H087SB15
2H087SB21
2H087SB24
2H087SB26
2H087SB32
2H087SB33
2H087SB34
2H087SB42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有しつつ、全系が小型で軽量なズームレンズを提供する。
【解決手段】物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1、負の屈折力を有する第2レンズ群L2、および、全体として正の屈折力を有する後続群LRからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、第1レンズ群は1枚のレンズからなり、後続群は最も像側に配置された正の屈折力を有するレンズ群LPを有し、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第2レンズ群が物体側へ移動し、レンズ群LPに含まれる正レンズのうち最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をνdLP、望遠端における全系の焦点距離をft、レンズ群LPの焦点距離をfLPとするとき、15.0<νdLP<30.0、0.50<fLP/ft<2.00なる条件式を満足する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、および、全体として正の屈折力を有する後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は1枚のレンズからなり、
前記後続群は最も像側に配置された正の屈折力を有するレンズ群LPを有し、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第2レンズ群は物体側へ移動し、
前記レンズ群LPに含まれる正レンズのうち最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をνdLP、望遠端における全系の焦点距離をft、前記レンズ群LPの焦点距離をfLP、とするとき、
15.0<νdLP<30.0
0.50<fLP/ft<2.00
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記後続群は、ズーミングに際して間隔が変化する2以上のレンズ群を有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、全てのレンズ群は物体側へ移動することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記後続群は、前記レンズ群LPの物体側に隣接するレンズ群LFを有し、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記レンズ群LFと前記レンズ群LPとの間隔が大きくなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
0.80<f1/ft<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
−1.10<f2/fw<−0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
広角端におけるレンズ全長をTDw、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
3.50<TDw/fw<5.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
広角端におけるバックフォーカスをskwとするとき、
0.3<skw/fw<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記後続群は、前記レンズ群LPの物体側に隣接するレンズ群LFを有し、
広角端における前記レンズ群LFと前記レンズ群LPの間隔をdw、望遠端における前記レンズ群LFと前記レンズ群LPの間隔をdtとするとき、
0.05<(dt−dw)/ft<0.40
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記レンズ群LPの広角端から望遠端までのズーミングに際しての移動量をmLPとするとき、
−0.30<mLP/ft<-0.05
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項11】
前記第2レンズ群の広角端から望遠端までのズーミングに際しての移動量をmL2とするとき、
−0.40<mL2/ft<-0.05
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項12】
前記第1レンズ群の広角端から望遠端までのズーミングに際しての移動量をmL1、前記後続群に含まれるレンズ群のうち前記第2レンズ群の像側に隣接して配置された第3レンズ群の広角端から望遠端までのズーミングに際しての移動量をmL3とするとき、
1.00<mL1/mL3<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項13】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のズームレンズと、
前記ズームレンズにより形成された像を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ及びそれを有する撮像装置に関し、例えばビデオカメラ、電子スチルカメラ、放送用カメラ、監視カメラ等のように撮像素子を用いた撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、正、負、正、負、正の5群ズームレンズが開示されている。特許文献1に開示されているズームレンズは、ズーミング中の可動レンズ群の数を増やして収差補正の自由度を高くすることにより、ズーム全域において高い結像性能を実現している。また、第1レンズ群を1枚または2枚のレンズで構成することで、ズームレンズの軽量化を実現している。特許文献2には、正、負、正、正、正、正の6群ズームレンズが開示されている。特許文献2に開示されているズームレンズは、第1レンズ群を1枚のレンズで構成しており、ズームレンズの軽量化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−156428号公報
【特許文献2】特開2016−45491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に開示されているズームレンズでは、センササイズ(像高)に対する広角端の光学全長が長い。このため、ズームレンズの光学全長方向の小型化を十分に図ることができない。
【0005】
そこで本発明は、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有しつつ、全系が小型で軽量なズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、および、全体として正の屈折力を有する後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記第1レンズ群は1枚のレンズからなり、前記後続群は最も像側に配置された正の屈折力を有するレンズ群LPを有し、広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第2レンズ群は物体側へ移動し、前記レンズ群LPに含まれる正レンズのうち最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をνdLP、望遠端における全系の焦点距離をft、前記レンズ群LPの焦点距離をfLPとするとき、
15.0<νdLP<30.0
0.50<fLP/ft<2.00
なる条件式を満足する。
【0007】
本発明の他の側面としての撮像装置は、前記ズームレンズと、前記ズームレンズにより形成された像を受光する撮像素子とを有する
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有しつつ、全系が小型で軽量なズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。
図2】実施例1のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図3】実施例1のズームレンズの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図4】実施例2のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。
図5】実施例2のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図6】実施例2のズームレンズの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図7】実施例3のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。
図8】実施例3のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図9】実施例3のズームレンズの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図10】実施例4のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。
図11】実施例4のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図12】実施例4のズームレンズの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図13】実施例5のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。
図14】実施例5のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図15】実施例5のズームレンズの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
図16】各実施例のズームレンズを備えた撮像装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
本発明のズームレンズとして、実施例1〜5のそれぞれのズームレンズ1a〜1eについて具体的に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施例1のズームレンズ1aの広角端(短焦点距離端)において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図2は、ズームレンズ1aの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。図3は、ズームレンズ1aの望遠端(長焦点距離端)において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
【0013】
図4は、本発明の実施例2のズームレンズ1bの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図5は、ズームレンズ1bの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。図6は、ズームレンズ1bの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
【0014】
図7は、本発明の実施例3のズームレンズ1cの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図8は、ズームレンズ1cの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。図9は、ズームレンズ1cの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
【0015】
図10は、本発明の実施例4のズームレンズ1dの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図11は、ズームレンズ1dの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。図12は、ズームレンズ1dの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
【0016】
図13は、本発明の実施例5のズームレンズ1eの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図14は、ズームレンズ1eの広角端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。図15は、ズームレンズ1eの望遠端において無限遠物体に合焦させたときの縦収差図である。
【0017】
各実施例のズームレンズは、ビデオカメラ、デジタルカメラ、または、銀塩フィルムカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系(光学系)である。図1図4図7図10図13のレンズ断面図において、左側が物体側(前方)、右側が像側(後方)である。
【0018】
図1のレンズ断面図において、L1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は負の屈折力の第4レンズ群、L5は負の屈折力の第5レンズ群、L6は正の屈折力の第6レンズ群である。第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5(レンズ群LF)、および、第6レンズ群L6(レンズ群LP)により、後続群LRが構成される。レンズ群LFは、レンズ群LPの物体側に隣接して配置されている。第3レンズ群L3は、後続群LRに含まれるレンズ群のうち第2レンズ群L2の像側に隣接して配置されている。
【0019】
図4のレンズ断面図において、L1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群、L5は負の屈折力の第5レンズ群である。また、L6は負の屈折力の第6レンズ群、L7は正の屈折力の第7レンズ群である。第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5、第6レンズ群L6(レンズ群LF)、および、第7レンズ群L7(レンズ群LP)により、後続群LRが構成される。レンズ群LFは、レンズ群LPの物体側に隣接して配置されている。第3レンズ群L3は、後続群LRに含まれるレンズ群のうち第2レンズ群L2の像側に隣接して配置されている。
【0020】
図7のレンズ断面図においてL1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は負の屈折力の第4レンズ群、L5は負の屈折力の第5レンズ群、L6は正の屈折力の第6レンズ群である。第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5(レンズ群LF)、および、第6レンズ群L6(レンズ群LP)により、後続群LRが構成される。レンズ群LFは、レンズ群LPの物体側に隣接して配置されている。第3レンズ群L3は、後続群LRに含まれるレンズ群のうち第2レンズ群L2の像側に隣接して配置されている。
【0021】
図10のレンズ断面図においてL1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群である。第3レンズ群L3(レンズ群LF)および第4レンズ群L4(レンズ群LP)により、後続群LRが構成される。レンズ群LFは、レンズ群LPの物体側に隣接して配置されている。第3レンズ群L3は、後続群LRに含まれるレンズ群のうち第2レンズ群L2の像側に隣接して配置されている。
【0022】
図13のレンズ断面図においてL1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群、L5は負の屈折力の第5レンズ群である。また、L6は負の屈折力の第6レンズ群、L7は正の屈折力の第7レンズ群である。第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5、第6レンズ群L6(レンズ群LF)、および、第7レンズ群L7(レンズ群LP)により、後続群LRが構成される。レンズ群LFは、レンズ群LPの物体側に隣接して配置されている。第3レンズ群L3は、後続群LRに含まれるレンズ群のうち第2レンズ群L2の像側に隣接して配置されている。
【0023】
ここで、屈折力とは光学的パワーのことであり、焦点距離の逆数である。図4および図7において、ISは、ズームレンズの光軸OAと垂直方向の成分を持つ方向に移動して、光軸OAと垂直方向に投影画像を移動させてズームレンズ全体が振動したときの像ぶれを補正する防振用のレンズ群である。実施例2では、図4中の第4レンズ群L4の全体を光軸OAと垂直方向の成分を持つ方向に移動して、像ぶれを補正する(即ち防振を行う)。実施例3では、図7中の第3レンズ群L3を構成する一部のレンズユニットを光軸OAと垂直方向の成分を持つ方向に移動して、像ぶれを補正する。
【0024】
図1図4図7図10、および、図13において、SPは開口絞りであり、第3レンズ群L3に配置されている。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子(光電変換素子)の撮像面に、銀塩フィルム用カメラのときはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
【0025】
図2図3図5図6図8図9図11図12図14、および、図15の収差図において、d、gは順にd線、g線である。ΔM、ΔSはそれぞれ、メリディオナル像面、サジタル像面である。倍率色収差は、g線によって表している。ωは半画角、FnoはFナンバー(F値)である。
【0026】
各実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1、負の屈折力を有する第2レンズ群L2、および、全体として正の屈折力を有する後続群LRからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。第1レンズ群L1は、1枚のレンズからなる。後続群LRは、最も像側に配置された正の屈折力を有するレンズ群LPを有する。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第2レンズ群L2は物体側へ移動する。好ましくは、後続群LRは、ズーミングに際して間隔が変化する2以上のレンズ群を有する。各実施例において、広角端および望遠端は、各レンズ群が機構上光軸上を移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。図1図4図7図10、および、図13に示される矢印は、広角端から望遠端へのズーミングにおける各レンズ群の移動軌跡を示している。
【0027】
図1に示されるように、実施例1では、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1は矢印のように物体側へ移動する。第2レンズ群L2は、第1レンズ群L1との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第3レンズ群L3は、第2レンズ群L2との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第4レンズ群L4は、第3レンズ群L3との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第5レンズ群L5は、第4レンズ群L4との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第6レンズ群L6は、第5レンズ群L5との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、第4レンズ群L4は像側へ移動する。
【0028】
図4に示されるように、実施例2では、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1は矢印のように物体側へ移動する。第2レンズ群L2は、第1レンズ群L1との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第3レンズ群L3は、第2レンズ群L2との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第4レンズ群L4は、第3レンズ群L3との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第5レンズ群L5は、第4レンズ群L4との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第6レンズ群L6は、第5レンズ群L5との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第7レンズ群L7は、第5レンズ群L5との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、第5レンズ群L5は像側へ移動する。
【0029】
図7に示されるように、実施例3では、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1は矢印のように物体側へ移動する。第2レンズ群L2は、第1レンズ群L1との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第3レンズ群L3は、第2レンズ群L2との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第4レンズ群L4は、第3レンズ群L3との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第5レンズ群L5は、第4レンズ群L4との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第6レンズ群L6は、第5レンズ群L5との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、第4レンズ群L4は像側へ移動する。
【0030】
図10に示されるように、実施例4では、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1は、矢印のように物体側へ移動する。第2レンズ群L2は、第1レンズ群L1との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第3レンズ群L3は、第2レンズ群L2との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第4レンズ群L4は、第3レンズ群L3との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、第3レンズ群L3の一部は物体側へ移動する。
【0031】
図13に示されるように、実施例5では、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1は、矢印のように物体側へ移動する。第2レンズ群L2は、第1レンズ群L1との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第3レンズ群L3は、第2レンズ群L2との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第4レンズ群L4は、第3レンズ群L3との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第5レンズ群L5は、第4レンズ群L4との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。第6レンズ群L6は、第5レンズ群L5との間隔を小さくしつつ物体側へ移動する。第7レンズ群L7は、第5レンズ群L5との間隔を大きくしつつ物体側へ移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して、第5レンズ群L5は像側へ移動する。
【0032】
なお各実施例において、フォーカシングは、ズームレンズの全体または任意の1つのレンズ群を移動させて行っても良い。
【0033】
ポジティブリードタイプのズームレンズにおいては、高ズーム比とレンズ系全系の小型化を図りつつ、物体距離全般にわたり良好な光学性能を得ることが重要な課題となっている。この課題を解決するには、各レンズ群の屈折力やレンズ構成、および、各レンズ群のズーミングに伴う移動条件を適切に設定することが重要となる。これらの構成を適切に設定しないと、小型軽量化を図りつつ、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有したズームレンズを得るのが困難である。
【0034】
一般にレンズ群を小型軽量化するには、レンズ外径(レンズ有効径)が大きくなる群のレンズ枚数を少なくする必要がある。ポジティブリードタイプのズームレンズの場合、最もレンズ外径が大きくなる第1レンズ群L1を最小枚数で構成すれば良い。但し、第1レンズ群L1を最小枚数である1枚で構成すると、特に望遠端での倍率色収差の補正が困難となる。そこで各実施例では、第1レンズ群L1を最小枚数である1枚で構成すると共に、後続群LRの最も像側に正の屈折力を有するレンズ群LPを有し、レンズ群LPを構成する正レンズに高分散材料を使用している。これにより、第1レンズ群L1で発生する望遠端での倍率色収差を打ち消し、ズーム全域で良好な色収差補正を実現している。
【0035】
また、ズーミングに際して、第2レンズ群L2が物体側へ移動している。これにより広角端での光学全長(最も物体側のレンズ面である第1面から像面IPまでの距離)の短縮が容易となるため、第1レンズ群L1のレンズ外径を小型化することができる。その結果、レンズ全系の小型軽量化が可能となる。
【0036】
各実施例において、レンズ群LPに含まれる正レンズ中で最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をνdLP、望遠端における全系の焦点距離をft、レンズ群LPの焦点距離をfLPとするとき、以下の条件式(1)、(2)を満足する。
【0037】
15.0<νdLP<30.0 ・・・(1)
0.50<fLP/ft<2.00 ・・・(2)
次に、前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(1)は、レンズ群LPに含まれる正レンズ中で最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をνdLPを規定するものである。前述のように、ポジティブリードのズームレンズの小型軽量化には、最も径の大きくなる第1レンズ群L1を1枚で構成することが重要である。さらに、ズーム全域での高性能化を達成するため、第1レンズ群L1を1枚化したことにより発生する望遠端での倍率色収差を補正する必要がある。各実施例では、最も像側の正レンズ群Lpに含まれる正レンズの分散を高分散とすることで正レンズ1枚で構成された第1レンズ群L1で発生する倍率色収差を打ち消し、レンズ全系の小型化と高性能化を両立している。
【0038】
条件式(1)を満足することで、望遠端での倍率色収差の補正が容易となり、レンズ全系の小型化を高性能化の両立が可能となる。条件式(1)の上限を超え、レンズ群LPに含まれる正レンズ中で最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数が大きくなりすぎると、正レンズ1枚からなる第1レンズ群L1で発生する倍率色収差を打ち消すことができず、望遠端での倍率色収差の補正が困難となる。一方、条件式(1)の下限を超えて、レンズ群LPに含まれる正レンズ中で最も屈折力の強いレンズのアッベ数が大きくなりすぎると、望遠端での倍率色収差の補正は容易となるが、ズーム全域での軸上色収差の補正が困難となる。また、製造時におけるレンズの偏芯による色収差の発生量が大きくなり、好ましくない。
【0039】
条件式(2)は、レンズ群LPの焦点距離を適切に設定するものである。条件式(2)の上限を超えてレンズ群LPの焦点距離が大きくなりすぎると、正レンズ1枚で構成された第1レンズ群L1で発生する倍率色収差を打ち消すことができず、望遠端での倍率色収差の補正が困難となる。また、広角端において、射出瞳が短くなりすぎ、広角端でのテレセントリック性の確保が困難となる。一方、条件式(2)の下限を越えてレンズ群LPの焦点距離が大きくなりすぎると、広角端において像面湾曲、歪曲収差の補正が困難となる。また、広角端と望遠端での射出瞳位置の変化量が大きくなりすぎ、ズーム全域でのテレセントリック性の確保が困難となる。
【0040】
好ましくは、条件式(1)、(2)の数値範囲を以下の条件式(1a)、(2a)のようにそれぞれ設定する。
【0041】
17.0<νdLP<25.0 ・・・(1a)
0.60<fLP/ft<1.50 ・・・(2a)
より好ましくは、条件式(1a)、(2a)の数値範囲を以下の条件式(1b)、(2b)のようにそれぞれ設定する。
【0042】
20.0<νdLP<25.0 ・・・(1b)
0.60<fLP/ft<1.30 ・・・(2b)
各実施例において、広角端での全系の焦点距離をfwとする。第1レンズ群L1の焦点距離をf1とする。第2レンズ群L2の焦点距離をf2とする。広角端での光学全長をTDwとする。広角端でのバックフォーカスをskwとする。広角端でのレンズ群LFとレンズ群LPとの間隔をdwとする。望遠端でのレンズ群LFとレンズ群LPとの間隔をdtとする。広角端から望遠端までのズーミングに際してのレンズ群LPの移動量をmLPとする。広角端から望遠端までのズーミングに際しての第1レンズ群L1の移動量をmL1とする。広角端から望遠端までの第2レンズ群L2のズーミングに際しての移動量をmL2とする。広角端から望遠端までのズーミングに際しての第3レンズ群L3の移動量をmL3とする。ここで、各レンズ群の移動量の符号は、物体側から像側への移動量を正、像側から物体側への移動量を負とする。このとき各実施例において、好ましくは、以下の条件式(3)〜(10)の少なくとも一つを満足する。
【0043】
0.80<f1/ft<2.00 ・・・(3)
−1.10<f2/fw<−0.50 ・・・(4)
3.50<TDw/fw<5.00 ・・・(5)
0.30<skw/fw<1.00 ・・・(6)
0.05<(dt−dw)/ft<0.40 ・・・(7)
−0.30<mLP/ft<−0.05 ・・・(8)
−0.40<mL2/ft<0.00 ・・・(9)
1.00<mL1/mL3<2.00 ・・・(10)
次に、前述の条件式(3)〜(10)のそれぞれの技術的意味について説明する。条件式(3)は、第1レンズ群L1の焦点距離を適切に設定するものである。条件式(3)の上限を超えて第1レンズ群L1の正の屈折力が弱くなりすぎると、変倍のために第1レンズ群L1の移動量を大きくしなければならず、この結果、望遠端においてレンズ全長が長くなるため、好ましくない。また、前玉有効径の小型化が難しくなる。一方、条件式(3)の下限を超えて第1レンズ群L1の正の屈折力が強くなりすぎると、高ズーム比化は容易となるが、望遠端において球面収差の補正が困難となる。
【0044】
条件式(4)は、第2レンズ群L2の焦点距離を適切に設定するものである。条件式(4)を満足することで、広角端においてレトロフォーカスタイプの屈折力配置とすることが容易となり、広角端における広画角化と、全ズーム範囲にわたり諸収差の変動が少なく、画面全体にわたり高い光学性能を得ることが容易となる。条件式(4)の上限を超えて第2レンズ群L2の負の屈折力が強くなると(焦点距離の絶対値が小さくなると)、ズーミングに伴う球面収差、倍率色収差の変動を小さくするのが困難となる。条件式(4)の下限を超えて第2レンズ群L2の負の屈折力が弱くなると(焦点距離の絶対値が大きくなると)、レトロフォーカスタイプの屈折力配置とするのが難しくなり、広角端における撮像画角を広くすることが困難となる。
【0045】
条件式(5)は、広角端での光学全長TDwと広角端の焦点距離との比を適切に設定するものである。条件式(5)の上限を超えて、広角端での光学全長が長くなりすぎると、第1レンズ群L1の径が大きくなり、小型軽量化が困難となる。一方、条件式(5)の下限を超えて広角端での光学全長TDwが長くなりすぎると、第1レンズ群L1および第2レンズ群L2の屈折力が強くなりすぎ、望遠端での球面収差、広角端での像面湾曲の補正が困難となる。
【0046】
条件式(6)は、広角端での全系焦点距離と広角端でのバックフォーカスの比を規定するものである。条件式(6)の上限を超えて広角端でのバックフォーカスが長くなりすぎると、レンズ群LPの屈折力が強くなりすぎ、広角端での像面湾曲の補正が困難となる。また、広角端でのレンズ全長の短縮が困難となる。一方、条件式(6)の下限を超えて広角端でのバックフォーカスが短くなりすぎると、望遠端で倍率色収差を補正するため、レンズ群LPの移動量を大きくする必要があり、レンズ全長の小型化が困難となる。
【0047】
条件式(7)は、レンズ群LFとレンズ群LPの広角端から望遠端までの間隔変化量を規定するものである。条件式(7)を満足することで、高倍率化と高性能化の両立が容易となる。条件式(7)の上限を超えて望遠端でのレンズ群LFとLPの間隔が広くなりすぎると、高倍率化は容易となるが、望遠端でのレンズ群LPの小径化が困難となる。一方、条件式(7)の下限を超えて望遠端でのレンズ群LFとLPの間隔が狭くなりすぎると、十分な変倍作用を得ることができず、高倍率化が困難となる。
【0048】
条件式(8)は、レンズ群LPのズーミングに際しての移動量を適切に設定するものである。条件式(8)を満足することで、ズーム全域での倍率色収差の補正が容易となる。条件式(8)の上限を超え、レンズ群LPのズーミングによる移動量が大きくなりすぎると、望遠端におけるレンズ全長の短縮が困難となる。一方、条件式(8)の下限を超え、レンズ群LPのズーミングによる移動量が小さくなりすぎると、望遠端において、レンズ群LPによる倍率色収差の補正効果が小さくなり、望遠端での倍率色収差を小さくすることが困難となる。
【0049】
条件式(9)は、第2レンズ群L2のズーミングに際しての移動量を適切に設定するものである。条件式(9)を満足することで、広角端におけるレンズ全長の短縮が容易となる。条件式(9)の上限を超え、第2レンズ群L2のズーミングによる移動量が大きくなりすぎると、望遠端におけるレンズ全長の短縮が困難となる。一方、条件式(9)の下限を超え、第2レンズ群L2のズーミングによる移動量が小さくなりすぎると、ズーミングに伴う球面収差、倍率色収差の変動を小さくするのが困難となる。また、広角端におけるレンズ全長が長くなり、広角端において前玉有効径の小型化が困難となる。
【0050】
条件式(10)は、ズーミングに際しての第1レンズ群L1の移動量と第3レンズ群L3の移動量との比を適切に設定するものである。条件式(10)の上限を超え、第1レンズ群L1の移動量が大きくなりすぎると、望遠端において周辺光量の確保のため、前玉有効径が大型化するため、好ましくない。一方、条件式(10)の下限を超え、第3レンズ群L3の移動量が大きくなりすぎると、ズーミングに伴う球面収差、F値の変動を小さくすることが困難となる。また、広角端でのレンズ全長が長くなり、広角端における前玉有効径の小型化が困難となる。
【0051】
各実施例において、より好ましくは、前述の条件式(3)〜(10)の数値範囲を、以下の条件式(3a)〜(10a)のようにそれぞれ設定する。
【0052】
0.90<f1/ft<1.90 ・・・(3a)
−1.00<f2/fw<−0.60 ・・・(4a)
4.00<TDw/fw<4.80 ・・・(5a)
0.40<skw/fw<0.90 ・・・(6a)
0.10<(dt−dw)/ft<0.35 ・・・(7a)
−0.25<mLP/ft<−0.10 ・・・(8a)
−0.35<mL2/ft<−0.05 ・・・(9a)
1.10<mL1/mL3<1.70 ・・・(10a)
各実施例において、更に好ましくは、前述の条件式(3a)〜(10a)の数値範囲を、以下の条件式(3b)〜(10b)のようにそれぞれ設定する。
【0053】
0.90<f1/ft<1.80 ・・・(3b)
−0.90<f2/fw<−0.70 ・・・(4b)
4.10<TDw/fw<4.70 ・・・(5b)
0.50<skw/fw<0.90 ・・・(6b)
0.12<(dt−dw)/ft<0.32 ・・・(7b)
−0.23<mLP/ft<−0.12 ・・・(8b)
−0.30<mL2/ft<−0.08 ・・・(9b)
1.20<mL1/mL3<1.60 ・・・(10b)
以上のように、各実施例によれば、全系が小型軽量で全ズーム範囲にわたり高性能なズームレンズが得られる。
【0054】
以下、実施例1〜5にそれぞれ対応する数値実施例1〜5を示す。各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のd線を基準としたアッベ数を表している。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd−1)/(NF−NC)
で表される。
【0055】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離f(mm)、FナンバーFno、半画角(度)は全て各実施例の光学系が無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。「バックフォーカス」は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0056】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12を各次数の非球面係数とするとき、
x=(h/R)/[1+{1−(1+k)(h/R)1/2+A4×h+A6×h+A8×h+A10×h10+A12×h12
で表している。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表1に示す。
【0057】

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 61.653 6.43 1.55032 75.5
2 1155.076 (可変)
3 32.781 1.10 1.83481 42.7
4 15.055 8.37
5 -62.356 0.90 1.55032 75.5
6 16.818 4.18 1.85478 24.8
7 83.016 3.80
8 -24.903 1.00 2.05090 26.9
9 -42.546 (可変)
10(絞り) ∞ 0.50
11 26.766 3.17 1.69680 55.5
12 -180.403 5.17
13 -18.532 0.80 1.65412 39.7
14 -79.100 1.04
15 27.363 6.02 1.49700 81.5
16 -24.450 0.30
17* 50.011 5.22 1.61881 63.9
18 -16.901 0.80 2.00100 29.1
19 -27.558 (可変)
20 38.596 0.70 1.83481 42.7
21 18.701 (可変)
22* -18.185 1.80 1.58313 59.4
23* -58.608 (可変)
24 317.669 5.49 1.92286 20.9
25 -45.002 1.60 1.83481 42.7
26 -107.742 (可変)
像面 ∞

非球面データ
第17面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.77064e-005 A 6=-7.03387e-008 A 8= 9.45719e-011 A10=-9.33095e-013 A12=-4.59154e-015

第22面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.90579e-005 A 6=-1.16385e-007 A 8= 1.83169e-009 A10=-1.03752e-011 A12=-2.09143e-014

第23面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.85448e-006 A 6=-1.22574e-007 A 8= 1.15603e-009 A10=-7.76835e-012 A12= 1.22075e-014

各種データ
ズーム比 2.75
広角 中間 望遠
焦点距離 24.72 44.11 67.90
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
半画角(度) 41.50 26.13 17.30
像高 19.69 21.64 21.64
レンズ全長 101.50 114.91 141.15
BF 12.50 17.92 24.86

d 2 0.70 10.38 25.91
d 9 13.47 4.16 1.83
d19 2.50 3.82 2.50
d21 13.15 11.84 13.15
d23 0.80 8.42 14.52
d26 12.50 17.92 24.86

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 118.10
2 3 -18.47
3 10 19.19
4 20 -44.17
5 22 -45.97
6 24 80.02

[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 1.50
2 56.604 5.09 1.59282 68.6
3 300.042 (可変)
4 132.928 1.15 2.05090 26.9
5 18.521 7.53
6 -41.495 0.90 1.49700 81.5
7 42.419 1.25
8 36.111 3.47 1.92286 20.9
9 670.026 (可変)
10 27.035 2.54 1.85883 30.0
11 -180.437 1.48
12 21.693 5.85 1.48749 70.2
13 -33.770 0.70 2.00069 25.5
14 31.881 2.54
15(絞り) ∞ (可変)
16 17.291 0.70 1.90043 37.4
17 9.388 6.16 1.61881 63.9
18* -31.274 (可変)
19 132.686 0.60 1.74100 52.6
20 17.363 (可変)
21* -45.424 1.80 1.53110 55.9
22* -6598.957 (可変)
23 116.299 3.50 1.92286 20.9
24 -168.312 (可変)
像面 ∞

非球面データ
第18面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.44987e-005 A 6=-2.35349e-007 A 8= 2.95704e-009 A10=-1.16526e-010 A12= 8.76781e-013

第21面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.51694e-005 A 6= 1.26365e-007 A 8= 1.24055e-009 A10=-2.14786e-011 A12= 9.63499e-014

第22面
K = 0.00000e+000 A 4=-5.11073e-005 A 6= 2.11344e-007 A 8=-7.26896e-010 A10=-1.97768e-012 A12= 1.61057e-014

各種データ
ズーム比 4.71
広角 中間 望遠
焦点距離 24.72 73.51 116.40
Fナンバー 4.04 5.99 7.31
半画角(度) 41.80 16.40 10.30
像高 19.90 21.64 21.64
レンズ全長 109.01 131.75 159.02
BF 14.15 27.66 31.01

d 3 0.70 26.43 39.45
d 9 27.91 4.42 0.80
d15 3.43 1.21 1.22
d18 2.51 5.52 5.36
d20 12.74 11.96 12.11
d22 0.80 7.78 22.31
d24 14.15 27.66 31.01

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 116.78
2 4 -22.18
3 10 39.32
4 16 24.78
5 19 -27.02
6 21 -86.13
7 23 74.97

[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 60.794 5.12 1.60311 60.6
2 540.251 (可変)
3 94.023 1.15 1.90366 31.3
4 15.577 8.20
5 -44.302 0.90 1.48749 70.2
6 38.054 1.23
7 29.650 2.91 1.92286 20.9
8 90.077 (可変)
9 19.857 2.71 1.80518 25.4
10 1806.956 2.40
11 16.245 3.73 1.59522 67.7
12 -34.957 0.70 2.00069 25.5
13 14.396 3.41
14(絞り) ∞ 1.00
15 14.310 0.70 1.83481 42.7
16 8.746 5.79 1.58313 59.4
17* -28.898 (可変)
18 297.133 0.60 1.56384 60.7
19 19.207 (可変)
20* -58.341 1.80 1.53110 55.9
21* ∞ (可変)
22 111.997 3.77 1.84666 23.8
23 -140.972 (可変)
像面 ∞

非球面データ
第17面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.30656e-005 A 6=-2.69644e-007 A 8= 4.13244e-009 A10=-2.06529e-010 A12= 1.91719e-012

第20面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.65816e-005 A 6= 5.61223e-008 A 8= 3.33907e-009 A10=-3.00761e-011 A12= 5.77510e-014

第21面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.90223e-005 A 6= 1.69299e-007 A 8= 8.90412e-010 A10=-1.11111e-011 A12= 2.20477e-014

各種データ
ズーム比 4.12
広角 中間 望遠
焦点距離 24.72 67.42 101.85
Fナンバー 4.29 6.16 7.31
半画角(度) 41.80 17.79 11.80
像高 19.90 21.64 21.64
レンズ全長 107.52 130.63 158.03
BF 13.48 31.00 35.52

d 2 0.70 21.58 33.94
d 8 24.80 3.76 0.80
d17 2.50 7.72 7.68
d19 19.13 13.91 13.95
d21 0.80 6.53 20.03
d23 13.48 31.00 35.52

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 113.13
2 3 -19.90
3 9 22.77
4 18 -36.45
5 20 -109.85
6 22 74.22

[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 60.474 5.85 1.49700 81.5
2 -681.696 (可変)
3 41.730 1.10 2.05090 26.9
4 16.292 8.08
5 -42.296 0.90 1.59522 67.7
6 18.502 5.72 1.85478 24.8
7 -73.854 1.74
8 -26.626 1.00 2.05090 26.9
9 -48.961 (可変)
10(絞り) ∞ 0.50
11 27.935 2.20 1.72916 54.7
12 87061.983 1.42
13 -24.946 0.70 1.70154 41.2
14 -48.103 3.30
15 20.111 0.70 1.83400 37.2
16 14.032 4.79 1.53775 74.7
17 -54.203 6.06
18* 50.009 4.70 1.61881 63.9
19 -17.299 0.80 2.05090 26.9
20 -25.498 2.50
21 -94.397 0.70 1.90525 35.0
22 29.850 4.79
23* -44.850 1.80 1.85135 40.1
24* -10849.867 (可変)
25 83.939 2.03 1.84666 23.8
26 9244.030 0.15
27 130.012 2.94 1.84666 23.8
28 -82.622 1.50
29 -37.135 1.60 1.60311 60.6
30 461.088 (可変)
像面 ∞

非球面データ
第18面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.15939e-005 A 6=-7.39851e-008 A 8=-6.80207e-010 A10= 2.30836e-011 A12=-1.37492e-013

第23面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.36326e-004 A 6= 9.85518e-007 A 8=-3.06037e-009 A10=-5.95740e-011 A12=-5.35489e-014

第24面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.05968e-004 A 6= 1.36386e-006 A 8=-7.52157e-009 A10= 6.50764e-013 A12= 7.19143e-014

各種データ
ズーム比 3.34
広角 中間 望遠
焦点距離 24.72 47.47 82.45
Fナンバー 3.53 4.79 5.88
半画角(度) 38.53 24.50 14.70
像高 19.69 21.64 21.64
レンズ全長 101.50 116.56 142.50
BF 14.16 25.46 32.52

d 2 0.70 12.43 29.49
d 9 18.27 7.26 1.80
d24 0.80 3.83 11.12
d30 14.16 25.46 32.52

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 112.06
2 3 -21.19
3 10 23.85
4 25 98.85

[数値実施例5]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 33.906 4.05 1.59282 68.6
2 178.294 (可変)
3 68.640 0.80 2.05090 26.9
4 11.645 5.22
5 -30.797 0.70 1.49700 81.5
6 19.833 0.79
7 19.686 2.89 1.92286 20.9
8 143.641 (可変)
9 23.677 1.61 2.05090 26.9
10 -230.793 1.89
11 19.523 2.47 1.61800 63.3
12 -19.345 0.50 2.00069 25.5
13 25.424 2.23
14(絞り) ∞ (可変)
15 15.087 0.50 1.83481 42.7
16 7.584 4.64 1.61881 63.9
17* -16.097 (可変)
18 -110.079 0.50 1.61340 44.3
19 14.834 (可変)
20* -54.976 1.50 1.53110 55.9
21* -2568.724 (可変)
22 45.139 2.32 1.96300 24.1
23 176.222 (可変)
像面 ∞

非球面データ
第17面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.15592e-004 A 6=-1.12329e-006 A 8= 7.29338e-008 A10=-3.97268e-009 A12= 5.47289e-011

第20面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.14039e-005 A 6=-2.27979e-006 A 8= 6.14878e-008 A10=-1.24789e-009 A12= 1.03195e-011

第21面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.46631e-005 A 6=-1.60734e-006 A 8= 3.28650e-008 A10=-5.34487e-010 A12= 3.62883e-012

各種データ
ズーム比 4.39
広角 中間 望遠
焦点距離 15.45 37.46 67.90
Fナンバー 3.93 5.64 7.31
半画角(度) 42.40 20.02 11.37
像高 12.56 13.65 13.65
レンズ全長 71.26 88.06 113.36
BF 12.40 22.39 24.51

d 2 0.44 13.26 23.04
d 8 14.34 4.04 0.80
d14 3.19 1.31 1.14
d17 2.50 1.86 1.39
d19 4.98 7.50 8.14
d21 0.80 5.11 21.73
d23 12.40 22.39 24.51

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 69.89
2 3 -14.07
3 9 30.97
4 15 16.09
5 18 -21.28
6 20 -105.80
7 22 62.47
【0058】
【表1】
【0059】
次に、図16を参照して、各実施例のズームレンズ(光学系)を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置10)の実施例について説明する。図16は、各実施例のズームレンズを備えた撮像装置10の概略図である。
【0060】
図16において、13はカメラ本体、11は実施例1乃至5で説明したいずれかのズームレンズによって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体13に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体13はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでも良いし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。
【0061】
このように本発明のズームレンズをデジタルスチルカメラ等の撮像装置10に適用することにより、高い光学性能を有する撮像装置を得ることができる。なお、各実施例のズームレンズは、ビデオカメラにも同様に適用することができる。
【0062】
各実施例によれば、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有しつつ、全系が小型で軽量なズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することができる。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
LR 後続群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16